Honda鈴鹿×きらやか銀行【都市対抗】 ~Honda鈴鹿が若きバッテリーの活躍で逆転勝利~

7/15 都市対抗野球大会1回戦
Honda鈴鹿×きらやか銀行 @東京ドーム

試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20170715Honda鈴鹿×きらやか銀行


きらやか銀行は1回裏、2死から3番小野寺がヒットで出塁して登録を決めると、4番日山がライトオーバーのタイムリー2ベースを放ち先制。きらやか銀行は3回裏にも1番藤田が内野安打で出塁して盗塁を決めると、3番小野寺がレフト前タイムリーを放って、リードを2点に広げる。

4回まできらやか銀行のエース小島の前に無得点に抑えられていたHonda鈴鹿は5回表、先頭の庄司が死球で出塁してバントで送ると、9番澤田がセンター前にはじき返し1点を返す。さらにグランド整備開けの6回表に途中出場の安慶名の2ベースから、3番松本のタイムリーで同点。さらにバントで松本を2塁に進めると、6番柘植がレフト戦に2ベースを放ち勝ち越した。

投げては3回からリリーフした平尾が8回までノーヒットピッチング。最終回はベテランのリリーフエース鹿沼が抑えて、Honda鈴鹿が初戦を突破した。

20170715きらやか銀行 小野寺
いずれも得点に絡む2安打を放った小野寺

20170715Honda鈴鹿 平尾
5イニング無安打リリーフをみせた平尾

T20170715Honda鈴鹿 柘植2
決勝打を放っち塁上でガッツポーズの柘植


Topic
◆補強選手を使わず若きバッテリーで
Honda鈴鹿はエース:平井(西武)と正捕手:飯田(オリックス)がプロ入りして迎えた今シーズン。都市対抗の予選では新人の瀧中・平尾の好投、キャッチャーに高卒2年目の柘植を添えて出場権を獲得。しかし補強選手はピッチャーの秋葉(JR東海)・立野(東海理化)、キャッチャーの山根(東海理化)と3人ともバッテリーでやはりバッテリーが弱点なのかなと思った。

この初戦は先発に新人の瀧中、キャッチャー柘植で臨んだ。瀧中は球に力はあったものの2点を失って3回降板。もうこれ以上点をやれないという場面で秋葉あたりが出てくるかと思ったが、2番手でマウンドに上がったのは同じく新人の平尾。この平尾が素晴らしいピッチングを見せると、柘植が決勝のタイムリー。最終回はリリーフエースの鹿沼が抑えた。

結局補強の3選手は使わずに、自前の若いバッテリーで勝利したHonda鈴鹿。これで勝てたということは単なる1勝という以上にチームに大きな価値をもたらせたことだろう。

20170715Honda鈴鹿 瀧中
先発した瀧中は3回で降板となってしまった


◆主将離脱の後輩代役が活躍
Honda鈴鹿の主将の大城戸は、ライトの守備でフェンス際の打球に対応した際に負傷。そのままプレーを続けたが、第2打席で内野安打を放ち、1塁へ全力で走った+ヘッドスライディングをしたところで交代となってしまった。

代わりに代走に入ったは安慶名。法政大では大城戸の1年後輩で、主将を務めた選手だ。代走からそのままライトに入った安慶名は6回表の先頭打者として迎えた初打席で見事に左中間を破る2ベース。続く松本のライト前ヒットで瞬足をいかして一気にホームを駆け抜けた。この回で逆転をしたHonda鈴鹿にとって、この安慶名の2ベースは非常に大きなものであった。

主将の離脱という大きな痛手を負ったHonda鈴鹿であるが、その代役の大学の後輩にも注目です。


◆昨年の再現はならず…
昨年の都市対抗で1番の番狂わせといったら初出場のきらやか銀行が、50回目の出場となるパナソニックを破ったことであった。そしてその勝利の立役者こそが9回には追い付かれたものの、8回までパナソニック打線を無得点に抑えた小島であった。小島はこの日ももちろんのこと先発のマウンドに上がると、抜群の制球力を武器にHonda鈴鹿打線を抑えていく。特に圧巻だったのは4回で無死1・2塁のピンチを迎えるも、得意のチェンジアップを武器にそこから石井・畔上・柘植を三者連続に斬って取った。

しかし5回・6回になると鈴鹿打線も小島の球にあってきたようで、6回に逆転打を浴びたところで降板となってしまった。残念ながら昨年の再現とはいかなかった小島だが、昨年よりも研究されてマークが厳しくなる中、その実力の高さは見せられたと思う。社会人3年目の右腕でプロ入りも十分に視野に入っていることだろう。

20170715きらやか銀行 小島
4回までは無失点であった小島だが5・6回に捕まった


Pickup Player
柘植世那 Honda鈴鹿 キャッチャー
~決勝打は高卒2年目の正捕手~
上記のように飯田が抜けたHonda鈴鹿の正捕手の座を獲得したのは、高卒2年目の柘植であった。

健大高崎では1年夏からベンチ入りを果たした柘植は、1年秋から正捕手となると、2年夏に甲子園出場を果たし、18打数8安打8打点の活躍でベスト4に貢献。2年秋からは主将にも就任し、3番キャッチャーとして3年春のセンバツはベスト16、3年夏の選手権大会はベスト8まで進むも持ち前の打撃は振るわなかった。高校通算32発、セカンド送球1.8秒の強肩強打の捕手としてプロからも注目されたが、ドラフトでは指名漏れでHonda鈴鹿に入社した。

1年目の昨年はほとんど出場機会はなかったが、大黒屋の飯田が抜けた今期は立教大卒の新人上野との争いを制して、高卒2年目ながら正捕手の座を獲得した。

この試合では補強のベテラン山根の起用もあり得たが、柘植が先発マスクをかぶる。1回・3回といい場面で盗塁を許してしまい(まぁこれは瀧中のモーションの問題も大きいが…)それがいずれも得点につなが手つぃまった。しかし4回からは平尾をうまくリードして、以降無失点の投手陣を支えた。

打撃面では1・2打席と三振を喫するが、同点の2死2塁で迎えた第3打席では追い込まれてから小島のストレートをレフト戦にライナーではじき返して値千金の決勝タイムリーを放った。高卒2年目ながら、7番庄司・8番中村といった東都の実力者を抑えて6番に座っているだけあるというバッティングであった。

正捕手としての真価が問われるのはまだまだであるが、とりあえず初戦では結果を出した。このまま結果を出し続ければ、来年には間違いなくドラフト候補として名前が挙がることであろう。

20170715Honda鈴鹿 柘植
高卒2年目ながら正捕手の座を獲得した柘植



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関東一×堀越【全国高校野球選手権東東京大会】 ~関東一が猛打で堀越を返り討ち~

7/17 全国高校野球選手権東東京大会4回戦
関東一×堀越 @神宮球場

試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20170717関東一×堀越

関東一は1回表、先頭の齋藤は左中間よりのヒットで一気に2塁を狙うもタッチアウト。しかしここから斎藤・増田の連打で1・3塁のチャンスを作ると4番石𣘺のサード内野安打で先制。さらにセカンドエラーで1点を加えると、6番高橋は右中間を破る2点タイムリー3ベースを放ち、初回に4点を先制する。

対する堀越は2回裏。こちらも無死2塁のチャンスを作るも2塁ランナーがキャッチャーからの牽制死。チャンスが消えたかのように思ったが、四球と2個のエラーで満塁とすると、1番野口の打球は二遊間へ…セカンドがキャッチし2塁へトスをするも、ショートも打球を追っていたためにセカンドには誰もおらずに暴投となる。さらに続く内田がレフト前にタイムリーを放ち2点を返す。

ただ関東一は4回表に柿澤のヒットからチャンスを作ると、斎藤・小林・増田の1・2・3番が3連続タイムリーヒット、さらに石𣘺のセカンドゴロの間にも1点を加え、関東一が点差を6に広げる。

堀越は6回裏に4番神保のソロ、7回裏に野口のライト線への2ベースで食らいつこうとするも、8回表に関東一打線が三度火を噴くこととなる。エラー→四球→ヒットで満塁とすると、堀越は3番手の原島をマウンドに送る。しかし原島は増田に押し出し死球を与えてしまうと。4番石𣘺にはレフトスタンドに飛び込む満塁ホームランを浴びてします。これで点差は9となり、8回裏を無得点に抑えた関東一が堀越を8回コールドで破った。

20170717堀越 神保
6回に反撃となるソロホームランを放った神保

20170717関東一 小林
4安打の活躍をみせた小林

20170717関東一 石𣘺2
満塁ホームランを放ってベースを回る石𣘺


Topic
◆復活の4番石𣘺
この試合で関東一の4番に座ったのは石𣘺。石𣘺は本職はキャッチャーながら持ち前の打撃で1年夏(昨夏)は5番ファーストを務めていた。1年秋の新チームからはキャッチャーに戻るも、2年春はケガでベンチ外となってしまった。その間に現在正捕手を務めている横山が成長したこともあり、夏に帰ってきた石𣘺に与えられた背番号は13であった。

それでも4番ファーストで出場した石𣘺は、第1打席では強くたたいた打球が跳ね上がり先制のサードタイムリー内野安打を放つと、第3打席でも1死3塁の場面で強烈なセカンドゴロを放ち、3塁ランナーを迎いいれている。そして極め付けが8回の第5打席、代わったばかりの原島の2球目をたたくとレフトスタンドに飛び込むグランドスラムとなった。

結局2安打6打点と見事に4番として結果を出した石𣘺。春の負傷から復活した4番石𣘺にこの後も期待です。

20170717関東一 石𣘺1
6打点の活躍をみせた4番石𣘺


◆元4番でも出られない厳しいレギュラー争い
関東一は戦力層が厚く、各ポジションで激しいレギュラー争いが起きている状況。それを象徴するかのように、この日は秋・春でそれぞれ4番を経験した選手の名がスタメンになかった。1人目が秋に4番を経験した立崎で、背番号3を背負いながら、石𣘺が復帰したこともあり、この日はスタメン外となった。もう1人が春にショートorサードで4番を打っていた背番号5の溝淵。溝淵は途中からサードの守備に入り、唯一回ってきた打席では結果を出そうと焦ったか、ボール気味の球を打ってセカンドファールフライであった。

この日もビックイニングを3回作って、猛打をふるって快勝した関東一。その根底には選手層の厚さと、それによる激しいレギュラー争いがありそうだ。


◆昨夏のリベンジは…
関東一×堀越というカードはちょうど1年前の7月3連休でも対戦していて、昨年は関東一が9回裏に米田のサヨナラ2ランで勝利していた。よって堀越にとっては昨年のリベンジに燃える試合となった。その中でも数少ない昨年の試合の経験者として、昨年の試合では9回から登板してサヨナラ弾を浴びた原島がいる。

原島は秋は背番号1であったが、この夏は背番号10であり、この日は8回の満塁のピンチに3番手としてマウンドに上がった。これまではどちらかというとスリークウォーター気味であった原島だが、この夏はもう完全なサイドになっていた。そんなリベンジに燃える原島であったが、増田に押し出し死球を与えてしまうと、続く石𣘺には満塁弾を浴びてしまい、完全に試合を決められてしまった。

リベンジどころか完全に返り討ちに遭ってしまった堀越。新チームではこの紫対決に勝利すべく頑張ってほしい。

20170717堀越 原島
昨年に続き3番手として登板した原島であったが、関東一に返り討ちに遭ってしまった


Pickup Player
高橋晴 関東一 ピッチャー
打って投げて主将に大活躍

関東一のエースで主将をつとめるのが高橋である。

高橋はMax147㌔を誇る186㎝の大型右腕としてプロからも注目されている。2年夏まではベンチ入りして期待されていたものの、公式戦での登板機会は少ない状態が続いたが、2年秋の新チームからは背番号1を背負い、チームの主将も務める。

この日の高橋はまず打で魅せた。前の試合の4番からこの日は6番に打順を下げたが、第1打席では外角の変化球にうまく合わせて右中間を抜く2点タイムリー3ベース。第2打席では対照的に、ストレートを引っ張ってレフト線への2ベース。第4打席ではセンター前に運ぶなど見事な打ち分けを見せた。これでホームランが出ればサイクル安打という状態であったが、第5打席では打ちに行く気が溢れすぎていて、ファーストファールフライに倒れてサイクル安打はお預けとなった。

投げてはこの日はやや抑え気味なのかと思うストレートに、スライダー・緩いカーブを交えた打たせてとるピッチング。ちょっと思っていたのと印象が違ったが、それでも時より力を入れて投げるストレートには素晴らしいものがあった。関東一には小川というダブルエースとも呼べるピッチャーがいるが、この日は高橋が4点(自責点は2)を奪われながらも8回完投。

エースとして、バッターとして、主将としてチームを牽引する高橋。関東一の東東京3連覇はこの男にかかっていると言っても過言でない。

20170717関東一 高橋1 20170717関東一 高橋2
投げては8回完投、打っては3安打3打点の高橋


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八王子実践×明大中野八王子【全国高校野球選手権西東京大会】 ~明大中野八王子が八王子ダービーを制する~

7/16 全国高校野球選手権西東京大会3回戦
八王子実践×明大中野八王子 @ダイワハウススタジアム八王子

ダイワハウススタジアム八王子の3試合目は八王子実践と明大中野八王子というともに地元八王子の強豪校どうしの対決となった。


試合スコア
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20170716八王子実践×明大中野八王子

明八は1回裏に2番の主将大池が内野安打で出塁する。俊足の大池を警戒して、八実の先発加藤は何球も牽制をいれるが、それが暴投になってしまい、大池は一気に3塁へ。さらにカバーに入ったセカンドはボールを持ったまままだ内野後方にいたため、大池が一気にホームを狙うと、セカンドからの送球はそれて、明八が先制する。明八は3回裏にも2四死球とバントで1死2・3塁とすると、セカンドエラーで追加点。さらに5番丸山がライト前に2点タイムリーを放ちこの回3点を追加する。

八実の反撃は4回表で、恩田のヒットからチャンスを作ると7番永井がライト前にタイムリー。さらに続く森のライトオーバー2ベースで2・3塁とすると、9番井上の犠飛で2点目をあげる。しかし明八打線は5回裏に3番後山から6番島村までの4連打で2点を奪い、再び4点差に(ちなみにこの5裏の明八の攻撃はアウトが全て走塁死という珍しいものだった)。

それでも八実は食らいつき、6回表に1死2・3塁から井上の高く跳ねた打球がサードの頭を越える2点タイムリーとなり、さらに7表にも恩田の犠飛でついに1点差に迫る。

9回表にも荒川・西庄の連打で同点、さらには逆転のチャンスを作るも、4番樋川のライトへのいい当たりをライトが何とかダイレクトキャッチすると、1塁ランナーが戻れずにゲームセット。明八が何とか逃げ切って八王子ダービーを制した。

20170716明大中野八王子 大池
1点目を1人で奪うなど攻守にわたって主将としてもチームを牽引した大池

20170716明大中野八王子 丸山
3安打3打点の活躍をみせた丸山

20170716八王子実践 永井
打ってはタイムリーを含む2安打、リリーフとしては2回パーフェクトの永井


Topic
◆やはり痛すぎた6失策
八王子実践は明大中野八王子よりも多い11安打を放ち、中盤以降は猛追を見せたが最後は及ばなかった。攻撃力はある程度評価できる内容で、はやり敗因となってしまったのは序盤の守備の乱れから来た失点であった。

まず1点目が牽制暴投+セカンドがもたもたで内野安打1本のみで取られてしまう始まりで、3回にも1死1・2塁からセカンドベース付近のセカンドゴロをセカンドが後ろに逸らしてしまい(とっていればゲッツーだったかも)、センター前ヒットにしてしまい、先発の加藤は3回まで自責点は0なのに4失点となってしまっていた。加藤にしては不運と言いたいところだが、加藤自身も上述の牽制暴投を含めて2エラーであった。

実際八王子実践の守備力がないわけでないのだろうが、これまでの練習の成果を見せることができずに6失策…これでは強豪相手に勝つのは難しかっただろう。


◆東村山中央ボーイズの同期対決
八王子実践のエース加藤と、明大中野八王子のエース後山はともに東村山中央ボーイズの出身でともに3年生。つまりこの試合はボーイズの同期対決となった。ボーイズ時代の詳しいことはわからないが、以下の動画(相手投手早実の橘内じゃん)だと決勝戦で加藤が先発しているので加藤がエースだったのかな?ちなみにこの世代には聖望学園の左腕:高橋海もいるみたい。
https://www.youtube.com/watch?v=h9jXhV450NI

そんな対決であったが、上記のとおり加藤の投球は悪くないものの、守備に足を引っ張られたこともあって失点を重ねる、一方の後山も中盤以降は失点を重ねてしまう。残念ながら投手対決という展開ではなかったが、それでも最後の夏にこうして中学時代の同期と戦えるってのはいいことなんだろうな…。

と熱闘甲子園が好きそうなネタを書いてみました。

20170716八王子実践 加藤
八王子実践のエース加藤は決して悪いピッチングではなかったが…


◆目指す八王子ダービーはその先
今回の八王子ダービーを制した明大中野八王子であるが、明大中野八王子が見据えるのはもう1つの八王子ダービーであろう。八王子といえば、やはり昨夏の西東京を制して初の甲子園出場を決めた八王子高校。明大中野八王子は咋年の春・夏と八王子に連続でコールド負けを喫している。さらに秋も八王子と当たると途中までリードしていたにも関わらず、その試合は降雨中止…翌日の仕切り直しで敗れるという因縁までついている。

これで3回戦突破を決めた明大中野八王子はあと2回勝てば、準々決勝で八王子と当たる可能性がある。その2回には春東京ベスト8のシード校駒大高も含まれるが、八王子とやるまでには負けるわけにはいかない。


Pickup Player
後山宗一郎 明大中野八王子 ピッチャー
マウンドを譲らないまさにエースの完投劇

明大中野八王子のエース後山は、バッターから見えると球の出処が見づらそうなスリークウォーターから、右バッターのインコースに角度のあるストレートを投げ込む左腕らしい投手。変化球はスライダーが主で基本はストレートとのコンビネーションであり、コントロールもまずまずのものがある。

1年秋からエースとなった後山は打撃も魅力で当時から3番を務め、投げないときはファーストの守備についていた。昨夏に八王子に負けて、咋秋からは最終学年の大黒柱として期待されたが、リベンジをかけて臨んだ咋秋の八王子戦では小林知が先発したようにどこかピリッとしないところがあった。

この日も8回以外は全てのイニングでランナーを背負い、決して会心の投球というわけではなかった。それでも奪った三振は全て先頭打者かピンチの場面であったように、序盤は要所はしっかりと締めて無失点で切り抜けた。しかし中盤以降は八王子実践打線にやや捕まり始めて5失点。ブルペンで天野らも練習していて、正直8回あたりからは継投かと思ったが、これがエースの意地というものかそのまま続投。8回はピッチャーに向かってくる打球2個を素晴らしい反射神経でアウトにとってみせるなどして、迎えた9回も連打でピンチを招くも、最後も粘りのピッチングで何とかリードを守り切った。結果的には5失点完投であるが、どこか最後の夏にかける重いやマウンドは譲らないというエースとしての責任感が現れた素晴らしいピッチングであった。

20170716明大中野八王子 後山
9回まで投げ抜いて完投勝利をおさめた後山


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九州三菱自動車×トヨタ自動車【都市対抗】 ~トヨタがタイブレークの末藤岡のサヨナラ満塁弾で開幕戦を制する~

7/14 都市対抗野球(開幕戦)
九州三菱自動車×トヨタ自動車 @東京ドーム

都市対抗の開幕戦に行ってきました。昨年の覇者トヨタ自動車に、九州第3代表の九州三菱自動車が挑みます。

試合スコア
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20170714九州三菱自動車×トヨタ自動車

トヨタは1回裏に四球とバントのフィルダースチョイスで無死1・2塁のチャンス。続く3番河原もバントをキャッチャー林がサードへ暴投し、万事休すかと思ったが、一気にホームを狙ったセカンドランナーの藤岡はカバーに入ったレフトからの好返球で憤死。そして九州三菱自動車の先発谷川が樺澤・河合を連続三振に斬ってとる。すると直後の2回表に6番八坂がソロホームランを放ち、九州三菱自動車が先制する。

早く追いつきたいトヨタであるが、谷川の前に4回までノーヒットに抑えられてしまう。しかし5回裏先頭の西潟がライトスタンドギリギリにホームランを放ち同点。試合はその後、川尻・谷川の力投で1-1のまま9回を迎える。

9回表、九州三菱自動車は先頭の隈本がヒットで出塁→バントで1死2塁と勝ち越しのチャンスを作る。トヨタはここで川尻→藤田にスイッチ。藤田が代打安藤を三振に仕留めると、続く4番松尾のところでは竹内を投入し、竹内が期待に応えて松尾を三振に仕留めてピンチを脱する。

延長10回に入るとトヨタはエース佐竹を投入、一方谷川も力投を続け試合は1-1のまま11回を終えて、12回からはタイブレーク(1死満塁からスタート)となる。先攻の九州三菱自動車は1番隈本からの攻撃を選択するも、隈本・矢野が連続三振で無得点。対するトヨタも1番藤岡からの攻撃を選択すると、藤岡がライトスタンドにサヨナラ満塁ホームランを放って勝負を決めた。

20170714九州三菱自動車 八坂
先制ホームランを放つ八坂

20170714トヨタ自動車 西潟
同点ホームランを放った西潟

20170714トヨタ自動車 川尻
9回途中まで1失点の好投をみせた川尻


Topic
◆佐竹は使わずに…
トヨタの初戦の先発はエース兼主将で、昨年橋戸賞も獲得した佐竹ではなく川尻であった。都市対抗も勝ち進んでいけば、連戦となるのでピッチャーは佐竹ばかりとはいかなくなるが、この試合の次は中5日空いているために、戦力だけで見れば佐竹を先発させない理由はないという状況であった。

まぁトヨタとしは常勝軍団を目指すべく、ある程度リスクを負っても他の投手を育てるということなのだろう。それが顕著に表れたのは9回表、1死2塁というピンチで桒原監督はピッチャー交代を告げる。このとき佐竹もベンチ前でキャッチボールをしていたが、マウンドに上がったのは藤田(まぁ藤田もベンチ前でキャッチボールはしていた)であった。この藤田が代打安藤を三振に仕留めると、桑原監督はまた交代を告げた。今度こそ佐竹かと思ったが、マウンドへはベンチから出てきた左腕竹内が向かった。あえての藤田・竹内に試練を与えた采配といってもよかったであろう。

ただこの日登板した3投手は
・川尻 8回1/3 1失点
・藤田 打者1人のみだが三振に仕留める
・竹内 打者1人のみだが三振に仕留める
ということでこの3人は最高の仕事をしたといっても過言でない素晴らしい内容で、桑原監督の期待に応えた。

20170714トヨタ自動車 竹内
9回のピンチで相手4番を三振に仕留めた竹内


◆それでも最後は佐竹様
ただこうして9回のピンチを佐竹を使わずに凌いだトヨタであったが、延長10回になると佐竹をマウンドにあげた。正直この日の佐竹は高めに浮く球が見られ、いつものストライク先行のピッチングができておらず、調子はよくないのかな?と思った。

ただボール先行になってもなんとか持ち直して打者を打ち取っていき。10回・11回を3人ずつで抑える。そしてタイブレークの12回は圧巻の連続三振。最後は藤岡であったが、もうこれで試合が決まったと思える場面であった。結局佐竹はタイブレークも含めて、2回2/3を無安打無失点4奪三振という内容。最後は佐竹様降臨でトヨタが勝利をもぎ取ったといえる。

20170714トヨタ自動車 佐竹
タイブレークを2者連続三振で勝利を呼び込んだ佐竹


◆王者相手に立派すぎるピッチング
5年ぶりであり、九州の最後の枠である第3代表、チームは15人が1年目or2年目という若返りの途中である九州三菱自動車。さらに豪雨で東京に来る前は思うように試合もできなかったという状態…。誰が王者相手にタイブレークの死闘を見せると思ったであろうか?

その立役者は間違いなくエースの谷川である。谷川は重心を低くしたフォームから、この日はMax143㌔のストレートに130㌔台のカットボールが中心のピッチングで、特に追い込んでからはこのカットボールが低めに決まっていて三振の山を築いた。またスタミナも十分で。延長11回にもこの日最速タイとなる143㌔をマークするなどしていて、まるでこの展開知っていましたと言わんばかりの終始安定したピッチングであった。

ただ延長12回は藤岡相手にカウント3B1Sと悪くしてしまい(押し出しだとサヨナラ負けという場面)、ストライクを取りに行った甘いボールをライトスタンドに運ばれてしまったのは後悔するところかもしれない。それでも王者相手に11回13奪三振1失点というナイスの一言では済まないほどのピッチングであり、156球投げ抜いたエースを責める者はいないはずだ。

20170714九州三菱自動車 谷川
トヨタ相手に11回13奪三振1失点のピッチングをみせた谷川


Pickup Player
藤岡裕大 トヨタ自動車 ショート
~最後はド派手に決めてみた~
延長12回にわたる死闘を最後に決めたのは、今年のドラフト候補にもあがるトヨタの1番打者:藤岡であった。

藤岡は岡山理大付で1年秋からサードのレギュラー。その一方投手も兼任し、Max149㌔をマークした。パンチ力のある打撃、俊足、強肩も兼ねそろえた安定したサード守備は一級品で、投手としても打者としてもスカウトから注目された。最後の夏は関西の堅田(ツネイシ)からホームランを放つなど活躍するも、わずかに及ばず1-2で敗北。岡山準Vが最高で甲子園出場はならなかった。

亜細亜大では1年春から1番サードとして活躍し、いきなりベストナインと新人賞を獲得。以降たまに不振で打順を下げることもあったが基本的には1番サードとして活躍し、ベストナイン3度、首位打者1回を獲得。8期中6期東都を制し、明治神宮大会も2度優勝。通算記録では東都歴代9位タイとなる104安打を放った。しかし2年前のドラフトではまさかの指名漏れで、トヨタ自動車に入社した。

トヨタでは内野手が飽和していたこともあって、昨年は1番ライトとして活躍し、都市対抗では打率.381をマークして優勝に貢献、自身も若獅子賞を受賞した。2年目の今季は源田(西武)が抜けたことによりショートに挑戦し、1番ショートとして活躍。社会人の日本代表候補にも選ばれている。このままいけば社会人野手の中でもドラフトの目玉となる逸材である。

この日の藤岡は1打席目に四球で出塁すると、2塁からバントのキャッチャー悪送球で一気にホームを狙うもタッチアウト。今思うとこのアウトが接戦の口火を切ってしまった形になる。2・3打席はどこかあてにいくような感じのショートゴロ。4打席目に1・2塁間を破るヒットを放って少しらしさが出てきたというところであったが、11回の先頭打者ではレフトファールフライであった。

しかし桑原監督は重要なタイブレークの先頭打者に藤岡を指名した。佐竹が表を無失点で切り抜けたので、1死満塁で1点入れればサヨナラという場面の第6打席。カウントが3B1Sとなり、もう1個ボールでもサヨナラという場面であったが、藤岡は次の球を振り抜くと打球はトヨタファンが赤く染めたライトスタンドに飛び込む、サヨナラ満塁ホームランとなった。俊足の1番でありながら、しっかりとバットを振り抜くバッティングが魅力の藤岡らしいホームランであった。

昨年は都市対抗で若獅子賞を受賞した藤岡、今年はもう橋戸賞を狙うしかない。

20170714トヨタ自動車 藤岡
サヨナラ満塁ホームランとなる打球の行方を見守る藤岡


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この夏に是非とも見たい2強の対決

夏の甲子園を目指して各地で予選が始まっています。
今日はそんな予選の中でも、どっちが甲子園に行ってもおかしくないというレベルの見ごたえのあるライバル対決ベスト5を勝手に紹介します。

⑤報徳学園×神戸国際大付
どちらもセンバツに出場した兵庫の2強。咋秋は神戸国際大付が決勝で報徳学園を破り、そのまま近畿大会では大阪桐蔭を破るなどして準V。一方報徳学園は近畿ベスト8で何とかセンバツに滑り込んだという状況。しかしセンバツ以降は流れが逆転し、神戸国際大付がまさかの1回戦敗退なのに対し、冬の間に力をつけた報徳学園は準優勝の履正社に薄氷の差のベスト4。監督が大角監督に代わっても、報徳学園がその勢いのまま春の兵庫大会も制した。

とまぁ流れでは報徳学園だが、神戸国際大付のエース左腕の黒田はセンバツでは2失点完投(最後は連続エラーで敗ける)、秋・春の敗けた試合では登板なしなので、まともに敗れたことがない。よってこの夏もどちらが勝つか全く読めない。

20170506報徳学園 西垣 20160923神戸国際大付 黒田
報徳学園のエース西垣(左)と神戸国際大付のエース黒田(右)


④浦和学院×花咲徳栄
秋・春の埼玉大会の決勝は2年連続で浦和学院×花咲徳栄となった。そしてこの4回の対決は全て浦和学院が勝利している一方、夏に限って言えば浦和学院は2年連続で花咲徳栄に当たるまえに敗退していて、花咲徳栄が2年連続で甲子園に出場している。今年は例年以上に埼玉ではこの2チームが抜けた存在であり、順当にいけば決勝で当たることはほぼない。相性で言えば浦和学院であるが、夏という意味では花咲徳栄。両チームともに好投手を複数擁し、打線も強力。こちらもどちらが勝つか読めない状態だ。

20161008浦和学院 佐野 花咲徳栄 西川
浦和学院のエース佐野(左)とプロ注目の花咲徳栄の強打者西川(右)


③前橋育英×健大高崎
センバツにともに出場した前橋育英と健大高崎という群馬の2強。群馬大会の決勝は現在4季連続でこの2チームの対戦となっている。そしてその4試合は全て前橋育英が勝利しているが、そのうち1点差が3試合、もう1試合は延長戦と非常に拮抗した試合となっている。延長戦となったのは昨夏で、その延長戦で投げ合った吉沢・伊藤がともに最高学年となってエースを務める両チーム。

前橋育英は140㌔カルテッドを擁し、健大高崎は今年も機動破壊をはじめとした攻撃力が持ち味。ともにハイレベルな陣容であり、こちらもどちらが勝つか検討もつかない。

20170320前橋育英 丸山 20161023健大高崎 湯浅
1番打者でピッチャーも務める丸山(左)と機動破壊の申し子の健大高崎1番で主将の湯浅


②日大三×早稲田実業
秋・春ともに大激戦の末に早実がサヨナラ勝ちを納めたカード。この夏は両チームが対戦するだろう決勝は、予選としては初めて前売券が発売されるなど注目度は高く、某メディアが開会式で西東京の全チームの主将にどっちが強いかとアンケートをとったほどである。この両チームが夏の決勝で対戦したのは、早実:斎藤祐樹の代と、日大三:高山・横尾・吉永の代。つまり近年ではその決勝で勝ったチームが甲子園も制している。

ただ秋・春はともに早実が勝ったが、夏は日大三が有利という見方が多い。その要因は春は秋に清宮から5三振を奪った日大三のエース桜井は投げずにあのスコアだったからである。上記のアンケートでも日大三が上という意見が多かった。

20170319日大三 桜井3 20170427早稲田実業 清宮
日大三のエース桜井(左)と高校通算ホームラン数の更新にも期待がかかる早実のスラッガー清宮(右)


①大阪桐蔭×履正社
センバツの決勝を戦った2チームでも、同じ県であれば夏の甲子園に出られるのはこの2チームのどちらかというのが残酷な高校野球のルールだ。秋は履正社が大阪桐蔭を破ったが、センバツの決勝では大阪桐蔭が勝利した。そして大阪桐蔭はその勢いのままに春は近畿制覇、一方履正社は東海大仰星に足元をすくわれてしまった。

2年生中心の大阪桐蔭のほうが秋からの伸びしろが大きく、夏も有利という見方が多いが、履正社もプロ注目のスラッガー安田を中心に強者揃いで、チームの完成度も高い。いずれにせよ甲子園の決勝に匹敵するほどのハイレベルな試合になることだろう。

20160923大阪桐蔭 徳山3 20161030履正社 安田2
センバツ優勝投手のエース徳山(左)とプロ注目のスラッガー安田(右)



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