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横浜×桐光学園【神奈川大会】

日程が1日遅れたために土曜日にやってきた神奈川の準決勝。11:00開始の第1試合に対して9:50には球場についたものの、そこから長蛇の列…。結局球場に入れたのは10:30過ぎという有様で、今年も神奈川の高校野球熱を体感してきました。

そんな準決勝の第2試合、昨年の準決勝と同じ顔触れとなった横浜×桐光学園をレポートします。

スタメン

横浜
2B 齋藤 14
3B 遠藤 6
LF 村田 7
CF 増田 8
P 石川 10
1B 公家 5
RF 松井 9
C 福永 12
SS 渡辺 16


桐光学園
2B 渡辺 4
CF 渡部 8
LF 延命 7
1B 中川 1
3B 清水 5
RF 齋藤 9
SS 逢澤 6
C 大坪 2
P 大工原 13


試合経過

1回表、横浜はこの準決勝でもスタメン起用されたトップバッターの1年生斎藤がライト前ヒットで出塁。遠藤が送った後、立ち上がり制球の定まらない大工原が3・4番に連続四球を与えて満塁となります。5番石川はそこを逃さずにタイムリーを放ちまず1点、続く公家も犠牲フライを放ち、横浜が2点を先制します。(横2-0桐)

1回裏、桐光学園はトップバッターの渡邊が内野安打で出塁、バントで送ります。横浜の先発石川も立ち上がりはボールが浮き気味で、3番延命は四球。4番中川はその浮いた高めの球を捉えると打球はレフトスタンドに吸い込まれる3ラン。桐光学園が初回で早くも逆転に成功します。(横2-3桐)

2回表、この回先頭の福永にソロホームランが飛び出し、横浜が同点に追いつきます。(横3-3桐)

3回表、先頭の村田が死球で出塁すると、新4番増田がレフト線への2ベースを放ち、村田が生還して勝ち越しに成功。さらに続く石川のバントをサードが処理するものの、ハーフバウンドとなった送球をファースト中川が取れずに、増田生還で追加点。ここで桐光学園はマウンドにエースの中川を送り、続く無死2塁のピンチは防ぎます。(横5-3桐)

6回表、2死1塁でバッターは3番の村田。カウント3B0Sからの4球目を打ちあげてしまったと思いきや、打球は伸びてギリギリレフトフェンスを越えます。村田の2ランで横浜がリードを広げます。(横7-3桐)

7回裏、初回の得点以降2~6回は石川にパーフェクトに抑えられていた投稿学園ですが、先頭の中川がセンター前ヒット。外野が後ろを守っていたせいもあり、打った中川は一気に2塁を陥れます。続く清水初球を左中間に弾き返して、投稿学園が1点を返します。しかし続く無死2塁のチャンスは生かせずに、この回の反撃は1点止まり。(横7-4桐)

8回表、2死から戸堀(3年)が四球→遠藤のヒットで1・2塁のチャンスを作ります。続く村田の打球は強烈でセカンドがこれをはじきます(記録は強襲ヒット)。この間に戸堀が一気に生還して、横浜がダメ押しの1点をあげます。(横8-4桐)

横浜は8回裏からエース藤平が登板。Max152㌔のストレートを武器に2回無失点。横浜が8-4で桐光学園を下して、決勝進出です。


20160730桐光学園 中川1
1回裏に3ランを放った中川

20160730横浜 村田
3打数3安打3打点の活躍の村田

20160730横浜 石川

先発の石川は2~6回は投稿学園打線をパーフェクトに抑えた

スコア

横浜
20160730横浜スコア

桐光学園
20160730桐光スコア


Topic
余裕の横浜は藤平温存
といっても先発が石川だったことをそういっているわけではない。次の日が決勝なので、左打者が6人並ぶ桐光学園に対して、Wエースと言われる左腕の石川が先発することには何の疑問も感じない。温存して「えっ?」と思ったのは野手の藤平だ。

藤平は準々決勝の横浜隼人戦で4安打2ホーマー7打点の大暴れ。投げないときは当然のようにライトの守備についていました。まぁ次の日決勝で先発なんで、炎天下のライトにいないで、ベンチにいたほうがいいと言えば、それまでですが、前の試合7打点の野手を温存するって聞いたことないですよねwそれが成せるほど今年の横浜の選手層(特に外野が)が、高校野球としては群を抜くレベルにあるということです。

また戸堀でなく、1年生の斎藤をスタメン起用したことも、真意は分からないですが、余裕の表れなのかなとも思いました。

20160730横浜 藤平
8回からリリーフ登板した藤平


ハイレベルな正捕手争い
今年の横浜で唯一レギュラーが確定していないのがキャッチャー。秋は福永が、春は徳田(3年)が背番号2をつけました。2人とも大型捕手というタイプでなく、打順も8であるようにバッティングというよりは守備に秀でていて、強肩の福永VS昨年からの経験もありリードのよい徳田という構図でした。この夏もこの試合を含めて福永が3試合、徳田が2試合スタメン出場となっています。(一説には藤平先発のときには徳田、石川先発のときには福永という話もありますが、例外もあるので確証は得られず…)

守備に重きをおいて、そんなプロのような使い方をされているキャッチャー2人ですが、前の横浜隼人戦では徳田が3ランを放つ活躍。徳田が1つ抜けたように思いましたが、この準決勝では福永が先発出場すると、こちらも2回の第1打席で同点ホームラン。相手のレベル、打った展開といいともに素晴らしいホームランでした。

打撃も向上で、さらに熾烈を極める横浜の正捕手争い。次の試合もどちらがスタメンか楽しみです。

20160730横浜 福永
2回に同点弾を放った福永


孤軍奮闘の中川
秋・春と県内では負けなしの王者横浜に対して、5安打とスコア以上に圧倒されてしまった桐光学園。昨年の準決勝のリベンジはならなかった。そんな中で孤軍奮闘したのはエースで4番の中川。

まず打っては3安打3打点で、桐光学園の4得点には全て絡む活躍。その3安打もホームラン・二塁打・三塁打と全て長打でした。特に初回の逆転3ランは値千金で、逆方向であるレフトスタンドに飛び込んだホームランは、技術とパワーが揃った素晴らしい打球でした。

投げては3回途中からリリーフ登板。最後まで投げぬいて7回を3失点という結果。この結果だけ見えると、悪くはないが…という印象を受けるが、今の高校野球界に横浜をこれだけ抑えられる投手がどれだけいるだろうという話だ。増してや1年時からずっと登板している中川で、アンダスロースローといえども研究しつくされている中でこの結果は立派ともいえる。

桐光学園としては実力・実績ともに今年の神奈川では横浜に次ぐもののを持ちながらも、投打に中川頼みという課題を克服できなかったのが、甲子園に出場できなかった原因である。特にU-15時代には藤平とバッテリーを組んでいて、新チームの4番として期待されていた大坪が最終的には8番を打っているあたりが痛い。ただこの日はスタメンのうち5人が2年生だったこともあり、新チームには是非とも期待したい。また中川については前にも書いたが、強打のアンダースローという今までにいない逸材で、今後はどちらを中心にやっていくのかは注目だ。プロでなく大学進学ならアンダースローの異色二刀流というのも大いにあり得そうだ。

20160730桐光学園 中川2
3回からリリーフした中川は9回まで横浜打線を3点に抑えた


Pickup Player
増田珠 横浜2年生 外野手
復活して横浜の新4番に

今年の横浜は万波(1年)がスーパー1年生として騒がれているが、昨年のスーパー1年生がこの増田。U-15日本代表で主将兼4番を務めた逸材は、昨夏も1番or3番としては神奈川準優勝に大いに貢献しました。

そんな増田ですが、昨秋から痛めていた手首の手術にこの春踏み切り、春はベンチ外。打撃練習を再開したのは6月の中旬で、選手名簿にはまだ登録されていない状態であった。しかし大会が開幕すると背番号8をつけ(向川原はケガでもしたのかな?)、全試合に先発出場。主に3番打者として活躍すると、村田が前の試合で抑えられたからか?桐光学園投手陣との相性の問題か?、この日は4番でスタメン出場しました。

4番としての最大の見せ場は3回の第2打席。同点で無死1塁という場面ですが、バントのサインはなく、そのまま打つと、見事に3塁線を破る2ベースで勝ち越し点(決勝点)をあげます。その後の3打席は凡退してしまいましたが、ランナー1塁から1打で得点をあげられるというのは1つ4番としての大きな要素だと個人的には思っています。

この試合で前の試合まで4番だった村田が、2ランを含む3打数3安打3打点と活躍。4番復帰は濃厚ですが、増田もまだケガ明けでよくなる可能性は大いにあります。この増田と村田の4番争いを繰り広げられれば、横浜打線はさらに強固なものになるでしょう。

20160730横浜 増田
この試合4番に座り決勝点となるタイムリーも放った増田



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テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

東海大相模×慶応【神奈川大会】

他県では続々と代表校が決まる一方、神奈川大会は順延もあり今日から準々決勝。強豪ひしめく神奈川にしては珍しくベスト8が第1シード・第2シードの8校がそのまま上がってきました。よって準々決勝は全て第1シードVS第2シード。そんな戦いのなから最も注目度の高い東海大相模VS慶応をお送りします。

スタメン
東海大相模
3B 加藤 5
SS 小松 6
P 山田啓 1
RF 赤尾 19
C 今江 2
CF 加賀 9
1B 戸崎 3
2B 喜友名秋 4
LF 黒澤 7


慶応
3B 下山 5
2B 矢澤 4
RF 大串 9
LF 正木 7
1B 綿引 3
CF 水久保 8
SS 瀬戸西 6
C 西澤 2
P 森田 1


試合経過

1回表、東海大相模は先頭の加藤が四球で出塁→バントでチャンスを作ります。2死2塁となってから、この日4番に座った赤尾が三遊間を抜き、加藤が生還。東海大相模が1点を先制します。(東1-0慶)

1回裏、慶応は先頭の1年生下山が初球を叩き、レフト前ヒットで出塁。こちらも矢澤のバントで2塁に進みます。しかし東海大相模の先発山田啓はボールが高めに浮いていて、3番大串にはストレートの四球。4番正木には高めに甘く入ったストレートをレフトスタンド中段まで運ばれ、慶応が3ランで逆転に成功します。(東1-3慶)

3回裏、未だにやや制球の定まらない山田啓は2四死球で2死1・2塁のピンチを招きます。すると6番水久保に詰まりながらも1 ・2塁間を抜かれ、まずは1点。さらに7番瀬戸西が前進守備のセンターの頭を越す3ベースを放ち、山田啓をマウンドから引きづりおろします。(東1-6慶)

5回裏、東海大相模2番手の安里(2年)は先頭の大串に3打席連続となる四死球で出塁を許します。すると4番正木にまたもや甘く入ったストレートを痛打され、2ランホームラン。慶応がリードをコールド圏内の7点差に広げます。(東1-8慶)

6回表、グランド整備明けの初球を4番赤尾がとらえると、打球は横浜スタジアムのバックスクリーンに直撃するホームラン。ここで慶応ナインに動揺が広がったか、2四死球・エラー・ショートが滑ることによる内野安打とまともに打たれることなく満塁のピンチを迎えます。一気に点差を詰め たい東海大相模でしたが、9番黒澤の打球は、下山がサードベースを踏んで1塁に送球して併殺打となり、この回はホームランの1点のみとなります。(東2-8慶)

8回裏、1点を追加すればコールドなる慶応は先頭の瀬戸西がセンター前ヒットで出塁。バントと森田の内野安打で1氏1・3塁のチャンスを作ります。迎える1番下山に対しては、東海大相模3番手の北村が維持を見せて3球三振。しかしほっとしたのも束の間…続く2番矢澤の打球はレフトスタンドに吸い込まれ、サヨナラホームラン。

慶応が東海大相模を11-2(8回コールド)で破り、ベスト4進出です。敗れた東海大相模は慶応を上回るヒット数を放ちながらも残塁10とあと1本が出ず。神奈川史上初の夏3連覇ならず。前年度 王者も神奈川の壁に阻まれ、ベスト8止まりです。

20160727東海大相模 山田啓
二塁打2本とバットでは存在感を発揮した山田啓

20160727慶応 瀬戸西
2点タイムリー3ベースに好守も光った瀬戸西

20160727慶応 矢澤
サヨナラホームランを放つ矢澤


スコア
東海大相模
20160727東海大相模スコア

慶応
20160727慶応スコア


Topic
粘り強さで慶応の2年生エースに
慶応の背番号1は春に続き夏も2年生の森田がつけた。森田は春から比べるとストレートの威力が増した(140近くは出ているように見えた)ようで、序盤はそのストレート主体で東海大相模打線に挑む。しかし1巡目でヒット4本を浴びると、2巡目からは得意のスライダーの割合を増やして、東海大相模打線を抑えた。スライダーとともに素晴らしかったのが、インコースのストレートで打者が腰を引いて、「ストライク」とコールされる場面も何度も見られました。中盤以上はそのスライダーを赤尾にホームランされるなど、東海大相模打線にとらえられ始め毎回のようにピンチを招くも、粘りのピッチングで あと1本を許さずに無失点。7回のピンチでホームランを打たれた赤尾から三振をとったシーンなどは本当に見事であった。結局10安打を許しながらも、東海大相模打線を8回2失点に抑えたピッチングはエースの名にふさわしいものであった。

昨年も3年生の津留崎はケガで登板がなく、2年生の木澤が実質上のエースであった。今年は森田と背番号1を争った木澤であるが、これまでリリーフ1試合のみの登板。今日は序盤から投球練習をしていたので投げえれないわけではないのだろうが、状態は良くないと思われる。神奈川の頂点まであと2つも、2年生エースの森田のフル回転が必須であろう。

20160727慶応 森田
完投勝利をあげた森田

背番号19の4番
東海大相模の4番は当初は森下(1年)が務めていた。ただこの森下が 1年生4番のプレッシャーなのか、結果を出せずにいると、4回戦の日大藤沢戦から背番号19を背負った赤尾が4番を務めた。赤尾自身は昨年からベンチ入り経験もあり、現チームでは主力であったが、ケガでもしていたいのでしょうか?今大会は登録変更で背番号19としてベンチ入りを果たしていました。

この日の赤尾はまず初回、2死2塁から貴重な先制タイムリーを放った。そして6回の第3打席では森田のスライダーを捉えてバックスクリーン直撃弾。東海大相模打線は森田のスライダーに苦しんでいたし、この1発で慶応が明らかにペースを乱したので、これも貴重な1打であった。

このように赤尾はここぞという場面で4番としての仕事は果たしたが、のメンバーはここぞという場面で1本が出ず、結局東海大相が挙げた得点はこの赤尾の挙げた2点のみでした。ですが、孤軍奮闘した背番号19の4番には賛辞を送りたいと思います。

20160727東海大相模 赤尾

6回に追撃のホームランを放った赤尾


不完全燃焼の北村
昨年の甲子園優勝チームの中でも登板があり、今年のチームではエースとして期待されたMax147㌔右腕の北村。実際に秋・春と背番号1をつけていましたが、この夏は背番号11。北村とエースを争っていた山田啓が背番号1を奪ったというほどの活躍をしたわけではなさそうで、この背番号11は北村の不調によるものと思われます。

実際に先発した瀬谷戦では最終回につかまって山田啓のリリーフを仰いで、なんとか1点差で逃げ切ると いうヒヤヒヤゲームとしてしまうなど内容はよくありませんでした。そしてこの重要な1戦も先発は山田啓。山田啓がピンチで降板した後に、マウンドに上がったのは安里でした。つまりチームの序列では3番手だったかもしれないのです。

ただその安里も2ランを浴びると北村が登板。北村のストレートは健在で、5~7回を無失点・被安打1・4奪三振の好投を見せ、北村復調の兆しを見せました。そんな中迎えた8回に3ランを浴びてしまい、北村の復調は幻のまま夏は終わってしまいました。

この状態ではドラフトはやや厳しいと思うので、東海大で4年間鍛えて、首都大学リーグでの活躍に期待したいものです。

20160727東海大相模 北村

5~7回は4奪三振無失点の北村であったが…



Pickup Player
正木智也 慶応2年 外野手
期待の4番打者がついに覚醒か

慶応の2年生4番の正木。新チーム結成当初から4番を務めていましたが、その180㎝81㌔のがっしりとした体格が誇るパンチ力は魅力的で森林監督が4番で使いたいのもわかる一方、確実性はまだまだで新の4番として結果は出せてしませんでした。

この日初回の3ラン、5回の2ランと2ホーマーで5打点をあげて、王者東海大相模撃破の立役者となりました。初回東海大相模の先発の山田啓は球が浮いていて、高めのボールが多い状態。3番の大串はこの高めをしっかり見送って四球を選びます。当然次の正木も高めを見送るのかと思いきや、は2球目のボール球くさい高めをフルスイングしてファール。続く3球目も高いが、前よりやや甘く入ってきたボールをレフトスタンドの中段まで運びました。

5回も東海大相模2番手の安里から、同じくやや高めに入ったストレートをレフトスタンドにホームラン。これだけ見ればハマれば強いという上述の印象のままですが、ここで注目したのが正木の第2打席です。3回1死1塁で迎えた第2打席では、初球の低めの変化球をすくい上げると、観客は2打席連続かとどよめきますが、フェンスギリギリのセンターフライ。結果はアウトでしたが、ストレートだけでなく、変化球もうまくとらえられるようになっているところで、今日の2本は決してたまたまでなく、実力がついてきているのだと感じました。

期待の4番覚醒で、さらに勢いづく慶応が2008年以来の夏の甲子園を目指します。

20160727慶応 正木
6回に2本目のホームランを放つ正木



テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

日立明秀×霞ヶ浦【茨城大会】

茨城大会の準決勝。第1試合に勝った常総学院の相手は、細川・糸野コンビで注目の明秀日立か、昨年に続き霞ヶ浦が決勝に進出するのか!?という試合です。

スタメン

明秀日立
2B 森下 4
3B 秋山 5
SS 糸野 6
P 細川 1
1B 芳賀 20
CF 若松 8
LF 庵原 7
RF 磯貝 9
C 内田 2


霞ケ浦
2B 益子 4
RF 根本将 9
LF 佐野 7
CF 根本薫 8
1B 小儀 14
SS 小川 16
C 鈴木和 2
3B 木村 6
P 飯村 1



試合経過

1回表、明秀日立は秋山のヒット→糸野の死球で1死1・2塁のチャンスを作ります。ここで注目の4番細川はカウント1B2Sからのストレートを右中間スタンドに運びます。4番の1発で明秀日立が3点を先制します。(明3-0霞)

2回~は霞ヶ浦の飯村、明秀日立の細川の両エースがランナーを出しながらも踏ん張り、3-0のまま試合は中盤を向かえます。(明3-0霞)

5回裏、霞ヶ浦は表の守備で攻守の小川がヒットで出塁。パスボールとバントで1死3塁のチャンスを作ります。向かえた8番木村に対し、霞ヶ浦ベンチはスクイズを出すも、細川の落差のある変化球の前に空振り。サードランナーが挟まれてアウトとなります。(明3-0霞)

7回裏、1死から5番小儀がヒットで出塁→盗塁→タッチアップで2死3塁のチャンスを作ります。鈴木和が四球の後、代打斎藤(3年)の2球目がワイルドピッチとなり、霞ヶ浦が1点を返すも、斎藤はサードゴロに倒れて1点止まりとなります。(明3-1霞)

8回表、先頭の主将森下がこの日3本目のヒットで出塁。バントで送って1死2塁となると、ここで霞ケ浦バッテリーは3番糸野を敬遠。ホームランを放っている4番細川との勝負を選択します。細川を見事に三振に斬って取ると、その後キャッチャーがはじく間に3進を狙った森下もタッチアウトとなり、明秀日立はチャンスをつぶします。(明3-1霞)

バッティングでは見事に抑えられてしまった細川ですが、疲れの見えた7回とは打って変わって、最後の力を振り絞って8・9回と霞ケ浦打線を3人ずつで抑えました。明秀日立が3-1で霞ケ浦を破り、決勝進出です。

20160725明秀日立 森下
3安打の活躍の森下

20160725霞ヶ浦 飯村
2回以降明秀日立打線を無得点に抑えた飯村

20160725明秀日立 細川
投げても9回1失点完投の細川


スコア

明秀日立
20160725明秀日立スコア

霞ケ浦
20160725霞ヶ浦スコア

Topic
存在感は発揮した糸野
この試合は細川の独壇場となったが、細川と共に注目されているのが高校通算47発の糸野。この日ノーヒットに終わってしまったがその存在感は発揮した。

まず初回に死球で細川の3ランをお膳立。そして8回2死2塁で回ってきた第4打席。次のバッターは先制の3ランを放っていて、この日最も警戒しなければならない細川であったが、霞ヶ浦バッテリーは糸野を敬遠した。確かに細川に比べて、糸野の方がスイングは安定していて確実性がありそうであったが、それでもこれは予想外の敬遠であった。糸野の実力が評価されていることを象徴する場面であった。

結局この日は2打数ノーヒットと自らのバットでは見せ場は作れなかったが、守備機会は少なかったもののショートとしてもフットワークもよく、送球も安定していた。待望の大型右打ちのショートのドラフト候補として今後も見ていきたい。

20160725明秀日立 糸野
ノーヒットだったものの存在感は示した糸野


細川を封じた1年正捕手
霞ヶ浦のマスクを被るのは1年生の鈴木和。初回に細川に1発は浴びてしまうものの、それ以降の打席では細川を完全に手玉にとった。2打席目以降の細川の打席では鈴木和は最初は明らかにアウトコースのボールゾーンに構えて、勝負しないようなそぶりを見せつつも、このアウトコースでストライクをとり、以降3打席とも細川を歩かせることなく打ちとった。このアウトコースに投げ切った飯村もスゴいが、アウトコースに構えながら、たまにインコースの右バッタースレスレを要求したりと鈴木和のリードも度胸があった。
特に三振に打ち取った3・4打席目は変化球も駆使して、完全に細川を手玉にとっていた。

とはいえ、最初の細川の1打席で勝負が決まってしまったのも現実。まだ1年生であるので、この経験を糧にしてぜひとも新チームでは司令塔としてチームを引っ張って行ってほしい。

20160725霞ヶ浦 鈴木和
霞ケ浦の1年生捕手の鈴木和


打のチームの片鱗
明秀日立の指揮を執るのが、光星学院で坂本(巨人)・田村(ロッテ)・北條(阪神)らを育成して強打の光星学院を作り上げた金沢監督である。そんな打撃指導に定評のある監督が就任した明秀日立。4番の細川を中心に、7番庵原・8番磯貝など豪快なスイングが目を引いた。

決勝進出は果たしたものの、このチームは強打といえるのは細川・糸野のみで、打撃もこの2人に頼っている状態。それでも下位打線の豪快なスイングなど強打のチームの片鱗は見られた。金沢監督が就任したのは2012年末。まだまだ日立明秀が強打のチームになっていくのはこれからである。


Pickup Player
細川 明秀日立3年 ピッチャー
中田翔の再来

この日4番ピッチャーで出場の細川。まずは打で魅せた。

1死1・2塁で回ってきた第1打席。初球を空振りすると、その豪快なスイングにスタンドからは「お~」と声が上がった。そして4球目、決してジャストミートという打球ではないように見えたが、打球は悠々と深い右中間のフェンスを越えていき、そのパワーの凄まじさを見せつけた。がに股気味に大きく足を開いて、バットを担ぎ上げるように構えてからの豪快なスイング。まさに現在日本ハムの4番を打つ中田翔を彷彿とさせた。それ以降の打席では快音は聞かれず、凄まじさと同時にまだ脆さが残るところも含めて高校時代の中田翔そっくりであった。(のちに日本ハムのスカウトも「うちの中田のよう」とコメントしている)

投げても中田翔と同じく、その体格から放つ力強いストレートが武器のエース。MaX146㌔のストレートだけでなく、大きく縦に曲がるスライダーもさえわたっていた。途中疲れを見せた部分もあったが、8・9回には復活し、見事4安打1失点で完投勝利。自らの3ランの得点を、自ら完投で守って勝つというまさに細川の試合となった。

ピッチャーとしてもまだまだ伸びしろはあるものの、このスイングを見てしまったら上では野手となることだろう。上述の通りまだ粗さは残るものの、素質としては十分に上位指名もあり得る存在であり、「いいもの見た~」と自信をもって言える試合であった。

20160725明秀日立 細川2
細川のスイングはそれだけで一見の価値ありだ



テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

市立川越×聖望学園【埼玉大会】

埼玉の準々決勝@県営大宮です。
春ベスト8でCシードの聖望学園と、Aシードの浦和学院を倒した市立川越がベスト4をかけて戦います。

スタメン
市立川越
SS 石井 6
CF 市原 8
2B 中祖 4
1B 瀬山 3
P メンディス 1
RF 上原 9
3B 星野 5
LF 武居 10
C 中山 2


聖望学園
3B 津田 15
2B 松元 4
CF 平柳 8
C 大野 2
LF 丸井 5
RF 西野 9
1B 渡部 3
SS 西川 6
P 中川 1


試合経過

2回表、市立川越は先頭の上原のヒットとセカンドのエラーで無死1・3塁のチャンスを作ります。1死後に9番中山はスクイズを2球ファールにしてしまうも、追い込まれてからヒッティングに切り替えると左中間へ2点タイムリーを放ち、市立川越が先制します。(川2-0聖)

2回裏、聖望学園は大野のヒット→バント→西野のヒットで1死1・3塁とすると、7番渡部がきっちりセンターに犠牲フライを放ち、1T年を返します。(川2-1聖)

3回裏、聖望打線がメンディスに襲い掛かります。中川のヒット→四球→送りバントで2・3塁のチャンスを作ると、3番平柳がライト線へ逆転タイムリー2ベース。2死後に丸井・西野にも連続タイムリーが飛び出して、この回計4点を奪って逆転に成功します。(川2-5聖)

5回表、市原・中祖の連打に、瀬山の進塁打で1死2・3塁のチャンスを作ります。5番メンディスは2球目の変化球を捉え、2点タイムリーヒット。市立川越が1点差に迫ります。(川4-5聖)

5回裏、四球と丸井の2ベースで2・3塁のピンチを作ったところでメンディスは降板し、2番手にサイド右腕の宮田(2年)がマウンドに上がります。しかし宮田は四球を与えて満塁とされると、渡部の2点タイムリーと併殺崩れの間に計3点を失ってしまいます。(川4-8聖)

7回表、市原がこの日3本目のヒットで出塁すると、3番の主将中祖がレフト線へタイムリー2ベースを放ちます。(川5-8聖)

8回裏、途中からセカンドに入っている三浦(3年)がセンター前ヒットで出塁。バントで送った後に、5番丸井のタイムリーで生還し、聖望学園がダメ押しの1点をあげます。(川5-9聖)

聖望学園の先発中川は11安打されながらも最後まで投げ切って完投勝利。聖望学園が9-5で市立川越を破ってベスト4進出です。

20160724市立川越 中山
先制の2点タイムリーを放つ中山

20160724聖望学園 平柳
3回裏に逆転のタイムリー2ベースを放った平柳

20160724聖望学園 渡部
3打点の活躍の渡部


スコア

市立川越
20160724市立川越スコア

聖望学園
20160724聖望学園スコア



Topic
エースの確立
聖望学園の課題は投手陣であり、なかなかエースが確立せずにいた。秋は西野が、春は加藤(3年)が背番号1を背負ったが、実際に頼れる投手がおらず、継投という形だったのだが、秋の山村学園戦、春の花咲徳栄戦ともに継投をしたことが裏目に出て敗れた。夏に背番号1を背負ったのがスリークウォーター右腕の中川。実は新チームができた当初はエースと言われたのが中川であり、見方を変えれば中川が本来の力を出せなかったがために、秋・春と投手陣が混沌としてしまったのだ。

この日の中川は低めのストレートに勢いがあり、決まった球は打たれないという感じであった。その一方浮いたストレートは痛打されていて、被安打11。それでも点をとられた後のピンチは防ぐなど、粘り強い投球で9回を完投した。聖望学園サイドにしてみれば途中代える機会は何回もあっただろうが、秋・春の二の鉄を踏まないためにも、1番信頼感のある中川に最後まで託したということであろう。

夏になってやっと確立した聖望学園のエースの活躍に、準決勝以降も期待です。

20160724聖望学園 中川
完投勝利をあげた中川


追い込まれたらバスター打法
ここまで全ての試合で7得点以上と好調な聖望学園打線。その要因は個々のバッターが大きいのを狙わずに、ボールに逆らわずに打ち返すバッティングがチームとして浸透していることにある。初戦の熊谷農業戦をテレビで見ていたのだが、このときも格下のピッチャー相手にしっかり逆らわずに打ち返すということができていて、チームとしてバッティングが徹底しているなと感じた。この日もヒット11本中、長打は2本のみ。11安打はしちる川越と同じであるが、聖望学園は打線の繋がりがあった。

バッティングが徹底されている象徴が、2ストライクからのバスター打法だ。4番のスラッガー大野なども例外でなく、追い込まれたら皆バントの構えで打席に入っていた。その成果かこの日の三振は2つのみであり、2ストライクからのヒットも結構見られた。おそらく決勝で出てくるであろう高橋昂(花咲徳栄3年)にもこのバッティングができれば、聖望学園の久しぶりの夏の甲子園が見てて来ます。


来年に期待の2年生軍団
敗れてしまった市立川越だが、この夏に浦和学院撃破という強いインパクトを残した。そんなチームのスタメンの大半は2年生で、3年生はセカンド・シショート・センターのセンターラインのみである。つまりスタメンのうち6人が来年もそのまま残るのだ。一部には「今年は序章で、来年が本番」という声もあったらしい。

中でも注目はスリランカとのハーフでエースのメンディス。Maxは140㌔ほどだが、中日のバルデスのような腕が遅れてくるフォームのために体感速度はもっと早いだろう。スライダーも有効に使えていて、ある意味左腕らしい左腕だ。打撃も魅力的で浦学線戦の3ベースに続き、この日も2点タイムリーを放った。

このメンディスを中心とした来年の市立川越は十分市立の強豪に匹敵する実力を持つと思うので、秋からも注目です。

20160724市立川越 メンディス
浦和学院を撃破したメンディスは来年も楽しみな存在だ


Pickup Player
丸井頼智 聖望学園3年 サード・外野

この夏の聖望のバッターはひきつけてというバッティングが多いために、ヒットもセンターを中心に逆方向への単打が多い傾向にある。その中で例外的な存在なのが、この日も猛打賞の活躍で、この夏17打数9安打2本塁打と絶好調の5番打者丸井だ。丸井に関していえば打球がレフト方向のものが多く、長打も多い。とはいえ丸井も打つポイントは体に近く、ボールはひきつけることができていると言える。そこから自分のスイングをしてしっかりとボールをレフトまで持っていけるというのは大きな魅力である。

まだ準決勝もあるがおそらく甲子園の前に立ちはだかるのは花咲徳栄の左腕高橋昂。聖望打線の中心は去年からレギュラーの3番平柳と4番大野であるが、この日もサウスポーのメンディス相手には5番丸井・6番西野・7番渡部という右バッターが攻略に大きく貢献した。高橋昂に対しても同様に右バッターが、特にその中で1番の実力をもつ丸井が打てるかが攻略のキーとなってくるだろう。

20160714聖望学園 丸井
この試合も3安打と夏絶好調の丸井




テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

木更津総合×東海大望洋市原【千葉大会】

今年の千葉2強と言われてる木更津総合と東海大望洋市原。春の対戦時には東海大望洋市原が5-1で勝っていて、これにより木更津総合はAシード落ちし、準々決勝で対戦することになりました。そんな千葉で1番注目の試合を見に、QVCマリンフィールドまで行ってきました。

スタメン

木更津総合
SS 峯村 6
CF 木戸 8
2B 小池 4
RF 鳥海 9
1B 山下 3
LF 細田 17
3B 井上 5
P 早川 1
C 大澤 2


東海大望洋市原
CF 倉石 9
2B 鯨井 4
LF 荒川 7
C 峯尾 2
RF 塚本 14
SS 藤本 6
3B 具志堅 5
P 金久保 10
1B 樋口 20



試合経過

3回表、木更津総合は9番大澤が初球の変化球を捉え、左中間への3ベース。続く1番峯村が初球をレフトに運び、犠牲フライで木更津総合が1点を先制します。(木1-0東)

4回表、2死から山下の打球をサード具志堅はファーストに暴投。細田の四球で2死1・2塁となります。ここで7番井上の打球はセンターに抜けるかということろでしたが、セカンド鯨井がダイビングキャッチでセカンドライナー。東海大望洋市原が追加点を許しません。(木1-0東)

5回裏、ここまで早川の前にノーヒットの東海大望洋市原ですが、4番峯尾の放った打球がファーストベースに当たるというラッキーなヒットで出塁。塚本が送った後、6番藤本の打球はセカンドベース寄りのショートゴロ。セカンドランナーの峯尾はサードへスタートを切りますが、ショート峯村の好判断によりタッチアウトとなり、チャンスをつぶします。(木1-0東)

6回裏、先頭の金久保がヒットで出塁→バントで1死2塁とします。しかしここで倉石・鯨井ともに早川の変化球に合わせるのが精一杯というサードゴロで無得点。(木1-0東)

7回表、前の回に残塁となった金久保は疲れからか先頭の山下に死球を与えます。バントでセカンドに送られたところで、相川監督は島(3年)を投入。島は井上。早川を見事に打ち取ります。(木1-0東)

9回裏、後がない東海大望洋市原ですが、この回は1番から。その1番倉石がセンター前ヒットで出塁。しかし2番鯨井のバントはサードフライ。代打川津(3年)も初球を捉えますがセンターフライ。峯尾はライト前でつなぎますが、最後は塚本が空振り三振。木更津総合が投手戦で1-0制してベスト4進出です。(木1-0東)

20160717木更津総合 峯村
決勝点となる犠飛をはなつ峯村

20160717木更津総合 大澤2
犠牲フライで生還する大澤

20160717東海大望洋市原 峯尾
2安打を放った峯尾だが、1年時以来の甲子園出場は果たせなかった


スコア
木更津総合
20160717木更津総合スコア

東海大望洋市原
20160717東海大望洋市原スコア


Topic
連投の疲れもなんのその
前日の専大松戸戦でも完投している早川。しかしこの日はそんな疲れも見せずに淡々と東海大望洋市原打線を打ち取っていった。ピンチになっても動じることなく、冷静なピッチングであった。

この日の早川のストレートはMax141㌔だが、出どころの見づらいフォームで体感速度はそれ以上であろうし、またコーナーにきっちりと投げ分けらえてた。特にこの日はスライダーがキレていて、奪った三振9のうち8個が変化球(おそらく全部スライダー)であった。

幸い明日は調整日となったので、じっくり休んでほしい。春夏連続出場まであと2つ。そのためには早川があと18イニングを投げぬくしかないであろう。

20160723木更津総合 早川
見事完封勝利をあげた早川



実力で奪い取った先発の座
この日の東海大望洋市原の先発は153㌔右腕の島だと思われていたが、背番号10の2年生右腕の金久保であった。金久保が先発だと①春に木更津総合を抑えていて相性がいい、②スピードのある島を抑えにもっていけるといったメリットがあるが、この金久保先発が予定通りであるとすると、前日の流通経済大柏戦で先発していることに謎が残る。

その理由は実際に金久保の投球を見れば分かった。この日の金久保はMax146㌔と、春に比べるとだいぶ球威が増していた。しかもストレートのほとんどが140㌔中盤とアベレージもなかなか高い。島はこの夏はまだ150㌔を出していないことを考えると、球速はほとんど差がない。球速が同じくらいであれば、調子などを考慮すると金久保>島という判断を相川監督がしたとしてもおかしくない。

結果的に金久保は負け投手となってしまったが、ボールを低めに集めて、7回途中まで被安打2失点1。決して責めることのできない素晴らしいピッチングであった。現段階では来年の千葉No1投手であるために、今後も注目していきたい。

20160723東海大望洋市原 金久保
7回途中まで被安打2の好投をみせた金久保


スピードだけでない投球
島はこの日は7回途中からリリーフ。7・8回はMaxは147㌔であったが、100㌔台のスローカーブを混ぜるなどして、打者をうまく打ち取っていた。春の島は150㌔を越えて、周囲の環境も変わる中で、その期待に応えようとか力任せのピッチングい陥りがちであった。しかし今日のピッチングは、球速にこだわることない丁寧なピッチングで、秋のいいときの島に戻った感じだ。

それでもさ9回2死になるとギアを入れ替え、5番山下を相手に全球ストレートで、中にはこの日最速となる150㌔もマーク。柔と剛を使い分けれるとこを魅せた。

結局島は2回2/3を無安打無失点という見事なリリーフ。先発していれば…という話は出てきそうだが、上述のように金久保のピッチングも素晴らしかったので、金久保→島という起用自体は成功だったといえるだろう。

20160723東海大望洋市原 島
最速150㌔で無失点リリーフを見せた島


Pickup Player
大澤翔  木更津総合 キャッチャー
最後の夏で打撃も覚醒?の好キャッチャー

昨年から木更津総合の正捕手を務める大澤はリード面やピッチャーの扱いなどに定評があり、センバツ後にはU-18日本代表候補にも選ばれた。この日の早川の完封もキャッチャー大澤によるところも大きいであろう。

一方打撃では状況に応じたバッティングなどができるいい打者ではあったが、打順も下位であり、恐い打者ではなかった。この日も9番でスタメン出場した大澤は3回の第1打席で、金久保の甘く入った初球の変化球を捉えるとさ中堅への3ベース。この試合唯一となるホームを踏んだのであった。

前日の専大松戸戦のホームランに続き、この日も打で勝利に大きく貢献した大澤。「恐怖の9番打者」となる日も近いかもしれません。そしてさらには打撃がよくなれば、U-18日本代表の本メンバーも見えてくるかもしれません。

20160723木更津総合 大澤
3回に3ベースを放つ大澤


テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

ほんまに本間?

ちょっと都市対抗をJ-Sportsで見ていて驚いたことがあったので、紹介します。

本間篤史。

駒大苫小牧では田中(ヤンキース)と同期で、2年から4番を務め、夏の甲子園優勝・準優勝に貢献。亜細亜大を経て、現在はJR北海道でプレーしています。ちなみにあの早実×駒大苫小牧のメンバーのうち、まだ第一線でプレーをしているのは田中・斎藤(日本ハム)と本間だけになります。

そんな本間が都市対抗に出ていたシーンがこちら↓
20160718JR北海道 本間

これバントとかじゃなくて、フツーに打つときの構えです。

スーパーオープンスタンスに、あの大道さんを越えるバットの短さ…。

こんなんで打てるのかよと思っていましたが、新日鐵住金鹿島の玉置(市立和歌山商→阪神)から見事にヒットを打っていました。

今年であの決勝から10年になるわけですが、本間がこうやって必死に頑張っているのを応援したくなる一方、強打のバッターがこういうスタンスになってしまったことは残念ですね…。第一線で野球を続けていくことって大変なんだな…って改めて実感しました。わたしもハンカチ世代の人間だけに驚きと面白さだけでなく、色々考えさせられた本間のバッティングフォームでした。


テーマ : 社会人野球
ジャンル : スポーツ

国士舘×早稲田実業【西東京大会】

3連休の最終日、ダイワハウススタジアム八王子は1試合目に清宮登場、2試合目は明中八王子×八王子の八王子ダービーということで外野席まで立ち見が出るほどの大入り。会場に試合開始1時間前に着いたわたしも内野席の1番外野側。しかもなぜかそこまで早実の応援席扱いで攻撃の度に立たされるという始末…。まぁそんな中頑張ってみてきた国士館×早実の1戦をお送ります。

スタメン

国士舘
2B 上原 4
LF 大内 17
1B 長沢 7
C 松澤 2
3B 大平 5
RF 山本 9
CF 中村 8
SS 赤川 6
P 深澤 11


早稲田実業
SS 金子 6
2B 橘内 4
1B 清宮 3
3B 野村 5
RF 工藤 9
LF 岡本 7
C 小掛 11
P 吉村 1
CF 福本 8


試合経過

1回裏、早実は2死から清宮が死球で出塁。続く野村の打球を国士館の1年生ショート赤川が暴投し、1・2塁。5番工藤が変化球をうまくセンター前に運んで先制します。(国0-1早)

3回裏、先頭の金子がサード強襲ヒットで出塁。橘内が送った後、1死2塁で清宮を迎えます。清宮は2B0Sからの3球目を捉え、ライトスタンドに飛び込む高校通算53号2ラン。早実が追加点を挙げます。(国0-3早)

4回裏、先頭の岡本がヒットで出塁→バント→セカンドゴロで2死3塁とチャンスを作ります。ここで国士館は先発の深澤からサイド左腕の石井(1年)に交代。福本が石井の初球をたたきますが、センター正面のライナーでこの回は無得点。(国0-3早)

7回裏、先頭の代打清水(3年)がセンター前ヒットをセンターが後逸し無死3塁。ショートゴロ→サードエラーで1死1・3塁から橘内が三遊間を破り早実が追加点をあげます。なおも1死1・2塁で清宮を敬遠気味に歩かせます。ここで国士館のエースナンバーを背負う安陪(3年)が維持を見せて、野村・工藤を打ち取ります。(国0-4早)

これまで打線に全くいいところがなかった国士館ですが9回表、後がない国士舘の打順はクリーンアップから。早実の抑え服部から長沢が四球を選び、松澤がライト前でつなぐという絶好のスタートを切ります。しかし5番の主将:大平は4-6-3の併殺打に倒れて万事休す。早実が4-0で国士館を下して西東京ベスト8進出です。

20160718早実 清宮
2ランホームランを放った清宮

20160718国士館 石井
石井は1年生ながら1回無失点の好投を見せた

20160718早実 橘内2
7回のタイムリーにグラフトスでアウト2つを捕るなど攻守も光った橘内


スコア

国士舘
20160718国士舘スコア
早稲田実業
20160718早実スコア


Topic
清宮との勝負
ここまで清宮が打つと、当然相手チームとしては清宮を歩かせるという選択肢は出てきます。

この試合の3回裏1死2塁で清宮の第2打席が回ります。初球国士館のキャッチャー松澤は明らかに立ち上がりボール。ランナー2塁なので、敬遠以外ならここまで外す必要はないでしょう。しかしそれを見てスタンドからはブーイング+野次の嵐。2球目はキャッチャーは立ち上がらずに外角ボール。3球目はストライクでこれを清宮にレフトスタンドに運ばれました。真意は分からりませんが、試合後に国士館バッテリーは外すはずが真ん中に入ったと話していました。別に初球と同じく立ったまま敬遠していればこういうことはなかったのでしょううが、まわりの圧力に屈したという部分もあり座ったのでしょうかね?国士館バッテリーとしては何とも中途半端な攻め方となってしまいました。

清宮の第4打席は7回裏、1死1・2塁で回ってきました。ここで国士館バッテリーはあからさまではないですが、4球連続のボールで清宮を歩かせます。実質上はランナー1・2塁なのに清宮を敬遠したことになります。しかし満塁となってから4・5番を打ちとって得点を許さなかったので、結果的にこの敬遠は成功でした。

さて高校野球の敬遠については賛否のあるところですが、個人的には戦略なので構わないと思います。それも含めて勝負であるとも言えるのではないでしょうか?敬遠にブーイングってのは致し方ない面もありますが、今回のように高校生の勝負に大人がブーイングして、それが結果的にホームランにつながってしまったというのは残念です。(まぁそもそも国士館バッテリーが中途半端だったのは承知の上だが…)

ただ今回国士館が1・2塁で敬遠という常軌を逸した戦法に成功してしまったために、今後も清宮との勝負を徹底的に避けるチームは増えてくるでしょう。わたしが監督だったら、1塁が空いている or ランナー1塁のみなら全て歩かせますね。インタビューで徹底勝負を宣言させられていた日大三や東海大菅生すらも危ういと思います。まぁそれではつまらない反面、それが勝負事です。大人は黙ってみていましょう。

20160718早実 清宮2
3回に2ランを放つ清宮


魅せたエースの維持
国士舘はこの日は4投手が登板。その4番目に登板したのがエースナンバーを背負う安陪でした。

本来ならばこの試合の先発は安陪のはずでした。しかし調子が上がってこないのでしょう、この日の安陪も球の勢い自体は昨夏に東海大菅生に見せた投球には及びません。そして先発の座を後輩の深澤に明け渡しました。それでも安陪は6回裏から4番手で登板すると、球を低めに集める粘り強い投球を見せます。それまで慌ただしく動いていた国士館のブルペンには誰もいなくなり、もう1人の投手である村山(3年)を代打で使ってしまいました。7回にエラー絡みで1点を失うも6~8回の3イニングで自責点0。7回には追加点を奪おうとする早実打線に対して、上述の通り1・2塁から清宮敬遠までして見せました。

敗れはしましたが、エースの維持が見えた素晴らしい投球だっと思います。深澤や石井、この夏はベンチ外となってしまった城田(2年)らにはぜひこの姿を目に焼き付けて、新チームで活躍してほしいものです。

20160718国士館 安陪
3イニングを自責点0に抑えた安陪


金子は大丈夫か?
ベスト8に進出した早実にとって、大きな不安が金子です。この日の金子は7回裏のサードランナー時に足を痛めます。その後の守備の前に金子の治療による中断がありましたが、結局金子がグランドに戻ることはなく、ショートには中岡(2年)が入りました。

昨年の甲子園ベスト4のメンバーで、新チームの主将、清宮と共にチームの2本柱と言われた金子がいなくなれば、早実の2年連続甲子園の可能性は大きく下がるかもしれません。

Pickup Player
吉村優 早稲田実業 ピッチャー
強豪相手に見せた早実の背番号1の証

早実も国士館も打線に力はある一方、投手力は春あたりに調子が上がっていなかったので、この試合は打撃戦になると予想していた。そんな予想を覆したのが、この夏初めて背番号1を背負った早実の先発吉村である。

この日の吉村は大きく足をあげるダイナミックなフォームとは裏腹に、丁寧なピッチングでした。ボール球がはっきりとしてしまうという問題はあったものの、ストレート・スライダーともにストライクの球は低めに集まっていました。三振は多くないものの、四球も1個と春から成長の後が見られました。

結局この日の吉村は7回を被安打3無失点の好投。特に疲れが見え始めた後半の7回のピンチで山本・中村を連続三振に仕留めたピッチングは圧巻でした。和泉監督にしてみれば嬉しい誤算といえるエースの快投。この日の8・9回を見る限り服部の出来がイマイチっぽいので、甲子園に向けてエース吉村にかかる期待はさらに大きくなります。

20160718早実 吉村
7回無失点の好投をみせた吉村


余談
高野連もAKB推し
今年の夏の甲子園のテーマソングはAKBの「光と影の日々」ですが、東京の予選では試合開始前や5回後のグランド整備中に隙あらばこの曲が流れています。今までのテーマソングは予選から、しかも試合中に流れていたりしなかったよね?

あとこの曲は思ったよりは悪い曲じゃないんですが、どうも熱闘甲子園で夏終わったシーンで流れそうな感じの曲なんだよね…。ってことで試合中はちょっと縁起悪そうだからやめてあげない?

テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

日本新薬×Honda熊本【都市対抗】

都市対抗3日目の第1試合です。
有望新人が入り、スポニチ大会を制すなどして都市対抗でも一気に優勝候補に躍り出た日本新薬に、震災を乗り越え見事に都市対抗出場を果たしたHonda熊本が挑みます。

スタメン

日本新薬
CF 福田 玉野光南 立命館大 28
2B 吉野 奈良商 東亜大 10
LF 田中 福知山成美 九州共立大 1
DH 須磨翔風 上武大 9
C 鎌田 鈴鹿 朝日大 23
1B 日高中津分校 東北福祉大 26
RF 黒川 九州国際大付 日本文理大 24
3B 濱田 鹿児島実業 専修大 5
SS 板倉 静岡 立正大 0
P 榎田 小林西 日本文理大 15


Honda熊本
SS 稲垣 明豊   6
RF 長池 延岡学園 九州産業大 1
1B 今村 九州学院 亜細亜大 3
LF 熊丸 筑陽学園 創価大 10
2B 川嶋 日南学園 明治大 5
DH 佐々木 中央学院   36
C 浜岡 九州学院 亜細亜大 22
3B 前崎 城北 日本文理大 35
CF 岡崎 倉敷商 中部学院大 23
P 荒西 玉名工   13




試合経過

3回までは日本新薬の先発榎田、Honda熊本の先発の荒西がともに1安打無失点の好投を見せ、落ち着いた立ち上がりとなります。(日0-0熊)

4回表、この回先頭の日本新薬4番の中が95㌔のスローカーブをレフト前に運んで出塁。6番岡のヒットで1・2塁とチャンスを広げると、8番濱田も変化球をしっかりとひきつけショートの頭を越えるタイムリーヒット。日本新薬が先制し、その後も日本新薬ペースで試合が進みます。(日1-0熊)

6回裏、試合の流れはいきなり変わります。この回先頭の稲垣が3球目をライトスタンドに運び同点。そしてその興奮冷めやらないうちに、続く2番長池が初球をたたくとこれもライトスタンドに吸い込まれる連続ホームラン。Honda熊本が1・2番の予想外の1発で逆転に成功します。(日1-2熊)

8回表、日本新薬は2死ランナーなしから鎌田・岡の連続ヒットで1・2塁。続く代打の物部(生光学園→佛教大→新日鐵住金広畑:補強)の打球はバウンドの高いショートゴロとなる。これをショート稲垣が前進して1塁へ送球するも、ハーフバウンドとなったために1塁手が後逸。2塁から鎌田が返り同点となります。Honda熊本はここで荒西から左腕の三小田(文徳→三菱重工長崎:補強)に交代。それを見た日本新薬も左の濱田の代打に右の植田を起用します。この植田の起用が的中し、左中間スタンドへ3ランホームランを放ち、日本新薬が逆転に成功します。(日5-2熊)

8回裏、先頭の岡崎がヒットで出塁すると、日本新薬もピッチャーを榎田から新人の西川(高知→立命館大)にスイッチ。西川は審判のストライクゾーンにも苦しみ2四球を与えて満塁とされるも、最後は熊丸・川嶋の4・5番を連続サイン審に斬って取り、ピンチをしのぎます。(日5-2熊)

最後まで逆転を信じて盛り上がるHonda熊本スタンドでしたが、最終回は森原(広島山陽→近畿大工学部→新日鐵住金広畑:補強)の前に完璧に抑えられてジーエンド。日本新薬が5-2でHonda熊本を下して初戦突破です。


20170717Honda熊本 長池
6回に勝ち越しのソロを放った168㎝の新人長池

20170717日本新薬 鎌田
3安打に好リードの活躍の鎌田

20170717日本新薬 榎田
7回2失点で勝利投手となった榎田



スコア
日本新薬
20160717日本新薬スコア

Honda熊本
20160717Honda熊本スコア


Topic
天と地をみた好ショート
この日再三攻守でチームを救っていたのがHonda熊本のショート稲垣。明豊から高卒5年目の稲垣は、守備の身のこなしが華麗であり、牛若丸と呼びたくなるような選手。特に二遊間の打球をとってから、1塁送球への動きが引くぐらいスムーズであった。打っても6回表には同点ソロを放ち、日本新薬ペースだった試合を一振りでHonda熊本ペースにして見せた。

そんな大活躍の稲垣に悲劇が待っていた。7回2死1・2塁で高いバウンドのショートゴロを前進して、ファーストへ送球。この送球はタイミング的にはアウトであっただろうが、ハーフバウンドになってしまったために1塁手は後逸。ファーストもどうなの?というところではあるが記録は内野安打+ショートの暴投で同点。次の植田の決勝3ランへとつながった。

稲垣は個人的には十分ドラフト候補になり得る選手だと思うので、この悔しさをバネに頑張ってほしい。

20170717Honda熊本 稲垣


これならオール熊本にしておけばよかった
Honda熊本の岡野監督は代表決定直後に「できれば補強選手は全員鮮ど市場ラークスからにしてオール熊本で臨みたい」と言っていましたが、フタを開けてみると三小田・佐々木と三菱重工長崎から2人を補強していました。去年までMHPS横浜にいた佐々木に関しては「あら、こんなところでて…」と言いたくなりましたねw

ところが佐々木は3打数ノーヒット、三小田は登板して最初の打者に決勝3ランを浴びるなど散々な内容。残念ながら補強選手が足を引っ張る形になってしましました。こんなことならオール熊本にしていたほうが気運も高まっただろうし、よかったのでは?と思ってしまいます。


最後に希望を経った広畑のエース
8回に逆転はされたもののHonda熊本に対する声援はとどまることを知らず、8回には審判までそれに圧倒されたか、やや厳しめな四球判定もあり、満塁のチャンスを作ります。この回は得点できなかったのですが、最終回も逆転に向けての大声援が鳴り響いていました。

しかしそんな勢いを完全に止めたのが採取回に登板した新日鐵住金広畑のエースである補強選手の森原。先発時は140㌔台であるストレートもこの日は救援ということでエンジン全開で150㌔越えを連発。いきなり先頭打者の大ベテラン佐々木をストレート3球で三振に仕留めます。この圧巻のピッチングに、大声援を送る1塁側も内心はあきらめがついたと思います。

その後、浜岡三振・白石ライトフライと完璧な救援を見せた森原。このリリーフ適正を披露したことで、スカウトの評価はだいぶ上がったのではないでしょうか。

20160717日本新薬(補強) 森川
最終回を完璧に抑えた森原


Pickup Player
植田弘樹 日本新薬 サード
関西高校では4番キャッチャーとして活躍。1個下の堅田(ツネイシ)、水原(立正大卒)らをリードしてセンバツに出場するも、初戦で島袋(ソフトバンク)率いる興南に敗れた。同期には渡辺雄(DeNA)らがいる。明治大に進むもなかなか出場機会がなかったが、4年になってやっとレギュラーを獲得した苦労人。春のリーグ戦では打率4割超えでサードのベストナインも獲得した。

日本新薬に進むも1年目は出場機会は少なかった。そして今年もサードのレギュラーは新人の濱田であった。濱田はこの日も先制のタイムリーを放つ活躍であり、左の三小田を当ててきても代打はないかな?と思っていたが、岩橋監督は迷うことなく植田を代打に送った。2球目の変化球を空振りし、少し「合っていないかな?」と印象を抱かせた3球目、同じ変化球をフルスイングすると打球は左中間スタンドに吸い込まれていった。ダイヤモンドを回る植田は両手を掲げ、何度も点を見上げた。ちょっと喜びすぎじゃないの?というくらいの喜びっぷりで、それまでの苦労とかそういうものがあったのだと思う。

1年目の濱田が手中に納めていたサードのレギュラー。これに名乗りをあがた2年目の植田。現在はケガで離脱中だが元4番の3年目の大畑(神村学園→大体大)も加わる日本新薬の若きサードの争いから目が離せない。

20170717日本新薬 植田
決勝の3ランを放った代打の植田



テーマ : 社会人野球
ジャンル : スポーツ

堀越×関東一【東東京大会】

夏の東京大会は基本的には、東西ともにベスト8以上と開幕戦しか神宮球場ではやりません。ですが今年は色々な都合により、東東京大会の一部は4回戦から神宮球場。関東一・二松学舎大付・帝京という3強が早くも神宮に現れるということで見に来ました。

その中でお届けするのは堀越×関東一の紫の強豪対決。秋・春と東京を制した関東一に、成立学園から21点を奪って勝ち上がってきた堀越が挑みます。

スタメン

堀越
3B 矢口 5
2B 鈴木海 4
SS 佐藤洸 6
LF 重松 7
C 木村 2
1B 高山 3
RF 秋田 9
P 佐藤大 1
CF 佐藤叶 8


関東一
CF 本橋 8
RF 宮本 9
LF 米田 7
C 佐藤佑 2
1B 石橋 3
SS 村瀬 6
3B 山川 5
2B 宮田 4
P 佐藤奨 1


試合経過

3回裏、関東一は先頭の佐藤奨がヒットで出塁するも、続く1番本橋のバントはキャッチャーフライ。しかしこれを堀越の木村が見失いワンバウンドで捕球すると、バッターの本橋もスタートを切っていなかったために、2-6-3のゲッツー。まずいプレーで完全にこの回が終わったと思った関東一ですが、そこから2番宮本がライト前ヒットで出塁し、3番米田の初球に2盗を決めます。米田は鋭い打球で三遊間を抜き、先制タイムリー。さらに4番佐藤佑もレフト線にタイムリー2ベースを放ちます。(堀0-2関)

5回裏、関東一はまたもや2死から米田・佐藤佑の連打で1・2塁とします。続く5番の1年生石橋の打球は左中間に落ち、2者生還。ホームへの送球をキャッチャーがこぼすと打った石橋も一気にホームを狙いますが、これはタッチアウト。(堀0-4関)

6回表、堀越は2死から佐藤洸が死球で出塁。続く重松の3球目に盗塁を決めると、重松が4球目を打ち、三遊間を抜く。クロスプレーとなるも佐藤洸が生還し、堀越が1点を返す。(堀1-4関)

7回表、堀越は高山・谷山(2年)・矢口の3本のヒットで2死ながらも満塁とします。続く鈴木海はボテボテのピッチャーゴロ。佐藤奨がこれを何とか処理したチェンジと思いきや…ファースト石橋がこれを逸らし2者生還。堀越が終盤で1点差に詰め寄ります。(堀3-4関)

9回表、もう後がない堀越ですが、先頭の7番秋田が値千金の同点ホームラン。土壇場で試合を振り出しに戻します。(堀4-4関)

9回裏、この回から堀越のピッチャーは4番手のサイド右腕原島(2年)。1死から本橋に死球を与えてしまう。続く宮本が送って1死2塁でバッター米田を迎えます。米田は原島の2球目の変化球を捉えると打球はライトスタンドへ!関東一が苦しみながらも米田のサヨナラホームランで6-4で堀越を破りました。

20160716関東一 佐藤佑
3回にタイムリー2ベースを放つ佐藤佑

20160716堀越 秋田
9回表に同点弾を放った秋田

20160716関東一 サヨナラ
サヨナラ弾を放った米田と打たれた原島


スコア

現在調整中

Topic
歓声の陰に隠れた迷采配
堀越が1点ビハインドで迎えた9回裏。打順は7番から。8番は好投をしていた秋山(3年)であるが、ネクストバッターサークルでは代打が準備していた。

しかしここで予想外(ちょっと失礼ですが…)のことが起きる。これまで併殺・三振を含む3打数ノーヒットであった秋田が、値千金の同点ホームラン!秋田がダイヤモンドを1周した後も、堀越サイドは大歓声で沸きあがる。そんな中、そのままネクストバッターサークルにいた代打の小松(2年)がそのまま打席に入った。

「えっ」と思った。誰か止めないのとかと…。おそらくここで秋山を代えてしまっては、投手力がだいぶ落ちる。もう後がない段階で代打は致し方ないが、もう状況は違うのだ。

小林監督が何を思って代打を送ったのかわからない。予想外のことに代打をキャンセルするのを忘れたのか、あるいはこの回で逆転するという意志で代打を送ったのか…。

ただ最終回に登板した原島は代打石塚の初球打ちと、宮本の2B0Sからのバントに助けれた感はあったが、明らかにコントロールが定まっていなかった。米田にサヨナラ弾を浴びたという結果からみて、やはりこの場面は原島にとっては荷が重すぎたのであった。

もちろんあの代打(=迷采配)がなかったところで総合力で上回る関東一が勝っていた可能性は高い。であるが、7・8回と関東一打線を見事に抑えた秋山が9回裏のマウンドに立っていれば…と思わざるを得ない。

20160716堀越 秋山
7・8回と関東一を無失点に抑える好リリーフをみせた秋山


天と地を味わった1年生
1年生ながら関東一のクリーンアップを務める石橋。この日も5回に、2-0→4-0となる貴重な2点タイムリー2ベースを放つ活躍を見せていた。

しかし7回表2死満塁。ここでボテボテのピッチャーゴロを佐藤奨が処理。送球はやや高いところにいったが、手を伸ばせば届く範囲でピンチを脱したかに思えた。しかしその送球は石橋のグラブをかすめ、ファースト後方を転々とし、2者が生還して堀越に1点差に詰め寄られた。

一瞬にして殊勲打→戦犯となってしまった石橋は次の回の守備からベンチへ下がることとなった。
1年生にとっては簡単なことでないかもしれないですが、是非ともこの経験を糧に、次戦以降も頑張ってほしいものです。

20160716関東一 石橋
2点タイムリー2ベースを放つ石橋


この期に及んでスイッチヒッター?
7番サードでスタメンの山川が、2回裏の第1打席で左打席に入った瞬間には目を疑った。山川は昨秋からずっと右打者であり、名簿にも右投右打と書いてある。「バッター山川」と言われていたので、登録変更もなく、本人であろう。夏大の直前でスイッチヒッターに転向したということなのか?

そんな山川の今日の成績は
1四球(左打席)
2送りバント(左打席)
3ライト前ヒット(右打席)
4レフト前ヒット(左打席)

今日の結果から言えば、2打数2安打で左右両方の打席からヒットを放っているのでスイッチヒッターは成功といえる。春に本橋のスイッチで失敗しているだけに米澤監督には「またかよ!?」と言ってやりたかったが、残念ながらそうは言えなさそうだ。まぁこと後も急造スイッチヒッターに注目していきたいと思います。

20160716関東一 山川
左打席に立つ山川


Pickup Player
佐藤奨真 関東一 ピッチャー
ついに決まった関東一のエース

新チーム結成以来、関東一はコントロールのいい右腕の河合(3年)・球威のある右腕の竹井(3年)・そしてこの左腕の佐藤の3本柱でやってきた。タイプの異なる3投手を揃えるのは他チームからすれば羨ましい一方、強敵に通用する絶対的エースといえる存在がいない状態であった。そんな中で米澤監督からエースになることを期待されていた佐藤奨。春の関東大会に引き続き、この夏も背番号1を背負った。

この日の佐藤奨は残念ながら調子がいいという状態でなかった。被安打は8でほぼ毎回得点圏にランナーを背負う形となった。それでも粘り強く投げ続け、6回まで1失点の好投を見せる。これまでの佐藤奨はいいときはいいが、突如乱れだすという傾向があったためにその点で成長が見られたといえる。7回に味方のエラーで2点を失うも、その後のピンチを切り抜け、8回を3人で完璧に抑えたあたりもその証だ。

9回に同点弾を浴びてしまったところはあるが、それでも佐藤奨を代えずに9回完投させたということは米澤監督もエースとして認めたということであると思う。

20160716関東一 佐藤奨
関東一のエース佐藤奨

テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

日本生命×MHPS横浜【都市対抗】

今年も都市対抗の季節がやってきたので、さっそく開幕戦を見に東京ドームにやってきました。
昨年の2大大会王者の日本生命と、昨年は予選で敗退してしまったMHPS横浜の対戦です。

スタメン

日本生命
CF 伊藤 宇治山田尚 近畿大 7
LF 神里 糸満 中央大 28
3B 原田 天理 立正大 4
DH 高橋 九産大九州 東海大 8
1B 廣本 浪速 法政大 24
SS 山本 PL学園 東洋大 3
RF 上西 県立和歌山商 中部学院大 33
C 古川 大産大付 愛知学院大 26
2B 岩下 大阪桐蔭 龍谷大 1
P 清水 麗澤瑞浪 中京大 19


MHPS横浜
CF 中西 横浜創学館 八戸大 6
SS 栗林 横浜商大 日体大 0
3B 竹内 日大三 明治大 3
RF 常道 東海大菅生 東海大 13
LF 山田 早稲田実業 早稲田大 25
2B 久保 佐賀商 富士大 1
DH 対馬 駒大苫小牧 九州共立大 22
1B 村山 常葉菊川   5
C 前田 米子西 立教大 23
P 大野 星稜 専修大 17



試合経過

1回裏、MHPS横浜は2番栗林が左中間への3ベースを放ち、チャンスメーク。続く3番竹内の打球もレフトの頭を越える2ベースとなり先制。常道のヒットで1死1・3塁とさらにチャンスを広げるも、5番山田はセカンドゴロ併殺でこの回1点止まり。(日0-1M)

2回表、すぐに追いつきたい日本生命は廣本がバットを折りながらも内野安打で出塁すると、そこから大野が乱れて連続四球で満塁。ただここでタイムを挟んで大野がギアを入れ替えると、上西・岩下が連続三振を喫しチャンスを逃します。(日0-1M)

4回裏、1死から山田がセンターオーバーの2ベースで出塁。久保のレフト前ヒットで1・3塁とチャンスが広がると、続く7番対馬の打球は高く跳ね上がる。マウンド後方で清水がキャッチするも体制を崩して投げられず、タイムリー内野安打となります。ここで日本生命は清水から小林(八千代松陰→東京情報大)にスイッチ。小林は8番村山を三振に仕留めるが、前田に四球を与え満塁。続く1番中西にはレフト戦に弾き返されます。1塁走者はホームでタッチアウトとなるも、この回計3点を追加します。(日0-4M)

7回表、先頭の上西がレフト線への2ベースで出塁。代打阿加多(慶応→慶応大)の四球で1死1・2塁とチャンスを広げるも、続く伊藤の強烈な打球はベースよりに守っていたセカンドの正面。4-6-3のダブルプレーで日本生命がチャンスを逃します。

8回表、先頭の神里がヒットで出塁→ワイルドピッチで2塁まで進みます。1死2塁となったところでMHPS横浜は好投の大野から鈴木(木更津総合→JX-ENEOS)にスイッチ。高橋に死球を与えるも、廣本・山本を打ち取りこの回もピンチをしのぎます。

日本生命の小林は登板した回にタイムリーこそ浴びたものの、4回以降は無失点。ただ打線は最後までMHPS横浜の投手陣を捉えることができず、最終回も齋藤(成田→立教大→JX-ENEOS)に3人で抑えられて完封負け。MHPS横浜が4-0で日本生命を下し、前年度王者がまさかの初戦敗退となりました。

20160715日本生命 清水
日本生命は清水のピッチングが誤算であった

20160715MHPS横浜 中西
4回に2点タイムリーを放った中西

20160715MHPS横浜 斎藤
最終回を3人で抑えた齋藤(補強選手)


スコア

日本生命
20160715日本生命スコア

MHPS横浜
20160715MHPS横浜スコア


Topic

予選の勢いそのままに
昨年は都市対抗予選敗退のチームが、昨年の都市対抗優勝チームを破るという番狂わせ。だが、この結果は両チームの勢いを象徴したものであった。

MHPS横浜は、東芝・JX-ENEOSとの三つ巴合戦を2連勝で西関東第一代表を勝ち取った。その2勝もともに9回に追いついて逆転勝ちという劇的なものであった。一方の日本生命は昨年の優勝チームであるために予選免除。予選を勝ち抜いた勢いで来る他チームと違って、勢いはほぼ0という状態だ。

そんな勢いがそのまま表れたこの試合。スコア上は4-0であるが、日本生命は投げてはエースが清水の不調、打線も点がとれる気配がなく、スコア以上にMHPS横浜が圧倒した試合であった。去年の都市対抗MVP(橋戸賞)の藤井(天理→同志社大)を使わないまま東京ドームを去ることになるとは意外です。


完封を演出したENEOSの新人リリーフ陣
この日のヒーローはもちろん先発の大野ですが、大野の後を受け継いで完封リレーを達成した2人の補強選手の存在も心強かったです。

8回表1死2塁、疲れの見え始めた大野の代わりに告げられた名前が「鈴木」であった時には正直耳を疑った。高卒1年目の選手をここで出すかと…。しかも迎えるバッターは日本生命の4番で百戦錬磨の高橋。鈴木は果敢にインコースを攻めるも、高橋にぶつけてしまい、当てられた高橋がしばらくその場で鈴木を睨み付ける有様。普通の投手なら1年目でなくても動揺する場面だが、鈴木はサイドから勢いのあるボールを投げて続け、後続2人を打ち取りました。さすがは高卒1年目で補強選手に選ばれるだけのことはある見事な度胸でした。

そして鈴木の後を受けて最終回に登板したのがこちらも新人の齋藤(成田→立教大→JX-ENEOS)。大学の最後の方は勢いのあるストレートが影を潜めて、ゴロを打たせるようなピッチングが目立ったが、社会人となった斎藤は完全に復活。この日はリリーフということもあるが、Max149㌔のストレートを中心に、王者を押しまくり、1イニングを2奪三振パーフェクトに抑えて見事に試合を締めくくった。

投手陣が課題であったMHPS横浜に対して、補強選手が見事に役割を果たした試合でした。

20160715MHPS横浜 鈴木
2番手で登板した高卒ルーキー(補強選手)の鈴木


今年は日本生命からプロに
昨年は2大大会を制覇したものの、ドラフト会議での指名はなく、優勝の戦力を維持することができた日本生命。しかし残念なのか、いやいいことなのか今年はそうもいかなそうである。

大卒2年目で今年からドラフト解禁となる小林が4回途中から登板。この回はタイムリーを浴びるも、5~8回は被安打1、四死球0、6奪三振という見事なもの。187㎝の長身から投げ下ろすストレートはこの日のMax149㌔で、フォークもよく落ちていました。1番成長したと感じたのは、足をあげる時間を調節することで打者のタイミングをずらすなど、しっかりと相手を見て冷静に投げれるようになったいた点です。本人が残留を希望しない限り、今年のドラフトでも指名は間違いないと思います。

野球でたられば言ってもしょうがないのですが、今日もし清水でなく、小林が先発していたら…と言いたくなってしまうほど、素晴らしいピッチングでした。

20160715MHPS日本生命 小林
4回から登板して最後まで投げ切った小林


Pickup Player
大野亨輔 MHPS横浜 ピッチャー

新人ながらMHP横浜のエースの座を獲得した大野。ストレートは140㌔ほどで、カットボールなどのストレートに近い変化球を駆使して、打たせて取るタイプの投手ですが、今日はそれだけでないというところも見せました。

2回表、初の都市対抗で緊張もあったのか、1死1塁からいきなりコントロールを乱し、連続四球で満塁。ここで高安監督から声をかけられるとモデルチェンジ。それまではカットボール中心の投球でしたが、ストレートをどんどん投げ込んでいきます。球速自体は140㌔程度だが、キレのあるストレートにバットが空を切ります。結局古川・岩下を連続三振に仕留めて、この日最大のピンチをしのぎました。

その後はやはりカットボールが主体の投球ではありましたが、ストレートうやカーブの割合も増え、昨年の王者相手に8回途中まで無失点という見事なピッチング。ちょっと早い話かもしれませんが、都市対抗の新人賞レースで大きく先行しました。

20160715MHPS横浜 大野
8回途中まで無失点という見事なピッチングを魅せた大野

余談
この日の試合前に10回目の出場ということで表彰を受けた日本生命の高橋・山本・岩下のベテラン3人。ただ残念ながらこの日は3人ともノーヒットと残念な10回目の出場となってしまいました…。

20160715日本生命表彰
試合前に表彰を受ける高橋・山本・岩下ほ

テーマ : 社会人野球
ジャンル : スポーツ

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