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大学日本代表候補合宿紅白戦②

6/22 大学日本代表候補合宿
Aチーム✕Cチーム @日体大健志台球場

試合経過

20190622大学日本代表候補合宿紅白戦②
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

大学日本代表候補合宿は2日目。この日は野手を3チームに分けて、6回の紅白戦を総当たりで3試合行い、投手は全員が2イニングずつ登板するという予定であった。しかし平塚球場で始まった試合は雨のために中断…午後から人工芝の日体大健志台球場に場所を移して紅白戦2試合が行われることとなった(3試合目は3日目に行う)。そんな2日目の紅白戦の2試合目(Aチーム✕Cチーム)をレポートします。

Aチームが早川、Cチームが坂本と東西を代表するエース左腕の先発で始まった試合。しかし坂本は立ち上がりピリッとせずに、先頭の小川龍にヒットを浴びると海野には四球を与えてしまい、児玉にはライト前に運ばれアウトを1個もとれないまま先制点を与えてしまう。しかしここで冷静になれたのか、続く1死2・3塁のピンチでは1試合目で絶好調であった宇草を打ち取り、佐藤都もショートフライに仕留めてピンチを凌ぐと、2回も3人で斬ってみせた。
20190622大学日本代表候補合宿 児玉
先制タイムリーを放つ児玉(九州産業大)

一方のAチームの早川は2イニング限定ということで初回からエンジン全開で、2回を投げて打者6人に対して5奪三振パーフェクトと、この日投げた早々たる投手陣の中でNo1といえる投球をみせた。

Cチームは3回から、日体大のマウンドに凱旋となってしまった北山が登板。北山は3回表に海野・児玉と2四球を与えてしまうが、最後は宇草をスライダーで三振に仕留め無失点。続く4回表も先頭の佐藤都にヒットを浴びるも、4番渡部は併殺に打ち取り。2イニングを無失点で切り抜けた。ランナーを出しても落ち着いた投球ができていた一方、北山が代表に入るとするとMax154㌔を誇るストレートを武器にしたリリーフが見込まれるが、この試合では146㌔止まりであったのがやや残念であった。
20190622大学日本代表候補合宿 北山
ホームのマウンドで2回無失点の投球をみせた北山(日体大)

4回裏にはちょっとした珍事が発生。Cチームは前の回は3番野口で攻撃が終了したが、4回裏の先頭として打席に入ったのは古間木。この古間木は実はCチームの9番DHとして、この試合に出場していたが、3回の打順ではブルペンで投球を受けていたこともあり、打順を抜かされてしまっていて、代わりにこの回の先頭として打席に入っていた。その古間木はピッチャーゴロに倒れるも、続く4番森下はAチーム2番手杉尾の球を捉えるとと、打球はバックスクリーンに直撃する同点ホームラン。1年生ながらCチームの4番に名を連ねた強打者が、代表入りに大きくアピールした。
20190622大学日本代表候補合宿 森下
バックスクリーンに同点弾を放った森下(中央大)

5回からCチームの3番手としてマウンドにあがった宇田川は、変化球が浮いてストレート頼みの投球となってしまうも、ピンチを何とか切り抜けて2回無失点。Aチームの3番手の内間も、四球を出しながらも2回を無安打無失点に抑える好投。両投手ともにまだ3年生であるので、来年の代表としても楽しみな投球を見せてくれた。これで試合は1-1のまま試合終了し、引き分けで2試合目は終えた。
20190622大学日本代表候補合宿 内間
Aチームの3番手として2回無失点の好投をみせた内間(亜細亜大)


この紅白戦でアピールに成功したのは何といっても6人をパーフェクト5奪三振という圧巻の投球をみせた早川で、代表入りは確実。時点は2イニングノーヒット無失点の内間であるが、代表決定というほどのインパクトはなかった。宇田川と北山も無失点であったが、投球内容にバラツキがあった。2人とも本来のストレートは非常に素晴らしいものがるので、そこを評価してもらえるかが焦点となる。逆に坂本は若干厳しい状況か…坂本の投球自体は1点を失った直後に見事に立て直してみせたが、ライバル左腕である早川、1試合目にながら佐藤隼らの投球内容が素晴らしかっただけに厳しい。


野手ではこの試合では投手戦となったこともあり、アピールできた選手は少なかったといえる。中でも初回に得点をとったAチームの3人はさすがであり、打撃も向上した捕手の海野、昨年のこの合宿で一躍名をあげて2年ながら代表のショートの座を掴んだ児玉は2年連続での選出が濃厚であり、その前を打った小川龍も走攻守揃った能力の高さをみせタイプ的にも生田監督が好みそうなタイプだ。ホームランを放った森下もインパクトは抜群で、1年生での代表選出も大いにある。昨年は代表で4番も務めた佐藤が、この日は手首にテーピングをまいていて、野手メンバーでは唯一の紅白戦不出場。この佐藤に代わるスラッガーとして、渡部らとともに森下にかかる期待も大きい。
20190622大学日本代表候補合宿 小川龍
初の代表選出にむけアピールに成功した小川龍(国学院大)


Pickup Player
早川隆久 早稲田大3年 ピッチャー
~見せつけた早稲田のエースの実力~
Aチームの先発としてマウンドにあがった早川の投球は、間違いなく今日投げた12人の投手の中でNo1といえるものであった。

早川は木更津総合では1年秋から、1個上の鈴木(JX-ENEOS)との2枚看板として活躍し、計34イニングを投げて防御率0.00という成績で、関東準Vに貢献した。2年春のセンバツでは岡山理大付戦で7回2失点で勝ち投手となるも、続く静岡戦では5回までに3点を失い敗れた。2年夏は原崇(ロッテ)率いる専大松戸に敗れて甲子園出場を果たせなかったが、背番号1をつけた2年秋には千葉大会の準決勝で専大松戸から完封勝利をあげてリベンジに成功すると、その勢いで関東大会も制した。3年春のセンバツでは2回戦で大阪桐蔭から1失点完投勝利をあげるも、続く3回戦で秀岳館に敗れた。3年夏も甲子園に出場すると、初戦で唐津商、さらには堀瑞樹(日本ハム)と投げ合った広島新庄戦と2試合連続で完封勝利をあげるも、準々決勝では優勝した作新学院の前に敗れた。大会後にはU18日本代表にも選出されている。

プロからも注目されたが早稲田大に進学すると、1年春からリリーフとして登板。ただ期待とは裏腹に2年春までの3シーズンではいずれも防御率が4を超えるなど登板機会はあるものの、これといった結果を残せずにいた。ただ2年秋に8試合に登板して、尾防御率1.72とリリーフエースとして頭角を現すと、小島(ロッテ)の抜けた今季はエースとして君臨。3勝2敗の防御率2.09でという成績であったが、6失点を喫した明治大戦を除くと、すべての試合で自責点は2以下で防御率1.20という安定した投球を披露していた。

そんな投球が評価されてか、2年冬に続いて大学日本代表候補合宿に招集。紅白戦ではこの2試合目にBチームの先発として登板した。クロス気味にステップし、出処のみづらい左腕らしいフォームから繰り出すストレートはMax149㌔をマークしたらしく、これにスライダー・チェンジアップを混ぜた投球。ただ2イニングと決まっていたため、先発のときと違ってフルスロットで、いきなりライバルの慶応大柳町から三振を奪うと、そこから4者連続三振。決め球としては右バッターに対しては、足元のボールにもなる鋭いスライダー、左バッターにはコースにストレートを投げ込んで三振を奪っていった。2回にはチームメイトである福岡をピッチャーゴロに抑えるが、結果からいえばこれが早川が前に飛ばされた唯一の打球。打者6人に対して5奪三振パーフェクトという圧巻の投球でマウンドを降りた。

ちょうど3年前に18日本代表であった早川は、ZOZOマリンで行われた大学日本代表との壮行試合に先発。今日の投球内容で、今度はその早川が大学日本代表のユニフォームに袖を通すことは、ほぼ確実となった。早稲田のエースに求められるのは大学球界のエースとなることであり、森下ら強力なライバルはいるものの、大学日本代表でもエースの座を手にして、8月には今度は早川が高校日本代表相手に投げるというシーンも見たいものだ。

20190622大学日本代表候補合宿 早川
2回を投げて6人パーフェクト5奪三振と圧巻の投球をみせた早川(早稲田大)

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全日本大学野球選手権のベストナインを選んでみた

明治大の38年ぶりの優勝で幕を閉じた今年の全日本大学野球選手権。
そんな全日本大学野球選手権のベストナインを勝手に選んでみました。
※これまでの実績とかドラフト候補だからとか関係なく、純粋にこの大会の結果から選びました

ピッチャー
森下暢仁 (大分商→明治大4年)

東洋大との決戦では見事に完封勝利をあげると、決勝でも佛教大を1失点完投勝利。ともに前日の試合での温存から、満を持して挑んだ2試合で最高のピッチングをみせ、大会通じて18回1失点でMVP・最優秀投手賞を獲得。
20190525明治大 森下

キャッチャー
坪倉斗真 (近江→佛教大4年)

ベンチ入りした6投手全員をリードして、チームを準優勝に導くと、打っても2回戦以降では全試合でヒットを放ち、18打数7安打の打率.389。特に準決勝では逆転の口火をきるヒットをはじめとして3安打を放つ活躍が光った。
20190616佛教大 坪倉

ファースト
喜多真吾 (広陵→明治大4年)

準決勝ではバックスクリーンにとどめとなる2ランホームランを放つと、決勝でも9回に走者一掃のタイムリー2ベース。試合終盤での試合を決める貴重な1打が際立った。
20190616明治大 喜多

セカンド
前田勇太 (奈良大附属→佛教大4年)

準決勝・決勝ではともに2安打ずつを放つ活躍で、準決勝では前田のバントが相手のエラーを誘い逆転に繋がる落暉ボーイぶりも発揮。明治大戦での1・2塁間のダイビングキャッチなど守備でもチームを盛り立てた。
20190616佛教大 前田

サード
北本一樹 (二松学舎大付→明治大4年)

福井工大戦では3ランホームランを含む3安打4打点の活躍をみせると、続く東洋大戦でも2本のタイムリー2ベース。明治大の4番として4試合全てでヒットを放ち、打率.538で首位打者を獲得した。
20190616明治大 北本

ショート
杉崎成輝 (東海大相模→東海大4年)

初戦の立命館大戦では均衡を破る左中間への2点タイムリー3ベース、準々決勝の大商大戦では同点ホームランを放った。東海大の好守の要として活躍し、大学日本代表候補合宿にも追加招集された(ただケガで辞退)。
20190616東海大 杉崎

外野
八木風磨 (北稜→佛教大3年)
1回戦で途中出場ながら大逆転に繋がる貴重なタイムリーを放つと、準々決勝からは1番打者としてスタメンに定着。3試合で計9安打を放ち、規定打席に達していないため首位打者は逃したが、15打数10安打で打率.667とヒットを量産した。
20190616佛教大 八木

野嶋惇登 (県立和歌山商→佛教大3年)
東海大戦では山崎からライトスタンドに2ラン、決勝戦でも最終回に森下から意地のタイムリー2ベースを放つなど好投手相手に素晴らしい打撃をみせ、大会通じて15打数6安打4打点をマークした。
20190616佛教大 野嶋

木岡大地 (上宮太子→佛教大2年)
愛知工大戦では先制の2点タイムリー2ベース、東北福祉大戦では同点のタイムリー3ベースを放つなど、ミート力の高さをみせつけ打率.375をマーク。決勝戦ではセンターからの素晴らしい送球で犠牲フライを阻止した。
20190616佛教大 木岡

指名打者
榎本竜成 (流通経済大柏→東農大北海道オホーツク4年)
近大工学部戦ではソロホームランを含む4安打、続く大体大戦では8回に逆転3ラン(試合は3-2で勝利)を放つなど、13打数6安打2ホーマー5打点とDHとして見事な成績を収めた。
20190616東農大北海道オホーツク 榎本


今大会大躍進した佛教大からは最多5人を選出。ただその前にはやはり森下が立ちはだかり、明治大が優勝を手にしたというところでしょうか?

以上です。異論は認めます。


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佛教大×東海大【全日本大学野球選手権】

6/16 全日本大学野球選手権準決勝
佛教大×東海大@神宮球場

試合経過

20190616佛教大×東海大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

全日本大学野球選手権の準決勝2試合目は、2014年以来の優勝を目指す東海大と、八戸学院・東北福祉大と東北の強豪2大学を9回に大逆転で破るなど今大会の台風の目になっている佛教大の戦いとなった。

東海大の先発は山崎。立命館大戦では153㌔を見せるなど圧巻のピッチングを見せ、大商大戦では4回無失点リリーフと今大会好調の右腕であったが、この日はどこか乗り切れない。いきなり絶好調の1番八木にレフト前に運ばれると、続く2番吉村のバントは3塁線の絶妙なところで止まり、野嶋が送って1死2・3塁。4番石井は2球で追い込むも、そこから四球を与えてしまい満塁と東海大にとって非常に嫌な流れとなる。しかしここで山崎のエンジンがかかったか、5番木岡の打席ではこの日最速となる148㌔をマークしてセカンドゴロに打ち取ると、6番坪倉は低めの変化球で三振に斬ってとる。
20190616東海大 山崎
初回のピンチは何とか凌いだ東海大の先発山崎

佛教大のエース中村怜は、力のいい感じに抜けたフォームから140㌔を超えるストレートにスライダー・フォークを駆使した王道のピッチング。初回に串畑の2ベースから1死1・2塁のピンチを迎えるも、海野・藤井をフライに打ち取ってピンチを凌ぐと、2・3回も順調に東海大打線を抑えていった。
20190616佛教大 中山怜
佛教大の先発中山怜

そんな0-0のまま3回まで進んだ試合であったが4回裏、東海大は1死から藤井が内野安打で出塁すると、植村のところでヒットエンドランが見事に決まって1・3塁。7番主将の長倉は見事にセンター前に運んで東海大が先制。さらに8番宮地もレフト前ヒットと、2015年甲子園優勝の東海大相模メンバーの連続タイムリーで2点目。9番高田にも犠牲フライが飛び出して、東海大が3-0とリードを奪う。佛教大はここでエース中山怜から、今大会はリリーフながら2勝をあげている左腕の木下にスイッチする。
20190616東海大 長倉
先制のタイムリーを放った東海大の主将長倉

追撃したい佛教大は5回表、先頭の八木がヒットで出塁すると、2番吉村はバントに失敗するも、3番野嶋が山崎のスライダーを見事にすくい上げると打球はライトスタンドに飛び込む2ラン。山崎は本調子でないものの、初回から何とかピンチを凌いではいたが、1点差に迫られたところで、東海大のマウンドに2番手として左腕松山を送る。
20190616佛教大 野嶋2
追撃の2ランを放つ佛教大の3番野嶋

佛教大は6回表に先頭の坪倉がヒットで出塁。続く森本のバントはサード串畑が2塁へ送球するもこれが逸れて(記録はエラー)無死1・2塁。さらに続く前田のバントを今度は松山が1塁に暴投…ボールが1塁側のブルペン付近を転々とする間に1塁ランナーの森本まで生還して、東海大の守備の乱れで佛教大が逆転に成功する。さらに佛教大は唐澤が3人連続バントとなる送りバントを決めて1死2・3塁とすると、1番八木がレフト前にしぶとく落とすタイムリー。準々決勝では4番石井のスクイズで勝つなどバントをこの大会では有効に使っている佛教大が、この試合でもバントを絡めて5-3と逆転に成功する。
20190616佛教大 森本
逆転のホームを踏む佛教大の森本

佛教大は8回表にも、1死から前田がショート内野安打で出塁すると、唐澤が送って2死2塁。1番八木はファーストゴロであったが、俊足を生かしてこれを内野安打にすると、途中出場の2番岡田はライト前へのポテンヒットを放ち、6点目をあげる。

佛教大の2番手木下は5~7回と東海大をノーヒットに抑える素晴らしいピッチングを見せていたが、終盤やや疲れが見え始める。8回に海野の内野安打にエラーが絡んで初めて得点圏にランナーを背負うと、5番藤井にはサード後方に落とされるタイムリー2ベースを浴びて初失点。ただ続くピンチでは代打門馬(東海大相模の門馬監督の息子)を三振に仕留めて、最少失点で切り抜け。佛教大が2点リードのまま最終回を迎える。
20190616東海大 藤井
8回裏にタイムリーを放った東海大の5番藤井

9回表にレフト高田の好返球でホーム刺殺と流れをもって、最後の攻撃に臨んだ東海大は、先頭の宮地が死球で出塁すると俄然盛り上がりをみせるも、高田・千野が連続三振、さらには2番串畑がピッチャーゴロでゲームセット…と思いきや、何でもないピッチャーゴロだったのに木下がこれを1塁に暴投して2死1・3塁。長打が出れば同点という場面で打席には、東海大相模の先輩の杉崎に代わって途中からショートに入っていた1年生の小松を迎える。小松は追い込まれてからの変化球をうまく流し打つも、この3塁線の強烈なライナーをサード森本がダイビングキャッチ。抜けていれば同点もあり得た打球を森本がファインプレーで防ぎ、佛教大が6-4と逃げ切って勝利



今大会が始めるまでは決して前評判が高いとは言えなかった佛教大だが、八戸学院・愛知工業大・そして昨年の王者東北福祉大を次々に撃破すると、ついにはこの準決勝で東海大も撃破し決勝にコマを進めた。このうち3試合が逆転勝利であり、まさにミラクル佛教大である。ただこの試合では6回に東海大の自滅もあったものの、強力投手陣に対して佛教大が浴びせたヒットは、なんと計14本とその打力は見事であった。中でも今大会絶好調で、この試合でも4安打とヒットを量産しているのが1番の八木。1回戦・2回戦はベンチスタートであったが、1回戦での貴重なタイムリーが評価され、準々決勝から1番打者としてスタメンに名を連ねると3安打の活躍。この試合までで11打数8安打と驚異のアベレージを残してい。東海大に比べればエリートといえる選手が集まっていない佛教大だが、この八木は北稜(京都)と野球ではほぼ無名の高校出身。まさに今の佛教大を象徴するような選手であり、このままの流れで次は、大学球界No1投手といわれる超エリート森下に挑んでほしい。
20190616佛教大 八木
タイムリーを含む4安打の活躍をみせた佛教大の1番八木

対する東海大は自滅もあり、また自慢の戦力がその力を発揮せずに敗れてしまった。中でも150㌔トリオを擁する投手陣は、先発の山崎がこれまでの2戦と打って変わって苦しいピッチング…。2番手の松山はそれほど悪くはなかったが、自らもバント処理で暴投をするなど、バント攻撃にやられて流れに乗れなかった。頼みのリリーフエース小郷も1/3回で不自然に降板であり(のちに大学日本代表候補合宿を辞退したのでケガかと思われる)、最後に登板した原田は今大会を通じてエースの姿ではなかった。打線でも大商大戦ではホームランを放つなど、昨年のケガから復活を果たした3番ショートの杉崎が3三振でまさかの途中交代。杉崎も後に大学日本代表候補合宿を辞退しているのでケガかと思われるが、最後の場面の1打同点の場面で、杉崎の代わりに入った1年生小松に打順が回ってきてしまったのは何とも皮肉な結果であった。
20190616東海大 杉崎
3三振で途中交代とケガなのか本来の力を発揮できなかった東海大の杉崎



Pickup Player
木下隆也 佛教大2年 投手
~3度目の0-3からの登板で逆転を呼びこむ好リリーフ~
4回のピンチから2番手としてマウンドにあがった木下の好投が、佛教大に流れを呼び込んだ。

木下は奈良大附属高では2年秋から背番号1を背負い、大西との2枚看板として活躍。3年春の奈良大会で準優勝を果たすと、3年夏も5試合中4試合に先発すると、計24回5失点の好投。ただ決勝戦では神野率いる天理に1-2で敗れて、またもや準優勝となってしまった。佛教大では1年春よりリーグ戦登板を果たすと、秋には先発も務めリーグ戦初勝利。この春はリーグ戦では3試合の登板にとどまるも計5回無失点であった。

この試合では3点を奪われた後の4回のピンチで、2番手としてマウンドにあがった木下。いきなり鋭いスライダーで千野から三振を奪ってピンチを脱すると、5~7回は東海大打線をノーヒット無得点に抑える快投をみせた。木下は憧れというソフトバンク和田をモデルにしたフォームから、Max143㌔のストレートと絶対的な自信をもつスライダーのコンビネーションで打者に向かっていく投手。ストレートとスライダーの両方で空振りを捕ることができていて、リリーフながら奪った三振はなんと8個。終盤は疲れが見え始め、8回には今大会初失点を喫すると、9回には自らのエラーもあってピンチを招くも凌ぎ切った。結局5回1/3を投げて、2安打8奪三振1失点(自責点0)という素晴らしい投球であった。

見事な好リリーフで、木下がチームの逆転を呼び込んだのは、何と今大会3回目。1回戦の八戸学院戦、準々決勝の東北福祉大戦でもこの日と同じように0-3と3点ビハインドの場面で登板し、最終的にはチームの逆転により勝ち投手になっている。これでリリーフながら3勝をあげた木下、実力もさることながら、この持っているリリーフには決勝でも期待したいところだ。
(残念ながら決勝では木下の登板はなかったですが、今大会13回1/3を投げて失点1という成績で敢闘賞に選ばれました)

20190616佛教大 木下
5回1/3をなげて1失点でリリーフながら今大会3勝目をあげた佛教大の木下



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創価大×東北福祉大【全日本大学野球選手権】

6/11 全日本大学野球選手権2回戦
創価大×東北福祉大 @東京ドーム

試合経過

20190611創価大×東北福祉大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

全日本大学野球選手権は2日目の第4試合に、ついに前年度王者の東北福祉大が登場。対するはドラフト候補3本柱を擁し、前日の1回戦では大阪工業大を破って、この2回戦にコマを進めた創価大。試合はともに強力投手陣を擁する両チームの前評判ン通りのロースコアの展開となった。

東北福祉大の先発はこの春リーグ戦で5勝0敗、防御率0.00という圧倒的な成績を残した左腕山野。今年のドラフト候補筆頭であり、昨年のこの大会では最優秀投手賞を獲得した津森はリリーフエースとして控える陣容である。山野は130㌔台中盤のカットボールを中心に投球を組み立て、ここぞという場面では力をいれた140㌔を超えるストレートを投げ込むという持ち前のクレバーな投球を展開。3回表にはやや制球を乱して3四球で満塁のピンチを迎えるも、最後はこの春リーグ戦でMVPを獲得した創価大の5番保科を三振に斬ってピンチを脱する。5回まで打たれたヒットは萩原の内野安打(それもボテボテのサードゴロ)のみの無失点と素晴らしい投球をみせる。
20190611東北福祉大 山野2
5回まで内野安打1本に抑える好投をみせた東北福祉大の先発山野

創価大の先発は望月。前日の試合ではエース杉山が先発して、この望月がリリーフという起用だったので、この2戦目には3本柱のもう1人である小孫が来るかと思っていたが、前日の好投が評価されたかこの望月がマウンドにあがった。その望月は岸監督の起用に応え、山野にひけをとらない素晴らしいピッチング。187㎝長身を生かして真上から投げ込む角度のあるストレートはMax146㌔をマークし、特にこの日効いていたのは大きく曲がる110㌔台のカーブで、130㌔前後のチェンジアップとともに東北福祉打線のタイミングをずらすのに効果的であった。東北福祉打線は初回に2個の死球でチャンスを作るも、2~4回は3者凡退となり、無安打のまま4回を終える。
20190611創価大 望月2
4回までノーヒットピッチングをみせた創価大の望月

ただ5回裏、東北福祉大に出た待望の初ヒットは7番楠本の先制ホームラン。DeNA楠本泰史を兄に持ち、その兄と同じく花咲徳栄→東北福祉大という経歴を歩んでいる左の強打者は、カウント2B1Sからの高めのストレートを捉えると、打球は見事にライトスタンドに飛び込んだ。これまでボールを低めに集めていて、内野ゴロを量産していたも望月にとってはやや高めに浮いてしまった痛恨の1球となったが、それでも力のある球であり、それをライトスタンドに運んだ楠本を褒めたい場面であった。
20190611東北福祉大 楠本
先制のホームランを放った東北福祉大の楠本

東北福祉大は山野が6回まで1安打無失点と素晴らしいピッチングを見せていたが、7回からはリリーフエースの津森がマウンドに上がる。津森はいきなり代打藤原魁にヒットを浴びてピンチを招くも、高・下小牧と創価大打線の自慢の1・2番を打ちとりピンチを脱する。津森はサイドから、自己最速タイとなる149㌔をマークしたストレートを主体に、スライダー・シンカーといった変化球を交えた津森らしい投球を展開。8・9回も創価打線を寄せ付けずに、東北福祉大が1-0のまま逃げ切った。創価大は望月が8回2安打1失点完投と素晴らしいピッチングを見せるも、打線が援護できずに敗れてしまった。
20190611東北福祉大 津森
7回から3イニング無失点の好リリーフで試合を締めた東北福祉大の津森



東北福祉大の継投が見事にはまった試合であった。先発の山野は6回まで1安打9奪三振無失点と完璧な内容であったが、大塚監督は、7回のマウンドには津森を送った。現在の大学球界でもトップクラスの投手である津森であっても、1点のリードしかないこの場面での登板はプレッシャーがかかるところであるが、3回無失点と見事に仕事を果たした。打線は楠本の1発のみの2安打と沈黙してしまったが、この投手陣がいれば連覇にむけて視界は良好であった。この時はまさか次の試合で津森が3点差を逆転されて敗れるなんてことは想像もつかないゲームであった。

敗れた創価大の投球も絶賛に値するものであった。そのポテンシャルは誰もが認めるところながらも、これまではどこか杉山・小孫に次ぐ存在という印象であったが、この全国の舞台で一気にこの2人に匹敵する存在であることを証明した。この試合では自己最速タイの146㌔をマークしていたが、187㎝という体格を生かせばまだまだ球速も出そうであり、これからの伸びしろも含めれば、スカウトの評価は創価大のドラフト候補トリオの中でもトップかもしれない。

ただ創価大打線は全く持ってこの試合に機能しなかった。打線の核である4番山形は2ベースを放ち2四球とそれほど悪くなかったが、その次を打つ5番保科がリーグ戦MVPを獲得した打棒を発揮できずに2三振ノーヒット…創価大打線の売りである経験豊富な高・下小牧の1・2番もノーヒットに抑えられてしまい、中軸の前にあまりチャンスを作りだせなかったのも痛かった。
20190611創価大 保科
リーグ戦ではMVPを獲得した創価大の保科であったが、この試合では東北福祉大投手陣の前にノーヒットに抑え込まれた



Pickup Player
山野太一 東北福祉大3年 投手
~6回2安打9奪三振の完璧投球~
東北福祉大の先発の山野は、6回2安打9奪三振無失点と完璧な投球をみせた。

山野は高川学園では2年夏からエースとなり、山口ベスト8に進出。その後は肩痛などで離脱するも、3年夏には全6試合に先発いし、準決勝の長門戦では8回参考ながらノーヒットノーランを達成するなどして、高川学園を初の甲子園出場に導いた。甲子園では初戦で履正社と対戦し、寺島(ヤクルト)と投げ合うも0-5で敗れた。

東北福祉大では1年春から先発で起用され、ライバル仙台大戦との試合でも8回無失点12奪三振の好投をみせるなどして4勝0敗の成績を収め、新人賞を獲得。1年秋はまた肩痛で3イニングのみの登板に終わるも、復帰した2年春には再び4勝0敗の成績を収め、ベストナインを獲得。しかし優勝した全日本大学野球選手権では、2試合に先発も5回、2回で降板していて、やや無念さの残る優勝となった。この春は5勝0敗、36イニングを投げて防御率0.00という圧倒的な成績を残し、またこの全日本大学野球選手権の舞台に帰ってきた。

この大事な初戦で先発を任された山野は、130㌔中盤のカットボールを中心とした投球で、さらにスライダー・カーブ・チェンジアップなどの変化球で創価打線のタイミングを外していた。2回には3四球を与え満塁のピンチを招くなど、この試合では山野にしてはやや四球が多かったが、勝負ところでは力を入れてMax144㌔のストレートも交えながら三振を奪うことができていた。このように打者を見ながら冷静に投げることもできていて、余裕すら感じられる投球であったので、予定通りであったのだろうが6回で降板というのは非常に残念であった。それでも6回を2安打無失点9奪三振という素晴らしい投球内容で、津森にバトンを渡した。

仙台六大学野球連盟では無双状態にありつつある山野。どちらかというと小柄で実戦的な左腕であるために、来年のドラフトに向けては全国の舞台で成績を残すことは重要になってくる。今後はさらに結果を残して、津森のリリーフも要らないというような投手になって欲しいものだ。

20190611東北福祉大 山野1
見事6回2安打9奪三振無失点の好投をみせた東北福祉大の山野



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立命館大×東海大【全日本大学野球選手権】

6/11 全日本大学野球選手権1回戦
立命館大(関西学生野球連盟代表)×東海大(首都大学野球連盟代表) @東京ドーム

試合経過

20190611立命館大×東海大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


関東と関西の強豪が初戦で激突することになった1回戦でも屈指の好カード。東海大はこの重要な初戦のマウンドにエース原田でなく、リーグ戦では先発2番手ながらもMVPを獲得した山崎を送り出したところ、この山崎が成長を感じさせる素晴らしいピッチを見せる。ストレートは150㌔を超える球を当たり前のように投げ込み、これに130㌔中盤のカットボールがキレキレ。この2つの球を軸にスライダー・カーブ・SFFなども交えたピッチングで立命館打線を圧倒し、3回までノーヒットピッチング。4回には井上に初ヒットを浴び、そこから2死2塁のピンチを迎えるも最後は5番榮枝を(自己最速を更新する)153㌔で見逃し三振に仕留めてピンチを切り抜けた。
20190611東海大 山崎
自己最速の153㌔をマークするなど圧巻のピッチングを披露した東海大の先発山崎

立命館の先発は予想通りエース坂本。こちらは山崎のように凄い球を投げるわけではないが、Max142㌔のストレートにスライダー・チェンジアップをコントロールよく投げ込む安定したピッチング。特に落ちるチェンジアップは有効でこれで東海大打線から多くの空振りを奪っていた。こちらも関西学生連盟のMVPとしての力を遺憾なく発揮し、試合は0-0のまま前半戦(5回)を終える。
20190611立命館大 坂本
こちらも5回まで無失点ピッチングをみせた立命館大のエース坂本

6回裏、東海大は2死から1番千野がセーフティバントで出塁。2番串畑がセンター前ヒットで続いて、1・2番コンビで2死1・2塁のチャンスを作る。ここで迎えた3番杉崎は左中間を破る2点タイムリー3ベースを放ち、東海大が均衡を破って2点を先制する。
20190611東海大 杉崎
先制の2点タイムリー3ベースを放つ東海大の3番杉崎

7回表、立命館大はリーグ戦では大本の控えに甘んじていたがDH制のこの全日本大学野球選手権では打力を生かして5番に入った榮枝がセンター前ヒットで出塁。続く三宅はバスターは、決していい当たりではなかったが2塁よりにいたショートの逆を突く形で内野安打となり無死1・2塁。8番池上はリーグ戦首位打者の力を見せつけ、右中間にタイムリー2ベースを放ち1点差。ここで東海大はマウンドにリリーフエースで、大学日本代表候補でもある小郷をマウンドを送る。ただここでキャッチャー海野から3塁牽制がまさかの暴投となり同点。さらに立命館大は代打山本がセンターに犠牲フライを放ち3-2と逆転に成功する。
20190611立命館大 山本
逆転となる犠牲フライを放った立命館大の代打山本

逆転した立命館大は8回裏からマウンドに2番手として有村をあげる。しかし有村は1死から千野・串畑に連打を浴びて1・3塁とされる。6回に続いて春リーグ戦ベストナインの1・2番コンビでチャンスを作った東海大は、杉崎が敬遠気味に歩かされて1死満塁で4番海野を迎える。ここまで3タコと打撃面ではいいところのなかった海野であるが、カウント2B2Sからの5球目のストレートを叩くと打球は高いバウンドで三遊間を抜ける逆転の2点タイムリーとなる。
20190611東海大 海野1
逆転タイムリーを放つ東海大の4番海野

東海大の小郷はMax152㌔のストレートに持ち前の縦のスライダーを駆使したピッチングで立命館打線の打者8人に対して、ヒットを許さず、4個の三振を奪う力投をみせてゲームセット。そのまま逃げ切った東海大が4-3で立命館大に勝利し、2014年以来の大学日本一に向けて好発進した。
20190611東海大 小郷
見事打者8人連続でアウトに仕留めた東海大のリリーフエース小郷


序盤は両先発の素晴らしい投手戦となった試合は、結果的に継投がポイントとなった。立命館大はエース坂本は2点を失ったとはいえ、次の7回もマウンドにあがると東海大打線を抑えていて、7回終了時にはまだ球数は84と少なかった。リーグ戦でいえば坂本は5完投も記録していて、これならば坂本で行くところまでいくのかと思いきや、8回のマウンドに有村が上がったのは意外であった。有村は先発2番手の投手であったが、立命館大は他に頼りになる投手がおらず、代えるのであれば有村は妥当であったといえる。しかしこの春はリリーフ経験の少なかった有村は普段と勝手が違ったか逆転を許してしまう。
20190611立命館大 有村
立命館大の2番手として登板した有村

対する東海大は先発の山崎から、リリーフエースである小郷にスイッチ。小郷は昨年からリリーフ専門で活躍している投手であり、大学日本代表でもあるだけに経験十分。登板した直後に勝ち越しの犠飛を許したものの、対戦した8人の打者全員をアウトにとり、味方の逆転を受けて勝ち投手となった。先発ピッチャーをリリーフに回すしかなかった立命館大と、確固たるリリーフエースが控えていた東海大…この2チームの投手層の厚さがそのまま結果に繋がったともいえる。

東海大打線で注目だったのが、2015年夏の甲子園を制した世代の東海大相模4人衆。1番千野、3番杉崎、5番長倉、9番宮地はともに甲子園優勝時のレギュラーであり、この試合でも4人揃ってスタメンに名を連ねた。特に1番千野は3安打の活躍で、得点をあげた6回・8回の攻撃はともにこの千野から始まるなど1番打者としての役割を十二分に果たした。また3番杉崎も先制の2点タイムリー3ベースを放つなど、しっかりと仕事を果たした。奇しくもこの世代の東海大相模のレギュラーのうち、同じく東海大系列の国際武道大に進学した豊田と磯網は2年連続でこの大学野球選手権に出場して準Vを経験。この2人以上の成績を残すべく、東海大相模4人衆の戦いが始まる。
20190611東海大 千野
3安打を放ちチャンスメイクに大きく貢献した東海大の1番千野



Pickup Player
海野隆司 東海大4年 キャッチャー
~ミスを自ら帳消しにする逆転タイムリーヒット~
東海大の扇の要がまさかのミスで逆転を許したものの、きっちりと自らのバットで再逆転を手繰り寄せた。

海野は関西高時代から強肩の捕手として名を馳せていた。2年春に正捕手となると、1個上に小郷兄(楽天)・逢澤(トヨタ自動車)を擁するチームで2年夏には甲子園出場を果たすも、初戦で森田(Honda鈴鹿)を打てずに富山商に1-3で敗れた。2年秋からは打撃でも中軸を担い、平野(関西国際大)とともにチームを牽引するも、最終学年では甲子園出場はならなかった。

東海大では1年秋よりリーグ戦出場を果たし、2年春は正捕手を務める。ただ打撃に課題があったこともあり、2年秋は正捕手の座を明け渡すも、3年春に正捕手の座を再奪取すると課題の打撃も改善されて、打率.333をマークして首位打者を獲得。以後3年秋・4年春と3季連続で打率3割を超えて、3季連続でベストナインも獲得。昨年から大学日本代表にも選出されて、今年もこの大会後には大学日本代表候補合宿に参加することが決定している。

この試合でも4番キャッチャーとしてスタメン出場した海野は、まず1番の持ち味である強肩で魅せる。この強肩で2回・6回と1試合に2度も三振ゲッツーを完成させると、5回にはバントに対しても素早い送球で3塁を封殺。リーグ面だけでなく、3度も塁上のランナーをアウトにして山崎の好投をアシストした。海野は大学球界でもNo1と言われていて、まさに昨年流行ったキャノンという言葉の似合う捕手だ。単に肩がいいだけでなく、送球のコントロール、素早さも兼ねそろえていて、それが2塁送球で1.7秒台もマークするという驚異のスピードに繋がっている。そんな海野に落とし穴が待っていたのは7回で、1点差に迫られてなおも2・3塁というピンチで、3塁ランナーを刺そうと牽制を投げるものの、これがランナーを重なってしまい暴投となり、3塁ランナーがホームイン。さらに2塁ランナーの3進も許してしまったことで、続く山本の犠牲フライでの逆転に繋げてしまった。

そんな海野に絶好の挽回のチャンスが回ってきたのは8回裏。4番ながらこの日は3打席目までノーヒットと完全に抑え込まれていた海野に対して、立命館大バッテリーはこの日当たっていた3番杉崎を半ば敬遠気味に歩かせて満塁で海野を迎えた。海野に対して変化球中心で攻めていった立命館バッテリーであるが、海野はカウント2B2Sからついに来たストレートを叩くと、打球は高いバウンドで三遊間を抜けるヒットとなり、これで2塁ランナーも生還。逆転の2点タイムリーとなり、結果的にこの海野の1打がこの試合の決勝打となった。

強肩をはじめとした高い守備力に加え、打力もついてきた海野は、郡司・佐藤など大学生捕手が豊作といわれる今年でも大学球界No1捕手との呼び声も高い。このままチームを牽引して、大学日本1のチームの捕手として、代表合宿にも参加して結果を出していけば、秋には十分にドラフト1位もあり得る存在である。

20190611東海大 海野2
大学No1との呼び声も高い東海大の正捕手海野



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