5/30 東芝×MHPS横浜【都市対抗西関東予選】
今年も三つ巴の都市対抗関東予選。東芝・JX-ENEOS・MHPS横浜の3チームのうち2チームが本線出場となります。その2チームを決めるための2次予選のリーグ初戦を横浜スタジアムまで見に行ってきました。天気予報とは裏腹にやむことのない小雨が降りしきる中での試合です。
スタメン
東芝
MHPS横浜
試合経過
1回裏、MHPS横浜は先頭の中西が四球で出塁してチャンスを作ると、4番:常道が谷岡の145㌔のストレートをライト線に弾き返し、3ベース。MHPS横浜が4番の一振りで先制します。(東0-1M)
4回裏、先頭の竹内がレフトオーバーの2ベースで出塁し、常道の進塁打で1死3塁。ここで5番:対馬がセンター前ヒットを放ち、MHPSがリードを広げます。(東0-2M)
MHPS横浜の先発:大野はキレのいいストレートとカットボール・スライダーを駆使したピッチング。1・2回のピンチをともに併殺打でしのぐと、3・4回はともに三者凡退。5回にも1死満塁のピンチを背負うも小川を三振、堀米をレフトフライに打ち取り、前半を無失点で切り抜ける。(東0-2M)
グランド整備が終わった6回表、東芝はこの回先頭の服部にホームランが飛び出し初得点。さらに2四球でチャンスを作るなど、ややペースの落ちた大野を攻め立てます。(東0-2M)
7回表、MHPS横浜は大野から2年目のサウスポー松田(奈良大附→近畿大)にスイッチ。しかしこの松田が小川のヒットなどで2死2塁のピンチを招くと、服部・金子に連続2ベースを浴びて、一気に逆転を許してしまう。(東3-2M)
この打撃陣に応えるように東芝先発の谷岡は5~7回を3人ずつで抑える。すると8回表、MHPSの3番手:トクナガ(アメリカ)が四球とバントで2死2塁のピンチを背負うと、9番:大河原の打球を処理したサード竹内の送球が逸れる。1塁がセーフとなり、この間に一気にセカンドランナーがホームインして、東芝が勢いそのままにノーヒットで追加点をあげる。(東4-2M)
9回裏、MHPS横浜は1死から対馬のソロホームランで1点差と迫るも、続く久保は三振に倒れ2死ランナー無し。そこから主将の村山が意地の2ベースで望みをつなぐと、次のバッターは9回表からマスクをかぶっていた小野寺(関東一→朝日大)。小野寺は完投勝利目前の谷岡の球を弾き返すと、これがセンターフェンス直撃の3ベース。MHPS横浜が土壇場で同点に追いつきます。さらに押せ押せムードのMHPS横浜は、同じく途中出場の五十嵐(新潟明訓→立教大)が1・2塁間を破りサヨナラ☆MHPS横浜が土壇場での大逆転で5-4で東芝に勝利しました。

ホームランを含む4安打2打点の東芝:服部

6回1失点と好投したMHPS横浜先発の新人:大野

サヨナラ打を放ったMHPS横浜:五十嵐
スコア
東芝

MHPS横浜

Topic
野球の流れとは不思議なもの
序盤はランナーを出すものの、併殺打などでチャンスをモノにできない東芝、得点圏にランナーを進めたのは2回だけだが、その2回で得点をあげたMHPS横浜という構図で流れはまさにMHPS横浜にあった。
それがグランド整備が終わると、先頭の服部がホームランを放つなど一気に東芝に。逆転した上に、谷岡はどんどん調子を上げる、さらに相手のエラーで追加点と流れは完全に東芝のものとなり、MHPS横浜には単に2点という点差以上の厳しさがあった。
そんな状態なので9回に対馬がソロホームランを放っても、流れはまったく来る気がしなかった。谷岡に疲れも少しは見え始めていたが、続く久保を三振にとるなど完投勝利に向けての力は十分であった。しかしそんなところで、いきなり流れは一気にMHPS横浜へ戻り、3連打で逆転サヨナラ勝ち。
「野球の神様ってつくづく気まぐれだな~」と思わせる、そんな試合であった。
雨の中、見事に投げ抜いた谷岡
東芝のエース:谷岡。最後はサヨナラ打を浴び、マウンドで呆然としていた姿が印象的であったが、この日のピッチングはなかなか素晴らしいものであった。雨が降り、やや肌寒いなか半袖で登場した右腕は、その見た目通りの気合の入ったピッチングを見せる。ストレートはMaxは145㌔止まりも、140㌔を下回る球がほとんどない。昨年までのように力を入れなくても、腕をコンパクトに振り抜くことでスピードを出せていることが、このコンスタントに球速を出せている要因のように見えた。
初回に相手4番の常道に全球すストレート勝負でタイムリーを浴びると、以後は130㌔を超えるスライダーでカウントを稼ぎ、ストレートで勝負するというピッチング。この勝負のストレートは来ると分かっていも、なかなかとらえることができず、差し込まれる傾向にあった。
最後の8・9回はやや疲れが見えたが、それでもこの雨のなか145球を投げ抜いた姿はまさにエースのピッチングであった。今年解禁のドラフトでの指名も大いにあり得るだろう。ただ東芝としては、疲れが見ても最後までこのエースに託すしかなかった、リリーフの陣容は今後の大きな課題であろう。
生まれ変わったMHPA横浜、だが最後に決めたのは…
昨年は2大大会の出場を逃したMHPS横浜。チームの中心であった佐々木が長崎重工に移籍するなどベテラン勢がチームを抜け、このチームにしては多い5人の新人が加わった。その中で先発の大野・6番の久保がスタメンに名を連ね、4番の常道も2年目と若い布陣に生まれ変わった。
しかし試合を決めたのは、28歳ながらチーム最年長野手となった五十嵐であった。勢いのある若手を、ここ1番というをきはベテラン勢が支えるという形の今年のMHPS横浜。都市対抗に王手をかけた次戦も楽しみです。

Pickup Player
小野寺颯人 MHPS横浜 キャッチャー
~土壇場で新人が果たした大仕事~
8回に前田に代打が出た関係で9回からマスクを被った新人の小野寺。関東一高では1個下の秋山(立教大4年)・伊藤大(立正大4年)らとともに3年春にセンバツ出場、夏は4番キャッチャーとしてチームを引っ張るも伊藤拓(群馬ダイヤモンドペガサス)・松本(日本ハム)らの帝京に決勝で敗れた。東京から岐阜の朝日大に進学すると、そこでタイトルを総なめし、今年からMHPS横浜に入団した。
そんな小野寺に9回2死2塁、1打同点だが打たなければ負けという緊迫した場面で打順が回ってきた。正直守備で入った新人には重すぎる場面だ。しかしMHPS横浜はキャッチャーが3人しかおらず、前田はもう引っ込み、対馬はDHという状況で、ベンチにもうキャッチャーは残っていない。そんな状況もあり小野寺はこの場面でそのまま打席に向かうと、谷岡の2球目を捉えセンターのフェンス直撃打を放つ。ヘッドスライディングで3塁を陥れると、新人らしくそのまま手足をバタバタさせて大喜びした。
そして続く五十嵐のサヨナラ打に繋がるのだが、この試合で1番の仕事を果たしのはこの小野寺であろう。今日の試合だとリード面はまだよくわからないが、経験豊富な前田、昨年は補強選手としてJX-ENOSの補強され都市対抗でスタメン出場した対馬と実力者の揃うMHPS横浜の正捕手争いが3人になろうとしている。

9回2死から同点打を放ったMHPS横浜の新人:小野寺
スタメン
東芝
CF | 小川 | 八王子 | 上武大 | 27 |
SS | 堀米 | 久慈東 | 白鴎大 | 0 |
1B | 服部 | 九州産業 | 九州共立大 | 3 |
DH | 金子 | 飯塚 | 九州共立大 | 23 |
2B | 吉田 | 岡山理大附 | 10 | |
LF | 佐藤旭 | 慶応 | 慶応大 | 26 |
3B | 松本 | 横浜 | 立教大 | 7 |
C | 井川 | 土浦日大 | 城西大 | 2 |
RF | 大河原 | 横浜 | 亜細亜大 | 1 |
P | 谷岡 | 成立学園 | 29 |
MHPS横浜
CF | 中西 | 横浜創学館 | 八戸大 | 6 |
SS | 栗林 | 横浜商大 | 日体大 | 0 |
3B | 竹内 | 日大三 | 明治大 | 3 |
RF | 常道 | 東海大菅生 | 東海大 | 13 |
DH | 対馬 | 駒大苫小牧 | 九州共立大 | 22 |
2B | 久保 | 佐賀商 | 富士大 | 1 |
1B | 村山 | 常葉菊川 | 5 | |
C | 前田 | 米子西 | 立教大 | 23 |
LF | 園田 | 帝京 | 国際武道大 | 27 |
P | 大野 | 星稜 | 専修大 | 17 |
試合経過
1回裏、MHPS横浜は先頭の中西が四球で出塁してチャンスを作ると、4番:常道が谷岡の145㌔のストレートをライト線に弾き返し、3ベース。MHPS横浜が4番の一振りで先制します。(東0-1M)
4回裏、先頭の竹内がレフトオーバーの2ベースで出塁し、常道の進塁打で1死3塁。ここで5番:対馬がセンター前ヒットを放ち、MHPSがリードを広げます。(東0-2M)
MHPS横浜の先発:大野はキレのいいストレートとカットボール・スライダーを駆使したピッチング。1・2回のピンチをともに併殺打でしのぐと、3・4回はともに三者凡退。5回にも1死満塁のピンチを背負うも小川を三振、堀米をレフトフライに打ち取り、前半を無失点で切り抜ける。(東0-2M)
グランド整備が終わった6回表、東芝はこの回先頭の服部にホームランが飛び出し初得点。さらに2四球でチャンスを作るなど、ややペースの落ちた大野を攻め立てます。(東0-2M)
7回表、MHPS横浜は大野から2年目のサウスポー松田(奈良大附→近畿大)にスイッチ。しかしこの松田が小川のヒットなどで2死2塁のピンチを招くと、服部・金子に連続2ベースを浴びて、一気に逆転を許してしまう。(東3-2M)
この打撃陣に応えるように東芝先発の谷岡は5~7回を3人ずつで抑える。すると8回表、MHPSの3番手:トクナガ(アメリカ)が四球とバントで2死2塁のピンチを背負うと、9番:大河原の打球を処理したサード竹内の送球が逸れる。1塁がセーフとなり、この間に一気にセカンドランナーがホームインして、東芝が勢いそのままにノーヒットで追加点をあげる。(東4-2M)
9回裏、MHPS横浜は1死から対馬のソロホームランで1点差と迫るも、続く久保は三振に倒れ2死ランナー無し。そこから主将の村山が意地の2ベースで望みをつなぐと、次のバッターは9回表からマスクをかぶっていた小野寺(関東一→朝日大)。小野寺は完投勝利目前の谷岡の球を弾き返すと、これがセンターフェンス直撃の3ベース。MHPS横浜が土壇場で同点に追いつきます。さらに押せ押せムードのMHPS横浜は、同じく途中出場の五十嵐(新潟明訓→立教大)が1・2塁間を破りサヨナラ☆MHPS横浜が土壇場での大逆転で5-4で東芝に勝利しました。

ホームランを含む4安打2打点の東芝:服部

6回1失点と好投したMHPS横浜先発の新人:大野

サヨナラ打を放ったMHPS横浜:五十嵐
スコア
東芝

MHPS横浜

Topic
野球の流れとは不思議なもの
序盤はランナーを出すものの、併殺打などでチャンスをモノにできない東芝、得点圏にランナーを進めたのは2回だけだが、その2回で得点をあげたMHPS横浜という構図で流れはまさにMHPS横浜にあった。
それがグランド整備が終わると、先頭の服部がホームランを放つなど一気に東芝に。逆転した上に、谷岡はどんどん調子を上げる、さらに相手のエラーで追加点と流れは完全に東芝のものとなり、MHPS横浜には単に2点という点差以上の厳しさがあった。
そんな状態なので9回に対馬がソロホームランを放っても、流れはまったく来る気がしなかった。谷岡に疲れも少しは見え始めていたが、続く久保を三振にとるなど完投勝利に向けての力は十分であった。しかしそんなところで、いきなり流れは一気にMHPS横浜へ戻り、3連打で逆転サヨナラ勝ち。
「野球の神様ってつくづく気まぐれだな~」と思わせる、そんな試合であった。
雨の中、見事に投げ抜いた谷岡
東芝のエース:谷岡。最後はサヨナラ打を浴び、マウンドで呆然としていた姿が印象的であったが、この日のピッチングはなかなか素晴らしいものであった。雨が降り、やや肌寒いなか半袖で登場した右腕は、その見た目通りの気合の入ったピッチングを見せる。ストレートはMaxは145㌔止まりも、140㌔を下回る球がほとんどない。昨年までのように力を入れなくても、腕をコンパクトに振り抜くことでスピードを出せていることが、このコンスタントに球速を出せている要因のように見えた。
初回に相手4番の常道に全球すストレート勝負でタイムリーを浴びると、以後は130㌔を超えるスライダーでカウントを稼ぎ、ストレートで勝負するというピッチング。この勝負のストレートは来ると分かっていも、なかなかとらえることができず、差し込まれる傾向にあった。
最後の8・9回はやや疲れが見えたが、それでもこの雨のなか145球を投げ抜いた姿はまさにエースのピッチングであった。今年解禁のドラフトでの指名も大いにあり得るだろう。ただ東芝としては、疲れが見ても最後までこのエースに託すしかなかった、リリーフの陣容は今後の大きな課題であろう。
生まれ変わったMHPA横浜、だが最後に決めたのは…
昨年は2大大会の出場を逃したMHPS横浜。チームの中心であった佐々木が長崎重工に移籍するなどベテラン勢がチームを抜け、このチームにしては多い5人の新人が加わった。その中で先発の大野・6番の久保がスタメンに名を連ね、4番の常道も2年目と若い布陣に生まれ変わった。
しかし試合を決めたのは、28歳ながらチーム最年長野手となった五十嵐であった。勢いのある若手を、ここ1番というをきはベテラン勢が支えるという形の今年のMHPS横浜。都市対抗に王手をかけた次戦も楽しみです。

Pickup Player
小野寺颯人 MHPS横浜 キャッチャー
~土壇場で新人が果たした大仕事~
8回に前田に代打が出た関係で9回からマスクを被った新人の小野寺。関東一高では1個下の秋山(立教大4年)・伊藤大(立正大4年)らとともに3年春にセンバツ出場、夏は4番キャッチャーとしてチームを引っ張るも伊藤拓(群馬ダイヤモンドペガサス)・松本(日本ハム)らの帝京に決勝で敗れた。東京から岐阜の朝日大に進学すると、そこでタイトルを総なめし、今年からMHPS横浜に入団した。
そんな小野寺に9回2死2塁、1打同点だが打たなければ負けという緊迫した場面で打順が回ってきた。正直守備で入った新人には重すぎる場面だ。しかしMHPS横浜はキャッチャーが3人しかおらず、前田はもう引っ込み、対馬はDHという状況で、ベンチにもうキャッチャーは残っていない。そんな状況もあり小野寺はこの場面でそのまま打席に向かうと、谷岡の2球目を捉えセンターのフェンス直撃打を放つ。ヘッドスライディングで3塁を陥れると、新人らしくそのまま手足をバタバタさせて大喜びした。
そして続く五十嵐のサヨナラ打に繋がるのだが、この試合で1番の仕事を果たしのはこの小野寺であろう。今日の試合だとリード面はまだよくわからないが、経験豊富な前田、昨年は補強選手としてJX-ENOSの補強され都市対抗でスタメン出場した対馬と実力者の揃うMHPS横浜の正捕手争いが3人になろうとしている。

9回2死から同点打を放ったMHPS横浜の新人:小野寺
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