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早稲田大2018年度新入部員

アマチュア野球界もオフシーズンとなり、進路が話題となる季節になりました。
ということで今年も大学の入学が決まった新入部員たちを紹介していきます。

1回目は例年のごとく早めに発表した早稲田大です。

選手名 守備位置 出身校
徳山 壮磨 投手 大阪桐蔭
西垣 雅矢 投手 報徳学園
岩本 久重 捕手・外野手 大阪桐蔭
鈴木 萌斗 外野手 作新学院

秋季リーグ戦では東大と同率での最下位というまさかの結果に終わってしまった早稲田大。この結果からも陰りがあるという声もあるが、今年もスポーツ推薦の面子は13番目の球団とも言われるにふさわしい面子となった。

まずはセンバツの優勝投手であり、U18日本代表でもエースを務め、高校No1投手との呼び声高い大阪桐蔭の徳山。球の回転がよくMax147㌔という球速以上に感じられるストレートに、スライダー・フォークなどの変化球を全てコーナーに決めることができる総合力の高い投手で、140㌔以上が7人いるという大阪桐蔭の投手陣においても、頭1つも2つも抜きんでた存在であった。同じくセンバツで活躍したのが報徳学園の西垣。もともとポテンシャルが評価されている投手であったが、フォークをうまく使った投球が完成してセンバツではその実力が開花。前橋育英を完封するなど、25回4失点の好投で永田監督のラストに花を添えるベスト4進出の最大の立役者となった。エースで主将の小島はいるものの、先発2番手はまだ決まっておらずこの徳山・西垣が1年目からそこに入る可能性も大いにある。

作新学院の鈴木は2年夏にスーパーサブとして甲子園制覇に貢献。最終学年となってからは1番or3番の主力選手としてチームを春夏連続で甲子園出場に導いた。走塁・守備はすでに大学球界でも通用するレベルなので、1年目から代走や守備固めでの出場がありそうだが、打撃次第では一気に1・2番を打つ可能性もある。そして1番のサプライズであったのが大阪桐蔭の岩本だ。岩本は大阪桐蔭の正捕手であったがセンバツ直前の骨折で、センバツ優勝をスコアラーとして迎えることになった。その間に正捕手となった福井が夏もマスクを被り、最後の夏は岩本は控え捕手兼外野という立場であった。4人しか枠のない早稲田大の推薦で同じ高校の選手が2人というのは異例であり、さらにそれが大阪桐蔭とはいえ控えの選手であるという意味でサプライズであった。ただもともとはプロも注目していた捕手であり、その実力は十分。徳山とのバッテリーで、福井(慶応大入学予定)との早慶戦を戦うことになると面白い。


このメンバーはあくまでスポーツ推薦だけであり、他にも系列校からの選手やAO入試の選手などの加入も予想される。早稲田系列であれば、清宮と同期の早実から橘内や服部、佐賀県代表として夏の甲子園に出場した早稲田佐賀の選手たちの加入が見込まれ、こちらも注目である。

20160923大阪桐蔭  徳山
徳山(大阪桐蔭)

20170320報徳学園 西垣
西垣(報徳学園)

20170811大阪桐蔭 岩本
岩本(大阪桐蔭)

20170503作新学院 鈴木
鈴木(作新学院)





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夏の神奈川の区割り決定 有利なのは横浜か?

来年の夏の甲子園は100回記念大会ということで、神奈川大会は北神奈川と南神奈川に分かれ、神奈川からは2チームの甲子園出場が可能となる。そしてこの度、地区によってそれぞれ北神奈川98校・南神奈川96校に分けられた。

それぞれの地区に属する主な強豪校は以下の通り↓

北神奈川
東海大相模慶応桐光学園・桐蔭学園・武相・日大・横浜商大・法政二・向上・相模原・川崎北

南神奈川
横浜・横浜隼人・横浜創学館・鎌倉学園・平塚学園・星槎国際湘南・日大藤沢・相洋・三浦学苑・藤嶺藤沢・立花学園

その他の高校についてはコチラ


秋の大会が始まる前から書かせてもらっているが、今年の神奈川は4強(上の赤字の4チーム)の実力がとびぬけている。実際にこの4チームのうち3チームが秋のベスト4であり、東海大相模と慶応はセンバツ出場がほぼ確実な状態だ。横浜は秋は準々決勝で敗れてしまったが、夏に神奈川制したメンバーが多く残っていて、当初は優勝候補筆頭と考えられていたほどだ。よってこの4チームがどのように分かれるかが、最大の焦点となっていた。

もちろん激戦区と言われる神奈川であるために、上記にあげたような強豪校と言われるチームは多く存在する。そして秋のベスト8チームは何チームずつ、過去の優勝回数は何回ずつという分析を行っている人もいたが、個人的な見解で言わせてもらえれば、この4チームがどう分かれるかが全てと言ってもいいと思っている。

という観点に立ってみると、北は3チーム、南は1チームであり、東海大相模・慶応・桐光学園という秋の1位~3位がつぶし合わなければいけないのに対し、この3チームに確実に当たらずに甲子園への切符を手にすることのできる横浜がこの区割りでは断然有利になったといえる


これは横浜が出た方が盛り上がるということで神奈川高野連のもくろみか?と思う人もいるかもしれないが、この区割りはほぼ10年前の90回記念大会(このときも神奈川からは2チームが出場可能)とほぼ同じである。強豪校でいえば横浜隼人が北→南に移動したくらいである。

この時は北でいえば決勝戦でエース大城昌士(西部ガス)・4番大田泰示(日本ハム)率いる東海大相模を、主将山崎錬(JX-ENEOS)に田村・只野のダブルエースの慶応が延長戦の大激戦の末に破って甲子園出場を果たした。一方南ではエース土屋(元日本ハム)に、倉本(DeNA)・松本(東芝)に当時2年生筒香(DeNA)の強力打線の横浜が危なげなく優勝を果たしている。今回も同じような形になる可能性は大いにあると考えらえる。

というわけで横浜が有利となった100回記念大会の神奈川大会の区割り。そもそも毎年神奈川2校にしてくれよとか思いつつ、来年の夏を楽しみに待ちたいと思う。


最後にそんな夏の大会で活躍が期待される神奈川4強の主力たち↓

20170924東海大相模 斎藤
東海大相模のエース斎藤

20170422慶応 生井
慶応のエース生井

20171024桐光学園 山田
桐光学園の3番で主将の山田

20170910横浜 万波
横浜の4番のスラッガー万波


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浦和実業×浦和学院 【さいたま市民大会決勝】

11/19 さいたま市民大会決勝
浦和実業×浦和学院 @市営浦和球場

試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20171119浦和実業×浦和学院

浦和学院は1回裏、連続四球で1・2塁とすると3番蛭間の打球はファーストゴロ。ファーストがベースを踏んで、ゲッツーを狙ってセカンドに送球するもそれが暴投となり2塁ランナーが生還し先制。さらに4番冨岡、エラーを挟んで7番近野とバッテリーにタイムリーが飛び出して初回に3点をあげる。

浦和実業は2回表に馬場のヒットから2死2塁のチャンスを作ると、1番後藤のライト前のポテンヒットで1点を返す。しかしその裏に浦和学院打線が火を噴く。蛭間が四球で出塁すると、4番冨岡の2打席連続タイムリーとなるライトオーバーの2ベース、さらに1・2塁から近野の左中間への2点タイムリー2ベース。ここでまたエラーなども絡みランナーをためると、佐野のタイムリーにとどめは蛭間のレフトフェンス直撃の2点タイムリー2ベースでこの回に一挙8点をあげ、浦和実業のエース英をKOする。

浦和学院は6回裏にも、浦和実業の2番手久野から2死3塁のチャンスを作ると、代打片岡がタイムリー。さらに9番大澤の打球は1度は2ベースと判断されたものの、打球がフェンスを越えてから跳ね返ってきたという判定に変わり2ランとなり、この回3点を追加する。

浦和実業は8回・9回と浦和学院の2番手河北から1点ずつをあげ、最後はエース英がマウンドに戻るなど粘りをみせるも、大量失点が響いてしまった。浦和学院が15-4で大勝し、さいたま市民大会の優勝を果たした。

20171119浦和学院 近野2
打ってもタイムリー2本の活躍をみせた浦和学院の先発近野

20171119浦和学院 大澤
6回裏に2ランを放った浦和学院の9番大澤

20171119浦和実業 後藤
打つ方ではタイムリーを含む2安打の浦和実業の後藤


Topic
◆2年生ばかりの1.5軍浦和学院だが蛭間は出場
この大会の浦和学院のメンバーには、佐野涼・渡邊の2年生投手2枚看板に、核弾頭の矢野といった主力、中前・高倉・畑・後藤といった秋季大会ではレギュラーで活躍した1年生も含まれておらず、2年生のみの1.5軍というレベルのメンバーで大会に臨んだ。

そんな中でも1年夏から4番を打ち、現チームでも打線の中心である蛭間だけは、チームの主将ということもあり、3番センターとして出場。3打席目で放ったレフトフェンス直撃の2点タイムリー2ベースは、ボールを引き付けてしっかりたたくことができていて、もう少しで逆方向へのホームランという素晴らしい打球であった。やはり蛭間は警戒されているのか四球2個で、この日は3打数1安打2打点という活躍であった。

ただチームとしてはまだまだのところもあるようで、5回の整備中には「これで本当に甲子園行けるのか?」という森監督の怒号も飛び交っていた。個人の成績もさることながら、この大会に主力で1人出場しているところを見ると、主将としても秋に関東大会に出られなかったチームの再生が求められているのだろう。

20171119浦和学院 蛭間
レフトフェンス直撃の2点タイムリー2ベースを放つ蛭間


◆少し物足りなかった近野
浦和学院の先発は秋季大会では背番号1を背負っていた近野。1年春からベンチ入りも果たし、本来ならば佐野涼・渡邊との3枚看板として期待されている投手だ。しかしこの大会の近野は背番号10であり、また佐野涼・渡邊はベンチ入りしていないところを見ると、近野の現在位置はこの2人よりは後ろに思えた。

近野は左腕を大きくあげた大胆なフォームである。正直このフォームだけを見えるとコントロールが悪そうに見えるが、そこからストレートを低めに集め、小さく曲がるスライダーと大きく曲がるカーブを織り交ぜるピッチンングであった。ただ序盤はその低めを意識しすぎていたか、ボール球が多くなる傾向にあった。しかし中盤以降は高さよりも、左右を意識したのか、インコースとアウトコースにストレートをきっちりと投げ分けることができていて、徐々に調子も上がってきた。特にアウトコースを投げた後に、インコースにきっちりと投げられるのが近野のいいところで、中盤以降浦和実業はこのインコースにとことん詰まっていた。

ただこの時期ということもありスピード自体はもうひとつ…しっかりと自分のスイングができていた浦和実業の後藤・水谷・荒井といった主力打者にはヒットを打たれてしまっていた。結果として6回2失点という内容。先発としての仕事はきっちり果たしたといえるが、佐野涼・渡邊に追いつくという意味では少し物足りない内容であったかもしれない。

20171119浦和学院 近野
6回2失点とまとめあげた浦和学院の先発近野


◆守備の乱れが響いて連覇ならず…
昨年のこの大会では決勝で浦和学院(ただし2軍であったが…)を破り、優勝を果たした浦和実業。この試合もエース英を先発のマウンドに立てるなど、ほぼフルメンバーで浦和学院に臨んだ。

しかし初回にファーストの暴投、ショートのエラーが絡んで2失点。3回のビックイニングに関してもショートのエラーに、セカンドフライを落とすなど守備の乱れが見られてた。結局英は3回途中11失点で降板してしまうのだが、そのうち自責点は4のみ。3回までにいずれも得点に絡む2個のエラーを犯してしまったショート後藤は、1番打者として2打席連続ヒットを放っていたにも関わらず代えられてしまった。

浦和実業は昨年の秋は県ベスト4までいくほどの実力のあるチーム。そのときの3本柱の一角であった英が先発をしていることもあり、浦和学院相手であっても15失点というのは普段であれば考えづらく、序盤に守備の乱れリズムを掴めずに大量失点してしまったことが大きく響いたといえる。

20171119浦和実業 英
浦和実業の先発のエース英


Pickup Player
冨岡夏樹  浦和学院2年 キャッチャー
~4番の仕事を果たし打では正捕手に向けて大きくアピール~

大量得点を奪った浦和学院であるが、その中でも4番の冨岡の放った2本のタイムリーは非常に効果的であった。

冨岡はこの秋からベンチ入り。秋季大会の予選では背番号12であるが2試合ともスタメンマスクを被ると、本大会では背番号2に昇格。しかし実際の試合では1年生捕手の畑との併用が続き、秋の県大会では3試合中スタメンは1試合の途中出場は1試合であった。

このさいたま市民大会では畑がベンチ入りしていないこともあり、全試合でマスクを被り、打っても4番を務めている冨岡。第1打席では初球をセンター前に綺麗にはじき返すタイムリーヒット。第2打席でもライナーでライトの頭を越すタイムリー2ベースを放つと、第3打席では1塁が空いていたこともあり、半ば勝負を避けられた感じの四球。打撃面では4打数2安打2打点の活躍で、2本のタイムリーはともに大量得点の中でも効果的な場面であり4番としての仕事は果たせていたかと思う。

守備面ではキャッチングなどは問題なかった。序盤近野は低めのボールが多かったが後ろに逸らすこともなかったので、この調子でエース佐野涼のワンバンスライダーも止めることができれば合格であろう。ただ回の練習のときの送球を見ていると浦和学院のキャッチャーとしてはもう1つかなという印象を受けた。

秋に4番を打った上野を押しのけて、この大会で4番を務めていることからも打撃はなかなかのものがある。畑の方はまだ直接見れてはいないが、冬の間に送球を含めた守備を鍛えれば、春には正捕手冨岡となれるのではないだろうか。

20171119浦和学院 冨岡 20171119浦和学院 冨岡2
浦和学院の4番キャッチャーとしてタイムリー2本を放つ活躍をみせた冨岡



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神宮大会(大学の部)総括+ベストナイン

ちょっと時間が経ってしまいましたが、今度は神宮大会の大学の部の総括です。

2017明治神宮大会(大学)

優勝した日体大は何といっても、松本・東妻の3年生右腕2枚看板が3試合で計1失点とスゴかった。松本はストレートもさることながら多彩な変化球をコントロールよく決めて九州共立大戦で6回1失点、東洋大を完封。東妻は勢いのあるストレートで九州共立大戦では打者11人から9奪三振を奪ったかと思えば、道都大戦では打たせてとるピッチングで完封してみせた。九州共立大戦ではタイブレークに入ってからやっと6点を奪うなど湿っていた打線も、準決勝・決勝では確実に得点をあげてセーフティリードを保っていた。

準優勝の星槎道都大は北海道勢としては初の決勝進出を果たした。正直前評判は高くなかったが、全試合に先発したエース左腕の福田は素晴らしいピッチングで、創価大戦では杉山との投げ合いを制して1-0で完封勝ち。3年生の福田は来年も残るので、準決勝では爆発したものの創価大戦と決勝の日体大戦で沈黙してしまった打線が、どこまでレベルアップできるかが焦点となる。

道都大だけでなく、環太平洋大・九州共立大といった地方勢の活躍も目立った。環太平洋大は初戦で東京六大学代表の慶応大を撃破。元広島監督の野村謙二郎氏の弟・野村昭彦が率いるチームは、序盤にワンチャンスをモノにして先制すると、エース西山は無失点ながらも終盤は1イニングずつの継投に入り、最後は追加点をあげて突き放して勝利という、強敵に対する理想的な戦いであった。九州共立大もスラッガー片山をはじめとした打線で、初戦は名城大とのシーソーゲームをサヨナラで制し、続く試合では一転して投手戦で優勝した日体大相手にタイブレークまでもつれ込むなど素晴らしい戦いぶりであった。

その反面、初日で2チームが敗退してしまった関西勢や、ホームの慶応大が初戦で敗れてしまったことは残念であった。近年地方勢も力をつけてきているということを改めて認識した。そんな中、東洋大はベスト4と健闘したが、エース飯田、4番中川が万全の状態でなかったのは何とも心残りである。

ここからは大会の(個人的に選んだ)ベストナインです。

投手
東妻勇輔 日体大3年(智弁和歌山)
九州共立大ではリリーフで打者11人に対し9奪三振、一転して決勝の道都大戦では打たせてとるピッチングで2安打4奪三振で完封。違う姿も見せながら結局大会通じて無失点でMVPともいえる活躍。

20170402日体大 東妻


捕手
馬場龍星 日体大2年(八戸学院光星)
松本・東妻の2投手を見事にリードして、3試合で1失点という最強投手陣を支えた。打っても東洋大戦で2安打にスクイズ、決勝戦でも3出塁と大きく貢献。

20170402日体大 馬場


一塁手
片山勢三 九州共立大3年(門司学園)
名城大の好投手栗林から変化球をレフトスタンドに、高めの釣り球を右中間スタンドに2ホーマー。その後はランナー無しでも敬遠されるなど今大会で1番インパクトを残したスラッガー。

20171111九州共立大 片山


二塁手
岡田拓己 環太平洋大3年(岡山東商)
4番打者として大会通じて7打数4安打1打点という好成績を残した打撃もさることながら、安定したセカンド守備、さらには3年生ながら主将としてチームを慶応撃破に導いたことも評価できる。

20171111環太平洋大 岡田


三塁手
原澤健人 東洋大4年(前橋工)
富士大戦で先制のタイムリーに加えて、中盤には2打席連続弾。いずれも打った瞬間にそれとわかる飛距離十分のホームランで持ち前のパワーを遺憾なく発揮した。

20171112東洋大 原澤


遊撃手
船山貴大 日体大3年(日大三)
準決勝までは秋のリーグ戦で好調だった打撃が影を潜めていたが、決勝戦では値千金の先制2ラン。持ち前の守備でも投手陣を盛り立て優勝に貢献した。

20170903日体大 船山


外野手
沖繁優一 環太平洋大4年(瀬戸内)
3年連続となる神宮の舞台ではその経験も生きたか、持ち前のミート力を発揮し、ベスト4以上ではトップの打率.667に打点3をマークした。

20171111環太平洋大 沖繁



石黒凌 星槎道都大4年(北海学園札幌)
全ての試合でヒットを放ち、打率は.538をマーク。創価大戦と環太平洋大戦ではそれぞれ猛打賞の活躍をみせ、4番としてポイントゲッターとチャンスメイクの両方の役割を果たした。

20171112道都大 石黒


冨里優馬 日体大4年(日体荏原)
全ての試合でヒットを放ち打率は5割をマーク。特に山場となった準決勝の東洋大戦では2本のタイムリーに犠牲フライとチームの4得点中3打点をあげた。

20170903日体大 冨里

以上です。
異論は認めます。


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神宮大会(高校の部)総括+ベストナイン

明治神宮大会も高校の部では決勝が行われ、明徳義塾が4-0で創成館を破って秋の高校日本一の座を手にした。

2017明治神宮大会結果


明徳義塾はエース市川が決勝戦での完封を含めて、3試合全てを1人で投げ抜いた。短い日程で行われるために他のチームがいろいろな投手を起用したのに対して、エースが全ての試合を投げ抜くことで守りの面で安定感が生まれ、崩れることがなかった。打線も真鍋・田中・菰渕・渡部という左の巧打者が並んでヒットを量産し、準決勝ではケガの影響もあり6番に下がっていた谷合が同点2ラン、決勝戦でも4番に復帰すると3安打の活躍をみせた。投打に軸が揃い、安定した戦いぶりでの優勝であった。

この大会を1番沸かせたといえるのが準優勝の創成館。投手陣はエース左腕の川原を中心のチームだと思ってたが、川原以外にも右のオーバーハンドの戸田、準決勝・決勝で先発した左腕の七俵、サイドハンドの伊藤も1・2回戦では完璧な投球を見せるなどバラエティーに富んだ投手陣であった。打線にも繋がりがあり、準決勝までは序盤に得点を奪って試合の流れを自分たちのものにして継投で乗り切るという勝ちパターンであった。試合を重ねるごとにどんどんチームとしてパワーアップしているように感じられ、準決勝では大阪桐蔭を倒したというインパクトは大きい。

その創成館に敗れてしまった大阪桐蔭は史上最強とも呼び声高いメンバーを擁しながらも、神宮では不完全燃焼に終わった。エース柿木が肩に張りがあり万全の状態ではなく、横川も球威がなかった。自慢の打線もホームランは1本のみと爆発することもなかった。ただそれでもセンバツの優勝候補No1という評判は変わることはなく、むしろこの敗戦でさらに強くなることも期待される。

今大会では高校生であるにも関わらずコールドは0試合と、それぞれのチームが地区の優勝校にふさわしいきっちりとした試合を行っていた。日大三や聖光学院は初戦で敗れてしまったもののその戦力は充実していて、センバツでは十分に優勝候補になりえる。静岡もエース春の安定したピッチングに、村松・黒岩・成瀬らを中心に打線のつながりがあった。日本航空石川は別の意味で話題となってしまったが、日大三を破った試合は見事であり、今大会リリーフであった大橋が本格的にエースとなれば面白い。



以下は個人的に選んだ大会のベストナインです。

投手
市川悠太 明徳義塾2年
サイドよりやや上のフォームから140㌔を超えるストレートを投げ込み、3試合全てを1人で投げ切って優勝の立役者となった。特に創成館を4安打完封した決勝戦でのピッチングは素晴らしかった。

20171111明徳義塾 市川


捕手
安田陸 明徳義塾1年
1年生ながら守っては強肩と好リードで市川を支え、打っても5番打者として中央学院戦と創成館戦ではそれぞれ先制タイムリーを放つなど攻守にわたって活躍をみせた。

20171111明徳義塾 安田


一塁手
松浪基 創成館2年
聖光学院では流れをチームにもってくる貴重な先制の2点タイムリー3ベースを含む2安打、大阪桐蔭戦でも2安打2打点の活躍で5番打者として準Vに大きく貢献した。

20171112創成館 松浪


二塁手
藤優璃 創成館2年
おかやま山陽戦では初回に1番打者が出塁すると、2番打者としていきなりのタイムリー3ベースを放つなど毎試合ヒットを重ね、チームトップの打率.417をマークした。

20171112創成館 藤


三塁手
田中闘 明徳義塾2年
中央学院戦では全て得点に絡む3安打をマークし、静岡戦でもとどめのタイムリー2ベースなど2安打を放ち、バントなども含んて2番打者としてバットでチームに大きく貢献した。

20171111明徳義塾 田中


遊撃手
村松開人 静岡2年
日本航空石川戦では1番打者としてタイムリーを含む4打数3安打1四球の活躍で静岡打線を勢いづけた。守備も軽快であり、エース春を盛り立てた。

20171112静岡 村松


外野
谷合悠斗 明徳義塾2年
負傷の影響もあり6番に下がっていたが、静岡戦では8回に同点2ラン。決勝では4番に復帰すると全て得点に絡む3安打を放ち大会首位打者となる打率.500をマーク。

20171111明徳義塾 谷合


眞鍋陸 明徳義塾2年
静岡戦では8回に決勝打となるタイムリー2ベースを放つなど明徳義塾の1番打者として巧みなバットコントロールで毎試合ヒットを放ち打率.462をマークした。

20171111明徳義塾 眞鍋


上田優弥 日本航空石川2年
打球スピードは群を抜いていて日大三戦では3安打2打点の活躍。ここで相手捕手を負傷させてしまったことで批判を浴びるも続く試合でも無事に4番で出場し、2安打を放った。

20171112日本航空石川 上田


以上です。
今年も神宮大会でいい選手・チームが見れたので来年の春のセンバツが楽しみです。


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駒大苫小牧×大阪桐蔭 【明治神宮野球大会(高校の部)2回戦】

11/11 明治神宮野球大会2回戦
駒大苫小牧(北海道代表)×大阪桐蔭(近畿代表)

試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20171111駒大苫小牧×大阪桐蔭

大阪桐蔭は3回裏、横川の2ベース、藤原のレフト前ヒットで1・3塁とすると2番宮崎の強烈なショートゴロをショート石川がダイビングキャッチ。3塁ランナーも動けなかったが、その一方1塁もセーフとなり満塁となる。続く中川はセカンドゴロを打つが、これをセカンド大槻が2塁に暴投してしまい2者生還。なおも1死1・3塁で根尾の打球は強烈なファーストゴロで、ファーストが1塁ベースを踏んで2塁もアウトというタイミングであったが2塁への送球が逸れてゲッツーとならず、その間に3塁ランナーの宮崎がホームイン。この回大阪桐蔭が3点を先制する。

駒大苫小牧の反撃は5回表、白田・横地・小林の3連打で1点を返し、さらに2死1・3から盗塁のセカンド送球の間に3塁ランナーの小林がホームを突き1点差に迫る。さらに同点を狙って2塁から大西がワイルドピッチで一気にホームを狙うもタッチアウト。すると大阪桐蔭はその裏に2番宮崎がレフトスタンドにホームランを放ち2点差にリードを広げる。

大阪桐蔭は6回からエースの柿木を投入すると、この柿木が安定した投球が最後まで無失点。打線は大西の前に追加点が奪えなかったが、何とか逃げ切ってベスト4入りを果たした。

20171111駒大苫小牧 小林
タイムリーヒットに加えて、好走塁で2点目を獲得した駒大苫小牧の小林

20171111大阪桐蔭 宮崎
5回裏にソロホームランを放った大阪桐蔭の宮崎

20171111大阪桐蔭 横川
5回2失点と何とか試合もまとめあげ勝ち投手となった大阪桐蔭の先発横川


Topic
◆コースをつけば抑えられると証明した大西
駒大苫小牧のエース大西はストレートは130㌔行くかいかなかというスピードであったが、これにスライダーを交えて、丁寧にコースをつくピッチング。基本アウトコースではあったが、要所でインコースもつくことができていていた。おそらく春のセンバツを制したメンバーが多く残り、黄金世代と言われる大阪桐蔭の強力打線も、この大西の前に凡打の山を築いた。

結局大西は完投して、9回被安打8の4失点というピッチング。ただこの4失点もエラー絡みのものが多く、まともに打たれたのは宮崎のソロホームランのみ。奪った三振は2個のみというのが物語るように決して凄い球を投げるような投手ではないが、それでも丁寧にコースを突けば高校最強と言われる打線も抑えることができるということを証明した。これは打倒大阪桐蔭に燃える全国のチームにとっても非常に参考になる投球であったことだろう。

20171111駒大苫小牧 大西
9回まで敢闘した駒大苫小牧のエース大西


◆残念であった守備の乱れ…
上記のように大西が素晴らしいピッチングをしていただけに、3回の3失点というのは駒大苫小牧にとっては非常に悔いの残るものであった。1死満塁とされたところで駒大苫小牧は前進守備を選択。しかしセカンドゴロでセカンド大槻は2塁で併殺をとれると踏んだか、2塁へ送球するも、ショートのベースカバーも遅れ、送球も逸れてしまい、ゲッツーどころか1個もアウトをとれずに2点を献上してしまった。送球が逸れたという技術的なところもさることながら、前進守備という戦術とプレーが一致しなかったのは非常に残念である。

さらに続く根尾の打球も早くゲッツーをとれるものであったが、ベースを踏んだファーストの2塁への送球が逸れてしまい、ゲッツーが完成せずにもう1点。この回の3失点は全てエラーが絡んだものとなった。大阪桐蔭相手に大健闘をみせた駒大苫小牧であったが、それだけにこのエラー絡みで失った3失点は余計に悔いが残る。



◆不完全燃焼な大阪桐蔭打線
大西の見事なピッチングもあったが、大阪桐蔭打線としては自力でとった得点は宮崎のホームランによる1点のみというのは。受け入れがたい結果であろう。また神宮球場の内野スタンドを満員にしたファンにとっても期待外れであったことだろう。

この日の大阪桐蔭はクリーンアップの3人でヒットは中川の1本のみ。それでも中川・根尾は出塁を2度ずつしていたが、4打席全てがランナーのいる場面で回ってきた山田健が2三振を含む4タコと完全に当たりがなかった。その後を打つ6番井阪も4タコで、この2人により上位と下位が完全に分断されてしまい、打「線」とならなかったことが上記の要因といえる。

近畿大会決勝でもエース平田が投げなかった智弁和歌山から根尾のホームランの1点のみと元気のなかった大阪桐蔭打線。この神宮の地で是非とも復活して欲しいところだ。

20171111大阪桐蔭 山田健
残念ながらこの日は打線のブレーキとなってしまった大阪桐蔭の5番山田健


Pickup Player
柿木蓮 大阪桐蔭2年 ピッチャー
~出てきてたエースとしての貫禄~
上記のように点のとれいない試合でも、大阪桐蔭が負ける気はしなかった。その最大の要因は6回から登板したエース柿木のピッチンングであろう。

柿木は大阪桐蔭では2年春のセンバツで、直前に負傷した岩本に代わってベンチ入り。岩本の代わりであったので投手ながら背番号2をつけて、初戦の宇部鴻城戦に登板すると、143㌔をマークするなどして周囲の度肝を抜いた。そのまま2年春の大会ではエース徳山を温存したまま、横川との左右2枚看板で勝ち上がり、近畿大会Vを達成。2年夏は背番号11を背負ってエース徳山に次ぐ2番手として活躍。甲子園3回戦の仙台育英戦では先発を任され、9回2死まで無失点の好投を見せた。

新チームでは背番号1をつけた柿木であったが、この日は背番号10の横川が先発のマウンドに上がり、柿木は6回からマウンドに上がった。柿木はいきなり先頭打者に四球を与えてしまうも、そこからなんと9回2死までパーフェクトピッチングを展開。柿木といえばMax147㌔の力強いストレートが武器であるが、この日の最速は140㌔止まり.。噂によると肩にやや張りがあって状態は万全ではなかったそうだ。それでも打者の様子を冷静に見ながら、コースにきっちりと投げることができていて、ちょうど前エースの徳山に似てききて、エースとしての貫禄も感じられた。

結局4イニングを投げて被安打1四死球1の無失点と完璧なリリーフを見せた柿木。これで近畿大会から続く無失点を継続された。この大事な初戦の先発が横川であったことから、エース争いもまた混沌としているのかと思ったが、今日のピッチングを見る限りではエースは柿木といって問題なさそうだ。

20171111大阪桐蔭 柿木
6回から最後まで無失点リリーフをみせた大阪桐蔭のエース柿木


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秋季東京大会総括+ベストナイン

秋季東京大会も終わり、日大三が見事昨秋の雪辱を果たして優勝した。

2017秋季東京大会

日大三は結果から見れば全試合6点差以上で、1回戦と決勝以外は全てコールド勝ちという圧倒的な内容。特に日大三伝統の強力打線は健在で、日置・大塚・中村・飯村から構成されるクリーンアップは強力そのもの。日置は返すだけでなくチャンスメイクにも優れ、大塚はここぞという場面でタイムリーを量産し、中村は準決勝で逆転タイムリー3ベースを放つなど高アベレージを残し、飯村は昭和戦で2打席連続ホームランを放った。例年よりはややホームランは少ないが、それでも東京No1の打線であった。投手陣は中村・林・井上と3人の右腕で回した。3人ともそこそこの投球をみせた一方、投手陣の柱をいえる存在がおらず、今日の明治神宮大会初戦でも日本航空石川に打ち込まれてしまった。中でも出場が確実なセンバツでエースとして期待したいのは、U18日本代表の井上大成の弟でもある井上広輝で、躍動感のあるフォームからMax145㌔をマークする1年生は一冬を超えれば非常に楽しみな存在だ。

20171105日大三 井上
日大三の投手陣で1番の期待株である井上


その日大三を決勝まであと1イニングというところまで追い詰めた佼成学園。日大三とは対照的にコール勝ちは1試合のみで、堀越・明大中野八王子・国士館といった強豪を僅差で破った。その立役者はこの秋背番号1を背負った青木。ヤクルト秋吉のような独特のスリークウォーターから小さく曲がる変化球で打たせるピッチングで準決勝までは全て2失点以内。夏のエース中村も、ケガで出遅れていて背番号18も準決勝・決勝では先発するなど復帰を果たした。独特なバッティングフォームから高いミート力で国士館では決勝の3点タイムリー3ベースを放った1番笹渕、守備でも大活躍の岸川、東海大高輪台から満塁ホームランを放った4番松下、堀越戦では逆転2ランの平澤ら強打者が揃い、いいところでは打ったが、全体的にはまだ迫力にかける。残念ながら最後は日大三に差をつけられてしまい、センバツ出場は厳しい状況だが、この秋の東京大会を1番盛り上げたチームといえる。

20171104佼成学園 笹渕
準決勝で逆転タイムリー3ベースを放った佼成学園の笹渕


国士舘も準々決勝までは計2失点と投手力が光った。エースのサイド左腕石井は早実を完封し、1-0で撃破。準決勝までは無失点であっただけに、佼成学園の笹渕に浴びてしまった一打(この3点タイムリーで2-3で敗北)だけが本当に痛かった。同じく4強の日大豊山は二松学舎大付を破るなどして躍進した。名倉・高原の本格派右腕2枚に、平林・西村の三遊間は強力であった。特に西村は持ち前のバッティングもさることながら、日大三から2回連続で初球スチールを決めるなど走力も光った。

20171104国士舘 石井
早実から完封勝利をあげた国士舘のエース石井


その他、早稲田実業・二松学舎大付はともに強力打線を有しながらも、これが1発勝負の怖さというべきか、それぞれ国士館・日大豊山相手にその打線が振るわずロースコアで敗れた。関東一・帝京も投打に実力があったが、それぞれ早実・日大三という強豪とぶつかってしまった。ただこの4チームは本来はベスト4にいるべきレベルにあり、さらに1次予選で敗れてしまった東海大菅生も合わせて、春以降は日大三に次ぐ第2グループとなることだろう。


最後に個人的に勝手に選んだ今大会のベストナイン
【投  手】石井峻太(国士館2)
【捕  手】村高尭(日大豊山2)
【一塁手】飯村昇大(日大三2)
【二塁手】内藤真(国士館2)
【三塁手】西村達貴(日大豊山2)
【遊撃手】日置航(日大三2)
【外野手】大塚晃平(日大三2)
      笹渕勇武(佼成学園2)
岸川智哉(佼成学園2)

そしてあえてMVPをあげるとしたら、決勝戦での決勝打などいいところでコンスタントにタイムリーを放ち日大三打線を4番として牽引した大塚ですかね?

20171104日大三 大塚
今大会のMVPともいうべき活躍の日大三の4番大塚


以上です。


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近大附属×大阪桐蔭 【秋季近畿大会準々決勝】

11/3 秋季近畿大会準々決勝
近大附属×大阪桐蔭@大阪信用シティ信用金庫スタジアム

勝った方が近畿ベスト4となりセンバツ出場が確定する近畿大会の準々決勝大阪大会では準決勝で対戦(大阪桐蔭が勝利)した2チームが、同じ大阪信用シティ信用金庫スタジアムで再び相まみれます。


試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20171103近大附属×大阪桐蔭

大阪桐蔭は1回裏、先頭の藤原がライト線への2ベースで出塁すると、連続四球で無死満塁。根尾は三振に倒れるも、5番山田健が右中間にタイムリー2ベースを放ち2点を先制する。

3回裏には先頭の宮崎が四球で出塁すると、2盗→3盗を決めて、さらにこのときの3塁送球が暴投となり宮崎が1人でホームイン。さらに根尾が四球で出塁すると、サードゴロの2塁悪送球で3塁まで進む、6番井阪の犠牲フライで生還。この回大阪桐蔭がノーヒットで2点を追加する。

反撃に出たい近大附は5回表、先頭の大澤がエラーで出塁すると、3番山中がレフト線にタイムリー2ベースを放ち1点を返す。しかしその裏、ここまで2安打に抑えられていた大阪桐蔭が火を噴き、藤原の内野安打から宮崎のレフトフェンス直撃のタイムリー2ベース、中川の犠牲フライ、ワイルドピッチ、井阪のタイムリーと一挙4点をあげて突き放す。6回裏にも1死2・3塁から3番中川が2点タイムリーを放ち9点差。

投げては横川がランナーは出すものの要所を締めて、7回1失点の好投。大阪桐蔭が7回コールド勝ちで近大附属を破り、連覇を目指すセンバツの出場を確定させた。

20171103大阪桐蔭 山田健
先制の2点タイムリー2ベースを放った大阪桐蔭の山田健

20171103大阪桐蔭 中川
3打点をあげる活躍をみせた大阪桐蔭の新主将中川

20171103近大附属 山中
タイムリーを含む2安打を放った近大附の3番山中


Topic
◆調子はイマイチでも起用に応えた横川
大阪桐蔭の先発はエース柿木でなくて、背番号10の190㎝左腕の横川。おそらく決め手となったのは、大阪大会の準決勝では横川が近大附打線を抑えたこと、そして近大附の主力に左バッターが多いことであろう。

しかしこの日の横川はコントロールにバラつきがあり、球威もあるとは言えず、決して調子がいいとは言えない状態。初回に満塁のピンチを招くと、2回・3回も得点圏にランナーを背負う苦しいピッチングとなるも、要所を締めて4回まで無失点。5回には根尾のエラーからタイムリー2ベースを浴びて1点を失ってしまうも、その後は打線が大量リードを奪ってくれたこともあり、6回・7回は近大附打線を3人ずつで抑えた。

結局7回1失点(自責点0)の好投で三振も8個奪った。調子がよくない中でもこれだけの結果を残せたというのは非常に評価できる点であり、柿木・根尾との大阪桐蔭エース争いはさらにハイレベルなものとなりそうだ。

20171103大阪桐蔭 横川
調子は良くなかったが7回1失点とまとめあげた大阪桐蔭の先発横川


◆慎重すぎた大石
近大附属の注目は何といってもエース左腕の大石。U15日本代表にも選ばれ、近大附属では1年夏からエースとして活躍してきた左腕もついに最終学年を迎える。

1回戦では高田商から1失点完投勝利をあげたエースは、もちろんこの試合も先発のマウンドに上がる。しかしこの日の大石はいかんせん四球が多かった。大石は決してコントロールの悪い投手ではなく、またボール球も抜けているのではなく低めにはずれているものが多かった。よって調子が悪いのではなく、大阪桐蔭に対して慎重に厳しいところに投げていった結果が四球が多くなってしまった形だ。それでも1回・3回とヒットは2本のみであるが計4点をとられてしまったのはこの四球が影響していて、また低めのワンバン付近のボールも多かったので盗塁もされやすく、5回には2個のワイルドピッチも記録してしまった。

このピッチングは大阪大会で大阪桐蔭に打ち込まれてコールド負けしてしまった際の反省を踏まえたものであろうが、やや慎重になりすぎてしまった感はあり、リベンジに燃えていただろうが大阪桐蔭に返り討ちに遭ってしまった。とはいえ力を抜いたフォームからキレのある球を投げ込むピッチングは一級品であり、春以降の大阪桐蔭へのリベンジに期待したい。

20171103近大附属 大石
大阪桐蔭にリベンジを果たせなかった近大附属のエース大石


◆近大附属にもセンバツに出て欲しいが…
この試合で近畿大会もベスト4が出そろい、智弁学園・乙訓・近江・大阪桐蔭の4校がセンバツ確定。残りの2枠を準々決勝で敗れた法隆寺国際・智弁学園・彦根東・近大附属で争うこととなる。となる結果だけ見ると準々決勝でコールド負けしてしまった法隆寺国際と近大附属の敗退は濃厚になってしまう。

とはいえ近大附属が敗れたのは大阪大会・近畿大会いずれも大阪桐蔭。センバツを制した前チームのレギュラーが多く残り、ドラフト1位候補目白押しと言われている今年の大阪桐蔭は全国No1との呼び声も高く、このチームと当たってしまったのは不運の一言に尽きた。近大附属はエース大石を中心として非常にレベルの高いチームであり、大阪桐蔭と決勝まで当たらない組合であれば…というところであった。

ただ上記のような「相手が大阪桐蔭であったから」というのはセンバツ選考では考慮してもらえる可能性は低く、最初にも書いたが今のままでは選出はかなり厳しい状態だ。現実のところ1番期待すべきところは、2回敗れた大阪桐蔭が神宮大会で優勝して「神宮枠」で近畿に持ち帰ることであろう。


Pickup Player
宮崎仁斗 大阪桐蔭2年 外野手
~打たなくても点の取れた最大の立役者~
大阪桐蔭は4回までは2安打ながら4得点と機動力を使った攻めを見せたが、その象徴といえる存在が2番の宮崎であった。

宮崎は中学時代はボーイズ日本代表の主将も務めたキャッチャーであったが、大阪桐蔭では外野手に転向。野球センス抜群で身長170㎝ながら俊足・強肩に加えてスタンドに放り込むパワーもあり1年秋には背番号12ながらレフトのレギュラーに定着。ただ陽春のセンバツでは4試合にスタメン出場するも結果を残せなかった。すると2年夏は根尾や岩本の復帰に伴いレギュラーの座を失い、夏の甲子園では出場無しに終わる。

新チームになってレギュラー復帰を果たすと、この日も2番レフトでスタメン出場した。そしてこの日宮崎が魅せたのは第2打席、3回裏の先頭打者として2球で追い込まれるもそこから粘りを見せて四球で出塁すると、3番中川の打席で2盗を決め、4番根尾の打席では3盗、さらにこのときにキャッチャーの3塁送球暴投を誘い、四球から1人でホームまで返ってきた形だ。打順が3・4番というところでアウトになるたダメージが大きい場面であるが、いずれも素晴らしいスタートを切って、余裕でセーフのタイミングであった。

続く無死1塁で迎えた第3打席では大石のストレートを捉えると打球はレフトフェンス直撃のタイムリー2ベース。この試合の大阪桐蔭打線の中で1番ともいえるあたりで、足の次はパワーを見せつけて、あっという間に1塁ランナーの藤原をホームに迎い入れた。無死1・2塁で迎えた第4打席では今後は2番らしくきっちりとバントを決めて、次の中川の2点タイムリーに繋げた。

結果成績だけ見ると1打数1安打1打点であるが、四球→四球→左越二①→送りバントとすべての打席でしっかり得点に絡む仕事を果たしていた。バントもできるし強打でもいけるという2番で、塁に出れば俊足で盗塁もできるというまさに最高の2番打者であった。藤原・根尾・中川・柿木・横川という大型のドラフト候補ばかりが目立つが、この宮崎の活躍からも決して目は離せない。

20171103大阪桐蔭 宮崎
全ての打席で得点に絡む仕事を果たした大阪桐蔭の2番宮崎


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日大三×佼成学園 【秋季東京大会決勝】

11/5 秋季東京大会決勝
日大三×佼成学園 @神宮球場

勝てばセンバツ出場が確定する秋の東京大会決勝。これまでほとんどの試合をコールド勝ちと圧倒的な強さで勝ち上がってきた日大三と、コールド勝ちは1試合のみで後は接戦をモノにしてきた佼成学園というちょっとした因縁もある2チームの対戦です。

試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20171105日大三×佼成学園

1回表に日大三は1死満塁のチャンスを作るも5番飯村はピッチャーゴロホームゲッツーで無得点。対する佼成学園は1番笹渕がヒットで出塁すると、続く幸田のバントを日大三のサード金子がファンブル。岸川が送って1死2・3塁のチャンスとすると、ここで日大三は前進守備を引かなかったため、4番松下のファーストゴロで佼成学園が1点を先制。2回裏にも平澤・江原の連打とバントで1死2・3塁とすると、9番岡田のショートゴロを日置が好捕するも、3塁ランナー平澤のスタートがよくホーム間に合わずに佼成学園が2点目をあげる。

日大三の強力打線が目を覚ましたのは4回表、日置の2ベースから4番大塚のタイムリーであっさりと1点を返すと、バント→中村のヒットで1死1・3塁としてから7番柳澤のタイムリーで同点。さらに満塁とすると1番金子もタイムリーを放ち、日大三がこの回5安打で3得点をあげて逆転に成功する。

これで試合の流れは一気に日大三に傾くも続く5回にチャンスを作りながらも追加点を奪えずにいると、グランド整備を挟んで流れは再び佼成学園に傾く。6回裏に5番斉藤がインコールのボールをレフトスタンドに運び同点。7回裏にはこの回から登板した日大三2番手の井上から1死2塁のチャンスを作ると3番岸川がライト前にタイムリーヒットを放ち逆転に成功する。

佼成学園は5回からリリースした青木が何とか日大三打線を無得点に抑え、1点リードのまま初の甲子園に向けてあと1イニングという9回を迎える。しかし9回表に先頭の金子に四球を与えてしまうと、続く木代のバントを青木がフィルダースチョイスで無死1・3塁とされてしまい、3番日置のタイムリーで同点。日大三は4番大塚のタイムリーで逆転に成功すると、飯村・中村・井上もタイムリーで続き、この回ノーアウトのまま打者一巡するなど計8得点を奪って大逆転に成功。日大三が土壇場で底力を見せて、秋の東京を制し、センバツ出場を確実なものとした。

20171105佼成学園 岸川
2本のタイムリーを放った佼成学園3番岸川

20171105日大三 大塚
9回表に決勝打となる右中間へのタイムリー2ベースを放つ日大三の大塚

20171105日大三 優勝
優勝決定の瞬間にマウンドに集まる日大三ナイン

20171105日大三 優勝2
優勝旗を受け取る日大三の日置主将


Topic
◆背番号8のエース
日大三の先発は背番号8の中村であったが、中村はもともと前チーム時からベンチ入りをしていた選手で、修徳戦や帝京戦にも先発するなど実質上のエースともいえる存在である。

この日の中村はステップを大きく踏み出してた重心の低いフォームからストレートはMax139㌔をマークし、その他にもス120㌔中盤のスライダーが切れていて、100㌔台カーブにSFF(?)といった球も混ぜたピッチング。1・2回に1点ずつを失うも、3・4回は3人ずつで終えるなど徐々に調子をあげていったが、6回にSFFが落ち切らずにその球をレフトスタンドに運ばれて1点差に迫られると、マウンドを2番手の井上に譲った。6回3失点(自責点2)という結果であったが、結果以上に内容のあるピッチングで日大三のエースとしての仕事は果たせていたと思う。

マウンドを降りた後センターの守備についた中村。打撃も魅力で、前日の準決勝での逆転タイムリー3ベースに続いて、この日も2安打1打点の活躍をみせた。ちょうど1年前の秋も桜井(DeNA5位)は背番号8ながらエースとしてチームを牽引した。今年は中村が背番号8でエースとしてチームを牽引し、昨秋の準Vを超える優勝を見事に果たした。

20171105日大三 中村
背番号8ながら日大三のエースを務める中村


◆またもやあと1歩のところで佼成学園の前に立ちはだかった日大三
9回を1点リードで迎えて、初の甲子園出場まであと1イニングと迫った佼成学園。しかし日大三打線を5回~8回まで無得点に抑えるなど安定したピッチングをしていた青木が、先頭打者にいきなり四球を与えてしまうと、続く打者の初球でワイルドピッチ、さらにはバントをサードに投げるもこれがフィルダースチョイスになるなど、完全に自滅の形で無死1・3塁というピンチを招いてしまった。これが甲子園に対するプレッシャーであったのか、はたまた神宮の魔物が現れたのか分からないが佼成学園にとってはあと1歩ということで"またもや"甲子園への切符を掴むことはできなかった。

またもやということで思い出すのが2012年の西東京大会の決勝。このときも日大三×佼成学園というカードで、吉田(現:明治安田生命)ら率いる佼成学園が9回2死までリードしていたものの、そこから金子(現;Honda鈴鹿)に逆転のタイムリー2ベースを浴びてしまい甲子園出場を逃したのであった。昨年の夏も9回表まで3点リードしていたものの、その裏に日大三に4点をとられてサヨナラ負け…。また佼成学園が秋の決勝に進んだのは50年ぶりなのだが、その50年前も日大三に敗れている…。佼成学園にとって日大三はもはや因縁というべき、立ちはだかる壁なのである。

20171105佼成学園 青木
5~8回は好投も最終回には自滅してしまった佼成学園のエース青木


◆佼成学園のセンバツの可能性は
上記のように敗れてしまった佼成学園であるが、東京2位ということで関東大会5番目のチームとの比較次第ではセンバツ出場の可能性がないわけではない。ただ昨年は東京2位が選ばれているので、もともと今年は可能性が少ない(近年は東京2位と関東5番目は隔年で選出)。またこの試合で最終的に6点差がついてしまったことは非常に痛かった。

9回表に逆転をされ、さらに飯村にタイムリーを浴びて2点差とされたところで藤田監督はピッチャーを青木→左腕の鈴木に代えた。しかし鈴木は1死もとれずに降板してしまい、代わった石元もタイムリーを2本浴びてしまい、結果的に点差が開くこととなった。鈴木も石元もともに1年生であり、今大会も登板がほとんどなかったことを考えるとこの場面は少々厳しかったかもしれない。青木も明らかにそれまでとは違うピッチングであり、代え時であったのは確かだが、もっと慎重になっていれば点差が開かず、「日大三相手に大接戦を演じたチーム」として高野連の評価も高くなっていたかもしれない。残念ながら現状ではセンバツ出場の可能性はかなり低いと言える。

佼成学園へ残された道は、日大三が明治神宮大会で優勝して、日大三→神宮枠、佼成学園→東京の最上位となってセンバツに出場すること。以前関東大会で応援部員のほとんどいない日大三に対して、その次の試合の佼成学園が(同じ東京代表として)日大三の応援を手伝うと藤田監督がイキな計らいを見せたことがった。ひょっとしたら神宮大会でもそんな光景がまたみられるかもしれないし、日大三としては明治神宮大会優勝という結果であの時の借りを返す機会が訪れたともいえる。


Pickup Player
日置航 日大三2年 ショート
~窮地に陥ったチームを攻守で救ったのはやはり主将~
優勝を果たした日大三において、攻守というプレーの面でも、そして主将という立場としても際立っていたのが日置であった。

日置は1年秋から日大三のショートのレギュラーを掴み、センバツでは6番ショートで出場も代打を送られるなど結果を残せなかった。しかしその後の2年春の東京大会ではホームラン5本を放つなどのその能力を一気に開花させていた。2年夏は5番ショートを務めるも東海大菅生の前にはノーヒットに抑えられてチームも敗北。新チームでは主将にも就任し、3番ショートとしてプレーでも攻守にわたってチームを牽引している。

まず打撃であるが、日置はスクエアスタンスのフォームからどんなボールにでもスムーズにバットが出せる打者で、パワーもあるが本来は中距離ヒッタータイプの打者。この試合では1打席目に変化球をライト前へ、2打席目にはストレートを左中間へ、第5打席ではストレートをレフト前へ、第6打席では低めの変化球をセンター返しと、様々な球をそれぞれうまく打ち返していた。結局この日は5打数4安打2打点。中でも4回に日大三が目覚めるきっかけとなった左中間への2ベースと、9回の同点タイムリーは非常に勝ちのあるものであった。

守備でもショートとして、2回には前進守備ながら三遊間の難しい打球をナイスキャッチし(ただホームに投げるもフィルダースチョイス)、続く3回には松下のセンターに抜けようかというあたりをとって、1回転してファーストへ送球してアウトにするなど、右に左に広い守備範囲を見せた。また日置の守備の1番の魅力は送球であり、肩がいいのももちろんのこと、体制に関わらず綺麗にストライク送球を投げることができていた。また守備の際には何回もマウンドにかけよってピッチャーに1対1で声をかける姿も見られた。

そして負ければセンバツ絶望(去年東京2位でセンバツに選ばれた日大三が今年も東京2位で選ばれることはまずない)という最終回に底力をみせて大逆転をしてみせたチームとしての強さもやはり主将の日置の力が大きいだろう。秋に関しては昨年の決勝で早実の野村にサヨナラ2ランを浴びたこともあり、その時1年生(現2年生)で唯一レギュラーであった日置の経験も生きたのかもしれない。

攻守に秀でたショートとしても、また強豪をひきいる主将としても、今後も日置の活躍に期待したいです。

20171105日大三 日置1 20171105日大三 日置2
攻守においても主将としても日大三の優勝に導いた日置


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三菱重工神戸高砂×フェデックス 【日本選手権1回戦】

11/2 社会人野球日本選手権1回戦
三菱重工神戸高砂×フェデックス @京セラドーム大阪

試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20171102三菱重工神戸高砂×フェデックス

三菱重工神戸高砂の守安、フェデックスの金井の投手戦となり3回までは両チームともに無得点。フェデックスは4回裏に先頭の3番藤森がライト線への2ベースで出塁すると、5番高山の犠飛で先制。追いかける三菱重工神戸高砂は7回表に8番森山が高めのボール球をレフトスタンド放り込む同点ホームランを放ち同点においつく。

フェデックスは9回裏に4番小田の2ベースから2死1・2塁のチャンスを作ると、大竹の打球はショートの内野安打。2塁ランナーの小田がファーストへの送球間に一気にホームを狙うもタッチアウトで試合は延長戦へ突入する。

試合は10回・11回でも決着がつかずに12回からタイブレークに突入する。フェデックスは疲れの見えてきた金井に代えて、このタイブレークから出羽をマウンドに送ると、この出羽が4番那賀を三振、5番西岡をショートゴロに仕留めタイブレークを無得点で凌ぐ。タイブレークで1点とられたら終わりという絶体絶命のピンチの三菱重工神戸高砂であったが守安がその裏を全球ストレートで切り抜ける。すると13回・14回も同様にタイブレークなのに両チームともに得点をあげられない。

タイブレーク4イニング目の15回、三菱重工神戸高砂はまたもや無得点。裏のフェデックスは丸山がサードゴロを放ちホーム封殺、ゲッツーを狙ったキャッチャーがファーストに送球するもこれが打者走者に当たって転々としてフェデックスサヨナラ勝ち!と思いきや、打者走者がラインの内側を走っていたということで守備妨害をとられ、またもや両チームともに無得点でタイブレークは16回に突入する。

16回表、三菱重工神戸高砂は渡邊が三振で2死となるも、途中出場の3番國久がレフト前に2点タイムリー。さらに那賀の打球もポテンヒットとなり、3点を勝ち越す。その裏を守安がタイブレーク5イニング連続の無失点で切り抜け三菱重工神戸高砂が勝利した。

20171102フェデックス 藤森
先制点のきっかけとなる貴重な2ベースを放ったフェデックスの3番藤森

20171102三菱重工神戸高砂 森山
7回表に同点ホームランを放った三菱重工神戸高砂の正捕手森山

20171102三菱重工神戸高砂 國久
延長16回に決勝打となる2点タイムリーを放った三菱重工神戸高砂の途中出場の國久



Topic
◆接戦の最大の立役者は金井
関西の強豪である三菱重工神戸高砂に対し、フェデックスは3年連続の出場ではあるものの北信越代表であり、新興勢力といえるチーム。メンバーも大学時代に名をはせた選手がスタメンに名を連ねる三菱重工神戸高砂に対し、フェデックスでは有名なのは1番の伊達(横浜→立正大)くらいであった。以上のことからこの試合は三菱重工神戸高砂が有利と個人的には思っていた。しかしフタを開けてみれば予想外の大接戦というかむしろフェデックスが押しているくらいの展開…その要因はフェデックスの先発の新人金井が三菱重工神戸高砂打線を抑え込んだことにある。

金井はゆったりしたフォームから140㌔前後のストレートを投げ込むが、ノビがあり、バッターの様子などを見る限りでは見てるでは「本当に140前後なの?」という感じであった。コントロールも良くこのストレートをコースに投げ分けることもできていて、またスライダーとのコンビネーションも良かった。来年はドラフトの候補にあがってくることだろう。

そんな金井は結局11回を投げて、失点は森山のホームランによる1点のみ。さすがに9回を過ぎてからは疲れが見え始めていて、それでも何とか気迫で乗り切っていたが、タイブレークからはマウンドを出羽に譲った。それでも11回まででランナーを得点圏に背負ったのは2回・9回(それとホームラン)のみという圧倒的なピッチング。タイブレークを抜きにした内容でいえば守安に勝っていたともいえる素晴らしいピッチングであった。

20171102フェデックス 金井
11回1失点の力投をみせたフェデックスの先発の金井


◆見事な抑え適正をみせた出羽
その金井の後を継いで、延長12回のタイブレーク開始からマウンドにあがったのが出羽。出羽は重心を低くしたフォームから勢いのあるMax144㌔のストレートに加えて、最大の武器は130㌔後半をマークするスライダーというピッチャー。いきなり延長12回は先頭の4番那賀を3球三振に仕留めて1死満塁を無失点で切り抜ける衝撃を与えた。守安ばかりが注目されてしまったが、その後この出羽も4イニングにわたってタイブレークを無失点で切り抜けるピッチング。最後は16回には3点を失ってしまうが、だれも出羽を責めることはしないであろうという内容であった。球威のあるストレートに、絶対的な武器のスライダーがあり、三振がとれる。ピンチやプレッシャーに強いこともこの日に証明し、抑えとして必要な要素を兼ね兼ねそろえているピッチャーであった。

出羽は先発した金井の立正大の1個上の先輩にあたる。ただこの2人には同時期に黒木(オリックス)・堀(NTT東日本)という絶対的な2枚看板がいて、2人とも期待はされていたが大学時代の実績は少ない。先発金井→抑え出羽というリレーはフェデックスのストロングポイントであり、次こそは是非この2人で大学時代に活躍した選手たちばかりの名門を破ってほしいものだ。

20171102フェデックス 出羽
タイブレークから登板し見事な抑え適正をみせた三菱重工神戸高砂の出羽


◆どうしてタイブレークなのに点がはいらない
タイブレークというのは本来試合を早期決着させるために行うものであり、5イニングも続くというのは極めて異例である。コチラのサイトによると、野球においては1死満塁時の得点確率は65.7%、得点の期待値にすると1.54ほどあるらしい。単純計算すると、1イニングの表裏がともに0点の確率が10%ほどなので、これが4イニングも続く確率というのはほぼ0に等しい。

両チームともにこの状況に何の工夫もなかったわけではなく、1死満塁とホームがフォースプレーなので使いづらい状況でも
スクイズを決行している。まずフェデックスが13回裏に徳永が0B1Sからの3球目にスクイズを行うもファール…14回表には三菱重工神戸高砂もホームランを打っていた森山の打席で初球にスクイズを決行するもボールはワンバンとなり空振りでランナー挟まれてタッチアウトとなった。

はたして1死満塁のタイブレークがこれだけ続いたことがったのか?もちろん守安・出羽の両投手が素晴らしかったというのもあるが、この展開は何かが作用したとでも言いたくなるほど異質なものであった。




Pickup Player
守安玲緒 三菱重工神戸高砂 投手
~1死満塁を5イニング連続で無失点に凌いだ投手がいただろうか~
守安が三菱重工神戸高砂の大黒柱で、これまで何度となく、延長戦を1人で投げ抜いてきたことは承知している。ただそれでもこの試合でのタイブレークのピッチングは、それらを上回る伝説的なものであった。

守安は菊華高ではずっとショートとであり、3年春から投手も兼任するようになった。富士大では本格的に投手に専念すると、1年春から出場機会を得て、1年秋からはエースとなった。結局富士大ではリーグ通算30勝、MVP2度、ベストナイン3度という成績を残す。全国の舞台では4年春に全日本大学野球選手権準Vを達成し、大学日本代表にも追加招集された。三菱重工神戸高砂でも1年目から先発を務めると、2年目の都市対抗からエースとなり、入社8年目となった今季もその地位は絶対的なものである。

この日の守安はストレートはMax140㌔ながらコントロールよく投げ分けることができていて、スライダー・チェンジアップなどの変化球も多彩で、特にフォークを低めに集めて空振りをとることができていた。非常に完成度の高い投球で3回に1点を失うも、その以降も淡々と投げ続けフェデックス打線に2点目を与えない。

延長12回のタイブレークになっても守安は続投で、いきなり12回裏に1死満塁スタートだが1点でもとられればその段階でサヨナラ負けという場面を迎える。12回裏は全球ストレートで4番小田を三振、5番高山をショートゴロに打ち取りこの絶体絶命のピンチを切り抜けた。しかし延長13回裏も1死満塁で1点とられればサヨナラと同じ場面でマウンドに上がることになり、またもやこのピンチを切り抜ける…ということをまさか15回まで4度も繰り返すこととなった。このような展開では裏のマウンドにあがる際のピッチャーへのプレッシャーは計り知れず…これを5イニングも連続で無失点で切り抜けるなんて、超えて「どんなメンタルしているんだ?」と言いたくなってしまう。

結局守安は12回以降はノーヒット・無四球の圧巻のピッチングで、1死満塁のピンチを5回も無失点で凌いだ。結局は16回1失点という内容で、三菱重工神戸高砂を勝利に導いた。三菱重工神戸高砂から見れば「神様、仏様、守安様…」という試合であった。その一方チームとして勝ち進み目標のベスト8以上に入るには、守安に次ぐピッチャーの育成が必須となる。

20171102三菱重工神戸高砂 守安
1死満塁からのタイブレークを5イニング連続無失点で切り抜けた三菱重工神戸高砂のエース守安


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