東邦×花巻東【選抜高校野球大会】
3/26 選抜高校野球大会
東邦×花巻東 @阪神甲子園球場
試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

花巻東は1回裏、1番菅野が死球で出塁してワイルドピッチとバントで3塁まで進むと4番紺野の打球を東邦ショート熊田がはじき、花巻東がノーヒットで先制する。その後もヒットは打たれないものの不安定な投球の東邦先発の扇谷は、4回裏に先頭打者に四球を与えたところで西に交代。しかし直後に上戸鎖のバントをファースト梅田がベースを踏み損ねてセーフにしてしまうと。1死2・3塁から花巻東の先発田中がチーム初ヒットなる2点タイムリーヒットを放ち、花巻東が3-0とリードする。
5回まで田中の前に完璧に抑え込まれていた東邦打線は6回表、1死から2番林が1塁線を破る2ベースで出塁して、ワイルドピッチで3塁へ進むと石川のサードゴロの間に生還して1点を返す。しかし花巻東は7回裏に阿部のタイムリー、8回裏には田中のこの2本目となるタイムリーで1点ずつを加えて、東邦を突き放す。
東邦は9回表にやっと田中を捉えはじめ、梅田のヒットを皮切りに北川のタイムリー2ベースなどで得点し、球場全体にはタオルを回して東邦逆転を期待する機運が高まるも、反撃もここまで。田中が3失点完投で花巻東が5-3で勝利してベスト16入りです。

7回裏に貴重な追加点となるタイムリーを放った花巻東の3番阿部

9回に反撃ムードを高めるタイムリー2ベースを放つ東邦の北川

完投勝利をあげてハイタッチの花巻東バッテリー
Topic
◆エース扇谷はノーヒットピッチングも交代
東邦の先発はMax146㌔を誇る187㎝右腕のエース扇谷であった。しかし扇谷は初回の先頭打者にいきなり死球を与えてしまうと、ワイルドピッチで2塁に進まれてしまい、バントと味方のエラーでノーヒットのまま先制を許す。秋に比べてやや力の抜いたフォームから繰り出すスライダー・カーブで有効にカウントを稼ぐピッチングができていたのは成長が見られた点であり、2回以降も花巻東打線にヒットを許さない。しかし決め球に使ったストレートはMax141㌔止まりで三振が簡単に奪えずに粘られてしまい四球を与えるという展開でどこか波に乗れない。結局4回の先頭打者に四球を与えたところで降板。花巻東にヒットを許さなかったものの、3回0/3で2失点というほろ苦い結果となってしまった。
変化球でカウントを稼げた部分など成長は見られた扇谷であるが、全体的には不安定さは残っていて、まだ「未完の大器」のままである。この試合での経験を糧に、夏にはそのポテンシャルを開花させてこの甲子園に戻ってきて欲しいものだ。

東邦のエース扇谷はヒットは打たれなかったものの不安定なピッチングで4回途中で降板
◆必殺タオル回しも及ばず
甲子園の東邦と言えば思い出されるのが、2016年夏の光星学院との1戦に土壇場の9回に一挙5点をあげて逆転サヨナラ勝ちした試合だ。この時に東邦のタオルを回す応援が1塁側のアルプススタンドだけでなく球場全体に広がり、光星学院のエース桜井は「球場全体が敵のようだった」と表現したのも印象的であった。
この試合では8回まで花巻東の田中の前に完璧に抑えられていた東邦打線だが、9回表に梅田のヒットを皮切りに北川のタイムリー2ベースなど田中を捉えはじめ、いっきに反撃ムードが高まった。東邦の3塁側のアルプススタンドの応援が一層激しさを増すにつれて、アルプススタンド以外の場所でもタオル回しを始める人が徐々に増えてきて球場全体がまたもや東邦の逆転を望むムードになってきた。しかし夏と違って春だとタオルが足りなかったか、また花巻東の田中が粘りのピッチングや、途中からサードの入った藤森の好守もあり、東邦の反撃から逃げ切った。
ただ2016年夏のときも実際に見ていてそうだったのだが、このタオル回しは心が痛む。実際に本当に東邦を応援している人もいるのだろうが、フェス感覚だけで回してる人だろう。こういう人たちのせいで球場がどちらかに偏った雰囲気になり、それが実際の両チームの実力以外のファクターとなって試合に影響してしまうのは許しがたい。今回は2016年夏ほどのレベルではなかったが、タオル回しは高野連が自粛するように呼び掛けている行為であり、今回のようなことになってしまったのは残念であった。
◆明暗分かれたバントへの姿勢
この試合で東邦と花巻東のバントへの姿勢は対照的であった。まず東邦は強打のチームらしく、この試合で犠打は0。象徴的であったのが1回表で先頭の熊田が内野安打で出塁しても、2番林は送りバントをしなかった。ただこのときも2番林はレフトファールフライでランナーを進められなかったようにバントをしなかったことは結果としては裏目に出たといえる。一方の花巻東は無死でランナーが出たら確実にバントという戦い方でこの試合の犠打数は5。そしてこの5個の犠打全てが得点に絡んだので結果的に、忠実にバントを使用した作戦は成功だったといえる。
バントの要否については簡単に結論を出すことはできないが、この試合に限って言えばバントを使用した花巻東の作戦は大成功であったといえ、逆にバントを使用しなかった東邦は失敗であったといえる。

バントの構えをする花巻東の主将菅原
Pickup Player
田中大樹 花巻東3年 ピッチャー
~Max125㌔で強打の東邦打線を翻弄~
この試合で花巻東の先発田中が見せたピッチングはまさに驚きであり、優勝候補の一角である東邦撃破の最大の立役者となった。
田中は左サイドからの角度のあるストレートに、スライダー・チェンジアップを交えて相手打者を翻弄していくタイプの投手。昨秋の岩手大会では背番号11であった田中だが、東北大会では背番号1を背負う。それまではリリーフ登板が多かったが、勝てばセンバツ出場が確定するという準決勝で先発すると、日大山形から3失点完投勝利をあげて花巻東のセンバツ出場を確定させた。
この大事なセンバツの初戦では、咋秋に活躍を果たした2年生右腕の西舘の先発も予想されたが、先発はエースナンバーを背負う3年生の田中。この起用には東邦の強力打線には真っ向勝負するよりも、田中のような変則タイプの方が効くのではという佐々木監督の意図もあったのだろうが、それが見事的中することとまる。
田中はストレートこそMax125㌔しか出なかったものの、110㌔前後のスライダーと、100㌔前後のチェンジアップで緩急差をつけることができていて、東邦打線は田中に全くタイミングが合わせない。本来は打たせて取るタイプの投手であるが、この日はこれらの変化球がストライクゾーンの低めからボールになるいいところに決まっていたために東邦打線から三振も多く奪うことができていて、5回までは2安打無失点というピッチング。。6回に内野ゴロの間に1点を失うも。7回・8回を3人ずつで抑えるなど再び波に乗った。しかし最後の9回はやっと東邦打線も田中にあってきたのかやや捉えられ始めてきて2失点。ただ球場全体が東邦ムードになりつつある中、後続はきっちりと打ち取ってゲームセット。9回8奪三振5安打3失点と優勝候補にもあげられる東邦から見事に完投勝利をあげた。
また8番打者であったがバッティングも素晴らしく、4回裏の第2打席では1・2塁間を破ってチーム初安打となる2点タイムリーを放つと、8回裏の第4打席ではアウトコースのボールになんとか食らいついて流すとレフト前に落ちた打球はタイムリー2ベースとなった。この間の第3打席もセンタライナーを放つなど今日の花巻東打線の中で1番当たっていたといる田中。打撃面でも3打数2安打3打点と見事な自援護であった。さすがは大谷翔平の出身校である花巻東のエースとあって見事な二刀流の活躍であった。

みごと3失点完投勝利をあげた花巻東のエース田中
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東邦×花巻東 @阪神甲子園球場
試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

花巻東は1回裏、1番菅野が死球で出塁してワイルドピッチとバントで3塁まで進むと4番紺野の打球を東邦ショート熊田がはじき、花巻東がノーヒットで先制する。その後もヒットは打たれないものの不安定な投球の東邦先発の扇谷は、4回裏に先頭打者に四球を与えたところで西に交代。しかし直後に上戸鎖のバントをファースト梅田がベースを踏み損ねてセーフにしてしまうと。1死2・3塁から花巻東の先発田中がチーム初ヒットなる2点タイムリーヒットを放ち、花巻東が3-0とリードする。
5回まで田中の前に完璧に抑え込まれていた東邦打線は6回表、1死から2番林が1塁線を破る2ベースで出塁して、ワイルドピッチで3塁へ進むと石川のサードゴロの間に生還して1点を返す。しかし花巻東は7回裏に阿部のタイムリー、8回裏には田中のこの2本目となるタイムリーで1点ずつを加えて、東邦を突き放す。
東邦は9回表にやっと田中を捉えはじめ、梅田のヒットを皮切りに北川のタイムリー2ベースなどで得点し、球場全体にはタオルを回して東邦逆転を期待する機運が高まるも、反撃もここまで。田中が3失点完投で花巻東が5-3で勝利してベスト16入りです。

7回裏に貴重な追加点となるタイムリーを放った花巻東の3番阿部

9回に反撃ムードを高めるタイムリー2ベースを放つ東邦の北川

完投勝利をあげてハイタッチの花巻東バッテリー
Topic
◆エース扇谷はノーヒットピッチングも交代
東邦の先発はMax146㌔を誇る187㎝右腕のエース扇谷であった。しかし扇谷は初回の先頭打者にいきなり死球を与えてしまうと、ワイルドピッチで2塁に進まれてしまい、バントと味方のエラーでノーヒットのまま先制を許す。秋に比べてやや力の抜いたフォームから繰り出すスライダー・カーブで有効にカウントを稼ぐピッチングができていたのは成長が見られた点であり、2回以降も花巻東打線にヒットを許さない。しかし決め球に使ったストレートはMax141㌔止まりで三振が簡単に奪えずに粘られてしまい四球を与えるという展開でどこか波に乗れない。結局4回の先頭打者に四球を与えたところで降板。花巻東にヒットを許さなかったものの、3回0/3で2失点というほろ苦い結果となってしまった。
変化球でカウントを稼げた部分など成長は見られた扇谷であるが、全体的には不安定さは残っていて、まだ「未完の大器」のままである。この試合での経験を糧に、夏にはそのポテンシャルを開花させてこの甲子園に戻ってきて欲しいものだ。

東邦のエース扇谷はヒットは打たれなかったものの不安定なピッチングで4回途中で降板
◆必殺タオル回しも及ばず
甲子園の東邦と言えば思い出されるのが、2016年夏の光星学院との1戦に土壇場の9回に一挙5点をあげて逆転サヨナラ勝ちした試合だ。この時に東邦のタオルを回す応援が1塁側のアルプススタンドだけでなく球場全体に広がり、光星学院のエース桜井は「球場全体が敵のようだった」と表現したのも印象的であった。
この試合では8回まで花巻東の田中の前に完璧に抑えられていた東邦打線だが、9回表に梅田のヒットを皮切りに北川のタイムリー2ベースなど田中を捉えはじめ、いっきに反撃ムードが高まった。東邦の3塁側のアルプススタンドの応援が一層激しさを増すにつれて、アルプススタンド以外の場所でもタオル回しを始める人が徐々に増えてきて球場全体がまたもや東邦の逆転を望むムードになってきた。しかし夏と違って春だとタオルが足りなかったか、また花巻東の田中が粘りのピッチングや、途中からサードの入った藤森の好守もあり、東邦の反撃から逃げ切った。
ただ2016年夏のときも実際に見ていてそうだったのだが、このタオル回しは心が痛む。実際に本当に東邦を応援している人もいるのだろうが、フェス感覚だけで回してる人だろう。こういう人たちのせいで球場がどちらかに偏った雰囲気になり、それが実際の両チームの実力以外のファクターとなって試合に影響してしまうのは許しがたい。今回は2016年夏ほどのレベルではなかったが、タオル回しは高野連が自粛するように呼び掛けている行為であり、今回のようなことになってしまったのは残念であった。
◆明暗分かれたバントへの姿勢
この試合で東邦と花巻東のバントへの姿勢は対照的であった。まず東邦は強打のチームらしく、この試合で犠打は0。象徴的であったのが1回表で先頭の熊田が内野安打で出塁しても、2番林は送りバントをしなかった。ただこのときも2番林はレフトファールフライでランナーを進められなかったようにバントをしなかったことは結果としては裏目に出たといえる。一方の花巻東は無死でランナーが出たら確実にバントという戦い方でこの試合の犠打数は5。そしてこの5個の犠打全てが得点に絡んだので結果的に、忠実にバントを使用した作戦は成功だったといえる。
バントの要否については簡単に結論を出すことはできないが、この試合に限って言えばバントを使用した花巻東の作戦は大成功であったといえ、逆にバントを使用しなかった東邦は失敗であったといえる。

バントの構えをする花巻東の主将菅原
Pickup Player
田中大樹 花巻東3年 ピッチャー
~Max125㌔で強打の東邦打線を翻弄~
この試合で花巻東の先発田中が見せたピッチングはまさに驚きであり、優勝候補の一角である東邦撃破の最大の立役者となった。
田中は左サイドからの角度のあるストレートに、スライダー・チェンジアップを交えて相手打者を翻弄していくタイプの投手。昨秋の岩手大会では背番号11であった田中だが、東北大会では背番号1を背負う。それまではリリーフ登板が多かったが、勝てばセンバツ出場が確定するという準決勝で先発すると、日大山形から3失点完投勝利をあげて花巻東のセンバツ出場を確定させた。
この大事なセンバツの初戦では、咋秋に活躍を果たした2年生右腕の西舘の先発も予想されたが、先発はエースナンバーを背負う3年生の田中。この起用には東邦の強力打線には真っ向勝負するよりも、田中のような変則タイプの方が効くのではという佐々木監督の意図もあったのだろうが、それが見事的中することとまる。
田中はストレートこそMax125㌔しか出なかったものの、110㌔前後のスライダーと、100㌔前後のチェンジアップで緩急差をつけることができていて、東邦打線は田中に全くタイミングが合わせない。本来は打たせて取るタイプの投手であるが、この日はこれらの変化球がストライクゾーンの低めからボールになるいいところに決まっていたために東邦打線から三振も多く奪うことができていて、5回までは2安打無失点というピッチング。。6回に内野ゴロの間に1点を失うも。7回・8回を3人ずつで抑えるなど再び波に乗った。しかし最後の9回はやっと東邦打線も田中にあってきたのかやや捉えられ始めてきて2失点。ただ球場全体が東邦ムードになりつつある中、後続はきっちりと打ち取ってゲームセット。9回8奪三振5安打3失点と優勝候補にもあげられる東邦から見事に完投勝利をあげた。
また8番打者であったがバッティングも素晴らしく、4回裏の第2打席では1・2塁間を破ってチーム初安打となる2点タイムリーを放つと、8回裏の第4打席ではアウトコースのボールになんとか食らいついて流すとレフト前に落ちた打球はタイムリー2ベースとなった。この間の第3打席もセンタライナーを放つなど今日の花巻東打線の中で1番当たっていたといる田中。打撃面でも3打数2安打3打点と見事な自援護であった。さすがは大谷翔平の出身校である花巻東のエースとあって見事な二刀流の活躍であった。

みごと3失点完投勝利をあげた花巻東のエース田中
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