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東邦×花巻東【選抜高校野球大会】

3/26 選抜高校野球大会
東邦×花巻東 @阪神甲子園球場

試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20180326東邦×花巻東

花巻東は1回裏、1番菅野が死球で出塁してワイルドピッチとバントで3塁まで進むと4番紺野の打球を東邦ショート熊田がはじき、花巻東がノーヒットで先制する。その後もヒットは打たれないものの不安定な投球の東邦先発の扇谷は、4回裏に先頭打者に四球を与えたところで西に交代。しかし直後に上戸鎖のバントをファースト梅田がベースを踏み損ねてセーフにしてしまうと。1死2・3塁から花巻東の先発田中がチーム初ヒットなる2点タイムリーヒットを放ち、花巻東が3-0とリードする。

5回まで田中の前に完璧に抑え込まれていた東邦打線は6回表、1死から2番林が1塁線を破る2ベースで出塁して、ワイルドピッチで3塁へ進むと石川のサードゴロの間に生還して1点を返す。しかし花巻東は7回裏に阿部のタイムリー、8回裏には田中のこの2本目となるタイムリーで1点ずつを加えて、東邦を突き放す。

東邦は9回表にやっと田中を捉えはじめ、梅田のヒットを皮切りに北川のタイムリー2ベースなどで得点し、球場全体にはタオルを回して東邦逆転を期待する機運が高まるも、反撃もここまで。田中が3失点完投で花巻東が5-3で勝利してベスト16入りです。

20180323花巻東 阿部
7回裏に貴重な追加点となるタイムリーを放った花巻東の3番阿部

20180326東邦 北川
9回に反撃ムードを高めるタイムリー2ベースを放つ東邦の北川

20180323花巻東バッテリー
完投勝利をあげてハイタッチの花巻東バッテリー


Topic
◆エース扇谷はノーヒットピッチングも交代
東邦の先発はMax146㌔を誇る187㎝右腕のエース扇谷であった。しかし扇谷は初回の先頭打者にいきなり死球を与えてしまうと、ワイルドピッチで2塁に進まれてしまい、バントと味方のエラーでノーヒットのまま先制を許す。秋に比べてやや力の抜いたフォームから繰り出すスライダー・カーブで有効にカウントを稼ぐピッチングができていたのは成長が見られた点であり、2回以降も花巻東打線にヒットを許さない。しかし決め球に使ったストレートはMax141㌔止まりで三振が簡単に奪えずに粘られてしまい四球を与えるという展開でどこか波に乗れない。結局4回の先頭打者に四球を与えたところで降板。花巻東にヒットを許さなかったものの、3回0/3で2失点というほろ苦い結果となってしまった。

変化球でカウントを稼げた部分など成長は見られた扇谷であるが、全体的には不安定さは残っていて、まだ「未完の大器」のままである。この試合での経験を糧に、夏にはそのポテンシャルを開花させてこの甲子園に戻ってきて欲しいものだ。

20180326東邦 扇谷
東邦のエース扇谷はヒットは打たれなかったものの不安定なピッチングで4回途中で降板


◆必殺タオル回しも及ばず
甲子園の東邦と言えば思い出されるのが、2016年夏の光星学院との1戦に土壇場の9回に一挙5点をあげて逆転サヨナラ勝ちした試合だ。この時に東邦のタオルを回す応援が1塁側のアルプススタンドだけでなく球場全体に広がり、光星学院のエース桜井は「球場全体が敵のようだった」と表現したのも印象的であった。

この試合では8回まで花巻東の田中の前に完璧に抑えられていた東邦打線だが、9回表に梅田のヒットを皮切りに北川のタイムリー2ベースなど田中を捉えはじめ、いっきに反撃ムードが高まった。東邦の3塁側のアルプススタンドの応援が一層激しさを増すにつれて、アルプススタンド以外の場所でもタオル回しを始める人が徐々に増えてきて球場全体がまたもや東邦の逆転を望むムードになってきた。しかし夏と違って春だとタオルが足りなかったか、また花巻東の田中が粘りのピッチングや、途中からサードの入った藤森の好守もあり、東邦の反撃から逃げ切った。

ただ2016年夏のときも実際に見ていてそうだったのだが、このタオル回しは心が痛む。実際に本当に東邦を応援している人もいるのだろうが、フェス感覚だけで回してる人だろう。こういう人たちのせいで球場がどちらかに偏った雰囲気になり、それが実際の両チームの実力以外のファクターとなって試合に影響してしまうのは許しがたい。今回は2016年夏ほどのレベルではなかったが、タオル回しは高野連が自粛するように呼び掛けている行為であり、今回のようなことになってしまったのは残念であった。


◆明暗分かれたバントへの姿勢
この試合で東邦と花巻東のバントへの姿勢は対照的であった。まず東邦は強打のチームらしく、この試合で犠打は0。象徴的であったのが1回表で先頭の熊田が内野安打で出塁しても、2番林は送りバントをしなかった。ただこのときも2番林はレフトファールフライでランナーを進められなかったようにバントをしなかったことは結果としては裏目に出たといえる。一方の花巻東は無死でランナーが出たら確実にバントという戦い方でこの試合の犠打数は5。そしてこの5個の犠打全てが得点に絡んだので結果的に、忠実にバントを使用した作戦は成功だったといえる。

バントの要否については簡単に結論を出すことはできないが、この試合に限って言えばバントを使用した花巻東の作戦は大成功であったといえ、逆にバントを使用しなかった東邦は失敗であったといえる。

20180323花巻東 菅原
バントの構えをする花巻東の主将菅原


Pickup Player
田中大樹 花巻東3年 ピッチャー
~Max125㌔で強打の東邦打線を翻弄~
この試合で花巻東の先発田中が見せたピッチングはまさに驚きであり、優勝候補の一角である東邦撃破の最大の立役者となった。

田中は左サイドからの角度のあるストレートに、スライダー・チェンジアップを交えて相手打者を翻弄していくタイプの投手。昨秋の岩手大会では背番号11であった田中だが、東北大会では背番号1を背負う。それまではリリーフ登板が多かったが、勝てばセンバツ出場が確定するという準決勝で先発すると、日大山形から3失点完投勝利をあげて花巻東のセンバツ出場を確定させた。

この大事なセンバツの初戦では、咋秋に活躍を果たした2年生右腕の西舘の先発も予想されたが、先発はエースナンバーを背負う3年生の田中。この起用には東邦の強力打線には真っ向勝負するよりも、田中のような変則タイプの方が効くのではという佐々木監督の意図もあったのだろうが、それが見事的中することとまる。

田中はストレートこそMax125㌔しか出なかったものの、110㌔前後のスライダーと、100㌔前後のチェンジアップで緩急差をつけることができていて、東邦打線は田中に全くタイミングが合わせない。本来は打たせて取るタイプの投手であるが、この日はこれらの変化球がストライクゾーンの低めからボールになるいいところに決まっていたために東邦打線から三振も多く奪うことができていて、5回までは2安打無失点というピッチング。。6回に内野ゴロの間に1点を失うも。7回・8回を3人ずつで抑えるなど再び波に乗った。しかし最後の9回はやっと東邦打線も田中にあってきたのかやや捉えられ始めてきて2失点。ただ球場全体が東邦ムードになりつつある中、後続はきっちりと打ち取ってゲームセット。9回8奪三振5安打3失点と優勝候補にもあげられる東邦から見事に完投勝利をあげた。

また8番打者であったがバッティングも素晴らしく、4回裏の第2打席では1・2塁間を破ってチーム初安打となる2点タイムリーを放つと、8回裏の第4打席ではアウトコースのボールになんとか食らいついて流すとレフト前に落ちた打球はタイムリー2ベースとなった。この間の第3打席もセンタライナーを放つなど今日の花巻東打線の中で1番当たっていたといる田中。打撃面でも3打数2安打3打点と見事な自援護であった。さすがは大谷翔平の出身校である花巻東のエースとあって見事な二刀流の活躍であった。

20180326花巻東 田中
みごと3失点完投勝利をあげた花巻東のエース田中


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伊万里×大阪桐蔭【選抜高校野球大会】

3/26 選抜高校野球大会
伊万里×大阪桐蔭 @阪神甲子園球場

試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20180326伊万里×大阪桐蔭

大阪桐蔭は1回裏、先頭の宮崎が2ベースで出塁すると、2番青地のタイムリーであっさりと1点を先制。2死となるも、その後根尾・石川・山田・小泉がレフトへ4連続ヒットを放ち、初回に一挙5点をあげる。続く2回裏もまたもや宮崎の2ベースを皮切りに、中川・根尾のタイムリーで3点を追加。4回裏には伊万里の守備のミスもあり無死満塁となると、6番石川が2点タイムリーを放ち、それをレフトが後逸する間に走者一掃。さらに山田の犠牲フライで12点目を奪う。

投げてはエース柿木が完璧なピッチングで6回まで伊万里打線をヒット2本、2塁を踏ませずに三振を10個奪うピッチング。ただ中盤以降は大阪桐蔭打線の勢いも若干衰え、6回には代打井阪の犠牲フライ、7回には石川のこの日3本目のタイムリーと1点ずつを追加するにとどまる。

すると勢いが出てきた伊万里は8回表、大阪桐蔭2番手の横川から山口瑞が四球で出塁すると、7番末吉がレフトオーバーのタイムリーを放ち(打った末吉が1塁ベースを踏み忘れて戻ったために記録はシングルヒット)、初得点をあげる。9回表にも先頭の犬塚が3ベースを放つと、続く代打前川が左中間にタイムリー2ベース。さらに四球と梶山のヒットで無死満塁と球場の空気も味方につけて大阪桐蔭を攻め込むも、ここからも持ち直した大阪桐蔭3番手の森本が3連続三振を奪ってゲームセット。大阪桐蔭が4回に先発全員安打を記録するなど20安打14得点の猛攻で伊万里に快勝し、春2連覇に向けてのスタートを切った。

20180326大阪桐蔭 根尾
2本のタイムリーで3打点の活躍をみせた大阪桐蔭の根尾

20180326大阪桐蔭 小泉
好リードに加えて、打っては3安打2打点の大阪桐蔭のキャッチャー小泉

20180326伊万里 末吉
伊万里の甲子園初となる打点をあげた末吉


Topic
◆藤原は4番に
昨年痛めた右膝の影響でセンバツ前のオープン戦ではスタメンを外れたり、DHで出場していた藤原。センバツに間に合うのかが注目されていたが、この日はなんと4番でスタメンに名を連ねた。まだ走塁に不安があるので、本来の1番は外れたが、その代わりが4番というのはもはやさすがとしか言いようがない。

そんな4番の藤原であるが、第2打席では1・2塁間を抜けるライト前ヒットを放つと、伊万里の外野陣が後ろを守っていたこともあり、一気に1塁を回って2ベースにしてみせた。続く第3打席にもライト前ヒットを放ち、この日は5打数2安打という成績。回りから見るとやや物足りないが、それでも甲子園で元気な姿を見せたらことが1番の収穫であり、西谷監督も「1番でいけるところまで回復している」とコメントしていた。

20180326大阪桐蔭 藤原
ケガの影響もあり初の4番に座った大阪桐蔭の藤原


◆故郷相手に圧巻のピッチング
大阪桐蔭のエース柿木は佐賀県出身ということで、伊万里の3番古賀とは佐賀東松ボーイズ時代のチームメイトという間柄で、この一戦はまさに故郷に対して投げることとなった。そんな柿木は初回から前回でMax144㌔だがそれ以上にキレのあるストレートとスライダーのピッチングで、伊万里打線を圧倒していく。6回までで許したヒットは2本のみの無四球で、このヒットで出塁した2人のランナーが憤死したために、伊万里に2塁を踏ませずに6回を18人で調理。三振は10個奪い、7番末吉からも三振を奪っていれば先発全員三振という快投であった。

大阪桐蔭のエースとして、故郷相手に圧巻のピッチングをみせた柿木。雰囲気もどこか昨年のセンバツ優勝時のエース徳山に似てきた。スカウト陣の評価も上々で、今日の出来なら大会No1投手という称号もついてくることだろう。

20180326大阪桐蔭 柿木
6回2安打10奪三振無失点と完璧なピッチングをみせた大阪桐蔭のエース柿木


◆心配なのは柿木との格差
柿木がマウンドを降りた7回からは、左のエースである横川が登板。しかし横川はMaX135㌔と自己最速には9㌔も及ばない状態で、2イニング目となる8回には四球でランナーを出すと、7番末吉にレフトオーバーのタイムリーを浴び失点を喫してしまった。

最終回のマウンドには同じく左腕の森本が上がるが、こちらもいきなり連続長打で失点してしまうと、その後も四球とヒットで無死満塁というピンチ。ここから持ち直して3連続三振を奪ってゲームセットとしたが、なんとも後味の悪い甲子園デビューとなってしまった。

大差のついた試合、球場の雰囲気は完全に伊万里頑張れという状態でやりづらい部分もあったとは思う。それでも横川・森本のピッチングは決して褒められるものでなかった。根尾に関していえばこの試合は登板がなかったので何とも言えないが、横川は今日の試合を見える限りは不安なところがあり、柿木のレベル差は顕著であった。昨年も大阪桐蔭には140超えがベンチに5人と言われながらも、エース徳山頼みでセンバツを制覇した。今年も徳山が柿木に代わっただけで、そんな雰囲気が出てきたのは不安である。

20180326大阪桐蔭 横川
大阪桐蔭の3本柱の一角として期待されている横川であったがこの日のピッチングはイマイチであった


◆大阪桐蔭相手に見事に無四球完投
伊万里のエース山口修はストレートの最速は119㌔ながらも、100㌔前後のカーブと、110㌔前後のスライダーと緩急を駆使したピッチングで大阪桐蔭打線に立ち向かった。しかし初回にいきなり6安打を浴びて5点を失うなど、大阪桐蔭打線に捕まった。それでも5回以降の4イニングでは2失点のみで、8回裏は大阪桐蔭を3者凡退に抑えてみせた。結局20安打を浴びて14失点したものの、最後まで投げ切った。

この山口修に関して1つ凄い点があり、それは無四球であったことだ。強打の大阪桐蔭打線となると、ピッチャーが委縮してしまったり、甘くならないようにとコースをついた結果が外れたりとするので四球はおのずと増えてしまうものである。そんな中で無四球というのは本当に立派であり、ここ最近の大阪桐蔭相手に無四球で完投した投手はいるのか?というレベルであった。

20180326伊万里 山口修
14点をとられながらも大阪桐蔭相手に無四球で投げ切った伊万里のエース山口修


Pickup Player
石川瑞貴 大阪桐蔭3年 ファースト
~タイムリー3本と結果を出した新レギュラー~
レギュラー争いの激しい大阪桐蔭において、この春新たにレギュラーの座を掴んだ石川が、センバツの初戦でタイムリー3本と結果を出した。

中学時代はボーイズ日本代表の4番を務めるなど実績のあった石川であったが、大阪桐蔭では昨秋に初めて背番号14としてベンチ入り。主に外野の控えとして、代打などで出場していたが、秋の公式戦通算.214と結果を出すことはできなかった。しかし年末の台湾遠征などで結果を出すなど打力アップに成功すると、このセンバツでは背番号3を獲得した。

この試合は6番ファーストでスタメン出場を果たした石川。昨年のセンバツ優勝で.571の8打点と優勝の立役者となった山田を7番に差し置いての6番であった。そんな石川の第1打席は1回裏2死3塁という場面でカウント3B1Sから甘く入った変化球をライナー性の打球でレフト前に運ぶタイムリーヒット。第2打席は変化球をこすってしまいライトフライに倒れるが、無死満塁で迎えた第3打席では今度はストレートをレフト前に運ぶ2点タイムリー。第5打席でも2死1・3塁から初球をレフト前に運んで、この日タイムリー3本。5打数3安打4打点という活躍で、大阪桐蔭の新レギュラーとしての存在感を発揮した。

この日の石川のヒットは3本ともにライナーでレフト前といういい打球であった。打った球はそれぞれ異なったのに、同じ打球が打てるというのはしっかり自分のバッティングができている証だと思う。レギュラーとして迎える初の公式戦でしっかりと自分の仕事をしてくるあたりが、大阪桐蔭の選手層のレベルの高さを感じた。

20180326大阪桐蔭 石川
タイムリー3本で4打点の活躍をみせた大阪桐蔭の6番石川


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中央学院×明徳義塾【選抜高校野球大会】

3/25 選抜高校野球大会
中央学院×明徳義塾 @阪神甲子園球場

試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20180324中央学院×明徳義塾

1回表、中央学院は1番ピッチャー大谷がいきなり打席に立つと、ライト前ヒットで出塁。送って1死2塁のチャンスも中軸が打てずに無得点。対する明徳義塾は1回裏、先頭の眞鍋が四球で出塁すると、続く田中のバントを大谷がフィルダースチョイス。3番渡部が送って2・3塁のチャンスとすると、5番中隈の先制タイムリー、さらに6番安田もセンターオーバーの2点タイムリー2ベースで続いて明徳義塾がいきなり3点をリードする。

中央学院の反撃は4回表、先頭の平野がライト前ヒットで出塁すると、続く3番宇田が右中間を破るタイムリー2ベースで1点。なおも無死3塁であったが、ここからスクイズ失敗などもあり1点止まりとなってしまう。ただそれ以外は明徳義塾の市川、中央学院の大谷の両エースが好投を見せて、試合は3-2と明徳義塾が1点リードしたまま終盤を迎える。

8回表、中央学院は1死から大谷が四球で出塁すると、市川が平野・宇田に連続死球を与えてしまい満塁。迎える4番高鹿はここまで3三振であったが、初球を捉えると打球は三遊間を抜ける2点タイムリーで同点。さらにまた満塁となってから7番西村にも2点タイムリーが飛び出し中央学院が5-3と逆転に成功する。

明徳義塾はその裏に安田のこの日2本目のタイムリーで1点を返すも、続くチャンスでは市川が倒れて同点とはいかない。そのまま9回裏も藤森・眞鍋が倒れて2死となってしまうが、そこから田中のヒットと死球で2死1・2塁。迎えるはここまで4タコで全くいいところのなかった4番谷合であったが、谷合が大谷の甘く入ったストレートを捉えると打球はバックスクリーンに飛び込む逆転サヨナラ3ランとなった。明徳義塾が秋の神宮大会でも対戦した中央学院を返り討ちにして、3回戦進出。

20170325中央学院 西村
8回に勝ち越しとなる2点タイムリーを放つ中央学院の西村

20180325明徳義塾 安田
2本のタイムリーで3打点をあげた明徳義塾の安田

20180325明徳義塾 谷合
サヨナラホームランの谷合をホームで迎える明徳義塾ナイン


Topic
◆会場どよめきの1番ピッチャー大谷
試合のメンバー発表、いきなり「1番ピッチャー大谷」がコールされ、会場はどよめいた。中央学院の投打の柱である大谷は昨秋は全試合で4番を務めて、本家エンゼルスの大谷に絡む形で二刀流として注目を集めていたが、「1番打つ打者を1番に置いた」という相馬監督のサプライズであった。

惜しくも本家と同じように先頭打者ホームランとはいかなかったが、つまりながらもライト前に持っていき仕事は果たした。ただトータルとしては4打数1安打1四球という結果。この四球がきっかけで8回の逆転劇が始まったわけであるが、少し物足りない打撃成績となってしまった。

投げる方では秋にはやや下がっていた腕の位置を上げていたが残念なことに球速はMax139㌔止まり。それでもフォークを多めに使うなどして、スライダーなどとともに変化球を駆使したピッチングで2回~7回は明徳打線を無得点に抑えるなど悪いなりにまとめ上げた点は評価できる。ただ最後は谷合投じた球が甘く入ってしまいサヨナラ負け。まるで夏敗れたときのように涙ぐんでいたが、これをバネに夏には甲子園に戻ってきて、投打で活躍して欲しい。

20170325中央学院 大谷
初回に1番打者としてライト前ヒットを放つ中央学院の大谷


◆初スタメンが甲子園で4番
秋は4番だった大谷が1番に抜擢され、その代わりに4番に座ったのが、この試合が公式戦初スタメンとなる2年生の高鹿であった。そんな高鹿であったが、明徳義塾の好投手市川の前に1打席目~3打席目まで3三振と全くいいところがなかった。

8回表は2点ビハインドで2死満塁という場面で4番高鹿を迎えた。ひょっとしたら代打もあるかもという場面であったが、相馬監督は「力を抜いていけ」とそのまま高鹿を送り出すと、初球のスライダーを捉えて前進守備の三遊間を抜ける、2点タイムリーヒットとなった。これまでの3打席ではいずれもこのスライダーで三振を喫していたので、見事にやり返した形であった。惜しくも試合には敗れてしまったが、まだ2年生である高鹿がこのような経験を積めたことは、今後の中央学院にとっての財産となることであろう。

20170325中央学院 高鹿
初スタメンで中央学院の4番に抜擢された高鹿


◆エース市川がまさかの5失点も…
秋は公式戦全試合を1人で投げ抜き、明徳義塾を明治神宮大会優勝に導いた市川。大会で1位2位を争うといわれる右腕は、序盤はその評判通りのレベルの高いピッチングで、ストレートは最速146㌔をマークし、キレのあるスライダーなども交えて中央学院打線を手玉にとっていった。4回に1点を失うも、それ以外は得点圏にランナーを背負ったのは2度だけで、7回まで4安打1失点9奪三振無四球というナイスピッチングであった。

しかし8回表、警戒する大谷に四球を与えたのはしょうがないが、スライダーが引っ掛かったのか左バッターのインコースにいってしまい、平野・宇田という左バッター2人に連続死球を与えてしまい満塁。経験豊富な市川であったが、キャッチャーの安田が何度もマウンドにいっていたことに象徴されるように、動揺していたようで、高鹿・西村に2本の2点タイムリーを浴びてしまい逆転を許してしまった。

幸いチームが逆転勝ちをしたが、まさかの5失点とあって市川は反省の弁を述べた。それでも今日の試合も8回の1イニング以外は申し分ないピッチングであったし、大会でも大会で1位2位という評価は変わらない。次戦では市川の完封勝利も大いに期待できることであろう。

20180325明徳義塾 市川
5失点を喫してしまった明徳義塾のエース市川だが次戦に期待


Pickup Player
谷合悠斗 明徳義塾3年 外野手
~全く機能していなかった4番が最後に成し遂げた大仕事~
それまでの内容も加味すると、まさに「一振りで決めた」という言葉がふさわしい明徳義塾の4番谷合のサヨナラ3ランであった。

谷合は強豪明徳義塾において強打を武器に1年夏から5番レフトとして甲子園に出場。2年秋からは4番を務め、昨年のセンバツでは早実戦でホームランを放つなど活躍。昨秋は不振で打順は6番まで落ちるも、明治神宮大会優勝の準決勝で貴重な2ランを放ち4番に戻ると、決勝戦では3安打の活躍。オフは右肘の手術なども経験したが、無事に復帰を果たすと、自身4度目となる甲子園の舞台でも4番を務めた。

しかしこの日の谷合はまさにブレーキであった。1死2・3塁で迎えた第1打席ではショートゴロ、2死3塁で迎えた3打席ではレフトフライ。8回表に逆転をされた直後の8回裏は、先頭の渡部が出塁して反撃の狼煙をあげるも、セカンドゴロ併殺。と4打席目までは全くいいところがなかった。このままいけば戦犯ともなりえた谷合であったが、9回2死から味方が粘って、1点ビハインドの2死1・2塁という場面で第5打席が回ってきた。谷合は3球目の大谷の甘く入ったストレートを捉えると、打球は伸びてセンターのバックスクリーンに飛び込む逆転3ランとなった。

抽選後のインタビューで中央学院の大谷について尋ねられた馬淵監督は「うちの谷合の方が上」と言い切った。そんな監督に恩返しをするかのごとく、最後は最高のバッティングで甲子園通算50勝目をプレゼントした。前にも書かせてもらったように(センバツ出場校紹介③ 明徳義塾)、谷合が打てば明徳打線は波に乗る。苦しみながらも勝利を手にした明徳義塾は次戦以降さらに調子が上がってきて、他チームにとってはさらなる脅威となることだろう。

20180325明徳義塾 谷合
逆転サヨナラ3ランを放つ明徳義塾の4番谷合


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テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

駒大苫小牧×静岡【選抜高校野球大会】

3/24 選抜高校野球大会
駒大苫小牧×静岡 @阪神甲子園球場

試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20180324駒大苫小牧×静岡

2回まで両チーム無得点で迎えた試合は3回裏、静岡は四球と黒岩の内野安打で2死1・2塁のチャンスを作ると3番齋藤が左中間を破るタイムリー3ベースを放ち2点を先制。続く4番成瀬もレフト前にタイムリーを放ち、この回3点をあげる。静岡は5回裏にも山本・村松の連打とバントで1死2・3塁のチャンスを作ると、3番齋藤が今度はライトオーバーの2点タイムリー3ベース。4番成瀬もタイムリーで続くなど、まるで3回のデジャヴのような攻撃でまたもや3点をあげる。

6回裏にも春・山本・村松の3連打で追加点をあげて7点差。投げてはエースの春がテンポのよいピッチングで駒大苫小牧に3塁を踏ませずにわずか84球で完封。静岡が駒大苫小牧に快勝して、ベスト16入りを決めた。

20180324駒大苫小牧 大西
駒大苫小牧のエース大西は持ち前の粘りのピッチングが披露できなかった

20180324静岡 成瀬
2本のタイムリーを放った静岡4番の成瀬

20180324静岡 勝利
完封勝利をあげた春に寄り添う静岡ナイン


Topic
◆(完封)春一番
静岡のエース春はこの日もMax134㌔と決してスピードがあるタイプではないが、得意のスライダーを軸に、カーブ・チェンジアップなども交えたピッチング。特にこの日はカーブの割合が秋よりは多く、このカーブを使うことで緩急差をつけることができていた。初回には死球を2個当たるなどやや乱れたものの、4番横地をセカンドゴロ併殺に打ち取ってピンチを凌ぐと、その後は持ち前のコントロールで四球すら出さない投球。三振は1個もないものの、併殺3個を含む内野ゴロを15個打たせるピッチングでわずか84球で駒大苫小牧を完封してみせた。

これでこの春のセンバツ完封1番乗り。三振0個は35年ぶりらしい。完封は翌日にはサンデーモーニングで張本さんから「あっぱれ」をもらった。次戦は東海大相模or聖光学院という全国でもトップレベルの打線をもつチームとの対戦となるために、春が今回のようなピッチングができるのか注目である。

20180324静岡 春
わずか84球で完封勝利をあげた静岡のエース春


◆フタを開けてみれば9番らしかった山本
静岡のこの日の打順で意外であったのが山本を9番に添えたことであった。山本は確実性には課題を残すものの、昨回の東海大会の常葉菊川戦では決勝3ランを放つなどパンチ力のあるバッター。昨秋は7番を務めていて、9番は小技も効いて繋ぐバッティングもできる加茂というセオリー通りの打順であった。しかしこの試合ではあえてその7番と9番を入れ替えた。こうなると山本には1発もある恐怖の9番打者(前の西武のボカチカみたいな感じ?)の役割が求められていたはずだ。

しかしこの日の山本は3回裏の第1打席でフルカウントからよく見て四球を選ぶと、これを皮切りに静岡は3点を先制。5回裏の第2打席ではセカンドへ内野安打を放つと、またもやこれを皮切りに3得点。6回裏の第3打席でも1死1塁の場面でレフト前ヒットを放ちチャンスを広げて、続く村松のタイムリーに繋げた。

3打席とも9番の山本がチャンスを作って、アベレージの高い1番村松ら上位打線に回すことで得点をあげていて。これが今日の静岡の攻撃パターンとなった。「9番なのに大きいのを~」と期待されていただろう山本であるが、結果的には本来の9番らしい見事な繋ぎの役割を果たしたようだ。

20180324静岡 山本
得点をあげた回全てで出塁するなどチャンスメイクに大きく貢献した静岡9番の山本


◆ドタバタスタートであった駒大苫小牧
試合前から駒大苫小牧をハプニングが襲った。まずファーストでスタメン出場の予定であった道原が、シートノック中にボールを目にあてて病院へ搬送。高校野球規定によりメンバー発表後に、スタメンが変更されるという異例の事態になった。さらに1回表には3番小林が頭部に死球を受けて、ベンチに運ばれる。小林はその後無事に守備に就いたが、小林の治療で1回裏から試合が中断した。さらに道原の代わりに緊急でファーストのスタメンとなったのは2年生の福岡であったが、1回裏の打者が1人終わったことろでファースト福岡とサード舞原の守備位置交換がコールもされたことは、まさに駒大苫小牧ベンチのドタバタ感を現わしていた。

そんなスタートを切ってしまったからか、昨秋は大阪桐蔭打線を4点に抑えるなど粘りのピッチングが持ち味のエース大西が、3回・5回にそれぞれ連続タイムリーを浴びて3失点ずつと本来の力を発揮できない。打線もいいところがなく、上述した通り静岡のエース春に84球で完封を許してしまい、駒大苫小牧としては開始のドタバタのままあっという間に試合が終わってしまったような感じであろう。

20180324駒大苫小牧 福岡
試合開始直前に急遽ファーストのスタメンとなった駒大苫小牧の福岡


Pickup Player
斎藤来音 静岡2年 外野手
~2本のタイムリー3ベースで4打点の活躍~
この試合の静岡の攻撃面で最も存在感を示したのが、このセンバツから3番を務める齋藤であった。

齋藤は1年秋(昨秋)より2番ライトとして活躍。その打力から簡単にはバントをしない2番打者として、打率.375の活躍をみせて東海大会Vに貢献した。このセンバツからはその打力をさらに生かす形で3番を務めた。

この試合での齋藤はまず第1打席では俊足を飛ばして内野安打で出塁。そして1番の見せ場であったのが両チーム無得点で迎えた3回裏2死1・2塁という場面での第2打席、初球のアウトコースのストレートを捉えると球足の速い打球はレフトの右を通り抜け、先制の2点タイムリー3ベースとなる。続く5回裏1死2・3塁で迎えた第3打席では今度はインコースのストレートを引っ張ると打球はライトの頭を越えて、2打席連続の2点タイムリー3ベースとなった。結局この試合では4打数3安打4打点という大活躍で、この日の静岡打線の主役となった。

インコースをライトオーバー、アウトコースを左中間と。まるで左バッターのお手本のような2本の3ベース。さらに低めのボールに対してもスムーズにバットが出て強い打球を打てるあたりは非常にセンスを感じられた。これに加えて三塁到達タイム11.7秒を記録した脚力、シートノック時のライトからの送球も素晴らしいものがあり、まさに3拍子揃ったプレイヤーである。まだ新2年生とういことで、このまま成長を続ければ、来年には間違いなくドラフト候補として名のあがる選手であろう。

20180324静岡 齋藤
2本の2点タイムリー3ベースで4打点をマークした静岡3番の齋藤


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明秀日立×瀬戸内【選抜高校野球大会】

3/23 選抜高校野球大会
明秀日立×瀬戸内 @阪神甲子園球場

試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20180323明秀日立×瀬戸内

明秀日立は1回表に先頭の増田が初球を捉えてレフトフェンス直撃の3ベース、さらに相手の中継プレーが乱れる間に一気にホームを狙うもタッチアウト。2死となってから2四球と芳賀の2ベースで満塁のチャンスを作るも山口はセカンドフライに倒れて、何ともちぐはぐな攻撃で先制点を奪えない。対する瀬戸内は1回裏、2死から3番東大翔がヒットで出塁すると、明秀日立の先発細川がここから制球を乱し、3連続四球で押し出しとなり1点を先制する。

明秀日立は3回表に北野がライト線3ベースから芳賀のタイムリー2ベースで同点に追いつくも、瀬戸内ははその裏に死球と門叶のヒットで作った2死1・3塁のチャンスで、1塁ランナー門叶がわざと挟まれると、スタートを切った3塁ランナーを刺そうとしたショート増田の送球が暴投となり勝ち越し。さらに4回裏にも2死2塁から2番新保が左中間にタイムリー2ベースを放って点差を2に広げる。

明秀日立は5回表に四球→ボーク→ワイルドピッチと瀬戸内のミスにつけこんで1点差に迫るも、そこから明秀日立:細川、瀬戸内:浴本の両エースがともに1歩も譲らないピッチングを見せて、試合は3-2と瀬戸内が1点リードのまま9回を迎える。

明秀日立は9回表に先頭の有住がヒットを放ち同点のランナーを出すと、ここで送らずに代打佐伯がライト前ヒットを放ち無死1・3塁。1番増田がきっちりと1・2塁間を破るタイムリーを放ち同点。さらに北野がバントで送ると、瀬戸内からは浴本→山根にピッチャーを交代。しかし明秀日立の3番池田がきっちり犠牲フライを放ち、明秀日立が土壇場で逆転に成功。その裏を細川がきっちり締めて、明秀日立が初出場の甲子園初戦で初勝利をあげた。

20180323明秀日立 池田
決勝打となる犠牲フライを放った明秀日立の3番池田

20180323明秀日立 佐伯
金沢監督の強硬策に応えて、貴重なライト前ヒットを放つ明秀日立の代打佐伯

20180323瀬戸内 浴本
最後は逆転を許したものの明秀打線を8回まで2点に抑えた瀬戸内のエース浴本のピッチングは見事であった


Topic
◆良くも悪くもやりたい放題の増田
明秀日立の野手で1番の注目であったのが主将であり、プロからも注目されるショートストップである増田。そんな増田が初の甲子園で良くも悪くも目立つ活躍をみせた。

まず1番バッターとしてプレイボール直後のボールを捉えると、打球はもう少しでホームランというレフトフェンス直撃の当たり。レフトがクッションボールの処理にもたつく間に俊足を飛ばして一気に3塁を陥れた。ここで1度は止まったものの、瀬戸内内野陣がレフトから戻ってきボールを逸らすと一気にホームへ。しかしこれがあまりにも無謀な走塁で余裕でホームタッチアウト。無死3塁という先制の大チャンスを逃す形になってしまった。1点を追う7回にも先頭打者として左中間フェンス直撃の2ベースを放つも、続く北野のショートゴロで飛び出してしまい3塁タッチアウト。どちらの走塁も無死であったので決して無理をする場面でなく、明秀日立が流れを掴めずに9回までビハインドを追ってしまった大きな要因となってしまった。

守備でも3回裏、1・3塁で瀬戸内は1塁ランナーをあえて飛び出させて、その間に3塁ランナーをホームインさせるという作戦を決行。こんなのは甲子園レベルの高校に使うものではないと思ったが、ホームに向かった3塁ランナーを刺したショート増田の送球はタイミング的には余裕でアウトであったが、キャッチャーの頭上を越えてしまい、瀬戸内に勝ち越しを許してしまった。逆転した後の9回裏にも三遊間の打球を1塁へ暴投し、1死2塁と同点のピンチを招いてしまった(記録は内野安打で、2塁への進塁が増田の暴投)。ただこれも増田でなければ余裕でセーフでもはや投げる必要もなかったという打球。この他にも持ち前の守備範囲の広さとスムーズな身のこなしで増田でなければ…という打球をアウトにする場面もあった。

ただ9回無死1・3塁でまわってきた第5打席ではライト前に同点タイムリーを放ち、サヨナラに繋げるという最高の仕事も果たした。打撃成績だけ見れば3ベース、2ベース、単打と3安打を放ち、延長があればサイクル安打も狙える(フェンス直撃は2本打っていたし)という内容であった。パンチ力のある打撃に走力・守備力も兼ねそろえ能力が高い上にやりすぎてしまった感はあるが、甲子園のファンにも増田の能力の高さは深く刻まれたことであろう。

20180323明秀日立 増田
9回に同点タイムリーを放ちガッツポーズの増田


◆尻上がりに調子をあげた細川
明秀日立のエース細川は、Max144㌔に鋭いスライダーをもつ本格派右腕ということに加えて、DeNAの細川成也の弟ということもあり、そのピッチングに注目が集まっていた。

この日の細川は1回裏に3連続四球を与えて先制を許してしまう。また守備のミスなどチーム自体の流れの悪さの影響もあり、序盤はイマイチなピッチングであった。しかし徐々に甲子園の雰囲気にも慣れてきたか、スピードは抑えつつ、変化球を増やした落ち着いたピッチングができるようになり、5回以降で許したヒットは内野安打3本のみ。瀬戸内に追加点を与えないピッチングで流れを明秀日立に引き寄せると、それに応える形でチームは9回に逆転、その裏のピンチも凌いで、9回3失点完投勝利をあげた。

とりあえずは初の甲子園で自分の役割は果たしたというところであるが、この日の最速は141㌔止まり。冬場を超えれば150㌔も出せるポテンシャルを持っている投手だと思っていたので、個人的にここは物足りなかった。

20180323明秀日立 細川
尻上がりに調子をあげて9回3失点完投勝利をあげた細川


◆就任7年目で金沢監督が悲願の甲子園初勝利
甲子園初出場である明秀日立は2012年9月に、元光星学院の監督である金沢成奉監督が就任し、「3年で甲子園に出場」を目標にかかげ、それから徐々に力をつけてきた。2014年秋には茨城準Vで関東大会に出場。この世代は津山・孫大・大友と実力のある3本柱を擁し、1学年下に細川・糸野という野手がいて、早くも甲子園出場が期待されたが、2年生が1年生への暴力という不祥事で夏は2年生以下は出場辞退。その後も、2016年夏には茨城大会で常総学院に0-1で惜敗、前チームでは秋・春と茨城を制するなど関東大会の常連となってきたが、甲子園出場はかなわず…。昨秋の関東大会では準優勝を果たし、今回初のセンバツ出場を果たしたが、すでに金沢監督就任から5年半が経ってしまっていた。

そんなわけで明秀日立にとって初の甲子園ということで緊張したか、実力的には上回っている瀬戸内に9回までリードを許す展開。ただ9回表に先頭の有住がヒットを放ち同点のランナーが出ると、ここで金沢監督は代打佐伯を起用。セオリーであれば無死1塁なのでバントで送って同点のランナーを2塁へ進めるところだが、強硬策にでると佐伯がライト前ヒットという最高の形でそれに応えて無死1・3塁。強打を信条する金沢監督らしい采配で、それが見事に的中したことにより、呼び込んだ勝利であった。


◆選手宣誓からの試合で活躍
この日に開幕したセンバツ、午前中の開会式では瀬戸内の新保主将が選手宣誓。決まった直後には「正直やりたくなかった」と本音を漏らした新保であったが、見事に大役を務めあげると、その後の試合でも見事な活躍をみせた。

まず得意の守備では、強打の明秀日立相手に「プロかよ?」というほど深いいうほど守備位置をとり、難しいバウンドにもうまく対応していた。7回には無死2塁の場面でも若干ランナーと重なりながらも、冷静にショートゴロをキャッチすると3塁で増田を刺して同点のピンチの芽を摘むなど決して派手さはなかったものの守備での貢献度は非常に大きかった。打撃では4回2死2塁のチャンスで、左中間にうまく流し打ったタイムリー2ベースは見事なものであり、9回裏にも俊足を飛ばして内野安打として最後に1打同点のチャンスを演出した。注目の4番門叶がシングルヒット1本に抑えられてしまった瀬戸内の中で、1番存在感を発揮した野手であった。

20180323瀬戸内 新保
攻守に選手宣誓に活躍した瀬戸内の主将新保


Pickup Player
有住昂大 明秀日立3年 ファースト
~初のスタメンも変幻自在に3安打~
昨秋の公式戦では1打席しかたっていなかった有住が、この試合では3安打。9回表には先頭打者としてヒットを放ち、逆転劇を演出した。

ずっと投手であった有住だが、初のベンチ入りを果たした昨秋の公式戦では登板なし。唯一の出場は関東大会決勝の中央学院戦での代打で、そこでセンター前ヒットを放っていた。関東大会後に金沢監督から勧められて野手に転向。もともとファーストであった池田が本格的にセンターを務めるようになったこともあり、持ち前の打力を武器にセンバツでは背番号3を勝ち取った。

この試合では8番ファーストでスタメン出場した有住は、第1打席では強烈なライナーでピッチャーの横を抜くセンター前ヒット。第3打席では今度は引っ張って1・2塁間を抜いてライト前ヒット。そして1点ビハインドの9回表の先頭バッターとして迎えた第4打席ではライナー性の打球をレフト前に運んだ。ここで有住は代走を送られてお役御免となったが、この一打をきっかけに明秀日立は逆転。その勢いを作った有住の一打は本当に価値のあるものであった。

結局この日は4打数3安打。センター・ライト・レフトとそれぞれ異なる方向への安打で、そのミート力の高さを甲子園という舞台で発揮した。兄の有住隆哉も2015年夏に明秀日立では5番を務めた。その世代は上記でも説明した通り有望なチームであったが。不祥事で細川・糸野ら2年生が出られず、結果として綾部(DeNA)の霞ヶ浦に敗れてベスト4止まりとなった。そんな兄の思いも背負ったのだろうか、初の公式戦スタメン、それも甲子園という舞台で有住のバッティングは見事であった。

20180323明秀日立 有住
初のスタメンで見事3安打を放った明秀日立の有住


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センバツ出場校紹介⑤ 大阪桐蔭

センバツ出場校紹介。
第5回目は優勝候補筆頭である大阪桐蔭です。

秋の成績
ちょうど1年前のセンバツ制覇のメンバーが多く残る新チームは、大阪桐蔭の中でも最強世代と呼び声が高かった。それでも秋の新チームとは何かしらあるものだと思っていたが、その評判に違わない戦いぶりで大阪大会を全て快勝で優勝。準決勝で好左腕の大石擁する近大附属からコールド勝ちを納めると、決勝でもライバル履正社を9-2で破った。近畿大会でも初戦で京都翔英を5回コールドで下すと、準々決勝では近大附属を返り討ちするコールド勝ちでセンバツを確定させ、そのまま近畿大会優勝。この近畿大会では3投手で計1失点のみという圧倒ぶりであった。明治神宮大会では守備の乱れなどもあり創成館に敗れてしまったが、今回のセンバツでも実力だけで言えば1つも2つも抜き出ていて優勝候補筆頭である。

  守備 選手名 学年
1 CF 藤原 3
2 LF 宮崎 3
3 3B 中川 3
4 SS 根尾 3
5 2B 山田健 3
6 RF 青地 3
7 1B 井阪 3
8 C 小泉 3
9 P 柿木 3


投手陣
志望届さえ出せば指名がほぼ間違いない3本柱を擁する。エースナンバーを背負う柿木はMax148㌔の重いストレートにスライダーなどを織り交ぜる右の本格派右腕で、近畿大会では京都翔英と智弁和歌山を完封するなど安定感も抜群。昨夏に仙台育英相手に8回まで完璧なピッチングも、最後は中川のベース踏み外しなどの後に逆転サヨナラ打を浴びた悔しさを晴らしたい。横川は190㎝の調印からのMax144㌔のストレートが持ち味の左腕。昨秋は近畿大会の出場が決める大阪大会準決勝、センバツ出場が確定する近畿大会の準決勝という大一番でそれぞれ近大附属相手に見事なピッチンを見せた。中学時代から注目されていた根尾もMax148㌔のストレートを中心に高い奪三振率を誇り、マウンド度胸も満点。昨秋は近畿大会準決勝で近江を16奪三振完封したが、センバツではショートからのストッパーという起用もあるかもしれない。

20171111大阪桐蔭 柿木
強力3本柱の中でもエースナンバーを背負う柿木


野手陣
昨年のセンバツ優勝経験者を1番~5番まで並べた打線。新チームから4番に座る根尾は秋の公式戦で5本のホームランを放ち、チャンスにも強い。主将も務める3番中川はどんなボールでも広角に弾き返せる打撃が武器。昨夏にファーストでベースを踏み恥じたことがきっかけでサヨナラ負けを喫したためにリベンジへの思いは人一倍であろう。5番山田健は高校野球史上稀にみる大型セカンドであり、昨年のセンバツでは打率.571をマークするなど当たりだすと止まらない。不安があるとすれば1番の藤原で、昨秋から痛めている膝がまだ完治はしていない模様。ただ2年生ながら昨夏にU18日本代表でも活躍し、50㍍5.7俊足にセンバツの決勝でホームラン2発をマークし、根尾とともにドラフト1位は確実と言われいる逸材なので、1番を外れてどこかで出場する可能性もある。小柄ながらパンチ力もある2番宮崎も注目で、下位打線も他のチームなら中軸という打者が並ぶ。

守備も全国でトップといえるレベルで全体的に穴がない。ただ藤原は上記の通り持ち前の守備範囲の広さが発揮できるかは微妙でセンターにはレフトから宮崎が回る可能性もある。キャッチャーの小泉は強肩であり、3人の投手にそれぞれあったリードができる。選手層の厚い大阪桐蔭らしくレギュラー争いも激しくて、ファーストは中学時代にはボーイズ日本代表の4番も務めた石川がレギュラーを奪い取りそう。他にも内外野守れる2年生宮本も台頭してきて、どんなメンバーとなるのか非常に楽しみである。

20171111大阪桐蔭 中川
昨夏に人一倍の悔しさを味わった中川は3番サード主将として甲子園に帰ってくる

20171111大阪桐蔭 藤原
藤原のケガの具合が大阪桐蔭にとっての唯一の不安点である



センバツ制覇へのキーマン
日本一の選手層を誇ると言っても過言でない大阪桐蔭において、打っては4番、守っては内野の中心のショート、マウンドに立てばMax148㌔というまさに中心的存在。昨秋はチーム断トツトップの5ホーマーに20打点、投げては近畿大会準決勝の近江戦で16奪三振完封と見事に結果を出したが、まだまだやれると思わせてくれる存在である。

177㎝77㎏という体格はバランスはとれているが凄いパワーを秘めたようには見えない。しかし中学時代はアルペンスキーで日本一にもなった身体能力の高さは折り紙付きで、見ていても本当に体にバネが入っているのではないかと思う。打撃面ではまだまだミスショットがあり、その打球はスラッガーの証であるかのように滞空時間の長いフライとなる。ショートの守備では守備範囲が広く、まるでメジャーリーガーのように三遊間から強肩でアウトにすることができる一方、まだ確実性には難があり秋のエラーはチームトップの3個(そもそも2個以上エラーした選手が他にいないというのが凄いが…)。チーム2位の盗塁数を誇るもこれもまだまだ走れそうだ。これだけの結果を残しながら、まだその高い身体能力を扱いきれていないというのが根尾の印象である、一冬こえてそれが実現していれば、さらなる怪物となって甲子園の歴史に名を刻むことができるだろう。

20171111大阪桐蔭 根尾
大阪桐蔭の4番ショート兼ピッチャーとして結果を出しつつもさらなる活躍が期待される根尾




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センバツ出場校紹介④ 明秀日立

センバツ出場校紹介。
第4回目は出場の明秀日立です。

秋の成績
茨城大会では夏の覇者である土浦日大を16-0で破るなど序盤から持ち前の打線が爆発。準決勝ではもはやライバルと言える常総学院との接戦を制すると、決勝でも霞ヶ浦に快勝して2年連続で秋の茨城大会を制した。鬼門となっていた関東大会でも初戦で山梨学院から逆転勝ちを納めると、準々決勝では優勝候補でもあった健大高崎に勝利して初のセンバツを確定させると、決勝では接戦の末に中央学院に敗れるも見事に関東大会準Vを果たし、悲願の甲子園初出場を果たした。

秋の基本オーダー
  守備 選手名 学年
1 SS 増田 3
2 RF 北野 2
3 1B 池田 3
4 2B 芳賀 3
5 P 細川 3
6 LF 山口 3
7 3B 鈴木 3
8 CF 岩田 3
9 C 高田 3



投手陣
基本的にはエース細川と心中である。DeNAの細川成也を兄にもつ、細川拓哉は馬力のある右腕はストレートはMax144㌔をマークし、切れ味の鋭いスライダーも大きな武器だ。力投型であるが、昨秋をほぼ1人で投げ抜き、最終回にも140オーバーを連発するなどスタミナも十分だ。関東大会では山梨学院に8四死球を与えるも3失点完投、健大高崎から15安打を浴びながらも1失点完投、慶応戦も10安打に5四死球ながらも2失点とランナーを背負っても粘り強く投げ抜くことができる。まだ粗さがある分、伸びしろがあるとも言え、一冬越えてどのようになっているかは楽しみである。基本的にはこの細川が投げ抜くというスタイルだが、ここ最近では和歌山商との練習試合で清水完封するなど、控え投手も夏に向けて力をつけてきている。

20171024明秀日立 細川
エース細川の出来がチームの全てを左右すると言っても過言でない


野手陣
打線の中心は前チームからのレギュラーである増田・池田・芳賀の3人。増田はソフトバンク松田を彷彿とさせるバッティングフォームと積極性が持ち味の強打の1番であり、関東大会では準決勝・決勝で2試合連続ホームランを放つなど秋はチーム最多の15打点をあげた。4番の芳賀は1年夏から糸野・細川(成也)とクリーンアップを組んだ実力者。170㎝と小柄であり、ちょうと森友哉(西武)を彷彿とさせるような構えから、力強い打球を飛ばすことができる。池田は広角に打ち分けることのできる巧打者で勝負強さも備える。この池田・芳賀の後を打つ細川も兄譲りでパンチ力があり今大会の投手の中ではトップクラスの打力を誇る。他にもレギュラー唯一の2年生である2番北野が秋は.444、茨城大会の終盤からレギュラーを掴んだ山口が常総学院戦では決勝打を放つなど.391と高いアベレージを残していて、光星学院では坂本・田村・北條などを育てた金沢監督らしい強力打線となっている。

ただそんな金沢監督も打つだけでは甲子園に行けないとあって、このチームでは守備力強化にも力を入れてきて、その成果が表れたか秋は10試合で5失策という堅守を誇った。その中心はショートの増田であり、守備範囲が広く、三遊間の深いところからも強肩と正確な送球でアウトをとることができる。池田はファーストだがセンターなども守れるオールラウンダーで、代わりにファーストに有住など打力のある選手をいれることもできる。

20171024明秀日立 増田
攻守の中心で主将でもあるショート増田

20170930明秀日立 芳賀
1年夏から中軸をつとめる4番の芳賀


センバツ制覇へのキーマン
高田光基 3年 捕手
昨秋の茨城大会で1番の山場となったのが常総学院との準決勝では2回に常総学院が2死2塁からワイルドピッチ2個で先制し、
逆転しても4回にはまたもやワイルドピッチで追いつくという展開であった。記録はワイルドピッチであるが原因はキャッチャー高田にあった。エース細川は担ぎ上げるようなオーバースローのフォームで乱れるときはボールがワンバンすることが多く、また鋭いスライダーも持っているのでキャッチャーとしては止めるのが難しい部類の投手ではあるが、それが細川の魅力でもあるので、正捕手としてこのストップが求められるところである。

ただこれに奮起したか高田は関東大会では、後ろに逸らすことも減っていて、課題の打撃でもスクイズを決めるなど繋ぎ役として活躍した。それでもキャッチャーは明秀日立の弱点とされ、センバツに向けてはセカンドの芳賀をコンバートするという話もあったが、センバツの登録では高田が背番号2であり、どうやらセンバツでも高田が正捕手の座を守ったようである。細川はまだまだ暴れ馬のようなところがあり、手綱を締める高田の役割は重要。打っても1番にはチーム打点王の増田がいる以上9番高田の出塁or繋ぎは重要になってくる。まさに攻守に渡って高田が活躍できるかがキーとなってくる。

20170930明秀日立 高田
細川のリード面でも9番打者としても高田の活躍が重要となる



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センバツ出場校紹介③ 明徳義塾

センバツ出場校紹介。
第3回目は秋の王者(明治神宮大会優勝)の明徳義塾です。

秋の成績
高知大会では山場となったのは準決勝の高知商で逆転サヨナラ勝ちを納めると、決勝では高知も破り、高知県のライバルを破って優勝。続いて四国大会でもエース市川を中心とした安定した戦いぶりで優勝。明治神宮大会でも初戦で中央学院を破ると、準決勝では静岡から8回に4点を奪って逆転勝ち。決勝では市川の完封劇で創成館を破って明治神宮大会を制し、見事に秋の日本一に輝いた。

  守備 選手名 学年
1 RF 眞鍋 3
2 3B 田中 3
3 SS 菰渕 3
4 CF 渡部 3
5 C 安田 2
6 LF 谷合 3
7 1B 中隈 3
8 P 市川 3
9 2B 藤森 3


投手陣
秋の公式戦を1人で投げ抜いたエース市川が大黒柱となる。1年秋にも本格派右腕として北本の2枚看板として四国大会優勝。しかしその後に制球の問題などで2年夏前にサイド気味フォームに変更すると、2年夏の甲子園では14回3失点の好投をみせた。エースとなった昨秋はコーナーをつくMax145㌔のストレートにスライダー・カーブ・SFFなどを混ぜた安定したピッチングで高知商戦以外は全ての試合で3失点以下。特に明治神宮大会決勝で創成館を3安打完封したピッチングは圧巻であった。市川に次ぐ投手がいないのか課題だが、この春の甲子園前のオープン戦でも市川が滝川二を完封するなど、ほぼ全ての試合を1人で投げているように馬淵監督はすでに市川と心中する覚悟はできているようだ。

20171111明徳義塾 市川2
秋の大会を1人で投げ抜いて明治神宮大会を成し遂げたエース市川


野手陣
スタメン中6人が左バッターと左の巧打者が多いのが今年のチームの特徴である。秋は1番眞鍋が.412、2番田中が.419、3番菰渕が.323と左の1~3番でヒットを稼ぎ、さらに走力もあるのでチャンスメイクに優れ、その結果4番打っていた渡部はチーム最多の10打点をあげた。ただ渡部もどちらかというとこの3人と似たようなタイプであり、センバツでは3番に入ることが濃厚。そして4番には1年夏から4期連続の甲子園出場となる右のスラッガー谷合が座ることになるだろう。5番の安田もまだ2年生ながら1発のある打者で谷合に次ぐスラッガーとして期待される。その他下位打線にもしっかりと仕事のできる打者が揃い、また全体として高知商戦や静岡戦で見せたように土壇場での強さもある。

守備も10試合で9失策と安定していて、市川のピッチングを支えた。とりわけ弱点などもなく、藤森・菰渕の二遊間は非常に固く、中隈もファーストにはもったないなほどのうまさがあり、、よっぽどのことがない限りはピッチャーの市川も含めて秋の9人がそのままで続けることになるだろう。あえて言うとすれば2年生捕手の安田がリード面ではさらに経験を積んで市川のピッチングの完成度をさらに高めて欲しいところだ。

20171111明徳義塾 田中
秋は打率.419をマークした2番田中

20171111明徳義塾 安田
さらなる成長が期待される2年生捕手の安田


優勝へのキーマン
谷合悠斗3年 外野手
左の巧打者が多いチームにおいて、高校通算23発を誇る貴重な右のスラッガーの谷合。1年夏から5番を打つなど甲子園を経験すると、2年春には4番として早実戦でホームランを放つなど入学以来全ての甲子園をレギュラーとして迎えている。ただしまだ好不調に波があり、これにケガの影響などもあって昨秋はずっと6番を打っていた。しかし明治神宮大会の準決勝で値千金の3ランを放ち復調の兆しを見せると、決勝戦では4番に復帰し3安打を放った。結局終わってみて秋はチームトップの打率.441という成績であった。

疲労骨折で明治神宮大会後に手術をしたものの、センバツには間に合い、4番を打つことが濃厚。明治神宮大会もそうであったように谷合が打ち出すと、明徳義塾打線が一気に波に乗るのでまさにキーマンである。守備面でも馬淵監督から「外野守備は1番」との評価をもらうまでに成長したので外野の要として期待したい。

20171111明徳義塾 谷合
4番谷合が打つかどうかで明徳義塾の出来が大きく変わってくる



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谷田の米トライアウト挑戦に思う

谷田成吾外野手が米トライアウト受験 ドラフト2度の指名漏れから覚悟の挑戦

JX-ENEOSの谷田が同社を退社して、アメリカでのトライアウトを受験することになったという話だが、これは非常に驚きであった。

まずこの時期に…というのが予想外のタイミングであった。社会人野球でもプロ野球などと同様に、野球部を退部する選手は秋のオフシーズン始まりに発表されるのが通例だ。谷田に関していえばその秋のタイミングでは何もなく、この春もオープン戦にも谷田は出場していた。アメリカのトライアウトに参加するという面ではタイミング的にはマッチしているが、それでもスポニチ大会が終わり本格的に社会人野球のシーズンが始まったことのタイミングでの退社は異例中の異例と言える。

大学時代にまさかと言われたドラフト指名漏れを経験して、ドラフト解禁となった社会人2年目も指名がなかった谷田であるが、今年はまだ社会人3年目。そもそも昨年谷田の指名が見送られた背景には、齋藤・塩見・若林と既にENEOSから3人が指名されたために、各チームが暗黙の了解でENEOSからそれ以上の選手の指名を見送ったという背景もあるかもしれない。いずれにせよ今年の活躍次第ではNPBから指名される可能性が十分にある状態で、わざわざ一流企業であるENEOSを退社してトライアウトというリスキーな賭けに出たことも意外であった。

ただその一方で谷田という野球選手にとっては転機が必要だったのかなという感はある。ENEOS入社直後から4番を打ったいた谷田であるが、現在は打順も下がってきて若干の伸び悩み感は否めない。環境を変えてみることは、谷田にとって一皮むけるためのアクセントとなるかもしれない。

そしてもう1点、プロに入る確率をあげるという観点だけから見ればENEOS退社はアリだ。NPBとしてはやはり名門社会人チームの選手を育成などで指名することはできないし、支配下でも下位指名はややはばかられるものだ。もちろんこんな話はアメリカでは関係のない話で実力次第ではマイナー契約も大いにあり得る。そして今回例えアメリカのトライアウトで結果が出なくても、日本に帰ってくれば独立リーグからは引く手あまたであろう。そして独立リーグにでも入団すれば、上記で説明したように今年の秋のドラフト指名のハードルも下がるのだ。実際にプロ入りするためにセガサミーから石川MSに入った坂本はその年のドラフトで育成ながら指名を受け、同じくセガサミーを退社した高島は社会人時代はドラフト候補といえる存在でなかったが、投手に転向したこともあり一躍ドラフト候補となった。

というわけであまりにも意外であった谷田のENEOS退社であるが、プロ入りする確率だけであればひょっとしたら理にかなっている話なのかもしれない。いずれにせよ新たな挑戦を始めた谷田には是非とも成功を納めて欲しい。


20170312JX-ENEOS谷田
JX-ENEOSを退社して米のトライアウトに挑戦する谷田



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センバツの組み合わせ決定 勝ち組は日大三か

センバツの開幕を1週間後に控え、組み合わせ抽選が行われました。

2018センバツ組み合わせ

※今からは話すうえでランクを前提に話しますが、そのランクの打ち分けはコチラを参照

組み合わせの勝ち組は?
まず今回1番組み合わせに恵まれたと思うのは日大三。試合数は他チームより1試合多いが、初戦が21世紀枠の由利工であることを考えると、日大三にとってはちょうどいいアップといったところで問題ない。その後もBランク以上の優勝候補と言われるようなチームとは当たらずに準決勝までコマを進めることが可能であるところが恵まれているといえる。

今回はどちらかというと強豪チームの偏りが少なかったので、他のチームは日大三ほどは恵まれていないが、あえてあげるとすれば智弁和歌山も悪くないといったところであろう。こちらも2・3回戦ではBランクとは当たらず、3期連続で公式戦で敗れている宿敵大阪桐蔭とも当たるとすれば決勝というのも心強い。ちなみに智弁和歌山はくじ順だと隣が智弁学園であり、4回戦で「あのユニフォームがどっちか分からない」ことで有名な智弁和歌山×智弁学園が実現する可能性も大いにある。

20171105日大三 日置2
見事に当たりくじを引き当てたといえる日大三の日置主将


死のブロックは?
逆に強豪校が密集してしまった死のブロックといえるのが1~9番のところではないだろうか?明治神宮大会優勝の明徳義塾や歴代最強の呼び声高い聖光学院が含まれていて、この9チーム中6チームが地区大会を制して秋の明治神宮大会に出場したという強豪揃い。地区大会の優勝校ではないが東の横綱と言われる東海大相模もいる状態でまさに死のブロックといえる。

20170924東海大相模 森下2
死のブロックでも1番の注目株といえるのが東海大相模の4番森下


1回戦の注目カードは?
①中央学院×明徳義塾
秋の明治神宮大会の再戦となる関東王者と四国王者の対戦。このときは明徳義塾が5-3で勝利し、そのまま優勝を果たしたが、大谷を中心にリベンジに燃えている中央学院は気合が十分すぎるほどであろう。

②明秀日立×瀬戸内
DeNA細川成也の弟である剛腕細川拓哉VS中国大会で1試合4ホーマーを記録した門叶の力と力の勝負に期待したい。

③下関国際×創成館
昨夏に甲子園初出場を果たしたメンバーが多く残る下関国際と、神宮大会では大阪桐蔭を破るなどして準Vを果たした創成館という経験のある両チームの戦いにも注目だ。

④東邦×花巻東
東邦の4番は期待の2年生スラッガー石川、花巻東のエースは急成長をとげているこちらも2年生の西舘。2年生世代の投打の主役の対戦にも注目したい。

20171111中央学院 大谷
明徳義塾に秋のリベンジを果たしたい中央学院の4番でエース大谷


例年以上に厳しい21世紀枠
優勝候補筆頭である大阪桐蔭は初戦で21世紀枠の伊万里と対戦ということで話題となっている。伊万里としては大阪桐蔭と対戦できるということは魅力かもしれないが、勝負という意味ではたまったもんじゃないという感じであろう。ただこの伊万里だけでなく、膳所は日本航空石川、由利工は日大三と3チームともに投打に戦力の充実した地区優勝を果たした強豪と当たってしまった。

例年であれば21世紀が1回戦を突破できるかという話になるが、今年に限って言えば、もともと地区大会で成績を残した3チームでなく、3チームとも超のつくほどの強豪校と初戦を迎えるということで、初戦突破どころかコールド負け相当のスコアになってしまう可能性もある。ここ5年で21世紀枠どうしの勝負を除けば1勝しかしていない21世紀枠だが、今年は例年以上に初戦突破が難解である。


ベスト8予想
(組み合わせ表の左から)
東海大相模
明徳義塾
智弁和歌山
創成館
大阪桐蔭
東邦
日大三
星稜
※異論は認めます

もしベスト4予想だったら
東海大相模・智弁和歌山・大阪桐蔭・日大三ですかね?

でも結局組み合わせとか関係なく優勝は?と言われたら大阪桐蔭じゃない?としか言えないのが今大会です。


以上です。
今年は23日~26日は現地観戦の予定です。
あと1週間楽しみにしながら待つとしましょう。



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