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東北福祉大×東海大【明治神宮大会(大学の部)】

11/16  明治神宮大会(大学の部)1回戦
東北福祉大×東海大 @神宮球場

試合経過

東北福祉大と東海大という豊富な投手陣を誇る、1回戦屈指の強豪どうしたの戦いは思わぬ展開となった。まず意外であったのは東海大の先発が高杉であったこと。この秋は質のいいストレートを武器にリリーフとして活躍していた高杉だが、山崎・原田・松山といった選手に比べると実績は少なく、さらに先発となるとなおさらだ。そんな高杉は初回に里見・清水のヒットと四球で2死満塁のピンチを招くと、東北福祉大は6番主将の岩崎がセンター前にはじき返して先制点をあげる。。
20191116東北福祉大 岩崎
先制タイムリーを放った岩崎

波に乗り切れない高杉は2回表にも、先頭の大里にライト線へ2ベースを浴びると、続くピッチャー山野にもレフトオーバーのタイムリー2ベースを浴びてしまう。さらに山野は中継が乱れる間に3塁を陥れると、続く1番柿崎が犠牲フライを放ち3-0と東北福祉大がリードを広げ、高杉はこの回で降板となってしまう。
20191116東海大 高杉
先発のマウンドに上がるも2回3失点で降板となってしまった高杉

東北福祉大にしていれば、これはもう楽勝な展開かと思われたが、2回裏に安定感抜群のはずのエース山野が乱れる。先頭の長倉に四球を与えると、続く串畑のバントを2塁へ暴投、さらに高杉の代打亀田にも四球を与えてしまい無死満塁。東海大は9番竹内のセカンドゴロの間に1点を返し、さらに千野の打席で山野がワイルドピッチで2点目。2四死球で再び満塁とすると、4番海野はセンターに逆転タイムリーを放ち、東海大が4-3と試合をひっくり返す。
20191116東海大 海野
3回に逆転タイムリーを放った4番海野

東海大は3回表に、2番手としてサイド左腕の安里をマウンドにあげる。同じタイプの左腕であれば、実績もある松山がいたので、先発もさることながらこの継投にも驚いた。ただ安里は岩崎のヒットと2四球で満塁のピンチを迎えると、代打増田には押し出しの死球。さらに1番柿崎は2打席連続となる犠牲フライを放ち、東北福祉大が6-5と再逆転に成功する(まだ3回表)。

東北福祉大は3回から2番手として、東北の代表決定戦ではノーヒットノーランを達成した綱脇をマウンドに送る。綱脇は先頭の長倉に四球を与えてしまうと、代走の植村が盗塁を決めて、串畑が送って1死3塁。ここで東海大は安里に代えて代打小玉を送る。2017年の夏の甲子園準決勝の東海大菅生×花咲徳栄戦の再来となるこの2人の対決は、小玉がきっちりと犠牲フライを放って勝利し、東海大が6-6と同点に追いつく。
20191116東海大 小玉
同点に追いつく犠飛を放った代打小玉

さらに東海大は5回裏、1死から5番藤井が右中間に2ベースを放ち出塁すると、代走からの出場でこれが初打席となる植村は左中間に勝ち越しのタイムリー3ベース。さらに串畑がタイムリーを放つと、串畑は2盗→3盗と決めて、さらに3盗時のキャッチャーからの送球が逸れてホームインとまさにその快足で1人でホームインする活躍を見せ、東海大がこの回3点目。綱脇はゆったりしたフォームで打者のタイミングを外しながら投げていたが、ランナーを背負っているときのクイックが課題のようで、好き放題走られてしまい、それが得点に繋がり、この5回でマウンドを降りることになってしまった。
20191116東北福祉大 綱脇
2番手として登板するも3回4失点を起用に応えることのできなかった綱脇

東海大は4回から3番手としてマウンドに上がった宮路が、4~6回の東北福祉大の攻撃を無得点で凌ぎ、見事に試合を落ちつける働きを見せる。しかし7回に先頭打者に死球を与えてしまうと、1死から8番大里にこの試合2本目の2ベースを右中間に打たれてしまい初失点。さらに6回表を無失点に抑えた1年生左腕の坂根のところで、天理の先輩でもある4年生の冨木が代打で登場すると、この冨木が宮路の変化球をうまく救い上げて、レフトスタンドに同点の2ランホームラン。東北福祉大が8-8と試合を振り出しに戻す。
20191116東北福祉大 冨木
代打で出て同点2ランをはなった冨木

東北福祉大は7回裏から、ドラフト会議ではソフトバンクに3位指名を受けたリリーフエースの津森が登板。津森は7回には藤井・串畑から三振を奪い3人で攻撃を終わらせると、8回には宮路・千野・宮地と3者連三振を奪う圧倒的なピッチング。かたや宮路も同点2ランを浴びた後は立ち直り、8回表・9回表と東北福祉大打線の攻撃を無得点に抑える。
20191116東北福祉大 津森
7回・8回と圧巻のピッチングをみせた津森

8-8のまま迎えた9回裏、1死から東海大の杉崎の放った高く上がった打球をサード大里が落球し出塁。打席には4番海野が入り、津森とのソフトバンクドラフト2位VS3位の対決が実現すると、津森が海野をサードゴロに打ち取るも、サード大里の送球が逸れてしまい1死1・2塁。それでも5番藤井はセカンドゴロに打ち取り併殺と思いきや、この打球がセカンド永濱の手につかず3連続エラーで東海大が満塁のチャンスを作る。さらに6番植村のファールフライを、キャッチャーとサードが見合って落球という事態もあり、完全にバックに足を引っ張られた津森であったが、気迫の投球で植村を3球三振に仕留め2死。続く串畑もボテボテのピッチャーゴロに打ち取るも、わずかに逸れた津森の送球に対して、ファースト岩崎の足はベースから離れたと判定されてセーフ。東海大は最終回に、結局ノーヒットながら4個のエラーで1点を奪いサヨナラ勝ちをおさめた。
20191116東海大
サヨナラ勝ちに喜ぶ東海大ナイン

20191116東北福祉大×東海大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


津森の大学ラストゲームはまさに悲劇となってしまった。1年時から大学日本代表候補合宿に参加するなど活躍していたサイド右腕は、3年春には全日本大学野球選手権で優勝し、最優秀投手賞を受賞。そのまま大学日本代表にも選ばれ、今日対戦して、来年からはチームメイトとなる海野ともバッテリーを組んだ。しかしケガの影響などもあり、今年は大学日本代表からも漏れる(選考合宿までは参加)など本来の姿とは言い難い投球が続いていて、ドラフトの指名順位も3位まで落ちてしまった。それでも大学最後となるこの大会に登板した津森は、サイドスローから繰り出すストレートはMax146㌔でこれが見事にバッターの膝の高さに決まっていて、スライダー・シンカーもさえていて、東海大打線でも打てる気配がないというほど素晴らしい投球であった。最終回の1死2塁(=1塁が空いている場面)でも、東海大の4番海野に勝負を挑んで打ち取るなど気迫も十分で、結果的に最後まで東海大打線にヒットも四死球を許すことはなかったものの、味方の3連続エラーで満塁とされると、最後は自らのエラー(記録上は)でサヨナラ負けというまさに悲劇の主人公となってしまった。
20191116東北福祉大 津森2
サヨナラ負けを喫してマウンドでしゃがみ込み津森

このエラーには東北福祉大からしてみれば慣れない神宮、それもナイターという環境要因もあったと思う。ただそれより影響として大きかったと思われるのが、その前の守備のシフト変更であった。東北福祉大は津森登板時にはキャッチャーは笹谷が務めることとなっていて、この試合でも7回から笹谷がマスクをかぶった。リーグ戦では岩崎の代わりにそのまま笹谷が入るケースが多かったが、この試合では岩崎が先制タイムリーを放つなど打撃好調だったこともあり、岩崎がファースト、ファーストだった大里は2ベース2本と当たっていたのでサードに回り、この試合打撃がさっぱりであった楠本がベンチに下げた。だが結果的に最終回のエラーのうち、2個は大里のエラーであり、また(送球がやや逸れて)ファースト岩崎の足がわずかにベースから離れてしまったものも2個あったために、この守備シフトの変更がもろに影響してしまった。

勝利した東海大だが投手陣が気がかりだ。結果的に山崎・原田・松山の3本柱は登板せずに、3回からリリーフした宮路が最後まで投げ切った。山崎は肘に不安を抱えているとのことで登板なしで納得だが、原田と松山もコンディションに問題を抱えているかもしれないが、ブルペンには入っていたので不可解であった。高杉や宮路もボールは素晴らしいが、今後のことを考えるとやはり経験不足感は否めず、上記の3人が投げれないとなるとこの先の勝ち上がりは不安である。

そんな状況なので今日のように投手陣のカバーが必須となる、東海大の打線で注目なのはやはり、2015年の夏の甲子園を制した東海大相模勢である。東海大の主将を務める長倉は、東海大相模では2年時から正捕手を務めた逸材であったが、東海大では同期に海野という大学No1捕手がいた。長倉の主戦場はDHor代打であったが、DHのない今大会ではファーストに挑戦し、見事にスタメンの座を射止めた。これで2015年の夏の甲子園決勝の東海大相模のスタメンと同じ1番千野・2番宮地・3番杉崎・6番長倉という構成がこの試合でも見られた。見事に初戦を突破し、東海大相模勢の高校に次ぐ大学での全国制覇への挑戦は続く。
20191116東海大 長倉
この試合では打力を生かしてファーストでスタメン出場を果たした長倉


Pickup Player
宮路悠良 東海大2年 投手
~投手陣崩壊を食い止める好投~
3本柱が投げれず、高杉・安里までも撃ち込まれた東海大投手陣を救ったのは、3番手で登板した宮路であった。

宮路は東海大高輪台時代から本格派右腕として注目されていて、1年秋には背番号8ながら控え投手として東京4強入り。2年秋からはエースとなり、1次予選から日大豊山、拓大一という強豪と対戦する不運なブロックに入るも、その両チームに勝利して本大会出場。3回戦では早大学院に敗れるも、その試合ではライトスタンドにホームランを放つなど打力も魅力であった。3年夏には主に抑えとして活躍し、帝京・東亜学園といった強豪を撃破し、東海大系列で唯一甲子園未出場のチームを、東東京決勝に導いた。決勝では市川(日大)、永井(広島)ら率いる二松学舎大付に完敗していまうも、147㌔右腕としての評判は高く、秋にはプロ志望届を提出するも、指名はなく東海大へ進学した。

東海大では最速を151㌔までに伸ばし、この秋にリーグ戦デビューしリリーフで3試合し、計2回2/3を投げた。警官からいえば、また少ないと言わざるを得ない右腕であるが、この神宮大会の初戦では、5-5で迎えた4回表に3番手としてマウンドに上がることとなった。マウンドにあがった宮路は、第4試合ということもありナイターで寒い中にも関わらず、いきなり148㌔をマーク。ただストレートの力はある一方、コントロールにバラツキがあり、いきなり2四死球でピンチを招くも、最後は楠本をストレートで三振に切って取る。5回以降は勝負どころ以外ではストレートの力をやや抑え、コントロールを安定させたことで、四死球は1個のみ。縦のスライダーやカーブといった変化球もうまく使いながら、東北福祉大打線を抑えていった。3回までで5失点であった東海大にとって、4~6回を宮路が無得点に凌いでくれたのは、試合を落ち着かせる意味でも非常に大きかった。

7回には冨木に同点2ランを浴びるなど3失点してしまうが、安藤監督のこの日の宮路に対する信頼は厚く、その後も続投。8回・9回も東北福祉大打線を無得点に抑え、最後の味方のサヨナラ勝ちにつなげた。その能力は高く、まだまだ粗さの残る右腕であるが、その中でも十分な働きをみせ、見事に公式戦初勝利をあげた。
20191116東海大 宮路
3回からマウンドにあがり、最後まで投げ切った宮路



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天理×仙台育英【明治神宮大会(高校の部)】

11/16 明治神宮大会(高校の部)2回戦
天理×仙台育英 @神宮球場

試合経過

天理と仙台育英という名門どうしの対決は、序盤は変化球を駆使した完成度の高いピッチングを展開する両先発の好投から始まった。まず仙台育英の先発は、東北大会の準決勝では盛岡大付から2失点13奪三振完投勝利をあげてチームにセンバツ当確ランプを灯し、この大会から背番号1を背負うことになった2年生左腕の向坂。ストレートは130㌔中盤だが、どちらかというと変化球が多めで、中でもコースをつけるスライダーが多く、得意のSFFもさえわたっていて、時よりカーブも投げていた。3回には田中輝・庭野から連続三振を奪うなどして3回まで天理打線を寄せ付けず無失点で切り抜ける。
20191116仙台育英 向坂
仙台育英の先発向坂

しかし4回表、1死からサードゴロを主将の田中が暴投してしまいランナーを出すと、4番山地は三振に仕留めるも、5番瀨は2球目の甘く入ったSFFを捉えると打球はレフトスタンドに飛び込む2ラン。瀨の近畿大会決勝の大阪桐蔭戦に次ぐホームランで天理が2点を先制する。
20191116天理 瀨2
先制2ランを放った瀨

天理の先発の庭野も、ストレートは130㌔前後ながら得意のフォークをはじめとして、スライダー・カーブ・チェンジアップと多彩な変化球を駆使して仙台育英打線を翻弄していく。四球は出すものの、うまく仙台育英打線を打ち取り、三振はなかったものの4回までノーヒットに抑えて、試合は天理ペースかと思われた。
20191116天理 庭野
4回まで仙台育英をノーヒットに抑えた庭野

しかし5回裏、仙台育英は夏の甲子園では145㌔をマークした左腕ながら、この試合では5番ファーストで出場していた笹倉がライト線にチーム初ヒットなる2ベースを放ち出塁。すると続く6番吉野は3球目のチェンジアップを捉え、同点2ランホームラン。沈黙していた仙台育英打線があっという間に試合を振り出しに戻した。
20191116仙台育英 吉野
同点2ランを放った吉野

するとグランド整備を挟んでから、試合はめまぐるしく動くこととなる。まず6回表、天理は2死から山地が四球で出塁すると、続く瀨の打球はサードゴロ。ただこれをサード田中がやや待って捕ってしまうと、目の前の2塁ランナーにタッチすればよかったものの、これを1塁へ送球してセーフ(記録は内野安打)。さらに河西の四球で満塁とした天理は、7番田中輝が左中間に走者一掃のタイムリー2ベースを放ち、3点を勝ち越す。
20191116天理 田中輝
6回に走者一掃のタイムリー2ベースを放った田中輝

ただ仙台育英は直後の6回裏に、先頭の渡邉がレフト前ヒットで出塁すると、3番宮本がレフト戦にうまく流し打って2ベースとして、1死2・3塁とチャンスを作る。ここで迎えた注目の主砲4番入江は打った瞬間に、それとわかる1発をレフトスタンドに叩き込む。仙台育英が入江の3ランでまたもや試合を振り出しに戻す。
20191116仙台育英 入江
6回に同点3ランを放つ入江

それでも7回表、天理は杉下・下林の連打でチャンスを作ると、仙台育英は向坂からサイド右腕の粕谷にスイッチ。ただ3番河村がセンター前にはじき返して満塁とすると、4番山地は三振に倒れるものの、この日は完全にラッキーボーイとなった5番瀨が右中間後方に走者一掃のタイムリー3ベース。瀨のこの試合5打点目で、天理が8-5と三度勝ち越す。
20191116天理 杉下
7回の勝ち越しは杉下のヒットから始まった

三度追いつきたい仙台育英は、庭野に対して合ってきてはいたものの、各打者の打球が正面をついてしまったこともあり、7・8回は無得点。9回には途中からマスクをかぶっていた小野寺がバックスクリーンに1発を放つも、反撃はそこまで…。天理が8-6でシーソーゲームを制した。

20191116天理×仙台育英
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


天理は奈良大会では準決勝でライバル智弁学園にコールド負けを喫し、さらに3位決定戦では進学校の奈良に2-1でサヨナラと何とか勝利と近畿大会出場は決めたものの、その内容は最悪に近かった。そんな事情と戦力的にみても優勝候補とは到底言えなかった近畿大会であったが、初戦で報徳学園に快勝すると、準々決勝では奈良大付に14-0で圧勝、そして準決勝では履正社に逆転サヨナラ勝ちをおさめると、決勝では大阪桐蔭を圧倒。近畿大会が終わってから、この明治神宮大会初戦まで時間が空いたために、その勢いが1度は止まってしまうと思われたが、元近鉄の中村良二監督も「近畿大会で魔法は解けたと思ったけど、まだ解けていなかった」と発言したように、その勢いを持続してこの試合でも勝利をおさめた。エース庭野は6失点したものの、打線が見事にかみ合って、10安打中7安打が得点に絡むという効率の良さ。4番山地がこの日は3三振とさっぱりであったが、その後の5番瀨がそれを補う5打点の活躍。この勢いがどこまで続くかという話よりも、中村監督は謙遜しているが、もうここまで来たら十分に実力と言えるのではないだろうか?

敗れた仙台育英だが、点をとられた3イニングに全て守備の絡んでいた。4回であればサード田中の悪送球のあとに2ラン、6回も田中がサードゴロを内野安打にしてしまって満塁となった後に走者一掃、7回の瀨の3ベースも絶好調の瀨に対してライトの守備位置には少し疑問が残る打球であった。

投手陣に関しては、夏の甲子園で活躍した笹倉、伊藤の左右の1年生2枚看板に登板がなかった。2人とも東北大会での成績が思わしくなかったこともあるだろうが、この起用にはあえて2人を使わずに2年生投手陣の奮起を促すという須江監督の意図もあったように思えた。実際に向坂をこの大会から背番号1にし(それまでは笹倉が背番号1であった)、2番手以降も粕谷→阿部→尾形と直前の登録変更でベンチ入りを果たした2年生投手を登板させた。笹倉はずっとファーストとして活躍し、伊藤に関しては今大会はベンチ外であった。他にも東北大会で登板した菅原・杉山といった実力者も控えていて、仙台育英の投手陣の層の厚さは羨ましい限りである。もちろんミスで敗れたのは好ましいことではないが、センバツ出場を確実にした後のこの大会は須江監督にとっては戦力の見極めの場に過ぎなかったのかもしれない。
20191116仙台育英 尾形
直前の登録変更でベンチ入りを果たし、4番手として2回を無失点に抑えた尾形


Pickup Player
瀬千皓 天理1年 外野手
~天理の勢いを象徴する打者が5打点の活躍~
先制の2ランに、決勝点となる3点タイムリー3ベースと5番に起用された瀨は素晴らしい活躍をみせた。

瀨は芯のしっかりとしたスイングでボールを飛ばすことができ、また積極的もある打撃が魅力で、近畿大会では背番号20でベンチ入りを果たすと、4試合中3試合でレフトでスタメン出場。近畿大会の決勝では7回に同世代ではその名をとどろかせていた大阪桐蔭の関戸からレフトスタンドにホームランを放つと、その珍しい苗字とトレードマークの眼鏡もあってその名を全国にとどろかせた。

この明治神宮大会では登録メンバーが20人→18人に減ることもあり、背番号17をつけて5番レフトでスタメンに名を連ねる。すると両チームとも無得点で迎えた4回表2死1塁で回ってきた第2打席では、2球目の甘く入ったSFFを捉えると先制の2ランホームランを放ち、試合の均衡を破る。第3打席では打球はサードゴロであったが、これをサードが待って捕ったこともあり、内野安打になり、田中輝の走者一掃のタイムリー2ベースでホームを踏んだ。このあたりから瀨にはツキもあり、完全にこの試合のラッキーボーイ的存在になっていた。5-5の同点、2死満塁で無明田7回の第4打席では右中間への走者一掃のタイムリー3ベース。若干ライトの守備位置にも問題があったが、打球自体は素晴らしいもので、右サイドの粕谷のスライダーをうまく右方向にもっていくお手本のようなバッティングであった。2ベースが出ればサイクル安打であったが、第5打席目はあと1人というところでまわって来ず…。それでも先制2ランに決勝打を含む4打数3安打5打点という大活躍で勝利の立役者となった。

まさに天理の勢いを象徴するような瀨の打撃。ただまだ背番号は17であり、今回の好調をキープして、春のセンバツでは背番号が1桁、さらにはまだ打順が流動的な天理打線だけに3・4番を打つような姿も見たいものだ。
20191116天理 瀨
先制2ランに決勝打を含む3安打5打点と大活躍であった瀨



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明徳義塾×星稜【明治神宮野球大会(高校の部)】

11/15 明治神宮野球大会(高校の部)1回戦
明徳義塾×星稜 @神宮球場

試合経過

明徳義塾と星稜といえば、松井の5連続敬遠が伝説となっているが、なんとこの両チームが公式戦で対戦するのは、それ以来27年ぶり。当時は星稜の2番ショートとして出場していた林監督が、当時から明徳義塾を率いている馬淵監督に挑む形となった。

星稜は3回裏、この回先頭の9番出村がライト前ヒットで出塁。続く花牟禮のバントはキャッチャー目の前となってしまうが、キャッチャー鈴木のセカンド送球は逸れてしまいオールセーフ。ここから街道・知田と打ちとって、2死1・3塁という場面で星稜の4番内山を迎える。1年夏から星稜の3番を打ち、2年夏には4番打者として甲子園準Vに貢献するなど、今世代を代表する強打者の内山とあって、敬遠も予想される場面であったが、明徳義塾は27年前とは違い勝負を選択。しかしこれを内山が見事にレフト前にはじき返して、星稜が先制する。
20191115星稜 内山2
先制タイムリーを放った内山

星稜の先発のエース萩原は序盤からエンジン全開で、持ち前のツーシーム、スライダー、SFFといった球種をコントロールよく投げて、2回まで打者6人、3奪三振で片づける完璧な立ち上がりをみせていたが、直後の4回表…先頭の2番合田にピッチャー強襲ヒットを浴びると、鈴木がライト前ヒットで続き、さらに4番元屋敷に死球を与えてしまい無死満塁のピンチを迎える。明徳義塾はここで5番新澤のタイムリーでまず同点とすると、6番今釘のライトへの犠牲フライで逆転。なおも2・3塁という場面から星稜に2つのバッテリーミスが出て、さらに2人が生還して4-1と試合をひっくり返す。
20191115明徳義塾 新澤
同点タイムリーを放った新澤

勢いに乗った明徳義塾は5回表にも、エース新地が自らのバットでライトオーバーの2ベースを放ちチャンスメイクをすると、1死1・3塁で迎えた3番鈴木は、初球の甘く入った変化球を捉えると打球はレフトスタンドに飛び込む3ランホームラン。鈴木が先制点に繋がったエラーの汚名返上を最高の形で成し遂げ、明徳義塾が7-1とリードを広げる。
20191115明徳義塾 鈴木2
5回に貴重な3ランを放った鈴木

このままではコールドも近づいてきて尻に火のついた星稜打線は5回裏、1死から街道のセンター前ヒット、知田のライト線への2ベースで1死2・3塁のチャンスを作る。4番内山の強烈な打球はちょうどベース付近にいたサードのグラブに収まる不運な結果となってしまうが、5番中田はライト線に2ベースを放ち、星稜が2点を返して3-7とする。
20191115星稜 中田
ライト線に2点タイムリー2ベースを放った中田

それでも明徳義塾は6回表にも、1死から米崎がヒットで出塁すると、この米崎を刺そうとしたキャッチャー内山の送球がバッターに当たってしまい、その間に米崎は2塁へ。8番寺崎のセカンドゴロで2死3塁とすると、9番新地のセカンド内野安打で明徳義塾が8点目をあげる。

反撃に出なければいけない星稜は、エース萩原に代打林(林監督の息子)を送るなどするも、6回・7回と無得点。8回にはこの試合スタメンに抜擢された背番号13の倉知がソロホームランを放ち、1点を返すも4-8と4点ビハインドのまま最終回を迎えることとなる。
20191115星稜 倉知
8回にソロホームランを放つ倉知

それでも徐々に新地にあってきていた星稜打線は9回裏、先頭の花牟禮がヒットで出塁すると、2番街道は左中間にタイムリー2ベースを放ちまず1点。さらにクリーンアップを迎えるというとことであったが、ここから知田は左中間へのセンターフライ、内山は強烈な打球もショートゴロ、中田の打球もセンターライナーといずれも捉えた当たりであったが、ここら辺はツキがなくゲームセット。明徳義塾のエース新地は、ストレートは130㌔には及ばなかったものの、スライダー・チェンジアップも混じえて抜群のコントロールを武器に安定した投球で5失点完投勝利。明徳義塾が8-5で勝利し、27年前のリベンジに挑む星稜を返り討ちにした。
20191115明徳義塾 新地
完投勝利をあげた明徳義塾のエース新地

20191203明徳義塾×星稜
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


明徳義塾、星稜といえば両チームともに付属の中学も軟式野球の超強豪として有名。実際に今の世代も2017年の全日本少年春季軟式野球大会準決勝で対戦している。この時は星稜のスタメンには、荻原・内山・知田が主力を担い、笠井・林・松本・高木・出村(2年)などこのときのメンバー8人がこの神宮大会ではベンチ入りを果たしている。一方の明徳義塾は奥野が1番セカンドとして出場していたのみで、神宮大会でのベンチ入りは3人のみ。特にこの時の2年生ながらチームの中核をなしていた関戸(→大阪桐蔭)、田村(→愛工大名電)の2人が他の高校に進学するなど、そのまま明徳義塾高校に進学しないメンバーも多かった。
20191115明徳義塾 奥野
明徳義塾中出身者で唯一スタメンに名を連ねた奥野

実際の今年の明徳義塾のメンバーには、いわゆるドラフト候補というような選手はおらず、どちらかというと小粒な印象だ。それでも、高知大会では準決勝で高知中央に敗れて3位だったもののの、そこから試合巧者ぶりを発揮して、四国大会ではその高知中央にコールド勝ちでリベンジを果たし、四国を制覇したあたりはさすがであった。対する星稜はその星稜中の主力を中心に、昨年の夏の甲子園準Vを経験して、この秋も圧倒的な力で北信越大会を制した。馬淵監督が星稜との対戦前に「弱いので胸を借りる。勝つ可能性は低い」と言っていたのも、決して謙遜でないと思っていた。ところが試合が始まってみれば、前評判を完全に覆すこの結果…小粒と思われていた明徳義塾は、強打で星稜のエース萩原を攻略して、8-5と快勝。「このたぬきじじぃめ…」と馬淵監督に言いたくなってしまうほどの、見事な戦いぶりであった。
20191115明徳義塾 馬淵監督
前評判を見事なまでに覆しチームを勝利に導いた馬淵監督

星稜にしてみればやはり誤算だったのがエース荻原の8失点だ。夏の甲子園でも2試合に先発して計13回1失点と好投して、エース奥川を休ませる見事な働きで準優勝に貢献する右腕は、安定感は抜群だと思われていた。3回まではその評判通りの見事な投球であったが、指にできたマメの影響もあり4~6回は明徳打線に完全につかまってしまった。荻原と2枚看板ともいわれる寺西を最後まで出さなかったのは、林監督の戦略なのか、はたまた本人にコンディションの問題なのかは疑問であったが、結果的に荻原が8失点してしまったことがこの試合のすべてであった。
20191115星稜 荻原
星稜にしてみればエース荻原の8失点が誤算であった

星稜の注目はなんといってもキャッチャー内山であった。内山は前述の星稜中では15アジア選手権日本代表に選ばれたほどのキャッチャーであったが、星稜高では1個上に山瀬(巨人)がいたこともあり、1年春からショートを務めていた。このままいけばショートとしてのプロ入りも十分に狙える逸材であり、新世代となったこの秋の起用法が注目されたが、林監督は内山をキャッチャーに戻した。内山はフットワークもあり、肩力も申し分なく、その実力はキャッチャーでもトップクラスで2回から盗塁を刺すなど活躍をしていた。ただ4点を奪われた4回には、2・3塁から荻原の低めの変化球を2個ほど止められずに2点を献上。6回には1塁ランナーを刺そうとした送球を打者に当ててしまい、2塁への進塁を許してしまった。能力的には高いだけに、冬場に中学時代からの荻原とのバッテリーで成長して、春には先輩たちが成し遂げられなかった甲子園制覇に挑んでほしい。
20191115星稜 内山1
この秋からは正捕手も務める内山


Pickup Player
鈴木大照 明徳義塾2年 捕手
~試合の行方を決定づける3ラン~
4回に明徳義塾の鈴木が放った3ランは、試合の行方を決める上でも非常に大きいものだった。

鈴木は中学時代は河南シニアで捕手として活躍していたが、明徳義塾では1年秋からその打力を生かしてファーストや外野として活躍。1年秋の四国大会では6番ライトでレギュラーを掴むと、2年春の四国大会では5番捕手を務め、4本の3ベースを放つ活躍をみせ優勝に貢献。2年夏は背番号3ながら3番レフトとして出場し、高知大会では打率.500をマークし、甲子園出場に貢献。甲子園でも2回戦の智弁和歌山戦では先制タイムリーを放つ活躍をみせていた。新チームではやはり正捕手となり、主将も務めた鈴木は、3番打者として四国大会では.583と結果を残し、この神宮大会出場の立役者となった。

この試合では1打席目には荻原の前に三振を喫してしまった鈴木であったが、4回無死1塁でむかえた第2打席ではセカンドの頭上をライナーで抜くライト前ヒット。右方向にも打てるのは鈴木の1つの武器であり、これで無死1・2塁とした明徳義塾は4点を奪って逆転する。そして1番の見せ場は、5回1死1・3塁で迎えた第3打席、初球の荻原の甘く入ったスライダーを見逃さずにとらえると打球はレフトスタンドに飛び込む3ランホームラン。これでスコアを7-1とし、事実上の試合を決めた1発といっても過言でなかった。鈴木は171㎝と決して大柄ではないが、スタンス広めにどっしりと構えてから適格にボールにミートするこのできるために、長打も量産することのできる強打者であった。

捕手としては3回にバント処理の送球が逸れてしまうというミスもあったものの、全体としてはエース新地を粘り強くリードしてチームを勝利に導いた。肩力もあり、また走力もある選手なので、2年時もそうであったように将来的にはキャッチャーだけでなく外野などの起用も大いにあり得そうな選手であった。
20191115明徳義塾 鈴木1
3番捕手主将とまさにチームの中核を担う鈴木


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桐蔭横浜大×立教大【オープン戦】

12/1 オープン戦
桐蔭横浜大×立教大 @立教大新座グランド

試合経過

立教大の先発は期待の左腕川端。秀岳館時代にはU18日本代表にも選ばれた左腕は、1年春からリーグ戦では防御率1.93をマークするなど活躍したが、2年生になった今年は秋に2試合に登板するのみとなっていた。エース田中誠、さらには2番手の手塚と両先発が抜ける立教大にとっては、リリーフエースの中川はいるものの、川端には先発の柱として期待したいところである。そんな川端の武器は左腕ながら完全なるオーバースローから放たれる角度のあるストレートであるが、この日のストレートはスピードでいえば甲子園のときの148㌔には遠く及ばない状態。さらにコントロールはイマイチで3回までに4四球を出していた。ただキャッチャー竹葉の2盗塁をさすアシストもあって、またストレートも角度があり決まれば簡単に打てるボールではない。またスライダー・カーブに加えてカットボールも操るようになるなど投球術は向上していて、ピンチの場面では要所を締めるピッチングをみせて3回無失点でマウンドを降りる。
20191201立教大 川端
コントロールには苦しんだものの3回無失点と先発の役割を果たした川端

桐蔭横浜大の投手陣は2イニングずつの継投。先発の森屋はスライダーがキレていて、初回には道原・柴田からともにこのスライダーで三振を奪うと、2回には4番東からもアウトコースいっぱいのストレートで見逃しの三振を奪い3者連続三振。そのあと2四球でピンチを招くも、7番太田からはまたもや三振を奪うと、竹葉も詰まらせてセカンドゴロに打ち取り、2回無失点と先発の役割を果たす。
20191201桐蔭横浜大 森屋
2回を無失点に抑えた桐蔭横浜大の先発森屋

桐蔭横浜大の2番手は左腕のメンディス海。市立川越時代には浦和学院から完封勝利を奪ったことでも有名な左腕は、成瀬のようなフォームから緩急も巧みに使って、3回・4回と立教打線を6人で打ち取り、こちらもしっかりと役割を果たし、桐蔭横浜大は4回まで立教打線をノーヒットに抑える。
20191201桐蔭横浜大 メンディス
桐蔭横浜大の2番手として2回をノーヒットに抑えたメンディス

立教大は4回から2番手として根岸がマウンドに上がる。193㎝の大型右腕のストレートは威力抜群でほぼこのストレートで勝負していく。まだ球に多少のバラツキはあったものの、5回にピンチを招いた場面で、山ノ井→加賀と桐蔭横浜大が送った実力者の代打を連続三振に仕留めたあたりは痺れたものがあった。ポテンシャルは一級品の右腕だけに、その開花の兆しが見えつつあるのは立教にとっては非常に明るいことだろう。
20191201立教大 根岸
ポテンシャルの高さが光った立教大2番手の根岸

5回裏、桐蔭横浜大はこの回から3番手として、1年生左腕の穂坂をマウンドに送ったが、1死から太田に四球を出すと、さらに9番宮慎にも四球を与えて2死1・2塁のピンチを招く。すると立教の1番宮崎は低いライナーで二遊間を破り、チーム初ヒットは貴重な先制のタイムリーヒットとなる。
20191201立教大 宮崎
先制タイムリーを放つ宮崎

先制した立教大は6回から3番手として登板した1年生左腕の宮海土が2回をノーヒット無失点。8回には腕の位置をさげた栗尾が登板すると、(横に)角度のあるボールを武器に3人で抑える。立教大は追加点を奪おうと、中嶋・三井といった実力者を代打で送り込むも、7回・8回と桐蔭横浜大の4番手大久保の前に無得点。ただ9回表の回のマウンドには前日に3失点を喫してしまった赤嶺が上がると、内山・伊藤の青森山田コンビから連続三振を奪うなど、見事に前日の雪辱を果たし、3人で絞めてゲームセット。立教大が5投手の完封リレーで、唯一の得点を守り切り、1-0で勝利した。

20191201桐蔭横浜大×立教大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


やはり光ったのは多彩な立教大の投手陣たちだ。先発の川端は左オーバー、2番手の根岸は右の本格派、3番手の宮や小柄な左腕で、4番手には腕の位置を下げてクロスステップのサイド気味のフォームとなった栗尾。最後は変化球が得意の右腕赤嶺が締めるなど、タイプ的に異なった5投手のリレーで、桐蔭横浜大打線にしても的は絞りづらかったと思われる。大学日本代表候補合宿に参加しているアンダースローの中川というさらにタイプの異なる投手もいて、春は0.96→秋は1.38と素晴らしい防御率をマークした中﨑もいて、数はいるのであとは誰がエースになってくれるのかというところである。ただ打線に関しては、前日に神奈川大に完封敗けを喫して、この日も2安打のみというのは不安である。

それは桐蔭横浜大に関しても同じことで、立教打線を2安打に抑えた投手陣は称賛に価する。立教大と違って高校時代に甲子園で名をはせた投手たちではないが、森屋→メンディス→穂坂→大久保と1・2年生の投手たちが台頭してきているのは、実績のある投手がいないというチーム事情からすると非常に心強い。ただ打線は途中出場の星野の2安打のみで、終盤は正直ヒットが出る気はしなかった。この試合では全ポジションの選手を交代させて、計18人が打席にたったが、その雰囲気を打破できる選手はいなかった。日本代表候補合宿でこの試合は不在であった渡部の存在感の大きさをまじまじと感じさせられてしまった。
20191201桐蔭横浜大 星野
チームの全ヒットとなる2安打を放った星野



Pickup Player
宮海土 立教大1年 投手
~~
5投手で完封リレーを果たした立教大投手陣の中で、その投球内容がNo1といえたのは3番手で登板した宮海土であった。

国学院栃木では2年春に背番号1を背負った小柄な左腕は、キレのあるボールを強気にインコースに投げ込む投球が持ち味。2年秋には水澤・渡辺とともに「3本の矢」と評され、その中でも背番号10をつけて抑えの役割を担う。栃木大会では宿敵の作新学院を破って優勝を果たすと、関東大会では市立川越戦で3回無失点リリーフを見せて関東8強入りに貢献。翌春のセンバツに出場すると、英明戦では3回無失点、延岡学園戦では4回無失点、智弁和歌山戦では3回無失点と、すべてリリーフとして計10としてイニングを投げて無失点であった。立教大に進学すると、1年秋の明治大2回戦でリーグ戦デビュー(1回投げて1失点)を果たすと、その後もフレッシュトーナメントでも登板をしていた。

この試合では6回に3番手としてマウンドに上がった宮海土。いきなり3番の稲葉をインコースのストレートで見逃し三振に仕留めると、続く4番関口も低めのストレートで三振、5番内山もショートフライと6回を完璧に3人でしのぐ。宮海土のストレートはそれほどスピードがあるというわけでないが、特に右バッターのインコースにノビのあるボールを投げることができていた。そのストレートを勢いよくどんどん投げ込んでいくために、スライダーとともにチェンジアップも有効であった。6回には四球を出すものの、外野フライ3個に打ち取り、結局2回を無安打無失点に抑えた。1点を先制した後に、流れをそのまま立教大に引き付ける見事なピッチングであった。

立教大には右のリリーフ投手はたくさんいるが、左のリリーフ候補は意外と少ない。この試合のように度胸満点のピッチングを来年は神宮のマウンドで行ってほしいところである。
20191201立教大 宮海
2回をノーヒット無失点に抑えた立教大3番手の宮海土



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駒澤大×拓殖大【東都1部2部入替戦】

11/10 東都大学野球連盟1部2部入替戦
駒澤大×拓殖大 @神宮球場

試合経過

東都の1部2部入替戦の2日目。前日に行われた初戦では、1部6位の駒澤大が、2部優勝の拓殖大に3-1で勝利し、駒澤大が1部残に王手をかけている。拓殖大はリーグ戦では専修大から完封勝利をあげるなど先発2番手を務めていた川船が順当に先発したのに対し、駒澤大はリーグ戦ではリリーフとして活躍していて、これが東都1部初先発となる上野をマウンドに送った。

だが勝てばこれが大学野球で最後のマウンドとなる上野は気合十分で、初回は1死から田崎を四球で出塁させてピンチを招くも、2死2塁という場面で4番北川を見逃しの三振。カットボールなどの動く球が中心のピッチングをしていたが、ここ1番というところでアウトコースのギリギリに渾身のストレートを投げ込んだ形であった。すると2~4回も拓大打線を3人ずつで片づけるなど、東都1部初先発とは思えない素晴らしいピッチングをみせる。

拓大の先発の2年生右腕川船は、Max146㌔のストレートに加えて、130㌔を超えるフォークを有効に使っていて、その他スライダーやカーブという変化球も一通り使えていた。四球は出すものの3回までは駒大打線を無得点に抑える素晴らしい立ち上がりをみせていた。
20191110拓殖大 川船
素晴らしい立ち上がりをみせた拓大の先発の川船

しかし4回裏、駒大は先頭の4番平野がチーム初ヒットとなる左中間への2ベースを放って出塁。続く5番菅のバントで、川船は足を滑らせてしまい、無死1・3塁となると、続く新田のセカンドゴロ併殺崩れの間に駒大が先制。さらに5回裏にも1番緒方が粘った末に四球で出塁すると、2番林がヒットで続いて1・2塁のチャンスを作る。すると4番平野は今度は川船の変化球をうまく三遊間に運んで、緒方が生還し2点目。1部では最下位ながらベストナイン(三塁)に選ばれた平野の活躍で駒大が2-0とリードを広げる。
20191110駒澤大 平野
2得点に絡む活躍をみせた駒大の4番平野

ただ川船がヒットを浴びたのはこの2イニングだけで、6回には駒大打線を3人で打ち取ると、7回も与倉・谷本と2人を打ち取って2死とする。しかしここで1番緒方にこの試合3個目の四球を与えたところで、内田監督はマウンドにエース多田を送る。2部で最優秀投手賞を獲得して、前日にも試合でも完投をした多田は林をサードフライに打ち取ってこの回を凌ぐと、続く8回も平野・菅から三振を奪い、チームの逆転を信じて好投をみせる。
20191110拓殖大 多田
前日の完投に続いてリリーフとしてマウンドにあがって好投を見せた多田

ただ拓大打線は上野の前に完全沈黙。ヒットは5回に渡邊晶が放ったレフト前ヒット1本のみであり、6回以降に出したランナーは死球の北川のみ。上野が気迫の投球で1安打完封勝利をおさめ、駒大が1部残留を決めた。
20191110駒澤大 上野2
完封勝利をあげてガッツポーズの上野

20191110駒澤大×拓殖大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


まずこの試合はなんといっても上野に尽きる。高校時代はU18日本代表で小笠原・佐藤世とともに3本柱を形成していた逸材は、入学直後から大いに期待されたがケガなどもあって、なかなか結果を残せずに初勝利はこの4年秋であった。誰もが予想にしなかった中での先発であるが、東都1部初先発での1安打完封勝利という快挙。最後にして最高の仕事で駒大を1部残留に導いた。素晴らしい投球であった反面、上野がこの投球を早い時期から見せていれば、駒大がそもそも入替戦に臨むこともなかったであろうと思った。

上野に加えて、打線では4番平野が2得点に絡む活躍をみせ4年生の活躍が光った駒大。しかし野手でいえばスタメンの7/9は下級生であり、投手陣も秋のリーグ戦では1年生の福山と、3年生の竹本が先発を務めていた。来年の戦力はそろっているために、この試合で見た4年生の雄姿を受け継いで、来年は優勝争いをするチームとなってほしい。

一方の拓殖大であるが、リーグ戦では青山学院大が優勝に王手をかけた状態であったが、そこから粘り強く戦い日本大から勝ち点をあげての逆転優勝。ただこの試合では川船→多田と投手陣は見事な投球をみせたものの、打線がその粘り強さを発揮できずに上野の前に完封負けとなってしまった。拓殖大を強豪校に育てあげた内田監督が今季で退任し、後任には馬淵コーチ(明徳義塾の馬淵監督の息子)が就任するということで、来年には新制拓殖大として是非まだ1部昇格にチャレンジしてほしい。


Pickup Player
上野翔太郎 駒澤大4年 投手
~最初で最後の先発で大仕事~
駒大の1部残留の立役者は、なんといっても1安打完封勝利をあげた先発の上野である。

上野が一躍脚光を浴びたのは中京大中京の3年夏であった。中京大中京では1年夏からベンチ入りはしていたものの甲子園出場はなかったが、2年秋からエースとなると、3年夏には豊橋中央から15奪三振2失点完投勝利、東邦からも3失点完投勝利をあげて決勝に進出。愛工大名電との決勝では2年生左腕の長谷部(慶応大)が先発をするも、初回に西脇(龍谷大4年)に3ランを浴びると、2回途中からすかさず上野が登板。上野は最後まで無失点で投げ切り、チームの逆転を呼び込んで甲子園出場を果たした。

甲子園では初戦で岐阜城北を完封すると、2回戦では鹿児島実業から2失点完投勝利。続く関東一戦では中学時代にバッテリーを組んでいた鈴木(現在の駒大の主将)との対決も話題となり、素晴らしい投球をみせたが、9回裏にサヨナラ弾を浴びて0-1で試合に敗れた。ただ甲子園での活躍が評価されると、U18日本代表にも選出。U18日本代表では上野の回転のいいストレートは逆に海外の打者に効果抜群。小笠原(中日)、佐藤世(オリックス→横浜金港クラブ)とともに3本柱を形成し、3試合に登板して計18イニングを投げて無失点であった。

鳴り物入りで駒澤大に進学すると、1年春から東都2部のマウンドに立つものの、成績は残せず、また肩を痛めて1年間以上公式戦のマウントから遠ざかるなど期待の大きさとは裏腹に結果を残せない時期が続いた。3年秋にはやっと東都1部デビューを果たも、3年秋・4年春とともに3試合のみの登板。しかし大学生活ラストシーズンとなったこの秋は、開幕週の国学院大戦で4回無失点の好リリーフをみせて初勝利をマーク。結局この秋には13試合中11試合に登板を果たすなど、リリーフとして大倉監督の信頼をつかみ取った。しかしそれもすべてリリーフでの登板であり、この試合は上野にとって、東都1部では初めての先発のマウンドとなった。

高校時代は回転のいいストレートで攻める投球が持ち味の上野であったが、大学ではカットボールを覚えたことが復調のきっかけとなったように、ツーシームなど動くボールを中心にした投球。ただ純粋なストレートの割合は低かったものの、初回の2死2塁のピンチでは4番北川をアウトコースいっぱいのストレートで見逃しの三振にとるなど、勝負どころではストレートも健在と思わせるシーンもあった。他にもスライダーやフォークなども交えて、拓大打線を翻弄していき、2~4回はパーフェクトピッチング。5回には2死から渡邊晶に初ヒットを浴びてしまうも、その後も勢いは衰えることない。試合の終盤でも出したランナーは死球の北川のみという快投で、結局1安打8奪三振完封という最高のピッチングをみせてチームを1部残留に導いた。

大学ではずっと思うような成績を残せずに苦しんだ右腕が、最初で最後の先発の舞台で1安打完封勝利。卒業後は社会人野球に進むことも決まっていて、復活を果たした上野翔太郎の次のステージでの活躍にも期待したい。

20191110駒澤大 上野1
東都1部初先発で1安打完封勝利をあげた上野


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