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帝京×明大中野 【秋季東京大会3回戦】

10/28 秋季東京大会3回戦
帝京×明大中野 @神宮第二球場

試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20171024帝京×明大中野


明大中野は1回裏に先頭の杉浦が右中間へ2ベースを放ち出塁。すると帝京前田監督はここで早くも先発の背番号19真野→エース松澤に投手を交代。松澤はバントで1死3塁とされるも、3番吉田を三振に仕留めるなど見事に初回のピンチを凌いでみせる。

試合が動いたのは3回表、帝京は志田の2ベース→遠藤のレフト前→田中は敬遠気味の四球と満塁のチャンスを作ると4番白石が前進守備の1・2塁間を破り先制。さらにトランのファーストゴロを石井がホームに暴投してしまい2点目。とどめは笹川が走者一掃のセンターオーバーのタイムリー3ベースを放ち一挙5点を先制する。5回表にも田中の2ベース→バントで1死3塁とすると5番トランがセンター前にタイムリーを放った。

6回まで松澤の前に無得点に抑えられていた明大中野であるが、7回裏に伊井・森本の連打と四球で満塁のチャンスを作ると、2番明新のタイムリーでまず1点。さらに3番主将吉田が左中間に走者一掃の2ベースを放ち2点差に迫る。しかし4番加藤のヒットで1死1・3塁と一気に同点のチャンスを作るも、5番福島がファーストゴロ併殺に倒れて2点止まり。

続く8回裏にも1・2塁と一打同点のチャンスを作るも、帝京キャッチャー竹田がセカンド牽制で見事ランナーを刺すと流れは帝京に戻る。9回表に志田の2ベースと敬遠気味の四球2個で満塁とすると、6番笹川がこの日2本目の走者一掃のタイムリーを放ち3点を追加して勝負を決めた。帝京はベスト8進出。

20171024帝京 白石
先制タイムリーを放つ帝京4番の白石

20171024帝京 志田
1番打者としてチームを勢いづける3安打を放った志田

20171024明大中野 吉田
7回裏に走者一掃のタイムリーを放った明大中野の主将吉田


Topic
◆まさか日本文理大リレーで2人目からエース登場
帝京の先発は背番号19をつけた真野であったが、この真野が1回裏の先頭打者に2ベースを打たれたところで、前田監督は早くもエースの松澤をマウンドに送った。まさに日本文理大を彷彿とさせる継投であった。松澤はバントで1死3塁とされるも、3番吉田を見逃し三振に仕留めるなどこのピンチを脱してみせると、2回以降も安定したピッチングで明大中野打線に得点を許さない。

松澤は夏から取り組んだ、バッターから背番号が正対してみる取り込んだトルネード投法から威力のあるストレートに加えて、大きく曲がるスライダーに、シュート、チェンジアップなども交えた投球で非常に完成度の高い投手であると改めて感じた。しかし中盤を過ぎると明中打線も松澤のストレートに合ってくる。ここら辺がもともといいピッチングをしていながらもわざわざトルネードに変えたようんなのかなと思った。結局ストレートであってきたことで、勝負どころではスライダー頼みというピッチングになる。そして今度はスライダーが甘く入ってしまい、7回裏に打たれた2本のタイムリーはいずれも初球のスライダーであった。

それでも得点を許したのはこの7回裏だけであり、なんとか逃げ切った松澤。リリーフ投手ながら9回4失点という投球であった。エースとしての最低限の役割を果たしたといえるが、7回の場面では9番打者に四球を与えて満塁にしてしまった場面も含めて課題は残る内容であった。

20171024帝京 松澤
1回裏の打者2人目からリリーフして最後まで投げ抜いた帝京のエース松澤


◆明中の神宮第二シフトを破った笹川
この日の明大中野の外野陣は相手が強打の帝京であるにもかかわらず、守備位置は比較的に前めであった。これはおそらくは神宮第二球場は両翼が91㍍と狭く、人工芝でボールも死なないので抜かれてもすぐにフェンスに到着するということから引いたシフトであり(実際神宮第二ではフェンス直撃のシングルヒットとか多い)、ある意味理にかなっていると思った。

しかしそのシフトを見事に破ったのは帝京の6番笹川であった。笹川は満塁で迎えた4回の第2打席にセンターの頭を越える走者一掃のタイムリー3ベースを放つ。鋭い打球であったが、センターが他の球場と同じような位置に守っていれば神宮第二では頭を越すという打球はフェンス直撃かホームラン以外まずなく、前めに守っていたことが災いしてしまった。さらに9回にも満塁の場面で笹川の打球は左中間へ…飛び込んだセンター福島はグラブに当てるもボールをキャッチすることができずにこれまた走者一掃のタイムリーとなってしまった。

最初にも書いたように理にかなっていると思った明大中野の外野守備位置であったが、この日は結果としてそれが裏目に出てしまった。そして走者一掃のタイムリー2本とこのシフトを破って6打点をあげた笹川は見事であった。

20171024帝京 笹川
2本の走者一掃のタイムリーで6打点をあげた帝京の笹川


◆背番号と守備位置が相変わらず合わなさすぎる件について
コンバートの多い帝京においては守備位置と背番号が合わないというのはよくあることだが、この試合では何と9人中守備位置と背番号があっているのはセンターの志田だけというスタメンであった。

これには大きな要因が2つあり、1つ目が大会直線に新チームからキャッチャーに転向していた田中を、夏までのショートに戻し、ショートの遠藤をセカンドにしたこと。そしてもう1つが控えピッチャーだが打力のある白石をファーストにし、ファーストであった藤波をレフトに、そしてレフトのトランをライトにするというように2つの大規模な玉突きコンバートが起きたことにある。

ただこれは帝京のある意味恒例といえ、このチームが夏に向かってどのような布陣になっていくのか注目である。


Pickup Player
田中悠我 帝京2年 ショート
~2度の敬遠された帝京の背番号2の大型ショート~

田中は1年夏から外野のレギュラーとして活躍すると、2年春にはショートへコンバート。スピードとパワーを兼ねそろえた大型ショートとして3試合連続ホームランを放つ。2年夏も3番ショートを務めると、4回戦では中学時代を過ごした日大豊山を破り、準々決勝の東海大高輪台戦では9回に同点ホームランを放つも、チームは延長10回にサヨナラ負けを喫してしまった。

新チームではキャッチャーにコンバートされた田中は背番号2をつけていたが、ケガか本大会1回戦の練馬戦ではスタメンを外れていた。しかし2回戦の創価戦では定位置の3番ショートで出場すると走者一掃のタイムリーを放つ活躍。この日も同じく背番号2ながら3番ショートでスタメン出場をはたした。

田中は第1打席では強烈な打球を放つもレフト正面のライナー。しかしこれまでの活躍とこの打球を見てか、3回の1死1・3塁という場面ではキャッチャーが立ち上がりはしなかったものの明大中野は明らかに田中との勝負を避けた。第3打席ではセンターオーバーの2ベースを放ちチャンスメイクすると、トランのタイムリーで生還。1死3塁で迎えた9回の第5打席でも、2打席目と同様に敬遠気味に歩かされた。結果的には3打数1安打であったが、3回・5回・9回と帝京が得点をあげたいずれ回においても田中は出塁し、3度ホームに返るなどして、得点に絡んでいる。

また敬遠2回とは明大中野も田中の実力を認めているという証拠であり、秋の段階でここまでされる打者はなかなかいない。現在の帝京打線では間違いなくNo1打者である田中が3番を打っている意味というのも、このような敬遠も想定していることであろう。

本職のショートに戻った守備でも、9回に三遊間の強烈な打球をダイビングキャッチして、セカンドでアウトをとるなどファインプレーで観客を魅了した。田中は肩が強いこともあり、割と後ろ目に守ることができていて、これもこのファインプレーの一因といえるだろう。

帝京で1年夏からレギュラーというと中村晃(ソフトバンク)・杉谷・松本(ともに日本ハム)といった名前があがる。同様に1年夏からレギュラーであった田中も、これらの系譜を受け継ぐべく大型ショートとしてドラフト候補にも挙がっている。ただその反面1年夏から帝京のレギュラーなのに甲子園未出場では格好がつかない、そういう意味でも何としても、この秋は東京を勝ち上がり、前田監督を久しぶりに甲子園に連れていきたいものだ。

20171028帝京 田中2 20171028帝京 田中
2敬遠されてしまった帝京の大型ショート田中


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