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小山台×二松学舎大附【選手権東東京大会決勝】

7/29 選手権東東京大会決勝
小山台×二松学舎大附 @神宮球場

夏の甲子園出場をかけた東東京大会の決勝は、準決勝で帝京を破り、都立勢としては03年以来の夏の甲子園出場を目指す小山台と2年連続での出場を目指す二松学舎大附の対戦となった。

試合経過

20180729小山台×二松学舎大附
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

二松学舎の先発は背番号1の左腕海老原かと思われたが、そんな大方の予想に反して先発のマウンドに上がったのは背番号11の右腕大庭。これまでほぼ全試合にリリーフ登板をしていて、準決勝では3回から登板して関東一を最後まで無失点に抑えた右腕であった。しかしこの大会では初先発、さらにそれが甲子園出場をかけた決勝のマウンドとなると話が違うのか、持ち前のコントロールが乱れて球が浮く場面が目立ち、ボール先行がやや目立つ展開に…。初回こそ小山台の攻撃を3人で抑えるも、2回表には先頭の4番會川にヒットを打たれると、続く宮崎に見事にバスターエンドランを決められて(ライト前ヒット)無死1・3塁。6番南の犠牲フライで先制を許してしまう。
20180729二松学舎大附 大庭
決勝の大一番で二松学舎大附の先発を託された大庭

先制された二松学舎は2回裏、野村・有馬の連続バントヒットで無死1・2塁。セオリー通りであればもう1回バントという場面であったが、スーパー1年生の山田の打力にかけて強硬策に出るもショートゴロ併殺。チャンスが潰れたかに見えたが、続く9番大庭がピッチングの汚名返上とばかりに、小山台のエース戸谷のストレートに詰まりながらもセンター前に運び同点に追いつく。

それでもパッとしない大庭に対して小山台は4回表、宮崎の2打席連続となるヒットを皮切りに四球→西脇のバントヒットで1死満塁とすると、8番の吉田がしぶとく1・2塁間を抜く2点タイムリーを放ち勝ち越しに成功する。
20180729小山台 吉田
4回に勝ち越しの2点タイムリーを放った小山台の吉田

対する二松学舎は4回裏、野村のライト線への2ベースと有馬バントヒットで無死1・3塁とすると山田の犠牲フライで1点差。一気に同点といきたいところで関東一戦では代打ホームランを放ち、1年夏には3番も務めていた中澤を代打起用するが同点に追いつくことはできなかった。

代打を出した関係もあり、5回の二松学舎のマウンドには背番号10の3年生右腕の岸川が上がる。岸川は先頭の佐藤晃に対していきなり145㌔をマークし、神宮の大観衆をどよめかせると、この回2個の三振を奪って3人で片づける。4回まではどこかバタバタしていた二松学舎の守りはこの岸川のピッチングで落ち着きを取り戻すこととなる。

すると5回裏、二松学舎は平間と畠山のヒットに野村の四球で2死満塁のチャンス。ここで7番有馬は戸谷のフォークの前に三振するもキャッチャーが後逸。ボールを拾ったキャッチャー吉田は満塁ということで近いホームフォースアウトを狙ってホームにトスするも、息が合わなかったようで戸谷のホームベースカバーは遅れ、ボールは転々として振り逃げが成功。吉田は1塁へ普通に送球してもアウトというタイミングであっただけに小山台としては非常にもったいない形で同点に追いつかれる。さらに続く山田の三遊間深いところへのショートゴロは内野安打となり、二松学舎がこの回逆転に成功する。

岸川が6回以降も快調なピッチングで小山台打線を抑えて流れに乗った二松学舎は7回裏、1死2塁から野村が左中間にタイムリー2ベース。野村は続く有馬のところで3盗を決めると、有馬の内野安打で生還し、二松学舎が貴重な2点を追加しリードを3点に広げる。

岸川は終盤小山台打線にヒットは許すもこれが散発であり得点を許さず…5回~9回まで見事無失点のロングリリーフ。二松学舎大附が逃げ切って、2年連続での夏の甲子園出場を決めた。
20180729二松学舎大附優勝
優勝を果たした二松学舎大附ナイン


敗れはしたものの小山台は都立ながら見事な戦いぶりであった。序盤は二松学舎がバタついていたこともあり、先に得点を奪って試合の主導権を握っていた。決して大きいのを打つバッターがいるわけではないが、2安打の4番會川、2回のバスターエンドランなど3安打を放ち全得点に絡んだ5番宮崎、バントヒットなど器用さが光った西脇などコンパクトなスイングからしっかりとヒットを打つことができていて、チームとしては計11安打を放った。ただ中盤以降は岸川のボールに押されてしまい、また作ったチャンスでも1本を出すことができなかった。
20180729小山台 宮崎
3安打を放ち小山台の全ての得点に絡んだ5番宮崎

小山台の躍進の立役者は帝京から2失点完投勝利をあげるなどの活躍をみせたエースの戸谷であろう。この日もストレートはMax137㌔をマークし、これにスライダーやフォークなどの多彩な変化球を交えたピッチング。コントロールも安定していて、崩れることのなさそうな投手であった。それだけに5回の逆転の場面は、中盤から二松学舎打線に有効であったフォークを思い通りにつかって三振をとったものの振り逃げになってしまったのは悔やまれるところだろう。2年生捕手の吉田もそれまでは、ワンバンするような玉球でも戸谷のフォークをうまく止めていたが、有馬の最後の球だけは後逸してしまい、そこに戸谷との連携ミスも重なってしまった。試合後に「筑波大への進学を目指す」と言った戸谷。小山台の躍進を支えたエースということで伊藤(中央大4年)とも非常に被るところもあるので、是非とも4年後には筑波大で活躍し、伊藤のようにプロからも注目される投手となって欲しい。
20180729小山台 戸谷
小山台の躍進の最大の立役者であるエース戸谷


二松学舎といえば強打のイメージが強いがこの試合では、下位打線の機動力が目立った試合であった。その下位打線の1・2番というのが6番野村、7番有馬の2年生コンビでこの試合で二松学舎があげた全得点にこの2人が絡んでいた。特に野村は2本の2ベースを含む3打数3安打の活躍であり、7回の2ベースの後にすかさず決めた3盗も効果的であった。野村はこの大会は絶好調で、大会通じて18打数14安打7打点6盗塁と驚異的な数字を残し、この東東京大会のMVPともいえる活躍であった。有馬も内野安打のみえ猛打賞に盗塁も2個決めるなどその俊足ぶりを発揮した活躍であり、この2人で1・2番を組ませたいくらいであった。
20180729二松学舎大附 野村
この試合でも3打数3安打1打点3得点の活躍で東東京大会のMVPともいえる活躍をみせた二松学舎大附の野村

またこの試合でキーマンとなったのは二松学舎の1年生捕手の山田。上述の通り6番野村・7番有馬が出塁するので、ことごとくチャンスで打席が回ってきた。最初はショートゴロ併殺という最悪の結果となってしまったが、ここで意気消沈することなく次の打席ではきっちりと犠牲フライを放つと、5回には勝ち越しのタイムリーヒットとしっかり結果を出した。守っても1年生ながら度々マウンドに出向いては、ポンと腰を叩いて帰ってくるなど先輩投手陣に臆することなくリード。この日は岸川が覚醒気味で素晴らしい内容であったが、決して投手力が高いとは言えない現チームが甲子園出場を果たせたのはこの1年生捕手の役割も大きく、市原監督も優勝インタビューで「山田に頼り切っていた」と話していた。さすがは昨年のU15日本代表で主将を務めていた逸材だけある。
20180729二松学舎大附 山田
1年生ながら正捕手として攻守に活躍をみせた二松学舎大附の山田

二松学舎大附には甲子園でもさらなる活躍を期待したい。


Pickup Player
岸川海 二松学舎大附3年 ピッチャー
~3年生が意地の好リリーフが流れを変えた~
この試合で流れを一気に二松学舎大附に手繰り寄せたのが、5回~9回まで無失点リリーフをみせた岸川であった。

岸川は二松学舎大附では1年秋から背番号18でベンチ入りを果たすなど期待されていた右腕であるが、3年春になっても背番号は17とその期待に応えることはできていなかった。この夏は背番号10を背負い、ともにリリーフとして王子総合戦では4回1失点、成立学園戦では3回無失点と好投を見せていたが、それ以降は登板がなく、投手陣は海老原・大庭の両2年生に、1年生の
大型右腕香山がメインとなっていた。それだけに先発の大庭が代わるのは見えていたが、2番手としてマウンドに上がったの海老原でなく岸川だったときは少々驚いた。

そしてマウンドに上がった岸川はまた別の意味で神宮の観衆に驚きを与える。先頭の佐藤晃の2球目に143㌔をマークすると、次の球は何と145㌔をマーク。もともと球に力のあるピッチャーであったが、球速がここまで伸びているとは正直思わなかった。岸川はこのストレートに加えて、120㌔前半のスライダー、時より110㌔前後のカーブでタイミングをはずすピッチング。登板した5回は佐藤晃・會川の2人から三振を奪い、小山台の攻撃をあっという間に3人で終わらせて、ここまでバタバタしていた二松学舎の守備陣に落ち着きを与えた。

6回からはストレートは130㌔後半に抑えて、スライダーの割合を少し増やしつつも、追い込むと140㌔を超えるボールを投げるというピッチング。小山台打線は基本的に岸川のストレートに押されていて、二松学舎は右バッターであってもセンターが右中間に大寄るなど全体的に振り遅れを意識したシフトを引いていた。四死球も0とコントロールもよく、特にストレートを右バッターのアウトコースに制球することができていた。6回・7回は2死からヒットを浴びるも危なげない投球。8回には連打で無死1・2塁とされるも、ここからギアをあげて無失点で切り抜けると、9回も無失点で抑えて、5イニングを5安打無失点という素晴らしい投球を見せた。

優勝インタビューでは市原監督が「本来はエースとなるべき投手」と称した岸川。これまでは1・2年生中心の投手陣であったが、最後はその期待に応えるべく、また3年生としての意地を見せて見事にチームを甲子園に導いた。今日の投球で甲子園では背番号1の岸川が見れる可能性も出てきたと思われる。

20180729二松学舎大附 岸川
5回~9回まで無失点リリーフをみせた二松学舎大附の岸川


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相模原×東海大相模【選手権北神奈川大会準々決勝】

7/24 選手権北神奈川大会準々決勝
相模原×東海大相模 @横浜スタジアム

北神奈川大会のベスト4をかけた戦いは、県立の強豪相模原がセンバツベスト4の東海大相模に挑む「相模ダービー」となった。

試合経過

20180724相模原×東海大相模2
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

東海大相模の先発は背番号11の左腕浅海であったが、相模原打線がこの浅海にいきなり襲いかかる。先頭の及川がセンターヒットで出塁→盗塁でチャンスを作ると、四球と4番小島のヒットで満塁。すると5番近藤がライト線にうまく運んで2点タイムリーで相模原が先制。続く風間のヒットでまたもや満塁とすると、7番坂手が4者連続のヒットとなるタイムリーを放つ。浅海はこの日は変化球で思うようにストライクをとることができず、甘く入ったストレートを狙い打たれてしまい、まさかの打者7人に6安打を許してKO。東海大相模はたまらずエース齋藤をマウンドに送るも、準備不足もあってか菅地のタイムリーにワイルドピッチとさらに2点を失い、相模原が初回に5点のリードを奪う。
20180724相模原 近藤
先制の2点タイムリーを放った相模原の5番近藤

齋藤は2回以降は落ち着いたか、持ち前の縦に大きく曲がるスライダーやフォークを駆使したピッチングで2回~5回まで相模原打線をパーフェクトに抑える。すると打線も徐々にエンジンがかかってきて、2回裏に四球で出塁した金城が俊足を飛ばして佐藤のレフト前ヒットで一気に3塁を陥れ1・3塁のチャンスを作ると小松のセカンドゴロの間に初得点。5回裏にも山田・森下の連打で1・3塁のチャンスを作ると、4番西川のショートゴロの間にまず1点。5番渡辺がライト前にタイムリーを放つと、6番吉田は左中間スタンドに2ランを放り込み東海大相模が5回に5-5の同点に追いつき、相模原のエース菅地をKOする。
20180724東海大相模 齋藤
2~5回は相模原打線をパーフェクトに抑えた東海大相模のエース齋藤

こうなると後は東海大相模が逆転をするのを待つだけと思われたが、7回表…相模原は先頭の及川が齋藤からはチーム初ヒットとなるライトフェンス直撃の2ベースを放ち出塁。常盤が送って1死3塁とすると、3番柴田が低めの変化球をうまくセンター前に運んで相模原が勝ち越しに成功。さらに小島のヒットと四球で満塁とするも、7番坂手はキャッチャーファールフライ…と思いきや風もあってかこれを佐藤がキャッチできず…さらに佐藤は捕れなかった際に頭を地面に打ってしまい、負傷交代となってしまう。これで生き返った坂手がセンター前にタイムリーヒット。この時、2塁走者は3塁を回ったところで止まっていたが、センターからの送球を代わったキャッチャー井上が後ろに逸らしてしまい、この間に3塁で止まったはずのランナーがホームイン。相模原がこの回3点を勝ち越して、東海大相模のエース齋藤をマウンドから引きずり下ろした。

さらに2死2・3塁というピンチであったが、齋藤に代わって登板した2年生右腕の紫藤がここは菅地を三振に仕留める好リリーフ。紫藤はコンパクトなサイドスローであり、スピードはまだまだであるが、インアウトにストレートをコントロールよく投げ分けることができていて、スライダーも打者の手元で曲がるしろものであった。続く8回表もマウンドにあがると打者3人で相模原打線を完璧に抑えた。
20180724東海大相模 紫藤
3番手としてパーフェクトリリーフをみせた東海大相模の紫藤

東海大相模は3点を追っているために8回裏に紫藤のところで代打上杉を送る。上杉は2球目の変化球をうま救い上げると、打った瞬間に右手を突き上げるのも納得の打球で、ライトスタンドに吸い込まれるホームラン。1年生スラッガー西川の台頭もあって、この日はベンチスタートとなっていたが、センバツでは全試合で4番を務めていた強打者がその実力を発揮する形となった。しかし5回途中からリリーフした相模原の2番手堀場は安定したピッチングで、8回までに許した得点はこの上杉の1発のみ。相模原が東海大相模相手に2点をリードしたまま試合は最終回を迎えることとなる。
20180724東海大相模 上杉
8回裏に代打ホームランを放った東海大相模の上杉

後がない東海大相模は9回裏、先頭の山田の打球はレフト後方の打球。通常であればレフトフライという打球であったが、レフトはエース菅地が回っていて不慣れであったこともあり、これをキャッチすることができず2ベースとなる。すると続く森下は堀場の変化球の前に2球で追い込まれてしまうも、さらに続けた変化球を見事に捉え、高校通算57号となる同点の2ランホームラン。東海大相模が土壇場で力を発揮して同点に追いついた。
20180724東海大相模 森下
9回に高校通算57号となる同点2ランをはなった東海大相模の森下

追いつかれてしまった相模原はレフトからエース菅地をマウンドに戻すもストライクが入らず、後藤に四球を与えてしまったところで3番手船津に交代。船津は牽制がうまく1塁ランナーの後藤もあわやというものもあったが、渡辺にバントを決められしまうと今度はショートを守っていた柴田をマウンドに送る。柴田は縦に大きく曲がる変化球が武器でこれを多投するも吉田にセンター前に運ばれてしまい、さらに続く金城に四球を与えたところで降板。1点取られればサヨナラの1死満塁という場面でこの大会初登板となる大貫を送る。迎える東海大相模のバッター井上は大貫の低めの変化球に上手く合わせると打球は、大貫の足元(あるいはマウンド)に当たり1・2塁間を転々とするピッチャー強襲のサヨナラ安打。東海大相模が大苦戦しながらも最後は自力を発揮して、サヨナラ勝ちでベスト4進出を決めた。


敗れはしたが東海大相模を最後まで追い詰めた相模原の戦いぶりは見事なものであった。特に佐相監督が「打のチーム」と称するだけあって打線は見事であり東海大相模投手陣から8得点。相手の浅海の調子が悪かったこともあるが初回に5連打を浴びせて主導権を握り、その後はエース齋藤の前に沈黙するも、同点に追いつかれた後にはこの齋藤から3得点。2回のビックイニングを作ったがこれはともに1番及川から始まった攻撃であった。及川は183㎝83㎏と大型の1番打者であり、走力もあるが、本来は知中軸を打っていてもいいような強打者であった。特に7回の攻撃の口火を切ることとなったライトフェンス直撃のバッティングは見事であり、2~6回まで齋藤相手にノーヒットだった相模原打線を再び活性化させたという意味でも核弾頭として見事な働きであった。
20180724相模原 及川
ともに2回のビックイニングの口火を切るヒットを放った相模原の1番及川

相模原として誤算だったのが菅地再登板の流れであろう。エース菅地をレフトに残したために、最終回は先頭の山田に出塁を許してしまい、これが同点に繋がってしまった。同点のあとに菅地をマウンドに戻すもストライクが入らず降板。この菅地→堀場→菅地という継投は前の向上戦では成功していたが、この試合ではそれが裏目に出てしまった。菅地と堀場がベンチに下がってしまうと、あとは大会登板の投手陣しかおらず、結局9回裏に5人の投手をマウンドに上げるという必死の投手起用を見せるも、東海大相模にサヨナラ打を浴びてしまうのはある意味必然な流れであった。
20180724相模原 菅地
再登板を果たすなど力投をみせた相模原のエース菅地

一方の東海大相模としてはやはり初回の浅海が1死しか取れずに降板というのは厳しかった。エース齋藤を温存するのはまだしも、本来であればセンバツでも3試合に先発した野口を起用したかったところであろうが、9回に登板した野口は1イニングを無失点に抑えたがボール自体は全然であった。センバツ以降東海大相模の投手陣がどこかパッとしおらず、その流れをまだ引きずっていると感じた。それでも最終回の打線の粘りはさすがであり、1番いいところで1発を出した森下は称賛するしかない。1年生の西川が4番に座り、代わりに4番だった上杉はベンチスタートも代打ホームランを放つなど層の厚さも見せつける形になった。投手陣に若干の不安がある以上、打線がそれをカバーして勝ち上がっていくしかなさそうであり、この後慶応→桐光学園と好投手を擁する2校との対戦でその真価が発揮されることだろう。


Pickup Player
吉田元登 東海大相模3年 サード
~度重なるケガを乗り越えて最後の夏に躍進~
5回の同点2ラン、最終回にはサヨナラに繋ぐセンター前ヒット。6番吉田のバッティングがこの試合の東海大相模にとって非常に効果的であった。

吉田は走攻守揃った内野手として1年夏からベンチ入りを果たすも、その後はケガに苦しんだ。2年秋にはやっとサードのレギュラーとなり、関東大会では4番を務めるなど、秋の公式戦で打率.375と活躍。180㎝73㎏と東海大相模においては大型というほどでなく、本来は中距離ヒッタータイプの打者であるが、パンチ力もありスタンドに放り込む力もあるバッターである。しかしセンバツ前には骨折してしまい、センバツと春季大会はベンチ外…。この夏に復帰してサードのスタメンとして出場していて、厚木東戦・大和南戦ではタイムリーを放った他、四死球も多く選んでチームの貢献度は高かった。

この試合も6番サードでスタメン出場した吉田だが、初回の2死満塁で迎えた第1打席ではレフトフライ。しかし3回裏の先頭打者として迎えた第2打席ではライトオーバーの2ベース。そして5回裏の第2打席、変化球を2球続けた後の3球目を捉えると打球は左中間へ…最初は入るとは思わなかったが、伸びた打球はそのままスタンドに飛び込む同点2ランとなった。同点に追いついた後、1死2塁で迎えた第5打席では柴田の大きく曲がる変化球を捉えてセンター前ヒット。打球が早すぎたので2塁ランナーを返すには至らなかったが、これで1・3塁となり東海大相模の勝利がこれで決まったと言えるほどの1打であった。結局この試合では5打数3安打2打点であったが、同点2ランにサヨナラに繋がる1打と数字以上に効果的な活躍であった。

東海大相模でずっと期待されながら度重なるケガで活躍したのは2年秋のみであった吉田。これまでの鬱憤を晴らすべく、甲子園に向けてのさらなる活躍が期待される。

20180724東海大相模 吉田
同点2ランを含む3安打2打点の活躍をみせた東海大相模の6番吉田


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都市対抗のベストナインを選んでみた

大阪ガスの初優勝で幕を閉じた今年の都市対抗。
そんな都市対抗のベストナインを勝手に選んでみました。

ピッチャー
守安玲緒 三菱重工神戸高砂
大エース守安は今大会も健在で、鷺宮製作所戦では7回までノーヒットピッチングの完封劇、決勝戦でも7回まで無失点で微妙な判定さえなければ…という投球で見事に久慈賞を獲得した。
20180724三菱重工神戸高砂 守安


キャッチャー
渡辺和哉 JR東日本
持ち前の打撃ではヒット2本ながらその2本がいずれもホームランでJR西日本戦では満塁弾。今季から専念したキャッチャー守備では予選で不安であった投手陣を巧みにリードして2試合連続完封。
20180715JR東日本 渡辺


ファースト
大倉卓也 JR西日本
JR北海道戦では貴重な追加点となる2点タイムリーヒット、王子戦ではバックスクリーンにソロホームランを放ち、大会通じて打率.333。チームがもう1個上までいっていれば若獅子賞も見えた活躍であった。
20180719JR西日本 大倉

セカンド
峰下智弘 大阪ガス
信越硬式野球クラブ戦、JR東日本戦では2安打ずつを放ち、決勝戦では8回に守安から均衡を破る決勝タイムリー。3番打者としてまたセカンドとして攻守でチームを牽引した。
20180724大阪ガス 峰下


サード
渡邊祥平 三菱重工神戸高砂
セガサミー戦ではこの試合唯一の得点となる2点タイムリーヒットを放つなどして9番打者ながらチーム2位の打点をマーク。守備でのファインプレーやバントなどの面でも貢献度が高かった。
20180720三菱重工神戸高砂 渡邊


ショート
小深田大翔 大阪ガス
かずさマジック戦ではホームランを含む3安打3打点の活躍など新人ながら2番打者大会通じて.300をマーク。球際に強いショート守備も目立ち、若獅子賞を受賞した。
20180721大阪ガス 小深田


外野①
近本光司 大阪ガス
1回戦・2回戦で3安打ずつを放てばJR東日本戦では貴重な追加点となるホームラン。打率.524で首位打者となり、圧倒的な走力で盗塁もマークするなどして橋戸賞を獲得した。
20180721大阪ガス 近本


外野②
那賀裕司 三菱重工神戸高砂
今年からコーチ兼任となったが、七十七銀行戦では走者一掃のタイムリー3ベース、王子戦では先制のホームランに貴重な追加点となるタイムリーを放つなどして打撃賞を受賞。
20180720三菱重工神戸高砂 那賀


外野③
越前一樹 NTT東日本
開幕戦の東邦ガス戦では2ラン、大阪ガス戦でも3ランと2本のホームランを放つ活躍。ディフェンディングチャンピオンの打線の中心として大会トップの7打点をあげた。
20180713NTT東日本 越前2


DH
土井翔平 大阪ガス
ケガ明けながらも大阪ガスの4番としてかずさマジック戦での2安打をはじめとして全試合でヒットを放つ活躍で打率.316をマークし、優勝したチームの打線を牽引した。
20180724大阪ガス 土井


以上です。
異論は認めます。


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東海大高輪台×帝京【選手権東東京大会5回戦】

7/21 選手権東東京大会5回戦
東海大高輪台×帝京 @神宮球場

昨年の夏は準々決勝で激突した東海大高輪台×帝京の試合が5回戦で実現。昨年は東海大高輪台が帝京にサヨナラ勝ちして、そのままの勢いで決勝まで進出した。今年も東海大高輪台が勢いづくか、帝京がリベンジに成功するかという試合です。


試合経過

20180721東海大高輪台×帝京
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

帝京の先発は今大会初登板となる松澤。しかし東海大高輪台はその松澤の立ち上がりを攻めたて、宮下の内野安打を皮切りに四球→覚田のセンター前ヒットでいきなり無死満塁のチャンスを作る。注目の4番伊東はファーストゴロに打ち取るも、5番瀬戸はセンター前に弾き返し、さらにこれをセンター志田が後逸する間に走者一掃となり東海大高輪台が3点を先制する。
20180721東海大高輪台 瀬戸
先制のタイムリーを放った東海大高輪台の5番瀬戸

帝京の松澤は軟式のU15日本代表に選出されると、帝京では1年夏から抑えを務め、1年秋以降は実質的なエース。2年夏(去年の夏)は東海大高輪台相手にサヨナラ打を浴びて敗北。今年の東海大高輪台戦に人一倍強い思いを持つだろうエースだが、そのフォームはまさかのサイドスロー。昨夏はトルネード投法にするなどフォームを変えることはあったが、3年春までずっと本格派であった右腕が、OBで元日本ハムの芝草コーチの助言もあり最後の夏にサイドスローに転向したようだ。

初回に3点を失ってしまった松澤であったが、2回以降はボールを低めに集めることができていて、ランナーを得点圏に背負うことは多かったが要所を締めるピッチング。この松澤のピッチングもあり、試合の流れは徐々に帝京へと傾いていく。

帝京は2回裏、1死から8番の1年生澤石がセンター前ヒットで出塁すると、2死から1番トランがセンターオーバーの3ベースを放ちまず1点。続く3回には白石・田中の連打から志田が送って1死2・3塁のチャンスを作ると、6番笹川の犠牲フライで1点差に迫る。

東海大高輪台の先発はこちらもサイド右腕の梅澤であったが、1点差に迫られた4回からはエース左腕の西原が登板。昨夏の対戦では背番号20ながら先発を果たすと、帝京打線を5回1安打無失点に抑えた投手である。しかしそれからケガもありこの1年は苦労した西原はストレートには球威がなく、スライダー・チェンジアップといった変化球でかわすピッチング。4回は帝京を無得点に抑えるが、5回には先頭の田中にあわやホームランというレフトフェンス直撃の3ベースを浴びてしまうと、続く志田の犠牲フライで同点とされてしまう。さらに竹田のヒットと四球でピンチを招くとチェンジアップがワイルドピッチとなるが、これで一気に2塁からホームを狙った竹田はタッチアウトとなる。
20180721東海大高輪台 西原
4回から2番手として登板した東海大高輪台のエース西原

ただこの他にも西原のチェンジアップがワンバンになり、キャッチャーが捕れないというケースが度々見られ、これが西原の投球の幅を狭めることになってしまう。6回裏に帝京は先頭のトランのヒットから1死2塁のチャンスを作ると、3番白石がうまく三遊間を破って勝ち越しに成功。春から松澤との2枚看板として活躍していた背番号10の白石であるが、元々ファーストのレギュラーでもあったように打力もあり、今大会でも初戦では9番であったが、前の試合からは3番に昇格。1打席目には左中間に3ベースを放つなど逆方向へのバッティングがこの日は光っていた。続く4番田中も三遊間を抜いて連続タイムリーとなり、帝京が2点を勝ち越す。この回の西原のボールはストレートの割合が増え、打たれたヒットは3本ともストレートであった。
20180721帝京 白石
勝ち越しのタイムリーを含む3安打の帝京3番白石

さらに帝京は7回裏、先頭の竹田が四球で出塁して送って1死2塁とすると松澤のたたきつけた打球はワンバンでサードの頭を越えてレフト前タイムリーヒット。続く1番トランはライトスタンドに2ランホームランを放ち、帝京が8-3とコールドも見えるレベルのリードを奪い、西原をKOする。
20180721帝京 トラン2
7回裏にトドメの2ランを放つ帝京の1番トラン

松澤は7~9回は東海大高輪台打線をパーフェクトに抑えるなど、2回以降は無失点ピッチング。実に16個もの内野ゴロを打たせるピッチングで3失点完投勝利。個人的には本格派でやって欲しいという思いもあるが、サイドに転向したばかりとは思えないピッチングであった。
20180721帝京 松澤
サイドスローらしいピッチングで見事9回3失点完投勝利をあげた帝京の松澤


今年の帝京のチームについては前田監督が「上級生が不甲斐ない~」と言って、一時は1年生が4~5人スタメン入りするとの噂もあったが、フタを開けてみれば3年生の活躍が目立った試合であった。エース松澤は色々あっただろうけど、最後の夏を前にして決意のサイド転向で、2回以降は得点を与えず9回3失点完投勝利。打線でも1番トラン・3番白石・4番田中の主軸3人がそれぞれ猛打賞の活躍で牽引した。小松・澤石の1年生二遊間も打っては1安打ずつであったがバントも決めるなどしっかり仕事を果たしていて、守っては2人とも球際が強く、とても1年生とは思えない安心して見ていられる二遊間であった。上級生と下級生がかみ合ったチームとなり、2011年夏以来の甲子園にむけて順調に進めている感じであった。

一方の東海大高輪台は初回に3点を先制して、昨年のように帝京をヒヤッとさせてはしたが中盤以降は完敗。打線はチャンスを
作りながらもあと1本が出ずに2回以降は無得点…1年時から中軸を打っていた注目の大型スラッガーの伊東もノーヒットに抑えられてしまった。エース西原も春のケガからまだまだ本調子ではなかったようで、昨年の宮路のような大黒柱もいなかった。

両チームとも今日投げた計4投手は今大会初登板と、前の試合では温存して満を持して挑んだ決戦。昨年同様に熱い試合となったが、今年は帝京が見事な逆転劇で昨年のリベンジを果たしベスト16入りを果たした。


Pickup Player
トラン・ヒー・キエン 帝京3年 外野手
~3安打3打点の新1番~

帝京の新1番トラン が1点目のタイムリー3ベースに、トドメの2ランにと打線を牽引した。

ベトナム国籍を持つトラン は、元は投手であったが外野に転向すると2年秋からレギュラーを獲得。強肩に加えて、持ち前の打力で秋春5〜7番を務めていた。秋春は長い腕を生かして外角の球をうまく打つという印象の打者であった。しかしソフトバンク柳田のフォームを参考にしたりもしてパワーアップして迎えたこの夏は1番を務めることとなった。すると初戦となった海城戦でいきなり先頭打者ホームランを放つなど強打の1番としての存在感を発揮していた。

この試合も1番ライトで先発すると、2死1塁で回ってきた第2打席では帝京の反撃の狼煙となるセンターオーバーのタイムリー3ベース。同点で迎えた6回には先頭打者としての打席に立つと、1・2塁間に内野安打を放ちチャンスメイクし、勝ち越しのホームを踏んだ。極め付けが7回の第5打席で打った瞬間それと分かる2ランホームランをライトスタンドに放り込み、東海大高輪台のエース西原をKOした。結果的に4打数3安打3打点という見事な活躍で、白石・田中ともに打線を牽引した。

身体能力が高くまだまだ伸びしろもありそうなだけにこれからのさらなる活躍にも期待したい。

20180721帝京 トラン1
トドメの2ランを含む3安打3打点の活躍の帝京の新1番トラン



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千葉明徳×東海大市原望洋【選手権東千葉大会3回戦】

7/16  選手権東千葉大会3回戦
千葉明徳×東海大市原望洋 @県営千葉球場

東千葉大会は3回戦で千葉明徳と東海大市原望洋という強豪同士がぶつかる。昨夏には東海大市原望洋が7-2で勝利しているので、千葉明徳はリベンジしたいところである。

試合経過

20180716千葉明徳×東海大市原望洋
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

千葉明徳は初回、2番松川がレフトに見事な流し打ちで出塁すると、2死2塁から背番号13の4番石塚が先制のタイムリーヒット。さらに5番藤井がレフト線へ、6番高橋がセンター返しとタイムリーで続き、千葉明徳が3連続タイムリーでいきなり3点を先制して試合の主導権を握る。

2回表にも松川が今度は俊足を飛ばしショート内野安打で出塁。すると3番清水の2球目には2盗、さらに4番石塚の初球には3盗を決めてチャンスを作る。松川は1年生ながらサードのレギュラーに抜擢されていて、この試合ではまず巧みなバットコントロールが光った。そして連続で盗塁を決めた俊足、さらには2回裏に3塁線のベース付近のゴロをスライディングキャッチして2封。これが抜けていれば1死2・3塁という場面だったので、それが2死1塁となったのは非常に大きかった。まだまだ線が細いが、走攻守に渡って野球センス抜群で、いずれは千葉を代表する内野手になれると感じた。
20180716千葉明徳 松川
走攻守での活躍が目立った千葉明徳の1年生サード松川

そんな松川の好守もあって、千葉明徳のエース宮崎は4回まで望洋打線を無得点に抑える。宮崎は打者から見ると腕がちょうど体の影に隠れるようなテイクバックから腕を縦に振り下ろす純正のオーバースローで、打者はタイミングをとりづらい上に球の回転もいい。ストレートは内外にきっちり投げ分けることができていて、それにスライダー・カーブ・フォーク(?)などの変化球も交えたピッチングを展開する好投手であった。望洋のエース早川も2回以降は得点圏にランナーを背負いながらも、要所を締めて無失点で切り抜けていき投手戦に突入しただけに、序盤は初回の3点が望洋にとって大きくのしかかってくる展開となった。
20180716千葉明徳 宮崎
4回まで望洋打線を無得点に抑えた千葉明徳のエース宮崎

しかし5回裏、望洋は1死から8番竹内が四球で出塁すると、9番早川は1死ながら送って2死2塁とする。この攻撃が功を奏し、1番魚地がライト前にタイムリーを放ち、望洋がついに初得点をあげる。これで勢いに乗った望洋は続く6回裏にも、瀬川・高嵜の連打から2死2・3塁のチャンスを作る。ここで相川監督は代打に飯田を送ると、飯田が追い込まれながらも高めのストレートを叩き、伸びた打球はわずかにセンターのグラブの上を通過し、同点の2点タイムリー3ベースヒット。さらに続く竹内も同じようにセンターオーバーの3ベースを放ち、望洋が4-3と一気に逆転に成功した。望洋は1年ぶりに相川監督が復帰しているが、春は4番を打っていた伊達もベンチに控える状態で、飯田という相川監督の采配が最高の結果を出した。
20180716東海大市原望洋 飯田
代打で同点タイムリー3ベースを放った東海大市原望洋の飯田


追いつきたい千葉明徳は8回表に、3番清水のレフト前ヒット→盗塁などから2死1・2塁のチャンスを作ると、ここでエース宮崎のところで代打に主将の高沼を送る。しかし高沼はファーストゴロに倒れてしまい、その裏の明徳のマウンドには2年生のサイド右腕山越が上がる。山越は春には拓大紅陵を5回までノーヒットに抑えた実力者であるが、この時点で左打者が8人という望洋打線にはやや分が悪かったか…2死満塁とピンチを招いてしまうと早川・魚地に連続タイムリーを浴びてしまい3点を失う。さらに代わった金子も3番吉澤に押し出しの四球を与えてしまい、この回4点を追加されてしまう。
20180716東海大市原望洋 魚地
この試合で2本のタイムリーを放った東海大市原望洋の1番魚地

最終回の攻撃の前に点差を5点に広げられてしまった明徳は万事休すかと思われたが、ここで執念を見せる。サードのエラーと高木・内藤の連打で満塁のチャンスを作ると松川の併殺崩れの間に、初回以来の得点をあげる。さらに平川のキャッチャーゴロの間に2点目、藤井のタイムリーで3点目をあげて、この時点で2点差2死1・3塁と長打で同点、ホームランが出れば逆転という場面を作り、この試合2安打と当たっていた高橋を迎える。ただ早川はこの場面でも冷静であり、1塁に牽制すると、代走の葉歌は完全に逆を突かれて戻ることができずに、そのまま2塁へスタート。ファースト西田が2塁への送球するが暴投となり、明徳はゲームセットから一転、1点差に迫り、同点のランナーを2塁に置くこととなる。それでも最後は早川が高橋をショートフライに打ち取りゲームセット。望洋が明徳の最終回の猛攻をしのいで8-7で勝利し、4回戦にコマを進めた。
20180716東海大市原望洋
最後何とか守り切って勝利をあげた東海大市原望洋ナイン


昨年のチームはエース金久保(現:ヤクルト)を擁して、秋の関東大会準Vなどを果たした東海大市原望洋。しかし前チームのレギュラーは全員3年生とあって、経験が少ない現チーム。秋は拓大紅陵に、春は安房に敗れてしまい上位進出を逃していた。しかし今年も選手個々の能力は高いチームであり、序盤は苦戦したが、最後はその力を発揮する形での勝利となった。昨冬には千葉選抜にも選ばれた主将で3番ショートの吉澤、小柄ながら力強いスイングと勝負強い打撃で4番を務める瀬川、歴代でNo1のセンター守備と相川監督が称する俊足のスイッチヒッター岩田、決勝タイムリーを放った扇の要でもある竹内ら3年生がチームを牽引していた。ともに2安打を放った魚地・高嵜、春は4番であった伊達など2年生も力がある。

この試合も最終回にエラー絡みで1点差まで迫られてしまったあたりなど、チームとしてのメンタル面での課題などはまだある。それでも、木更津総合が頭1つ抜けている東千葉において、その最大の対抗馬に成り得るチームだと個人的には思った。


Pickup Player
早川史恩  東海大市原望洋3年 ピッチャー
~苦しんだチームのエースが138球の熱投~
東海大市原望洋はエースの早川が初回に3点を失うも、その後2~8回は無失点。最後は味方のエラーもあり、1点差に迫られるも執念で最後のバッターを打ち取り138球の完投勝利をあげた。

東海大市原望洋では1年秋から控え投手としてベンチ入りを果たした早川。しかし当時はエース金久保との力の差が大きく、金久保が1人で投げ抜いて関東準V。翌春のセンバツでもベンチ入りを果たすが、金久保が延長13回を1人で投げ抜いて敗れた。2年夏には初戦の安孫子戦で先発登板を果たすも、登板はこの1試合のみであった。新チームではエースナンバーを背負うも、確固たる存在とはなれずに、チームも秋・春と敗れてしまう。島・金久保と2年連続でエースがプロ入りした後ということもあり、東海大市原望洋は投手陣が課題と言われてしまっていた。

この夏も背番号1を背負ったも早川。1・2回戦は登板無しで過ごして、満を持してこの強豪の千葉明徳戦の先発マウンドにあがった。早川はややトルネード気味に体を捻ってから投げるスリークウォーター右腕であるために、ストレートは球速以上の威力が感じられ打ちづらい。このストレートを中心にスライダー・チェンジアップを交えた投球である。ただ早川は初回にやや制球が甘く、3本のタイムリーを浴びてしまい3失点。それでも2回以降はピンチを招くことはあっても要所を締めて8回まで千葉明徳のスコアボードに0を刻む。

チームがリードを5点に広げた9回もそのままマウンドに上がった早川。サード小笠原のエラーを皮切りに千葉明徳の追い上げに遭い、リードは2点となりなおも2死1・3塁というピンチ。しかしここで冷静だった早川は1塁ランナーを牽制で挟むも、ファースト西田の暴投で1点差となり2死2塁。それでも最後はこの試合2安打されていた高橋を意地の投球で抑えてゲームセット。猛暑の中、9回7失点(自責点3)138球の完投勝利。非常に精神的にもタフで、正真正銘の東海大市原望洋のエースになったと感じた。

20180716東海大市原望洋 早川
見事138球の熱投で完投勝利をあげた東海大市原望洋のエース早川


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東邦ガス×NTT東日本【都市対抗野球大会】

7/13 都市対抗野球大会(開幕戦)
東邦ガス×NTT東日本 @東京ドーム

試合経過

NTTは1回裏、先頭の下川のライト前ヒットから2死2塁のチャンスを作る。4番喜納の打球は二遊間のボテボテのゴロとなり、ショート小田は余裕で追いつくも送球を焦ってボールを捕れず…打球がセンターに抜けて下川が生還し先制。続く5番越前は変化球をレフトスタンドに運ぶ2ランでNTTが初回に3点を先制。NTTは2回裏にも上田がエラーで出塁すると、9番枡澤が2ランホームランを放ち5点のリードを奪う。
20180713NTT東日本 越前
初回に2ランをはなったNTT東日本の主将で5番の越前

東邦ガスの先発は今年リリーフから先発に転向し、予選では防御率0.30と大車輪の活躍をみせたベテランの小椋であったが、2回5失点で降板。ストレートはMax146㌔をマークし、得意の130㌔前後のチェンジアップも有効であり、それほど悪いとは思わなかった。しかしインコースのボールを越前・枡澤にうまくスタンドに運ばれてしまい、そこはNTTが1枚上手であったということのようだ。
20180713東邦ガス 小椋
2回で降板となってしまった東邦ガスの先発小椋

東邦ガスは3回表に先頭の小野がエラーで出塁すると、2死2塁から1番上内の打球はライト前のライナー。これをNTTのライト越前がスライディングキャッチを試みるもわずかに及ばずタイムリー3ベース。2番大島の犠飛で2点目をあげると、3番南にもホームランが飛び出し3-5と追い上げる。

NTT東日本の先発は2年目のドラフト候補右腕の堀が予想されていたが、先発のマウンドに上がったのは経験豊富な大竹でキャッチャーの上田とは都市対抗10年連続出場バッテリー。昨年の都市対抗決勝でも先発を務めた大竹であったが、その時は3回途中3失点で降板。エラー絡みではあったが、この試合でも3回に3点を失ってしまい、若干のデジャヴ感はあった。しかし大竹は4回もマウンドに上がると持ち前の小さく曲がる球をコントロールよく投げ込み、4・5回と東邦ガス打線を完璧に抑えてみせた。一方東邦ガスも3回から九谷(ヤマハからの補強選手)とランナーを出しながらも4~6回を無失点に抑え、両チーム無得点となり、試合は硬直してしまう。
20180713NTT東日本 大竹
昨年の決勝のリベンジのマウンドに立っNTT東日本の大竹

次にどちらが点を取るかが重要になってきた試合。リードしているNTT東日本が昨年の都市対抗でも伊藤を代打に送るなど仕掛けると、その伊藤がセンター前ヒットを放ち出塁。さらに都市対抗初マウンドとなった立野(東海理化からの補強選手)のボールで進塁すると、続く代打高野のセカンドゴロで伊藤が3塁まで進む。上田三振で2死となった後、立野の投球間に伊藤がホームスチールを決行。素晴らしい走塁であったが、間一髪アウト(伊藤は判定に猛抗議していましたが…)となってしまう。ただ攻めの姿勢を見せたNTTは7回裏、先頭の枡澤がこの日2本目のホームランとなるソロをレフトスタンドに叩き込み、貴重な追加点をあげる。

NTTは投げては6回からリリーフした沼田が、右バッターのインコースのストレートに、スライダー・カーブなどを交えたテンポのいいピッチングで9回1死まで東邦ガス打線を無得点に抑える。9回1死からは、昨年の都市対抗ではケガで登板できなかった末永がマウンドに上がり、Max148㌔をマークするピッチングで締めてゲームセット。NTT東日本が6-3で開幕戦を勝利で飾った。
20180713NTT東日本 沼田
6回から無失点リリーフをみせたNTT東日本の沼田


20180713東邦ガス×NTT東日本
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

前年度王者としてこの大会を迎えたNTT東日本。一昨年は日本生命が敗退、昨年もトヨタ自動車はタイブレークの末に藤岡裕のサヨナラホームランで勝利と前年度王者が苦労していた開幕戦。渡邊(→ロッテ)、福田(→オリックス)が抜けて、補強選手も使えないと戦力的にはダウンした状態で迎えた。ただ福田の抜けたショートでは阿部との争いを制して新人の丸山が2番ショートの座を掴むと2安打の活躍。他にも昨年大活躍であった伊藤がベンチスタートで、黒川・枡澤といった若手がスタメンを掴んだことは大きい。そして枡澤は2ホーマーと最高の結果を出し、伊藤も途中出場で2安打と健在ぶりをみせた。投手陣ではエースはいないが失点を少なめにして継投でつなぐというスタイルを継承していて、その中でリリーフの末永が復帰したのは大きい。あえて言えば堀にエースとしてこの開幕戦のマウンドに上がって欲しかったところだが…基本的には投打ともに優勝した昨年と同じ戦いができていて、あまり戦力ダウンは感じさせなかった。
20180713NTT東日本 丸山
福田の後釜となるショートの定位置を獲得したNTT東日本のルーキー丸山

一方の東邦ガスは逆に若手が出てきていないという印象だ。この試合で投げたのは小椋・水田のベテランと補強の九谷・立野ということで、この大一番のマウンドに上げられる若手はいなかったようだ。田中・栁川・屋宜といった期待の若手には是非とも東京ドームのマウンドを経験して欲しかった。打線も同じで3番のベテラン南のみが気をはいた形。南は2ベース→ホームラン→シングルヒットの3打数3安打で迎えた第4打席にはサイクル安打の期待もかかるほどの活躍であったが、この南の前にランナーをためる、あるいは南を返すということはできていなかった。
20180713東邦ガス 南
3ベースが出ればサイクル安打という活躍をみせた東邦ガスの3番南

東邦ガスは有名選手の弟が多いのも注目であった。2番センター大島は中日の大島洋平の弟であり、俊足巧打というプレースタイルは兄そっくりであった。打撃ではさすがにかなわないが、脚力だと兄を超えるかもしれないほどのレベルにあった。また出場機会はなかったリリーフとして待機していた屋宜はヤクルトの屋宜照悟の弟であり、コーチ兼任の捕手である鶴岡は日本ハムの鶴岡慎一の弟である。野球選手ではないが、東邦ガス入社を機にキャッチャーに再転向して正捕手の座を掴んでいる柴田は、元SKEの弟でありこちらも注目されていた。
20180713東邦ガス 大島
中日の大島洋平の弟、東邦ガスの2番センター大島


PickUp Player
枡澤怜 NTT東日本 外野手
~2ホーマーを放った恐怖の9番打者~
この試合で9番に抜擢された枡澤がホームランを2本打ってしまうあたりが、NTT東日本のレベルの高さを現わしていた。

枡澤は八王子高では大型内野手として活躍。3年夏には3番ショートをチームとしては活躍も東海大菅生と当たって1回戦負けというように結果を出すことができなかったが、そのポテンシャルを認められて亜細亜大に入学すると、外野手に転向。3年春より徐々に出場機会を得て、一時は4番を任されることもあるなど亜細亜大のレギュラーとして活躍するも、調子に波があり、その実力を発揮できているとは言えなかった。それでも4年夏には大学日本代表にも選出された。

しかしNTT東日本では厚い選手層にも阻まれ、目立った活躍ができておらず、昨年の都市対抗では打席に立つことが叶わなかった。ただ3年目となった今年の都市対抗では9番レフトでスタメン出場を果たした。すると1死1塁で迎えた第1打席では小椋のインコースのストレートをうまくさばきレフトスタンドに飛び込む2ランホームラン。第2打席はセンターフライに倒れるも、第3打席では立野のストレートを捉えると左中間スタンドにソロホームラン。3打数2安打2ホーマー3打点という見事な活躍ぶりで、9番打者ながら181㎝90㎏というパワーを遺憾なく発揮した。

まだ打順が9番であったり、2本目のホームランを打った後の守備では交代してしまうなど、飯塚監督の信頼は完全につかみ取ってはいないようだ。だが枡澤の持っているポテンシャルを発揮することができれば、一気にNTT東日本の主軸を打てる選手になることだろう。

20180713NTT東日本 枡澤
2ホーマーを放ったNTT東日本の恐怖の9番打者枡澤


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2018年 社会人ドラフト候補(7月時点)

明日から都市対抗開幕ということで…
そんな都市対抗での活躍が楽しみなドラフト候補たちを勝手にランク付けしてみました。

Sランク:ドラフト1位候補筆頭
Aランク:ドラフト上位候補
Bランク:志望届出せば指名確実
Cランク:ドラフト指名境界線

◆…今年ドラフト解禁となる選手です。
…前回(1月)からランクアップ
↓…前回(1月)からランクダウン

Sランク
齋藤(Honda/投)◆
生田目(日本通運/投)◆↑

Aランク
臼井(東京ガス/投)◆
笹川(東京ガス/外)◆
岡野(東芝/投)◆↑
吉川(パナソニック/投)◆

Bランク
拜崎(JR東日本/外)◆
堀(NTT東日本/投)◆
鈴木(JX-ENEOS/投)◆↓
富山(トヨタ自動車/投)◆↑
堀田(西濃運輸/投)◆
勝野(三菱重工名古屋/投)◆
平尾(Honda鈴鹿/投)◆
柘植(Honda鈴鹿/捕)◆↑
高橋拓(日本生命/投)◆
皆川(日本生命/外)◆
坂本(新日鉄住金広畑/投)◆

Cランク
小島(きらやか銀行/投)
宝利(日本製紙石巻/投)
角田(SUBARU/投)
大貫(新日鐵住金鹿島/投)◆↑
森下(日立製作所/内)◆
濱元(日立製作所/外)◆
松尾(かずさマジック/投)◆
山田(かずさマジック/投)
宮澤(かずさマジック/外)◆↑
幸良(Honda/投)
辻野(Honda/捕)
松田(Honda/内)◆
阿部(日本通運/投)
木南(日本通運/捕)
北川(日本通運/内外)↓
高橋(日本通運/外)◆
中澤(JFE東日本/外)◆↑
板東(JR東日本/投)
永谷(JR東日本/投)◆↓
小室(JR東日本/内)◆↓
國松(JR東日本/投内)
丸子(JR東日本/内)
石川(東京ガス/内)◆↑
中山(東京ガス/内)
喜多(セガサミー/捕)↑
道端(明治安田生命/捕)
岡本(東芝/投手)↑
左澤(JX-ENEOS/投)◆
柏原(JX-ENEOS/投)↓
大野(MHPS/投)
久保(MHPS/内)
龍(MHPS/外)◆
金井(フェデックス/投)◆↓
諏訪(トヨタ自動車/投)◆
北村(トヨタ自動車/内)
若林(JR東海/投)
田中(東邦ガス/投)
立野(東海理化/投)◆↑
瀧中(Honda鈴鹿/投)◆
松本(Honda鈴鹿/内)◆
岩本(日本新薬/投)◆
温水(大阪ガス/投)◆
法兼(パナソニック/内)◆
牛島(JR九州/捕)◆


以上です。
異論は認めますw

20170602Honda 齋藤2
1月に続きSランクとさせてもらったHondaの齋藤

20180602日本通運 生田目
日本通運のエースとなりSランクとさせてもらった生田目


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日大×大師【選手権北神奈川大会1回戦】

7/8 選手権北神奈川大会1回戦
日大×大師 @横浜スタジアム

7/8に開会式が行われた選手権神奈川大会。開会式直後に南神奈川大会の開幕戦が行われ、第2試合は北神奈川大会の開幕戦なのですが、そこでいきなり前回大会ベスト16の大師とベスト4の日大の対戦となりました。

試合経過

大師の先発は昨年からエースを務める寒河江。1回表、日大の1番大本のライナーを大師のショート鷲津がダイビングするもボールはグラブからこぼれてしまう。先頭が出塁した日大は川腰が送って1死2塁とすると、続く3番横山の打球は二遊間を抜けるセンター前ヒット。しかし2塁ランナーの大本は抜けてからのスタートであったために、センター齊藤はランナーを刺そうと3塁へ送球するがこれがサード頭上を越える暴投となってしまい、ボールデットで大本が生還し日大が先制。続く4番小水もレフト前タイムリーを放つと、さらに西ノ坊の打球をサードがはじいてしまい日大が初回に3点をあげる。
20180708日大 小水
初回にタイムリーを放つ日大の4番小水

一方日大はエース左腕の中島でなく、こちらも実績は十分であるが背番号9の右腕の北野をマウンドに送る。その北野は1回裏の大師の攻撃を3人が完璧に抑えると、2回は5番加賀山に初安打となる2ベースを浴びてピンチを招くも追いついて後続を断つなど対照的な立ち上がりを見せる。

日大は3回表、先頭の小水が2打席連続のヒットを放つと、5番源田もバスターでショートの逆をついて内野安打、6番諸泉が送って1死2・3塁とチャンスを作る。続く西ノ坊のショートゴロで大師はホームに送球するも間に合わずにこれがフィルダースチョイス。続く8番北野にも犠牲フライを放ち、この回日大が2点を追加し5-0とする。

反撃に出たい大師はその裏、1死から吉川がレフト線に2ベースを放ちチャンスを作ると、続く2番並木も3塁線を破り初得点。しかし続くチャンスでは北野が粘りのピッチングの前に3番鷲尾はライトフライ、4番越智は三振と主軸が倒れて1点止まりとなってしまう。
20180708大師 並木
大師の初得点となるタイムリー2ベースを放った2番並木

すると4回表、日大は先頭の大本がセンター前ヒットで出塁すると、続く2番川腰は送らずに強硬策。しかしこれが仇となってショートゴロ併殺…と思いきやこれをショート鷲津がファンブルしてしまい、2死ランナー無しのはずが無死1・2塁。横山のセカンドゴロで1死2・3塁となる。すると続く4番小水のサードゴロはキャッチャーが1塁送球を指示するもサード廣瀬がホームに送球しフィルダースチョイス。大師はこの回から初回にエラーをするなどして不安であったサードを林→廣瀬に代えていただが、これが実らなかった。さらに2死から6番諸泉に2点タイムリーが飛びだし、日大は4回までで早くも8-1とリードを広げる。

大師の寒河江は中盤から多彩な変化球を有効に使いだし、5回は日大の攻撃を3人で終えるなど波に乗ってきたように思えたが6回表にまたしてもバックが足を引っ張ってしまう。先頭の2番川腰のレフトフライをレフトが目測を誤り、最終的にはカバーに入ったセンターでもとれたという打球であったがこれがお見合い気味になり2ベース。3番横山、4番小水を連続三振に斬って取るも、5番源田の打球は前進守備のライトの頭を越える2ベースとなり日大が1点を追加する。
20180708日大 源田
6回にトドメとなるタイムリー2ベースを放った日大の5番源田


大師打線は5回裏に満塁のチャンスを作るも北野の前にあと1本が出ず…。6回・7回も3人ずつで抑えられてしまい、点差が埋まらずに7回コールド。1回戦屈指の好カードは日大が北野の1失点完投で9-1(7回コールド)で勝利という意外な結果に終わった。


20180708日大×大師
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

思わぬ大差がついてしまった試合。原因は大師の守備の乱れにあった。大師はエラー4個でその全てが得点に絡んでしまってしまうなど悪い意味で効果的であった。それに加えて記録はヒットだが…という打球もあり、さらに間に合わないのにホームに投げてしまったフィルダースチョイスが2つと、単純なエラー4個という数字以上に守備が乱れた。北神奈川大会の開幕戦とあって会場は横浜スタジアム、開会式後なのでそのまま残る人や他チームの選手も多いということで、これまではとは違った緊張感の中でも試合で残念ながら浮足立ってしまった形だ。

エースの寒河江は昨年は2年生ながら昨夏は桐蔭学園から3失点完投勝利、敗れはしたものの桐光学園相手にも4失点完投した好投手。ストレートは140㌔という噂ほどスピードは出ていなかった気がするが、テイクバックが体に隠れるようなフォームからしなやかに腕を振って投げるストレートは球速以上のものがあり、またインコースを果敢につくなどコントロールもよかった。変化球はスライダーや大きなカーブなどがあり、中盤以降はこれを有効に使って日大打線を抑えていた。与えた四死球は2個のみで非常にまとまった投手であると感じたかが、今日に限っていていえばいかんせん守備に足を引っ張られすぎて波に乗れなかった。だが180㎝68㎏という細身の体格は鍛えればまだまだ球威が増しそうであり、これで夏は敗退となってしまったが、次のステージでの活躍に大いに期待したい選手である。
20180708大師 寒河江
守備に足を引っ張られる形で失点を重ねてしまった大師のエース寒河江

日大としてはほぼ文句のない勝ち上がりであろう。打線は相手のミスに助けられたところもあるが、スタメンでは北野以外の全員がヒットを放ち7回までに9得点と効率の良い攻めを見せた。唯一ノーヒットの北野も犠牲フライに四球にと得点に貢献していたし、ピッチャーに専念するために8番を打っていたが、昨秋は3番も務めたいた強打者である。守っては大師とは対照的にノーエラーで北野を盛り立てて1失点のみと安定した内容。

そして1番大きいのはエースの中島を登板させることなく勝っただ。日大の次の対戦相手はセンバツにも出場した慶応であり、日大にとっては格上との対戦となる。日大の現チームの最大の武器は、昨年エースとしてベスト4入りを果たすなど実績も十分であり、空振りのとれる伸びるストレートが武器のエース左腕中島である。よって中島が慶応を抑えて、ロースコアの接戦をモノにするという形が勝利に1番近い。慶応戦は13日(金)ということで疲労度的には問題ないだろうが、偵察に来たであろう慶応に対して中島を見せなかったのは、上記のミッションを達成するうえでアドバンテージになった。中島本人は初回からベンチ前でキャッチボールをするなど投げる気満々であったようだが…その力を是非とも次の慶応戦で発揮して欲しいものだ。
20180708日大 中島
初回からベンチ前でキャッチボールをする日大のエース中島


Pickup Player
北野秀造 日大3年 ピッチャー兼外野手
~起用に応えてエース温存に大成功~
上記にも書いた通り背番号9の北野がこの大一番を完投勝利で飾り、エース中島を慶応戦に完全温存できたのは大きかった。

北野は前チームから背番号10の投手として活躍。持ち味の安定した投球で2年夏の選手権神奈川大会では座間総合、川崎工科、市ヶ尾、東海大相模と4試合で先発のマウンドを経験してベスト4入りに貢献。2年秋から3番ライトを主戦場としつつ、エース中島に次ぐ投手も務めた。

この夏の開幕戦はいきなり昨夏にブレイクした大師との対戦とあって、エース中島の起用が予想されたが、先発のマウンドにあがったのは北野であった。北野は初回に大師打線を10球で3者凡退に抑える最高のスタートを切る。スライダー・カーブ・チェンジアップなどの変化球を有効に使ったピッチングで大師打線に的を絞らせなかった。2回以降は毎回のようにランナーを背負うも、与えた得点は3回の並木のタイムリー2ベース1点のみ。ピンチの場面でもしっかり自分の投球をすることができていて、追い込んでからは低めのワンバンするようなスライダーで三振を奪えていた。結局7回を投げて6奪三振1失点。1回からキャッチボールをしていたエース中島に出番を与えず完投勝利をあげた。

打つ方ではこの試合ではピッチングに集中する意味もあってか8番打者。日大のスタメンで唯一ノーヒットであったが、3回の
第2打席ではセンターに犠牲フライを放ち、7回には無死1・2塁からファースト前に完璧なバントを決めるなどバットでも貢献。次戦では中軸を務めるかもしれない。

もはや右のエースと言える北野の投球。バッティングも含めて、次の慶応戦ではさらなる活躍が期待される。

20180708日大 北野
見事7回1失点で完投勝利をあげた日大の北野


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夏の甲子園出場校予想(2018)

夏の甲子園出場をかけた各地方大会も次々に開幕しているということで…
今年も勝手に夏の甲子園の出場校を予想していました。

自分の予想だけだとつまらないだとうから、報知高校野球とホームランでも各地方のページで1番の本命とされている高校も合わせて載せておきます。

2018夏の甲子園代表予想

さぁ今年はいくつ当たるでしょうか?


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四国アイランドリーグ選抜×ロッテ

6/30 四国アイランドリーグ選抜関東遠征
四国アイランドリーグ選抜×ロッテ@ロッテ浦和球場

四国アイランドリーグ選抜関東遠征の3日目。最終日のこの日は前日に続いてロッテ2軍との対戦。1・2戦目と日本ハム・ロッテに敗れているため3連敗して四国に帰るわけにもいかない1戦です。


試合経過
ロッテは1回裏、先頭の加藤がヒットで出塁すると、2番和田のバントがフィルダースチョイスとなり無死1・2塁。加藤は牽制アウトとなるも、和田が2盗を決めると、5番香月の初球には3盗。これがキャッチャーの悪送球も誘って、ロッテが和田の足で1点を先制。さらに2死2塁から香月が左中間を破り初回に2点をあげた。ロッテは2回裏にも肘井のヒット→四球→加藤のヒットで満塁のチャンスを作ると3番伊志嶺がレフトオーバーのタイムリー2ベースを放ち2点を追加する。

反撃に出たい四国選抜は3回表、この回先頭の7番高井がチーム初ヒットとなるセンターオーバーの2ベースで出塁すると、9番妹尾も逆方向のレフトオーバー2ベースを放ち1点。続く1番カンディラスも1塁線を破り、四国選抜が2点を返す。しかし四国選抜がロッテ先発の藤岡からあげた得点はこの2点のみ。藤岡は全盛期のような威力抜群のストレートというピッチングではなかったが、変化球をうまく使ったピッチングで四国選抜を寄せ付けず、6回2失点というまずまずのピッチング。ローテーション投手が不足気味の中、よいアピールになったと思われる。
20180630ロッテ 藤岡剛
6回2失点の好投をみせたロッテ先発の藤岡貴

ロッテは3回裏に満塁から柿沼の2点タイムリー、4回裏には伊志嶺・根本の連打で作った2・3塁のチャンスから香月のファーストゴロの間に1点を追加し4回までで7得点。石田→原田→畝と四国アイランドリーグで断トツの成績で優勝を果たした香川オリーブガイナーズの原動力となっている3投手を見事に打ち砕いた。

四国選抜は5回に4番手鎌田が登板し、満塁のピンチを招きながらも、この試合初めてロッテを無得点に抑える。しかし6回に鎌田が安田の打球を無得点に処理した際に負傷して降板してしまうと、後を継いだ左腕の山崎から三家・加藤と2人のスイッチヒッターが右打席から2ベースを放ち1点を追加する。

ロッテは7回表から2番手に大隣が登板。しかし大隣はいきなり笠原・谷田・三好に3連打を浴びてしまい無死満塁。大隣は牽制でランナーを刺すなどして、妹尾のセカンドゴロの間の1点に抑えるが、この妹尾のセカンドゴロも強烈な当たりであるなど、先発の座を争う同じ左腕の藤岡が好投した後だけに、なかなか厳しいマウンドとなってしまった。

さらにロッテは8回表に3番手としてマウンドにあがったオルモスが大乱調。安藤にタイムリーを浴びると、その後の4連続四死球で押し出し2個にワイルドピッチと計4点を失い、四国選抜は一気に1点差に迫る。
20180630高知ファイティングドックス 安藤
途中出場ながらタイムリーを含む2安打の活躍をみせた四国アイランドリーグ選抜の安藤

しかしロッテは8回裏、先頭の宗接が3ベースで出塁すると8番三家が前進守備の1・2塁間を破るタイムリーヒット。さらに四球→バントでつないで1死2・3塁のチャンスとすると2番和田が犠牲フライを放ち、ロッテが2点を加えて突き放す。最終回は高野が締めてロッテが10-7で勝利した。
20180630ロッテ 三家
8回裏に貴重な追加点となるタイムリーを放ったロッテの三家


20180630四国アイランドリーグ選抜×ロッテ
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

プロを目指す独立リーグの選手たちにとっては格好のアピールの場であったろう、関東に遠征してきてのNPB球団との3試合。しかしこれで3連敗となってしまい、とりわけNPB入りに向けてアピールできたという選手はいなかった。特に深刻だったのが投手陣でこの3試合で計28失点…。各チームのエース級を集めての出来であり、今日の試合でも登板した6投手のうち鎌田以外の5投手が失点。さらにロッテは13残塁であったようによく10点で済んだという有様であった。

四国選抜で注目だったのは関東に凱旋を果たした谷田。慶応高と慶応大ではそれぞれ日本代表を経験した強打者であったが、大学4年時には指名確実と言われながらもまさかのドラフト指名漏れ。JX-ENEOSに進むもドラフト解禁となった昨秋には指名がなし。今年JX-ENEOSという名門を退社して、アメリカのトライアウトを受けて最終的に徳島インディゴソックスに入団という茨の道を選択したことでも話題となった。そんな谷田はこの試合では5回裏からセンターの守備に就くと、1打席目ではセンター前ヒット。2打席目には押し出しの四球を選ぶも、9回表のホームランが出れば同点というチャンスでは三振に倒れてしまいゲームセットとなった。リーグ戦では打率.269の1本塁打と結果も出せておらず、本来の実力はまだ発揮できていないようだ。ただ名門の肩書が邪魔していたこともあり、その実力さえ発揮できれば下位や育成でのプロ入りは確実なだけに今後も期待して見ていきたい。
20180630徳島インディゴソックス 谷田
5回から途中出場の四国アイランドリーグ選抜の谷田

ロッテで目を引いたのは和田。和田は高校では陸上部で高校野球を経験せずに、クラブチームを経て富山SBからロッテに入団した異色の選手。前日の試合でのホームランとうって変わって、この試合ではノーヒットであったが、初回に50㍍5.8秒の俊足を生かして2つの盗塁を決めて先制点をもぎ取り、犠牲フライにバントも2個としっかり役割を果たしていた。フルスイングしたあとのフォロースルーが柳田そっくりであり「和ギータ」という愛称も納得であった。和田は大学2年生世代にあたる若い育成選手であるが、1軍経験者の多い割とガチなこの日のオーダーの中でもその存在感を発揮していたし、まだまだ体が細いのでこれからしっかりと筋肉をつけていけば本当に末恐ろしい選手だ。和田の他には1番として4安打をマークした加藤や4番に入って鋭い当たりを飛ばしていた根本、6回2失点と安定したピッチングをみせた藤岡あたりは1軍にしてもおかしくない選手なのでさすがといったところであろう。
20180630ロッテ 和田
ノーヒットも足でバントでロッテの得点に貢献した和田

Pickup Player
妹尾克哉 香川オリーブガイナーズ ショート
~3打点の活躍で唯一のアピールに成功~
この試合9番ショートでフル出場し、3打点をマークした妹尾は、全体的に低調なアピールに終わってしまった四国選抜の中ではやれた選手であった。

妹尾は走攻守揃った内野手として神戸国際大付では2年春からセカンドのレギュラーとなると、近畿大会決勝戦(VS北大津)ではホームランを含む3安打4打点でチームの近畿Vに貢献。2年なるは5番セカンドを務めるも、準決勝では4-5で明石商に敗れてしまった。その野球センスを発揮して3年夏には正捕手も務めるなどしたが、結局甲子園の土を踏むことはできなかった。

神戸国際大付卒業後は近畿大に進学という噂があったが、5月に香川オリーブガイナーズに入団。直後からショートのレギュラーを掴み、2年目の今季は打率.343の活躍で(前期)首位打者を獲得し、チームを優勝に導いた活躍。四国アイランドリーグの選抜メンバーにも選ばれた。

この試合では9番ショートでスタメン出場した妹尾。3回裏に1死2塁で迎えた第1打席ではレフトオーバーのタイムリー2ベース。左VS左にも関わらず、藤岡のストレートをしっかりと引き付けて、逆方向であるレフトの頭上を越えるライナーという非常に評価のできるバッティングであった。その後は7回表に満塁のチャンスで強烈なセカンドゴロを放ち、これが併殺崩れとなったために2打点目。8回表にもまたもや満塁で乱調のオルモスから冷静に四球を選んで3打点目をあげた。

高校時代はおもにセカンドであったが、ショート守備も流れるような動きで非常にうまい。前日の試合では盗塁も決めたようで、まさに走攻守揃った内野手。まだ高卒2年目という若さもあるので、NPBのスカウトから見ればこのシリーズで1番魅力的な選手に見えたのではないだろうか?

20180630香川オリーブガイナーズ 妹尾1 20180630香川オリーブガイナーズ 妹尾2
3打点の活躍をみせた四国アイランドリーグ選抜のショート妹尾


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