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智弁和歌山×滋賀学園【秋季近畿大会】

近畿大会観戦のためにはるばる和歌山へ。近畿大会3日目の初戦は地元智弁和歌山とセンバツベスト8の滋賀学園の対戦となります。

試合スコア
Team 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
智弁和歌山 2 0 2 0 0 2 0 0   6
滋賀学園 0 1 3 0 0 4 3 2X   13

智 ●平田・加藤・黒原ー文元
滋 ○神村・棚原ー後藤

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

智弁和歌山
20161029智弁和歌山


滋賀学園
20161029滋賀学園


20161029智弁和歌山 蔵野
プレイボール初球をレフトスタンドに運んだ蔵野

20161029滋賀学園 眞藤2
6回に決勝点となる2ランを放った眞藤

20161029滋賀学園 武井
コールド決定のサヨナラ2ランを放った武井


Topic
エースを助けてまさかのコールド勝ち
滋賀学園の柱は前チームからエースを務めて、チームをセンバツベスト8にまで導いた神村。この日も神村が智弁和歌山をいかにして抑えるかというところが勝負の決め手になると予想されていました。

しかし神村はいきなり初回に2被弾。2球とも甘く入った変化球をスタンドに運ばれました。そして1点差に迫った直後の3回に、今度はストレートを打たれ2ラン。チームはそれでも何とか3回裏に同点に追いつきますが、6回には2死2・3塁3B0Sから2ホーマーの林相手になぜかストライクを投げてしまい、2点タイムリーを浴びて勝ち越しを許す。結局6回6失点で、その裏に代打を送られた。風が終始風がホーム→センター方向に吹くという投手に不利な状況ではあったが、それを考慮しても不甲斐ない投球で
あった。

ただ神村の代打の田中嘉が同点タイムリーを放つと、チームはそのまま逆転。2番手の棚原は気合十分で雄たけびを超えて絶叫とも言うべき程の声を出しながら、2回をパーフェクトピッチングでチームを勝利に導いた。

こうしてエースは不甲斐ないピッチングながらも、チームは近畿ベスト8進出。センバツを確定させるには、次戦の報徳学園に勝つ必要がある。そしてそれにはもう1度チャンスを与えられたエースの好投が必要だ。

20161029滋賀学園 神村
チームは勝ったがエース神村はまさのピッチングであった…


明暗の別れた1年生スラッガー
強力智弁和歌山打線の中核となすのが、前チームからのレギュラーである、3番林・4番文元の両1年生スラッガーである。

3番の林はこの日は大爆破。初回に神村の変化球を捉えてライトスタンド後方へのソロホームラン。第2打席では今度はストレートを捉えて、2打席連発となるバックスクリーン横への2ラン。2死3塁で回ってきた第3打席では敬遠気味に歩かせられる。続く第4打席も2死2・3塁ということで当然のごとく、3B0S。しかし続く4球目を捉えて右中間を破る2点タイムリー2ベース。なぜ滋賀学園バッテリーがここでストライクを投げてしまったのかは謎だが、それを見事に仕留めた林には称賛を送りたい。

一方4番の文元は4打数ノーヒット。まぁそのうち3打席は林が走者を一層してくれたあとの状況ではあったが、林が敬遠された後の第3打席でも打ち取られてしまい、志賀学園の作戦を見事に成功させてしまった。守備面でも背番号9ながら、中学時代の本職であったキャッチャーを務めて、3投手をリードしたが計13失点という始末で、責任逃れはできたい状態だ。

このように明暗が分かれてった両スラッガーだが、この2人がそろい踏みとなれば、智弁和歌山打線は手に負えなくなるだろう。

20161029智弁和歌山 林
2ホーマーを含む3安打5打点の大活躍の林



今年も課題は投手陣
上述の林の大活躍に加えて、蔵野がプレーボール直後の初球をホームランにするなど、智弁和歌山打線は序盤から主導権を握り、同点に追いつかれた後も勝ち越すなど打線は悪くはなかった智弁和歌山。

しかし前チームからの課題である投手陣は、課題のままであった…。先発は背番号10の1年生右腕平田。180㎝81㎏という見事な体格から、打者に立ち向かうかの如くボールを投げ込んでいった。上々のスタートであったが、3回に2ホーマーを浴びるなどして同点に追いつかれる。5回には滋賀学園の3塁ベース踏み忘れで、何とか逆転されずに済むがもう厳しいという状態。それでも6回表にはそのまま打席に立たせて続投させると、それが見事に裏目に出て、6回に4失点。

代わったのは1年時からベンチ入りするなど期待されているものの、ケガに泣かされていた加藤。加藤は6回は凌ぐも、7回に3失点で降板。3番手でマウンドに上がった背番号の1年生左腕黒原も7回にコールドとなるサヨナラ2ランを浴びた。「なんでとっとと平田代えないんだ」と思ったが、この2人の出来を見るとうなずける部分もあった。

ただ平田・加藤などはもっている球は光るものがある。あとは春までにうまく鍛えられれば、投手という課題も解決できるだろう。

20161029智弁和歌山 平田
先発を託された平田であったが滋賀学園に捕まった…


Pickup Player
後藤克基 滋賀学園2年 キャッチャー
~レフト後方のアナウンスが必要となった場外弾~
前チームから神村とバッテリーを組む正捕手。打っても5番であった後藤は、新チームでもチームの中心である。この日は3番キャッチャーであったが、滋賀学園で最も警戒すべきバッターである。

そんな後藤は3回の第2打席。前の小浜が2ランを放った直後の初球を捉えると、打球はレフトスタンドの防護ネットを越えて、民家に直積する同点ホームラン。これが高校通算25本目だそうだ。その影響か、3・4打席目歩かされて、ヒットはこの1本のみであったが、その存在感は十分にアピールした。来年のドラフト候補捕手と言われるだけのことはある。

しかし守備面では、旧知の仲であるエース神村の5回KOという結果には本人も反省の弁を述べていた。2番手棚原は2回パーフェクトとうまくリードできていたものの、神村ー後藤のバッテリーが活躍しないと、やはり滋賀学園は始まらないであろう。

20161029滋賀学園 後藤
場外弾で後藤は存在感は十分に発揮した。

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テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

履正社:山口の入団拒否問題について

巷で話題になっている履正社の入団拒否問題
「日本ハムがまた強行指名」
「信用にかかわる問題」
「だったらプロ志望届出すな」
とか色々と声が聞こえてきますが…

別にい~じゃん
と思う。

これは強行指名した日ハムも、入団拒否しようとしてる山口側もひっくるめて「別にい~じゃん」という意味だ。
正直我々やメディアがとやかく言うことではない。

日本ハムは日本ハムで正々堂々入団交渉をすればいいし、
それに対して山口は入団拒否したいなら入団拒否すればいいのだ。


なぜこんなことを言うかというと、誰もペナルティーを被らないからだ

今回の問題でよく比較されるのが、以前の日ハムの大谷強行指名問題。メジャー挑戦の意思を示していた大谷に対し、他球団が指名を回避したのに対して、日ハムが強行指名→説得して入団。今でこそ大谷の二刀流大活躍でそれを問題視する人は減ったが、当時は日ハムに対して非難の嵐wこのときなぜ非難が多かったかというと、日ハムが強行指名した結果、大谷が日ハムを拒否
してメジャーに行くと、「メジャーを諦め、日本球界でプレーしたいとなっても2年プレーできない」というペナルティーがつくからだ。

それを今回の山口のケースに当てはめてみると…山口は入団拒否しても社会人に進む。この場合入団を拒否しようが、そもそも指名なしであろうが、社会人に進んだら次にドラフト対象となるのは3年後だ。つまり入団を拒否しても、山口にペナルティはない。

よって強行指名した日本ハムも山口に迷惑をかけるわけではないので問題ない。彼らは「山口が入団しないかもしれない」というリスクを承知で賭けに出ただけだ。ルールを破っているわけでも、うそをついたわけでもないので、岡田監督の「信用にかかわる問題」という発言も何を言っているのか分からない。

入団拒否やプロ志望届を出したのに条件をつけることに対しての批判もあるようだが、批判する人は何も知らない無能な人間だと言いたい。「入ればドラフト何位だろうが一緒」というのはレギュラー選考の基準くらいであり、それまでの契約金、期待度(=2軍での起用法)、引退後の扱いなどドラフト上位と下位では、待遇として大きな差がある。そもそもそんなものは「個人の職業選択の自由」の一言で済む話であるし、〇位以下ならプロへ行かないは往往として認めるべき権利なのだ。

そんなわけで最初にも言ったが、
日本ハムは正々堂々と入団交渉をすればいいし、それで説得できなければ諦めればよい。
山口はそれで心境が変わって日本ハムに入団してもいいし、社会人に進むという確固たる意志があるなら、話すら聞かなくてもよい。

ただそれだけの話で、外野がとやかく言うことはないのだ。


ただ大谷のときも最初は本人は挨拶に来たスカウトにも会わないという状態だったし、山口の逆転入団もないとは言えないと思う。まだ高校生なわけなのだから、大人が本気で説得すれば、気が変わることもある。個人的には日本ハム側が契約金はドラフト6位相当でなく、もっと高いものにするなどといった裏ワザを使えば面白いのではないかと思う。

こんなことよりも私が1番気になったのは、山口の滑り止めがJR東日本と言われていることだ。JR東日本といえば、社会人野球の名門中の名門で、ドラフト前に入団者は意志を示す必要があり、基本的にプロの滑り止め的な位置づけでは入団できないチームだと思っていた。履正社の1個先輩である永谷が、今年の春入団したツテなどもあるのだろうけど、ここから山口がJR東日本に入団できれば、それが1番の驚きだろう。たJR東日本にしてみれば、エースの田嶋(佐野日大)が来年のドラフトで抜けることがほぼ確実な状況で、同じように横から力強いストレートを投げられる左腕は補強ポイントとしてはマッチしていることだろう。

いずれにせよ、この問題はおとなしく見守っていこう。


20160604履正社 山口
渦中の履正社:山口
JR東日本にせよ日本ハムにせよ頑張ってほしい




テーマ : ドラフト会議
ジャンル : スポーツ

横浜×浦和学院【秋季関東大会】

関東大会の栃木遠征の2日目。横浜(神奈川2位)×浦和学院(埼玉1位)という完投の超強豪どうしの対決を観戦しました。

試合スコア

20161023横浜×浦和学院

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

横浜スコア
20161023横浜スコア

浦和学院スコア
20161023浦和学院スコア

20161023浦和学院 蛭間
4回にソロホームランを放った蛭間

20161023横浜 斉藤
4出塁3得点と見事なまでの1番らしい働きをした斉藤

20161023横浜バッテリー
勝利を納めた横浜バッテリー


Topic
痛かったエース佐野の不調
浦和学院の先発は、この関東大会から背番号1をつけるエース左腕の佐野であった。しかしこの日の佐野は制球がイマイチで、立ち上がりはストレート・スライダーともに高めに抜ける球が目立ち、5回7失点で降板。浦和学院のセンバツ出場は絶望的となってしまった。特にストレートの甘さが致命的で、打たれたヒット10本のうち7本がストレートであった。スライダーに関しては、だんだんと低めにコントロールできるようになり、奪った8奪三振のうち5個がスライダーによるものであった。その反面、ワンバンしてしまうスライダーも多く、暴投も3個となってしまった。

2番手の渡邊、3番手の清水はともに横浜を2回無失点に抑えた。それだけに佐野が本来の投球ができれいれば…あるいは佐野をもっとは早く代えていれば…という試合でもあった。それでも1年生エースの佐野にとっては貴重な経験になったはずだ。是非この経験をバネに、小島(早稲田大2年)・江口(立教大1年)らに匹敵する浦和学院のエース左腕として君臨して欲しいものだ。

20161023浦和学院 佐野
浦和学院としては佐野の出来が悪かったのが痛かった


3併殺で逃したチャンス
2-7とスコアでいえば完敗であった浦和学院。実際そこまで大きな実力差は感じなかったが、序盤流れに乗り損ねて、ついてしまった差を詰めることができなかったという感じだ。

その序盤の流れに乗り損ねたというのが併殺である。まず1回1死1・2塁で4番杉山がピッチャーゴロ併殺。2回にも先頭の家盛がヒットで出塁するも、続く山本がセカンドゴロ併殺。極め付けが3連打で作った4回の1死満塁のチャンスで秋山がサードゴロ併殺。4回まででの併殺3個が本当に痛かった。特に3個目は蛭間のホームランの後の3連打で「反撃が始まった」という状況なので痛かった。

そしてこの3併殺はいずれもいい打球と言えるようなバッティングであった。。「やはり野球は流れのスポーツ」そんなことを改めて感じさせられた。

板川劇場は閉幕のまま
横浜のエース板川は、いい時はいいのだが、突如崩れて大量失点という傾向があった。秋の神奈川県大会では、準々決勝の星槎国際湘南戦では6回まで無失点、チームも8-0でコールド目前の7回に一気に6失点。準決勝の桐光学園戦でも、 という内容であった。このいきなり始まる大量失点のことを「板川劇場」と呼ぼう。

この日の板川は3回まで無失点の好投も、4回1死から蛭間にソロホームランを浴び、さらに3連打でピンチを招いた。誰もがここで板川劇場開幕かと思われたが、上記の通り秋山を併殺に仕留める。続く5回にも1死満塁のピンチを招き、今度こそ劇場開幕かと思われたが、前の打席でホームランを打たれた3番蛭間をファールフライに打ち取ると、4番杉山もショートゴロに打ち取りピンチを凌いだ。この4・5回のあたり、ブルペンでは増田が投げていた。

ただその後は8回に1点を失うも、比較的安定したピッチングで、増田が投球練習を行うこともなくなった。結局、上記のように序盤の浦和学院の悪い流れに援護された部分はあるが、それでも1年生ながらこの大舞台で浦和学院相手に2失点完投。この日の板川のMaxとなる135㌔を終盤にマークするなどスタミナも十分であることを証明した。

横浜は今年も打線は強力なだけに、このまま板川劇場が閉幕状態ならばセンバツは有力といってもいいだろう。

20161023横浜 板川
粘り強く投げて9回2失点完投の板川


Pickup Player
市村拓己 横浜2年 ファースト
~遠回りしてつかんだレギュラー~
2015夏の神奈川県大会の初戦、名門横浜のショートを守っていたのは1年生であった。結局そのショートのレギュラーは最終的には当時3年生であった矢後らに奪われてしまったのだが、そのショートは新チームではレギュラーとして大いに期待されたいた。その選手こそがボーイズの全日本🉅表にも選ばれた期待の1年生市村であった。

しかし新チームのショートは渡辺で、市村はベンチ入りの当落線上。記憶にあるのは敗れた秋の関東大会の常総学院戦の最後の方に代打で出てきたことくらいである。2年夏もチームは神奈川を制して甲子園出場を果たすが、市村はずっとベンチ外であった。

最終学年となった市村であったが、背番号は13で、ファーストやサードの控え兼代打という立場であった。それでもそのバッティングで、神奈川県大会のと途中からファーストのレギュラーをつかんだ。そして関東大会では背番号3に昇格し、打順も7→6番と1つ挙げて初戦を迎えた。

市村の持ち味はパンチ力のあるバッティングであるが、この試合では3打席で2安打という活躍。特に2打席目のヒットはビックイニングの口火を切るヒットであり、第3打席の左中間を破るヒットも見事な打球であった。この日の横浜は渡辺以外はなかなかバントが決まらずにいたが、4打席目では1球で送りバントを決めるなどチャンスメイクとして大きく勝利に貢献した。

横浜という名門において遠回りして、レギュラーをつかんだ苦労人の活躍に今後も期待したい。

20161023横浜 市村
3打数2安打1四球1犠打とチームに貢献した市村

テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

山梨学院×霞ヶ浦【秋季関東大会】

関東大会を観戦しに栃木にやってきました。初日、清原球場の第2試合は山梨学院(山梨1位)×霞ヶ浦(茨城2位)です。


試合スコア

Team 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
山梨学院 0 0 0 0 1 1 0 0 0 2
霞ヶ浦 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1


山 ○吉松・S栗尾ー五十嵐
霞 ●川崎ー鈴木


※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

山梨学院
20161022山梨学院

霞ヶ浦
20161022霞ヶ浦

20161022霞ヶ浦 内野
先制タイムリーを放った内野

20161022山梨学院 五十嵐2
勝ち越しのホームランを放ちベンチに迎え入れられる五十嵐

20161022山梨学院 吉松
9回途中まで1失点の好投をみせた吉松


Topic
見事な左腕による投手戦
山梨学院が吉松、霞ヶ浦が川崎という両左腕エースの先発で始まった試合は見事な投手戦となった。

まずは吉松。125㌔~134㌔のストレートに110㌔台のスライダー、時より100㌔台のカーブを交えたピッチング。2回に先制を許すも、4回には霞ヶ浦打線を三者三振に斬ってとるなど、その後徐々に調子をあげていった。最後は栗尾のリリーフを仰ぐこととなったが、9回にも最速タイの134㌔をマークするなどスタミナも十分であった。夏の甲子園での経験からか、新チームでは本当に安心して見ていられるピッチャーになった。

一方、霞ヶ浦の川崎はストレートは120㌔前後とスピードはないものの、100㌔前後のカーブなどの緩急を交えたピッチング。4回までは山梨学院を内野安打1本に抑えますが、5回に自らのファーストとの連携ミスもあり、同点。6回に五十嵐に決勝ホームランとなる1発を浴びた。それ以降も毎回のようにピンチを招くが、粘りのピッチングで追加点を許さなかった。

そんな投手戦を制した山梨学院は次戦では好投手金久保率いる東海大市原望洋とセンバツ出場をかけて対戦する。さらなる投手戦が予想される。

20161022霞ヶ浦 川崎
敗れはしたが川崎は9回2失点という見事なピッチングであった


4球目から登場のストッパー
9回1死から山梨学院の吉松は同点のランナーとなる四球を与えた。ベンチ前でキャッチボールをしていた栗尾はウィンドブレーカーを脱いで1度マウンドに行く素振りをみせたもの止まり、代わりに伝令が行くのみとなった。しかし次打者7番内野のカウントが1B2Sとなったところで、今度は止まることなく栗尾がマウンドへ走っていた。まさかの4球目からのリリーフであったが、栗尾はその初球に得意のスライダーを投げ込み内野を三振に斬ってとった。続く小川も抑えてゲームセット。4球目から登場したストッパーが見事に役割を果たした。

見事なストッパー振りであった栗尾であるが、入学当初からベンチ入りを果たし、夏は背番号1として甲子園出場を果たした投手。この秋は背番号11となってしまった。ずっとエースを争ってきた宮内(2年)とともに、現段階では吉松に差をつけられた格好になってしまったが、エース争いが激化すれば山梨学院にとっては非常にプラスであろう。

20161022山梨学院 栗尾
9回1死1塁の4球目から登板した栗尾


背番号15の甲子園経験者
昨夏に初めて甲子園出場を果たした霞ヶ浦。そのときの唯一のレギュラー経験者が、当時1年生ながらセカンドで出場していた益子であった。

そんな益子であるが、夏の大会での失態も影響したのか(準決勝の明秀日立戦でエラー相当のプレー3つ)、この秋は背番号15。セカンドのポジションは後輩の小儀のものとなった。それでも5番サードでスタメン出場すると、第1打席には吉松の変化球を捉えて左中間に2ベースを放ち、先制のホームを踏んだ。これが今日の霞ヶ浦では1番のあたりであった。

1年時からレギュラーを獲得して順調に見えた益子にとっては背番号15は挫折かもしれない。しかしこれを乗り越えて、さらなる成長を遂げてほしい。

20161022霞ヶ浦 益子
益子は背番号15ながら存在感は発揮した


Pickup Player
五十嵐寛人 山梨学院2年 キャッチャー
~試合を決めた主砲の一振り~
5回が終わってグランド整備にはいり、その再開後の初球であった。山梨学院の4番五十嵐の捉えた打球は、レフトスタンドに飛び込むホームラン。結局この一振りが決勝弾となり、山梨学院は2回戦へコマを進めた。

元日本ハムの五十嵐信一氏を父にもつサラブレッドは、前チームからキャッチャーとしてレギュラーを獲得。栗尾・吉松・宮内の同級生の3投手とともに2年生バッテリーとして甲子園出場を果たした。

新チームでは4番キャッチャーというチームの要。オープンスタンスでどっしりと構えら姿はまるでずっと4番を打っていたかのような雰囲気があり、そこから力強いスイングを繰り出す。この日はバッティングだけでなく、吉松・栗尾を見事にリードして霞ヶ浦打線を1得点に抑えた。山梨学院が3ねんぶりのセンバツ出場を果たすためにはこの要の活躍が必須である。

20161022山梨学院 五十嵐
決勝ホームランをはなった4番五十嵐

テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

NPBお祈りリスト(高校生編)

ドラフト会議も終わりしたので、ドラフトの結果について色々書いていこうと思います。

まずは惜しくもドラフト指名のなかった選手(NPBにお祈りされたしまった方々)についてです。
高校生では指名が期待されながらも、結局指名漏れとなった主な選手は以下の通りです。

名前 ポジション 高校
糸野 内野手 明秀日立
森田 捕手 前橋育英
星野 投手 川越東
渡部 内野手 日本ウェルネス
高橋 内野手 愛工大名電
打田 投手 日本航空石川
西田 投手 大商大浪商
岩本 投手 大阪桐蔭
平内 投手 神戸国際大付
赤羽 投手 市立和歌山
中山 外野手 九州国際大付
天本 外野手 秀岳館
大庭 内野手 明豊


中でも1番以外だったのが糸野(明秀日立)。右打ちの大型ショートということで、どのチームからも需要があり、ドラフト3位くらいで指名される存在だと思っていた。相棒の細川はDeNA5位指名でしたが、糸野の指名がなかったのは高校生の中では1番の驚きでした。

その次に意外であったのが、高橋(愛工大名電)と平内(神戸国際大付)。この2人はともに名門校の選手で、素材的にも素晴らしいものがあり、わりと早い時期に志望届を出したので、あからじめ指名の確約に近いものがあるのかと思っていた。

中山(九州国際大付)は指名漏れで、九州国際大付は昨年から4人連続で指名漏れ(山本は育成指名はあったが…)となってしまった。同じく九州では指折りの野手の天本(秀岳館)と大庭(明豊)も指名漏れ。特に天本はチームメイトの九鬼と松尾がともに3位で指名されただけに「自分も」という思いは強かったのではないか。

さてプロ入りが叶わなかった選手達ですが、大学球界から見ると逸材たちばかり。今後彼らがどこの大学に入って、どう活躍していくかという点は非常に楽しみです。

そして4年あとにはまたプロに挑戦してほしいものです。今回オリックス2位の黒木(立正大)や阪神2位の小野(富士大)らは高校生で指名漏れしてから、大学で結果を出して今回の指名を獲得しました。彼らにもぜひそのようになって欲しいものだ。

20160725明秀日立 糸野
指名漏れで1番の驚きは糸野

20160328秀岳館 天本
秀岳館は他の2人が指名される中、天本だけ指名漏れとなってしまった

テーマ : ドラフト会議
ジャンル : スポーツ

ドラフト1・2位24人予想

明日はドラフト会議!
ということで、勝手にドラフト1位・2位で指名される24選手の顔ぶれを予想してみました。
異論は認めますw

選手名 ポジション 所属チーム
古谷 投手 江陵高
今井 投手 作新学院高
高橋昂 投手 花咲徳栄高
投手 東海大望洋高
藤平 投手 横浜高
鈴木 外野手 静岡高
寺島 投手 履正社高
捕手 広島新庄高
九鬼 投手 秀岳館高
中塚 投手 白鴎大
笠原 投手 新潟医療健康大
田中 投手 創価大
投手 明治大
加藤拓 投手 慶応大
田村 投手 立教大
京田 内野手 日大
黒木 投手 立正大
丸山 投手 東海大
佐々木 投手 桜美林大
濱口 投手 神奈川大
吉川 内野手 中京学院大
投手 近大
山岡 投手 東京ガス
中山 内野手 東京ガス


テーマ : ドラフト会議
ジャンル : スポーツ

意外なプロ志望提出選手

近年ではプロに進む実力があっても、有名大学や社会人チームに進むという選手は多いです。特にその選手が名門校の選手だったりすると、プロ志望届を出す前にすでに進学先や就職先が決まっているなんてことも少なくない。そんな感じでプロ志望届は出さないと思いきや、志望届を出した意外な選手を紹介します。


①中道勝士 明治大 キャッチャー
智弁学園では強肩強打のキャッチャーとして、2年夏(ベスト8)と3年春に甲子園出場。3年夏は畝傍に敗れて甲子園出場を逃すも、U-18日本代表に選ばれて、当時からドラフト候補の呼び声が高かったが、プロ志望届を出さずに明治大に進学した。

しかし明治大は1個上に坂本(阪神)がいたため、中道が1~3年時はずっと坂本がマスクを被っていて、中道はベンチに入るのがやったという立ち位置。坂本が卒業した今年はいよいよレギュラーかと思ったが、同期の牛島(4門司学園)にレギュラー争いで敗れる。レギュラーを獲得した牛島は打っても4番に座り、大学日本代表のメンバーにも選ばれた。一方中道は春は控え捕手でありながらも代打で活躍していたが、この秋はケガだろうか?ベンチ入りすらしていない。

そんな中道がプロ志望届を提出した。ライバルが強敵すぎるという不運もあったが、結局大学ではほとんど実績を残していない状況でのプロ志望であった。一方、正捕手の牛島はプロ入りを熱望されながらも、プロ志望届を出さずに、JR九州に進むようである。正直指名はかなり厳しい状態ですが、高校時代にバッテリーを組んだ青山のいるオリックスが指名したりしたら非常に面白いですね。

20160515明治大 中道
明治大 中道


②榊原翼 浦和学院 ピッチャー
Max142㌔のストレートと大きく縦に曲がるスライダーが武器の本格派右腕。浦和学院の前チームのエースであり、甲子園には2年センバツに出場したが、チームがベスト4に輝く中、榊原は登板なしと、浦和学院のエースにしては珍しく甲子園の実績がない選手だ。

浦和学院は進学傾向が強く、浦和学院のエースともなれば、立教大や東洋大に進学するのが通常である。よってこの榊原は浦和学院にとっては南(元ソフトバンク)以来、6年ぶりのプロ志望提出者になる。

実際榊原は指名されるかされないかギリギリといったところであろう。名門大学の推薦が確実な中、プロを志した浦和学院のエースに注目だ。

20160521浦和学院 榊原
浦和学院 榊原


③坂倉将吾 日大三 キャッチャー
高校通算2ホーマーを誇る日大三の主砲。もともとはキャッチャーとして入学するも、外野にコンバートし、1年秋から日大三の4番に座った坂倉。2年秋からはキャッチャーに再コンバートし3番キャッチャーとして攻守でチームを牽引した。

日大三は上記の浦和学院と同じように近年高卒でプロ入りした例はなく、もし坂倉がドラフト会議で指名されれば、日大三の選手としては、選手権大会を制した近藤(ヤクルト)以来15年ぶりの指名を狙います。

坂倉はもとよりプロ志望が強く、今年の春の段階か志望届の提出を明言していた。しかし夏の字準々決勝で東海大菅生に敗れ、坂倉のキャリアとしても甲子園出場を逃すことになると、志望届に関しては一一旦リセットするとも発言。このまま明治大や日本大に進むかと思いきや、当初の予定通り志望届を提出した。

坂倉に関していえば下位になってはしますが、指名は濃厚である。あとは捕手として指名されるのか、打撃を評価された外野手として指名されるのかも注目である。

20160409-2 坂倉
日大三 坂倉


その他にも
・横浜高では4番を打つこともあったが現在立正大ではセカンド控えの樋口(4年)
・進学実績のいい川越東のエース兼4番の星野(3年)
・大阪桐蔭の2番手ではあったが春以降はケガで登板のない岩本悠(3年)
らも同様なケースにあたる。

明後日はドラフト会議。いわゆるドラフトの上位候補でなく、こういう進学先OR就職先がありながも、あえてプロ志望届を提出してドラフトに挑む選手に注目です。                                                                                                

テーマ : ドラフト会議
ジャンル : スポーツ

二松学舎大付×帝京【秋季東京大会】

各地方大会が始まる中、東京は2回戦を迎えます。そんな2回戦で二松学舎大付と帝京という西東京の超強豪どうしがぶつかりました。

試合スコア
Team 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
二松学舎大 2 0 0 2 0 1 0 0 0 5
帝京 0 0 2 1 0 2 1 0 X 6


二 市川・●岸川・長島ー松江
帝 〇松澤ー山名


※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

二松学舎大付
20161016二松学舎大付

帝京
20161016帝京

20161016二松学舎 永野
チームで唯一マルチヒットの永野

20161016帝京 金村
3回に同点2ランを放つ金村

20161016帝京 佐々木
巧みなバットコントロールで3安打3打点の活躍の佐々木


Topic

試合を決めたのは破天荒なセンター
帝京のセンターを守るのは、背番号16の1年生の志田。この本大会になってからスタメンに起用された選手だ。

まずセンターの守備であるが、何といっていいのかよく分からない…。
☓市川の1つで止められるんじゃいなかというヒットを3ベースにした
△定位置ちょっと後ろのセンターフライを前進して、観客をどよめかせたのちに危なっかしくキャッチ
◎後方のセンターフライをフェンスにぶつかって倒れこみながらキャッチ
そんな感じで帝京でセンターで起用されているのだから、それなりの能力はあるのだろうが、非常に評価しづらいような破天荒な守備…。見ている分には面白いけど、前田監督はヒヤヒヤしているのではないだろうか?

そんな志田ですが、打っては2点を勝ち越された直後の4回裏の先頭バッターとして打席に立つと、初球を叩いてレフト線への2ベース。佐々木のヒットで生還して、1点差に迫る貴重な得点を挙げた。そして最大の見せ場は7回裏の第4打席、5-5の同点で1死1・3塁という場面。その初球、サードランナーはスタートし、志田はバントをピッチャー横に転がして、見事にスクイズ成功。結局これが決勝点となり、志田は大仕事を果たした。

1年生でまだまだ不安なところもあるが、志田のこれからのさらなる活躍に期待したいです。

20161016帝京 志田
センターの志田。あとは守備の安定感さえ増してくれれば…。

背番号はグチャグチャ
帝京は非常にコンバートなどが多いチームで、いつも背番号と守備位置は一致しない傾向にある。この試合も背番号と守備位置が一致したのはピッチャー松澤、キャッチャー山名、ショート佐々木の3人のみ。あとの6人は背番号と守備位置が一致しない状態。初戦の錦城学園戦だと先発が背番号19の仁田(2年)だったので、一致するのは2人だけだったんだな…。

ポジション 名前 背番号 夏のポジション
ピッチャー 松澤 1 抑え投手
キャッチャー 山名 2 ???
ファースト 浅野 9 控え捕手
セカンド 田中麟 5 ファースト
サード 金村 3 ???
ショート 佐々木 6 センター
レフト 高橋 15 ???
センター 志田 16 ???
ライト 田中悠 8 サード


この一因は1年夏から4番を務めるなどし主軸として活躍していた岡崎(2年=背番号7)の不在。ノックにも入っていなかったし、こんな緊迫した試合でも出てこなかったので、ケガか何かで出られる状態じゃないのだろう…(ただ代わりの背番号7は見当たらなかったな)。この岡崎自身も外野にファーストにショートと色々なポジションを守ってきた選手なので、岡崎が復帰すれば、またポジションも色々代わるでしょう。

まぁそんな感じでポジションが固定されず、まだお試し段階の帝京だが、それでも二松学舎大付を撃破。まだまだ道のりは険しいが、5年ぶりとの甲子園に向けてまずは大きな関門を突破した。

20161016帝京 浅野
キャプテンの浅野は本職はキャッチャー、背番号は9、守っているのはファースト


大きかった大江の存在
野手陣は前チームからの経験者が多く残る二松学舎大付だが、対照的にピッチャーは大江(3年)が入学してからずっと主戦を張っていたため、経験不足が否めない。そんな新チームのエースは市川。今年の春は大江と交互に先発するなどして経験を積んだ182㎝の左腕ですが、夏はほぼ大江が1人で投げ抜き、市川自身も入学時からレギュラーをはる本職の外野での出場だった。

この日もエースとして先発した市川は、腕の長さを生かしたゆったりとしたフォームから、コントロール重視の丁寧なピッチング。四死球も2と少ない一方、三振も0でした。ただ帝京打線に11安打を浴びて6回途中に同点に追いつかれたところで降板し、ライトに回る。市川に関していえば、現在のチームではエースなのだろうが、本人の将来のことを考えたら野手だろうなという感じだ。

代わった1年生右腕の岸川は、コンパクトなフォームからテンポよくストレートを投げ込む投手。市川の後を受け継いだ6回は、帝京4番金村を併殺打に打ち取って逆転のピンチを凌ぐが、続く7回には決勝点となるスクイズを決められてしまい負け投手になった。

結局3回もリードを奪うも、投手陣が3回追いつかれ、最後は逆転されての敗北となってしまった。二松学舎にとっては久しぶりの名長い冬。その間に市川を外野に専念させられるような投手陣になってほしいものだ。

20161016二松学舎 市川
大江から背番号1を引き継いだ市川



Pickup Player
松澤海渡 帝京1年 ピッチャー
代える気配のなかった新エース
中学時代は軟式で135㌔を投げ、軟式のU-15日本代表にも選ばれる。帝京では入学当初から出番を得て、夏は1年生ながら抑えとして活躍した。同じく1年から登板経験のある大胡(2年)や、春の背番号1で初戦で完封した仁田(2年)ら先輩がいるが、この秋は松澤が背番号1を背負い、今日の大一番も先発を果たした。

松澤は勝手に速球派というイメージをもっていたのだが、投げ終わりにぐらつくことのない安定したフォームからテンポよくボールを投げこむ。序盤はストレートが走らなかったこともあり、変化球中心のピッチングであったが、チームが流れに乗るのとともにストレートの勢いが増してきて、後半は割合が多めになったストレートがコーナーに決まりだして安定したピッチング。特に9回表に追い込んでから二松学舎4番の永井にストレートを3球続けて三振に斬ったのは見事であった。

ただ序盤~中盤にかけては2度もチームが同点においついてくれても、その直後に勝ち越しを許す苦しい展開。正直この試合で松澤を代えるタイミングは何度もあったが、それでも前田監督は松澤を代える気配すら見せなかった。どうやらこの秋は基本はエース松澤にすべてを託すようである。そんな前田監督の我慢も実ってか、上述のように調子をあげていき、5失点ながらも強打の二松学舎相手に見事完投勝利☆本人にとっても大きな自信になったことだろう。

20161016帝京 松澤
5失点ながらも完投勝利をあげた松澤

テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

流通経済大×創価大【新東京学生野球リーグ】

創価大:田中、流経大:生田目という2人の大学球界を代表するピッチャーの投げ合いを見に県営大宮までやってきました。両投手ともケガに悩み、実に1年半ぶりの直接対決です。

試合スコア
Team 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
流通経済大 0 1 0 0 2 0 0 0 0 3
創価大 0 0 2 0 0 1 1 0 X 4

流 ●生田目・岡田ー串畑
創 ○田中ー賀部

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

流経大
20161015流経大スコア

創価大
20161015創価大スコア2

20161015流経大 笹田
田中から2安打をはなった4番の笹田

20161015創価大 西田
決勝タイムリーを放った西田

20161015創価大 田中
優勝に王手をかけ、勝利の瞬間ガッツポーズの田中



Topic

まだまだ復活は遠い生田目
この秋、約1年ぶりに肩痛から復帰し、先週先発にも復帰したばかりの生田目。この日も創価大相手に先発し、接戦を演じましたが、中味を見るとまだまだだな~という感じです。

この日の生田目のストレートはMax146㌔で、ほとんどが130㌔台。県営大宮のガンは辛いですが、田中と比べると5~10㌔は遅かったです。そストレートがまだ思うように走らないからか、ピッチングはスライダーがかなり多めでした。もともとスリークウォーターのピッチャーでしたが、肘の位置もやや下がったかな?という感じ。牽制球のときとは完全にサイドになってしました。7回になると完全にストライクが入らなくなり、2者連続でストレートの四球を与えたところで降板。スタミナ面でも復活はまだまだのようです。

そんな感じなので5回以外は毎回得点圏にランナーを背負う苦しいピッチング。それでも6回のスクイズを自らの見事なグラブトスで本塁で刺して雄たけびをあげるなど、去年の春とは違った気迫を全面に押し出したピッチングで、粘り強く投げぬきました。大学最後のシーズンにかける思いは本当に伝わってきました。

ドラフト3位以下なら社会人へ進む(おそらく日本通運)と言われている生田目にとっては、おそらくこれがドラフト前最後の登板。今日のピッチングを見てスカウトが、「まだまだ復活途中だから問題ない」と判断するのか、「劣化した」と判断するのかが2位以内で指名するかどうかのポイントになってくると思います。ただ個人的には厳しかな~という印象です。

20161015流経大 生田目
生田目の復活はまだまだ遠そうだ…


機動力で田中を攻略
敗れてはしまったものの、田中から3点を奪った流経大の攻撃。そんなに打力があるとは言えない打線ですが、機動力を駆使した田中の攻略は見事なものでした。

まず2回に笹田が2ベースで出塁すると、5番大崎、6番折橋と連続バントで先制。5回には出雲、橋川がセーフティの構えをして揺さぶる。この2人は打ち取られて2死となるも、そこから9番串橋がヒットで出塁すると、次打者の初球スチール。田中はペースを乱されたか、高橋に四球→ワイルドピッチとピンチを広げると、本間に逆転のタイムリーを浴びた。

特に盗塁という面では、流経大はこの日5個の盗塁を成功させて、失敗は無し。チームとしてどうやら田中のモーションを完全に盗んでいるようで、笹田・串橋といったそれほど足があるわけでもない選手でも余裕で盗塁を成功させていた。これは単にランナーを進めるというだけでなく、モーションを盗まれていると思うとピッチャーはいつも通りに投げづらいもので、田中の投球を大いに乱せていたと思う。

ただ7~9回は1人のランナーを出すこともできずに、最後は力負け…。とはいえ他のチームにとっても、田中攻略のいいお手本となったのではないだろうか?

20161015流経大 高橋
流経大機動力野球の要はプロ志望届も提出した俊足の1番高橋


もっと行けたよ創価大
この試合はイニングスコアから見れば、シーソーゲームを創価大が何とか制したという試合だ。しかし内容的にはだいぶ創価大に分があり、けどどこか得点を取り切れずに接戦になってしまったという試合だ。

創価大打線は結局この試合は3者凡退で終わった5回以外は、全ての回で得点圏にランナーを進めている。それでもチャンスで2つの併殺やスクイズ失敗が響いて4得点。生田目がよっく粘ったともいえるが、今日の生田目からならもっと点をとらなくてはいけなかった。

今日の勝利で新東京大学野球リーグの優勝に王手がかけた創価大。田中自身もまだ完全に復活したわけではないし、10/31始まる横浜市長杯を勝ち抜いて神宮に行くためには、打線の決定力が必要となってくる。


Pickup Player
田中正義 創価大4年 ピッチャー
~まだ完全復活とはいかないがそれでもモノが違う~
間違いなく今年の大学No1投手である田中正義。やはりアマチュア野球ファンとしては、ラストイヤーに見ないわけにはいかなかったです。

この日の田中のストレートはMax152㌔。県営大宮のガン補正をなくせば155㌔くらいでしょうか?スピードだけでなく、そのノビがあり、また重そうなストレートで、やはりほかの投手とはモノが違うなと感じました。また130㌔中盤をもマークした縦のスライダーも一級品でした。

そんな感じでボールは素晴らしかったのですが、三振は7個のみで、思ったよりはバットに当てられているという印象でした。そして上記のようにクセを盗まれたりと機動力の餌食になったこともあり、3失点。本人にとっても、スカウトにとっても決して納得のいく内容ではなかったでしょう。まだ完全復活とはいえない状態のようです。

それでも終盤の7~9回は流経大打線をパーフェクトに抑えるなどして、復帰後初となる完投勝利。最後の球が125球目で151㌔をマークするなど、スタミナ面でも問題ないことを証明しました。

ドラフト会議まであと5日。いったい何球団が田中を1位指名するか楽しみです。

20161015創価大 田中2
田中は完全復活とはいいがたいものの3失点完投勝利


余談
今度は田中VS佐々木千
創価大が優勝に王手をかけたこの日、首都大学野球リーグでは桜美林大も優勝に王手をかけました。横浜市長杯では新東京大学野球リーグの1位と首都大学野球リーグの1位がいきなり激突することになるため、このままいけば横浜市長杯の初戦で田中VS佐々木という、そのころにはドラフト1位でプロ入りが決まっているだろうピッチャーどうしの対決が見れます。

テーマ : 大学野球
ジャンル : スポーツ

主なプロ志望届未提出者(大学生編)

昨日に続き今度は大卒編です。
当たり前ですが、大学の方は超意外というメンバーはいないですね…。

 
名前 ポジション 大学 予想進路
山根 投手 東海大北海道 日本生命
黒川 投手 道都大 富士重工
波多野 投手 東北福祉大  
城間 投手 東北福祉大  
長澤 内野手 上武大 NTT東日本
大崎 外野手 流経大  
中澤 外野手 早稲田大 JFE東日本
牛島 捕手 明治大 JR九州
柴田 内野手 法政大  
水本 外野手 亜細亜大  
阿部 内野手 東洋大 NTT東日本
笹川 外野手 東洋大 東京ガス
岡野 投手 青山学院大  
近藤 投手 青山学院大  
投手 立正大  
森下 内野手 東海大  
木部 投手 筑波大  
左澤 投手 横浜商大  
石川 内野手 日大国際関係 東京ガス
山崎 捕手 中京学院  
吉川 投手 関西大  
小屋 投手 大商大  
藤原 内野手 京産大  
瀧中 投手 龍谷大 Honda鈴鹿
鈴木 投手 奈良学園 パナソニック


テーマ : ドラフト会議
ジャンル : スポーツ

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