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富士大×慶応大【オープン戦】

11/17 オープン戦
富士大×慶応大@慶応大下田グランド

試合経過

20181117富士大×慶応大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

神宮大会も終わって各チームともに新世代へ移行する大学野球界。この日はもう寒いということもあってか…富士大が関東へ遠征してきて慶応大との対戦です。

慶応の先発は2年生右腕の木澤。この日は高橋佑・高橋亮の左右のエースはベンチ入りしておらず、大久保監督もきっと木澤に大いに期待していたことだろう。しかし木澤はいきなり先頭の宮里に四球を与えてしまうも、その宮里は2番河内の初球に盗塁死。ただ河内にも四球と木澤は波に乗れない。この日の木澤はストライクとボールがはっきりしていて、甘く入ったところを3番嘉瀬に捉えられ3塁線を抜ける2ベース。続く4番吉田の打球はライト前へのライナーとなり、これをライト中村がスライディングキャッチを試みるも届かず、2ベースとなって富士大が2点を先制する。さらに6番岸上にもタイムリーが飛び出し、富士大が初回に3点をあげる。

長身から放たれる木澤の球は決まる球は角度のあるストレート、大きく曲がるスライダーともに素晴らしいのだが、これが続かずに2回以降も調子が上がらない。2回表は1・3塁のピンチから2番河内の打球がショートライナーとなり、何とか切り抜けるも、3回表には4番吉田にセンターバックスクリーンにソロホームランを浴びてしまい、結局3回4失点でマウンドを降りることとなる。
20181117慶応大 木澤
期待の慶応大の先発木澤であったが3回4失点で降板となってしまった

一方富士大の先発は神奈川への凱旋登板となった武相出身の1年生右腕宮下。こちらは対照的にコントロールがよく、スライダー・カットボール(?)なども交えた安定したピッチング。2回途中から4者連続三振を奪うなどして、慶応打線を3回まで寄せ付けないピッチングを見せる。
20181117富士大 宮下
4者連続三振を奪うなど3回まで慶応大を無得点に抑えた富士大の先発宮下

しかし慶応打線も徐々にアジャストしてきた(特に変化球)ようで4回裏、1死から正木がヒットで出塁すると福井のヒットで1・2塁。ここで6番嶋田が体勢を崩されながらもうまくレフト前に運んで、慶応が初得点をあげる。続く5回裏にも先頭の代打角谷のヒットからチャンスを作ると、こちらも途中出場の若林がライト線へタイムリー2ベース。さらに正木にもこの試合3本目のヒットとなるタイムリーが飛び出して慶応が3-4と1点差に迫る。
20181117慶応大 嶋田
慶応大の初得点となるタイムリーを放つ嶋田

富士大は7回に河内・嘉瀬の連打でチャンスを作ると山城にタイムリーが飛び出して5-3とリードを広げる。しかしその裏に慶応も同じく若林と橋本典のバントヒットで1・2塁のチャンスを作ると、途中出場の4番鶴岡の打球はセンターの前にポトリと落ちて、そこからスタートを切ったにもかかわらず、若林が好走塁でホームを陥れすかさず1点差に戻した。

そんなゲームに終止符を打ったといえるのが、8回裏から富士大の4番手として登板した宇賀神であった。作新学院時代には今井(西武)・入江(明治大)に次ぐ3番手であったものの2016年夏に甲子園優勝を経験した左腕は、この日はその甲子園決勝で相手チーム(北海)のマスクを被っていた佐藤大とのバッテリー。ちなみにこの時の北海のエース大西は慶応にいるわけだがこの日は残念ながらベンチ入りしていなかった。宇賀神は決して体が開かずに腕がいきなり出てくるようなフォームからのストレートに加えて、打者の手元で鋭く曲がるスライダーを武器に慶応打線から3者連続三振を奪い、追いすがる慶応の息の根を止める。
20181117富士大 宇賀神
8回から富士大の4番手として登板して3者三振で慶応打線の勢いをとめた宇賀神

すると9回表、慶応は5番手として日置がマウンドにあがるも先頭打者に四球を与えると降板。6番手として古市がマウンドにあがるも、河内のバントをサードが捕ったところで、古市が3塁ベースカバーに入らず、ランナーに3塁まで進まれてしまうと、日置に続いて古市も打者1人で交代。大久保監督が2人続けてピッチャーを懲罰交代にした形だ。慶応のマウンドには7番手として、1年生ながら秋のリーグ戦では2試合に先発した森田があがる(本来は絶対に予定なかったんだろうな…)。しかし森田は嘉瀬に犠牲フライを浴びてしまい、慶応からしてみれば流れ的にも非常に嫌な1点が追加される。

宇賀神は8回に続いて素晴らしいピッチングで、橋本典・正木から連続三振を奪ってゲームセット。結局宇賀神は打者6人に対してパーフェクト5奪三振という圧倒的なピッチングであった。富士大が6-4で逃げ切って勝利した。
20181117富士大×慶応大 スコアボード



まず勝利した富士大は打線に関しては佐藤龍(→西武7位)、楠(→大阪ガス)という柱は抜けたものの比較的に経験者が多い。その中でも核として期待された3番嘉瀬、4番吉田は揃って猛打賞の活躍で打つべき人がしっかりと打ったという感じだ。他の選手もスタメンでは9番の小林以外はヒットを放っていて好調といえる状態であった。守備に関しても佐藤龍の弟であり1年生ながらこの秋に正捕手の座を獲得した佐藤大、山城・河内の二遊間、センターの嘉瀬とセンターラインは経験者で守備も安定していた。
20181117富士大 嘉瀬
吉田とともに3安打の活躍で打線を牽引した富士大の3番嘉瀬

対照的に投手陣は前チームでは鈴木(→楽天8位)、佐々木(→NTT東日本)、村上、上島と強力な4年生カルテッドが存在していたために経験者は少なく、0からのスタートに近い状態。そんな中リーグ戦でもベンチ入りを果たし、新人戦でも先発を務めるなど期待されていた先発の宮下は5回3失点と試合は作れた。特に上述の通り1~3回までは慶応打線を完璧に抑えてたあたりは、5回3失点という結果以上に評価できる内容であった。その後には岩井、中西、宇賀神と左のリリーフ候補が登場。こちらも上述した通りに宇賀神のピッチングは素晴らしいを超えた内容であり、首脳陣は大きなアピールになったころだろう。

岩手県からはるばる神奈川まで遠征してきた富士大だが、そんなことを感じさせないほど神奈川の高校出身者が多かった。前チームでのファーストからレフトにコンバートされた加藤は東海大相模出身で、昨年の東海大相模の主将の喜友名もベンチいた。途中からサードに入った渡邊翔は2年夏に横浜でショートのレギュラーを張っていた選手であり、神奈川の両雄が揃い踏みであった。先発の宮下も武相出身で、宮下とバッテリーを組んでいた山本はキャッチャー登録ながらこの日はファーストで途中出場。3番手で登板した中西は藤沢翔陵、この日の出場はなかったが新主将の下地は日大藤沢と7人も神奈川の高校球児がいた。他にも遠征メンバーではなかったが、三浦学苑の石井兄弟らが富士大には在籍している。対する地元の慶応も、スタメンの木澤・正木・瀬戸西をはじめとして慶応高校の出身者がこの日は9人ベンチ入り。古市・杉原・鶴岡と3人の桐蔭学園出身者も途中出場を果たし、まさに神奈川のオールスターのような試合であった。
20181117富士大 渡邊翔
神奈川に凱旋して途中からサードで出場した横浜高出身の富士大の渡邊翔

敗れた慶応であったが外野のレギュラー争いが激化してきたのは大久保監督にとってはうれしい悩みの種であろう。そもそも秋の慶応の外野の布陣はレフト栁町、センター渡部、ライト中村となっていてレギュラーがそのまま残っている状態。その中でこの試合にスタメン出場したのは秋のリーグ戦で5ホーマーと大ブレイクを果たしベストナインを受賞した中村のみであったが、この中村が2打席凡退すると大久保監督はライトをあっさりと若林に代えた。その若林は途中出場ながらタイムリーを含む2安打の活躍をみせた。2番センターでスタメン出場した橋本も、7回には無死1塁からファーストへセーフティバントを決めるなど持ち味を発揮して2安打。この日はベンチ入りしていなかったポジション・打順・キャラとまる被りの渡部に挑戦状をたたきつける活躍であった。そして3番に入った正木もタイムリーを含む3安打の活躍と、レギュラーを目指す1年生外野手の3人がそれぞれアピールに成功した形だ。柳町はこの試合はなぜか代走のみでの出場となったが、これで夏には1度断念した柳町の内野への再コンバート論もまた浮上してきそうだ。
20181117慶応大 正木
慶応大の3番に入り3安打1打点の活躍をみせた正木

春にはリーグ制覇、秋にもリーグ制覇まであと1勝のところまでいった慶応は上記の外野手に限らず、新主将を務める4番キャッチャーの郡司、小原・瀬戸西の二遊間にファーストの嶋田と前チームのレギュラーがほぼそのまま残る。そして快進撃の立役者となった投手陣も、秋に6勝をあげた高橋佑やリリーフもこなせる右のエース高橋亮をはじめとして強力投手陣もほぼそのまま残る。大久保監督にとっては来年はまさに勝負の年である。そんなチームの門出としては喜べる試合ではなかったが、上記の外野陣の活躍などは非常に期待の持てるものであった。
20181117慶応大 郡司
勝負の年となる慶応の新チームの主将は郡司


Pickup Player
吉田開 富士大3年 外野手
~新4番がチームを引っ張る3安打3打点の活躍~
序盤の4得点が富士大にとっては大きかったこの試合だが、そのうち3点は新4番の吉田のバットから生まれた。

吉田は専大北上では入学早々レギュラーを獲得して話題となった選手。秋季大会で打率5割を超える成績を残すと東北大会デビューも果たした。5番を務めた1年夏も2試合連続でホームランを放った。1年秋以降も3番or4番打者として打線を牽引。3年夏には杉山(創価大)擁する盛岡大付を破るも、その次の試合では加藤(筑波大)擁する花巻東に敗れるなど、現在は大学野球界を代表する投手となった2人とも激戦を繰り広げた。

高校通算54ホーマーの強打者としてプロからも注目されたが富士大へ進学すると2年春よりDHとしてスタメンに名を連ねるようになる。2年春には全日本大学野球選手権にも出場を果たすも、期待とは裏腹に3年春までの3シーズンは打率.200が最高と結果を残すことはできていなかった。しかしこの秋は勝てば優勝に王手という青森大戦で逆転満塁ホームランを放つなど、リーグ戦で11打点を叩き出して、ベストナイン(DH)と打点王を獲得。そして当初の期待通りに新チームでは4番を務めることとなった。

まず初回1死2・3塁という絶好のチャンスで回ってきた第1打席では木澤のスライダーをうまく捉えてライトへのライナー性の打球を放ち、これをライト中村がスライディングキャッチを試みるも届かず…先制の2点タイムリー2ベースとなった。そして1番の見せ場は3回表の先頭打者として迎えた第2打席で、初球のストレートを捉えると打球はまさに弾丸ライナーでそのままバックスクリーンにあたるホームランとなった。弟5打席にも森田のインコースのストレートに詰まったようであったが、それで右中間を抜いて2ベース。慶応の投手陣に対して決して振りまけることなく鋭いスイングができていて、1ホーマーを含む3安打3打点の活躍で見事4番としての活躍を果たした。

野手には経験者が多く残る富士大であるが、佐藤龍・楠という打線の2トップは卒業であり、この吉田には彼らのような活躍も期待される。それができてリーグを11連覇、12連覇することができれば、吉田自身のプロ入りというものも見えてくることだろう。

20181117富士大 吉田
富士大新チームの4番として見事3安打3打点の活躍をみせた吉田


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神宮大会(高校の部)のベストナインを選んでみた

神宮大会(高校の部)は札幌大谷の優勝で幕を閉じた。札幌大谷は全国大会初出場とあって、決して前評判が高かったわけではないが、西原・増田・太田とタイプのことなる3投手がそれぞれ見事な投球をみせ、打線も龍谷大平安や国士舘といった名門相手に初回から大量得点をあげて圧倒した。優勝の本命と言われていた星稜はエース奥川が完璧な投球をみせた一方、奥川が先発しなかった決勝では荻原が好投するも、北本のタイムリーで札幌大谷に逆転を許すと、打線が1安打に抑えられ敗北。やはりは秋は難しいものだなと感じた。

そんな大会のベストナインを個人的に選んでみました。
※本来持っている力とか関係なく純粋に大会の活躍だけで選んでいます


ピッチャー
奥川恭伸 星稜2年

Max149㌔のストレートにスライダー・フォークなどを駆使して広陵戦では7回11奪三振、高松商戦では7回12奪三振んを奪うなど、大会通じて15回1/3で自責点0(失点1)の26奪三振と異次元の投球。打撃面でも大会最多の5打点をマークした。
20181110星稜 奥川2


キャッチャー
飯田柊哉 札幌大谷2年

札幌大谷のキャッチャーとして西原・増田・太田とタイプの異なる投手を巧みにリードし、また主将としてもチームを初優勝に導いた功績は大きい。打撃面でも3番打者としても国士舘戦では先制の2点タイムリーを放つなど活躍した。
20181111札幌大谷 飯田

ファースト
立岩知樹 高松商2年

背番号11ながら高松商の4番に座ると、光星学院戦では途中まで当たっていなかったが、3番打者の敬遠のあとに迎えた第5打席では光星学院の息の根を完全に止める逆方向のライトスタンドへの3ラン。奥川からも犠飛とヒットを放った。
20181111高松商 立岩 

セカンド
釜萢大司 札幌大谷2年

札幌大谷の2番打者として器用なバッティングを見せ、国士館戦と筑陽学園戦ではそれぞれ猛打賞、星稜戦でも2安打を放つなど全4試合でヒットを放ち、大会打率.600は今大会の首位打者と言える活躍。
20181111札幌大谷 釜萢


サード
知田爽汰 星稜1年

1年生ながらそのミート力の高さで星稜の3番に座ると、広陵戦でタイムリーをマーク。高松商戦では先制タイムリーを放つと、その後も2ベースを2本放ちいずれも生還を果たすなど猛打賞の活躍をみせた。
20181111札幌大谷 知田


ショート
北本壮一朗 札幌大谷2年

北海道大会のケガから脅威の回復でスタメンに復帰すると、札幌大谷の1番打者として国士舘戦では5出塁をマーク。そして決勝の星稜戦では逆転となる2点タイムリーを放ち2-1での勝利の立役者となった。
20181111札幌大谷 北本


外野
東海林航介 星稜2年
高松商戦では3回に勝ち越しのホームランを放つ他、3四死球を選んで出塁し、その俊足ぶりを遺憾なく発揮。広陵戦でもサードゴロを内野安打としてビックイニングを作りあげた。この秋から守るセンターでも守備範囲の広さでチームに大きく貢献した。
20181111星稜 東海林


飛倉爽太 高松商2年
小柄ながら巧みなミート力をもつ高松商の1番打者兼主将。初戦となった光星学院戦では2回に同点タイムリー、3回にもタイムリー、8回には先頭打者として出塁して立岩の3ランを呼び込むなど価値のある3安打を放った。
20181111高松商 飛倉


大江拓輝 八戸学院光星2年
東邦戦では初回を4点目・5点目となるセンターオーバーの2点タイムリー2ベース。高松商戦でもライトにレフトに2本の2ベースを放つなど、その長打力を見せつた。
20181111八戸学院光星 大江

以上です。異論は認めます。

このほかにもポジションが被っていて選べなかったが、札幌大谷の太田・西原、八戸学院光星のショート武岡あたりの活躍は素晴らしかったですね。



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星稜×広陵【明治神宮野球大会】

11/10 明治神宮野球大会2回戦
星稜×広陵@神宮球場

今年の明治神宮大会で優勝候補筆頭と言われているのが星稜。それに次ぐ候補としてあげられているのは広陵であったが、この2チームはいきなり初戦でぶつかることとなった。

試合経過

20181110星稜×広陵 日刊スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

星稜の先発は2年生ながら唯一U18日本代表にも選ばれたエース奥川。それに対して広陵は背番号1の河野でなく、中国大会の決勝で好投をみせた背番号10の左腕石原が先発。そして序盤はこの2人が素晴らしい奪三振ショーを繰り広げることとなる。

石原・奥川ともに初回は3奪三振のスタート。奥川の奪三振ショーは予想通りであり、Max149㌔のストレートにスライダー・フォークを交えて3回まで7奪三振無失点。対する石原もMaX137㌔だが角度のあるストレートでコーナーに決まり、またスライダーも鋭く変化していて、3回まで6奪三振無失点であった。

そんな素晴らしい投手戦の均衡が破れたのは4回表。星稜は1死から4番内山がレフトオーバーの2ベースを放つと、5番奥川は高めに浮いた変化球を打ち返し、ライトオーバーのタイムリー3ベースで先制。続く6番福本も真ん中付近に入ってきた変化球を捉えてレフト前タイムリーとする。3回まではスライダーが低めに決まっていた石原であったが、この回からはスライダーが甘くなり、それを星稜打線が見逃さなかったというところである。完全にリズムの崩れた石原は四球を挟んで有松にもタイムリーを浴びる。2死となってからも山本にもタイムリーを浴びて4失点目。さらに東海林を打ち取ったと思いきや、これがサード内野安打となり満塁となったところで中井監督は石原から河野に投手をスイッチする。本来はエースの河野であるが、この流れにのまれたか3番知田に四球を与えてしまい押し出し。さらに4番内山が三遊間を破る2点タイムリーを放ち、星稜は4回になんと7点をあげる。
20181110星稜 奥川
先制のタイムリーを放つなどバットでもチームに貢献した星稜の奥川

河野は続くイニングからはストレートが145㌔をマークするなど、本来の投球ができるようになり5・6回と星稜を無得点に抑える。しかし奥川は3回までの素晴らしいピッチングを4回以降も継続していて、広陵打線は手が出ない状態…。点差を詰めないとどうしようもない広陵はやむを得ず河野に代打渡部を送るも奥川の前に成すすべがなかった。
20181110広陵 河野
5・6回と星稜打線を無得点に抑えた広陵の河野

広陵は上述の代打の関係で7回から3番手として森がマウンドに上がるも、内野安打と四球で無死1・2塁とピンチを背負ってしまうと、7番岡田のバントをキャッチャー秋山が1塁へ暴投してしまい星稜が追加点。星稜はさらに9番山瀬のところでスクイズを決めるなどぬかりない攻撃をみせて9-0とリードを奪う。
20181110星稜 山瀬
7回にスクイズを決める星稜の山瀬

奥川はその裏も抑えて星稜が7回コールド勝ち。奥川は結局初回からの素晴らしいピッチングを最後まで続けて、広陵に2塁すら踏ませない3安打11奪三振という完封劇であった。
20181110星稜×広陵 スコアボード



星稜が強いというのは評判通りであったが、にしても強かった。エース奥川は安定感も抜群で広陵サイドにしてみれば点が入る気がしなかっただろう。9-0というスコアであったが、この広陵の0は実際にはマイナスにも感じられるほどであった。打線も4回に一気にたたみかけた攻撃は見事の一言であった。

その打線を牽引したのは、新チームで4番を務める内山だ。1年生ながら夏の甲子園でも3番を打っていた巧打者は、前チームの南保・竹谷のようにホームランを量産するタイプではないがここぞという場面ではきっちりと仕事を果たす4番だ。4回のビックイニングも内山がまず口火を切ったところから始まり、最後も内山がトドメの2点タイムリーを放っていた。また守備も動きが機敏で素晴らしく、この日は特にフライの守備範囲の広さが際立った。奥川のストレートに詰まったセンター前に落ちそうな打球は、ショートにとっては難しい打球であるが、それを一直線で落下点に走っていて余裕でキャッチ。中学時代は有名なキャッチャーで、今はショートであるが、外野をやらせてもきっと素晴らしい選手なんだろうという打球判断の良さと走力であった。
20181110星稜 内山
4回に2点タイムリーを放つ星稜の新4番内山

広陵打線は中国大会の準決勝で、この世代では奥川と双璧をなすといわれている創志学園のエース西から7点を奪った打線。それでもヒットは3本のみでうち2本は内野安打。まともなヒットは3番宗山のレフト前1本という内容。中井監督がお手上げとコメントするほど奥川の方が上だったとういことである。
20181110広陵 宗山
奥川から2安打を放った広陵の宗山

ただ広陵の3本柱に関してはその能力の高さは十分に見られた。3回まで6奪三振無失点であった先発の石原に加え、2番手で登板したエース河野も145㌔をマークし自責点は0。先発などで使っていればまた展開も変わったのでは?と思わせる内容であった。そして3番手で登板した左腕の森も独特なスリークウォーターからMax142㌔をマーク。3人とも安定感さえ増せば、 2008年の森宗・前田・中田(現:広島)を超える強力な「3本の矢」が誕生することだろう。
20181110広陵 森
7回に登板してMax142㌔をマークした広陵の左腕森


Pickup Player
奥川恭伸 星稜2年 ピッチャー
~世代最強エースの座を確固たるものに~
この日の奥川のピッチングをまさに「圧巻」という言葉がふさわしいものであった。

奥川は中学時代には、現在でも継続中の山瀬とのバッテリーで全中を制覇。星稜に入学すると1年春よりベンチ入りを果たす。1年秋からエースとなると、石川V、北信越準Vを達成。センバツでは背番号11となり、先発した竹谷を3試合全てリリーフして2勝をあげた。打撃面でも打率5割と大当たりで近江戦ではサヨナラ打を放っている。2年夏には再びエースナンバーを取り戻し、夏の甲子園の開幕戦となった藤蔭戦では150㌔をマークし完投勝利。済美戦では足をつって4回で降板した後に味方が大逆転敗けを喫してしまうが、大会後には2年生で唯一U18日本代表にも選出された。この秋は北信越大会で関根学園・松本第一・東海大諏訪と3試合連続完封。決勝の啓新戦でも15回2失点の好投をみせた。ちなみにこの試合は2-2のまま引き分け再試合となり、再試合ではさすがに奥川の登板はなかったがチームは7-4で勝利して、この明治神宮大会の出場権を得た。

この日も先発マウンドに上がった奥川を見るのは、個人的には夏の済美戦以来である。そのときに比べるとフォームはいい感じに力が抜けていて、打者を見る余裕もできていたように思える。それでもスピードはMax149㌔をマークするなど健在。これに変化球としてキレのあるスライダー、110㌔前後と約40㌔の球速差のついたカーブ、そしてこの大会から解禁したというフォークがあった。特にこのフォークは130㌔を超えるスピードを誇り、広陵打線が消えたというほどの代物であった。このスライダーとフォークを決め球に初回から3個三振を奪うなど三振を量産。安定感も抜群で四球を1個も出すこともなく、広陵打線に打たれたヒットは7回までで3本のみ(しかもうち2本は内野安打)で、2塁も踏ませないなど完全に抑えこんでの完封劇であった。

打っても新チームでは5番を務める。ピッチャーでなければ4番を打っていてもおかしくない実力者で、この試合では3回に高めに浮いた変化球を捉え、逆方向であるライトの頭を越す先制のタイムリー3ベース。7回にも先頭打者として内野安打で出塁して、追加点の足掛かりとなった。

新チームの世代では創志学園の西とこの奥川が双璧をなすと言われていたが、その西を破った広陵を完璧に抑えたことで、もはや奥川がこの世代No1投手とっても疑う人はいない。早くも来年のドラフト1位との呼び声も高く、来年の高校野球界を引っ張っていく存在としても奥川には期待したい。

20181110星稜 奥川2
7回3安打11奪三振無得点の好投をみせた星稜のエース奥川



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神宮枠について考えてみる

明日から明治神宮大会が始まる。高校部のではこの大会に優勝すると、「神宮枠」としていち早くセンバツ出場が決まるわけである。ただこの神宮大会に出ている時点で、そのチームは各地方大会の優勝チーム=センバツ出場が事実上は確定している。よって当該チームにとっては、秋の日本一という称号は貰えるものの、この神宮枠でのセンバツ出場確定には実質上何の意味もないのだ。

この優勝の特典がほぼないということで各チームの神宮大会優勝へのモチベーションは高いとは言えず、過密日程も加わって、それぞれエース以外の投手を試す場となっているのが現状だ。昨年は明徳義塾がこの大会を制したが、これはエース市川が全試合を1人で投げ切る+馬淵監督が優勝に対して強い意欲をもっていたというのも非常に大きな要素だ。
20171111明徳義塾 市川
昨年大会を1人で投げ抜いて優勝を果たした明徳義塾のエース市川(ヤクルトD3位)


ということで明治神宮大会の優勝チームには以下のような特典をつけることを提唱したい
①センバツのシード
神宮枠の分のセンバツの出場校を32→31に減らして、その代わりに神宮大会優勝チームは2回戦からのスタートというシードを与える。
②センバツの宿舎が豪華になる
優勝チームだけセンバツの宿舎が有馬温泉の豪華な宿になるとか…w
③夏の甲子園の出場権獲得
秋の日本一なのだから、夏の甲子園に出る実力は十分にあると言えるのでこれもありでしょう。神宮大会のモチベーションが最大になる一方、優勝チームの夏に向けてのモチベーション維持が複雑にはなりますが…。


ただ見ている側からすると、この神宮枠は大きな意味をもつ。そのチームが属する地区のセンバツ出場枠が1つ増えることになるからだ。今大会の出場チームと、そのチームが神宮枠を獲得することによりセンバツ出場の可能性があるチームは以下の通り↓
  出場校 神宮枠の恩恵で
センバツ出場の可能性がある高校
北海道 札幌大谷 札幌第一or駒大苫小牧
東北 八戸学院光星 花巻東
関東 桐蔭学園 佐野日大
東京 国士舘 佐野日大
北信越 星稜 上田西
東海 東邦 津田学園or中京学院中京
近畿 龍谷大平安 報徳学園or大阪桐蔭
中国 広陵 市立呉
四国 高松商 冨岡西or高知商
九州 筑陽学園 興南


ちなみに神宮大会の優勝チームは、普通に考えればセンバツの優勝候補筆頭になるはずだが、なぜかここ最近は神宮大会の優勝チームはセンバツで優勝できないというジンクスがあり、神宮大会とセンバツの両方を制したのはエース大谷(現ロッテ)を擁した2001年の報徳学園以来誕生していない。ちなみにその報徳学園の前に両方を制したのは松坂率いる1997年の横浜である。
20180822ロッテ 大谷
2001年に神宮大会とセンバツの両方を制した報徳学園のエース大谷(現ロッテ)

そんな神宮大会の優勝予想は星稜とさせていただきます。

実際に土日は現地で観戦する予定で、個人的に楽しみです。

以上。

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秋季東京大会のベストナイン+キューバ遠征のメンバー

国士舘の優勝で幕を閉じた2018年秋季東京大会。
個人的に今大会のベストナインを選んでみました。

ピッチャー
中村晃太朗 東海大菅生2年

回転のいいストレートとスライダー・チェンジアップなどの変化球で、二松学舎大付・岩倉を1失点完投、早実を完封と徐々に調子をあげていった。決勝でも初回に4点を失うも国士館を3回以降はノーヒットに抑える活躍をみせた。
20181103東海大菅生 中村晃

キャッチャー
小山翔暉 東海大菅生2年

キャッチャーとして素早い送球でランナーを刺すなどして中村晃の好投を刺させた。岩倉戦では決勝打を放つなど3番打者として打率4割超え、俊足・走塁技術の高さも際立ち走攻守揃ったキャッチャーとして活躍した。
20181103東海大菅生 小山

ファースト
黒澤孟朗 国士館1年

体勢を低くした独特なバッティングからのフルスイングが魅力の国士舘の小さな4番打者。準々決勝ではタイムリー2本、準決勝と決勝ではともに1打席目で先制点をたたき出すなどしっかりと4番の仕事を果たした。
20181103国士舘 黒澤

セカンド
黒川麟太朗 国士館2年

前チームからの数少ない経験者として、国士館のチームを牽引。準々決勝では初回にヒットと3盗で先制点を演出し、準決勝では2安打を放ち、いずれもホームに返ってくるなど1番打者としての役割を果たした。
20181103国士舘 黒川

サード
中村洸星 東海大菅生2年

桜美林戦でのタイムリー2本を含む3安打の活躍をはじめとして、高いミート力で左右に打球を打ち分け、菅生の6番打者としてヒットを量産。打率.440をマークして、チーム2位となる9打点をあげた。
20181014東海大菅生 中村洸

ショート
成瀬脩人 東海大菅生2年

打率.500、打点11は(おそらく)今大会の2冠。その内容も二松学舎大付戦での同点タイムリー、早実戦での先制の2点タイムリーと貴重なものが多かった。また守備でも石田との二遊間は非常にハイレベルであった。
20181014東海大菅生 成瀬

外野
冨田洋祐 国士館2年
準決勝では試合を決める3ランホームランは今大会の国士舘の中でNo1のバッティングであったといえる。その他にも関東一戦では先制のタイムリー2ベースを放つなど黒澤とともに3番打者として国士館打線を牽引した。
20181103国士舘 冨田

渡辺伸太郎 国士館2年
準々決勝以降は相手先発投手が全て左だったこともあり、2番ライトとしてスタメンに定着した背番号13はバントなどでチャンスメイクをし、準決勝ではレフト線に決勝のタイムリー2ベースを放つなどラッキーボーイとしての活躍が目立った。
20181103国士舘 渡辺伸

茅野真太郎 早稲田実業2年
思いきりのいい打撃が武器の早実の1番打者は帝京戦での貴重な3ランを放つなど、元気のなかった早実打線においてコンスタントに結果を残し、センターの守備でもエース伊藤を盛り立てた。
20181007早稲田実業 茅野


菅生と国士舘という決勝に進んだ2チームばかりからの選手となってしまった。これでも菅生で言えばファーストは杉崎、国士舘でいえばショートは鎌田と本来ならばベストナインに選ばれてもおかしくない活躍の選手が菅生×国士舘の選考に敗れて選外となってしまった。また国士舘でいえばセンターの森中も打率4割を超える活躍を見せていて、外野は全部国士舘というのもあり得た。

さて日曜に終わった秋季東京大会だが、翌日の月曜には何とキューバ遠征の東京選抜の選考会が行われた。今回は監督に前田監督(帝京)、コーチに小倉監督(日大三)・和泉監督(早実)・市原監督(二松学舎大付)という豪華な面子であり、本気度がうかがえる。そんな選考会の結果が以下の通り↓
キューバ遠征代表メンバー.
※東京都高野連HPより

上記のベストナインからも4人が選ばれていて、こちらでの活躍も楽しみである。
個人的には去年の千葉みたいに壮行試合やって欲しいな~と思う。


以上です。異論は認めます。


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