FC2ブログ

大阪ガス×JFE東日本【都市対抗】

7/14 都市対抗野球大会2回戦
大阪ガス×JFE東日本 @東京ドーム

試合経過

20190714大阪ガス×JFE東日本
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

昨年の都市対抗の覇者である大阪ガスに挑むのは、3年ぶりの出場となるJFE東日本。ただ今年新人9人が加入し、またDeNAから須田が復帰して戦力が大幅にアップしたJFE東日本は、Honda・日本通運など強豪がひしめく南関東予選を全勝で突破していて、2回戦屈指の好カードと言われていた。そんな試合は両先発の好投による投手戦となる。

JFE東日本の先発は大方の予想に反して、2年目の右腕本田(多くの人が経験豊富な左腕の中林を予想していただろう)。本田のストレートは140㌔そこそこであったが、これを低めのコースに糸をひくように決めることができていた。得意のスライダーも使いながら、大阪ガス打線を打ち取っていき、なんと5回まで大阪ガス打線をヒット1本に抑える好投。あえて若い投手を重要な初戦のマウンドに送った落合監督の起用が功を奏した形となった。
20190714JFE東日本 本田
5回無失点の好投をみせたJFE東日本の先発本田

一方大阪ガスの先発の阪本は、序盤はMax146㌔をマークしたストレートに、得意のカットボールを多用するピッチング。3回には先頭の内藤に2ベースを浴びてピンチを招くも、そこから2番今川・3番峯本を気迫の投球で連続三振。昨年の都市対抗では2試合に先発するも、いずれも5回持たずに降板してしまったが、今年はこのピンチを凌ぐと、他には全く危なげない投球で5回まで無失点で抑える。
20190718大阪ガス 阪本
6回無失点の好投を見せた大阪ガスの先発阪本

グランド整備が明けると両チームの打線はやや活発となった。まず大阪ガス打線は6回に、この回からマウンドに上がったJFE東日本の2番手橘(かずさマジックからの補強)から小深田・峰下の近大コンビがヒットを放つも、いずれも橘の鋭い牽制の前に刺されてしまう。一方JFE東日本も6回裏に、2死から内藤がヒットで出塁→盗塁でチャンスを作ると、2番今川にレフト前ヒットが飛び出すも、一気にホームを狙った内藤はレフト古川の好返球の前にタッチアウトになってしまう。
20190714JFE東日本 内藤
先制点奪取のためにホームを狙った内藤は惜しくもタッチアウト

また両チームともに継投に入り、JFE東日本は橘が6~8回を無失点に抑えると、9回からはリリーフエースの須田が登板。大阪ガスは7回から左腕中谷がマウンドに上がると、8回の先頭打者を出したところで緒方、9回からは猿渡と昨年の都市対抗制覇を経験した投手を次々と送り込む。ただJFE東日本は9回裏、その猿渡に対して内藤・今川が連打でチャンスを作ると、2死1・2塁とサヨナラのチャンスで4番平山快を迎える。大阪ガスはこのピンチで、5番手として飯塚をマウンドに送る。飯塚は攻めの投球で平山快を追い込むも、粘られると5球目をセンター前に弾き返されえてしまう。ただ大阪ガスはここでも途中出場のセンター宮崎がホームにストライク送球で内藤を刺して、試合は0-0のまま延長戦に突入する。
20190718大阪ガス 宮崎
サヨナラのピンチを救った大阪ガスのセンター宮崎

延長戦ではJFE東日本の須田が圧巻の投球。ストレートは140㌔ちょっとであるが、コンパクトなフォームから放たれる球は打者からしてみるといきなりくるような感じであり、またその球が本当に際どいコーナーに決まる。ほぼこのストレートと時よりスライダーで延長10回は3者三振、9回から5者連続三振を奪うと、11回も3人で抑える。ただ大阪ガスの飯塚も、10回・11回と3人ずつで打たせてとり、試合は0-0のまま延長12回からのタイブレークに突入する。
20190714JFE東日本 須田
5者連続三振など圧巻の投球をみせたJFE東日本の須田

無死1・2塁、継続打順から始めるタイブレークは12回表、大阪ガスは峰下のセカンドゴロが併殺崩れとなり1・3塁とすると。4番土井がレフトに犠牲フライを放ち1点。さらに続く5番古川の左中間への大飛球はわずかにレフトのグラブをかすめタイムリー2ベース。大阪ガスにとっては大きな2点目が入り、試合は決まったかに思えた。
20190718大阪ガス 古川
左中間にタイムリー2ベースを放った大阪ガスの古川

しかしその裏のJFE東日本は、2番今川が初球に死球を喰らい無死満塁。ここで途中出場の鳥巣の三遊間の打球はサード青柳のグラブに当たってコースが変わり点々とする間に2者が生還してJFE東日本が同点。さらに無死1・2塁とサヨナラのチャンスであったが、4番平山快はピッチャーゴロ併殺。2死3塁で5番の左バッター中澤を迎えたところで、大阪ガスはマウンドに新人左腕の秋山を送る。ただ中澤は粘った末の10球目を1・2塁間に弾き返しサヨナラタイムリー。JFE東日本がタイブレークの末に昨年の覇者大阪ガスを破って3回戦進出を決めた。
20190714JFE東日本 中澤1
サヨナラ打を放ちガッツポーズのJFE東日本の中澤



今回のJFE東日本で話題となったのが、かずさマジックから松本を補強したことで、DeNA時代のチームメイトであり、また早稲田大では同期であった須田との再タッグが形成されたことである。ちなみに余談だが、トヨタ自動車の細山田も、この2人と早稲田大→DeNAではともに同期である。今年新人9人が加わってチームが一新されたことが話題となったJFE東日本は、スタメンに新人4人が名を連ねた。ただ落合監督も都市対抗という舞台での経験がないことは不安であったのだろうか、それを補うべく、元プロであり昨年の都市対抗ではかずさマジックの4番として出場した松本の力を必要としたのであろう。実際にこの試合でチームに勝利をもたらせたのは途中から試合に出た経験者たちであった。タイブレークで同点タイムリーを放った主将の鳥巣も途中からセカンドの守備についていたし、最後に試合を決めたのも松本に代わってライトに入った中澤であった。また投手陣でも上述の通り、リリーフエース須田の好投は大きかった。
20190714JFE東日本 松本
JFE東日本に補強選手として参加した松本

ただ新人も今川・平山快・岡田はしっかりとヒットを放っていて、勝利に結びつきこそしかったものの自分の打撃はできているといえる。特に2番今川は、2番打者ながらその豪快なスイングで東京ドームもファンを沸かせていて、バントが定石中の定石となる無死1・2塁で始まるタイブレークでもバントの素振りはなし。待望の1発こそ見られたかったものの、レフトに強烈な打球でのヒットを2本放ち、今年の新生JFE東日本を象徴する存在となっている。
20190714JFE東日本 今川
JFE東日本の強打の2番今川

敗れた大阪ガスも決して悪い戦いぶりでなかった。ただ前年度の覇者ということで、昨年のように補強選手は使うことができず、また昨年の橋戸賞の近本は阪神に入団した。橋口監督はその分、チーム内の競争が激化するなど効果も強調していたが、打線でいえばその穴を埋めるような新戦力の活躍はこの試合では見られなかった。その一方投手陣に関しては、昨年の戦力がそのまま残っている上に、昨年の都市対抗では2試合に先発しながらともに5回持たないという悔しい思いをした阪本が6回無失点と見事なピッチング。その後を中谷→緒方→猿渡→飯塚と高卒で入社してから手塩に掛けて育てたリリーフ陣が見事に繋いでいくれた。投手陣に関しては大阪ガスの育成力はさすがの一言であった。
20190718大阪ガス 飯塚
高卒で大阪ガスに入社してからサヨナラのピンチの場面でマウンドを任せれるまでになった飯塚

Pickup Player
中澤彰太 JFE東日本 外野手
~途中出場の悔しさをぶつける大仕事~
スタメン落ちで途中出場となってしまった中澤が、最後には大仕事をやってのけた。

中澤は静岡高時代から身体能力の高い走攻守揃った選手として注目されていた。1年夏からベンチ入りを果たすと、1年秋からサードのレギュラーに定着し、2年夏には3番サードとして甲子園出場。この時の4番が小川(明治安田生命)で、ライトにはJFE東日本でも同期の平川というチームであったが、初戦で習志野の泉澤(明治安田)→木村(東京ガス)の継投の前に敗れた。2年秋・3年春も東海大会出場を果たすも、3番センターとして迎えた3年夏は聖隷クリストファーの鈴木(中日)の前に1点に抑えられ、静岡大会4回戦で敗退となった。

早稲田大では1年春から守備固めや代走で出場機会を得ると、1年秋には1番センターのレギュラーを獲得。3年時には大竹(ソフトバンク)・小島(ロッテ)・道端(明治安田生命)・丸子(JR東日本)・茂木(楽天)・石井(日本ハム)・重信(巨人)が揃ったチームで7番センターとして春秋リーグ連覇、全日本大学野球選手権優勝を経験した。ただその能力の高さは認められドラフト候補と評されつつも、リーグ戦通算打率2割ちょっとと確実性に課題があり、卒業後はJFE東日本に入社した。

JFE東日本でも1年目よりセンターのレギュラーを務めていて、昨年はHondaに補強されて3番を打つなど主力として活躍。ただ3年目を迎えた今年は新人の今川が外野のレギュラーを獲得し、内藤・中島ら強者とのレギュラー争いをしていたところに、都市対抗では松本を補強。この試合も中澤はベンチからのスタートとなった。

ただ松本の打撃がイマイチであったために、中澤は6回からライトの守備に就くこととなる。打撃では1打席目は四球、2打席はショートライナーと内容としては悪くない中で迎えた3打席目は、延長12回同点で2死3塁という場面であった。中澤を迎えたところで大阪ガスベンチは左腕の秋山を投入し、右の代打も考えられるところだったが、落合監督はこの重要な場面を中澤に託すこととした。早稲田大の先輩である須田から、「W(早稲田)の意地を見せてこい」と言われて打席に向かった中澤は初見の左腕秋山のクロス気味の球に対して、2球で追い込まれてしまうも、そこから4球ファールで粘ってカウントは3B2S。10球目はインコースのストレートであったが、この球にうまく体を引きながら合わせると、打球は1・2塁間を抜けてサヨナラタイムリーとなった。

途中出場で最後には結果を出した中澤、松本は簡単に外せないにしても、次戦の相手先発が右であれば中嶋に代わってセンターで起用される可能性も高い。もともと高い身体能力を生かした守備・走力については評価が高く、打撃もパンチ力は折り紙つき。この大会でJFE東日本の勢いにのって、打撃で結果を出して確実性のあるところも見せられれば、まだまだプロ入りの可能性もある大卒3年目である。
20190714JFE東日本 中澤2
途中出場ながら試合を決めるサヨナラ打をはなったJFE東日本の中澤


ランキングに参加しています。
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 社会人野球へ
にほんブログ村


スポンサーサイト

テーマ : 社会人野球
ジャンル : スポーツ

きらやか銀行×パナソニック【都市対抗】

7/13 都市対抗野球大会(開幕戦)
きらやか銀行×パナソニック @東京ドーム

試合経過

20190715きらやか銀行×パナソニック
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


2019年の都市対抗の開幕戦はきらやか銀行VSパナソニック。この両チームは3年前の都市対抗初戦でも対戦していて、そのときは先発小島の好投もあり、きらやか銀行が勝利していた。きらやか銀行はその小島がこの試合でも先発すると、序盤から3年前にたがわない見事なピッチング。持ち前のコントロールでボールをコーナーに投げ分け、そして得意のチェンジアップでパナソニック打線から2回まで4個の三振を奪うなど完璧な立ち上がりをみせた。
20190713きらやか銀行 小島
素晴らしい立ち上がりをみせたきらやか銀行のエース小島

しかしまたもや小島にやられるわけにはいかないパナソニックは3回裏、先頭の三上が四球で出塁すると、横田が送って1死2塁のチャンス。1番法兼は三振に倒れるも、2番諸永はカウント2B2Sからのストレートを詰まりながらもとらえると、打球はセカンドの頭上を越えて先制のタイムリーとなった。
20190713パナソニック 諸永
先制タイムリーをはなったパナソニックの諸永

パナソニックの先発の榎本は素晴らしいピッチングで、きらやか銀行打線相手に5回まで四球を2個出したのみのノーヒットピッチング。試合はパナソニックが1-0とリードしたまま前半戦を終了した。
20190713パナソニック 榎本1
5回までノーヒットピッチングをみせていたパナソニックの榎本

ただグランド整備明けに流れが変わる。きらやか銀行は6回表に2死から、2番篠川がチーム初となるヒットで出塁。続く3番長谷川も四球で繋いで、きらやか銀行が日本製紙石巻からの補強コンビで2死1・2塁のチャンスを作るが、4番建部はライトフライに倒れる。きらやか銀行は7回表にも先頭の代打岩田がヒットを放ち2死1・3塁のチャンスを作るもあと1本が出ない。
20190713きらやか銀行 篠川
チーム初ヒットを放ちチャンスを作ったきらやか銀行(補強)の篠川

パナソニックは8回表には、7回無失点と好投しながらも、前半戦ほどの勢いはなくなっていた榎本に代えて、藤井をマウンドに送る。きらやか銀行はこの藤井からも先頭の1番藤田が内野安打で出塁してチャンスを作ると、代打で吉田を送るなど攻勢に出るも、やはり最後に1本が出ない。

きらやか銀行は6回のピンチでエース小島から、補強の塚本にピッチャーを交代すると、この塚本が8回まで打者7人をパーフェクトに抑える。素晴らしいピッチングを見せていて、流れは完全にきらやか銀行のまま終盤は進んでいった。

ただパナソニックの2番手藤井は8回のピンチを凌ぐと、9回は持ち前のカットボールとフォークを駆使した投球できらやか銀行打線を完全に寄せ付けずに3人で抑えてゲームセット。パナソニックが3回にあげた1点を守り切って、榎本→藤井の完封リレーで3年前のリベンジを果たした。
20190713パナソニック 藤井
8・9回と藤井が無失点に抑えてパナソニックが逃げ切った



なんとか開幕戦を制したパナソニック。予選の終盤は不安定であったエース榎本が復調し、藤井との完封リレーをみせるなど、吉川が抜けてから安泰とはいえない投手陣には光が差してきたといえる。その一方打線は2安打に抑えられてしまった。プロ注目である巨漢スラッガーの4番片山もいいところがなく3タコで、打順を7番まで下げられた予選からの復調とはいかなかった。
20190713パナソニック 片山
パナソニックの注目の4番片山は3タコに終わってしまった

今年のパナソニックは近畿の第6代表。昨年優勝の大阪ガスが推薦での出場が決まっていたために、枠からいって都市対抗出場はもともと当確に近い状態であったが、大苦戦して第6代表(最終枠)決定戦でミキハウスに延長戦の末にサヨナラ勝ちを収めての都市対抗出場。昨年の日本生命のように強豪チームが敗退しなかったので、補強に使える選手も少なく、この試合ではミキハウスの長谷川が3番に入ったものの、出場したのはこの1人のみでチームの流れを変えるとはいかなかった。何とか勝利したもののパナソニックのチーム全体しても、予選の大苦戦からまだ復調しているは言い難い状態であり、このままだと今後も厳しい戦いが続きそうだ。

敗れたきらやか銀行である強調文が投手力はさすがの一言。エース小島は6回途中まで2安打ピッチングと、3年前を凌ぐ投球内容であった。この小島を6回であっさりと降ろしたことには驚いたが、2番手の補強の塚本がパーフェクトとさすがのピッチングであった。ただはやりだ打線に関しては力不足感がいなめなかったのが事実であり、日本製紙石巻から笹川・長谷川を2・3番と要所に配置して強化を狙ったが、それでも力及ばず3年前の再来とはならなかった。
20190713きらやか銀行 塚本
打者7人をパーフェクトに抑える好リリーフをみせたきらやか銀行(補強)の塚本


Pickup Player
榎本亮 パナソニック 投手
~見事に務め上げた開幕投手~
この開幕戦の先発に指名されたパナソニックの榎本は、その期待に応える素晴らしい投球をみせた。

榎本は京都学園では技巧派の左腕エースであったが、最高成績は京都ベスト16と目立った存在ではなかった。ただ佛教大に進学すると、その実力を開花させ、1年秋からリーグ戦で登板をはたす。3年春から先発を務めるようになると、そこから4季で17勝、防御率は全てリーグ4位以内という素晴らしい成績。特に4年春は6勝1敗、防御率1.16という圧巻の成績でMVP、最優秀投手賞、ベストナインとタイトルを総なめにした。

パナソニックでも1年目から三菱重工神戸高砂の補強選手に選ばれるなど登板を重ね、4年目となった昨年はJABA京都大会でMVP、さらにはエース吉川が抜けた日本選手権では2試合で先発を務めた。今年も都市対抗予選ではニチダイを完封するなど上々のスタートを切ったが、その後はミキハウス戦の2試合に先発するも、いずれも早めに降板するなど力を発揮できていなかった。

ただこの都市対抗の初戦という大一番では、田中監督はこの榎本を先発のマウンドに送った。この日の榎本はMax143㌔のストレートを低めにコントロールすることができていて、それにSFFを有効に使ったピッチングできらやか打線を打ち取っていく。右バッターの膝元にはスライダーを決めることもできていて、中盤以降はツーシームも多く使うようになっていた。この日の榎本の調子は良かったようで、気づけば5回までノーヒットの無失点ピッチング。しかしノーヒットノーランという言葉がちらくる後半戦には、疲れも見え始めてきたか前半戦ほどの勢いはなく、6回に笹川に初ヒットを浴びてしまうと、6・7回はピンチを招くも何とか凌ぐというピッチングになってしまった。そんな影響からか8回からは藤井にマウンドを譲ることになったが、それでも7回2安打4奪三振とという成績で、見事に開幕投手としての務めを果たしてみせた。

現状パナソニックのエースが誰かといえば榎本なのであろうが、吉川のような確固たるエースという立場でない。この大会を通して榎本がそのような存在になってくれることを期待したい。

20190713パナソニック 榎本2
開幕戦の起用に応え7回無失点と結果を残したパナソニックの先発榎本



ランキングに参加しています。
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 社会人野球へ
にほんブログ村


テーマ : 社会人野球
ジャンル : スポーツ

JR東日本×巨人(3軍)【プロアマ交流戦】

6/23 プロアマ交流戦
JR東日本×巨人(3軍) @ジャイアンツ球場

試合経過

20190623JR東日本×巨人
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

都市対抗を来月に控えるJR東日本が、ジャイアンツ球場に遠征してのプロアマ交流戦。プロVSアマといっても、高校を卒業したばかりの選手も多い巨人に対して、大学球界でもトップクラスの成績を残したエリートが集まる社会人屈指の強豪であるJR東日本はその力の差は歴然。試合はその力の差がそのまま現れる展開となった。

巨人の先発はその通り高卒ルーキーの戸郷。戸郷は柔らかい肩関節を生かした大きめのテイクバックからサイドよりやや上の位置からいきなり147㌔のストレートを投げ込む。変化球もスライダー・シンカー・SFFと全て130㌔を超える変化球を投げ込み、球自体はスピードがあっていいものであった。ただ先頭の拜崎の打球はセンター前に落ちるポテンヒット(2ベース)となると、続く2番東條には粘られに粘られた12球目を右中間に運ばれ、打者2人で早くも1点を失う。3番近森は三振に仕留めるも、4番小室の打球をサード松井がはじいてしまうと、完全にリズムを失い、2死満塁から國松に押し出し死球、柴田には2点タイムリーを浴びてしまい、初回にJR東日本が4点を先制。
20190623JR東日本 東條
粘って12球目を打って先制タイムリーとしたJR東日本の東條

巨人はその裏、JR東日本の先発の平木に対して、2死から3番村上がライト前ヒットで出塁。すると4番に入った高卒1年目の松井は、さきほどのエラーの汚名返上とばかりにもう少しでホームランというライトフェンス直撃のタイムリー3ベースを放ち、巨人が1点を返す。巨人の4番松井という、野球ファンがワクワクしてしまう響きだが、その打撃内容も今後が楽しみな逸材である。
20190623巨人 松井
初回にライトフェンス直撃のタイムリー3ベースを放った巨人の4番松井

ただ戸郷は2回になっても、ストライクとボールがはっきりしてしまい投球で、四球と近森のヒットで1死1・2塁のピンチを招くと、JR東日本は4番小室が右中間に2点タイムリー2ベース。ここから勢いにのったJR東日本打線は、大城のタイムリーと柴田の2打席連続となる2点タイムリーなど、近森から始まって5連打を放ち、この回に5点を追加。戸郷は2回までに86球を投じて、9失点でこの回でマウンドを降りることとなる。

巨人は3回から2番手としてマウンドに上がったのは山下亜門。サイドスローに転向して、支配下登録を目指す左腕であったが、こちらも制球が安定しない。いきなり東條に死球を与えてしまうと、近森のヒットで無死1・2塁と前の回と全く同じ形でチャンスを作られてしまうと、JR東日本は4番小室が今度は左中間に2点タイムリー2ベース。さらに國松の死球で満塁となると、8番柴田は押し出しを四球を選んで3回までで3打席連続打点をマーク。JR東日本が3回までに11-1という大差をつける試合展開となる。
20190623JR東日本 柴田紘
3回にして早くもこの試合5打点をあげたJR東日本の柴田紘

JR東日本は4回表にも、巨人3番手の沼田から拜崎のヒットと東條の死球でチャンスを作ると、3番近森は逆方向のレフトフェンスを超える3ランホームラン。ただ沼田は4回には國松・柴田から連続三振を奪って2死とし、やっとJR東日本の攻撃を止めることができたかと思ったが…そこから山口雄・拝崎の連打で2死2・3塁のチャンスを作られると、吉澤のセカンドゴロをマルティネスが痛恨のエラー。JR東日本は続く3番近森が、(まだ5回にして)この試合4安打目となるタイムリーを放ち、5回までに全イニングで複数得点をあげることとなる。
20190623JR東日本 近森
3ランホームランを放ったJR東日本の3番近本

反撃したい巨人は5回裏、JR東日本の2番手大出を攻めて、高山の2ベースと死球でチャンスを作ると、1番マルティネスはこれまらエラーの汚名返上とばかりに、もう少しでホームランというセンターフェンス直撃の2点タイムリー3ベース。続く黒田も三遊間を破るタイムリーで続き、巨人がこの回3点を返す。
20190623巨人 マルティネス
2点タイムリー3ベースを放った巨人のマルティネス

巨人は6回から4番手として横川が登板。昨年は大阪桐蔭で春夏甲子園連覇を経験した左腕は、球速こそ130㌔台であるが、球持ちがよくなっていて、長身も相まって球があっという間にミットに納まるようなストレートを投じていた。登板した6回には服部・國松・さらには代打長谷川に3連打を浴びて1点を失うも、続く1死満塁のピンチを無失点で切り抜けると、7回はJR東日本打線を3者凡退。7イニング目にして初めてJR東日本の攻撃が無得点で終えることができた。
20190623巨人 横川
7回にはこの試合はじめてJR東日本の攻撃を無得点に抑えた横川

巨人はその後も、8回を直江が、9回を巽が無得点に抑える、ただJR東日本は6回から西居が、8回からは宮本とそれぞれの左右のサイドスロー投手が2イニングずつを無得点に抑えて、スコアは7回以降動かず試合はそのまま終了。JR東日本が格の違いを見せつけ、17-4で巨人に勝利した。
20190623JR東日本 宮本
8回・9回と2イニングを無失点に抑えて試合を締めたJR東日本の宮本


JR東日本はこの試合の位置づけとしては、都市対抗で起用できる選手の見極めが目的で会ったように見える。野手でいえば翌日から社会人日本代表合宿を控える丸子・渡辺・佐藤拓の3選手は遠征に帯同していないようで、序盤に得点差がついたこともあり、拝崎・東條・近森・小室といったレギュラーメンバーは早々にベンチに下げてしまった。その中でアピールに成功したと言えるのは、國松・柴田紘の2人であろうか?國松は3打数2安打4出塁という活躍で、守ってはセカンドとして9回表まで出場。JR東日本にも投手として入社した國松は、サードであったりショートであったり…昨年はキャッチャーも務め、高校時代には登板時以外は外野も守っていたことも踏まえるとほぼ全てのポジションをこなせる存在で、都市対抗でも打力に加えて、ユーティリティプレイヤーとしての需要もありそうだ。ルーキーの捕手である柴田紘は打撃では5打点の活躍。守備面でもこういう展開であったのでそれほど見せ場はなかったが、4投手を巧みにリードしてみせた。JR東日本は昨年やっと渡辺が正捕手に固定できたが、圧倒的な打力が武器の渡辺に対して、守備面では十分に柴田にも勝機はある。渡辺が日本代表候補合宿に出向いている間に、守備面でのアピールができれば、都市対抗ではキャッチャー柴田、DH渡辺という布陣もなくはないかもしれない。
20190623JR東日本 國松
この試合ではセカンドを守ったJR東日本の國松

投手陣も同様に都市対抗予選で登板した、太田・西田・伊藤・山口裕・石井といった主力投手陣はこの日は登板なし。代わりに都市対抗でリリーフとして期待される投手4人が細かく繋いで投げた。中でも2イニング6人をパーフェクトに抑えた3番手の西居と、ランナーを出しながら勝負どころでは三振を奪って2回無失点の宮本は都市対抗での登板に向けてアピールに成功したといえる。ただ左サイドの西居には、同じく変則気味の左腕の横田(セガサミー)が…、右サイドの宮本には同じく右のサイドスローの木村(東京ガス)が都市対抗では補強されていて、都市対抗の登板に向けてはまだまだ正念場といったところであろう。またJR東日本の投手陣はストレートはみな140㌔前後であったが、しっかりとコーナーを突き、また経験から来る投球術も冴えわたっていて、140㌔中盤から後半をマークしても打たれてしまう巨人の投手陣からしてみれば、いい見本になったことだろう。

その巨人であるが、3軍といえども4-17というスコアは不甲斐ないの一言で、井上監督が試合後には堀井監督に謝るシーンも見られた。その中でも1~3番の上位打線のメンバーは実力はみせていた。高い身体能力からフルスイングが魅力の3番村上は1人気を吐いて3安打、1軍経験もあるマルティネスはスイッチヒッターから左打に専念したようだが5回にはセンターフェンス直撃の2点タイムリー3ベース。高卒育成1年目ながら2軍の正ショートも務めていた黒田は、今日の巨人の内野では唯一安定した守備を披露し、5回にはタイムリーも放った。この3人に関しては、本来は2軍レベルの選手であり、(味方の選手に対してだが)格の違いを見せつけたというところだろう。
20190623巨人 村上
3安打を放った巨人の3番村上


Pickup Player
西居建陽 JR東日本 投手
~都市対抗での登板にむけて見事なアピール~
投手陣では都市対応での登板に向けての足きり的な意味合いもあったこの試合で、西居は足きり回避どころか見事にアピールに成功した。

西居は県立和歌山商では3年夏にエースとして活躍するも、2回戦で箕島に敗れるなど高校時代は大きな実績もなく、中部学院大に進学しても、3年春まではリーグ戦の登板はなかった。ただ3年秋にリーグ戦で初登板を果たすと、そこから課題のコントロールを改善し、4年春はケガのエース平岡(現:広島)に代わって先発1番手を務めると、3勝1敗の防御率0.96という成績を収めベストナインを獲得。4年秋には3勝0敗の防御率1.50という活躍でチームを優勝に導き、最優秀投手賞を受賞した。
JR東日本に入社した西居は、JABA大会や関東選抜リーグなどでは先発も務めるなど1年目から登板機会を重ねている一方、都市対抗予選では1イニングのみでの登板で、4強に進出した都市対抗本戦でも登板機会はなかった。

2年目の今季は大学時代はスリークォーターよりのサイドスローだったフォームから、さらに腕の位置を低くしたようであり、ストレートはクロスファイヤー気味の横の角度に加えて、下からやや浮き上がるような印象のある球に。巨人の選手もあまり見たことのない球のようで、このストレートで空振りをとることができていて、また角度をつけてコーナーに決まった球には手がでないという状態。6回から3番手として登板したが、6・7回と打者6人をパーフェクト。スライダーも投げていたが、上記のストレートが多めで奪った三振3個は全てストレートであった。タイプ的には左バッターにぶつけたい西居であるが、6回は右バッターが3人並んでいても完璧に抑えるなどリリーフとしての使い勝手がよさそうだ。

絶対的なエースこそいないものの、投手陣の層は厚いJR東日本。これに横田(セガサミー)、木村(東京ガス)といった投手陣も加わり、都市対抗での登板は簡単なことでない。ただ昨年は都市対抗のマウンドに立つことのできなかった西居としては、今年は何が何でも東京ドームのマウンドに立ちたいところ。プロとしても需要がありそうな左のサイドスローだけに、そこで結果を出せば、ドラフト解禁となるこの秋の指名も十分にあり得る逸材だ。

20190623JR東日本 西居
2イニングパーフェクト3奪三振の好投をみせたJR東日本の西居


ランキングに参加しています。
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 社会人野球へ
にほんブログ村

テーマ : 社会人野球
ジャンル : スポーツ

JR東日本×明治安田生命【都市対抗東京予選】

6/5 都市対抗東京予選 第3代表決定戦
JR東日本×明治安田生命 @神宮球場

試合経過

20190605JR東日本×明治安田生命
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


都市対抗の東京第3代表をかけた戦いは、前日の第2代表決定戦に敗れてしまった明治安田生命と、この試合が代表決定戦の初戦となるJR東日本の戦い。第2代表決定戦をかけた予選では延長戦の末、明治安田生命が5ー2で勝利していて、その再戦となる。

JR東日本の先発マウンドに上がったのは新人の伊藤。横浜では2年生からエースを務め、国際武道大でも2年のときから大学日本代表に名を連ね、3年のときには全日本大学野選手権で準優勝に輝いた左腕であったが、4年になるとケガの影響もあって不調に陥り昨秋のドラフトでは指名漏れして、JR東日本に入社していた。伊藤の右手を大きく掲げ、出処の見づらいフォームから繰り出すMAX145㌔のストレートに、明治安田生命打線は振り遅れ気味で2回までノーヒット4三振と抑えられてしまう。
20190605JR東日本 伊藤
JR東日本の先発の伊藤

前の試合でNTT東日本の大竹にノーヒットノーランを食らってしまった明治安田生命打線は、これで前の日から11イニング連続ノーヒット。ただ3回裏の先頭打者の宮川が初球を捉えると、打球はチーム待望の初ヒットとなる。これで勢いに乗った明治安田生命は木田のヒットと四球で満塁d4番泉澤という絶好のチャンスを作る。伊藤はここで意地をみせて泉澤をインコースのストレートで見逃し三振に仕留めるも、5番大野にはフルカウントからセンター前に2点タイムリーを浴びる。さらにJR東日本はファーストエラーで3点目を失ってしまったところで、ピッチャーを交代、この秋のドラフトの目玉である太田をマウンドに送る。太田は四球を与えて再び満塁にしてしまうも、道端をショートゴロに打ち取り追加点は許さなかった。
20190605明治安田生命 大野
先制の2点タイムリーを放った明治安田生命の5番大野

反撃したいJR東日本は4回表、1死から4番小室が3塁線破る2ベースで出塁すると、続く5番渡邊は粘った上に古田の変化球をうまく捉えると打球はレフトポール際に飛び込む2ランホームラン。3点を失った直後に、1点差に迫ることができたのでこの2ランは非常に大きかった。
20190605JR東日本 渡辺
2ランホームランを放つJR東日本の5番渡辺

さらにJR東日本は5回表、先頭の拜崎がヒットで出塁、続く嘉数のバントはピッチャー前で古田は2塁へ送球するも、ボールが完全に握れなかったようで送球が逸れてしまい無死1・2塁。さらに1番佐藤のヒットで無死満塁と、JR東日本が逆転のチャンスを作る。明治安田生命は2番東條をショートフライに打ち取ったところで、2番手としてマウンドにルーキーの高橋を送るも、JR東日本は3番丸子がさきほどのエラーの汚名返上とばかりに同点タイムリー。さらに4番小室の3球目は明らかに抜けた暴投となってしまい、JR東日本が4-3と逆転。明治安田生命はこの3球目の直後に高橋→三宮にスイッチすると、三宮が4番小室を三振、5番渡辺をライトフライに打ち取り追加点を与えない。
20190605JR東日本 丸子
同点タイムリーを放ったJR東日本の丸子

JR東日本の太田は、この予選ではやや不安定な投球が続いてリリーフに回っていたが、この日は安定したピッチング。Max151㌔のストレートを軸に4回・5回は2個ずる三振を奪って3人ずつで明治安田生命を抑えるなど、ドラフトの目玉としての本領を発揮。7回1死にヒットを許して、抑えの西田にマウンドを託すことになるが、3回2/3を無失点。さらに西田も140㌔を超えるストレートに最大の武器である縦のスライダーを軸に、度胸満点のピッチングで明治安田生命に得点を許さない。
20190605JR東日本 西田
7回途中からマウンドに上がったJR東日本の抑え西田

対する明治安田生命の三宮も素晴らしいピッチングを展開。140㌔前後のストレートを右バッターのインコースに投げ切ることができていて、これにスライダー・カーブ・チェンジアップを取り混ぜる気迫のピッチングで。6回の3者連続三振をはじめとして、登板してからJR東日本の打者14人を7奪三振パーフェクトに抑えて味方の反撃を待つ。
20190605明治安田生命 三宮
打者14人に対して7奪三振パーフェクトリリーフをみせた明治安田生命の三宮

三宮のピッチングに応えない明治安田生命は9回裏、先頭の道端がヒットで出塁、宮川のバントで代走の竹内が2塁に進んで同点のチャンス、さらに2番木田が粘った末に四球を選んで、長打が出れば逆転サヨナラという場面で3番新城を迎える。しかし対するJR東日本も、20歳ながら昨年の都市対抗でも抑えを経験している度胸満点の西田、最後は西田が気迫の投球で新城から三振を奪ってゲームセット。JR東日本が明治安田生命を破り、東京第3代表での都市対抗出場を決めた。
20190605JR東日本 勝利
都市対抗出場を決めたJR東日本ナイン



JR東日本の勝利の原動力となったのは、20歳のリリーフコンビである太田、西田である。3回のピンチから2人合わせて最後まで無失点で投げ切り、明治安田生命の追従を許さなかった。あとは本大会に向けて先発をどうするかが課題となってくる。この日はルーキーの伊藤が先発したが、3回途中でKO。太田を先発に戻すという手もあるが、ピッチングスタイルやこの試合での投球内容を見ているとやはりリリーフの方がよさそうだ。JR東日本には山口、石井、永谷ら他にも力のある若い投手が多くいるために、これらの中から誰か先発を務められる投手が出てきてほしいところだ。

継投がうまくいったJR東日本に対して、結果論からいえば継投ミスで敗れてしまったのが明治安田生命だ。5回の満塁のピンチでは先発の古田が東條を打ち取って、3番丸子を迎えたところで投手交代。左の強打者丸子というところなので、てっきり左腕を投入するのかと思いきや、この重要な場面でマウンドに送ったのは新人の高橋。その高橋も丸子にタイムリーを打たれ、続く小室の3球目がワイルドピッチとなったところで、今度は左腕の三宮に代えた。三宮が素晴らしいピッチングを見せたのは上述の通りで、丸子の場面で三宮を投入していれば結果が変わっただろうという場面であった。2番手高橋、3番手三宮というパターンは第2代表決定戦進出をかけた準決勝でJR東日本を破ったときと同じパターンであり、その再来を狙ったのかもしれないのだが、高橋の起用があまりにも中途半端であった。ルーキーとはいえ信頼しているから満塁のピンチで送り出したのであろうし、丸子に打たれたとはいえMax146㌔のストレートに130㌔中盤のフォークといったボール自体は悪くなかった。暴投もあったとはいえ、信頼しているならそのくらいで代えるな、信頼していないなら最初から出すなと言いたい場面であった。継投なんてものは結果論であるが、やはり今回の起用はミスであったと言いたい。ただそれ(+去年のことも)を教訓にしたか、翌日にはエース大久保が完投で明治安田生命は東京第4代表の座を射止めている。
20190605明治安田生命 高橋
明治安田生命の2番手として登板したルーキー高橋


Pickup Player
太田龍 JR東日本 投手
~ドラフト候補筆頭が復調の兆し~
JR東日本にとって、2番手の太田の好投は単に都市対抗の出場権を得たというだけでない好材料であった。

太田は鹿児島のれいめい高では1年春よりベンチ入りを果たし、2年春には火ノ浦(専修大4)率いるチームのもと鹿児島Vを果たし、九州大会に出場している。ただ太田はそのポテンシャルの高さは評価されつつも、なかなか実力を発揮できずに、この九州大会でも代打のみの出場。2年夏はリリーフで2試合に登板して146㌔をマーク。2年秋には鹿児島実業に相手に完投するも2-3と惜敗しベスト8止まり。3年春になり安定感が増してくるとようやく背番号1を掴むと、鹿屋戦で完封勝利。3年夏は先発しなかった準々決勝で敗れるも、190㎝から繰り出すMax149㌔のストレートが評価されスカウトの注目の的となった。

プロ志望届を出せばどこかしらは指名したであろうが、太田はJR東日本に入社。2年目から先発にリリーフに登板を重ね、昨年の都市対抗では2試合に先発するなど計3試合に登板して11回無失点という成績でチームのベスト4入りに貢献、若獅子賞も受賞した。ドラフト解禁となる今年は、ドラフト上位候補として大いに注目を浴びているが、東京予選では先発するも早いイニングで降板することも多く、リリーフに回っていた。

この試合では3点を失った3回のピンチでマウンドに上がった太田。最初はまだエンジンがかかっていなかったのか四球を与えてしまい満塁とするも、道端をショートゴロに打ち取ってピンチを切り抜けると、4回からは圧巻の投球。アベレージで140㌔後半、Max151㌔のストレートを軸に、フォークなどの変化球をまじえる投球で、4・5回は明治安田生命から4三振を奪い3者凡退に抑える。
この4三振はいずれも高めのストレートで奪ったものであり、明治安田生命打線もわかってはいるのだろうけど、手を出してしまうあたり太田のストレートの凄さを感じた。6回以降はさすがに対策をしてきた明治安田生命打線からヒットも出始めて、7回1死から木田にヒットを浴びたところで太田は降板し、抑えの西田にマウンドを託した。ただ3回2/3を投げて2安打1四球4奪三振無失点という見事なリリーフぶりでJR東日本に勝利を呼び込んだ。

今日の投球は太田の実力が発揮できたといえるもので、スカウト陣もニンマリというところだろう。ただ4・5回が凄すぎたこともあり、6・7回はややエンジンキレのようにも見え、自分のピッチングを長いイニング継続させることに関してはまだ課題が残るかもしれない。ただ威力抜群のストレートで基本は押して、フォークなどの変化球を得意とするあたりはやはりリリーフ向きであり、プロの世界でもリリーフの方が向いているかなとは思う。ただおそらく太田にとって最後となるだろう都市対抗では、エースとして先発する姿も見たいものだ。

20190605JR東日本 太田
3回2/3を無失点に抑えて勝ち投手となったJR東日本の太田



ランキングに参加しています。
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 社会人野球へ
にほんブログ村


テーマ : 社会人野球
ジャンル : スポーツ

東芝×JX-NENOS【都市対抗西東京予選】(2019)

5/29 都市対抗西関東予選 代表決定リーグ戦
東芝×JX-NENOS@横浜スタジアム

試合経過

20190529東芝×JX-ENEOS
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

都市対抗の出場をかけた三つ巴の戦い(MHPS、東芝、JX-ENEOSの3チームから2チームが都市対抗出場)も最終章。2勝で都市対抗出場を決めたMHPSに対し、ともに1敗で残った東芝とJX-ENEOSが最後の枠をかけて激突。この試合に勝ったチームが都市対抗出場、敗けたチームは予選敗退決定という大一番です。

東芝は岡野、ENEOSは大場と、2012年の夏の甲子園初戦の聖光学院×日大三の試合でも投げ合った両右腕の先発で始まった試合は、3回裏に真鍋が四球で出塁し2死2塁のチャンスを作ると、2番の渡邊がライト線に2ベース。3年連続で都市対抗出場を逃して、雪辱に燃えるENEOSが主将の1打で先制する。

ENEOSの先発の大場は、150㌔もマークしたストレートを中心に、これに140㌔前後のスライダーを交えて、140㌔を下回るボールがほぼないというパワーピッチング。昨年もこの代表決定リーグ戦で先発し敗れた相手であり、さらにはその後に補強選手として参加したチームである東芝相手を4回まで無失点に抑える。
20190529ENEOS 大場
ENEOSの先発の大場

ただ大場の不安点であったのが、ストレートが高めに浮くなど若干制球にバラツキがあったことであり、5回には先頭の紫原に四球を与えてしまう。代打望月にもヒットを浴びて1死1・2塁とされるも、2番小川をフライに打ち取ったかと思いきや…これをショート渡邊が深追いした挙句、最後はレフト村上が捕ることになるも村上が落球し、満塁とされてしまう。このミスを逃さなかった東芝は、3番金子が初球を捉えると右中間へ走者一掃のタイムリー2ベース。金子の一振りで東芝が3-1と一気に試合をひっくり返す。
20190622東芝 金子1
走者一掃の逆転タイムリー2ベースを放った金子

追いすがりたいENEOSはその裏、先頭の真鍋がライト前ヒットで出塁し、バントなどで2死3塁のチャンスを作る。3番岡部の死球で1・3塁となると、4番山崎はやや敬遠気味に歩かされて2死満塁。ここで迎えた5番の新人村上は、さきほどのエラーの汚名返上とばかりにレフト前にタイムリーを放ち、ENEOSが1点差に迫る。ただ続く川口は三振に打ち取られ、同点さらには逆転の大チャンスをENEOSは逸してしまう。
20190529ENEOS 村上
1点差に迫るタイムリーを放ったENEOSの村上

ENEOSは6回表にピンチを迎えたところで、大場から藤井に投手交代。前日のMHPS戦では先発を務めた新人左腕は、望月をセンターフライに打ち取りピンチを凌ぐと、続く7回も1死2・3塁のピンチを迎えるも、5番吉田を三振に仕留めるなどして無失点で凌ぐ。

しかし8回表には3四球で藤井は満塁のピンチを背負ってしまう。藤井は決してコントロールが悪いわけではなかったが、この大一番で慎重に行き過ぎたか、カウントを悪くしてしまい四球というパターンであった。藤井は東芝の2番小川にも四球を与えてしまい、押し出しとなったところで降板。ENEOSは3番手として江口をマウンドに送るも、東芝は3番金子がライトオーバーの2点タイムリー2ベース。さらには4番松本も連続タイムリーと続いて、この回一挙4得点をあげて、7-2とENEOSを突き放す。
20190622東芝 松本
トドメとなるタイムリーを放った東芝の4番松本

5点ものリードを奪うと、社会人でもNo1といえるほどの安定感をもつ岡野が投げていれば怖いものなし。岡野は結局最後まで投げ切って、2失点完投。東芝が7-2でENEOSを下して、西関東の第2代表として都市対抗出場決定。一方のENEOSは4連続で都市対抗出場を逃した。
20190529東芝
11年連続での都市対抗出場を決めた東芝ナイン



安定の戦いぶりで、これで11年連続の都市対抗出場を決めた東芝。その1番の要因はやはり、宮川と岡野の2本柱であろう。今年成長をとげた154㌔右腕の宮川がMHPS戦に先発し敗れてはしまったものの、これによりこの昨年は社会人日本代表のエースでもあった岡野がこの2戦目に残っていた。岡野は序盤は148㌔をマークしたストレートが多めであったが、中盤以降からはストレートは140㌔前後に抑えて、スライダー・カットボール・フォークなど持ち前の多彩な変化球と制球を重視した本来の岡野らしいピッチング。やはり東芝のエースは自分だと言わんばかりの見事な投球で、リリーフを仰ぐことなく2失点完投勝利をあげた。宮川も岡野も秋のドラフトでは指名される可能性が十分にあるために、この2枚看板の揃う今年の都市対抗は東芝にとって勝負の年となることだろう。
20190622東芝 岡野
見事9回2失点完投勝利をあげた東芝の岡野

一方のENEOSであるが、まるで呪いにかけられたかのように、西関東予選の代表決定リーグ7連敗、VS東芝は10連敗という不名誉な記録を更新してしまった。今年は2年連続で橋戸賞に輝くなど常勝期を支えた大城が勇退し1つの時代が終わり、代わりに元プロである青山(←巨人)・園部(←オリックス)が入団するなど変革の年であったが、フタを開けてみれば青山・園部は2人ともこの重要な1戦でスタメンに名を連ねることができなかった。代打で出場した青山はセンターフライに倒れ、岡野との聖光学院先輩後輩対決が期待された園部(岡野が3年でエースのとき、2年生の4番園部であった)に関しては出場すらなかった。
20190529ENEOS 青山
この試合では代打での出場のみとなった元巨人のENEOS青山

打線も打線であったが、敗退の1番の要因は2試合連続で逆転を許してしまったリリーフ陣であろう。この日2番手で登板した藤井は8回に3四球で満塁のピンチを背負ったにも関わらず、そのまま続投させると押し出しの四球。ここでやっと投手を交代するも、代わった江口でこの試合でも、東芝の流れを止めることができずに連続タイムリーを許してしまった。前日に先発した新人(藤井)や、前日に逆転ホームランを浴びた江口を登板させなければいけないあたちがENEOSの投手事情の苦しさを感じる。本来はリリーフエースであるはずの柏原・鈴木が本調子であり、この試合にも登板させることができれば試合展開は変わっていたかもしれない。ENEOSからはMHPSと東芝に3人ずつ、計6人の補強選手が選ばれることになるだろうが、1番補強した投手陣だと先発の大場と藤井のみで、本来1番欲しいリリーフ投手は選びづらい状況だ。
20190529ENEOS 藤井
前日の先発に続いて、この日はリリーフ登板を果たしたENEOSの藤井


Pickup Player
金子聖史 東芝 ファースト
~満塁で2本のタイムリー、計5打点の活躍~
今日の東芝は金子のバットで都市対抗への切符を手にしたといってもいいほど、5打点の金子の活躍は見事であった。

金子は飯塚高では1年秋から強打を武器に4番打者。当初はサードであったが、2年秋からはキャッチャーに転向すると、猿渡(大阪ガス)とのバッテリーで3年春には九州ベスト4。3年夏も全試合でマルチヒットを放ち、打率.600をマークするも、西日本短大付に敗れてベスト4止まり。高校時代に甲子園出場はならなかったが、高校通算24発のスラッガーとして注目されていたため、プロ志望届を提出するも指名漏れで九州共立大に進学する。九州共立大では1年秋に打率.424をマークして新人賞を受賞。以後九州共立大の中軸として活躍し、リーグ戦では通算100安打をマークし、首位打者2回・打点王1回・ベストナイン4度受賞と輝かしい成績を収めた。東芝では1年目の都市対抗で4番を務めていたが、その後はなかなか思うような成績を残せない時期もあり、ファーストとしては九州共立大の先輩の服部との併用も続いた。ただ服部から背番号3を受け継いだ今年は、3番に定着して成績をしっかりと残していた。

この試合でも3番ファーストでスタメン出場した金子は1・2打席と大場の力のあるストレートの前に内野ゴロに打ち取られる。しかし相手のエラーで1死満塁となって迎えた5回の第3打席では、初球のスライダーを捉えると右中間への大飛球を放ち、これが走者一掃の逆転タイムリー2ベースとなる。同じく満塁のチャンスで迎えた第5打席では、ENEOS江口の代わりっぱなをたたいてライトオーバーの2点タイムリー2ベース。いずれも逆方向にも大きな当たりを打てる金子らしいバッティングであった。結局この試合で金子は5打数2安打5打点と十分に中軸の仕事を果たし、チームを都市対抗出場に導いた。苦しい時期を経て、自分のバッティングを取り戻した東芝のスラッガーの打撃に都市対抗でも注目です。

20190622東芝 金子2
満塁で2本のタイムリーを放ち5打点をあげた東芝の3番金子



ランキングに参加しています。
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 社会人野球へ
にほんブログ村



テーマ : 社会人野球
ジャンル : スポーツ

最新記事
ランキング
おススメ
カレンダー
06 | 2019/07 | 08
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
カテゴリ
プロフィール

ぶるーたす

Author:ぶるーたす
高校野球~社会人野球までアマチュア野球なら何でも好きです

アクセスカウンター
月別アーカイブ
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

注目ブログ