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SUBARU×日本通運【オープン戦】

7/28 オープン戦
SUBARU×日本通運 @NITTSUボールパーク

試合経過

2回裏、日通はこの試合で5番に起用された正捕手の木南が、カウント2B2Sからのストレートを捉えると、ライナー性の打球はそのまま左中間のフェンスを越える先制ホームラン。日通打線はこれで火が付いたのか、そこから大谷・森松の連打で無死1・3塁のチャンスを作ると、8番内海がうまくライト線に運ぶタイムリーで2点目。さらに9番高橋、1番稲垣もタイムリーで続くなど、木南のホームランから計6連打でこの回一挙5点をあげる。
20200728日本通運 木南
先制弾を放った日通の5番木南

勢いの止まらない日通打線は3回にも、この回先頭の森松がセンターのフェンスを越えるホームラン。ここから2死となるものの、1番稲垣がセンター前ヒットで出塁し盗塁を決めると、2番諸見里のセンターオーバーのタイムリー2ベースでこの回2点目をあげて7-0とリードを広げる。SUBARU先発の上原はMax146㌔のストレートをはじめ、カットボールやSFFなどストレート系のいいボールを投げていたものの、スライダーなどの割合は少なく、緩急をつけることができなかったために、日通打線は完全にタイミングがあってしまっていた。それでも4回まで上原を投げさせたのは、首脳陣の期待の現れであると思うので、今回の内容を糧にして欲しいところだ。
20200728日本通運 諸見里
センターオーバーのタイムリー2ベースを放つ日通の諸見里

日通は先発の庄司がテンポのいい投球で3回まで被安打1の無失点。4回には渡辺が登板し、そのテンポを引き次ぐかのように、わずか11球で2三振の3者凡退という投球をみせ、5回にも石田・君島と打ち取り簡単に2死をとる。しかしここからSUBARU打線は、寺越・樋口の連打で2死1・2塁のチャンスを作ると、2番遠藤がカウント2Bからの甘く入った球をレフト前に弾き返して、SUBARAUが初得点。さらに続く3番森下がセンターオーバーの2点タイムリー2ベースを放ち、SUBARUが5回に3点を返して3-7とする。
20200728SUBARU 森下
2点タイムリー2ベースを放つSUBARUの3番森下

SUBARUは6回裏に3番手としてルーキーの山本が登板。山本はいきなり浦部に死球を与えてしまい、バッテリーミスを挟んで北川にもライト前ヒットを浴びてしまい無死1・3塁というピンチを招く。ただ山本は小雨がぱらつく中でもエンジン全開であり、ストレートは150オーバーが多く、Maxは152㌔をマーク。SFFでも140㌔を超え、スライダーも130㌔中盤をマークしており、そのインパクトは絶大であった。上記のピンチから木南を三振に仕留めると、大谷はピッチャーゴロ、代打のデシャーンはレフトフライに仕留めて6回を無失点で終えると、7回は日通打線を3人で片づけて、2回を無失点の好リリーフで流れをSUBARUに手繰り寄せる。
20200728SUBARU 山本
Max152㌔の剛速球が光ったSUARUのルーキー山本

日通は7回からこの試合の左腕トリオの締めとして相馬が登板。相馬いえば、横浜高時代は柳(中日)の控えの技巧派左腕というイメージがあったが、国際武道大を経て、昨年は武田久コーチ(元日本ハム、現東海REX投手コーチ)の指導もあり、投球に力強さが出てきており、この試合ではMax146㌔をマーク。130㌔前後のスライダーとのコンビネーションで、SUBARU打線を7回3イニング無失点に抑えて、日通が7-3でSUBARUを破った
20200728日本通運 相馬 
終盤3イニングを無失点に抑えた日通の相馬

20200728SUBARU×日本通運
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


日本通運で面白いと思ったのは投手起用だ。この試合では庄司→渡辺→相馬と主に中継ぎとして期待されるであろう左腕が3イニングずつ、わざわざ似たタイプの投手3人を起用したのだ。おそらく公式戦であれば、このような起用はなく、オープン戦らしい起用であった。ただこうすることで、同じ相手に同じ条件で投げているわけで、公式戦での起用にむけてこの3人の序列を明らかにするために分かりやすい。ちょうど今年の開幕前の練習試合で、楽天の三木監督が外国人中継ぎ投手を同じ試合で登板させて、(外国人枠の影響で)誰を2軍にするか決めようとしていたことと同じにも見える。今日の内容でいえば、庄司・相馬の2人が3イニング無失点の好投をみせたので、1歩リードというところであろうか?ちなみにこの2人は同じ年で、高校は庄司が東海大相模、相馬が横浜と高校時代から凌ぎを削っていた。今はチームメイトとなりつつも、左腕としての地位を争っている。
20200728日本通運 庄司
日通の先発として3回1安打無失点好投をみせた庄司

そんな日通投手陣んい5回の3点以外は、見事に抑えられてしまったSUBARU打線であるが、若くて非常に楽しみなスラッガーが多い。昨年まで国学院大の4番を務めていた左のスラッガーのルーキー鎌仲は5番レフトで起用されたが、4打数ノーヒット3三振。同じく6番DHで起用された2年目龍も、3打数ノーヒット。2人とも社会人レベルの左対左の対戦に圧倒されてしまった形だが、それでも代打を送らずにフル出場させたあたり冨村監督からの期待の高さがうかがえる。さらにこの日は出場はなかったものの、昨年の春には東都1部で5ホーマーを放った東洋大の山田も今年から入社している。右打者でみても最終回には原島と三浦が代打で登場。原島は(狭い球場の恩恵も受けたが…)ライトフェンス直撃の2ベースを放つなど存在感を見せており、こちらの右のスラッガーも楽しみな存在。5人ともまだ若く、早く林の抜けた打線の核に成長すべく頑張って欲しい。
20200728SUBARU 鎌仲
SUBARUの5番に起用されたルーキー鎌仲


Pickup Player
森松裕次郎 日本通運 ファースト
~ポスト関本に向けて好調な打撃でアピール~
この試合DHで起用された森松は、2回のビックイニングを作るヒットに、ホームランにとアピールに成功した。

森松は延岡学園の出身で、2年夏に甲子園に出場すると、背番号14ながら2回戦の仙台育英戦では5番サードでスタメン出場。3年夏には2番セカンドとして出場するも、宮崎大会決勝では日南学園に敗れてしまい2年連続での甲子園出場はならず…。九州産業大では1年秋からリーグ戦に出場し、3年春からショートのレギュラーに定着。その高い守備力はプロからも注目された一方、打撃に関しては目立った成績は残せずにベストナインなどの受賞はなかった。

日本通運に入社すると、入社直後のスポニチ大会のジェイプロジェクト戦でホームランを放つデビューを飾るものの、どちらかというと守備の選手という立ち位置。さらに日本通運に関して言えば、セカンド浦部、ショート諸見里は強固であり、主にサードのレギュラーを狙っていたが、昨年から稲垣が入社してサードの絶対的レギュラーに定着してしまっていた。ただもともとパンチ力はあった打撃が昨年から向上してきており、昨年の日本選手権ではDHとしてスタメン出場を果たし、守備の人→打てる選手に変貌を遂げつつあった。さらに昨年限りでこれまで、その打力でファーストとしてチームを牽引してきた関本が勇退しており、打てるファーストが必要となっていて、森松もファーストでの起用も増えてきている。

この試合ではDHとしてスタメン出場を果した森松は、1点取った後の無死1塁で回ってきた第1打席では追い込まれてから変化球を2球ファールにした後のストレートをうまくライト方向に押っ付けて1・3塁とチャンスを拡大するヒット。バントも考えられる場面であったが、強硬策で最高といってもいい結果を出し、この後の3連続タイムリーにつなげるという意味でも大きな仕事だった。そして3回裏の先頭打者として迎えた第2打席では、カウント2Bからの甘く入ったストレートをたたき、センターのフェンスを越えるソロホームラン。この試合の森松はDHということもあり3打席でお役御免となったものの、貴重な2安打を放ち、レギュラー獲得に向けてアピールに成功した。

ここのところの起用を見ていると、現状は森松がファーストorDHのレギュラー筆頭であろう。ただこの試合のように4番の北川はファーストを守ることもあり、そうなると同じくこの試合で結果を残した高橋や内海といった外野手もレギュラー争いになってくる。好不調など打撃成績がそのままレギュラーに直結するポジションだけに、まだまだ予断を許さないところはあるものの、守備の人→打撃の人に生まれ変わりつつある森松の活躍に期待したい。
20200728日本通運 森松
打撃で結果を残しつつある日通の森松


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夏の独自大会の展望【群馬編】

夏の甲子園は中止になりましたが、各都道府県で独自大会は進められています。
なのでその大会の優勝予想+展望について、書いていきたいと思います。

3回目は、群馬です。

有力校紹介

昨秋は群馬大会では3位、関東大会の初戦でも9回2死まで敗けていたものの、そこから小澤のホームランなどで常総学院から逆転勝利をあげ、そのまま関東大会を制すると、明治神宮準Vまで昇りつめたのが健大高崎。その原動力となったのは、エース左腕の下でありMax143㌔のストレートにスライダー・SFFなどを駆使した投球は完成度が高く、一躍プロからも注目される存在になった。2番手として目される橋本は、190㎝の大型右腕であり、関東大会決勝では山梨学院から完封勝利をあげている、健大高崎らしく他にも長谷川、朝井ら投手陣は豊富であるが、今年は下というエースの存在が大きく、またリードする主将の戸丸は、セカンド送球1.79秒をマークした強肩の捕手であり、下とは中学時代からバッテリーを組んでいる。リードオフマンの古滝をはじめとして、橋本や戸澤らも「軌道破壊」といえる走力を擁する一方、最近の健大高崎は有力中学生の入学が多くパンチ力のある選手が多い。神宮大会では控えからスタメンに抜擢された木川がホームランを放つなど、攻撃陣の層も厚く総合力が高い。実際のこの夏の初戦ではいきなり好投手清水を擁する安中総合学園と対戦するも、危なげなく初戦を突破している。
↑健大高崎の秋の飛躍の立役者であるエース下
20191115健大高崎 下


ライバルの前橋育英は、秋は準決勝では健大高崎に完封勝ち(観戦記)をおさめるなど、今年も守備力が高い。エースの2年生左腕の菊池は非常にコントロールがよく、左腕らしく右バッターの懐にもボールを投げ込むことができる。2番手の武藤は、同じ左腕でも力いっぱいボールを投げるタイプであり、このタイプの異なる2人の左腕が中心となる。この2人をリードする須永はプロも注目の捕手であり、セカンド送球1.8秒の強肩で、秋は健大高崎の機動力を封じた。打撃でも2年夏から4番を打つ実力者であり、まさにチームの中心である。
↑4番で主将と前橋育英の扇の要の須永
20190928前橋育英 須永


いつも通りの2強に割って入るのが、秋の群馬大会の覇者であり、センバツ出場を決めていた桐生第一。エース宮下はコントロールのいい技巧派左腕であり、これに加えて期待の144㌔右腕である蓼原が、課題の制球力がよくなり、使える見通しが立ってきたことが大きい。打線は4番で主将の強打者廣瀬、関東大会では好左腕の安達(桐光学園)から満塁ホームランを放った中島ら中軸はしっかりしており、曽我・大畠・加藤らその前を打つ打者は打力と走力を兼ねそろえている。
20190928桐生第一 廣瀬
↑桐生第一打線を牽引する4番で主将の廣瀬

展望
秋は桐生第一が制したが、やはり投打に力のある、健大高崎と前橋育英の一騎打ちに今年もなると予想される。今年は準決勝で実現するこの群馬のゴールデンカードは、夏の大会においていえば現在前橋育英が4連勝中で、5年連続で夏の甲子園に出場中と相性はいい。ただ夏の大会が3年生縛りとなりエース菊池の登板がないと前橋育英としては戦力ダウンが大きく、逆に小澤以外の主力が全て3年生の健大高崎は戦力ダウンが少ない。また健大高崎は、近年有望な中学生がたくさん入学しており、戦力層が厚いので、選手を多く使う傾向のあるこの夏の戦いにも向いている。以上のことから、今年は健大高崎が群馬を制して、甲子園の交流試合にも弾みをつけるのではないかと予想する。

↓組み合わせ
2020夏の組み合わせ 群馬




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夏の独自大会の展望【西東京編】

夏の甲子園は中止になりましたが、各都道府県で独自大会は進められています。
なのでその大会の優勝予想+展望について、書いていきたいと思います。

2回目は、西東京です。

有力校紹介

秋の東京大会を制して、センバツ出場を決めていたのが国士舘。エース中西はスリークウォーターから繰り出すスライダーとシンカーを武器に、昨秋は準決勝で城東を、決勝では帝京をいずれも2安打完封している。この中西に次ぐ投手が課題となるが、主将でセカンドを守る鎌田も中学時代は名を馳せた投手であり、抑えとしての起用もあり得るかもしれない。攻撃陣はこの鎌田と黒澤が中心となる。鎌田は秋は不調であったものの、ライナー性の打球を降格に打ち分ける好打者であり、前チームから4番を務める黒澤は小型ならが独特のすり足打法から力強い打球を放つ。これに加えて秋は好調であり打点を稼いだ5番齋藤・6番吉田が同様の活躍ができればチームとしては安泰であろう。
20191110国士舘 中西
↑国士舘のエース中西

秋ベスト4の創価は、なんといってもエース森畑に注目。184㎝の長身からMax146㌔のストレートを繰り出す本格派右腕は、自粛期間中に体重を増やしたようで、夏の大会では150㌔もありえる。ライトの石坂も、左腕としてマウンドに立つこともあり、2番手として森畑を支える。野手陣も昨夏の西東京準Vを経験したメンバーが多く、中軸を担う宮原はスイングが鋭くパンチ力があり、1番島本は50㍍6.0秒の俊足を生かした非常にいやらしい選手、ショートの谷藤の守備力は東京でNo1といっても過言でないレベルにある。河合・石坂といった下位打線の選手も十分にクリーンアップを務める力もあり、2年生ながら昨秋は4番を務めた高沢にも注目である。
20191109創価 森畑
↑創価のエースの本格派右腕森畑

西東京の夏といえば、やはり日大三であろう。秋は準々決勝(神宮第二球場のラストマッチ)で帝京に1-2と惜敗してしまったものの、エース児玉を中心に力のある選手が揃う。そのエース児玉は、140㌔のストレートを誇る左腕だが、なんといってもコントロールが抜群。鋭いスライダーに、秋は帝京の打者もクルクルバットが回ってしまっており、奪三振能力も高い投手である。主に抑えをつとめるのがサードの柳舘であり、こちらも力のある球に加えて鋭いスライダーが武器で、またサードから登板していきなりフルパワーで投球できるのも魅力だ。攻撃陣の中心は、主将もつとめるリードオフマンの渡辺、旧チームから3番を務める柳舘、ボールを飛ばす力のある4番大城らが中心にあるが、秋の段階では日大三としては物足りなさを感じた。ただいつも夏に仕上げてくるのが日大三であり、自粛期間もあった今年にもそれができるかが焦点となる。
20191103日大三 児玉
↑日大三のエース左腕の児玉

秋は日大三に敗れたものの、個々の選手のレベルが高いのが東海大菅生。エース左腕の新倉は多彩な変化球を武器に安定した投球をみせ、170㎝63㎏という体格ながら150㌔に迫るストレートをもつ藤井、ならには184㎝の大型左腕の広瀬も控える。打線の中心の杉崎はオープン戦のフォームから、手首の返しをうまく使った打法で高校通算48発を誇り、1年春から中軸を務める強打者である。杉崎の後を打つ4番森下、主将でショート守備に定評のある玉置にも注目だ。近年東海大菅生は全国各地から有望な選手が入学しており、2年生でいえばセンター千田やセカンドの山田、U-15W杯の日本代表であった左腕本田、さらには今年同じくU15日本代表の注目株であった福原も入学しており、これらの下級生を使うかどうかも戦力として大きく影響してくる。
20190406東海大菅生 杉崎
↑高校通算48発の東海大菅生のスラッガー杉崎

実力が未知数なのは、秋は不祥事で出場を辞退した早稲田実業。ただ菊地、外野も兼任する宇野と投手はそろっており、また2年生スラッガーの清宮福太郎(清宮幸太郎の弟)もおり、選手はそろっている。ただいきなり初戦で八王子との対戦となっているのが難しいところである。明大中野八王子は秋に二松学舎大付を破っており、この時に関東勝利をあげたエースで主将の江口に注目である。


展望
秋の実績のある2チーム(国士舘・創価)と、実力のあるチーム2チーム(日大三と東海大菅生)の4チームの争いになると思われる。西東京大会はもととのスケジュールに加えて。雨での順延が増えている現状からも、そこそこ過密日程になるものと思われるので、投手の数が揃っている日大三や東海大菅生の方が、有利かと思われる。くじ運的にも、この2チームの方が比較的恵まれている。最終的には個人的には児玉が西東京ではNo1投手だと思っているので、優勝予想は日大三としたい。


組み合わせ↓
2020夏西東京



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法政大×日本通運【オープン戦】

7/24 オープン戦
法政大×日本通運 @NITTTSボールパーク

試合経過

法政大は1回表、1死から2番永廣が四球で出塁し、ワイルドピッチで進塁してチャンスを作る。ここで3番野尻はフルカウントからの変化球をすくいあげると、打球はライトフェンス直撃の2ベース。タッチアップの体制に入っていた永廣は3塁止まりとなってしまったものの、続く4番村田は強烈な打球のセンター前ヒットを放ち、永廣・野尻が生還。村田がきっちりと4番の仕事を果たして、法政大が2点を先制する。
20200724法政大 村田
初回に2点タイムリーを放った法政大の4番村田

法政大の先発の鈴木は初回からエンジン全開。最速149㌔をマークしたストレートは、ほとんどが140㌔後半と安定しており、鋭いスライダー、130㌔を超える高速チェンジアップ(?)、持ち前のシュートを駆使して、3回までは打者9人で片づけ、4回までは外野に打球を飛ばされないという、社会人チームを圧倒する素晴らしい立ち上がりをみせる。
20200724法政大 鈴木
4回まで打球を外野に飛ばされない圧巻の投球を披露した法政大の先発鈴木

ただそんな鈴木の前に立ちはだかったのは、法政大の1個上の先輩であり、今年から日本通運でプレーする毛利であった。毛利は1打席目では147㌔のストレートを弾き返して、打球が鈴木に直撃する強襲ヒット。鈴木はやはり毛利には投げづらかったのか、2打席目にはこの試合で初となる四球を与えてしまう。鈴木はこれでペースを乱したのか、続く森松にも四球を与えて1・2塁のピンチを招いてしまうと、8番木下には二遊間を破るタイムリーを浴びてしまう。
20200724日本通運 毛利
法政卒の日本通運のルーキー毛利

試合は後半戦に入ると、日本通運は2回以降好投を続けていた先発の池田から、2番手の庄司にスイッチ。ただ法政大は2死から3番野尻がストレートを捉えると、打球は逆後方の左中間フェンスを越えるソロホームランとなり、法政大が3-1と突き放す。
20200724法政大 野尻
6回表にホームランを放った法政大の3番野尻

日本通運も6回裏、この回先頭の稲垣が鈴木のシュートを捉えると、こちらも逆方向のレフトフェンスを越えるソロホームランで1点差。さらに北川のヒットとエラーで1死1・2塁と同点のチャンスを作り、6番毛利を迎える。しかしここは鈴木が今日1番というアウトコースのストレートで空振り三振に仕留めると、女房役の大柿が素晴らしい牽制で2塁ランナーを刺してこのピンチを脱する。鈴木は6回4安打2失点5奪三振という内容でマウンドという内容であった。
20200724日本通運 稲垣
逆方向のレフトにホームランを放った日本通運の稲垣

ただ日本通運は7回裏、法政の2番手落合から先頭の森松がヒットで出塁すると、送りバントなどで2死3塁のチャンスを作る。ここ代打諸見里の打球を法政のサード中村迅がエラーしてしまい、日本通運が3-3の同点に追いつく。日本通運の2番手の庄司は、ワンポイントなどでの起用の多いサイド左腕であるが、この試合ではロングリリーフ。6回に野尻に1発を浴びた以外は安定した投球で、法政打線を打ち取っていき、7~9回は法政を無得点に抑える。
20200724日本通運 庄司
日通の2番手として4回1失点の好リリーフをみせた庄司

9回裏、法政は5番手として山下がマウンドにあがる。186㎝95㎏という大型左腕は、初球いきなり149㌔をマークして空振りをとり、観衆を沸かせるものの、先頭の木南を四球で歩かせてしまう。続く手銭は球威に押されてバントをフライとしてしまい1死1塁となるものの、諸見里は低めのボールをレフト前に運び、スタートを切っていた代走の佐藤将は一気に3塁まで進み1死1・3塁とサヨナラのチャンスを迎える。すると2番稲垣は、山下のストレートを見事にレフト前に弾き返して、日本通運が4-3とサヨナラ勝ちをおさめた。


20200724法政大×日本通運
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


先発の鈴木については、序盤は本当に素晴らしかったものの、中盤にかけてはその勢いはなくなっていった。雨が降ってきたという影響もあるが、やはりまだ試合数をこなせていないということもあり、スタミナ面では不安があるといったところであろうか?この試合では三浦・石川といった法政の実績のあるリリーフ投手がベンチ入りしていなかったこともあり、7回以降は投手のレベルとしては大きく落ちてしまった。扇谷や山下はその素質、指にかかったときの球は素晴らしいものがあり、今後は非常に楽しみな投手であったが、まだリーグ戦で重要な場面を任せられるかというと厳しい。東京六大学はリーグ戦の開幕まで1か月を切っており、鈴木にはエースとして、序盤のピッチングを続けられるように期待をしたい。

ただ法政としてはリーグ戦に向けて光明も差してきたといえるのが、正捕手の存在だ。これまでは後藤、渡辺。大柿といったあたりを1試合の中でも併用してきたが、この試合では大柿がフル出場。6回のピンチでは持ち前の強肩で、セカンドへの牽制でランナーを刺してピンチを脱するという場面もあり、打撃でも放ったレフト前ヒット2本はいずれも芯で捉えた素晴らしい打球であった。やはり正捕手が固定されるとチームも安定してくるので、これは1つ収穫であったと思える。
20200724法政大 大柿
この試合フル出場した大柿は法政の正捕手確定か?

日本通運はもともと野手はいい感じに経験の積んだ選手が揃っているが、そこに食い込むべくこの試合では2人のルーキーがスタメン出場。1番ショートの添田は3打数ノーヒットであったものの、昨年まで対戦していた法政相手に2打席目ではピッチャーライナーを放つなど内容は悪くなかったし、守備では三遊間の難しい打球を華麗に裁いて2塁でアウトにする場面が2度ほど見られた。毛利は上述のように1打席目ではピッチャー強襲ヒットを放ち、2打席目にも得点のきっかけるとなっていた。この試合のスタメンは古巣への顔見世の意味合いもあるだろうが、2人とも十分にレギュラー争いに食い込む力をもっているようで、チームにとってはいい刺激になるであろう。
20200724日本通運 添田
1番ショートでスタメン出場した日通のルーキー添田


Pickup Player
稲垣誠也 日本通運 サード
~逆方向への見事な強いバッティング~
6回にはソロホームランに、9回にはサヨナラ打とともに逆方向であるレフトに殊勲打を放ったのが稲垣であった。

稲垣は走攻守揃った内野手として、明豊では1年夏よりベンチ入りをはたし、甲子園でも関西戦で途中出場すると2安打を放っている。2年夏・3年夏はともに1番セカンドとして、チームを牽引するも、甲子園出場はならなかった。中部学院大に進学すると、1年秋から新人賞とベストナインを獲得すると、3年春には優秀選手賞、4年春には本塁打王、4年秋には首位打者、他にも盗塁王を4回獲得するなど走攻守でリーグ代表する選手に成長。

2018年に日本通運に入社すると、すぐさまサードのレギュラーに定着。1年目の都市対抗には2番サードで出場すると、いきなり兄である稲垣翔太(Honda熊本)との対決も実現し、2安打1打点の活躍で勝利。その後は2番だけでなく、3番や5番などチームの中軸も打つようになり、昨年はBFAアジア選手権日本代表にも名を連ね、台湾のウィンターリーグではJABA選抜の一員として優勝にも貢献している。

この試合では2番サードでスタメン出場した稲垣は、1・2打席目は鈴木の前に完璧に抑えられてしまうも、迎えた3打目にはカウント2B1Sからのシュートを捉えると、打球はレフトのフェンスを越えるソロホームラン。さらに最終回に1死1・3塁で迎えた第5打席でも、山下の力のあるストレートをレフト前に弾き返してサヨナラ打とした。

稲垣の魅力は167㎝と小柄であり、見た目通りの俊足や好守はもちろんのこと、パンチ力のある打撃も兼ねそろえているところである。スタンス広めに重心を落として、ボールを呼び込んで強くたたくスタイルはちょうど、森友哉(西武)のような感じであり、まさに森と同じくこの試合ではボールを呼び込んで逆方向に強い打球を2発はなっていた。走攻守においての実力は十分であり、今年3年目という年齢からも、まだまだプロ入りの可能性も十分にありそうな選手である。

20200724日本通運 稲垣2

20200724日本通運 稲垣3

ホームランにサヨナラ打と逆方向への素晴らしいバッティングを披露した稲垣



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夏の独自大会の展望【愛知編】

夏の甲子園は中止になりましたが、各都道府県で独自大会は進められて、おり早くもなどでは優勝チームが決まっています。
なのでその大会の優勝予想+展望について、書いていきたいと思います。

まず第1回目は、愛知です。

有力校紹介

なんといっても本命は、昨秋に明治神宮大会を制して秋の日本一に輝いた中京大中京。特にエース高橋、キャッチャー印出、ショート中山、センター西村のドラフト候補4選手からなるセンターラインは強力そのものだ。エース高橋は、神宮大会で対戦した明徳義塾の馬淵監督が「松坂以上~」と評した逸材で、先日の練習試合では自己最速を更新する153㌔をマークして、名実ともにこの世代を代表する投手となっている。2番手の松島も、164㎝ながらもがっしりとした体格からMax147㌔のストレートを誇る左腕である。中山は三拍子揃った大型ショートであり、秋は公式戦で神宮大会決勝での決勝打を含む45打点という数字を叩き出しており、個人的にはこの世代でナンバー1ショートだと思っている。印出は強肩強打の4番捕手主将とまさにチームの中心を担っていて、リードオフマンの西村は50㍍6.0秒の俊足に加えて、東海大会では場外弾を放ったパンチ力も兼ね合わせる。
20191120中京大中京 高橋
↑最速を153㌔にまで伸ばした中京大中京のエース高橋


中京大中京を追う筆頭格は、秋に愛知準Vの愛工大名電。1年夏からエースを務める田村(現2年生)は打っても3番を務めるなどチームの中心であり、4番捕手とチームの要の二村、パンチ力のある5番藤本、秋は打率.462の青山と、打率.500の大石の1・2番コンビとこちらもタレントはそろっている。ただ投手陣は田村だけでなく、寺嶋・野嵜・平口といずれも2年生が中心。ただ今大会はここまでオール3年生で挑んでおり、そうなると投手力の低下は避けられない。この場合は昨年までは控え投手であり、現在はサードの小野がエースとしてチームを牽引することになるだろう。
20191026愛工大名電 小野2
↑3年生のみだと愛工大名電のエースとして期待される本職はサードの小野


昨年のセンバツを制した東邦は、森田監督が勇退し、4月から山田新監督が就任。チームの中心は、そのセンバツ制覇時に2年生で唯一のレギュラーであり、準決勝では中森(明石商)から3ランを放つなど勝負強い打撃を発揮しており、今大会の初戦で放ったホームランで高校通算は44発となっている。左腕投手としての期待もかかるが、やはりエース山下がどれだけ投げれるかがカギになってくるだろう。
20190331東邦 吉納
↑東邦の高校通算44発の強打者吉納


これを追う形となるのは、強力なエース左腕を擁する3チームであろうか?豊川はエース左腕で4番の米庄が中心んとなっており、昨秋に3位として出場した東海大会で大垣商から13得点をあげた打線も強力。昨年から至学館のエースを務める渡辺は、経験も豊富でスピンの効いたストレートとスライダーが武器である。元中京大中京の監督で、U18日本代表でもヘッドコーチを務めた大藤監督が就任した享栄には、184cm94kgからMax143㌔を誇る大型左腕の上田がおり、プロからも注目されている。
20201026豊川 米庄
↑豊川の4番エースの米庄


展望
毎年私学4強を中心に激戦が繰り広げられる愛知であるが、今年はよっぽどのことない限り、実績・戦力で抜き出ている中京大中京の優勝は固い。それを追う愛工大名電も昨秋は中京大中京に決勝で0-7で敗れており、先日の練習試合でも7-1で中京大中京が勝利。さらに上述の通り、愛工大名電は3年生のみとなると他チームより戦力ダウンが大きいという事情もあると、対抗するのは難しい。東邦も昨秋は地区予選と本大会で2度も中京大中京にコールド負けを喫している。今年の愛知は群雄割拠というより、ストップ・ザ・中京大中京という構図になることだろう。

2020夏 愛知組み合わせ



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