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高校日本代表×大学日本代表【侍ジャパン壮行試合】

8/28 侍ジャパン壮行試合
高校日本代表×大学日本代表@神宮球場

BFA U18アジア野球選手権大会に出場するU18代表の壮行試合をとして、U-18代表VS大学代表の対戦が2年ぶりに開催されました。

試合経過

20180828高校日本代表×大学日本代表
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

高校代表の先発はメンバーのうち唯一夏の甲子園を逃した明徳義塾の市川。しかし大学代表は1回裏、1死から2番佐藤都が粘って四球で出塁すると、牽制悪送球で2進。3番の主将辰巳は初球をセンター前に弾き返し、大学日本代表があっという間に先制する。さらに続く4番頓宮は低めのスライダーをうまくすくい上げると打球は弾丸ライナーで左中間スタンドに飛び込む2ラン。大学日本代表が初回からその力を見せつけて3点を先制する。

大学代表の先発は田中。後輩である大阪桐蔭の中川・藤原・根尾のクリーンアップとの対戦が注目されたが、初回に中川をセカンドゴロに打ち取ると、2回の先頭打者藤原もファーストゴロに打ち取る。5番根尾にはレフト前に運ばれてしまうも、続く蛭間をファーストゴロゲッツーにとる。結局2イニングを6人で締める見事なピッチングで先輩としての威厳を保った。
20180828大学日本代表 田中
2回を打者6人無失点に抑えた大学代表の先発田中(立教大)

高校代表は4回裏から2番手として渡邊をマウンドに上げる。しかしその初球のストレートを、大学代表の6番勝俣が逆方向であるレフトスタンドに運ぶソロホームラン。今回で3回目となるこの高校代表×大学代表の対戦であるが、第1回大会には高校代表として出ていた勝俣が今度は大学日本代表として放った見事な1発であった。その後大学代表は渡辺・児玉のヒットで1死1・2塁とすると代打逢澤がライトフェンス直撃のヒット。しかし打球がフェンスに当たってからスタートした2塁ランナーの渡辺に対して、高校代表は根尾→奈良間→小泉と見事な中継プレーでつないでタッチアウト。これで高校代表はピンチを凌いだかに思えたが、続く佐藤都が右中間に2点タイムリー3ベースを放ち、大学代表が6-0とリードを広げる。
20180828大学日本代表 勝俣
逆方向であるレフトスタンドにホームランを放った大学代表の勝俣(国際武道大)

高校代表の反撃は5回表、2イニング目となった小島に対して先頭の根尾の打球はセンター方向に延びていくと、センター辰巳がつまずいたこともありセンターの頭を越えて、その間に根尾が一気に3塁を陥れる。ここで迎えるはバッター蛭間で、浦和学院の新旧主将対決が実現。高校代表の蛭間の応援歌がなぜか早稲田のテーマであり、ピッチャーが早稲田のエース小島なのに早稲田の応援歌が流れるというちょっと異様な空気の中、小島が蛭間を簡単に追い込むと最後はストレートでボテボテのファーストゴロに打ち取るも、この間に根尾がホームインして高校代表が初得点をあげる。
20180828高校日本代表 蛭間
浦和学院の先輩小島から打点をあげた高校代表の蛭間(浦和学院)

高校代表は6回表にも2死から奈良間が死球で出塁。ここで大阪桐蔭のクリーンアップVS東北福祉大の津森という高校大学のそれぞれ日本一どうしの対戦を迎える。中川がセンター前ヒットを放ち、さらに藤原の打球がサード岩城の握り変えミスもあった内野安打となり、高校代表が大阪桐蔭コンビの連打で1点。しかし続く根尾はストレートのみで3球三振と最後は津森が威厳を見せることとなった。

高校代表は7回裏には甲子園の優勝投手である柿木が登板するも、途中出場の伊藤にバックスクリーンに運ばれてしまい大学代表が追加点。ダイヤモンドをゆっくり回る伊藤であったが、自打球を当ててしまい数日前まで松葉杖という状態からの強行出場であったらしい。あまり無理することないのでは…と思う一方、週末の東都1部の開幕に向けて1発という形で回復を見せられたのは良かったと思う。

大学代表は8回表には、ハーレムベースボールウィークで最優秀投手賞を獲得するなどエース格として活躍した松本が登板。先頭の代打根来を150㌔のストレートで打ち取るなどストレート主体で押しまくるが、続く小園には147㌔のストレートをライトポール際に運ばれてしまう。
20180828高校日本代表 小園
ライトポール際にホームランをはなった高校代表の小園(報徳学園)

8回裏には高校代表は根尾が登板。ライトを守っていた根尾なので、壮行試合にも関わらずわざわざDHを解除しての登板となった。だが根尾は130㌔を超えるスライダーを主体に、ストレートも自己最速タイの148㌔をマークして大学代表を3人で抑える。実際の大会でも二刀流根尾がありえそうと思う素晴らしいピッチングであった。
20180828高校日本代表 根尾
ライトからマウンドにあがり大学代表を3人で抑えた高校代表の根尾(大阪桐蔭)

大学代表は最終回には抑えの甲斐野が登板。藤原をセカンドゴロに打ち取ると、続く根尾の3球目には何と158㌔をマーク。春のリーグ戦ではバックネット裏のスカウトのスピードガンでは159㌔をマークしていたが、神宮球場の表示ではこれが最速。この球は根尾が止めたバットに当ててファールとなるが、続く143㌔のフォークで空振り三振。高校生に対して大人ないと言いたくなるほどの圧巻のピッチングで甲斐野が締めて大学代表が7-3で勝利した。
20180828大学日本代表 甲斐野
最終的に登板し158㌔をマークした大学代表の甲斐野(東洋大)


3回目を迎えるこの対戦であるが、高校代表の臨み方は例年以上に真面目であった。過去2回は投手は1イニングずつ全員が投げていたが、この試合では甲子園での負担を考慮した吉田はともかく山田・奥川も登板はなく、その一方根尾はライトからマウンドにあげた。現段階の投手陣の序列をそのままにした起用法であろう。この試合は高校代表にとっては3連戦の中日であり、山田・奥川も翌日の明治大との試合では登板している。ただ個人的には本番に向けての調チーム内でのローテーションという意味では分かるが、相手は大学まさにトップの選手であり、神宮という舞台で大勢の観客の中投げるという経験をさせてあげることは個人として大きな財産になるであろう。実際に市川・渡邊・柿木が渾身のボールをいとも簡単にスタンドに運ばれしまったのもまた1ついい経験であろう。

野手陣も同様で終盤まではスタメンのままでの戦いであった。ただその中でもヒットを打てたのは大阪桐蔭4人衆と小園のみと主力だけであった。特に松本のストレートをライトスタンドに運んだ小園と、3ベースを含む2安打を放った根尾のバッティングは評価されるべきであり、これに関してはさすがの一言であった。ノーヒット組では個人的に奈良間の動きの良さを評価したい。本職のショートから代表ではセカンドを守ることになっているが、守備も問題なくこなしていて、4回裏には中継プレーからの大遠投でホームでランナーを刺してみせるなど、なかなか高校生のセカンドでは見られない強肩も披露した。打撃面でも2打席目のセンターライナーは見事に捉えることができていた。
20180828高校日本代表 奈良間
高校代表ではセカンドを務めるも高い能力を発揮した奈良間(常葉大菊川)

一方大学代表は公式戦を終え、これがこのチーム最後の試合ということで、ベンチもいい雰囲気で楽しむことができていたという印象だ。生田監督は大阪桐蔭クリーンアップに確実にぶつける意味でも先輩の田中を先発投手に器用する粋な計らいで、田中もそれに応える見事なピッチング。清水や松本などは本来とは違ったストレートで押しまくるピッチングで150㌔を連発。甲斐野に関しては変化球も交えた通常通りのピッチングであったが上述の通り158㌔をマークした。攻撃陣も5回には全選手が出場し、3本のホームランを含む11安打であった。週末には東都・首都大・神奈川・関西学生などのリーグ戦の開幕を控えているが、リーグ戦では最大のライバルとなるだろう甲斐野と頓宮がベンチ前でキャッチボールをしているなどいいリフレッシュにもなったのではないだろうか?


Pickup Player
頓宮裕真 亜細亜大4年 キャッチャー兼ファースト
~大学日本代表の4番の姿を見せつけた~
大学日本代表の4番頓宮がなかった初回の2ランは高校生にとっても衝撃を与える1打で、またこの試合で大学代表が終始主導権を握る上で重要な1打であった。

頓宮が岡山理大付で1年秋から4番キャッチャーを務め、2年春には岡山Vを経験し、3年夏も決勝戦ではこの試合ではチームメイトであった逢澤や海野を擁する関西に敗れて惜しくも準V。高校では甲子園出場を果たせなかったが、高校通算25発を誇る強肩強打の大型捕手としてプロからも注目されたが、高田(ソフトバンク)・九里(広島)・薮田(広島)・藤岡(ロッテ)らと同じく岡山理大付→亜細亜大という同校の出世ルートを選択して進学した。

亜細亜大ではまず守備面で頭角を現し1年春から9番キャッチャーとして出場。その後は一時控えとなるも、今度は打力を武器に3年春からは再び正捕手争いに参戦。キャッチャー以外にも打力を生かしてファーストを務め、打率.386の3ホーマーという成績でベストナイン(捕手)を獲得。3年秋の3割以上のアベレージを残すと、最終学年となった今年は主将にも就任。4年春は4番で捕手兼ファーストとしてリーグトップの5ホーマー15打点を獲得して、再びベストナイン(捕手)を受賞した。その活躍が評価されて、大学日本代表にも選出され、チームの監督でもある生田監督のもと主にファーストを守って主軸として活躍した。

この試合でも4番ファーストとして出場すると、1回裏の第1打席では市川の低めのスライダーをやや崩されながらもすくいあげると、「野球のボールってこんなに簡単に飛ぶのか?」と言いたくなるような弾丸ライナーで左中間スタンドにつきささる2ランとなった。高校代表バッテリーも驚きを隠せないという打球であり、神宮に詰め掛けた大勢のファンに衝撃を与えた。この1発が効いたか第2打席・第3打席ではともにインコースを攻められて死球。この試合は2個目の死球の後に代走を送られて退いた。結果的には1打数1安打1ホーマーという成績であったが、その1発は大学日本代表の4番としての姿を見せつける見事なものであったし、チームを勢いづける意味でも貴重な1打であった。

打力で高校代表を圧倒した頓宮であったが、それ以外の面でも高校生を圧倒していた。週末に開幕するリーグ戦が開幕するとういことで亜細亜大の主将らしく五厘狩りの姿を見せた頓宮。坊主といえば高校球児であり、甲子園が終わったとはいえ浦和学院勢を中心に見事な坊頭の高校代表であったが、高校球児より短い坊主の頓宮は高校球児より高校球児らしかった。

約3ヶ月後にはドラフト会議を迎えることとなる頓宮。この試合でも証明した通り打力は大学球界でもトップであり、その評価は高い。一方キャッチャーとしてはリーグ面にやや課題があり、亜細亜大でも春は佐久本がスタメンマスクを被り頓宮はファーストでスタメンという試合もあった。打力のある貴重な大型捕手だけに、秋はリーグ戦で全試合でマスクを被り、チームを優勝に導くことでリード面での低評価を覆して、キャッチャーとしてプロ入りして欲しいものだ。

20180828大学日本代表 頓宮1 20180828大学日本代表 頓宮2
初回に見事な2ランホームランを放った大学代表の4番頓宮(亜細亜大)



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今年の甲子園観戦で思ったこと

今年の甲子園を実際に生で観戦して思ったことをつらつらと書いてみます。

消えない半官びいきはマナーが悪いとしか言えない
今年の甲子園でも試合の終盤になると劣勢のチームを観衆が後押しする「判官びいき」が多く見られた。それぞれ応援しているチームがある人もいるのだろうが、どちらのファンでもない大多数がただ大逆転が見たいというだけで肩入れをしている。今年でいえば横浜×花咲徳栄戦(観戦レポート)で最終回に追い上げる花咲徳栄を球場全体が後押しするような空気となり、実際に横浜のマウンドにいた黒須は「足が震えた」と話していた。横浜という高校野球における超がつくほどの人気校ですら、大多数のファンが敵に回ってしまう。こうやって試合をしているチームどうしの勝負以外の要素が、試合の結果を左右する要因となってしまうのは非常に悲しい限りである。

このような現象は、2年前の東邦×八戸学院光星の試合から各所で獲りだたされるようになり、こんなことはここで書かなくても、あらゆるところで記事になっていて、疑問を呈している人も多い。それでも「半官びいき」をする観客は減っていないどころか、むしろ増えているように見える。このような観客は「マナーが悪い」としか言いようがない。

今大会では金足農の大躍進が取りだたされ、多くの人が金足農を応援していた。もちろんその戦いぶりをみてファンになったという人もいるのだろうが、応援の一部に半官びいきが混じっていたことは疑いがないだろう。メディアが金足農VS大阪桐蔭の決勝を、地元の公立VS超野球エリートを集めた私立、あるいはトラクターVS戦車というような構図を作り上げ、それに乗って応援した人も多いだろう。ただその人達は少しでいいから金足農について調べて欲しかった。ヤクルトの抑えを務める石山を初めとして過去にプロ野球選手7人を輩出し、甲子園には春夏合わせて9回出場、公立であるが屋内練習場も完備する金足農は果たして本当にトラクターなのだろうか?金足農が準優勝という結果を残したは事実であり、実際に彼らは素晴らしい戦いであった。ただその要素にも上記の「半官びいき」の「マナーの悪い観客」の応援が混じっているのなら、それはせっかくの金足農の躍進に泥を塗っていることになるだろう。


現地観戦で不幸にならないために…
今大会は史上初めて入場者数が100万人を突破するなど大盛況であった。その反面、日によっては阪神電車の始発で甲子園に行っても当日券が買えず、チケットを買うためには徹夜も含めて長時間列に並ぶ必要があった。地元の明石商・報徳学園が登場し、八戸学院光星・聖光学院とそれぞれ強豪と当たった8/11(土)などはまさにそれであった。自分の後ろに座っていたグループはまさに深夜から並んでチケットを買っていたのだが、試合中の会話を聞いていると「八戸学院光星ってどこの代表?」などといったレベルであった。それでも八戸学院光星が打つと盛り上がっている。そしてビールをたくさん注文しては、3試合目には熟睡状態で、4試合目には帰っていった。これは1つ極端な例であるが、こういう観客って少なくないと思う。「ろくに知りもしない奴が甲子園に来るんじゃねぇ」と一言で片づけるつもりもないが、わざわざ深夜から並ぶ前にまずはテレビの雨で甲子園を見てもいいのではないだろうか?彼らのグループの中には、深夜から並んで炎天下の中で暑い思いして…こんなとこもう来ないと思った人がいてもおかしくもなく、その分入れなかった人がいることを考えるとみんなアンハッピーでしかない。

甲子園でとにかく酒を飲みまくったり、どちらでもいいので逆転劇に沸きたいという人と被るのが日本代表の試合の後にスクランブル交差点で騒いでいる人たちだ。彼らには試合の内容などどうでもよく、スポーツを騒ぐきっかけにしたいだけなのであろう。ならば甲子園もサッカー日本代表と同じようにパブリックビューイングやスポーツバーで流してもらい、彼らはそこで観戦して欲しいものだ。


チケットをさらに値上げしてしまえ
そして深夜から並ばないと当日券が買えないという仕組み…これは本当に何とかすべきである。結局観戦したい人数に対して、甲子園のキャパが足りないなら、見れない人が出てくることはもう防ぎようながない。ただ見れる人と見れない人を分ける手段がどれだけ長時間並んだかのみである。並ぶという行為は高野連の大好きな「公平性」が伴う行為であるが、結局当日券を買えた人も買えない人も大きな痛み分けとなり、それは不要な痛みである。もちろん簡単でないのは承知だが、抽選にするとか別の方法はないものだろうか?高野連は投手の酷使について検討しろという人は多いが、個人的にはこちらの方が最重要課題であると思っている。

それとそもそも観戦したい人数を減らすというのも1つの策であり、チケットをもっと値上げしてしまえばいいと思う。それだと子供たちが…などという人もいるだろうが、そもそも深夜から並ばないと入れない+熱中症のリスクを冒して長時間炎天下にいなきゃいけない場所のどこが子供のためだって話だ。結局モノの価値は最終的にはそれ相応となる。チケットの販売額を上げないと、前売券でいえば転売屋がその分儲かるだけであり、当日券でいえばその分観客に長時間並ぶという金額以上の負荷を負わせいるので、並ばなくてもいいならチケットもっと出すよって人は多いはずだ。チケットを高額にすることで、マナーの悪いファンを締め出す効果もあるだろう。ちょっとではあるが値上げした今大会でも、入場者数は増えてこの有様だったので、いっそのこと値段を3倍~5倍とかにしてしまってもいいだろう。

あとは観客の効率収納も課題であり、当日券が売り切れているのに空席が目立つということもあった。これに関しても試合ごとに入れ替わる区域を現在のアルプスだけからもっと増やしていいかと思う。実際に1日3・4試合をフルで見るという人間が多くなく、また特定のチームを見たいという需要もある以上、スムーズな入れ替えやチケットの確認という課題はあるもののこの方法をとるしかない。


以上です。高野連にはここら辺の問題と向き合ってもらい、見る方もやる方もみんなハッピーになれる甲子園というのを101回目以降では実現して欲しいものです。

ガラにもないことを、字ばっかりの読みづらい形で書いてすいません…。


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夏の甲子園のベストナインを選んでみた

大阪桐蔭の連覇で幕を閉じた第100回全国高等学校野球選手権記念大会…そんな今大会の個人的に選んだベストナインです。
※選考基準は甲子園での活躍のみで、プロ注だとか過去の活躍は関係なしです


ピッチャー
吉田輝星 金足農3年

150㌔をマークした剛腕は今大会最多の62奪三振、連投となった終盤では変化球を低めにあつめるピッチングで日大三から1失点完投勝利。またその投球で打線を奮起させ、自らも3番打者としてホームランを放つなど、金足農の準Vさらには今大会の主役となった。
20180814金足農 吉田


キャッチャー
菊地亮太 金足農3年

金足農の正捕手として、特に終盤は疲労の溜まった吉田を巧みにリードして金足農を準Vに導く。打撃でも日大三戦では3安打を放つなど、大会通じて打率.421をマークし、ノーヒットだった秋田大会とは別人のような活躍をみせた。
20180814金足農 菊地亮


ファースト
高橋佑輔 金足農3年

横浜戦では板川のフォークをバックスクリーンに運ぶ逆転3ラン(これが高校初アーチ)で強豪撃破の立役者となる。他にも鹿児島実業戦、大阪桐蔭戦でも2安打を放つなどして打率.350をマークした。
20180814金足農 高橋


セカンド
矢野功一郎 済美3年

中央学院戦では4安打、星稜戦では甲子園の歴史に名を遺すであろうタイブレークでの逆転満塁サヨナラホームラン、報徳学園戦でも2安打を放つなどして済美の1番バッターとして打率.391をマーク。
20180812済美 矢野


サード
北村恵吾 近江3年

智弁和歌山戦では豪快に2ランホームラン2本、その後も常葉大菊川ではタイムリー4本の6打点の活躍など近江の4番として4試合全てで打点をマークして今大会トップの12打点をあげた。
20180813近江 北村

ショート
根尾昂 大阪桐蔭3年

沖学園戦と金足農戦ではバックスクリーンに、浦和学院戦では左中間スタンドに3試合でホームランを放つ活躍で打率.429をマーク。守備でも二遊間に抜けそうな打球を好捕するなどその高い才能を見せつけた。
20180813大阪桐蔭 根尾


外野
藤原恭大 大阪桐蔭3年
沖学園戦ではレフトスタンドに、浦和学院戦ではライトスタンドとバックスクリーンと3方向にホームランを放つなど大阪桐蔭の4番として大会最多の12安打で打率.465。浦和学院戦では自慢の強肩でスーパー捕殺もマークした。
20180813大阪桐蔭 藤原


宮崎仁斗 大阪桐蔭3年
打率.434、8得点と大阪桐蔭の1番バッターらしい活躍。試合を重ねていくにつれて打撃の調子をあげていくと準決勝の済美戦では3安打、決勝の金足農戦では試合を決める3ランを放つ活躍をみせた。
20180813大阪桐蔭 宮崎


政吉完哉 済美3年
中央学院戦では決勝タイムリーを放つと、星稜戦では8回に逆転3ランを放ち、タイブレークではサヨナラ満塁弾を演出する見事なセーフティバントを決めた。元は守備が魅力のセンターであったが、今大会では.438と打撃でも活躍。
20180812済美 政吉


以上です。異論は認めます。


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東京ガス×社会人日本代表【オープン戦】

8/19 オープン戦
東京ガス×社会人日本代表@東京ガス大森グランド

アジア大会に参加する社会人日本代表が直前合宿を行っていて、この日は東京ガスとのオープン戦です。

試合経過

20180819東京ガス×日本代表
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


初回、日本代表の先発は岡野は東京ガスの1番小林に四球を与えてしまうと、盗塁でいきなり得点圏にランナーを背負う。しかし2番臼田を三振に仕留めて仕事をさせないと、続く3・4番も打ち取って初回のピンチを無失点で切り抜ける。直前合宿の中で1試合目のこの試合の先発に起用されたということは石井監督からはエースとして期待されているということであり、岡野が日本代表の意地をみせた形となった。

一方東京ガスは野村ー久米というルーキーバッテリーで試合に臨む。野村は大学の頃はストレートで押していく投手であったがこの日は大きく曲がるカーブなどでしっかりと緩急をつけたピッチングで、橋戸賞の3番近本から三振を奪うなど初回は完璧な立ち上がりをみせる。しかし2回裏、日本代表の先頭4番笹川はチームメイトということもあってか初球のカーブを狙い打ちしてレフト前ヒットで出塁。続く喜納も初球をたたいてファーストの横を破り無死1・3塁とする。ここで6番森下も3人続けての初球打ちで強烈な打球を放つもこれがショート正面でゲッツー。ただ間に笹川がホームインし、日本代表が先制する。

日本代表は4回裏にも近本・笹川の連打と四球で満塁。ここで迎えた7番岡部を追い込んだ野村は果敢にインコースを攻めるも、これが肘に当たってしまい押し出しの死球となり、日本代表が2点目をあげる。笹川はこの2点目においても重要なヒットを放ち、今日の打線の中で1番味方を苦しめたバッターであった。
20180819日本代表 笹川
容赦なく味方から得点に繋がる2安打をマークした日本代表4番笹川

岡野は最初に四球を出した後は4回までパーフェクトというピッチング。そして日本代表の5回のマウンドには2番手として臼井が上がる。(次の日にHondaとの試合もあるので)わざわざ味方相手に臼井投げされなくても…とは思ったが、臼井は5・6回を2奪三振パーフェクトに抑える。今でこそ東京ガスのエースである臼井だが、大学・入社当初はリリーフエースであり、各チームのエースが揃う日本代表では今日のようにリリーフでも使うことができそうであった。
20180819日本代表 臼井
味方相手であるが2回パーフェクトピッチングをみせた日本代表2番手の臼井

7回表、日本代表は3番手として高橋がマウンドに上がるも、先頭の臼井にヒットを浴びる。これが東京ガスにとって初のヒットであったが、1死後に笹川に代わって4番を務めた中山がセカンドゴロ併殺に倒れてしまい無得点。

7回裏に東京ガスは難波をマウンドに上げる。難波はコンパクトなフォームから岡部・代打の堀米を完璧に打ち取るが、9番北村には追い込んでから甘く入ったスライダーをレフトスタンドに運ばれてしまう。北村は非常に器用なバッティングが持ち味であり、この北村を9番に置けるのはやはり代表の強みである。この試合では2打席目にはセーフティを見事に失敗してヤジられるなど凡退が続いていたが、7回に2死ランナー無しから貴重な追加点となる1発を放ったのであった。
20180819日本代表 北村
7回に貴重な追加点となるソロを放った日本代表9番北村

日本代表は8回から荒西が登板。Honda熊本では連戦を投げ切るエースであるが、今回のチームでは唯一のサイドスローであり、リリーフとして期待がかかる。この試合でも2イニングを投げて許したヒットは庄野の内野安打1本のみであり、代打山内を外角に逃げるスライダーで三振にとるなど持ち味を十分に発揮してゲームを締めた。結局日本代表が岡野→臼井→高橋→荒西と2安打完封リレーで3-0と勝利した。



日本代表の投手陣はさすがというところであった。エースとして期待される岡野はその期待通りの投球であったし、臼井・荒西といったチームではエースの投手も見事にリリーフをこなして見せ、今日のところはアジア大会に向けて盤石といえるだろう。先発は岡野に加えて、堀や吉川も期待され、エース佐竹をどのように使うのかも注目である。守備も安定していて、サード田村、ショート青柳など都市対抗とは異なるポジションでも問題なくこなせていた。

打線は6安打3得点ということでやや物足りない感じ。近本・笹川・喜納といった中軸にはヒットが出たが、その前後はノーヒットであり、本番に向けてまだまだレギュラーの入替もありそうだ。打線の中でも注目なのはやはり都市対抗で橋戸賞を受賞した近本。代表ではチームでの5番センターよりも重要な3番センターを務めていて、この試合では第2打席に2点目のきっかけとなるセンター前ヒット。塁に出ると都市対抗で圧倒的な走力を見せつけたことも災いしてか、執拗に牽制が飛んできて、あわやアウトというものもあった。今日の試合ではバント・盗塁0と機動力は全く使えていないので、近本にはそういう役割も求めたい。まぁ個人的には1番松本・3番近本なら逆にして俊足の近本を1番において自由に走ってもらいたいところである。
20180819日本代表 近本
この試合では3番センターでスタメン出場を果たした日本代表の近本


東京ガスは臼井・笹川・地引と中心選手を相手にとられている状態ではあり、相手は社会人球界屈指の投手たちではあるが2安打で2回以降は2塁も踏めない状態で完封負けは情けなさ過ぎた。来年には笹川もいなくなることが濃厚なわけで、代わりに4番に入った中山、外野のスタメン奪取を狙う小野田あたりにはもっとしっかりして欲しいところだ。

東京ガスとしての収穫は先発したルーキーの野村であろう。野村は140㌔中盤のストレートに、大きく曲がるカーブやチェンジアップでしっかりと緩急をつけて、その他にもスライダーを投げていた。3年春に大学野球選手権で見たときはリリーフということもあり、ストレートで押していくというイメージであったが、社会人になってピッチングに非常に幅が出てきたという印象だ。社会人のトップクラスのバッターばかりの打線に相手に6回2失点は評価できる結果であるし、知り尽くされた笹川さえいなければ無失点も夢でなかった。この秋には臼井がプロ入りすることが濃厚な投手陣にとっては、来年に向けて明るい光が差し込んだといえる。

20180819東京ガス 野村
日本代表相手に6回2失点の好投をみせた東京ガスの先発野村


Pickup Player
岡野祐一郎 東芝 投手
~日本代表のエースへ~
この試合で先発を任された岡野は最初の打者に四球を与えてしまったものの、それ以外はパーフェクトという完璧なピッチングであった。

岡野は聖光学院では歳内(阪神)の後を継ぐ形で2年秋から聖光学院のエースとなる。1個上には歳内だけでなく、芳賀(日立製作所)もいて重要な試合ではなかなか登板はなかったが、福島大会の初戦で5回参考ながらノーヒットノーランを達成すると、途中32回連続無失点を達成するなどして、この秋で計59回6失点、防0.15という大車輪の活躍で東北準Vを果たす。翌春のセンバツでは初戦で鳥羽を完封するも、2回戦で横浜に打ちこまれ敗退。3年夏も甲子園出場を果たすと、前年度王者の日大三から1失点完投勝利も、続く浦和学院には3回6失点と打ち込まれてしまった。ただその実力が評価され大会後にはU18日本代表にも選出された。

青山学院大に進学すると1年春よりリーグ戦で登板を果たし、2年春からは先発の一角を担う。ただこの間チーム自体が低迷していて、岡野は2年秋には防御率2.08であったが0勝5敗という成績で、入替戦でも3連投を果たすも惜しくも敗れて2部降格となった。以降戦いの場はずっと2部であったがエースとして青山学院大を牽引した。

東芝では入社直後よりエースとなり、都市対抗予選ではJX-ENEOSを完封。本戦でも日本薬戦・JR東日本戦で先発を務めてチームの4強入りに貢献、秋の日本選手権ではJR四国を完封するなど1年目から活躍し、オフにはJABA選抜のメンバーとして台湾ウィンターリーグに参戦し、最多奪三振をマークした。2年目の今季もエースとして活躍し、都市対抗1回戦ではトヨタ自動車東日本を6回1失点に抑えていて、社会人日本代表の日本代表にも選出された。

この試合で先発のマウンドに上がった岡野は、いきなり先頭の小林四球を与えてしまうというコントロール抜群の岡野らしくない立ち上がり。しかし続く臼田にバントをさせずに三振に仕留めると、3・4番も持ち前のツーシームで内野ゴロに打ち取りピンチを切り抜けた。ストレートはスカウトのガンをのぞき見したことろ140㌔中盤で、これにツーシーム・カットボール・スライダー・フォークといった多彩な変化球を交えるピッチングであった。2回以降は完全に岡野のペースでテンポよく東京ガス打線を打ち取っていき、気づけば小林以降の打者は全員アウトでランナーも出ないという状態。このまま予定されていただろう4回を投げ切り、4回無安打無失点という好投であった。

今回の最終合宿の対外試合の初戦の先発ということは石井監督も岡野を柱にと考えている可能性は高い。それに応える見事な投球で、ドラフト解禁となる秋に向けて観戦していたスカウトにもいい印象を与えたことであろう。ジャカルタでもこの調子で活躍して、是非とも金メダルを持ち帰って欲しいものだ。

20180819日本代表 岡野
4回ノーヒットピッチングと日本代表のエースらしいピッチングをみせた岡野


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U18日本代表のメンバーを予想してみた

夏の甲子園も終盤に差し掛かり、その後には第12回 BFA U18アジア選手権が9/3~@宮崎で開幕する。この大会のU18日本代表メンバーに誰が選出されるかということは高校野球ファンなら注目することであり、甲子園の大会期間中にはこのメンバーが発表されるというので、勝手にメンバーを予想してみた。

とうことで個人的な予想のメンバーが以下の通り↓
U18日本代表予想_2018

投手
この夏の甲子園でも圧倒的なピッチングを見せている吉田・渡邉・柿木の3人に右腕が中心。この3人に加えて秋の神宮大会優勝右腕であり、ピッチングの完成度が高い市川はサイドスローという変則であるという意味でも必要。この4人の右腕は確定と思われる。対して左腕は今年はやや人材不足気味であり、1次候補にも選ばれたいた横浜のエース板川とセンバツで9回までノーヒットピッチングを繰り広げた増居を選出してみた。ただ大阪桐蔭から11個の三振を奪った山田(高岡商)、準決勝・決勝の結果次第では日大三のリリーフエースとして活躍している河村(日大三)の可能性もある。ラスト1人は151㌔右腕の引地を推したい。それなら引地に投げ勝った西(創志学園)の方が…という話でもあるが、他にも奥川(星稜)や佐々木(大船渡)なども含めて2年生は秋季大会を考慮すると結局選べないのでは?という前提のもと、3年生のみのメンバー構成。ただ小寺(龍谷大平安)・木村(報徳学園)・山口直(済美)ら甲子園で結果を残した選手が引地に代わる可能性は大いになると思う。

20180813大阪桐蔭 柿木
大阪桐蔭:柿木

20180814金足農 吉田
金足農:吉田


捕手
正直今回1番迷ったのが捕手である。というのも昨年の中村(広陵→広島)のようにチームの大黒柱になれるような目ぼしい捕手は今年はいないからである。ということで、勝者のメンタリティーを持っているという意味でも1次候補から小泉をそのまま選出。もう1人は今大会に出場した中で評価をあげた根来を選手してみた。個人的には総合力の高い田宮(成田)や打力のある石𣘺(関東一)も選びたいが、全国の舞台で活躍できていないために選出は厳しいとみた。また有馬(近江)は今大会の捕手の中でもNo1ともいえる捕手であったが、2年生ということでこちらも新チームのことを考慮すると選出は厳しいとみた。

20180814常葉大菊川 根来
常葉大菊川:根来


内野手
根尾・小園の2人は言うまでもなく確定として、これに加えて今大会で2試合連続ホームランを放った花咲徳栄の4番野村佑も確定と思われる。サードは大阪桐蔭の主将であり、このチームでも選出されれば主将を務めるだとう中川を筆頭に、大阪福島シニアコンビで中川とチームメイトだった早実の4番野村大も有力。野村大は最悪3人目のキャッチャーとしても期待したい。セカンドの本職が欲しいので大阪桐蔭から山田を選出。大阪桐蔭の選手は根尾・中川・山田と3人とも複数のポジションをそつなくこなすので使い勝手がよく、同様に野村佑も外野などもこなせる。若干大型の選手が多くなってしまったので、小松(東海大相模)・齊藤(横浜)・矢野(済美)といった足も使えるセカンド候補を山田の代わりにいれるのもアリかと思う。

20180813大阪桐蔭 根尾
大阪桐蔭:根尾

20180812報徳学園 小園
報徳学園:小園

外野手
藤原は言うまでもなく確定で、1次候補にも選ばれていた蛭間も今大会でホームランに守備でもファインプレー連発であり固い。最後の1枠を濱田と森下(東海大相模)で悩んだが、1次候補にも選ばれているぶん濱田にしてみた。

20180813大阪桐蔭 藤原
大阪桐蔭:藤原

20180812浦和学院 蛭間
浦和学院:蛭間



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横浜×花咲徳栄【選手権大会2回戦】

8/14 選手権大会2回戦
横浜×花咲徳栄@阪神甲子園球場

夏の甲子園連覇を狙う花咲徳栄と、大阪桐蔭に次ぐ最強世代と呼び声の高い横浜という2回戦屈指の好カードです。


試合経過

20180814横浜×花咲徳栄
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


花咲徳栄はエース野村に対し、横浜はエース板川でなくU18日本代表候補にも選ばれた2年生左腕の及川。夏の大会前に行った練習試合(の1試合目)と同じ両先発で試合が始まった。

花咲徳栄は1回裏、先頭の橋本がヒットで出塁とワイルドピッチで2塁へ進むと、3番韮澤がセンター前に弾き返し先制する。1・2回と野村の前に抑えられていた横浜だが3回表、先頭の及川が四球で出塁し、遠藤が送ってチャンスを作ると、2死2塁から河原木がレフト前にタイムリーを放ち同点に追いつく。

そして4回表、横浜は先頭の内海が左中間に2ベースを放つと、続く角田がスライダーを捉えてレフト前にタイムリーを放ちあっさりと勝ち越し。そこから長南の2ベース、さらには及川のピッチャーゴロを野村が1塁に暴投してしまい満塁となると、9番遠藤の2点タイムリー。山崎は死球で再び満塁となると、河原木が2打席連続となる2点タイムリーを放ち、この回ノーアウトのうちに5点をあげて花咲徳栄の野村をKO。
20180814横浜 遠藤
4回に2点タイムリーを放つ横浜9番の遠藤

代わった2番手中田は齊藤に犠牲フライを浴びるも、万波・内海から連続三振を奪い、横浜の長い攻撃を断ち切る。中田はその後、6回にも齊藤にタイムリー2ベースを浴びてしまい1点を失うも、8回まで計5回を投げて1失点の好投。中田は秋・春と花咲徳栄の背番号1を背負った186㎝右腕。しかし特にエースとして期待された春の関東大会では専大松戸・東海大相模と強豪に打ち込まれてしまい、この夏はエースの座を野村に譲る形になっていた。しかしこの試合ではストレートはMax143㌔をマークするなど、そのポテンシャルに似合う球威に成長していて、もともと得意であった縦のスライダーとのコンビネーションで横浜打線から三振6個(5イニングで)など好投。結果論だけでいれば、中田が最初から登板していれば…という試合展開であった。
20180814花咲徳栄 中田
花咲徳栄の2番手として5回1失点の好リリーフをみせた中田

7点差をつけられてしまった花咲徳栄だが中盤以降に反撃に出る。6回裏は先頭の韮澤がストレートの四球で出売りすると、続く4番野村が2球目のストレートを弾丸ライナーでレフトスタンドへ。野村の甲子園で2試合連続、高校通算58号となる2ランで花咲徳栄が2点を返す。続く7回裏にも1死から1番橋本がレフトスタンドにソロホームランを放ち、及川をマウンドから引きずり下ろす。
20180814花咲徳栄 野村
反撃の狼煙となる2ランを放った花咲徳栄4番の野村

降板となってしまった横浜の期待の及川は結局7回途中4失点という内容。Max150㌔を超えるストレートは先発ということもあり145㌔止まりで、打たれたホームラン2本もこのストレートであった。序盤からランナーを背負う苦しいピッチングであったが、それでも序盤は粘り強くピンチを凌いでいたが、点差が空いたこともあり、中盤以降はやや甘く入ったところを捉えられてしまった。ストレートは捉えられた一方、130㌔を超えるスライダーは鋭いものがあり、徳栄打線はこのスライダーに手を焼いていて、ワンバンのスライダーを振ってしまう場面も多く見られた。実際に及川が奪った三振8個のうち、6個はこのスライダーであった。及川のピッチングはほぼほぼこのストレートとスライダーのみであったので、先発でやるにはカーブやチェンジアップなどの緩急をつけられる変化球が欲しいところ。もう1種類があれば、ストレートも狙い打たれずにもっと生きてくることだろう。
20180814横浜 及川
7回途中4失点であった横浜先発の及川

及川の代わりに横浜のマウンドにあがったエース板川は7回は後続を抑えるが、8回に羽佐田・倉持に連打を浴びたところで降板(レフトに回った)。代わった黒須がこのピンチを凌ぐも、個人的には板川はストレート中心で攻めていて、まだまだ本来の持ち味である変化球もそこまで使っていなかったので、わざわざ投球したエースをあっさり代えたところは意外であった。

花咲徳栄は上述の通り反撃に転じていたが、結局得点はホームランのみであり、4-8と4点ビハインドで最終回の攻撃を迎える。
この回の先頭の田谷野が死球で出塁すると、球場全体はいっきに花咲徳栄の応援ムードに…。これに黒須も飲まれてしまったか、その後橋本・韮澤に四球を与えてしまい、1死満塁のホームランで同点という場面で4番野村を迎える。野村に対してはファール2球で簡単に追い込んだ黒須は、インコースのストレートで野村を詰まらせることに成功するが、この打球がサード前のボテボテの当たりとなり、これが内野安打となってしまう。

羽佐田はファーストファールフライで後がなくなった花咲徳栄であるが、倉持は押し出しの死球となる。これで黒須はこの回だけで4四死球となってしまい、球場全体がさらにさらに花咲徳栄ひいきとなる中でとますます空気にのまれてしまっていて、試合後には「足が震えた」と話していた。ただこの展開で緊張するのは、横浜だけでなく打席に立つ花咲徳栄も同じであり、2点差で2死満塁と長打が出れば逆転サヨナラという重大な局面で命運を託された1年生の井上にかかるプレッシャー半端ない。カウント3B2Sから黒須が投じたスライダーは引っかかってしまい、明らかなボール球であったが、井上がこれに手を出してしまい三振。井上は春季大会では東海大相模戦で9回2死から同点打を放った強心臓の持ち主であるが、最後は普段は振らないであろう完全なボール球に手を出してしまった。最後は花咲徳栄の猛反撃に遭いながらも、横浜が何とか逃げ切って3回戦進出を果たした。
20180814横浜 黒須
苦しみながらも最後なんとか徳栄の反撃を振り切った横浜3番手の黒須



やはり4回の横浜の6点で試合が決まることとなってしまった。花咲徳栄としてはエース野村が完全に横浜打線に捕まった。花咲徳栄はここ最近は高橋昂(広島)、昨年は綱脇(東北福祉大)・清水(中日)と強力なエースを擁して勝ち上がっていたが、今年に関してはこのエースに困る形となっていて、これが最後も出てしまったところはある。4番打者であった野村はMax146㌔を誇り、現チームでももともと投手としての能力は随一であった。しかし野村の最大の魅力は打撃であり、将来的なことは負担の大きさも考慮したか岩井監督は野村をエースとはせず、秋は重要な試合でのリリーフのみ、春は登板なしという使い方をした。しかし代わりにエースと目された中田ら投手陣は結果を出すことができず、最後の夏は野村をエースにすることとした。北埼玉大会では31回4失点という大車輪の活躍であった野村も、1回戦では鳴門打線に序盤に打ち込まれるなど苦戦していて、この日の内容を踏まえても決して調子は良くなかった。結果だけから見れば野村の投手としての経験は十分とは言えずに、結局野村をエースにするなら秋・春ともっと野村を投手として使って経験を積ませていれば良かったということだ。野村をエースにした後に、それに奮起してか中田のストレートの威力も増して、今日2番手として好投を見せたのは何とも皮肉な結果となってしまった。

打線では来年のチームを背負うことになるだろう2年生勢の活躍が光った。特に橋本はこの試合3打数3安打2四死球の大当たり。全打席で出塁して、3得点と1番打者としての役割を見事なまでに果たした。先制タイムリーの韮澤も見事なバッティングであり。その後は横浜バッテリーに警戒されて2四球。5番羽佐田、最後に三振を喫してしまった7番井上もある意味非常にいい経験をしたことなり、この4人を中心とする秋からのチームも強力打線は受け継がれることだろう。
20180814花咲徳栄 橋本史
ホームランを含む3打数3安打の活躍をみせた花咲徳栄1番の橋本

対する横浜は勝ったけど何とも危なっかしい試合であった。特に最後の投手起用には個人的に疑問が残った。まず7回途中から投入したエース板川をあっさりと降板させてしまい、わざわざレフトに残しておいたのに、黒須が完全に空気にのまれる中でマウンドに戻すことはしなかった。右打者の多い徳栄打線には右の黒須の方が適している、実際に黒須が打たれたのは野村のボテボテの内野安打のみという話もあるが、1イニング4四死球は多すぎであり、最後もボール球を振ってくれなけば…という展開であった。やはり最後の場面はバッター杉本のあたりで経験豊富なエース板川もマウンドに戻すべきであったと思う。

打線は4回の猛攻は見事であり、好投手の野村を見事に攻略した。結局この試合ではピッチャーと万波以外は全員がヒットを放ち、どこからでも点のとれる強力打線を見せつけた。まだ甲子園に来てから万波にヒットが出ていないのはやや不安であるが、この日も第4打席に特大のレフトフライ、第5打席に強烈なセンター後方のライナーと内容は悪くない。もともとは大阪桐蔭に匹敵するほどの最強世代との声もあった横浜の現チームだけに打線がこのままの勢いを保持できれば上位進出は確実であるといえる。
20180814横浜 万波
早く甲子園での1本が欲しい横浜4番の万波


Pickup Player
河原木皇太 横浜3年 外野手
~堅実な活躍で見事に3打点~
この試合横浜打線で最多の3打点をあげたのは万波でも長南でも齊藤でもなく、2番に入った河原木であった。

河原木は2年夏の神奈川大会で背番号20の控えキャッチャーとしてベンチ入りも、ベンチ入り人数が20→18となる甲子園ではベンチ外となってしまい、甲子園ではボールボーイを務めめた。2年秋は吉原との正捕手争いを繰り広げ、公式戦初スタメンとなった秋季大会の初戦となった三浦学苑戦では3ランを放つ活躍を見せていた。しかし3年春には角田が捕手に復帰したこともあり、打力を生かすためにも外野へコンバート。万波・長南・小泉とドラフト候補ともいえる3人相手にレギュラー争いを繰り広げ、3年春の関東大会では背番号9を手にした。3年夏の南神奈川大会では大会直前に投球を顔面に受けて骨折するも、執念で出場して打率.300をマーク。ただ試合ごとにスタメンが代わってはいたが、打席数でいえば万波・長南・小泉に次ぐ4番目であった。

それでも甲子園では南神奈川大会で不調だった小泉をベンチに追いやり、初戦の愛産大三河戦に2番ライトで出場すると、7回にはソロホームランを放つなど2安打の活躍。重要な1戦となったこの試合でも動揺に2番ライトでスタメン出場を果たした。すると1点ビハインドの2死2塁で迎えた第2打席で追い込まれながらも野村のストレートをレフト前に弾き返す同点タイムリー。さらにビックイニングとなった4回の第3打席でも満塁から、今度は初球のスライダーをレフト前に運ぶ2点タイムリーを放った。結局この試合も5打数2安打3打点という見事な活躍であった。

決して万波・長南のようなパワーがあるわけではなく、また小泉ほどの身体能力があるかわけでもなく169㎝と横浜にしては小柄な選手で、他の3人のように期待されて1年春からベンチ入りを果たしていたわけではない。それでも重心を低くした安定したフォームからボールを的確に捉えることができいて、春からコンバートしたばかりの外野守備でも、この日は7回に田谷野のライト前方のライナーをダイビングキャッチするというファインプレーを見せ、キャッチャーだっただけあって肩もいい。万波・長南・小泉が爆発力はある一方、調子を崩すことも多い一方、河原木は春以降安定した活躍を見せていた。そんな河原木の堅実な活躍が、この後もトーナメントを勝ち上がっていくうえで横浜には必要なはずである。

20180814横浜 河原木
2本のタイムリーで計3打点を叩き出した横浜2番の河原木



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八戸学院光星×明石商【選手権大会1回戦】

8/11 第100回全国高校野球選手権記念大会1回戦
八戸学院光星(青森)×明石商(西兵庫)

試合経過

20180811八戸学院光星×明石商
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


光星は1顔思いて、先頭の近藤のセンター前ヒットと武岡のバントで2死2塁のチャンスを作る。迎えた4番東が変化球をうまくすくいあげると、打球はライトのポール際に飛び込む2ランとなり八戸学院光星が2点を先制する。
20180811八戸学院光星 東
先制の2ランを放つ八戸学院光星の4番長南

明石商は1回裏に、先頭のスーパー1年生来田がサード強襲ヒットで出塁し、バントと3番で主将の田渕のライト前ヒットで1死1・3塁のチャンスを作る。ここで1塁ランナーの田渕がわざと挟まれて、その間に3塁ランナーの俊足来田がホームインし1点を返す。

八戸学院光星は2回表、秋山の2ベースと四球で1死1・2塁としたところで明石商は先発の加田を早くも諦めて背番号1の福本を投入。この夏背番号3ながら実質的なエースとして投手陣を牽引してきた加田だが、この日はコントロールが甘くも持ち前のコントロールで打ち取るピッチングができなかった。そして代わった福谷も光星打線の勢いを止めることができず、近藤・武岡に連続タイムリーを浴びてしまう。さらに長南のセカンドゴロエラー、4番東のレフト前タイムリーと継投もむなしくこの回4点を失ってしまう。

福谷は4回にも近藤に2ベース、武岡にセンター前タイムリーと同じく連打を浴びてしまい1点を失う。八戸学院光星の1番近藤、2番武岡はともにバットコントロールのいい左の巧打者で4回まで2人合わせて5打数5安打(1犠打)と大活躍であった。
20180811八戸学院光星 近藤
この試合では4安打を放った八戸学院光星の1番近藤

明石商の反撃は4回裏、光星のファースト但井のエラーから植田のヒットで1・3塁とすると山本のヒットでまず1点。続く福谷がタイムリーで2点目をあげると、四球と水上のヒットで満塁としてから3番田渕に2点タイムリーが飛び出し5-7と2点差に迫る。そんな明石商の追い上げムードであったが、光星は5回表に先頭の4番東が今度は左中間にソロホームランを放ちリードを3点に広げる。
20180811明石商 田渕
追撃の2点タイムリーを放った明石商の3番で主将の田渕

八戸学院光星は6回からエース福島に代わり、左腕の成田をマウンドにあげる。成田は昨夏は大一番の青森山田戦で先発するなど福山と左右の2枚看板として期待されていた投手だが、春に左肘靱帯を部分損傷し、青森大会ではベンチ外。甲子園からベンチ入りメンバーに復帰していて、これが久しぶりのマウンドとなった。6回はヒットを2本浴びながらも、相手のベントミスなどにも助けられて無失点で切り抜けたが、7回に明石商打線につかまってしまう。四球→右田のヒット→送りバントで1死2・3塁のピンチを招いてしまうと、続く植本の内外野の間のフライはセカンド近藤が深追いしすぎたこともありポテンヒットになってしまう。続く植田は今後は綺麗にセンター前に運ぶタイムリーを放つと、8番山本はサード前に見事にスクイズを決めて、明石商が最大6点あった差を縮めて同点とする。八戸学院光星としては4回・7回と明石商にビックイニングを作られてしまったのだが、4回は但井のエラー、7回は同様に明らかに捕れたフライをポテンヒットするなど、両イニングともに守備のミスが大きく起因してしまっていた。

次にどちらが点をいれるかがそのまま勝敗に直結するともいえる試合終盤。光星は8回表にファーストエラーと近藤のヒットで2死1・3塁と勝ち越しのチャンス。すると明石商はここでピッチャーを福谷→1年生の中森に交代。中森は西兵庫大会では投球回数1/3のみであったためにこの起用は驚きであった。しかしこのピンチは近藤の盗塁死により逃れると、続く9回はMax145㌔のストレートを軸に、ここまで2ホーマーの東が三振を奪うなど光星の2番からの好打順を完璧に抑えてみせた。一方の明石商も、8回・9回ともに先頭打者を四球で出して光星の3番手中村を攻め立てるも、要所では中村が踏ん張って、試合は8-8のまま延長戦に突入する。

10回表、光星は1死から矢野が四球で出塁すると、続く下山は頭部へのデットボールで負傷交代。これには1年生ながら堂々としてピッチングを見せていた中森も動揺したか、その後2死1・2塁からピッチャ-の中村のに三遊間を破られてしまう。ただもともと外野は前目に守っていて、2塁ランナーの矢野も3塁を回って1度は足を止めたが、これをレフト来田がファンブルする間に一気にホームイン。その裏を中村が3人で抑えて、光星が勝利。夏の甲子園初出場初勝利を狙った明石商は惜しくも敗れた。


敗れてしまった明石商だが2人のスーパー1年生は強烈なインパクトを残した。まず来田は高校入学時には大阪桐蔭を含めた30校近くから誘いがあった(と噂の)選手であるが、明石商で昨年3番を打っていた兄(日体大1年の来田渉悟)の無念を晴らすべく、市立の明石商に入学。西兵庫大会では1番バッターとして打率.350に7盗塁の活躍を見せ、1年夏で早くも兄の無念を晴らすという目標を達成した。この試合でも1番レフトとしてスタメン出場すると、4度の出塁をするなど1番バッターとしての仕事を果たした。中森は西兵庫大会では1/3イニングのみの登板であったが、この試合では同点の8回のピンチという重要な場面で登板。相手の盗塁死で切り抜けると、続く9回もそのままマウンドにあがり、この大会で1年生最速となる145㌔をマークして光星打線を圧倒した。それでも10回のピンチでは中森がヒットを浴びてしまい、それをレフトの来田がファンブルする間にランナーが一気にホームイン。つまりはこの2人が決勝点に起因してしまったのだ。ただ2人ともにこのまま成長しれいけばドラフト候補ともいえる存在であるために、この悔しさをバネに秋以降はチームの中心として頑張って欲しい。
20180811明石商 中森
今大会1年生最速となる145㌔をマークするなど素晴らしい投球をみせた明石商の中森

序盤は久しぶりに持ち前の強力打線が甲子園で見られたという感想。上述した近藤・武岡の1・2番コンビがチャンスを作って、4番東が返すという攻撃パターン。この日は東と並ぶ打線の中軸である3番長南は5打数ノーヒットとブレーキとなってしまったが、それでもこれだけ点がとれたのは心強い。

光星にとっては、東邦に大逆転負けを喫したあの試合以来の甲子園の舞台。この試合も中盤以降、明石商が追い上げると、明石商が地元の市立校というこも合い重なって、甲子園の観衆は明石商びいきとなっていた。そして同点に追いつかれることとなったが、そこで踏みとどまり延長戦の勝ち越しに繋げたのは1つチームとして成長できた部分なのではないか?その立役者は8回から3番手としてマウンドにあがった中村。中村は8回・9回ともに先頭の四球で出してピンチを招いてしまうが、ピンチの場面ではMax137㌔のストレートにそれと球速差の少ないスライダーを右バッターのアウトコースにきっちり投げることができていて得点を許さない。10回には自らのバットで勝ち越すと、その裏の攻撃を3人で抑えてゲームセット。結局中村は打っては決勝打、投げては3回無安打無失点の好リリーフであった。
20180811八戸学院光星 中村
3回無失点リリーフに決勝打となるヒットも放った八戸学院光星の3番手中村

Pickup Player
東健太郎 八戸学院光星3年 外野手
~予選の不調を吹き払う左右への2発~
八戸学院光星の強力打線を牽引したのは、2ホーマーにタイムリーで3安打4打点の活躍をみせた4番の東であった。

東は2年秋からベンチ入りを果たし、5番レフトでレギュラーを獲得。ホームランが増えてきた3年春からは4番を務め、春季東北大会では準決勝・決勝でそれぞれ2安打ずつを放つ活躍をみせた。しかし夏の青森大会では準決勝までで12打数2安打と不調に陥り、決勝戦では2ベースと3ベースを放つ活躍を見せるも、大会通して打点2と成績を残せなかった。

それでもこの甲子園の初戦でも4番に座ると2死2塁で迎えた第1打席、加田のインコースのチェンジアップをとらえると打球はライナー性でライトポール際に飛び込む2ランとなり光星に貴重な先制点をもたらす。続く第2打席では今度はレフト方向にうまく流し打ってタイムリーヒット。そして圧巻であったのが第3打席、明石商の追い上げで2点差に迫られた直後の攻撃の先頭打者であった東は福谷のストレートをとらえると打球は左バッターにとっては1番深いところであろう左中間スタンドに吸い込まれた。東は180㎝80㎏と今回の光星のメンバーの中でも1番ガッチリした体格で、しっかりと重心を低くしたフォームからボールを引き付けて捉えることができるのが魅力のバッターであった。

光星では3番で主将の長南が注目される中、この日は長南が5打数ノーヒットとブレーキに…。まるで青森大会の逆のように、その長南の不調を補うべく4番東の素晴らしい活躍であった。

20180811八戸学院光星 東2
2ホーマーを含む3安打4打点の活躍をみせた八戸学院光星の4番長南



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5年前とは違って投手層の厚い浦和学院

この夏南埼玉大会を制して甲子園にやってきた浦和学院。名門の浦和学院にしては意外なことに5年ぶりの出場となる。この間に秋の埼玉大会4連覇、春の埼玉大会は5連覇、関東大会の優勝も春秋合わせて3回という成績であったのだから、本当に「なぜ夏の甲子園に出られてなかったのか?」という状態だ。

その5年前は2年生エースの小島(早稲田大4)を筆頭に、西川(Honda鈴鹿)・高田(JFE西日本)・竹村(JR東海)・山根(立教大卒)といった戦力を擁してセンバツを制すると、夏もその勢いのまま甲子園出場を果たすも、初戦では仙台育英と対戦。このときの仙台育英も上林(ソフトバンク)が4番主将を務め、馬場(阪神)・熊谷(阪神)・小林(JX-ENEOS)とプロ入り選手3人を含む戦力を擁していて、秋には明治神宮大会を制したチームであり、初戦屈指の好カードとなった。

試合は初回に制球難に陥った小島を仙台育英が攻め立てて6点を奪うも、4回に浦和学院が逆転。6回に仙台育英が追いついて10-10のまま最終回を迎える。初回から計180球以上を投げていた小島は2死からヒットを許したところで、足が痙攣して無念の降板…代わった山口が熊谷にサヨナラタイムリー2ベースを浴びるという劇的な試合であった。(詳細→浦和学院×仙台育英)
20180414早稲田大 小島
現在は早稲田大のエースとして活躍する小島


5年ぶりの出場となった今大会でも初戦の相手はなんと仙台育英。しかし浦和学院の状況は5年前とは大きく異なる。上述したように5年前は10失点してもエース小島が続投したように、投手陣は小島頼みであった。だが今年は南埼玉大会で5投手が登板し、それぞれが高い能力を見せた。

その投手陣の中心となりそうなのは南埼玉大会で準決勝・決勝と先発した渡邊。前チームから多くの試合で先発も務めるなどゲームメイクに定評のあった190㎝右腕は、春のケガから復帰すると、この夏はストレートが149㌔をマークするまでになり、プロからの視線も厚い。河北はコンパクトなフォームからストレートに加えてカットボールなどの変化球をコントロールよくボールを投げ込む右腕で、高校生らくしなく春季大会ではエース格として活躍し、この夏は背番号1を獲得した。南埼玉大会では失点0と安定感ではこの投手陣の中で随一である。春には河北とともに2枚看板んとして活躍した近野は、大胆なフォームからの威力のあるストレートと大きく縦に曲がるカーブが持ち味の本格派右腕だ。唯一の左腕が2年生の永島で、サウスポーらしく角度のあるストレートをインアウトに投げ分けることができていて、南埼玉大会では12回を投げて1失点の好成績を納めた。これに加えてMax146㌔を誇る1年生右腕の美又も控えていて、学年・タイプの異なった5投手をそろえる。
20170521浦和学院 渡邊
今大会ではエース格としての活躍が期待される190㎝右腕の渡邊

20180503浦和学院 河北
南埼玉大会に続いて甲子園でも背番号1を背負う河北


そして忘れてはいけないのが左腕の佐野。春に肩を痛めた影響で南埼玉大会では登板がなく、打力を生かしてレフトでの出場となったが、伝家の宝刀である縦のスライダーを武器に1年春から浦和学院投手陣の中核をなしてきた投手であり、本来であればエースとなっていたはずの投手だ。これだけの投手がいるので森監督も無理はさせない方針ようだが、是非とも甲子園では復活を見たい投手だ。
20170723浦和学院 佐野
甲子園では投手佐野の復活も期待される

というわけで今大会でも屈指の投手層を誇る浦和学院。対する仙台育英は昨秋の不祥事で実戦経験が少なく、今回は浦和学院が優勢とみられる。浦和学院×仙台育英戦は11日(土)であり、森監督がどのような投手起用を見せるかが楽しみである。



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夏の甲子園で期待のスーパー1年生たち

とまぁタイトルの通りなのですが、個人的に予選でも見ていてこれは凄いと思った、甲子園での活躍が期待される3人のスーパー1年生を3人紹介していきたいと思います。


井上朋也 花咲徳栄1年 外野手
生駒ボーイズ時代からボーイズ日本代表に選出されるなど注目されていた右のスラッガーは、花咲徳栄に入学すると春季大会からライトのレギュラーを獲得。花咲徳栄がいきなり1年生を起用するのは極めて異例のことで、そのために主砲の野村をサードにコンバートもしている。180㎝80㎏という体格とそのスイングスピードはまさに1年生離れしている。春季大会では所沢商戦、ふじみの戦でそれぞれホームランを放ち埼玉準Vに貢献。関東大会でも専大松戸戦で逆方向のライトスタンドに2ランを放ちチームの大逆転の口火を切ると、続く東海大相模戦では9回2死から同点のタイムリーエンタイトル2ベースを放つなど勝負強さも見せつけた。現在の打順は7番であるが、クリーンアップを打っていても遜色ない実力の持ち主である。

この夏の北埼玉大会では打率.333もホームランは無しとやや物足りなさはあった。だが大会直前の甲子園の2回戦で当たることが濃厚な横浜との練習試合では及川から2ランを放っているなど、甲子園でも豪快な1発に期待したい。
20180519花咲徳栄 井上


山田将義 二松学舎大附1年 キャッチャー
山田は中学では軟式のU15日本代表に選出された逸材で、二松学舎大附ではこの夏は背番号12ながら全試合でスタメンマスクを被った。海老原・岸川・大庭・香山とタイプの違う先輩の4投手に対して、マウンドに行って背中をポンと叩くなど物おじせずにしっかりとリードして、7番を務めた持ち前の打撃でも成立学園戦でホームランを打つなど活躍でチームを東東京大会の決勝に導いた。東東京大会決勝では、中学の都大会優勝チームのバッテリーが始球式を務めたが、昨年はこれを務めていた山田が翌年には決勝の舞台に正捕手として出場しているというのは感慨深いものがあった。その決勝でも、50㍍6.0秒という俊足を飛ばして決勝打となるタイムリー内野安打を放つなど2打点の活躍。終わってみれば打率.381で打点はチームトップの10、優勝決定後に市原監督が「山田に頼りっぱなしであった」と言ったように、決して前評判の高くなかった二松学舎大附の投手陣でチームを優勝に導いた功績も大きかった。
20180729二松学舎大附 山田


篠木健太郎 木更津総合1年 投手
木更津総合で1春から控え投手としてベンチ入りを果たしたのが篠木。関東大会でもリリーフとして活躍し、この夏の千葉大会でも5試合にリリーフとして登板。計5回を投げて、12個と高い奪三振率を誇り、甲子園出場に貢献した。篠木の魅力はでMax143㌔だがノビがありそれ以上に威力を感じるストレートで、重心をさげて肘を柔らかく使ったフォームとこのストレートはまるで則本のようであった。

自分が篠木を直接見たのは、東千葉大会の検見川戦であったがこの試合でも2回無失点5奪三振の好投。篠木の後にMax149㌔を誇る2年生右腕の根本が投げたのだが、ストレートは篠木の方が目をひくものがあった。主砲の野尻が実質上のエース格の存在となるなど、鈴木(JX-ENEOS)・早川(早稲田大)・山下(法政大)といった大エースがいた近年と投手事情が異なる木更津総合においては、甲子園でも篠木の出番は十分にありそうであり、全国の強打者に篠木のストレートがどれだけ通用するのかが楽しみである。
20180716木更津総合 篠木



他にも注目の1年生はたくさんいる。開幕戦では星稜の3番ショートで出場した内山はライト線へタイムリー2ベースを放つなど走攻守にハイレベルなプレーをみせた。ちなみに内山はU15日本代表では上記の山田のチームメイトであり、この時は内山がキャッチャーで山田が外野手であった。星稜では最終回に投げた寺西にも186㎝の長身から143㌔のストレートを投げ込み、兄の寺西建(専修大)同様に大器の片鱗を見せつけた。

初戦で敗れてしまったが、山梨学院でいきなり正捕手を獲得した栗田は山梨大会での打撃の好調さが買われて、この甲子園では3番を打つなどまさに扇の要であった。中央学院の青木も西千葉大会の山場となった習志野戦でサヨナラホームランを放つと、済美戦では打順を3番にあげて先制タイムリーを放つ活躍をみせた。

出番があるは分からないが、横浜の度会(父は元ヤクルトの度会)は南神奈川大会では5試合連続で代打ヒットを放つなど、昨年UとしてアジアチャレンジマッチでMVPを獲得した打撃センスを見せつけ、浦和学院の美又も南埼玉大会では143㌔をマークして、超がつくほど厚い浦和学院の投手陣の中で甲子園のベンチ入りに残った。

近江の土田、創志学園の森田はともに2番ショートとしてスタメンの座を掴んでいて、同じ2番でいえば高知商の西村は大打撃戦に終止符を打つ決勝タイムリーを含む3安打の大活躍であった。

100回記念となる今大会もスーパー1年生たちの活躍は見逃せない。



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2018夏の甲子園の組み合わせとベスト8予想

今年の夏の甲子園のトーナメント表です。

2018夏の甲子園トーナメント表

個人的な初戦の注目カードは
①報徳学園×聖光学院
Big3といわれる注目のショート小園率いる報徳学園は秋・春と成績を納められなかったがエース渡辺友も成長してきて例年通りの実力派チームに。聖光学院は秋・春と東北大会を制した東北No1チーム。不安であったエース衛藤も復活して、斎藤監督が「これまでで最強」といった実力はゆるぎない。
20180323聖光学院 衛藤
復活した聖光学院のエース衛藤

②浦和学院×仙台育英
浦和学院は渡辺・河北・近野・佐野・永島・美又と投手陣の厚さはNo1との呼び声が高い。意外なことに夏の甲子園は5年ぶりで、その5年前は初戦で仙台育英と激戦を繰り広げ敗れている。仙台育英は不祥事により秋以降公式戦に出場できなかったが、それ以前は聖光学院と並ぶ東北の実力チームであった。
20180503浦和学院 河北
強力投手陣の中で甲子園でも浦和学院の背番号1を背負う河北

③作新学院×大阪桐蔭
2年前の優勝チームと4年前の優勝チームの対戦。作新学院は8年連続で甲子園出場で、栃木大会では1試合平均1失点の原動力となったエース高山と2年生の林の両右腕が大阪桐蔭打線をどう抑えるかがキーとなりそう。大阪桐蔭は言わずと知れた優勝候補だが初戦だけは組み合わせに恵まれなかったといえる。
20180520作新学院 高山
作新学院のエース本格派右腕の高山

④創志学園×創成館
個人的な感覚でいえば、中国No1チームと九州No1チームがいきなり激突。創志学園はU18日本代表候補にも選ばれた2年生エース西に、岡山大会で全試合ホームランを放った4番金山と投打に充実。創成館は秋には大阪桐蔭を破った実力者で、エース左腕の川原を中心としたハイレベルな継投にも注目。
20180326創成館 川原
豊富な創成館投手陣の中核をなすエース左腕の川原

ベスト8予想は(左上から)以下の通り
・報徳学園
・浦和学院
・星稜
・大阪桐蔭
・智弁和歌山
・横浜
・木更津総合
・日大三
とさせてもらいます。

優勝予想は…つまらないですが大阪桐蔭としか言いようがないです。


以上。
明日の開幕が楽しみですね。
今年は8/10(金)~8/14(火)あたりで現地観戦する予定です。



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