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東海理化×日本通運【JABA長野大会】

4/13 JABA長野大会 予選Bブロック3日目
東海理化×日本通運@佐久総合運動公園野球場

試合経過

20190413東海理化×日本通運
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

JABA長野大会の予選リーグBブロックの3日目。ここまで2連勝で予選突破に王手をかける日本通運に、予選突破のためには日本通運に勝つしかない東海理化が挑んだ。

東海理化の先発は高卒3年目で今年解禁となり、ドラフト上位候補としても注目されている立野。まだ肌寒い4月の長野とあっても、立野のストレートはいきなり147㌔をマークしていたが、先頭の大谷に四球を与えてしまう。さらに関本・稲垣にも四球を与えて、2死満塁のピンチを招くが、諸見里をフォークで三振に仕留め、初回を無失点で切り抜ける。ただ3回裏には2死から、日通の4番北川にレフト戦への2ベースを浴びると、6番諸見里には今度はレフトオーバーの2ベースを浴びてしまい、日通が先制する。
20190413日本通運 諸見里
先制のタイムリー2ベースを放った日本通運の諸見里

4回裏にも日通は浦部・手銭のヒットから2死2・3塁のチャンスを作ると、4番北川がしぶとくセンター前に落として2者が生還。北川はワイルドピッチで進塁すると、5番稲垣はライト線に2ベースを放ち、日通が4点目をあげる。立野の投球数はこの4回まで100球を超えていて、プロ注目のエースがまさかの4回4失点で降板する形となる。これは立野自身のコントロールの問題もあったが、3打席で計24球を投げさせた7番高橋を中心に際どい球を見送っては、ファールで粘るなどして、4回までで計7四球を奪うなど、立野に球数を投げさせるという日通の作戦が見事に功を奏した結果であった。
20190413東海理化 立野
4回までに100球以上を投じて、4失点でKOとなってしまった東海理化の先発立野

日通の先発は相馬。東海理化打線は左バッターが多いこともあり抜擢された左腕は、Max141㌔のストレートをコントロールよくバッターのイン・アウトに投げ分け、それにスライダー・カーブを交えたピッチング。こちらは立野とは対照的に、ストライク先行で非常にいいテンポでボールを投げ込み、なんと5回まで無失点、たったの57球で片づけてしまう好投であった。
20190413日本通運 相馬
テンポのいい投球が光った日本通運の先発相馬

そんな相馬に対して東海理化は7回表、2死から水野・中野が連打で出塁してチャンスを作ると、井貝が四球を選んで2死満塁。ここで2番齋藤がショートへ内野安打を放ち、相馬から待望の得点をあげる。ここで藪監督は相馬に代えて、同じく左腕(サイドスロー)の庄司をマウンドに送り、同じ世代の横浜→東海大相模の左腕リレーが実現。庄司は米満をショートフライに打ち取る見事なリリーフを見せ、東海理化の反撃は1点のみとなる。
20190413東海理化 齋藤
東海理化の初得点となるタイムリーを放った2番齋藤

するとその裏、5・6回を3人ずつで抑えるなど好投を続けていた東海理化の2番手河野から、日通は先頭の稲垣がピッチャー強襲ヒットで出塁。諸見里が送ってチャンスを広げると、8番木浪が三遊間を破って、日通が貴重な追加点をあげる。

日通は8回から新人の釘宮が登板。昨年は主に抑えとして立正大の神宮大会制覇に貢献した右腕は、力のあるMax143㌔のストレートに加え、130㌔前後のスライダー、そしてこの日効いていたのが同じく130㌔前後のフォーク。このフォークをカウントの浅いうちから積極的に使って多くの空振りを奪っていた。釘宮は8・9回の2イニングをパーフェクトの3奪三振、外野にはボールは飛ばされないという完璧な内容で締めて、日本通運が5-1で勝利。これで日本通運は3勝無敗でBリーグ突破を決めて、決勝トーナメントにコマを進めた。
20190413日本通運 釘宮
最後2イニングをパーフェクトで締めた日本通運の新人釘宮


日通としては作戦がうまくはまって、まさに思い通りの展開であった。打撃面ではボールを投げさせる作戦でプロ注目の立野を4回でKO。本来は中軸を打っていてもおかしくない主将の浦部が9番に座るという、何とも強力な打線であるが、それが個人だけでなく束となって戦った結果であった。投手陣でも左打者の多い東海理化に対して、期待を込めて送り出した左腕の相馬が7回途中まで1失点の好投。実力でいえば同じ左腕の高山を繰り出したいところであっただろうが、その後好リリーフをみせた庄司・釘宮も含めて若い力にかけた起用がこのように結果に結びついたのは藪監督としては嬉しい限りであろう。

一方東海理化としては、このグループではNo1の実力の日通にあてるために、わざわざエースを2戦目にもってきたのに4回KOというのはダメージが大きく、正直この段階でこの試合は決まっていた。打線でも中軸を含めて左打者が多いところに、定石通りに左腕をぶつけられて沈黙。井貝・齋藤・米満・大谷・野田・中野と左打者の巧打者が多いのはいいことだが、打線としてはやはりバリエーションが必要である。その中で対照的に右のスラッガーとして期待がかかるのが、高卒2年目ながら6番ファーストで出場した川上。川上はしっかりとしたフルスイングができる右バッターであり、最初はストレートしか打てないな…という感じであったが、変化球にも早々に対応できていた。ノーヒットと結果は出なかったものの、非常に楽しみなバッターである。
20190413東海理化 川上
左打者の多い東海理化打線において、右のスラッガーとして期待のかかる川上


Pickup Player
北川利生 日本通運 ファースト
~相手エースの攻略は4番で始まり4番で決めた~
立野攻略はチームとしての戦法も見事であったが、その中でも貴重な仕事を果たしたのは4番の北川であった。

北川は右の強打者として大阪桐蔭では2年秋からベンチ入りを果たし、3年春には3番ライトを務めるなど活躍。大阪桐蔭の同期には河原(トヨタ自動車)・西田(元阪神)・川端(徳島インディコソックス)・山足(オリックス)らがおり、エースは1個下の藤浪(阪神)という強力布陣であったが、夏の大阪大会決勝では石川(巨人)率いる東大阪柏原に大逆転負けを喫してしまい。甲子園出場はかなわなかった。

創価大では1年時から出場機会を得ると、2年春には打率.400をマークして、首位打者・MVP・打点王などのタイトルを獲得。以後も4番打者として創価打線を牽引して、リーグ戦通算で首位打者2回・打点王5回・本塁打王1回・ベストナイン4度という成績を収めた。ポジションは主にライトであったが、4年時にはキャッチャーに再コンバートされて、田中正義(ソフトバンク)ともバッテリーを組んでいた。

日本通運でも入社直後から中軸を務めている北川は、入社3年目として迎えるこの大会でも4番ファーストとしてスタメンに名を連ねた。1巡目は四球もありながらも、ノーヒットに抑えられていた日通打線であるが、3回裏2死ランナー無しで北川が打席に立つと初球の真ん中付近に入ってきた変化球を捉え、チーム初ヒットとなるレフト線への2ベースを放ち、先制点の起点となった。続く打席は今度は4回裏2死2・3塁という場面で回ってきて、2球目のストレートを詰まりながらもセンターの前に落として2点タイムリーとなった。敬遠もあり得る場面で、簡単なボールは来なかったが、4番として見事に結果を出した。立野攻略の口火をきる2ベースと、立野の攻略を決定づける2点タイムリーを放ったということで、今回のKO劇の1番の立役者であったといえる。

日本通運の入社直後より4番を務めた強打者は、社会人2年目(大卒の場合はドラフト解禁年)で迎えた昨年のドラフト会議では声はかからず…。プロを狙う上では3年目となる今年はまさに勝負の年となることだろう。

20190413日本通運 北川
4回に2点タイムリーを放つ日本通運の4番北川


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橘×桐光学園【春季神奈川大会2回戦】

4/7 春季神奈川大会2回戦
橘×桐光学園 @横浜薬科大スタジアム

試合経過

20190407橘×桐光学園
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

土曜から始まった春季神奈川大会の2日目。前日に柏木学園を破って2回戦にコマを進めた強豪の桐光学園に、この試合が初戦となる橘が挑んだ。

桐光学園の先発はこの春は背番号10を背負う谷村。しかし先頭の太田に詰まりながらもセンター前に運ばれると、3番齋藤にも四球を与えてしまい、いきなりピンチを背負う。だが4番近藤に対してはカーブを有効に使って追い込むと、最後はボール球のフォークを振らせて三振、5番堤もサードゴロに打ち取ってピンチを凌ぐ。すると2回以降は本領を発発揮して持ち前のストライク先行のテンポのいいピッチングで、橘打線を2~6回パーフェクトをに抑える。この日はカーブを有効に使えていて、これでカウントを稼いで最後はフォークで仕留めるというパターンが目立った。もともとはストレートとスライダーが多めの投手だったので、今日のピッチングでまた幅が広がったという印象を受けた。
20190407桐光学園 谷村
2~6回はパーフェクトピッチを見せるなど見事な投球を披露した桐光学園の先発谷村

対する橘のエース堤も、谷村に引けを取らないピッチング。ストレートは威力・ノビともに十分で、これと打者の手元で鋭く曲がるスライダーが中心の投球でコントロールもいい。また桐光打線の打球はことごとく前に落ちるわけでもなく外野フライとなり、7回までアウトの半分に近い10個が外野フライという状態。ヒットは2本のみで、堤は6回まで桐光学園に2塁すら踏ませないという素晴らしいピッチングを見せた。
20190407橘 堤
6回まで桐光打線に2塁すら踏ませない好投をみせた橘のエース堤

この両投手の素晴らしいピッチングで試合は6回終わって0-0。スコアや試合内容でいえば互角であったが、この0-0は橘にとってはある意味狙い通り、桐光学園にとっては予想外のスコアで、そうなると試合の流れは自然と橘に傾く。

7回表、橘は先頭の齋藤がライト前ヒットで出塁すると、4番近藤は送りバントに失敗し1死1塁。ここで5番堤は追い込まれてからの変化球にうまく合わせると打球は3塁線を抜けて、レフトファールゾーンを転々とし、齋藤が1塁から一気にホームイン。好投を続けるエース堤が自らのバットで貴重な先制点をたたき出す。橘打線がここから左が続くこともあり。桐光学園はここで谷村からこの春背番号1を背負う2年生左腕の安達にスイッチ。安達は中川をいきなり2球で追い込むも3球目でキャッチャーがインターフェアをしてしまい、出塁という何ともったいない展開。やはり先制されたことにより焦りが出たのか、橘8番田邊の右中間への打球はセンター鈴木のグラフのわずか先を抜けて2点タイムリー3ベースとなり、橘がこの回一挙3点をリードすることとなる。
20190407橘 田邊
貴重な追加点となる2点タイムリー3ベースを放った橘の主将田邊

桐光はその裏にすかさず反撃に転じるべく、4番安達がチーム3本目のヒットで出塁するも、後続が連続レフトフライで続かず…優勝候補に2回戦敗退という文字もちらつき始めた。

しかし8回裏になると足を気にする動作も見られた堤は球威も落ちてきて、先頭の楠本にこの試合初となる四球を与えてしまう。桐光は代打石井を送ると、石井は3塁線にヒットを放ち無死1・2塁。ここで迎えるのは途中出場の9番唐橋なのでバントも考えられる場面であったが、強攻策に出ると唐橋がセンター前ヒットで応えて無死満塁。1番田村もライトの前にしぶとく落として、桐光が待望の初得点をあげる。そして迎えるは打順こそ2番であるが、4番経験もある強打者の鈴木。鈴木はカウント2B2Sからの高めのストレートを捉えると、打球は右中間スタンドに飛び込む逆転満塁ホームラン。桐光学園が一挙5点をいれて逆転に成功すると、ここまで好投を続けてきた堤は疲れや足の異変もあったのか、ここでマウンドを降りてレフトに回ることとなった。
20190407桐光学園 鈴木1
逆転満塁ホームランを放った桐光学園の2番鈴木

登板回こそあたふたしたものの、桐光の2番手の安達は8回以降は安定したピッチング。8・9回はともに三振を2個ずつ取る好投で橘打線に反撃を許さず、桐光学園が5-3で逆転勝利を収めた。

総括

敗れてしまった橘であったが、神奈川の超がつくほどの強豪に対して、8回までリードをして、「あわや…」という展開を作りだした戦いぶりは見事であった。その立役者はもちろんエース堤であり、8回に足の異常がなく、本調子のまま最後まで投げれていたら桐光学園を完封していてもおかしくなかった。結果的に敗れてはしまったが、それでも堤は本格派右腕として神奈川中には名前をとどろかせることはできただろう。
20190407橘 堤2
敗れはしたものの橘のエース堤の名は神奈川に知れ渡ったことだろう

現世代の桐光学園は1年夏からダブルエースを形成した冨田・谷村の2枚看板を擁し、野手陣にも秋春と関東大会に出場した前チームのレギュラーが多くて、大いに期待されている世代であり、個人的には横浜に次ぐ神奈川の優勝候補という評価であった。だが咋秋は慶応にまさかまさかのコールド負けを喫して、早々に姿を消してしまっていた。すると野呂監督はこの春チームに大きなコテ入れを行った。主将で前チームから正捕手でもあった高橋から有賀に正捕手を代え、背番号1を与えたのは冨田でも谷村でもなく2年生の安達、前チームでは1・2番を打っていた楠本を下位打線に下げ、前チームでも背番号4を背負っていた唐橋はベンチスタートとなった。まさかの2回戦敗退という空気も漂ってくる中、この試合では土壇場で逆転勝利を収めたが、やはり褒められる試合内容ではなく、前チームからの実力者を1度リセットした新チーム作りはまだまだ発展途上と言えるのかもしれない。

そんな新チームの中心であったのが、この春背番号1を背負い、打っても4番を務めた2年生の安達である。1年春から4番も務めた打撃もさることながら、この日は投手としての能力の高さが印象的であった。壁を作って決して体の開くことのないフォームからキレのあるストレートを繰り出す左腕は、ちょうど小島(早稲田大→ロッテ)を彷彿とさせる投手で、この試合では打者10人から5個の三振を奪った。安達に1番を与えたのは、冨田・谷村に刺激を与えるためかと考えていたが、1点とられただけの谷村からすぐに安達にスイッチしたあたりは野呂監督の評価も高く、そのピッチングの内容も冨田・谷村と十分に勝負できるものであった。ただですら強力な冨田・谷村という2本柱に、安達が加わって3本柱になったことは他のチームからしてみれば本当に贅沢は話であろう。
20190407桐光学園 安達
投手としての能力の高さもみせつけた桐光学園の安達


Pickup Player
鈴木智也 桐光学園3年 外野手
~2回戦敗退の危機を救う一振り~
桐光学園を2回戦敗退の危機から救ったのが、2番鈴木の逆転満塁ホームランであった。

鈴木は桐光学園では1年秋から台頭し、2年春から4番を務めることもあった強打者。179㎝80㎏というバランスのとれた体格から、軸のしっかりとしたスイングをしていて、パンチ力がある一方、ぶれないのでミート力も高い。2年夏には全試合4番を務め、20打数7安打8打点という活躍ぶりで北神奈川準Vに貢献。2年秋も引き続き4番を務めると、慶応戦では2点タイムリーを含む2安打を放つなど活躍していた。

この春は初戦の柏木学園戦では3番に座ってホームランも放った鈴木は、翌日のこの試合では2番センターでスタメン出場を果たした。2番と言ってもおそらくバントなど期待されてはおらず、どちらかというとメジャー流の2番最強説に近い形だと思われる。

ただこの日の3打席目までの鈴木は、センターフライ2個に、レフトフライと外野フライ3個。決して打撃内容が悪いわけではないが、全ての打球は外野手の守備範囲。7回までで外野手フライ10個という桐光打線を象徴するような打撃内容であった。ただ8回裏に反撃が始まり、四球+3連打で無死満塁という桐光学園がイケイケの展開で回ってきた第4打席。カウント2B2Sからの高めのストレートをとらえると、打球はそのまま広いハマヤクの右中間のフェンスを越えてスタンドに消えていった。この試合の苦戦ぶりからの解放からか、鈴木がうれしさを爆発させてダイヤモンドを1周した時には、もう試合は決まったと感じた。

鈴木はこれまではレフト・ライトが多かったが、この春から背番号8を背負ってセンターを務める。7回表には田邊の右中間に飛び込むもあとわずか届かずに2点タイムリー3ベースとなってしまうという悔しいシーンもあったが、ノックを見ている限りでは肩といい、センターには十分な守備力も兼ね備えていると感じた。打線では桐光学園のNo1打者であると思うし、攻守に渡ってチームの中心として桐光学園を引っ張っていく存在が鈴木であろう。

20190407桐光学園 鈴木2
桐光学園を2回戦敗退の危機から救う逆転満塁弾を放った鈴木


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智弁和歌山×明石商【選抜高校野球大会】

3/31 選抜高校野球大会準々決勝
智弁和歌山×明石商 @阪神甲子園球場

試合経過

20190331智弁和歌山×明石商

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

ベスト4最後の枠をかけたセンバツ準々決勝の4試合目は、智弁和歌山×明石商という近畿勢同士の対決となった。この両チームは昨秋の近畿大会準決勝でも対戦していて、そのときは明石商がコールド勝ちを収めている。ただ準決勝はセンバツ出場が事実上確定した後の試合で、智弁和歌山はエース級が先発しなかったのに、大して明石商はこの試合と同じくエース中森が先発した。そういう意味でもこの試合は、その時とは違った重要な1戦となる。

明石商の先発は、前日の緊急登板により事実上の連投となる中森。しかし立ち上がり制球が定まらず、細川・西川といきなり連続四球を与えてしまう。4番東妻も歩かせてしまい満塁とすると、6番佐藤には押し出し四球。この回ヒットは打たれなかったものの、4個の四球に2個の三振と完全に1人相撲で1点を失ってしまう。ただ3番の強打者黒川からはフォークで三振を奪うなど、見事な投球も見られた。

対する智弁和歌山は前日の試合で途中長い中断があったにもかかわらず完投したエース池田陽は先発を控え、2年生左腕の池田泰がマウンドにあがる。咋秋は主に池田泰が先発、池田陽が抑えという形であり、池田泰は近畿大会では大阪桐蔭を8回2失点に抑えた実績もあり、甲子園では初先発も問題ないように思えた。しかし明石商の1番来田はカウント2B2Sからのスライダーをうまくすくい上がるとライトスタンドに飛び込む先頭打者ホームランとなり、すかさず同点。勢いづいた明石商は2番水上がレフト線に2ベースを放ちチャンスを作ると、4番安藤のショートゴロの間に生還して逆転に成功。明石商は2回裏にも、清水・金森の連打で1死1・3塁のチャンスを作ると、1番来田がレフトに犠牲フライを放ち3点目。この回で智弁和歌山の池田泰をKOする。
20190331明石商 来田2
先頭打者ホームランを放った明石商の来田

中森は2回以降は制球を持ち直して、2~4回は智弁和歌山打線を無得点に抑えていた。そんな中森に対して智弁和歌山は5回表、先頭の西川がヒットで出塁すると、3番黒川は左中間へタイムリー2ベース。東妻がヒットで繋ぐと、5番根来が犠牲フライを放って智弁和歌山が3-3と同点に追いつく。
20190408智弁和歌山 黒川
左中間にタイムリー2ベースを放つ智弁和歌山の黒川

ただ3-3となってから両チームの2年生右腕が粘りのピッチングをみせる。まず中森は7回表の先頭打者の東妻にあわやホームランというレフトフェンス直撃の3ベースを浴びて無死3塁という絶対絶命のピンチを迎える。初回の制球難もありこの時点で中森の投球数は120球を超えていたが、6番佐藤を146㌔で三振に仕留めるなどして、このピンチを無失点で抑える。一方の3回からリリーフ登板した智弁和歌山の小林樹は、4回に来田の打席で147㌔をマークするなど、スライダーに加えて130㌔を超えるフォークを操り、本格派右腕としてのポテンシャルを甲子園で開花させる。3回・5回・6回・7回といずれも得点圏にランナーを背負うも、一足先に同世代の本格派として全国に名をとどろかせた中森に負けじと3~8回を無失点で切り抜け、試合は3ー3のまま最終回を迎える。

9回表、智弁和歌山は先頭の黒川がヒットで出塁し、この試合当たっていた4番東妻にバントをさせてまで1死2塁のチャンスを作る。続く5番根来はこのセンバツで5割近い打率を誇っていることもあり、明石商バッテリーは敬遠を選択。6番佐藤勝負を選択すると、佐藤は初球を打ちセカンドゴロ。これをキャッチしたセカンド清水は1塁ランナーにタッチしてからファーストへ送球して併殺が成立。明石商の作戦が見事に成功して、いい形で9回裏に繋げる。

9回裏の明石商の攻撃は1番来田からという好打順。小林樹は来田をカウント2B2Sと追い込み、キャッチャー東妻はアウトコースのボール球(ストレート)を要求するも、それがやや内側に入るとその球を来田が一振り。打球は弾丸ライナーでライトスタンドに飛び込むサヨナラホームランとなり、明石商が勝利して初のベスト4。秋のリベンジ合戦を見事返り討ちにしてみせた。
20190331明石商
サヨナラホームランを放った来田を迎えいれる明石商ナイン


総括

敗れた智弁和歌山だが、やはり終盤チャンスを作りながらもあと1本が出ずに勝ち越せなかったのが痛かった。特に6回・7回・9回はそれぞれ回の先頭打者がヒットで出塁していることを考えるとなおさら痛い。智弁和歌山打線の売りといえば、昨年のセンバツ準Vをレギュラーとして経験したメンバーが揃う上位打線であり、この試合でも西川・黒川・東妻がそれぞれ2安打ずつを放ちチームを牽引した。一方下位打線は合わせて2安打のみと中森の前に沈黙気味であった。夏に向けて下位打線の底上げが智弁和歌山にとっては課題となるところだろう。

ただもともとの課題であった投手陣に関してはこの大会で色々と収穫があったと思う。まず池田陽は、啓新戦で雨での長時間中断を経験しながらも完投勝利をあげるなど、エースとして1人立ちしてきた。そして最大の収穫がこの試合の小林樹である。期待の2年生右腕は最後はサヨナラ弾を浴びてしまったが、途中自己最速の147㌔をマークするなどして明石商相手に6回1失点の好投。小林樹があまりにも好投をみせるので、中谷監督はエース池田陽を投入する場面もないなま敗れてしまった。今日のようなピッチングが安定してできれば、夏には十分に小林樹がエースを脅かす存在になることだろう。
20190408智弁和歌山 小林樹
Max147㌔をマークし、6回1失点の好投をみせた智弁和歌山の小林樹

明石商はやはり注目の新2年生コンビ(中森と来田)が中心となりサヨナラ勝ちを納めた。1試合で先頭打者ホームランとサヨナラホームランを放った来田は、甲子園の歴史に名を連ねた(詳細はPickUpPlayerで…)。そしてエース中森は、160球を超える熱投をみせて3失点完投勝利。中森は入学当初から球の力には定評があったが、それにやっとメンタル面がついてきて、名実ともに明石商のエースとなったという感じだ。この大会ではダブルエースとして期待されていた宮口の調子が上がらず、前日の啓新戦には先発したものの2回途中に降板。明石商がセンバツを制するには、この中森があと2試合投げ抜くしかなさそうな状況であり、この中森の肩にチームの命運が完全に依存してしまったことは明石商として課題であろう。
20190331明石商 中森
9回3失点完投勝利をあげた明石商のエース中森


Pickup Player
来田涼斗 明石商2年 外野手
~甲子園史上初の先頭打者ホームランとサヨナラホームラン~
この日の明石商の攻撃はまさに来田に始まって、來田が決めて終わったという形であった。

中学時代から注目の選手であった来田は、高校入学時には大阪桐蔭などをはじめとする48校からオファーがあったと言われているが、兄の来田渉悟(現:日体大)の存在もあって、公立の明石商に入学することを決める。すると部員が120人をこえる明石商において、1年夏より走攻守揃った1番レフトとして活躍。夏の甲子園にも出場して、八戸学院光星戦では2安打を放ったが、延長戦でレフト来田がファンブルする間に決勝のランナーの生還を許すという苦い経験もした。1年秋からは1番センターを務めるも、不調で打率は2割台であったが、近畿大会の準決勝(今日と同じ智弁和歌山戦)では3ランを放つなど計5打点と大暴れした。

この試合でも1番センターとしてスタメン出場を果たした来田はいきなり第1打席から魅せる。左対左も気にせずに、カウント2B2Sからのスライダーをうまくすくいあげると打球はライトスタンドに飛び込む先頭打者ホームランとなり、あっという間に試合を振り出しに戻して見せた。1死1・3塁で回ってきた第2打席でもきっちりとレフトに犠牲フライ。その後3・4打席は、来田を意識する智弁和歌山バッテリーの前に完璧に抑え込まれてしまう。しかし同点で迎えた第5打席、またもやカウント2B2Sから今度は外したつもりが内側に入ってきたストレートを捉えて、弾丸ライナーでまたもやライトスタンドに放り込むサヨナラホームラン。1試合で先頭打者ホームランとサヨナラホームランという甲子園史上初の離れ業をやってのけて、チームを初のベスト4に導いた。

大会後には2年生ながらU18日本代表合宿にも選ばれた来田(ただしケガで辞退)。今日の試合の2本で高校通算は15ホーマーに到達。50㍍5.9秒と切る俊足を持ちながら、このパワーとそしてこの大舞台で最高の結果を出したスター性。そのフルスイングも実際に似ていることもあり、柳田(ソフトバンク)のようなプレイヤーになる可能性を大いに秘めている選手で、今後も期待していきたい。

20190331明石商 来田
先頭打者ホームランとサヨナラホームランの2ホーマーを放った明石商の来田


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センバツのベストナインを選んでみた(2019)

東邦の優勝で幕を閉じた今年のセンバツ。
そんなセンバツでの活躍が目立った選手を個人的にベストナインとして選んでみました。
※選考基準はセンバツでの活躍内容のみで、プロ注とか過去の実績とかは関係ないです

ピッチャー
石川昂弥 東邦3年
エースとして全試合に先発すると、全試合で2失点いないという安定した投球を見せて、大会通じて40回5失点。打っても決勝では2ラン2本を放つなど3ホーマーに8打点の活躍。今大会は「石川の大会」と言えるほどの活躍で、文句なしの今大会MVPである。
20190404東邦 石川

キャッチャー
兼子将太朗 習志野3年
もともと定評のあった守備では飯塚らを好リードしてチームを決勝に導いた。課題であった打撃でも、あの星稜の奥川からダメおしのホームランを放ち、明豊戦でも同点のきっかけとなる3ベースと打率3割を超える活躍をみせた。
20190324習志野 兼子

ファースト
長屋陸渡 東邦3年
初戦の富岡西戦から猛打賞をマークすると、続く広陵戦でも猛打賞に2打点の活躍を見せるなどヒットを量産し、20打数9安打の打率.450は大会の首位打者、最多安打といえる成績。ガッツ溢れるファースト守備でも、チームを盛り立てた。
20190404東邦 長屋

セカンド
表悠斗 明豊3年
横浜戦ではそれまで抑えられていた及川から初のタイムリーを放ちチームの大勝のきっかけを作ると、札幌大谷戦でも2安打。準決勝の習志野戦では先頭打者ホームランを放つなど、明豊の核弾頭として、主将としてチームを初ベスト4に導いた。
20190324明豊 表

サード
奥村真大 龍谷大平安戦2年
津田学園戦では0ー0で迎えた延長11回に均衡を破るタイムリー2ベース。続く盛岡大付戦でもタイムリーを含む2安打を放つ。父と兄に続く甲子園でのホームランはお預けとなったが、龍谷大平安の5番打者として見事な活躍だった。
20190325龍谷大平安 奥村2

ショート
熊田任洋 東邦3年
東邦の4番ショートとして、石川とともにチームの柱として活躍。広陵戦・筑陽学園戦では猛打賞を記録するなど、2回戦以降全試合でヒットを放ち打率.421をマーク。ショート守備も深い二遊間に三遊間にと守備範囲の広さを見せつけた。
20190404東邦 熊田

外野
来田涼斗 明石商2年
明石商の走攻守揃った1番打者は、初戦の国士舘戦でいきなり3打点をマークする活躍を見せると、準々決勝の智弁和歌山戦では甲子園史上初となる先頭打者ホームランとサヨナラホームランを放つ活躍でチームを初のベスト4に導いた。
20190331明石商 来田

吉納翼 東邦2年
広陵戦では先制タイムリーを放ち、打線爆発の口火を切るなど3打点の活躍。準決勝の明石商戦では0ー0で迎えた7回に先制の3ランを左中間スタンドに叩き込むなど、ここ1番での貴重なバッテイングが光った。
20190331東邦 吉納

根本翔吾 習志野3年
日章学園戦では3安打をマーク、すると準決勝では重盗でホームを陥れる好走塁をみせ、決勝でも石川から2安打を放った。守備範囲の広いセンター守備も際立っていて、星稜戦の死球の影響で欠場があったものの、それを差し引いてもダブル主将の1人として習志野を決勝に導いた立役者であった。
20190324習志野 根本


以上です。異論は認めます。


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東邦センバツ優勝おめでとう

平成最初のセンバツを制した東邦が平成最後のセンバツを制する。
そんな劇的な展開で、今年のセンバツは幕を閉じた。

~想像以上であったエース石川~
東邦はもともと戦力は充実していて、個人的にも星稜・横浜のトップ2の次につける第2グループという位置つけをさせてもらった。ただ昨秋はプロ注目のスラッガーである石川をエースにしなければいけなかった事情から、投手陣には課題が残ると評価していた。センバツを制するためには、本来エースとして期待されていた142㌔左腕の植田、同じく140㌔を超えるストレートをもつサイド右腕の奥田の2人が台頭してくることが必須であると感じていた。

ところが春を迎えてみると相変わらず背番号1は石川のままであり、初戦の先発のマウンドには、相手が21世紀枠であるにも関わらず石川が上がった。この大会はほぼ石川で行くのだな…とこの時感じた。昨秋に神宮大会で投手石川を見させてもらったときは、いかにも野手という印象であった。球自体に力はあるものの、コースが甘く、八戸学院光星に序盤から打ち込まれ7失点を喫していた。だがそこから一冬越えて成長を遂げた石川はコントロールが非常に良くなっていて、まるで打者を見ながら投げているような余裕すら感じられた。Max144㌔のストレートにスライダー・SFFをはじめとした変化球を安定して投げることができているので、失点を重ねることが少なく、5試合全てに先発登板して全試合で失点は2以下、大会通じても40回投げて5失点という大車輪の活躍であった。

東邦は初戦からずっと危なげない戦いぶりで、敗けそうという展開が1回もなかった。それを支えたのは石川の安定した投球であり、この石川の成長こそがそのまま東邦の強さとなって秋から上積みされた結果の優勝であった。
20190404東邦 石川
投手としての成長っぷりが光った石川

~評判通りであった強力打線~
石川は高校通算45発のスラッガーで、もともと野手としてドラフト上位候補の逸材。センバツ優勝投手になった後でも「野手でプロに行きたい」と宣言し、それに関してはスカウト陣も疑いの余地は持たないことだろう。将来的には打者として活躍することが決まっていながら、安定した投球でチームを甲子園優勝に導いたあたりは、同じ愛知県の先輩である堂林(現:広島)を彷彿とさせた。

石川の打撃は筑陽学園戦・明石商戦では2試合連続でノーヒットとなったときには、投球の疲れの影響も心配されたが、決勝戦では2ランホームランを2本放つ活躍。しかも右バッターであるにも関わらず、その2本ともセンターから右方向に放っていて、この方向に飛距離が出せるのが石川の長所である。結局広陵戦での1発もあり、大会通じて3ホーマー8打点という、その打撃面での評価に違わない活躍ぶりであった。
20190404東邦 石川2
打撃でも3ホーマー8打点の活躍をみせた石川


石川とともに1年夏からのレギュラーでチームの中心を担っている4番ショート熊田。この大会ではインパクトこそ大きくなかったものの、堅実に打率.421をマーク。3番石川が勝負を避けられなかったのも、この熊田が4番にいたからであり、そういう面での貢献度も大きい。ショートでもその守備範囲の広さと強肩でエースを発揮して、守備の中心としてもエース石川を盛り立てた。
20190404東邦 熊田
石川とともに攻守の柱としてチームを牽引した熊田


この石川・熊田の後を打つ選手の活躍も大きかった。昨秋も打率.500と打ちまくった5番長屋は、センバツでもチームトップの打率.450をマーク。吉納は広陵戦では先制打を含む3打点、明石商戦では先制の3ランと、山場となった試合の重要な場面での活躍が光った。準決勝で死球を受けてしまい決勝には出場できなかったが、センターを守る河合も打率.429と好調であった。この5~7番の3人の活躍も心強かった。
20190404東邦 長屋
チームトップの打率.450をマークした5番長屋

このほかにも好リードと強肩で石川を支え、筑陽学園戦では貴重な先制の2点タイムリー2ベースを放った成沢。9番の山田もいいところできっちりと仕事をこなし打率.333。石川・熊田の前にチャンスを作った松井・杉浦の1・2番コンビも活躍。残念ながら普通は優勝したチームといえでも、9人いたら大会では不調に陥り役に立てない選手もいるものだが、今回の東邦は全員がしっかりと仕事をこなした、まさに全員野球ができていたといえる。


評判通りの打線に、評判以上の投手陣でセンバツを制した東邦。春夏連覇の期待も込めて、これから夏に向けても注目していきたいと思う。


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