横浜×桐光学園【神奈川大会】
日程が1日遅れたために土曜日にやってきた神奈川の準決勝。11:00開始の第1試合に対して9:50には球場についたものの、そこから長蛇の列…。結局球場に入れたのは10:30過ぎという有様で、今年も神奈川の高校野球熱を体感してきました。
そんな準決勝の第2試合、昨年の準決勝と同じ顔触れとなった横浜×桐光学園をレポートします。
スタメン
横浜
桐光学園
試合経過
1回表、横浜はこの準決勝でもスタメン起用されたトップバッターの1年生斎藤がライト前ヒットで出塁。遠藤が送った後、立ち上がり制球の定まらない大工原が3・4番に連続四球を与えて満塁となります。5番石川はそこを逃さずにタイムリーを放ちまず1点、続く公家も犠牲フライを放ち、横浜が2点を先制します。(横2-0桐)
1回裏、桐光学園はトップバッターの渡邊が内野安打で出塁、バントで送ります。横浜の先発石川も立ち上がりはボールが浮き気味で、3番延命は四球。4番中川はその浮いた高めの球を捉えると打球はレフトスタンドに吸い込まれる3ラン。桐光学園が初回で早くも逆転に成功します。(横2-3桐)
2回表、この回先頭の福永にソロホームランが飛び出し、横浜が同点に追いつきます。(横3-3桐)
3回表、先頭の村田が死球で出塁すると、新4番増田がレフト線への2ベースを放ち、村田が生還して勝ち越しに成功。さらに続く石川のバントをサードが処理するものの、ハーフバウンドとなった送球をファースト中川が取れずに、増田生還で追加点。ここで桐光学園はマウンドにエースの中川を送り、続く無死2塁のピンチは防ぎます。(横5-3桐)
6回表、2死1塁でバッターは3番の村田。カウント3B0Sからの4球目を打ちあげてしまったと思いきや、打球は伸びてギリギリレフトフェンスを越えます。村田の2ランで横浜がリードを広げます。(横7-3桐)
7回裏、初回の得点以降2~6回は石川にパーフェクトに抑えられていた投稿学園ですが、先頭の中川がセンター前ヒット。外野が後ろを守っていたせいもあり、打った中川は一気に2塁を陥れます。続く清水初球を左中間に弾き返して、投稿学園が1点を返します。しかし続く無死2塁のチャンスは生かせずに、この回の反撃は1点止まり。(横7-4桐)
8回表、2死から戸堀(3年)が四球→遠藤のヒットで1・2塁のチャンスを作ります。続く村田の打球は強烈でセカンドがこれをはじきます(記録は強襲ヒット)。この間に戸堀が一気に生還して、横浜がダメ押しの1点をあげます。(横8-4桐)
横浜は8回裏からエース藤平が登板。Max152㌔のストレートを武器に2回無失点。横浜が8-4で桐光学園を下して、決勝進出です。

1回裏に3ランを放った中川

3打数3安打3打点の活躍の村田

先発の石川は2~6回は投稿学園打線をパーフェクトに抑えた
スコア
横浜

桐光学園

Topic
余裕の横浜は藤平温存
といっても先発が石川だったことをそういっているわけではない。次の日が決勝なので、左打者が6人並ぶ桐光学園に対して、Wエースと言われる左腕の石川が先発することには何の疑問も感じない。温存して「えっ?」と思ったのは野手の藤平だ。
藤平は準々決勝の横浜隼人戦で4安打2ホーマー7打点の大暴れ。投げないときは当然のようにライトの守備についていました。まぁ次の日決勝で先発なんで、炎天下のライトにいないで、ベンチにいたほうがいいと言えば、それまでですが、前の試合7打点の野手を温存するって聞いたことないですよねwそれが成せるほど今年の横浜の選手層(特に外野が)が、高校野球としては群を抜くレベルにあるということです。
また戸堀でなく、1年生の斎藤をスタメン起用したことも、真意は分からないですが、余裕の表れなのかなとも思いました。

8回からリリーフ登板した藤平
ハイレベルな正捕手争い
今年の横浜で唯一レギュラーが確定していないのがキャッチャー。秋は福永が、春は徳田(3年)が背番号2をつけました。2人とも大型捕手というタイプでなく、打順も8であるようにバッティングというよりは守備に秀でていて、強肩の福永VS昨年からの経験もありリードのよい徳田という構図でした。この夏もこの試合を含めて福永が3試合、徳田が2試合スタメン出場となっています。(一説には藤平先発のときには徳田、石川先発のときには福永という話もありますが、例外もあるので確証は得られず…)
守備に重きをおいて、そんなプロのような使い方をされているキャッチャー2人ですが、前の横浜隼人戦では徳田が3ランを放つ活躍。徳田が1つ抜けたように思いましたが、この準決勝では福永が先発出場すると、こちらも2回の第1打席で同点ホームラン。相手のレベル、打った展開といいともに素晴らしいホームランでした。
打撃も向上で、さらに熾烈を極める横浜の正捕手争い。次の試合もどちらがスタメンか楽しみです。

2回に同点弾を放った福永
孤軍奮闘の中川
秋・春と県内では負けなしの王者横浜に対して、5安打とスコア以上に圧倒されてしまった桐光学園。昨年の準決勝のリベンジはならなかった。そんな中で孤軍奮闘したのはエースで4番の中川。
まず打っては3安打3打点で、桐光学園の4得点には全て絡む活躍。その3安打もホームラン・二塁打・三塁打と全て長打でした。特に初回の逆転3ランは値千金で、逆方向であるレフトスタンドに飛び込んだホームランは、技術とパワーが揃った素晴らしい打球でした。
投げては3回途中からリリーフ登板。最後まで投げぬいて7回を3失点という結果。この結果だけ見えると、悪くはないが…という印象を受けるが、今の高校野球界に横浜をこれだけ抑えられる投手がどれだけいるだろうという話だ。増してや1年時からずっと登板している中川で、アンダスロースローといえども研究しつくされている中でこの結果は立派ともいえる。
桐光学園としては実力・実績ともに今年の神奈川では横浜に次ぐもののを持ちながらも、投打に中川頼みという課題を克服できなかったのが、甲子園に出場できなかった原因である。特にU-15時代には藤平とバッテリーを組んでいて、新チームの4番として期待されていた大坪が最終的には8番を打っているあたりが痛い。ただこの日はスタメンのうち5人が2年生だったこともあり、新チームには是非とも期待したい。また中川については前にも書いたが、強打のアンダースローという今までにいない逸材で、今後はどちらを中心にやっていくのかは注目だ。プロでなく大学進学ならアンダースローの異色二刀流というのも大いにあり得そうだ。

3回からリリーフした中川は9回まで横浜打線を3点に抑えた
Pickup Player
増田珠 横浜2年生 外野手
復活して横浜の新4番に
今年の横浜は万波(1年)がスーパー1年生として騒がれているが、昨年のスーパー1年生がこの増田。U-15日本代表で主将兼4番を務めた逸材は、昨夏も1番or3番としては神奈川準優勝に大いに貢献しました。
そんな増田ですが、昨秋から痛めていた手首の手術にこの春踏み切り、春はベンチ外。打撃練習を再開したのは6月の中旬で、選手名簿にはまだ登録されていない状態であった。しかし大会が開幕すると背番号8をつけ(向川原はケガでもしたのかな?)、全試合に先発出場。主に3番打者として活躍すると、村田が前の試合で抑えられたからか?桐光学園投手陣との相性の問題か?、この日は4番でスタメン出場しました。
4番としての最大の見せ場は3回の第2打席。同点で無死1塁という場面ですが、バントのサインはなく、そのまま打つと、見事に3塁線を破る2ベースで勝ち越し点(決勝点)をあげます。その後の3打席は凡退してしまいましたが、ランナー1塁から1打で得点をあげられるというのは1つ4番としての大きな要素だと個人的には思っています。
この試合で前の試合まで4番だった村田が、2ランを含む3打数3安打3打点と活躍。4番復帰は濃厚ですが、増田もまだケガ明けでよくなる可能性は大いにあります。この増田と村田の4番争いを繰り広げられれば、横浜打線はさらに強固なものになるでしょう。

この試合4番に座り決勝点となるタイムリーも放った増田
そんな準決勝の第2試合、昨年の準決勝と同じ顔触れとなった横浜×桐光学園をレポートします。
スタメン
横浜
2B | 齋藤 | ① | 14 |
3B | 遠藤 | ③ | 6 |
LF | 村田 | ③ | 7 |
CF | 増田 | ② | 8 |
P | 石川 | ③ | 10 |
1B | 公家 | ③ | 5 |
RF | 松井 | ③ | 9 |
C | 福永 | ② | 12 |
SS | 渡辺 | ② | 16 |
桐光学園
2B | 渡辺 | ② | 4 |
CF | 渡部 | ② | 8 |
LF | 延命 | ③ | 7 |
1B | 中川 | ③ | 1 |
3B | 清水 | ③ | 5 |
RF | 齋藤 | ② | 9 |
SS | 逢澤 | ② | 6 |
C | 大坪 | ③ | 2 |
P | 大工原 | ② | 13 |
試合経過
1回表、横浜はこの準決勝でもスタメン起用されたトップバッターの1年生斎藤がライト前ヒットで出塁。遠藤が送った後、立ち上がり制球の定まらない大工原が3・4番に連続四球を与えて満塁となります。5番石川はそこを逃さずにタイムリーを放ちまず1点、続く公家も犠牲フライを放ち、横浜が2点を先制します。(横2-0桐)
1回裏、桐光学園はトップバッターの渡邊が内野安打で出塁、バントで送ります。横浜の先発石川も立ち上がりはボールが浮き気味で、3番延命は四球。4番中川はその浮いた高めの球を捉えると打球はレフトスタンドに吸い込まれる3ラン。桐光学園が初回で早くも逆転に成功します。(横2-3桐)
2回表、この回先頭の福永にソロホームランが飛び出し、横浜が同点に追いつきます。(横3-3桐)
3回表、先頭の村田が死球で出塁すると、新4番増田がレフト線への2ベースを放ち、村田が生還して勝ち越しに成功。さらに続く石川のバントをサードが処理するものの、ハーフバウンドとなった送球をファースト中川が取れずに、増田生還で追加点。ここで桐光学園はマウンドにエースの中川を送り、続く無死2塁のピンチは防ぎます。(横5-3桐)
6回表、2死1塁でバッターは3番の村田。カウント3B0Sからの4球目を打ちあげてしまったと思いきや、打球は伸びてギリギリレフトフェンスを越えます。村田の2ランで横浜がリードを広げます。(横7-3桐)
7回裏、初回の得点以降2~6回は石川にパーフェクトに抑えられていた投稿学園ですが、先頭の中川がセンター前ヒット。外野が後ろを守っていたせいもあり、打った中川は一気に2塁を陥れます。続く清水初球を左中間に弾き返して、投稿学園が1点を返します。しかし続く無死2塁のチャンスは生かせずに、この回の反撃は1点止まり。(横7-4桐)
8回表、2死から戸堀(3年)が四球→遠藤のヒットで1・2塁のチャンスを作ります。続く村田の打球は強烈でセカンドがこれをはじきます(記録は強襲ヒット)。この間に戸堀が一気に生還して、横浜がダメ押しの1点をあげます。(横8-4桐)
横浜は8回裏からエース藤平が登板。Max152㌔のストレートを武器に2回無失点。横浜が8-4で桐光学園を下して、決勝進出です。

1回裏に3ランを放った中川

3打数3安打3打点の活躍の村田

先発の石川は2~6回は投稿学園打線をパーフェクトに抑えた
スコア
横浜

桐光学園

Topic
余裕の横浜は藤平温存
といっても先発が石川だったことをそういっているわけではない。次の日が決勝なので、左打者が6人並ぶ桐光学園に対して、Wエースと言われる左腕の石川が先発することには何の疑問も感じない。温存して「えっ?」と思ったのは野手の藤平だ。
藤平は準々決勝の横浜隼人戦で4安打2ホーマー7打点の大暴れ。投げないときは当然のようにライトの守備についていました。まぁ次の日決勝で先発なんで、炎天下のライトにいないで、ベンチにいたほうがいいと言えば、それまでですが、前の試合7打点の野手を温存するって聞いたことないですよねwそれが成せるほど今年の横浜の選手層(特に外野が)が、高校野球としては群を抜くレベルにあるということです。
また戸堀でなく、1年生の斎藤をスタメン起用したことも、真意は分からないですが、余裕の表れなのかなとも思いました。

8回からリリーフ登板した藤平
ハイレベルな正捕手争い
今年の横浜で唯一レギュラーが確定していないのがキャッチャー。秋は福永が、春は徳田(3年)が背番号2をつけました。2人とも大型捕手というタイプでなく、打順も8であるようにバッティングというよりは守備に秀でていて、強肩の福永VS昨年からの経験もありリードのよい徳田という構図でした。この夏もこの試合を含めて福永が3試合、徳田が2試合スタメン出場となっています。(一説には藤平先発のときには徳田、石川先発のときには福永という話もありますが、例外もあるので確証は得られず…)
守備に重きをおいて、そんなプロのような使い方をされているキャッチャー2人ですが、前の横浜隼人戦では徳田が3ランを放つ活躍。徳田が1つ抜けたように思いましたが、この準決勝では福永が先発出場すると、こちらも2回の第1打席で同点ホームラン。相手のレベル、打った展開といいともに素晴らしいホームランでした。
打撃も向上で、さらに熾烈を極める横浜の正捕手争い。次の試合もどちらがスタメンか楽しみです。

2回に同点弾を放った福永
孤軍奮闘の中川
秋・春と県内では負けなしの王者横浜に対して、5安打とスコア以上に圧倒されてしまった桐光学園。昨年の準決勝のリベンジはならなかった。そんな中で孤軍奮闘したのはエースで4番の中川。
まず打っては3安打3打点で、桐光学園の4得点には全て絡む活躍。その3安打もホームラン・二塁打・三塁打と全て長打でした。特に初回の逆転3ランは値千金で、逆方向であるレフトスタンドに飛び込んだホームランは、技術とパワーが揃った素晴らしい打球でした。
投げては3回途中からリリーフ登板。最後まで投げぬいて7回を3失点という結果。この結果だけ見えると、悪くはないが…という印象を受けるが、今の高校野球界に横浜をこれだけ抑えられる投手がどれだけいるだろうという話だ。増してや1年時からずっと登板している中川で、アンダスロースローといえども研究しつくされている中でこの結果は立派ともいえる。
桐光学園としては実力・実績ともに今年の神奈川では横浜に次ぐもののを持ちながらも、投打に中川頼みという課題を克服できなかったのが、甲子園に出場できなかった原因である。特にU-15時代には藤平とバッテリーを組んでいて、新チームの4番として期待されていた大坪が最終的には8番を打っているあたりが痛い。ただこの日はスタメンのうち5人が2年生だったこともあり、新チームには是非とも期待したい。また中川については前にも書いたが、強打のアンダースローという今までにいない逸材で、今後はどちらを中心にやっていくのかは注目だ。プロでなく大学進学ならアンダースローの異色二刀流というのも大いにあり得そうだ。

3回からリリーフした中川は9回まで横浜打線を3点に抑えた
Pickup Player
増田珠 横浜2年生 外野手
復活して横浜の新4番に
今年の横浜は万波(1年)がスーパー1年生として騒がれているが、昨年のスーパー1年生がこの増田。U-15日本代表で主将兼4番を務めた逸材は、昨夏も1番or3番としては神奈川準優勝に大いに貢献しました。
そんな増田ですが、昨秋から痛めていた手首の手術にこの春踏み切り、春はベンチ外。打撃練習を再開したのは6月の中旬で、選手名簿にはまだ登録されていない状態であった。しかし大会が開幕すると背番号8をつけ(向川原はケガでもしたのかな?)、全試合に先発出場。主に3番打者として活躍すると、村田が前の試合で抑えられたからか?桐光学園投手陣との相性の問題か?、この日は4番でスタメン出場しました。
4番としての最大の見せ場は3回の第2打席。同点で無死1塁という場面ですが、バントのサインはなく、そのまま打つと、見事に3塁線を破る2ベースで勝ち越し点(決勝点)をあげます。その後の3打席は凡退してしまいましたが、ランナー1塁から1打で得点をあげられるというのは1つ4番としての大きな要素だと個人的には思っています。
この試合で前の試合まで4番だった村田が、2ランを含む3打数3安打3打点と活躍。4番復帰は濃厚ですが、増田もまだケガ明けでよくなる可能性は大いにあります。この増田と村田の4番争いを繰り広げられれば、横浜打線はさらに強固なものになるでしょう。

この試合4番に座り決勝点となるタイムリーも放った増田
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