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U18日本代表は本当に2年生投手を招集できるのか?

夏の甲子園終了後に開催される「BFA U18アジア野球選手権大会」の代表の1次候補選手30名が選出された。

メンバーは以下の通り↓
U18日本代表1次候補2018

有力選手では野村(早稲田実業)・森下(東海大相模)らが漏れたが、センバツ優勝の大阪桐蔭からは6名が選ばれるなど大まかかにいえば注目の選手は順当に選ばれたというとこであろう。ただ投手陣は14人中2年生が6人もいるというのは少々意外であった。この6投手はともにプロが注目するような期待できる投手である一方、実績という面ではまだまだといえる。

大会が開催されるのは9/3~9/9であり、その後すぐに新チームの秋季大会が始まってしまう時期である。甲子園に出場する可能性も大いにある選手たちなので、秋季大会までに急ピッチで新チームを仕上げなければいけない状況で、そのチームの核となるエースとなる選手がいないのは辛い。個人でいえば代表での経験はプラスになるかもしれないが、国際球というやや異なったボールを使い感覚が狂う、疲労が蓄積するといった面でも2年生投手が代表に選ばれることは新チームにとって大きなリスクとなる。5年前には安楽(済美→楽天)と高橋(前橋育英→西武)が2年生ながらU18日本代表に選ばれて活躍したが、その後の秋季大会で済美・前橋育英は早々に敗退してしまいセンバツ出場を逃してしまったこともあり、それ以降2年生投手が実際に招集されたケースはない。

永田監督は「将来性も加味した上で~」という言葉を使っており、今年のアジア大会もさることながら、来年のワールドカップも見据えているところが伺える。そういう意味では今年のうちから2年生をいれて、国際大会にならすというのは有効であるが、上記のような理由で各チームからは敬遠されてしまうので現実的でないかと思う。

20180324日大三 井上 20180415横浜 及川
2年生ながら日本代表候補に選ばれた日大三の井上(左)と横浜の及川(右)

また野手では2年生がいないのも気になる点だ。野手でいえば2年前の清宮(当時1年生)、昨年の藤原・小園といった選手は近年でも下級生ながら代表に選出されて主力として活躍している。野手であれば新チームに与えるリスクも少なく、比較下級生であっても招集はしやすい。将来性というのならば石川(東邦)、黒川(智弁和歌山)といった野手も候補に入ってもいいと個人的には思った。

ただこれは1次候補に過ぎないのである。ちょうど合宿をしていた大学日本代表と違って実際の代表選手は必ずしもこの候補の中から選ばれるわけではなく、昨年の代表も20人中1次候補選手であったのは12名のみであった。つまりはそもそもこの1次候補というのは実際の代表選考に与える影響は大きいとは言えず。現実的なところは各チームの事情から2年生投手の招集は敬遠される可能性が高いと思われる。

大学生と違って招集しづらいところもあるが、高校生も1回この時期に合宿でもやってみると本人たちのレベルアップやモチベーションにもつながっていいのではないか?


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大学日本代表選考合宿3日目紅白戦

6/24 大学日本代表選考合宿3日目紅白戦

今年は大学日本代表選考合宿(3日目)を見に平塚球場へ。最終日となったこの日は、フリーバッティング・シートノックに続いて前日に雨で中断した紅白戦の続きが行われ、各選手が代表生き残りをかけたラストアピールを行った。

試合経過

※4イニングで各投手は1イニングずつ登板というルールで行われました。
※スコアの詳細は日刊式で下に書いてあります

白組の先発マウンドにあがったのは、投手陣の中では唯一の1年生の三浦。三浦は先頭の中川智をショートゴロに打ち取るも、2番森下智に2ベースを浴びてしまうと、続く郡司にも四球。さらに4番中山の打席で森下智が3盗を決めてアピールに成功する。森下智は1浪の末に明治大に入学したのでおそらくこの合宿で最年長、そんな中今年明治大のサードのレギュラーを掴むとベストナインを獲得した苦労人。2ベース+盗塁に加えて守備も明治大での本職のサードでなくセカンドをこなして見せて、首脳陣に猛アピールをした。しかし紅組の4番中山はアピールのためだったか、カウント3B1Sからのボール気味の球をひっかけてピッチャーゴロ。続く関もセンターフライに打ちとって三浦がなんとか0点で切り抜けた。
20180624明治大 森下智
2ベースに3盗とアピールに成功した明治大の森下智

1回裏、紅組の先発は筑波大の加藤。加藤は1死から和田に四球を与えてしまい、さらに3番太田にヒットを浴びて1・2塁。しかしここでアピールを焦ったか、2塁ランナーの和田が投球前にスタートを切ってしまい、2・3塁間に挟まれてアウト。続く4番菅田に対しては加藤の持ち味で左バッターの対角線上に角度のあるボールで三振に斬ってとる。

2回・3回は白組の伊藤大・飯嶋、紅組の栗林・中村が自分の投球を見せて、両チームともに得点圏にランナーを進められずに無得点。

迎えた4回表、この回マウンドにあがった佐々木はコントロールに苦しみ、ボールとストライクがはっきりしてしまっていた。そして甘く入ったボールを竹村・渡部に連打させてしまい、迎えるは中川圭。本来の実力であれば日本代表の中核をなすほどのバッターである中川圭だが、この合宿ではさっぱりであった。ただその中川圭に対して佐々木はストライクが入らずに四球を与えてしまい満塁。最終日に本来の実力を魅せたかった中川であったが、この試合では2四球とやや不運なところもあり、結果が出せずにまさかの代表落選となってしまった。紅組は満塁のチャンスで迎えた1番中川智が3球目のインコールのストレートを捉え、左中間へ走者一掃のタイムリー2ベース(中川智は一気に3塁を狙いアウト)を放ち、3点を先制する。
20180624近畿大 中川智
この試合唯一の得点となる走者一掃のタイムリー2ベースを放った近大の中川智

最終回は島内が四球を1個与えるもMax147㌔のストレートと多彩な変化球で白組を抑えてゲームセット。紅組が3-0で勝利して、大学日本代表選考合宿の紅白戦は幕を閉じた。
20180624九州共立大 島内
最終回を見事に抑えた九州共立大の島内

20180624日本代表選考合宿
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

この日の前日雨で中止になった分の振り替え試合。前日の紅白戦では1試合目(7イニング制)に代表当確の選手が名を連ね、この試合はどちらかというと当落線上もしくは、落選が濃厚なメンバーは多かった。ただ残念なことにアピールとしてはやや物足りない紅白戦であり、両チームともにピッチャーはランナーを出してしまうも、打撃陣はあと1本だ出ず…。最後のチャンスということもあるが、積極的に盗塁を仕掛けてアウトになったり、多少ボール気味の球でも強引に打ってしまう姿も見られた。投手陣もマウンドが雨で濡れていたことや、3日目で多少の疲れがあってか150を超えたのは伊藤大のみとインパクトには欠けていた。結果としてこの試合に出場した24人のうち代表入りを果たしたのは5人(伊藤大、渡辺、佐藤輝、岩城、伊藤裕)のみであった。

選出されたメンバーは以下の通り
2018大学日本代表

Pickup Player
伊藤大海 苫小牧駒澤大2年 ピッチャー
~遠回りして掴んだ大学日本代表~
この日登板した投手の中で唯一代表への切符を手にしたのは白組の2番手で登板した伊藤大であった。

伊藤は駒大苫小牧では1年秋に背番号15ながらエース格として、43.1回13失点の防1.25という活躍で北海道V。2年春のセンバツでは初戦で創成館を完封するも、2回戦の履正社(このセンバツで準V)戦ではリリーフで登板するも5点を失い6-7で敗退とあと一歩及ばなかった。その後は肘の痛みなどもあり、打撃センスを買われてセンターなどでの出場も続くが、3年春からエースに復帰。3年夏は北海と延長13回の大激戦で完投するも、2-3で惜しくも敗れてしまった。

その後は駒澤大に進学し、1年春から神宮のマウンドを経験するも、10月に中退。翌春に苫小牧駒澤大に再入学すると、規定での出場停止が明けた2年目の今季は春のリーグ戦ではMax154㌔のエースとして活躍し、優勝がかかった旭川大戦では1試合目に6回15奪三振、2試合目にも連投で先発すると18奪三振完封で、6勝0敗の防御率0.35という圧巻の成績でMVP、最優秀投手賞、ベストナインを獲得。全日本大学野球選手権でも151㌔をマークして日本文理大から2失点完投勝利、連投となった慶応大では捉えられてしまったが強烈なインパクトを残すと、大学日本代表選考合宿に追加招集されていた。

この日は白組の2番手として2回にマウンドにあがった伊藤大は先頭の竹村にヒットを許すも盗塁死となると、続く渡部に対しては150㌔をマークしたストレートで押してセンターフライ。ここで迎えるは伊藤大が離れてしまった東都大学野球連盟のNo1打者といえる中川圭。色んな思いがあり力がはいったかストレートは153㌔をマークするも、制球が定まらずに四球。ただ1番中川智に対しては153㌔のストレートとスライダー・フォークを駆使した投球で、最後はきょう今日1番というアウトコースのストレートで見逃し三振に斬って取り首脳陣へのアピールに成功した。

1度大学を中退ということで遠回りをしてしまった右腕が掴んだ大学日本代表の座。生田監督の話では代表では、そのストレートをいかしたリリーフとしての起用が濃厚だ。

20180624苫小牧駒澤大 伊藤大
紅白戦で153㌔をマークする投球を見せ、見事代表の座を勝ち取った伊藤大



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全日本大学野球選手権のベストナインを勝手に選んでみた(2018)

東北福祉大の優勝で幕を閉じた全日本大学野球選手権。
そんな大会のベストナインを個人的に選んでみました。

ピッチャー
津森宥紀 東北福祉大4年
白鴎大では先発するとタイブレークを含み10回1失点(自責点0)、準決勝・決勝でも無失点リリーフをみせて計18回2/3無失点の大活躍で最優秀投手賞を受賞。
20180617東北福祉大 津森

キャッチャー
揚村彰斗 九州産業大2年
初戦の東海大戦では7回に決勝打となるタイムリー2ベース。守っても岩田・浦本を巧みにリードして、九州産業大ベスト4の快進撃を支えた。


ファースト
清水敬太 東北福祉大4年
準決勝の慶応戦では満塁からフォークをうまくとらえて逆転のタイムリーヒット。決勝でも第1打席でレフト前ヒットでつなぐ勝ち越し打に繋げる活躍をみせた。
20180617東北福祉大 清水敬

セカンド
中野拓夢 東北福祉大4年
決勝戦ではタイムリーヒット2本の活躍を見せるなど2番打者として打率.333をマーク。それ以外でも四球などでの出塁も多く、堅実なセカンド守備でも優勝に貢献した。
20180614東北福祉大 中野

サード
勝俣翔貴 国際武道大3年
準決勝の九州産業大戦ではバックスクリーンに先制ホームラン、タイブレークでもダメ押しのタイムリーを放つなど大会通して打率.333で3番打者として2年連続の準Vに貢献。
20180617国際武道大 勝俣

ショート
児玉亮涼 九州産業大2年
準決勝の国際武道大戦では同点の2点タイムリーを放つなど大会通じて4打点。ショートの守備も魅力的で、大学日本代表候補合宿にも追加招集された。
20180624九州産業大 児玉


外野
吉田隼 東北福祉大4年
白鴎大戦では先頭打者ホームランにサヨナラ犠飛、慶応大戦でも3ラン、決勝の国際武道大戦では勝ち越しタイムリーを含む3安打と打ちまくってこの大会のMVPを獲得。
20180617東北福祉大 吉田


清水聖也 東北福祉大3年
広島大戦では3安打4打点、慶応戦では追撃のホームラン、決勝でも2安打を放つなど大会通じて打率.471をマークするなどしてと東北福祉大打線のキーマンとして活躍した。
20180617東北福祉大 清水聖

横田翼 九州産業大4年
9番打者ながら東洋大戦ではプロ注目の梅津から2打席連続ホームランを放つ3安打5打点の活躍をみせ、他の試合でもコンスタントにヒットを放つ井大会通じて打率.583。


外野
大西涼太 東北福祉大4年
広島大戦では先制タイムリー、白鴎大戦では3安打の活躍、慶応大戦でも先制ホームランとチャンスメークにポイントゲッターに活躍し、大会通じて打率.461をマーク。
20180617東北福祉大 大西


素直に選んだら、当たり前ですが優勝した東北福祉大ばかりになりましたね…。次いで東海大・東洋大という優勝候補撃破して今大会を盛り上げた九州産業大の選手の活躍も目立った。敢闘賞を受賞した平川(国際武道大4)、首位打者の河合(慶応大4)らはポジションの関係で選べなかったけど、このベストナインに相当する素晴らしい活躍だった。

とまぁこんな感じで…異論は認めます。


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国際武道大×東北福祉大【全日本大学野球選手権決勝】

6/17 全日本大学野球選手権決勝
国際武道大×東北福祉大@神宮球場

6/11から始まった全日本大学野球選手権もいよいよ決勝。昨年に続いての決勝進出となった国際武道大(千葉学生野球連盟)と、久しぶりに全国の舞台で優勝を狙う東北福祉大(仙台六大学野球連盟)の対戦となった。

試合経過

国際武道大の先発は青野。市立船橋高時代から注目されていた右腕はこの春は先発2番手としてリーグ戦で4勝をマークしており、前日にエース平川が10回を投げ切ったこともあり、この決勝戦の先発マウンドを託された。青野はMAX143㌔のストレートにスライダー・スローカーブ・SFFを織り交ぜた投球。特にSFFはシロモノで、いきなりこの大会絶好調の東北福祉大1番吉田を迎えるが、この吉田を138㌔のSFFで三振に切って取ったときにはこれは打てないと思った。しかしこのSFFは諸刃の剣だったようで、2死1塁から4番の深江に落ち切らなかった(?)SFFをレフトスタンドに運ばれてしまい、東北福祉大が2点を先制する。この大会で4番に起用されながら、ここまで絶不調であった深江にとっては大きな1発であった。
20180617東北福祉大 深江
初回に先制2ランを放った東北福祉大の4番深江

一方東北福祉大の先発は藤川。去年までの3年間でリーグ戦登板は1試合のみであったが、冬に投球フォームをテイクバックの小さな野手投げのようなフォームに変更すると球速がアップし152㌔をマークし、春のリーグ戦では2勝をあげた4年生である。初回は及川・勝俣に連打を浴びるも、なんとかピンチを切り抜けた藤川であったが、2回にも同様に赤木・鮎ヶ瀬に連打を浴びると、1番柄澤には左中間に2点タイムリー2ベースを浴びてしまい、国際武道大が2ー2の同点に追いつく。
20180617国際武道大 柄澤
同点打となる2点タイムリー2ベースを放った国際武道大の柄澤

しかし東北福祉大は2回裏、古川と清水敬のヒットで2死1・2塁のチャンスを作ると1番吉田が勝ち越しのタイムリー。さらに中野もタイムリーで続いて青野をKO。代わった林から3番元山もタイムリーを放ち、3連続タイムリーで東北福祉大が5-2と勝ち越しに成功する。

2回終わって2ー5と序盤から動いた試合であったが、3回以降は東北福祉大の三浦、国際武道大の林の好投により0行進。特に大会直前のメンバー変更でベンチ入りを果たした1年生左腕の三浦は、リリーフということもあるだろうか昨年甲子園で見たときよりは球威がアップしていて常時140㌔オーバーを計測。これにカーブやシンカー気味に落ちるチェンジアップでしっかりと緩急をつけるピッチングで、2回のピンチで勝俣をセカンドゴロに仕留めると、その後5回途中まで無失点の好投で完全に国際武道大打線の流れを止めた。この好投が評価されてか試合後には、辞退した岩田(九州産業大)に代わって、大学日本代表候補合宿への参加も決まった。
20180617東北福祉大 三浦
2回のピンチから登板して見事な投球をみせた東北福祉大の三浦

国際武道大は6回裏から伊藤をマウンドに送る。昨年はエースとして国際武道大をこの大会の準Vに導いた伊藤であったが今季はケガでリーグ戦を棒に振り、この大会にも明らかに調整不足で望んでしたが、それが顕著に現れていて、持ち前の制球力を発揮するどころかストライクが入らずに連続四球でピンチを招いていしまう。さらに吉田のヒットで満塁とされると、続く中野にも3Bとなってしまい、ここからストライクを取りに行ったストレートを狙われてライト前にタイムリーを浴びてしまう。なおも1死満塁であったが、ここで登板した4番手の吉田は元山・深江を連続三振に斬ってとるナイスピッチングで国際武道大はこの回を最少失点で凌ぐ。
20180617国際武道大 伊藤
6回から登板した国際武道大の伊藤であったが明らかに本来の出来ではなかった

しかし追加点をあげた東北福祉大は7回表のマウンドにエース格の津森を送る。するとこの津森が完璧なピッチングで7回・8回と国際武道大打線を3人ずつで抑える。迎えた9回も先頭の鮎ヶ瀬にヒットを許すも、続く高上をピッチャーゴロ併殺に打ち取り。最後は柄澤をセカンドフライに打ち取ってゲームセット。東北福祉大が6-2で勝利し、春の大学日本一の称号を手にした。
20180617東北福祉大 優勝
優勝を決めた東北福祉大ナイン


20180617国際武道大×東北福祉大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


東北福祉大は見事に継投がはまった。「迷ったら代える」という大塚監督の方針のもと、2回に2点をとられた藤川はまだしも、好投していた三浦を代えてしまうの?と思うこともあったが、それでも結果的に3回以降は無失点リレーであったのでこの継投は大成功であったといえる。

打線では4年生の奮起が光り、この日も3安打の1番吉田、タイムリー2本の2番中野、先制2ランの4番深江がこの試合では活躍した。特に吉田は白鴎大戦では先頭打者ホームラン+サヨナラ犠飛、慶応戦では3ラン、この日も決勝タイムリーを含む3安打。どちらかという小柄な選手ではあるが、四股を踏むような動きから重心を低くして打席に入り、そこからのフルスイングは見ていて気持ちのいいものであった。結果的にこの大会で18打数8安打2本6打点という活躍ぶりで大会のMVPを獲得した。
20180617東北福祉大 吉田
この日も3安打と大会中大当たりで高いMVPを受賞した吉田


国際武道大は残念ながら昨年の決勝と同じような展開で2年連続の準優勝。敢闘賞を受賞したエース平川は前日に10イニング投げてしまったためにこの日はブルペンにすら入っておらず…結果的に調整不足の伊藤をマウンドに上げなけれいけないあたりは非常に苦しかった。それでもその分4年生が中心であった投手陣において、吉田・北村ら下級生が決勝のマウンドを経験して見事なピッチングを見せたのは大きな収穫である。打線でいえばこの試合のスタメンで4年生は9番の主将高上のみで、それ以外は来年も残る下級生。特に1年春からレギュラーの勝俣・豊田・磯網・三河のカルテッドが最終学年を迎える来年は今年以上に期待ができる。来年の大会で「3度目の正直」を目指したいところである。


Pickup Player
津森宥紀 東北福祉大3年 ピッチャー
~最後をきっちりと締めて最優秀投手賞~
継投の多い東北福祉大の投手起用に関して、大塚監督が最後はと決めていた津森。その起用に応える見事なピッチングで国際武道大打線の息の根を完全に止めてみせた。

津森は和歌山東ではサイドスローに転向すると、2年秋にエースとなり、新人戦では2失点完投で智弁和歌山を撃破。秋の和歌山大会でもエースとして準Vを果たし、チームを初の近畿大会に導いた。東北福祉大では1年春からリリーフとして登板をあたし、5試合で防御率0.00。ちょうと2年前のこの大会で全国デビューを果たして注目されるようになると、当時1年生ながら大学日本代表候補合宿のメンバーに選出された。2年春には4勝ちを上げるなどのその後も活躍を続けていたが、この春はケガの影響もあってリーグ戦では2試合4イニングのみの登板となっていた。

この大会では白鴎大に先発すると、タイブレークを含む10回を投げ抜いて、1失点(自責点0)の好投。広島大戦、前日の慶応大戦にもリリーフとして登板するなど、先発・リリーフの両方で活躍を見せていた。ただ大塚監督は津森のことをエースと評しており、この試合も最後は津森というのは決めていたらしい。

そんな津森は味方が追加点を奪った直後の7回に4番手としてマウンドにあがる。決勝戦ということもあり津森はエンジン全開で、持ち前のサイドから繰り出す浮き上がるようなMax145㌔のストレートでどんど押していく投球で、個人の集計だと33/40球がストレート。残りの7球はスライダーやシンカーといった変化球であった。7回はいきなり2番から始める国際武道大の好打順を3人で斬ってとると、8回も同様に3人で抑える。9回には先頭の鮎ヶ瀬にヒットを打たれてしまうも、続く高上を冷静にピッチャーゴロ併殺に打ち取った。結局3回を打者9人無失点2奪三振という内容で、見事にリリーフとしての役割を果たして胴上げ投手になった。

これで津森はこの大会18回2/3を投げて自責点0という内容で、最優秀投手賞を獲得した。また1年のときと同じようにこの大会の活躍により大学日本代表の合宿にも追加招集された。フォームといい球質といい、普通のサイドスローとは違った投手なので、きっと海外勢ひも有効であろうから、是非とも代表の座を勝ち取って欲しい。

20180617東北福祉大 津森
7回から3イニングをピシャリと抑えた東北福祉大のエース津森

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龍谷大平安×松商学園【長野招待試合】

6/16 長野招待試合
龍谷大平安×松商学園@松本市野球場

ちょうど90年前の1928年に甲子園の決勝で対戦したのが松本商(=現在の松商学園)と平安中(=現在の龍谷大平安)。今年の100回大会を記念して、長野高野連が龍谷大平安を招いて松商学園(+佐久長聖)と試合を行いました。

試合経過

松商学園は直江、龍谷大平安は小寺とともに140㌔を超えるストレートを投げる注目の右腕同士の先発で始まった試合は、1回はともに3人ずつで斬ってとる最高の立ち上がりをみせる。しかし平安は2回表、1死から5番田島が右中間に3ベースを放ち出塁。続く6番馬場の打球の打球は直江のグラブに当たるもキャッチすることができず…馬場のピッチャー強襲のタイムリーヒットで平安が先制する。平安は5回表にも1死から北村涼がレフト前ヒットで出塁して、ショートごとの間に塁へ進むと2番安井が三遊間を破るタイムリーヒット。安井はレフトからの送球間に2塁へ進むと、続く3番の松本も同じように三遊間を破安井が何とかタッチをかいくぐってホームインし平安が3点目をあげる。
20180616龍谷大平安 安井
タッチをかいくぐってホームインをはたす龍谷大平安の安井

ここで3点目をとられたからというわけではないだろうが、直江は5回裏の打席で代打を送られて降板。ただピッチンング内容は5回3失点という結果ほど悪くはなかった。力を抜いたフォームからしなやかに腕を振り繰り出されるストレートは球速表示では130㌔中盤が多かったがノビがあり、また軽く投げているように見えるので打者から見れば予想以上に来る球に見えたに違いなく、実際に序盤はストレートに詰まり気味の平安の打者も多かった。変化球もスライダー・カーブ・チェンジアップとそれぞれなかなかのものであった。ドラフト候補としての評判通りの好投手であり、もともと5回までと決まっていたのであろうが、是非とももっと見てみたい投手であった。
20180616松商学園 直江
この日は5回3失点であった松商学園のエース直江

松商学園は6回から2番手として右アンダーハンドの向山をマウンドに送る。向山は2イニングで4四死球とやや制球に苦しみながらも、キャッチャー大和久の2個の盗塁刺殺などバックにも助けられて、6回・7回と何とか無失点。すると6回まで小寺の前に無得点に抑えられていた打線が7回裏に反撃に出る。木内・大和久の連打で無死1・2塁とすると、バントのために送られた代打上野のバントはピッチャー横で小寺が見事なフィールディングでこれを3塁に送球するも、この送球をサード馬場がはじいてしまい無死満塁。9番土井の併殺打の間に1点をあげると、続く1番北原は自慢の俊足でボテボテのセカンドゴロをタイムリーヒットにしてみせて、松商学園が2-3と1点差に迫る。
20180616松商学園 大和久
6回・7回にそれぞれ盗塁を刺して流れを呼び込んだ松商学園の大和久

しかし小寺はこれで再びギアを入れなおしたか、8回裏は松商学園の2番から始める好打順を3者凡退。すると攻撃陣は9回表、藤井のヒットと四球で2死1・2塁のチャンスを作ると4番松田が前進守備のセンターを越す2点タイムリー3ベース。さらに5番田島もタイムリーで続いて平安が3点をあげて突き放す。

松田は従兄に同校のOBである炭谷(西武)を持ち、4番ショート主将とまさに平安を象徴する選手である。打撃でいえば1年秋から4番を打ち、鋭いスイングから強烈な打球を飛ばすことのできる高校通算50発超えの強打者である。松商学園としてはもう1点もやれない場面で2死1・2塁ではセオリーとしては外野は前進守備であるが、それを超高校級の松田に当てはめてしまうのはどうかという話だ。このときの松田の打球はフェンス近くまで飛んでいたが、松田のバッティングとしては捉えたというものではなく非常に滞空時間の長いフライであったために前すぎる位置でなければとれたであろう。またそもそも2死2塁で四球を出して、4番松田に回してしまったというプロセスも松商学園から見れば最悪であった。
20180616龍谷大平安 松田
9回にトドメの2点タイムリー3ベースを放つ龍谷大平安の松田

これで完全にとどめを刺されてしまった松商学園は、9回裏も小寺の前に3人で攻撃が終わってしまいゲームセット。小寺の9回2失点(自責点0)08奪三振の完投勝利で、平安が松商学園を破り、90年前のリベンジを果たした。


20180616龍谷大平安×松商学園
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


まず松商学園はやはり今年は直江のチームである。直江については上述の通りであり、評判通りのいい球を投げていたが、あとはどれだけピンチで粘って、その実力を結果に結びつけられるかである。守備ももう少し直江をバックアップする必要があり、5回に連続でレフト前タイムリーを浴びた。これは平安の走塁が良かったといえばそれまでだが、松商学園サイドとしては2本ともホームで刺せたものである。9回の3点についても上で書かせてもらった通り、防げたものであった。

打線については昨年の甲子園2試合で5安打4盗塁の活躍を見せた俊足巧打の北原。この日はバットから快音こそ聞かれなかったものの、追い込まれてから際どい球を3球見逃して四球、ボテボテのセカンドゴロの内野安打とらしさを発揮して出塁していた。北原の前を打っていた9番土井はこの春からレギュラーを掴んだ選手であるが、北原と同様にタイプであり、このコンビが塁上にいると相手にとっては非常に嫌であろう。この北原が攻撃面でも中心になってくるだろう。中軸を打っていた山本・伴在の2年生コンビはともに1安打ずつであったが、いいスイングをしていて可能性を感じるものがあった。この2人の成長が夏の松商打線の出来を大いに左右することになるだろう。
20180616松商学園 北原
松商学園の打線を引っ張る1番の北原


平安は投手の柱:小寺、打の柱:松田と軸はしっかりしているチームだと感じた。秋・春と近畿大会出場を逃した現チームであるが戦力的には充実していて、もっている実力では秋の近畿大会ベスト4→センバツ出場→春の京都大会Vと現世代の京都で結果を出している乙訓を上回ると個人的には感じた(ただ乙訓の現チームは試合運びがうまいんですよね…)。あえて課題をあげるとすればこの小寺・松田に次ぐ存在。投手でいえば当初は小寺・嶋田の2枚看板という話であったが、この日の2試合目に先発した島田を見る限りは小寺の方が抜けた存在にみえた。打線でいえば新チームでは松本が3番に入ったが、昨年は1番を打っていた小柄な俊足巧打の選手であるために本来は1番あるために・2番に置きたい。スタメンの顔ぶれも秋とあまり変わっておらず、新戦力の台頭or現戦力のパワーアップで松田の他に長打の打てる選手が中軸に加わると心強いと感じた。
20180616龍谷大平安 松本
現在は3番であると是非とも1・2番を打たせたい龍谷大平安の松本


Pickup Player
小寺智也 龍谷大平安3年 投手
~期待の右腕がついにエースとして1人立ちか~
この試合で見事完投勝利をあげた龍谷大平安の小寺。結果もあることながらエースとしての存在感が出てきたと感じさせるピッチンングであった。

小寺は中学時代はBFA U-15アジア選手権日本代表にも選出された右腕であり、龍谷大平安でも1年夏からベンチ入りを果たした。1年秋からは背番号1を背負うも、その実力を発揮できず…2年夏は背番号18を背負い、京都大会の準決勝では西城陽から完封勝利を挙げるなど活躍するも、決勝戦では投手陣崩壊で京都成章に敗れて甲子園出場ならず。2年秋も当初は背番号3で、打力を生かしてファーストで出場することもあった。

この招待試合では背番号1を背負った小寺は、この試合に先発すると初回から快調なピッチンングを展開。これまでMax142㌔と言われていたストレートは試合中盤には松本市野球場の表示では143㌔をマークし、これをインアウトにきっちりと投げ分けることができていて、四球も序盤の2個のみとコントロールが安定していた。変化球はスライダーが多めで、これにカーブ・チェンジアップを織り交ぜた投球で中盤以降は変化球の割合をややあげて松商打線を抑えてた。その他牽制でアウトを獲ったり、バント処理で3塁でアウトをとったりとフィールディングも抜群であり、総合力の高い投手だと感じた。このバント処理が素早すぎたのか、勢いのある3塁への送球(別に悪い送球でない)をサード馬場がはじいてしまい、そのピンチから7回に2点を失ってしまうが、失点はこの2点のみ。直後の8回は2番からの松商学園の好打順を3者三振に抑えるなど気迫を見せて、見事2失点(自責点0)の8奪三振完投勝利をあげた。

平安ではMAX148㌔を誇る球速の島田と、MAX142㌔であるがキレの小寺のダブルエースとして注目されていた。しかしこの日の2試合目(佐久長聖戦)に先発した島田であるが球速は140㌔にも及ばず、四球は多く、牽制悪送球も2回という内容で5回途中2失点ながら半ば懲罰交代のような形で降板。今日の内容を見る限りでは、球速もキレも全ての面で小寺が上であった。結局龍谷大平安が乱れて、原田監督の逆鱗に触れて懲罰交代が連発した2試合目の最終回に小寺はまたもや登板。「1試合目に完投したピッチャーを2試合目にも使うってどうなの?」とは思うが、登板した小寺は140㌔をオーバーし、先頭打者を不運なイレギュラーにより出塁させるも、早めにスタートを切ったところを冷静に対処してアウトにすると、続く2人を連続三振に斬ってとり見事3人で抑えてみせた。実力や結果もさることながら、エースとしてチームを引っ張っていくとう姿勢がよく表れた2試合のピッチングであり、もはやダブルでなくエースは小寺であると個人的には感じた。

20180616龍谷大平安 小寺
見事2失点完投勝利をあげてエースとしての存在感を発揮した龍谷大平安の小寺


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立命館大×国際武道大【全日本大学野球選手権2回戦】

6/12 全日本大学野球選手権2回戦
立命館大×国際武道大@東京ドーム

全日本大学野球選手権の東京ドームの2日目第4試合は、前日に奈良学園大都の関西対決を制した立命館大(関西学生野球連盟)と、昨年のこの大会準優勝の国際武道大(千葉学生野球連盟)の対戦となった。

試合経過

国際武道大は先発平川が3者凡退2奪三振と完璧な立ち上がりを見せると、その裏打線も立命館大に襲いかかる。先頭の柄澤がセンター前ヒットで出塁し、バントで送って、勝俣のライト前ヒットで1死1・3塁とあっという間に先制のチャンスを作る。しかし立命館の先発坂本はここで目が覚めたか、4番豊田を低めのワンバンになる変化球で三振にとり、ランナーをくぎ付けにすると、続く磯網もレフトフライと、東海大相模コンビを打ち取って初回の大ピンチを凌ぐ。

これで波に乗った坂本は、タメを作って隠れていた腕がいきなり出てくる左腕らしいフォームからのストレートは中盤にかけてどんどんスピードが上がっていき、MAXは142㌔。変化球は120㌔ちょっとのスライダーに加えて、最大の武器となっていたのが縦に大きく曲がるカーブ。やや今永のカーブのようなパワーカーブに近い球であり、この落差の大きいボールが低めに決まると初回の豊田のように武道大の打者は手を出してしまっていた。坂本はこの日9個の三振を奪ったのだが、そのうち7個が変化球で、さらに4個がワンバンのこのカーブであった。1回の他に5回もヒット2本を浴びてピンチを招くが、それ以外の2・3・4・6回は武道大打線を3人で抑える快投で6回までスコアボードに0を並べる好投をみせる。
20180612立命館大 坂本
6回まで国際武道大打線を無得点に抑えて立命館大の先発坂本

ただ平川はそんな坂本を上回るピッチング。MAX145㌔のストレートは球速以上にノビ・威力があり、120㌔後半のスライダーと130㌔前後のSFF(これが特に有効であった)が中心で、ときより110㌔ちょっとのカーブも交えてタイミングをはずしていた。特に5回に三宅に三遊間を破られるまではノーヒットピッチングであり、何と1~6回は全て回の先頭打者を三振に仕留めるという圧巻の投球であった。こちらも6回まで2安打無失点の好投で両者一歩も譲らずに試合は終盤を迎える。

7回表、立命館の先頭打者の奈良はサードゴロで先頭打者連続三振は6回までで途絶えるも、大本・三宅も倒れ立命館の攻撃は3人で終わる。その裏の武道大は1死から三河がセンター前ヒットで出塁すると、続く赤木は粘って四球を選び1・2塁。ここら辺で坂本には疲れが見え始めてきていて、8番鮎ヶ瀬の6球目のワンバンとなった変化球を大本が止められずに2・3塁。続く7球目を鮎ヶ瀬が見事センター前に弾き返して遂に武道大が均衡を破る。さらに1・3塁から9番主将高上のショートゴロは併殺崩れとなりこの間に赤木がホームインして武道大は2点目。立命館は2番手に有村をマウンドに送る。
20180612国際武道大 鮎ヶ瀬1
7回に均衡を破るタイムリーを放った国際武道大の鮎ヶ瀬


武道大は8回裏にも先頭の勝俣がショートへの内野安打で出塁して2死3塁のチャンスを作るも、3番手として立命館のマウンドに上がった小橋が見事に三河を三振に仕留める。しかし勢いの衰えることのない平川の前に8・9回も3人ずつで抑えられてしまいジーエンド。武道大が2-0で立命館を破った。
20180612国際武道大
完封勝利をあげてハイタッチする国際武道大の平川


20180612立命館大×国際武道大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


前日に初戦を戦った立命館大VSこの試合が初戦となった国際武道大。立命館大は前日にエース山上が8回まで投げてしまったので、この日の先発は2番手の坂本。国際武道大が平川であったのと比べるとやや不利にも感じられ、試合前には国際武道大スタンドから「相手の先発知っている人いますか~」とヤジられていたが、その坂本が上述の通り素晴らしいピッチング。最後はややスタミナ切れ感があり7回に2点を失ってしまったが、この日の出来だけで言えば山上を凌ぐものがあり、決して責めることはできない内容であった。昨年の三浦(法政大)、その前は濱地(阪神)、そしてその前がこの坂本と福岡大大濠は本当に毎年いい投手を輩出すると感心した。

ただ立命館大は打線が平川の前に完全沈黙してしまった。ヒットは2本のみで、そのうちの1本はボテボテのファーストゴロが内野安打になったもの。アウトになった打球も外野フライは2個のみと全くもって飛ばすことができていない状態…。プロ注目の3番辰巳も三振→一ゴ→二ゴ→一ゴと絵に描いたように打ち取れれてしまった。これだけ打てないのだが、代打を送るなり揺さぶるなり工夫が欲しいとは思ったが、根本的には完全なる力負けであった。
20180612立命館大 辰巳
プロ注目の立命館大の辰巳も平川の前に4タコに終わってしまった

でも裏を返せば平川がそれだけ素晴らしかったということでもある。この春のリーグ戦ではエース伊藤のケガにより先発1番手として5試合に先発して5勝、防御率1.03という成績。伊藤が復帰していて、なおかつ立命館打線は左バッターが多い(この日もスタメンのうち8人が左)ことから伊藤の先発も予想されたが、今のエースは平川と言わんばかりに先発のマウンドに上がると、9回2安打11奪三振という圧巻のピッチングでエースとしての存在を証明した。平川は昨年のこの大会ではリリーフエースとして準Vに大きく貢献していて、先発で見るのは個人的には初めてであったが、先発の適性も十分であると感じた。この投球なら大学日本代表への追加招集も間違いないといったところであろう。
20180612国際武道大 平川
見事2安打完封勝利をあげた国際武道大の平川

昨年はエース伊藤頼みで、決勝戦では連投した伊藤が立教大に捕まり大差をつけられてしまった。しかし今年はエース平川に加え、リーグ戦4勝の148㌔右腕青野、ケガ明けとはいえ伊藤も控えていて投手陣は豊富。スタンドには今年も道着を着た人々がいて、「筋肉わっしょい」という謎の掛け声で盛り上がったり、イニエスタという謎の看板も登場したりと…昨年に続いて男子校気質で盛り上がっていた。昨年の準Vを上回るべく、順調なスタートを切った国際武道大に今年も期待したい。


Pickup Player
鮎ヶ瀬一也 国際武道大2年 キャッチャー
~今井より一足先に全国の舞台で活躍~
この試合で決勝のタイムリーを放ったのは、今季から国際武道大の正捕手となった鮎ヶ瀬であった。

鮎ヶ瀬は作新学院で3年夏に甲子園制覇を経験した捕手。強肩にキャッチャーとしてのセンス、さらには打撃も期待されて作新学院で1年夏よりベンチ入りを果たすも、なかなか正捕手獲得とはならず…最高学年となった2年秋よりやっと正捕手となるも、当初はチームの波も激しく、なかなか投手をコントロールすることはできていなかった。ただ夏になると覚醒した今井とのバッテリーで他のチームを圧倒し、勢いのまま甲子園を勝ち上がると、北海との決勝戦では鮎ヶ瀬自身が決勝タイムリーを放つ活躍をみせ夏の甲子園優勝を経験した。

国際武道大では1年春よりベンチ入りを果たすも、昨年の主将で正捕手の筒井(日本通運)の壁は厚く、準Vを果たした昨年のこの大会でも出番はなかった。ただ2年目の今季は正捕手の座を獲得すると、全試合でマスクを被り、チームのリーグ戦全勝優勝に貢献。打っても打率.353という活躍を見せていた。

この試合も8番キャッチャーでスタメン出場を果たすと、平川を巧みにリードして立命館大打線を圧倒。ランナーが出なさ過ぎて、なかなか強肩を披露するような場面もないくらいであった。打っては1・2打席目と坂本に打ちとられてしまうも、0-0の7回1死1・2塁で迎えた第3打席…追い込まれた後もボール球に手を出さずに粘っていると、6球目に立命館にバッテリーミスが生まれて1死2・3塁。その直後の球を見事に捉えてセンター前に運んで、値千金の先制点を国際武道大にもたらした。結局この一打がこの試合の決勝打となった。

翌日には高校自体の相棒である今井(西武)がプロ初先発予定。そんな相棒に1日先立つ形で鮎ヶ瀬が、まずは全国の舞台で結果を出したといえる。

20180612国際武道大 鮎ヶ瀬2
相棒の今井に先立ち攻守で活躍をみせた国際武道大の正捕手鮎ヶ瀬


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土浦日大×横浜【土浦市招待試合】

6/3 土浦市招待試合
土浦日大×横浜 @J:COM土浦日大スタジアム

今年の土浦市の招待試合は横浜を招いて、昨夏に甲子園出場を果たした土浦日大、春の茨城大会を制した常総学院の2校がそれぞれ対戦。そのうち第1試合の土浦日大×横浜の試合のレポートです。

試合経過
横浜の先発はなんと1年生の木下。昨年シニア日本選手権で世田谷西シニアを優勝に導いた超がつくほど注目の右腕が背番号19をつけてマウンドに立った。するとノビのある高めのストレートで、土浦日大の1・2・3番をいずれもフライに打ち取る立ちあがりを見せる。しかし2回表、先頭打者を世田谷西シニアの先輩のファースト内海のエラーで出塁させてしまうと、続く小菅にはレフト前ヒット、小澤にはストレートの四球を与えてしまい無死満塁のピンチを背負う。続く7番鶴見にはあっさりとセンターに犠牲フライを打たれてしまい土浦日大が先制…と思いきやサードランナーの離塁が早すぎたということでまさかのダブルプレー。木下は8番石渡に四球を与えてまたもや満塁としてしまうも、9番富田はショートゴロに打ち取り、まさかの展開でこの回を無失点で切り抜ける。

続く3回にも木下はショートエラーと鈴木のヒットで1死1・2塁のピンチを迎えると、5番小菅が前の打席に続いてレフト前ヒット。2塁ランナーの大賀は一気にホームを狙うも、レフト長南の送球が逸れてもタッチアウトと結果的には暴走となってしまい、この回も土浦日大はチャンスを作りながらも無得点となった。

横浜は3回裏に打っても注目の9番木下がチーム初ヒットを放ち出塁。続く1番小泉のヒットで一気に3塁を狙うもタッチアウト。木下はここで交代。ピンチを招きながらも3回無失点という投球内容であった。横浜の4回のマウンドには同じく1年生の松本が上がる。186㎝の大型左腕である松本は木下より先に神奈川大会に背番号21でベンチ入りを果たすと、横浜創学館戦ではなんと145㌔をマーク。関東大会でも背番号11でベンチ入りを果たしたが、制球力に課題があり登板機会はなかった。この試合でも小澤・鶴見といきなり2者連続で四球を与えてしまう。この2人に対してはストレートのみ9球投げてストライクは1球のみという散々な内容であった。しかしここからスライダーでストライクが取れるようになると、スライダーでカウントを稼いで決め球に自慢のストレートという投球スタイルで石渡・冨田を連続三振。木原もショートゴロに打ち取ってピンチを脱すると、5回は土浦日大の2番からの好打順を3人で抑えてみせた。
20180603横浜 松本
4回~6回の3イニングを無失点に抑えた横浜2番手の松本

一方土浦日大のエース富田も一歩も引かないピッチング。Max138㌔の回転のいいストレートに、スライダーとチェンジアップを交えて横浜打線を抑えていく。特にこのチェンジアップが落差が大きくて素晴らしいボールで決め球としても冴えて、このボールで横浜のクリーンアップから3連続三振を奪った。富田は5回で降板してしまったが、3安打無失点5奪三振とという内容で横浜打線を完全に封じ込め、昨夏2年生エースとして土浦日大を甲子園に導いた実力を見せつけた。
20180603土浦日大 富田
横浜打線を5回無失点に抑えた土浦日大のエース富田

土浦日大は6回から2番手として2年生サイド左腕の荒井が登板。荒井は先頭の代打大手から三振を奪うなど簡単に2死をとるが、そこから横浜は山崎のショート内野安打→盗塁でチャンスを作ると、3番の主将齊藤がライト前にタイムリーヒットを放ち先制する。
20180603横浜 齊藤
先制のタイムリーを放った横浜の3番齊藤

横浜はさらに8回には先頭の代打角田が左中間スタンドにソロホームラン。この2点のリードを7回から3番手として登板した黒須が守り切り、横浜が2-0で勝利した。
20180603横浜 黒須
7回から3イニングを無失点に抑えた横浜3番手の黒須

20180603土浦日大×横浜
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

まず横浜としては1年生投手2人が投げられたのは収穫であった。木下は何よりも期待が大きいだけに無事に高校野球デビューできたということが大きい。決していい内容とは言えなかったが、球自体はいいものをもっていて、今後コントロールを修正していけば十分に使える存在だと感じた。そして松本は課題のコントロールを途中から変化球主体の投球に変えて克服して、3回無失点と見事なピッチング。松本のこの日のストレートのMaxは141㌔であったが、186㎝の長身から繰り出されているためにそれ以上の威力を感じ、正直ストライクゾーンに入れば打たれないだろうというレベル。それだけに制球難を克服したのは非常に大きかった。

打線は富田がよかったこともあるが、正直2得点は不満である。ただその中でもこの日はスタメン出場を果たした万波(絶不調でこの試合も背番号13で、春季大会ではスタメンから外れることも多かった)は3打数1安打。ノンステップ打法をやめることで元に戻った感があり、この試合ではヒット以外のショートゴロ2個も低くていい打球で、ドン底からは脱出した感がある。続く常総学院戦では4番にも復帰するなどして、夏に向けて光明が差してきたのは大きい。
20160603横浜 万波
復調の兆しが見えた来た横浜の万波


土浦日大はエース富田が見事であった。明秀日立・常総学院の2強といわれる今年の茨城であるが、関東大会で明秀日立を破り、この後の試合で常総学院も破った横浜打線を5回無失点に抑えたのだから、明秀日立・常総学院も十分に抑える力も持っているといえる。総合力ではこの2チームには及ばないだろうが、富田が万全の状態で挑めれば十分に勝てる可能性もある。

打線は昨夏の甲子園を経験した左の強打者3人(鈴木・井上・小菅)で構成するクリーンアップは横浜投手陣に対しても振りまけておらずに脅威となっていたことだろう。特に5番の小菅はレフト前ヒット2本にサードライナーと左打者ながら逆方向に強い打球を打てていて、この日の土浦日大打線では1番目立っていた。今後はこのクリーンアップ以外がどれだけ打てるかというのがキーになってくるだろう。
20180603土浦日大 小菅
逆方向への強い打球が目立った土浦日大の5番小菅


Pickup Player
木下幹也 横浜1年 ピッチャー
~期待の1年生がついにデビュー~
中学時代から注目を集めていた期待の1年生の木下がデビューを果たした。

木下はすでに184㎝90㎏という立派な体格で、中学時代には世田谷西シニアのエース兼主軸としてシニア日本選手権で優勝し、MVPを獲得。ちなみにこの時決勝で戦ったのが佐倉シニアの3番打者は、後にチームメイトとなり、この日は横浜の背番号14でベンチ入りしていた度会であった。さらに「ビートたかしのスポーツ大将」にもスーパー中学生として出場し、西武ドームでソフトバンクの松田相手に140㌔以上の球を投げていた。そんな超注目の木下であったが、1年生5人がベンチ入りした春季大会では残念ながらベンチ外。背番号19でベンチ入りしたこの試合が公の場では初の高校野球出場となった。

木下は初回から140㌔前後のストレートで押すピッチング。ボールが高めに浮いていたが、ストレートにノビがあるからかそれを土浦日大は打ちあげてしまっていた。2回には満塁からセンターへ犠牲フライを打たれたと思ったら、3塁ランナーの離塁が早くてダブルプレーと助かり無失点。続く3回にもピンチを迎えて3番鈴木にレフト前ヒットを浴びるもホームタッチアウトで難を逃れる。こうして何とか3回を無失点で乗り切る。上記のように点を取られても全くおかしくない内容であったが、相手の攻撃にも助けられて3回無失点。と内容は決していいものでなかったが、ストレートはMax142㌔でノビもあり、縦のスライダーも良かった。球自体は十分に通用する威力を持っていたので、この球を安定して低めに投げることができれば夏から戦力になれることだろう。

打っても注目の木下は3回の第1打席でカウント1B1Sからの低めの変化球をうまくとらえると、チーム初ヒットとなるセンター前ヒット。この打席に立った後にマウンドには木下でなく松本が上がるという展開であったので、あえて代打を送られなかったあたり打撃も期待されているに違いない。

投打において本来の力を発揮すれば、昨年の及川に続き、今年も横浜にスーパー1年生投手が現れたと騒がれる日も遠くはないだろう。

20180603横浜 木下 20180603横浜 木下2


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Honda×JFE東日本【都市対抗南関東予選】

6/2 都市対抗南関東予選 第1代表決定戦準決勝
Honda×JFE東日本 @県営大宮球場

試合経過
都市対抗の南関東の第1代表決定戦の準決勝は、この試合に勝てばその後は3連敗しない限り都市対抗に出場できるという立場になる。JFE東日本は中林、Hondaは福島というともに経験豊富なエースが先発する重要な1戦である。JFEは1回裏、先頭の中澤がいきなり右中間を破る2ベースでチャンスメイクすると、バントで3塁に送ってから4番中嶋の犠牲フライで先制する。

しかし2回表、Hondaはこの先頭の4番佐藤が左中間に2ベースを放つも、5.6番は中林の前に連続三振。これでチャンスは途切れたかと思ったが、ここから遠藤・松田と連続四球で満塁。9番篠塚はレフト前にうまく流して同点、さらに1番木浪は左中間を破る走者一掃のタイムリー2ベースでHondaが逆転。さらに中林は足を気にするような素振りを見せて、1回ベンチに戻るとそのまま交代となってしまう。代わった江川は3番井上にタイムリーを浴びてしまい、Hondaが5-1と一気に試合をひっくり返す。

幸先よく先制も、エース中林が2回に負傷交代で逆転されると流れとしては最悪なJFEであったが2回裏…先頭の吉川がヒットで出塁すると、8番土屋は左中間、9番佐藤はレフトオーバー、1番中澤はライト線と3連続長打のタイムリーが飛び出して1点差。2死となって3番の左バッター内藤を迎えたところで、Hondaは2番手としてマウンドに左腕東野を送る。東野は内藤に四球を与えてしまうと、4番中嶋には三遊間を破られてしまい、JFEが5-5と同点に追いつく。試合は中林・福島という両エースが2回を持たずに降板と波乱すぎる序盤を迎えることとなった。
20180602JFE東日本 中嶋
先制犠飛に同点タイムリーと4番の仕事を果たしたJFE東日本の中嶋

上記の通り同点タイムリーを浴びてしまった東野であるが、3回以降は素晴らしいピッチングでJFE打線を抑えていく(詳細はPickUpPlayerで…)。すると打線はそれに応えるように4回表、エラー・四球・内野安打で無死満塁とすると2番辻野が左中間に走者一掃のタイムリー2ベースを放ち3点を勝ち越し。ここから連続三振で2死となってしまうも、JFEの4番手本田(Honda相手に本田が投げることとなった)から鈴木・遠藤が連続タイムリーを放ち5点のリードを奪う。
20180602Honda 辻野
4回に勝ち越しとなる走者一掃のタイムリー2ベースを放ったHonda辻野

Hondaは6回表にも5番の新人山本瑛が左中間スタンドにソロホームラン。アメリカの高校から慶応大に入学し、4年秋には打率.475をマークして首位打者を獲得。しかしもともと野球は大学で終えるつもりだったためにストレートでは社会人入りしなかったが、その後方針転換して、夏頃から横浜金港クラブで4番を務めると、同世代とは1年遅れでHondaに入社という異例の経歴をもつ新人が初の都市対抗を手繰り寄せる貴重な1発を放った。
20180602Honda 山本瑛
6回にソロホームランを放ったHondaの5番ルーキーの山本瑛

東野の投球は快調そのもので、8回まで無失点。最終回は幸良が3人で抑えてHondaが11-6で勝利して第1代表決定戦進出を決めた。

20180602Honda×JFE東日本
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

まさかまさかの両エースが2回で降板となってしまった試合。この影響は両チームにどう出るのであろうか?

まずJFEに関していえば、他に先発投手がおらず中林のケガが軽症であることを願うばかりだ。今日の2番手以降の投手を見ても江川・在原・本田とHonda打線に捕まってしまっていた。7回以降は辻、小原が抑えたが試合展開的には緊迫した場面でないので評価しづらい。今日の敗北で都市対抗出場までに最低でも3試合は勝つ必要があり、中林が大丈夫だとしても2試合は他の投手で凌がなければいけいないのはキツいとか言いようがない。打線は福島を2回でKOしたのは見事であったが、3回以降は東野の前に完全沈黙と「打線は水物」という言葉を象徴するような展開であったためにやはり投手陣の奮起が必要となる。
20180602JFE東日本 中林
2回で降板してしまったJFE東日本のエース中林であるが、足が軽症であることを願いたい

一方のHondaはこの後の試合を福島に任せるかは悩みどころだが、前日に好投をみせたドラ1候補の齋藤を筆頭に、左腕田村。さらに第1代表決定戦まで1日空くことを考えるとロングリリーフで好投をみせた東野も先発に使える。そういう意味ではJFEと違ってコマ不足となるわけではない。ただこの日明らかに球の威力がなかった福島をどう使うかが焦点で、このままどこかで先発を任せるのか…それとも世代交代で若手に先発を任せるのかは岡野監督にとっては悩みどころであろう。

ただエースの2回KOという事態にも全く同様しなかった戦いぶりはお見事。今年はスポニチ大会、JABA四国大会を制するなど結果も残していて、チームとしての出来は現在の社会人野球界でも1位2位を争うレベルだ。それを象徴するのが打線のラインナップで、ここのところずっと固定のメンバーで戦っている。社会人野球ともなると、控えのレベルも高いので少しでも調子を落とすと簡単にスタメンが入れ替わるが、この都市対抗予選の前からほぼスタメン固定で戦えているのは各選手が調子をキープすることができているからであろう。ここからは3連敗しない限りは都市対抗出場となるHonda。今年のチームは優勝候補筆頭といえるので、この調子をキープして頑張って欲しい。


Pickup Player
東野龍二 Honda 投手
~序盤の波乱を食い止める見事なロングリリーフ~
2回終わって5-5と波乱の幕開けとなった試合で、Hondaに落ち着きをもたらし勝利に導いたのはルーキー左腕の東野であった。

東野は履正社で阪本(大阪ガス)・東(セガサミー)とともに3本柱を形成して、2年春・3年春とセンバツ出場。宮本)ヤクルト)が主将を務める2年秋のチームでは大阪大会の決勝で大阪桐蔭相手に1失点完投勝利をあげる一方、背番号1を背負った3年夏は大阪桐蔭にリベンジされる形で敗れた。駒澤大では1年秋に今永(DeNA)に次ぐ先発2番手の座を獲得すると、2勝0敗防御率1.25の活躍で優勝に貢献。明治神宮大会でも決勝の明治大戦で5回無失点の好投を見せるなど、2試合に先発して優勝に貢献。2年春以降はエースとなるも、2年秋には2部降格。4年秋には2部トップの防御率1.10をマークするなど3勝をあげて、チームの1部復帰を置き土産にこの春Hondaに入社した。

Hondaでは春のスポニチ大会決勝で先発を務めると6回途中2失点で優勝に貢献するなど主に先発として活躍。しかしこの日はエース福島の不調により、2回からリリーフのマウンドに上がった。2回はやはり気持ち的にも準備ができていなかったか、内藤に四球を与えてしまい、続く中嶋に同点タイムリーを浴びるなどバタバタしていた。しかし3回からは落ち着いてきて東野らしいピッチング。ストレートはMax137㌔であったが、右バッターのインコースにクロスファイアー気味に投げ込むこともできていたし、120㌔中盤から後半のカットボール、120㌔ちょっとのスライダーと同じような変化球でもちょっとした球速差をつける投球。このほかに100㌔に満たないスローカーブ、チェンジアップとさらに遅い球でも緩急をつけるなど持ち前の投球術で相手打線を手玉にとっていった。

東野は3・4回を3人ずつで抑え、5回に初めてのヒットでランナーを許すと。6・7回はピンチを招いてしまうが要所はきっちりとし締めて8回まで無失点。最後は幸良にマウンドを譲ったが、6回1/3無失点という見事な内容。東野はルーキーながら都市対抗に向けて重要な戦力であるということを証明した形となった。

20180602Honda  東野
2回途中から8回まで無失点リリーフをみせたHondaのルーキー東野


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