東京国際大×明治大【オープン戦】
明治大の今季初戦となる東京情報大とのオープン戦を観戦してきました。
明大のグランドに行ったのは初めてだが、ボールパークと銘打っているだけあって、グランド2面に室内練習場があり、メイングランドもバックネットのスタンドが大きくて、見るスペースがたくさんあった(でも高校野球の公式戦となると、応援するスペースないかな…という感じ)。
試合スコア
東 柴田祐・●吉野・中村・池村ー柴田紘
明 水野・〇三輪・S市岡ー氷見・西野
水野、柴田祐という両チームの右エースの先発で始まった試合は序盤は投手戦。東京情報大は水野から4回まで7人ものランナーを出すも、ランナーを進めることができずに、また水野が要所を締めて無失点であった。
5回からともにリリーフ投手が登板すると、試合が6回に動く。明大は先頭の竹村がレフト前で出塁し、2死3塁のチャンスを作ると、4番越智のエンタイトル2ベースで先制。
8回に明大は新1年生の市岡が登板し、3連続四球で満塁のピンチを背負うも、宮内の打球はサードライナー。その裏に明大が守備の乱れからチャンスを作ると。奥山・西野に連続タイムリーが飛び出して東京情報大を突き放した。投げては水野→三輪→市岡の完封リレーであった。
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
※学年は4月からの新学年で表記しています
東京情報大

明治大


4番キャッチャーとして出場し、鋭い牽制球でランナーを刺した柴田

悪いかがらも4回無失点で切り抜けた水野

8回にダメ押しの2点タイムリー3ベースを放つ奥村
Topic
◆先制点は新4番のバットから
佐野(DeNA)・牛島(JR九州)といった主軸が抜けた明治大にとって、打線の核となるスラッガーの台頭は1番の課題である。そんな明治大にとっては初戦となるこのオープン戦で、4番に座ったのは越智であった。越智は神宮通算11打数2安打と実績はないものの、右打席からの鋭いスイングが武器で高校通算46本と高校時代から注目されたいた選手だ。
そんな明治の新4番越智は、先制のチャンスで迎えた4回1死2塁の打席では鋭い当たりを飛ばすもレフトライナー。そのまま両チーム無得点で迎えた6回にも2死3塁というチャンスで越智に打席が回ってきた。2球目の変化球を捉えて、3塁線に鋭い当たりを飛ばすも判定はわずかにファール…。東京情報大は命拾いして、0B2Sと追い込んだところで今度は低めボールともとれるゾーンに変化球を投じるも、越智はそれを完全に崩されながらもレフトへ運ぶ。レフトが取れないというあたりではなかったが、打球が伸びたこともあり、レフトの頭を超えると、そのままワンバンでレフトフェンスを越えるエンタイトル2ベースとなって明治大が均衡を破った。
この先制点で明治としては非常に試合を有利に進められるようになり、越智はこの試合ではひとまず4番の仕事を果たせたといえよう。しかし層の厚い明治大の外野陣、センターの日本代表候補の逢澤は確定だとしても、他はまだまだレース状態。残りの2枠をこの日3打数2安打と結果を出した内山、途中出場でヒットをはなった稲見、この日はベンチ外であったが4番に最も近いとされる東原もいて、そもそもレギュラー自体もまだまだ安泰とは言えない。

4番に座り先制のタイムリーを放った越智
◆インパクト抜群の市岡デビュー
明治大の新1年生でこの日唯一ベンチ入りを果たしたのが市岡。その市岡に1-0とリードした8回に大学デビューとなる登板のチャンスがやってきた。市岡は2連続三振という最高の入りを見せるが、ここからいきなり制球を乱して3連続四球で満塁。続く宮内には変化球をうまく合わせられるもサードライナーで何とかピンチを脱する。9回も続投した市岡は先頭打者に四球を出すも、後続を打ち取ってゲームセット。大学デビューは2回無失点4四球となんとも言い難い内容になってしまった。
市岡が突然乱れるのは高校時代からの課題であった。龍谷大平安の2年秋の近畿大会で初戦は7回1失点、準々決勝は8回無失点と完璧なピッチングを見せた市岡であったが、続く準決勝では6回10四死球と完全に自滅して、龍谷大平安のまさかのコールド負けという結果を作りだし、安定感のなさを露呈させた。翌春のセンバツでは、1試合で3点以上とられることなく、1人でなげきり課題であった安定感もついてきたかと思ったが、今日の市岡はまさに2年秋の市岡を凝縮したようなピッチングであり、安定感の"あ"の字もなかった。
それでも他にも有名選手が進学した明治大の中で、1年生で唯一ベンチ入りしたことには期待の高さがうかがえ、投げている球は素晴らしいものがあり、乱れた部分も含めて大学球界に大きなインパクトは残した。あとはこの球を常時しっかりコントロールすることさえできれば、1年生の神宮デビューも十分にあり得るだろう。

◆もったいなかった東京情報大
敗れた東京情報大であるが、序盤は互角以上の戦いを見せた。先発の柴田祐は威力のあるストレートを武器に明大打線を4回無失点に抑えた。打線はプロ注目の水野から4回までランナー7人を出すなどしてチャンスを作ったが、ランナーがうまく進められずに、あと1本が出ないという状態で中盤を迎えてしまった。
そんな勝ちきれないところで流れを失うと、6回には越智の打球をレフトが判断をやや誤り先制を許す(記録は2ベース)。8回にも伊藤のエラーでランナーを出すと、2死から奥山の打球を今度はライトが判断誤り(こちらも記録は3ベース)貴重な追加点を与えてしまった。この日は風が強く、ホームの明治と違ってグランドにも慣れていない部分もあるが、それでも両方ともうまい外野手なら…という打球であった。
そんなわけで昨秋日本一の明治相手に決して力負けはしておらず、むしろ互角の戦いができていたが、自らのミスで差をつけてしまったという東京情報大にとってはもったいない敗戦であった。

先発して明大打線を4回無失点に抑えた柴田祐
Pickup Player
三輪昂平 明治大3年 ピッチャー
明治で見つけたカト拓の後継者
この日両チーム合わせて1番のピッチング見せたといえるのが、5回から明治大の2番手として登板した三輪であった。
三輪はオリックスのコーチである三輪隆氏を父にもち、その父を関東一高で指導した小倉監督の日大三に入学。日大三では1年秋からベンチ入りを果たすと、2年夏の甲子園で149㌔をマークした。2年秋にはエースとなり、22回連続無失点の好成績を残すも、二松学舎大付には満塁ホームランを打たれるなどして敗退。3年春には東海大菅生戦でノーヒットノーランを達成するも、夏はケガの影響もあって登板が少なく、チームも東海大菅生に返り討ちにあって敗れた。明大にも屈指の速球派投手として入学するも、コントロールに難があって2年時までは神宮での登板はなかった。
しかしこの日の三輪はコントロールにバラツキはあったものの、3イニングで四球は0.。威力のあるストレートもさることながら、大きく縦に曲がるスライダーもかなりの代物であった。6回にはポテンヒットなどで1死1・3塁のピンチを招くも、続く打者を完全に詰まらせてピッチャーゴロとすると冷静にセカンドに送球してダブルプレーを完成させてピンチを凌いだ。5回と7回はそれぞれ3者凡退の完璧な内容であった。
三輪のこのフォーム、威力のあるストレート、嫌な感じのバラツキはまさに昨年広島にドラフト1位で入団した加藤拓(慶応)を彷彿とさせるものであった。六大学ファンにとっては加藤拓という見てていてどこかワクワクする投手の後継者として是非とも期待したいところであろう。

3回無失点の見事なリリーフをみせた三輪
明大のグランドに行ったのは初めてだが、ボールパークと銘打っているだけあって、グランド2面に室内練習場があり、メイングランドもバックネットのスタンドが大きくて、見るスペースがたくさんあった(でも高校野球の公式戦となると、応援するスペースないかな…という感じ)。
試合スコア
Team | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | ||
東京国際大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
明治大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | X | 4 |
明 水野・〇三輪・S市岡ー氷見・西野
水野、柴田祐という両チームの右エースの先発で始まった試合は序盤は投手戦。東京情報大は水野から4回まで7人ものランナーを出すも、ランナーを進めることができずに、また水野が要所を締めて無失点であった。
5回からともにリリーフ投手が登板すると、試合が6回に動く。明大は先頭の竹村がレフト前で出塁し、2死3塁のチャンスを作ると、4番越智のエンタイトル2ベースで先制。
8回に明大は新1年生の市岡が登板し、3連続四球で満塁のピンチを背負うも、宮内の打球はサードライナー。その裏に明大が守備の乱れからチャンスを作ると。奥山・西野に連続タイムリーが飛び出して東京情報大を突き放した。投げては水野→三輪→市岡の完封リレーであった。
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
※学年は4月からの新学年で表記しています
東京情報大

明治大


4番キャッチャーとして出場し、鋭い牽制球でランナーを刺した柴田

悪いかがらも4回無失点で切り抜けた水野

8回にダメ押しの2点タイムリー3ベースを放つ奥村
Topic
◆先制点は新4番のバットから
佐野(DeNA)・牛島(JR九州)といった主軸が抜けた明治大にとって、打線の核となるスラッガーの台頭は1番の課題である。そんな明治大にとっては初戦となるこのオープン戦で、4番に座ったのは越智であった。越智は神宮通算11打数2安打と実績はないものの、右打席からの鋭いスイングが武器で高校通算46本と高校時代から注目されたいた選手だ。
そんな明治の新4番越智は、先制のチャンスで迎えた4回1死2塁の打席では鋭い当たりを飛ばすもレフトライナー。そのまま両チーム無得点で迎えた6回にも2死3塁というチャンスで越智に打席が回ってきた。2球目の変化球を捉えて、3塁線に鋭い当たりを飛ばすも判定はわずかにファール…。東京情報大は命拾いして、0B2Sと追い込んだところで今度は低めボールともとれるゾーンに変化球を投じるも、越智はそれを完全に崩されながらもレフトへ運ぶ。レフトが取れないというあたりではなかったが、打球が伸びたこともあり、レフトの頭を超えると、そのままワンバンでレフトフェンスを越えるエンタイトル2ベースとなって明治大が均衡を破った。
この先制点で明治としては非常に試合を有利に進められるようになり、越智はこの試合ではひとまず4番の仕事を果たせたといえよう。しかし層の厚い明治大の外野陣、センターの日本代表候補の逢澤は確定だとしても、他はまだまだレース状態。残りの2枠をこの日3打数2安打と結果を出した内山、途中出場でヒットをはなった稲見、この日はベンチ外であったが4番に最も近いとされる東原もいて、そもそもレギュラー自体もまだまだ安泰とは言えない。

4番に座り先制のタイムリーを放った越智
◆インパクト抜群の市岡デビュー
明治大の新1年生でこの日唯一ベンチ入りを果たしたのが市岡。その市岡に1-0とリードした8回に大学デビューとなる登板のチャンスがやってきた。市岡は2連続三振という最高の入りを見せるが、ここからいきなり制球を乱して3連続四球で満塁。続く宮内には変化球をうまく合わせられるもサードライナーで何とかピンチを脱する。9回も続投した市岡は先頭打者に四球を出すも、後続を打ち取ってゲームセット。大学デビューは2回無失点4四球となんとも言い難い内容になってしまった。
市岡が突然乱れるのは高校時代からの課題であった。龍谷大平安の2年秋の近畿大会で初戦は7回1失点、準々決勝は8回無失点と完璧なピッチングを見せた市岡であったが、続く準決勝では6回10四死球と完全に自滅して、龍谷大平安のまさかのコールド負けという結果を作りだし、安定感のなさを露呈させた。翌春のセンバツでは、1試合で3点以上とられることなく、1人でなげきり課題であった安定感もついてきたかと思ったが、今日の市岡はまさに2年秋の市岡を凝縮したようなピッチングであり、安定感の"あ"の字もなかった。
それでも他にも有名選手が進学した明治大の中で、1年生で唯一ベンチ入りしたことには期待の高さがうかがえ、投げている球は素晴らしいものがあり、乱れた部分も含めて大学球界に大きなインパクトは残した。あとはこの球を常時しっかりコントロールすることさえできれば、1年生の神宮デビューも十分にあり得るだろう。

◆もったいなかった東京情報大
敗れた東京情報大であるが、序盤は互角以上の戦いを見せた。先発の柴田祐は威力のあるストレートを武器に明大打線を4回無失点に抑えた。打線はプロ注目の水野から4回までランナー7人を出すなどしてチャンスを作ったが、ランナーがうまく進められずに、あと1本が出ないという状態で中盤を迎えてしまった。
そんな勝ちきれないところで流れを失うと、6回には越智の打球をレフトが判断をやや誤り先制を許す(記録は2ベース)。8回にも伊藤のエラーでランナーを出すと、2死から奥山の打球を今度はライトが判断誤り(こちらも記録は3ベース)貴重な追加点を与えてしまった。この日は風が強く、ホームの明治と違ってグランドにも慣れていない部分もあるが、それでも両方ともうまい外野手なら…という打球であった。
そんなわけで昨秋日本一の明治相手に決して力負けはしておらず、むしろ互角の戦いができていたが、自らのミスで差をつけてしまったという東京情報大にとってはもったいない敗戦であった。

先発して明大打線を4回無失点に抑えた柴田祐
Pickup Player
三輪昂平 明治大3年 ピッチャー
明治で見つけたカト拓の後継者
この日両チーム合わせて1番のピッチング見せたといえるのが、5回から明治大の2番手として登板した三輪であった。
三輪はオリックスのコーチである三輪隆氏を父にもち、その父を関東一高で指導した小倉監督の日大三に入学。日大三では1年秋からベンチ入りを果たすと、2年夏の甲子園で149㌔をマークした。2年秋にはエースとなり、22回連続無失点の好成績を残すも、二松学舎大付には満塁ホームランを打たれるなどして敗退。3年春には東海大菅生戦でノーヒットノーランを達成するも、夏はケガの影響もあって登板が少なく、チームも東海大菅生に返り討ちにあって敗れた。明大にも屈指の速球派投手として入学するも、コントロールに難があって2年時までは神宮での登板はなかった。
しかしこの日の三輪はコントロールにバラツキはあったものの、3イニングで四球は0.。威力のあるストレートもさることながら、大きく縦に曲がるスライダーもかなりの代物であった。6回にはポテンヒットなどで1死1・3塁のピンチを招くも、続く打者を完全に詰まらせてピッチャーゴロとすると冷静にセカンドに送球してダブルプレーを完成させてピンチを凌いだ。5回と7回はそれぞれ3者凡退の完璧な内容であった。
三輪のこのフォーム、威力のあるストレート、嫌な感じのバラツキはまさに昨年広島にドラフト1位で入団した加藤拓(慶応)を彷彿とさせるものであった。六大学ファンにとっては加藤拓という見てていてどこかワクワクする投手の後継者として是非とも期待したいところであろう。

3回無失点の見事なリリーフをみせた三輪
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