東邦ガス×NTT東日本【都市対抗野球大会】
7/13 都市対抗野球大会(開幕戦)
東邦ガス×NTT東日本 @東京ドーム
試合経過
NTTは1回裏、先頭の下川のライト前ヒットから2死2塁のチャンスを作る。4番喜納の打球は二遊間のボテボテのゴロとなり、ショート小田は余裕で追いつくも送球を焦ってボールを捕れず…打球がセンターに抜けて下川が生還し先制。続く5番越前は変化球をレフトスタンドに運ぶ2ランでNTTが初回に3点を先制。NTTは2回裏にも上田がエラーで出塁すると、9番枡澤が2ランホームランを放ち5点のリードを奪う。

初回に2ランをはなったNTT東日本の主将で5番の越前
東邦ガスの先発は今年リリーフから先発に転向し、予選では防御率0.30と大車輪の活躍をみせたベテランの小椋であったが、2回5失点で降板。ストレートはMax146㌔をマークし、得意の130㌔前後のチェンジアップも有効であり、それほど悪いとは思わなかった。しかしインコースのボールを越前・枡澤にうまくスタンドに運ばれてしまい、そこはNTTが1枚上手であったということのようだ。

2回で降板となってしまった東邦ガスの先発小椋
東邦ガスは3回表に先頭の小野がエラーで出塁すると、2死2塁から1番上内の打球はライト前のライナー。これをNTTのライト越前がスライディングキャッチを試みるもわずかに及ばずタイムリー3ベース。2番大島の犠飛で2点目をあげると、3番南にもホームランが飛び出し3-5と追い上げる。
NTT東日本の先発は2年目のドラフト候補右腕の堀が予想されていたが、先発のマウンドに上がったのは経験豊富な大竹でキャッチャーの上田とは都市対抗10年連続出場バッテリー。昨年の都市対抗決勝でも先発を務めた大竹であったが、その時は3回途中3失点で降板。エラー絡みではあったが、この試合でも3回に3点を失ってしまい、若干のデジャヴ感はあった。しかし大竹は4回もマウンドに上がると持ち前の小さく曲がる球をコントロールよく投げ込み、4・5回と東邦ガス打線を完璧に抑えてみせた。一方東邦ガスも3回から九谷(ヤマハからの補強選手)とランナーを出しながらも4~6回を無失点に抑え、両チーム無得点となり、試合は硬直してしまう。

昨年の決勝のリベンジのマウンドに立っNTT東日本の大竹
次にどちらが点を取るかが重要になってきた試合。リードしているNTT東日本が昨年の都市対抗でも伊藤を代打に送るなど仕掛けると、その伊藤がセンター前ヒットを放ち出塁。さらに都市対抗初マウンドとなった立野(東海理化からの補強選手)のボールで進塁すると、続く代打高野のセカンドゴロで伊藤が3塁まで進む。上田三振で2死となった後、立野の投球間に伊藤がホームスチールを決行。素晴らしい走塁であったが、間一髪アウト(伊藤は判定に猛抗議していましたが…)となってしまう。ただ攻めの姿勢を見せたNTTは7回裏、先頭の枡澤がこの日2本目のホームランとなるソロをレフトスタンドに叩き込み、貴重な追加点をあげる。
NTTは投げては6回からリリーフした沼田が、右バッターのインコースのストレートに、スライダー・カーブなどを交えたテンポのいいピッチングで9回1死まで東邦ガス打線を無得点に抑える。9回1死からは、昨年の都市対抗ではケガで登板できなかった末永がマウンドに上がり、Max148㌔をマークするピッチングで締めてゲームセット。NTT東日本が6-3で開幕戦を勝利で飾った。

6回から無失点リリーフをみせたNTT東日本の沼田

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
前年度王者としてこの大会を迎えたNTT東日本。一昨年は日本生命が敗退、昨年もトヨタ自動車はタイブレークの末に藤岡裕のサヨナラホームランで勝利と前年度王者が苦労していた開幕戦。渡邊(→ロッテ)、福田(→オリックス)が抜けて、補強選手も使えないと戦力的にはダウンした状態で迎えた。ただ福田の抜けたショートでは阿部との争いを制して新人の丸山が2番ショートの座を掴むと2安打の活躍。他にも昨年大活躍であった伊藤がベンチスタートで、黒川・枡澤といった若手がスタメンを掴んだことは大きい。そして枡澤は2ホーマーと最高の結果を出し、伊藤も途中出場で2安打と健在ぶりをみせた。投手陣ではエースはいないが失点を少なめにして継投でつなぐというスタイルを継承していて、その中でリリーフの末永が復帰したのは大きい。あえて言えば堀にエースとしてこの開幕戦のマウンドに上がって欲しかったところだが…基本的には投打ともに優勝した昨年と同じ戦いができていて、あまり戦力ダウンは感じさせなかった。

福田の後釜となるショートの定位置を獲得したNTT東日本のルーキー丸山
一方の東邦ガスは逆に若手が出てきていないという印象だ。この試合で投げたのは小椋・水田のベテランと補強の九谷・立野ということで、この大一番のマウンドに上げられる若手はいなかったようだ。田中・栁川・屋宜といった期待の若手には是非とも東京ドームのマウンドを経験して欲しかった。打線も同じで3番のベテラン南のみが気をはいた形。南は2ベース→ホームラン→シングルヒットの3打数3安打で迎えた第4打席にはサイクル安打の期待もかかるほどの活躍であったが、この南の前にランナーをためる、あるいは南を返すということはできていなかった。

3ベースが出ればサイクル安打という活躍をみせた東邦ガスの3番南
東邦ガスは有名選手の弟が多いのも注目であった。2番センター大島は中日の大島洋平の弟であり、俊足巧打というプレースタイルは兄そっくりであった。打撃ではさすがにかなわないが、脚力だと兄を超えるかもしれないほどのレベルにあった。また出場機会はなかったリリーフとして待機していた屋宜はヤクルトの屋宜照悟の弟であり、コーチ兼任の捕手である鶴岡は日本ハムの鶴岡慎一の弟である。野球選手ではないが、東邦ガス入社を機にキャッチャーに再転向して正捕手の座を掴んでいる柴田は、元SKEの弟でありこちらも注目されていた。

中日の大島洋平の弟、東邦ガスの2番センター大島
PickUp Player
枡澤怜 NTT東日本 外野手
~2ホーマーを放った恐怖の9番打者~
この試合で9番に抜擢された枡澤がホームランを2本打ってしまうあたりが、NTT東日本のレベルの高さを現わしていた。
枡澤は八王子高では大型内野手として活躍。3年夏には3番ショートをチームとしては活躍も東海大菅生と当たって1回戦負けというように結果を出すことができなかったが、そのポテンシャルを認められて亜細亜大に入学すると、外野手に転向。3年春より徐々に出場機会を得て、一時は4番を任されることもあるなど亜細亜大のレギュラーとして活躍するも、調子に波があり、その実力を発揮できているとは言えなかった。それでも4年夏には大学日本代表にも選出された。
しかしNTT東日本では厚い選手層にも阻まれ、目立った活躍ができておらず、昨年の都市対抗では打席に立つことが叶わなかった。ただ3年目となった今年の都市対抗では9番レフトでスタメン出場を果たした。すると1死1塁で迎えた第1打席では小椋のインコースのストレートをうまくさばきレフトスタンドに飛び込む2ランホームラン。第2打席はセンターフライに倒れるも、第3打席では立野のストレートを捉えると左中間スタンドにソロホームラン。3打数2安打2ホーマー3打点という見事な活躍ぶりで、9番打者ながら181㎝90㎏というパワーを遺憾なく発揮した。
まだ打順が9番であったり、2本目のホームランを打った後の守備では交代してしまうなど、飯塚監督の信頼は完全につかみ取ってはいないようだ。だが枡澤の持っているポテンシャルを発揮することができれば、一気にNTT東日本の主軸を打てる選手になることだろう。

2ホーマーを放ったNTT東日本の恐怖の9番打者枡澤
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東邦ガス×NTT東日本 @東京ドーム
試合経過
NTTは1回裏、先頭の下川のライト前ヒットから2死2塁のチャンスを作る。4番喜納の打球は二遊間のボテボテのゴロとなり、ショート小田は余裕で追いつくも送球を焦ってボールを捕れず…打球がセンターに抜けて下川が生還し先制。続く5番越前は変化球をレフトスタンドに運ぶ2ランでNTTが初回に3点を先制。NTTは2回裏にも上田がエラーで出塁すると、9番枡澤が2ランホームランを放ち5点のリードを奪う。

初回に2ランをはなったNTT東日本の主将で5番の越前
東邦ガスの先発は今年リリーフから先発に転向し、予選では防御率0.30と大車輪の活躍をみせたベテランの小椋であったが、2回5失点で降板。ストレートはMax146㌔をマークし、得意の130㌔前後のチェンジアップも有効であり、それほど悪いとは思わなかった。しかしインコースのボールを越前・枡澤にうまくスタンドに運ばれてしまい、そこはNTTが1枚上手であったということのようだ。

2回で降板となってしまった東邦ガスの先発小椋
東邦ガスは3回表に先頭の小野がエラーで出塁すると、2死2塁から1番上内の打球はライト前のライナー。これをNTTのライト越前がスライディングキャッチを試みるもわずかに及ばずタイムリー3ベース。2番大島の犠飛で2点目をあげると、3番南にもホームランが飛び出し3-5と追い上げる。
NTT東日本の先発は2年目のドラフト候補右腕の堀が予想されていたが、先発のマウンドに上がったのは経験豊富な大竹でキャッチャーの上田とは都市対抗10年連続出場バッテリー。昨年の都市対抗決勝でも先発を務めた大竹であったが、その時は3回途中3失点で降板。エラー絡みではあったが、この試合でも3回に3点を失ってしまい、若干のデジャヴ感はあった。しかし大竹は4回もマウンドに上がると持ち前の小さく曲がる球をコントロールよく投げ込み、4・5回と東邦ガス打線を完璧に抑えてみせた。一方東邦ガスも3回から九谷(ヤマハからの補強選手)とランナーを出しながらも4~6回を無失点に抑え、両チーム無得点となり、試合は硬直してしまう。

昨年の決勝のリベンジのマウンドに立っNTT東日本の大竹
次にどちらが点を取るかが重要になってきた試合。リードしているNTT東日本が昨年の都市対抗でも伊藤を代打に送るなど仕掛けると、その伊藤がセンター前ヒットを放ち出塁。さらに都市対抗初マウンドとなった立野(東海理化からの補強選手)のボールで進塁すると、続く代打高野のセカンドゴロで伊藤が3塁まで進む。上田三振で2死となった後、立野の投球間に伊藤がホームスチールを決行。素晴らしい走塁であったが、間一髪アウト(伊藤は判定に猛抗議していましたが…)となってしまう。ただ攻めの姿勢を見せたNTTは7回裏、先頭の枡澤がこの日2本目のホームランとなるソロをレフトスタンドに叩き込み、貴重な追加点をあげる。
NTTは投げては6回からリリーフした沼田が、右バッターのインコースのストレートに、スライダー・カーブなどを交えたテンポのいいピッチングで9回1死まで東邦ガス打線を無得点に抑える。9回1死からは、昨年の都市対抗ではケガで登板できなかった末永がマウンドに上がり、Max148㌔をマークするピッチングで締めてゲームセット。NTT東日本が6-3で開幕戦を勝利で飾った。

6回から無失点リリーフをみせたNTT東日本の沼田

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
前年度王者としてこの大会を迎えたNTT東日本。一昨年は日本生命が敗退、昨年もトヨタ自動車はタイブレークの末に藤岡裕のサヨナラホームランで勝利と前年度王者が苦労していた開幕戦。渡邊(→ロッテ)、福田(→オリックス)が抜けて、補強選手も使えないと戦力的にはダウンした状態で迎えた。ただ福田の抜けたショートでは阿部との争いを制して新人の丸山が2番ショートの座を掴むと2安打の活躍。他にも昨年大活躍であった伊藤がベンチスタートで、黒川・枡澤といった若手がスタメンを掴んだことは大きい。そして枡澤は2ホーマーと最高の結果を出し、伊藤も途中出場で2安打と健在ぶりをみせた。投手陣ではエースはいないが失点を少なめにして継投でつなぐというスタイルを継承していて、その中でリリーフの末永が復帰したのは大きい。あえて言えば堀にエースとしてこの開幕戦のマウンドに上がって欲しかったところだが…基本的には投打ともに優勝した昨年と同じ戦いができていて、あまり戦力ダウンは感じさせなかった。

福田の後釜となるショートの定位置を獲得したNTT東日本のルーキー丸山
一方の東邦ガスは逆に若手が出てきていないという印象だ。この試合で投げたのは小椋・水田のベテランと補強の九谷・立野ということで、この大一番のマウンドに上げられる若手はいなかったようだ。田中・栁川・屋宜といった期待の若手には是非とも東京ドームのマウンドを経験して欲しかった。打線も同じで3番のベテラン南のみが気をはいた形。南は2ベース→ホームラン→シングルヒットの3打数3安打で迎えた第4打席にはサイクル安打の期待もかかるほどの活躍であったが、この南の前にランナーをためる、あるいは南を返すということはできていなかった。

3ベースが出ればサイクル安打という活躍をみせた東邦ガスの3番南
東邦ガスは有名選手の弟が多いのも注目であった。2番センター大島は中日の大島洋平の弟であり、俊足巧打というプレースタイルは兄そっくりであった。打撃ではさすがにかなわないが、脚力だと兄を超えるかもしれないほどのレベルにあった。また出場機会はなかったリリーフとして待機していた屋宜はヤクルトの屋宜照悟の弟であり、コーチ兼任の捕手である鶴岡は日本ハムの鶴岡慎一の弟である。野球選手ではないが、東邦ガス入社を機にキャッチャーに再転向して正捕手の座を掴んでいる柴田は、元SKEの弟でありこちらも注目されていた。

中日の大島洋平の弟、東邦ガスの2番センター大島
PickUp Player
枡澤怜 NTT東日本 外野手
~2ホーマーを放った恐怖の9番打者~
この試合で9番に抜擢された枡澤がホームランを2本打ってしまうあたりが、NTT東日本のレベルの高さを現わしていた。
枡澤は八王子高では大型内野手として活躍。3年夏には3番ショートをチームとしては活躍も東海大菅生と当たって1回戦負けというように結果を出すことができなかったが、そのポテンシャルを認められて亜細亜大に入学すると、外野手に転向。3年春より徐々に出場機会を得て、一時は4番を任されることもあるなど亜細亜大のレギュラーとして活躍するも、調子に波があり、その実力を発揮できているとは言えなかった。それでも4年夏には大学日本代表にも選出された。
しかしNTT東日本では厚い選手層にも阻まれ、目立った活躍ができておらず、昨年の都市対抗では打席に立つことが叶わなかった。ただ3年目となった今年の都市対抗では9番レフトでスタメン出場を果たした。すると1死1塁で迎えた第1打席では小椋のインコースのストレートをうまくさばきレフトスタンドに飛び込む2ランホームラン。第2打席はセンターフライに倒れるも、第3打席では立野のストレートを捉えると左中間スタンドにソロホームラン。3打数2安打2ホーマー3打点という見事な活躍ぶりで、9番打者ながら181㎝90㎏というパワーを遺憾なく発揮した。
まだ打順が9番であったり、2本目のホームランを打った後の守備では交代してしまうなど、飯塚監督の信頼は完全につかみ取ってはいないようだ。だが枡澤の持っているポテンシャルを発揮することができれば、一気にNTT東日本の主軸を打てる選手になることだろう。

2ホーマーを放ったNTT東日本の恐怖の9番打者枡澤
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