fc2ブログ

【あのチームは今】~2014年大阪桐蔭~

大阪桐蔭の優勝で幕を閉じた夏の甲子園。ということで久しぶりの【あのチームは今】はその前に夏の甲子園優勝を果たした大阪桐蔭の2014年のチームです。

とはいえ、チーム結成当初から優勝候補大本命と言われていた今年のチームと違って2014年のチームは波乱万丈のスタートであった。秋季大会では投手陣が崩壊して、ライバル履正社に大阪大会の4回戦でコールド負け。近畿大会出場すらならずにセンバツ出場を逃した一方、ライバル履正社はセンバツ準Vという好成績を残した。

ただその悔しさを糧に冬場の練習を積むと、秋季大阪大会では履正社にリベンジを果たし優勝すると、その勢いで近畿大会も制覇。夏も準決勝で溝田(同志社大)・永谷(JR東日本)・寺島(ヤクルト)の3本柱を有する履正社を破ると、決勝でも中川(東洋大)が率いるPL学園を破って甲子園出場を決めた。甲子園では開星との初戦ではいきなり初回に4点を奪われるスタートも何とか逆転勝ちを納めると、2回戦では前年の甲子園で敗れた明徳義塾の岸(徳島インディコソックス)にリベンジを果たし、その後も健大高崎・敦賀気比といった強豪を撃破して決勝にコマを進めた。決勝では敦賀気比戦で160球完投の福島が連投で三重を3点に抑えると、打線は中村の逆転タイムリーで4-3と勝利した。

秋に崩壊した投手陣はサイド右腕のエース福島と2年左腕田中の2枚看板が確立。甲子園では完全に相手を抑えたというのは八頭戦だけであったように例年の大阪桐蔭投手陣に比べると投手力は低かったが、この2人で粘り強く投げ抜いて強力打線の援護を待った。その打線は前チームからのレギュラーである峯本・香月が中心となり、この2人は大会後にU18日本代表にも選出された。決勝で逆転タイムリーを放った中村は主将としての存在は大きく、ケガから復帰した正随も見事に4番を務めあげた。

そんな2014年の大阪桐蔭の現在がコチラ↓
2014年大阪桐蔭
※画像なので見づらい場合は拡大してみてください

大学では中村・峯本・正随・森といった主力は1年目から各チームでスタメンを張る一方、その後もレギュラー定着→チームの主軸選手とはなかなかステップアップできておらず、残念ながらこの秋のドラフト候補と言われる選手はいない状態だ。ただ福島は登板過多がなければ貴重なサイドスローとして社会人で活躍できるだろうし、正随も波さえなければ十分にドラフト候補となるレベルなのでこの2人には社会人経由でのプロ入りに期待したい。プロ入りした香月も徐々に階段は上りつつあるが、ロッテには安田も入団してきたこともあり、今後の1軍定着、さらにはレギュラー奪取に向けて正念場である。

その一方このときの2年生世代は大学球界屈指のエースへと成長した田中、この秋快進撃の法政大のサードを務める福田、春には首都大学野球リーグでMVPを獲得した藤井と活躍は目覚ましい。ただ彼らが主力となった次の夏は甲子園出場を逃すなど、この年は~というときに優勝できず、その前後の少し力が落ちる世代で優勝してしまうというのを象徴するような展開であった。


20170505同志社大 福島
同志社大:福島

20180407日体大 中村
日体大:中村

20180630ロッテ 香月
ロッテ:香月

20171104亜細亜大 正随
亜細亜大:正随



ランキングに参加しています
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 高校野球へ
にほんブログ村



スポンサーサイト



テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

東海大相模×横浜【秋季神奈川大会準々決勝】

9/23 秋季神奈川大会準々決勝
東海大相模×横浜@サーティーフォー保土ヶ谷球場

東海大相模×横浜という神奈川の黄金カード。前チームでは南北に分かれていたこともあり実現しなかったカードが、この秋は準々決勝という段階で早くも実現してしまった。


試合経過

20180923東海大相模×横浜
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


横浜の先発のエース及川は初回、1死からこの試合2番に入った井上を四球で歩かせるも、3番西川・4番山村をこの日冴えわたっていたスライダーで連続三振に斬って取る。東海大相模の先発は背番号10の野口。野口はいきなり先頭の小泉を歩かせてしまうと、2番庄子が送って1死2塁。続く度会のショートゴロをショート加藤が1塁へショーバン送球…これをファースト山村が後逸してしまい、小泉が還って横浜が先制。さらに内海の四球で1死1・2塁とすると好調の6番津田がセンター前へタイムリーヒット。さらに1・3塁から重盗をしかけて、2塁への送球間に内海がホームイン。横浜が初回に1安打で3点を先制する。
20180923横浜 津田
初回にセンター前タイムリーを放つ横浜の津田

及川は2回表にも金城・加藤・松本を3者連続三振に仕留め、前の回から5人連続三振を奪うなど快調に飛ばす。一方の野口は2回は3人で抑えるも、3回に2死から内海・冨田に連打を浴びてピンチを招いたところで、門馬監督はマウンドに背番号1の紫藤を送る。紫藤は見事に起用に応えて津田から三振を奪いピンチを切り抜ける。

相模は5回表、先頭の金城がサードエラーで出塁すると、2盗を決め手2死2塁のチャンスを作る。すると1打席目でもヒットを放っていた8番鵜沼が初球を右中間に弾き返して初得点。秋季大会当初は背番号8であった鵜沼だが、前の山北線ではベンチ外となり、この試合では背番号25で復帰。この日は相手が左腕ということもあり、背番号25という全国の高校野球でも1番大きな背番号を背負った男が見事に起用に応える2安打目を放った。
20180923東海大相模 鵜沼
スタメン起用に応えて及川から2安打目となるタイムリーを放った東海大相模の鵜沼

しかし横浜はその裏、四球で出塁した小泉が2塁まで進むと、4番内海がセンターオーバーのタイムリー2ベース。今大会ずっと無失点を続けてきた紫藤だが打たれてしまったところで、相模はピッチャーを左腕の冨重に交代。しかし冨重は5番冨田を追い込むも、そこから甘く入った球をライト前に運ばれてしまい、横浜がこの回2点目をあげて5-1とリードを広げる。
20180923横浜 冨田
5点目となるタイムリーを放った横浜の冨田はこの試合3安打の活躍であった

快調であった及川だが終盤はピンチの連続。6回表には井上・西川・山村に3連打を浴びてしまい1点を失うとやや制球を乱し、8回・9回ともに2四球を与えてホームランが出れば同点というピンチを迎えるも、奪三振能力は衰えずにピンチを凌いで2失点完投。東海大相模は6回から冨重が3イニングを無失点で凌ぐも反撃が及ばずに敗れた。
20180923東海大相模 冨重
6回以降は横浜打線を無得点に抑えた東海大相模3番手の冨重


久しぶりの黄金カードは前評判通りに横浜が勝利した。前チームからのベンチ入り経験者が多い横浜は、ここまでスタメンもピッチャーを除けば同じ固定メンバーでの戦い。それに対して東海大相模はメンバーも打順も日替わりであった。この試合も前の試合では鵜沼や松本といったベンチ外も経験したメンバーがスタメンに名を連ねるなど、激しいレギュラー争い真っただ中。投手もエースといえる存在はおらずに、この日も細かく継投で繋いだ形で、まさに横浜とは対照的であった。ただやはりメンバーの固定できた横浜の方が安定感もあり、東海大相模としては初回に守備が乱れて3失点してしまったのは痛かった。

中でも横浜のエース及川という存在は心強い限りであった。この日の及川はストレートはイマイチであったらしいが、その分多投したスライダーがキレキレであった。1回~2回にかけて奪った5連続三振も全てスライダーであった。4回までは2塁すら踏ませない完璧なピッチングであったが、5回には先頭打者をエラーで出してしまうとそこから初失点。6回には3連打で1点を失うも、続くピンチでは金城をサードゴロに打ち取るなど後続を切って取り、キャッチャー山口の好リードもあり8・9回のピンチも含めて勝負どころでは三振を奪うこともできていた。結局最後まで投げ切り9回2失点(自責点1)の13奪三振という見事なピッチングであった。1年春の神奈川大会決勝では先発するも1回でKOされてしまった東海大相模相手に、成長してエースとなった及川が見事にリベンジを果たした。東海大相模打線はこれまで4番を打っていた井上を2番にするなどして強打者を上位に固める打線を組んだが、6回の3連打以外にはその上位打線にいいところがなく…全体としても5安打と完敗であった。
20180923横浜 及川
見事9回2失点13奪三振の完投勝利をあげた横浜の及川

横浜・東海大相模となると中学時代に実績を残した選手たちがスーパー1年生として出場した。特に昨年のジャイアンツカップを制した佐倉シニアからは3番で主将の度会が横浜、5番のスラッガー西川とエースの諸隈が東海大相模と元チームメイトが敵味方として戦うこととなった。ともに3番として出場した度会と西川は1安打ずつであったが、チームとしては軍配は度会に上がった。このときの佐倉シニアは日本選手権では決勝で世田谷西シニアに敗れているのだが、その世田谷西シニアのエースは横浜の2番手の木下。準々決勝では海老名では海老名シニアを倒しているのだが、その海老名シニアのショートは、この試合で東海大相模のショートをつとめた加藤であった。加藤は残念ながらこの試合では初回のエラーに、打っても3三振と散々であったが、それでも門馬監督が代打を使わなかった当たりは期待度の高さがうかがえた。そんな中学時代の繋がりにも注目しつつ、今後も対戦があるだろう東海大相模×横浜という試合を見ていくのも楽しみである。
20180923度会&西川
横浜:度会と東海大相模:西川の佐倉シニアコンビ


Pickup Player
内海貴斗 横浜2年 ファースト
~大一番で随所に活躍の光った横浜の新主将~
東海大相模の大一番で横浜新チームの4番であり、主将である内海の活躍が随所で光った。

内海は181㎝75㎏(2年夏)とやや細身に見えるが、軸がしっかりしていて鋭いスイングを繰り出す左の強打者であり、横浜では1年春からベンチ入りを果たし、3番を務めることもあった。1年秋より本格的にファーストのレギュラーとなると、4番を務めた2年春の関東大会では明秀日立の細川から9回に逆転2ランを放つなど活躍。3年夏の南神奈川大会では不調に陥り、スタメンを外れることもあったが、甲子園では3試合全てに5番ファーストでスタメン出場を果たすと、初戦の愛産大三河戦でランニングホームランなど打率.417をマークする活躍をみせた。

現2年生では最も経験のある内海は新チームでは主将にも就任し、この試合でも4番ファーストとして出場。1死2塁で迎えた第1打席ではやや敬遠気味に歩かされると、すかさず盗塁を決めて、さらに津田のヒットで3進。この1・3塁の場面で1塁ランナーの津田が2盗を試みると、内海はそのセカンドの送球間に見事ホームを陥れてみせた。正直これまでは打撃のイメージが強く、守備・走塁はそんなに目立つことのなかった内海であるが、さすがは横浜の主将という好走塁であった。

3回の第2打席ではレフト前に弾き返すヒットで2死からのチャンスメイクに貢献。甲子園でも花咲徳栄戦でレフト前ヒットを放ってビックイニングのおぜん立てをしたように、ここ最近は非常にうまく逆方向へ持っていくこともできるようになり、アベレージの残せるバッターになってきたと感じた。そして1番の見せ場は2死2塁で迎えた第3打席…カウント2B1Sから紫藤の変化球をうまく拾いあがると打球はライナーでぐんぐん伸びてセンターの頭を越すタイムリー2ベースヒットとなった。1回以来得点がなく、また相模に1点を返された後の1打とあって、再び横浜に流れを呼び戻す見事な1打であった。結果的に3打数2安打1打点であるが、横浜の主将として東海大相模を撃破したという意味でもその数字以上に勝ちのある活躍であった。

持ち前の打力に加えて、主将としてのたくましさも増してきた内海。能力の高い選手は多いが1年生も多い横浜は、最近の秋を見ているといい戦いをしていても、いきなり崩れて敗れてしまうパターンが多い。2014年以来のセンバツ出場に向けて、崩れないチームを作り上げるためにも内海の主将としての力は不可欠である。

20180923横浜 内海
横浜の4番主将としてチームを勝利に導いた内海


ランキングに参加しています
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 高校野球へ
にほんブログ村


テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

館林×前橋育英【秋季群馬大会準々決勝】

9/22 秋季群馬大会準々決勝
館林×前橋育英 @桐生球場

群馬のベスト4をかけて、夏の甲子園出場の王者前橋育英に館林が挑みます。

試合経過

20180922館林×前橋育英
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

前橋育英は先発のエース梶塚は初回連続三振からスタートして館林打線を3人で抑える完璧な立ち上がり。するとその流れに乗った打線は1番丸山が粘った末に3塁戦を抜くヒットで出塁。2番中村が送るなどして2死3塁とすると、4番森脇がセンター前に弾き返して先制する。
20180922前橋育英 森脇
先制のタイムリーを放った前橋育英の4番森脇

前橋育英は2回裏にも四球と岡部の2ベースで無死2・3塁のチャンスを作ると、この日スタメンに抜擢された1年生捕手の8番須永が1塁戦を破るタイムリー2ベースで2点。館林の先発の背番号10の今井はスライダー・カーブ・フォーク(?)などの変化球を駆使して、何とか前橋育英打線を抑えようとしていたが、打球が飛んだ場所がよかったこともありこれで3失点目。館林ベンチは背番号1の八下田をマウンドに送る。八下田は丸山の犠牲フライでもう1点を献上してしまい、2回終わって前橋育英が4-0とリードする。
20180922舘林 今井
舘林の先発を託された今井であったが2回途中で降板となってしまった

前橋育英は3回裏にも剣持・森脇の連打とバントで1死2・3塁とチャンスを作ると、吉澤のショートゴロがフィルダースチョイスを誘い5点目。守備のミスでなおも1死1・3塁と舘林としては大量失点のピンチであったが、ここは八下田が岡部・須永を浅い外野フライに打ち取り最少失点で切り抜ける。しかしそんなのも束の間、前橋育英は4回裏にも丸山と中村の連打でチャンスを作ると3番剣持がライトスタンドへ3ランを放ちリードを8点に広げる。
20180922前橋育英 剣持
4回に3ランを放った前橋育英の3番剣持


梶塚のピッチングは快調そのもので、3回表にエラーで出塁を許した以外はパーフェクトピッチング。点差があったこともあり5回ノーヒット無失点でマウンドを降りて、前橋育英は1年生左腕の武藤を6回からマウンドに送る余裕っぷりであった。
20180922前橋育英 武藤
6回から前橋育英の2番手として登板した1年生左腕の武藤

6回裏、前橋育英は先頭の9番川原がヒットで出塁してすかさず盗塁を決めてチャンスメイクすると、1番丸山の放った打球はライトのフェンスを越える2ランホームラン。これで10点差となり、前橋育英が6回コールド勝利。投げては梶塚→武藤でノーヒットノーランという完勝であった。
20180922前橋育英 丸山
コールドを決めるサヨナラ2ランを放つ前橋育英の1番丸山


夏の甲子園1回戦では近大附の好左腕大石から連打で貴重な先制点をもぎ取った丸山・剣持の2年生コンビ。前チームからのレギュラーであったこの2人が前橋育英の攻撃を牽引した。1番ライトの丸山は新チームでは主将も務め、1・4回にはチャンスを演出する1番らしい仕事をしたかと思えば、6回にはコールドを決める2ランホームランと3打数3安打3打点3得点の活躍。ちなみに前橋育英の1番丸山というと、2017年の夏の甲子園で大会最多タイの8盗塁をマークしてU18日本代表にも選ばれた丸山(明治大1年)を思い出すが、別に弟とかではないらしい。3番セカンドの剣持も4回には3ランホームランを放つなど3打数2安打3打点2得点の活躍。守備では、(結果論ではあるが)これさえなければパーフェクトだったのに…というエラーを犯してしまったが、そこは夏のサード→セカンドにコンバートしたばかりというところでこれからに期待だ。他にも川原・梶塚・須永・森脇という甲子園でベンチ入りを果たしたメンバーが中心となっているあたりは、夏の甲子園の経験が新チームにとって非常にプラスになっているように感じた。

文句なしの完勝を果たした前橋育英。次の準決勝の相手はライバル健大高崎である。この2校のどちらかしか関東大会に行けないなんて、群馬は何のために秋のシード制を採用しているんだと文句が言いたくなる対決は、個人的にはチームの完成度の高さで前橋育英がやや有利かと思う。この試合の後に健大高崎のゲームも見たが、伊勢崎清明相手にコールド寸前から最後は追い詰めらえてしまうという不安定な展開であった。最近の健大高崎はハイレベルな新入生が入ってきてい、個々の能力は高いがメンバーが固定できていないあたりは完成度がまだまだであるとみた。それでも投手陣は久保田・吉田・藤原と前橋育英を完封する力ももった強力な3本柱が控えているだけに秋の県大会でもトップレベルの好ゲームが期待できるだろう。


Pickup Player
梶塚彪雅 前橋育英2年 投手
前橋育英の新エース梶塚のピッチングは文句のつけようのないものであった。

梶塚は夏も背番号11でベンチ入りし、群馬大会では3試合に登板して計5回1/3を投げた。ただ投手陣は基本的にエース恩田と心中状態で甲子園では登板なし。とくに2回戦の近江戦では、終盤恩田に疲れが見え始め、梶塚はずっとブルペンで準備をしていた。だが恩田は足がつってベンチに戻る状態でも梶塚の登板はなく、マウンドに戻った恩田が直後にサヨナラ打を浴びてしまい敗れた。

新チームでエースとなった梶塚はこの日の先発マウンドにあがると、初回にいきり1・2番を連続三振に仕留める最高の立ち上げり。その後は味方打線に大量援護をもらうもピッチングのペースを乱すことなく、淡々と舘林打線を抑えていく。梶塚のゆったりと足をあげて、いい感じに力の抜けたフォームから繰り出すストレートには球速以上にノビがあり、追い込んでから高めのボールを意識的に使って三振を奪う形が目立った。またこのストレートを右バッターのアウトコースのギリギリに投げることができるなどコントロールも抜群。変化球はスライダーとカーブが確認できた。タイプ的には前エースの恩田に非常に似ている。

梶塚は3回にセカンドのエラーでランナーを許すも、それ以外は館林打線を完璧に抑えるピッチング。5回を投げて無四球被安打0の7奪三振無失点。外野に飛ばされたのも3番清水のライトフライ1個のみというまさに文句のつけようのない内容であった。

次はいよいよ健大高崎戦。梶塚としては球威だけでは健大高崎打線を抑えられるほどではないので、このノビがどこまで通用するかがキーとなってくる。ただ大崩れすることはない完成度の高い投手なので、レベルの高いチームどうしの試合であったも秋にこのようなエースがいることは非常に心強い次第だ。

20180922前橋育英 梶塚
エラーさえなければパーフェクトという5回無失点の好投をみせた前橋育英のエース梶塚


ランキングに参加しています
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 高校野球へ
にほんブログ村


テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

秋季千葉大会の展望(2018)

明日から秋季千葉大会が開幕する。

まずは組み合わせから↓
2018秋季千葉大会組み合わせ

本命はやはり春夏に続いて3連続優勝を狙う木更津総合であろう。Max149㌔を誇る右腕はコントロール面などに不安があったが、夏の甲子園では下関国際戦に先発すると7回2失点(自責点0)の好投をみせるなど大一番での経験も積んで新チームのエースにふさわしい存在となった。1年生右腕の篠木もMax143㌔右腕だが、則本と彷彿とさせるフォームからのストレートはノビがあり、十分に根本を脅かす存在となりえる。打線の中心は甲子園え5番打者として打率.455をマークした太田、守備では1年春から内野のレギュラーである小池(元U18日本代表主将の小池航貴の弟)と攻守に軸はいる。近年は有望な1年生が多い木更津総合だけにこれにどれだけ新戦力が出てくるかがカギになってくる。特に甲子園ではベンチ外なってしまったが東千葉大会では登板も果たした吉鶴(ソフトバンクのバッテリーコーチ吉鶴憲治の息子)は投手としても野手としても注目だ。
20180716木更津総合 根本
Max149㌔を誇る木更津総合の新エース候補根本

これに続くのが中央学院・習志野・東海大市原望洋である。前チームでは春夏連続で甲子園出場を果たした中央学院も野手にその主力が残る。勝負強くたかいアベレージを残していた長沼、センバツでは4番を務めた高鹿、セカンドで堅守をみせていた手塚ら2年生に加えて、この躍進もあってか山本・加藤・青木ら強力な1年生も加わった。特に青木は西千葉大会の山場となった習志野戦でサヨナラホームランを放ち、甲子園では3番も務めていて、新チームでも打線の柱として期待される。あとはエースとして期待される畔柳がどれだけそのポテンシャルを発揮できるかがキーとなる。
20180504中央学院 畔柳
中央学院の命運を握る新エース候補の畔柳

習志野の新エースとなるだろう飯塚はMax144㌔の威力十分のストレートにフォークボールなどもあって三振の奪える本格派右腕。1年生ながら前チームで三遊間を務めることもあった和田・角田に加えて、俊足の1番センター根本も健在であり、飯塚を盛り立てる守備も固い。後はどれだけ打撃陣に力があるかということろである。
20180504習志野 飯塚
Max144㌔のストレートは威力十分である習志野の飯塚

東海大市原望洋も前チームからレギュラーを務めていた能力の高い選手が多い。右のスラッガー伊達に、鋭いスイングが持ち味の左の高嵜の2人は前チームからの中軸であり、1番を打っていた魚地もミート力が高い。投手陣も投げっぷりのいいオーバースローの須崎に、クレバーな投球の光るサイドの八木原と経験のあるタイプのことなる右腕2人を擁していて期待できる。
20180716東海大市原望洋 高嵜
前チームに続いて中軸として期待される東海大市原望洋の高嵜

その他には、専大松戸は1年秋から背番号1を背負うサイド右腕の横山が健在で守備は計算できるので、あとは自慢の強力打線がどこまで仕上がるか…。春には東海大市原望洋を破った安房は前チームのレギュラーのほとんどが2年生であり、ほぼ夏のままチームで秋に臨める。中でもショート兼投手の成神には注目だ。


・習志野×拓大紅陵
・専大松戸×千葉明徳
・千葉英和×千葉黎明
・東京学館浦安×中央学院(夏の西千葉大会決勝と同じ)
・東海大浦安×暁星国際
今回の組み合わせでは上記のように1回戦から強豪どうしの対戦が相次いで目の離せない秋季千葉大会。観戦に行くのが非常に楽しみです。


ランキングに参加しています
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 高校野球へ
にほんブログ村


テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

徹底している国際武道大の投手起用

9/17(月)に長生の森公園野球場に千葉学生野球連盟のリーグ戦を見に足を運んだ。1番のお目当てはやはり2年連続で全日本大学野球選手権で準Vを果たしている国際武道大である。

その国際武道大の先発は伊藤(横浜)であったのだが、それに驚いた。
なぜなら伊藤は前日の試合ではベンチ入りしていなかったからである。

伊藤は体が開くことのない出どころの見づらいフォームからキレのいい球を投げ込む左腕で、横浜高では2年春からエースを務め、2年夏には松井裕樹の桐光学園を破って甲子園出場。国際武道大でも2年時から大学日本代表にも選出され、昨年はエースとして全日本大学野球選手権準Vの立役者となった。しかし今年はケガの影響で思うように登板もできず、全日本大学野球選手権の決勝でのピッチングも残念なものであった。

国際武道大はTwitterで毎試合メンバー表を出してくれるので、前日の日曜日にチェックしたところ、そこに伊藤の名前はなかったので、完全にケガの影響だと思っていた(実は前の週にも先発していたのでちゃんとチェックしていればそうでないと気づいたのだが…)。

この試合ではバックネット裏に伊藤目当てのスカウトが陣取るも、伊藤はやはり本調子でなく、本来は持ち前であるはずのコントロールが冴えずに四球の多いピッチング。それでもツーシームなどを駆使しして何とか4回まで中央学院打線を無得点に抑えていたが、5回に連続四球とワイルドピッチから先制を許してしまうとマウンドを横浜の後輩である塩原に譲った。この2日後に伊藤はプロ志望届を提出するのだが、スカウトへのアピールという意味では厳しい内容となってしまった。
20180917国際武道大 伊藤将
2戦目の先発のマウンドにあがった伊藤であるがスカウトの前で結果を残せなかった

この伊藤を見ていたときにさらに驚いたのはバックネット裏に国際武道大のエース平川がいたことだ。平川は3年時は抑えのエースであったが、今年は離脱もあり先発に回ってエースとなると春には5勝0敗の防御率1.03という成績でMVPを含めてタイトルを総なめにした。前日の1戦目では好投をみせたエースもベンチに入っていないということで、国際武道大は先発の前日or翌日の投手はベンチ入りしていないことが分かる。
20180612国際武道大 平川
この日はベンチ入りしていなかった国際武道大のエース平川

実際に今年の全日本大学選手権では準決勝で延長10回を投げ切ったエース平川は、重要な決勝戦ではリリーフですらマウンドに立たなかったという徹底ぶり。これには昨年の大会では4試合中3試合に先発した伊藤が(実際の因果関係は分からないが)今年はケガで春のリーグ戦で登板できなかったという教訓もあるのかもしれない。それでも先発投手を前後の試合でベンチ外にするのは大学野球界では極めて異例である。

近年では減ってきたがエースが連投で先発というな話も0ではなく、今年の春には東洋大×細亜大で上茶谷×中村がそれぞれ3連投で先発したが、こんな話は暴挙としか言いようがない。そこまでいかなくても1戦目に投げたエースが、2戦目の重要な場面でリリーフとして出てくるというのはよくある話だ。しかし短いイニングのリリーフであっても、ブルペンではそれなりに投げなければいけないし、1日完全に休むのとはわけが違う。ましてや3戦目になるとエースはまた先発させられるという状況なので、ここの中1日の休みは大きい。また2戦目の先発投手も通常であれば、そのチームで2番目にいい投手であり、1戦目にエースが降板した際などには、リリーフ登板させたくなるものだ。

エースの連投、あるいは2戦目の先発を1試合目にも登板させるという話は勝利のためには有効な手段である。投手の疲労度などを考えて、その選択肢を捨てた岩井監督の決断は勇気のあるものである。これは投手陣が充実しているから成せるという話もあるが、上記の東洋大と亜細亜大に本当に投手がいないわけはない。結局最後は監督の決断次第なので、この背景にはこの徹底した投手起用は是非とも他のチームも見習って欲しいものだ。



ランキングに参加しています。
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 大学野球へ
にほんブログ村

テーマ : 大学野球
ジャンル : スポーツ

桐蔭学園×横浜商大【秋季神奈川大会3回戦】

9/15 秋季神奈川大会3回戦
桐蔭学園×横浜商大@バッティングパレス相石スタジアムひらつか

試合経過

20180915桐蔭学園×横浜商大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

1回表、桐蔭学園は1死から2番山本がしぶとくセカンドの横を破るヒットで出塁。続く3番森は横浜商大のエース進藤のストレートを強振すると打球はライトの頭上を越えるタイムリー3ベースヒットとなり桐蔭学園が先制する。

桐蔭学園の先発は背番号12の左腕伊禮であったが、この伊禮が初回を3者三振と最高の立ち上がりを見せると、その後も横浜商大打線をノーヒットに抑えるピッチング。一方の進藤も2回以降はランナーを背負いながらも要所を締め、試合は桐蔭学園が1-0とリードしたまま5回を迎える。

5回裏、横浜商大は1死から7番露木がチーム初ヒットで出塁。続く進藤の送りバントをサード川久保がファンブルしてしまい1死1・2塁。さらに9番吉田の1・2塁間の打球もファースト神田一がはじいてしまい、そのボールがセカンド後方を転々とする間に露木がホームインして横浜商大が同点に追いつく。ファーストの神田一・サードの川久保と背番号2桁の1年生が連続エラー。特に川久保は3回にもエラーをしており、ノックの際に先輩がやたら声をかけていたあたりからも守備は不安要素であったようで、その不安が表に出てしまった。

実際にはヒットを1本打たれただけの伊禮であったがリズムを崩したか…続く1番平田にストレートの四球を与えてしまい満塁となったところで、桐蔭ベンチはマウンドに背番号1の長谷川を送り込む。迎えるはスイッチヒッターであるために打席を右→左に変えた2番勝良は、長谷川の威力のあるストレートの前に簡単に追い込まれてしまうも、決めに来た変化球にうまく合わせるとこれがセンター前タイムリー。横浜商大が主将の1打で逆転に成功した。
20180915横浜商大 勝良
4回裏に勝ち越しのタイムリーを放った横浜商大の主将勝良

しかしグランド整備を挟んで直後の6回表に桐蔭打線が目覚める。山本・上川のヒットと四球で満塁のチャンスを作ると、ここで代打山崎がレフトへ強烈な2点タイムリーヒットを放ち桐蔭学園が再逆転。1年夏から登板を重ね、新チームではエースの期待もかかっていた山崎であるが、投手としてでなくここはバットで見事に結果を残した。さらに川久保のヒットで再び満塁とすると、9番山本・1番冨田も連続レフト前タイムリーで続いて3点を追加。四球で三度満塁となると、3番森の強烈な打球をショート露木がはじいてしまい2点を追加。とどめは4番上川にもタイムリーが飛び出して、横浜商大のピッチャー交代も功を奏さずに桐蔭学園はこの回一挙9点をあげる。
20180915桐蔭学園 山崎
代打で登場して逆転のタイムリーを放った桐蔭学園の山崎

桐蔭学園はこの回7本のヒットを放ったが、全部がシングルヒットでうち6本はレフト前ヒット。常に2塁にランナーがいたこともあり、ショートの横をライナー性で破るものが多く、お手本のようなバッティングであった。桐蔭打線はいわゆるスラッガーといわれるような打者がいる打線でないが、各自が忠実なバッティングができていて、繋がりのあるいい打線となっていた。


桐蔭学園は7回表にも2死2塁から9番清水がライト線にしぶとく落として追加点。これで清水は9番ながらこの試合では3打点の活躍。守備面でも右バッターに伊禮のインコースを意識させたリードは見事であったし、結果的に横浜商大打線を2安打に抑えたのは大きかった。これで点差を9とした桐蔭学園は5回途中から登板した背番号1の長谷川が6回・7回は3人ずつ抑えてコールド勝ちを納めた。
20180915桐蔭学園 清水
9番打者ながら3打点の活躍をみせた桐蔭学園の清水



まず敗れてしまった横浜商大だが、エースの進藤はポテンシャル的にはなかなかの投手であった。ゆったりと足をあげて体をやや捻るフォームはバッターから見るとタイミングが取りづらく、体にバネがあってそこから繰り出すストレートにはノビがあった。これに小さく曲がるスライダーとSFF(?)を交えたピッチングであった。ここにもっとストレート系でない変化球が加わってくると、持ち前のストレートがいいと思う。ただ本当にストレートはいいものがあったので、一冬越えると楽しみなピッチャーであった。ただ逆に言うと打線は3安打のみ、進藤降板後は桐蔭打線の勢いを止められないなど進藤以外にはポジティブなものがなかったゲームであった。
20180915横浜商大 進藤
ストレートにはノビがありこれからが楽しみな横浜商大のエース進藤

桐蔭学園は6回に打線が素晴らしくつながったのが勝因。代打山崎が逆転タイムリー。9番清水が3打点というようにどこからでも点がとれる打線であるが、中心となるのはやはり3番の森だ。1年夏からレギュラーを掴み、前チームでも3番を打つなど経験も豊富な森は新チームでは3番ショート主将とまさにチームの中心。1打席目に進藤のストレートを強振してライトオーバーの先制タイムリーは桐蔭打線の中でも今日1の当たりであったし、6回にショートに放った打球は記録がエラーというのが可哀そうなくらい強烈であった。守備も非常に落ち着いていて、身のこなしもよく、送球は正確でショートとしての能力も高く、盗塁も決めるなどまさに走攻守揃ったプレイヤー。チームを関東大会などに導くことができれば、自ずと森もドラフト候補となってくることだろう。
20180915桐蔭学園 森2
主将も務め走攻守で桐蔭学園の中心となる森

桐蔭投手陣は完全に守備に足をひっぱられたことによる失点のみであり、伊禮→長谷川と見事なピッチングであった。2人とも夏に登板していたが、それよりスケールアップした印象である。伊禮の詳細はPickUpPlayerの欄で欠くとして、長谷川も大胆なフォームから繰り出すストレートは回転がよく、威力も十分であった。背番号1ながら法政二戦に続いてのリリーフという起用もピッチングスタイルにはあっていると感じた。

20180915桐蔭学園 長谷川
大胆なフォームと威力のあるストレートを武器に好リリーフをみせた長谷川

強豪と言われた桐蔭学園も2013年に齋藤(明治大→西武)を擁して出場した2013年春以来関東大会の舞台からは遠ざかっている。しかしこの秋は横浜・東海大相模・桐光学園・慶応という近年の神奈川の主役たちがこぞって反対の山であり、この4チームを倒さなくても関東大会に行けるという幸運なくじ。是非ともこの機会に関東大会に出場し、ついてはセンバツ出場を狙いたいところだ。


Pickup Player
伊禮海斗 桐蔭学園2年 ピッチャー
~~
桐蔭学園にとって先発の伊禮のピッチングは非常に素晴らしく5回途中で降板してしまったのは惜しいくらいであった。

2年夏から背番号15としてベンチ入りを果たした左腕である伊禮は準々決勝の慶応戦でも2番手として登板を果たすなど活躍。この秋は背番号12を背負い、法政二戦でもリリーフとして登板。これらの起用法と、左のサイド気味のスリークウォーターというタイプ的な意味合いも重なってリリーフというイメージがあった。

だがこの試合では先発のマウンドに立つと、いきなり初回を3者三振に斬って取る最高の立ち上がり。さらに4番城重からも三振を奪って4連続とするなど、3回までに打者10人から6個の三振を奪って見せた。このうち5個が右バッターからであり、角度のあるストレートを右バッターの足元に投げ込んで意識させて、最後はアウトコースで仕留めるというピッチング。球速が凄くあるわけではないが、コンパクトなフォームでボールがいきなりくるような感じがあり、打者には球速以上の勢いが感じられたことであろう。またストレートに限らず、スライダーやスローカーブなどでもしっかりと腕が振れていたのも良かった。

4回まで商大打線をノーヒットに抑えていた伊禮だが、5回に初ヒットを浴びると、そこから内野の連続エラーで失点。さらに四球を与えてしまったところで降板となった。おそらく継投は片平監督の中では既定路線であったことなのだろうが、また背番号12というあたりからもまだまだ信頼は勝ち取れていないのか…ただ個人的には「ここで代えてしまうのは非常にもったいない…」と思うほど伊禮のピッチングは素晴らしかった。結果的には4回1/3で2失点(自責点0)という内容であったが、そんな数字以上に商大打線を圧倒していた。

ちょうど前の関東大会に出場したときも、齋藤(明治大→西武)という伊禮と同じくらいの腕の位置から投げる左腕がエースであった。今日の内容だと今後も伊禮先発は大いにありそうであり、今日のようなピッチングができるかが桐蔭学園が関東大会に出場できるかを大きく左右することだろう。

20180915桐蔭学園 伊禮
先発起用に応えて5回途中まで自責点0の好投をみせた伊禮


ランキングに参加しています
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 高校野球へ
にほんブログ村


テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

U18日本代表反省会

「第12回 BFA U18アジア選手権」に参加していたU18日本代表の戦いが終わった。自国開催であるにも関わらず、韓国・台湾に敗れて3位という結果は残念な限りである。で今日は簡単にではあるがここで今大会の反省点をメンバー選考&起用という点から書いていきたいと思う。


甲子園組に偏ったメンバー構成
今回のメンバーは18人中17人が夏の甲子園出場組であり、不出場組は市川(明徳義塾)のみであった。もともとは甲子園後のU18日本代表は甲子園組のおまけという意味合いが強かったが、近年では甲子園不出場組からも力のある選手を選出して、まさに代表というチームを作り上げてきただけに今年の1人というのは極めて少ないといえる。

近年のメンバーのうち夏の甲子園不出場組のメンバー
2018年:市川(明徳義塾)
2017年:三浦(福岡大大濠)、古賀(福岡大大濠)、鯨井(東海大市原望洋)、清宮(早稲田実業)、安田(履正社)、井上(日大三)
2016年:島(東海大市原望洋)、佐藤(中京大中京)、鈴木(静岡)
2015年:高橋純(県立岐阜商)、森下(大分商)、勝俣(東海大菅生)、津田(浦和学院)、宇草(常総学院)、
2014年:高橋(前橋育英)、小島(浦和学院)、栗原(春江工)、岸田(報徳学園)、吉田(履正社)、浅間(横浜)

強い選手がいたからといって甲子園に出られる世界でもないので、まともにその世代の上位18人を選べば、甲子園に出られなかった選手がそれなりに入ってくるはずだ。よって今回の1人というのは甲子園組に極めて偏ったメンバー選考であったといえる。

甲子園出場組は疲労もあり、また打者でいえば木製バットで練習する期間は短くなる。そういう意味では予選敗退組から有力選手を選んで合宿でもしておき、それに甲子園組を加えてチームを作るというやり方もありではないだろうか?

20180828高校日本代表 市川
夏の甲子園不出場組から唯一の選出となった市川(明徳義塾)


裏目に出てしまった吉田の起用
今大会では注目の吉田は韓国戦に先発したもののは3ランを浴びてしまい、台湾戦でもリリーフ登板するも直後に勝ち越しを許してしまい2試合とも敗け投手となった。ご存知の通り吉田は甲子園での881球という大熱投の疲労を考慮されて、代表合流直後も別メニューが続いていて、対外試合登板は1イニングのみという形で韓国戦の先発マウンドにあがった。甲子園での吉田の投球はこの世代でもNo1に近いものであったが、今大会の吉田は本調子でなかった。もちろん結果論であるが吉田の先発、さらには台湾戦でのリリーフ起用は見事に裏目と出てしまったのである。


疑いたくなる朝日監督の存在
よって今回の大会では甲子園のメンバーが多く選ばれ、その中でも甲子園で活躍した選手を積極的に起用するという形であった。こうなると100回記念大会ということもあり例年以上に盛り上がった甲子園の余波をキープすることができ、さらに吉田が投げればまた世間の注目は増し、甲子園を主催していた朝日新聞社や取材するメディアにとっては好都合なものなのだ。

もちろん永田監督が「直前で甲子園で活躍していた選手こそ、そのままの流れで代表に臨むことがベストであると判断したのかもしれない。そんな起用が失敗したいまではこの起用は本当に永田監督の判断だけなのか?他からの圧力などなかったのか?と疑いなくはなってしまう。


投手多すぎなメンバー構成
今大会は18人まで選手を登録することができたが、その構成は投手8人・野手10人というものであった。ただ実際にフタを開けてみると主要な試合(韓国・台湾戦)は吉田・柿木を中心に板川・根尾のみの登板であり、その他の試合に関しては実力差があったので正直誰が投げても良かったということだろう。もともとこのような展開は想像できたことであり、投手8人というのは若干多すぎたような気もする。

一方の打線は野尻を入れても11人のみであり、控えは2人しかないという状態なので試合途中で代打を送ることも容易にできずに、打てなくてもスタメンを変えられるほどのバリエーションがなかった。このように野手が貧窮している一方で、投手では奥川・渡辺・山田・市川は出番が少なかったので、野手と投手の人数比もミスったといえる。

個人的にはマウンドにも上がれる野手を何人かいれおいて、香港戦・スリランカ戦などはその選手に投げてもらうというのがベストだったと思う。香港戦で先発した野尻は他の試合ではファーストで出場するなどまさにその選手であったが、もう何人かいてもいいのかなというところであり、やはり野村(花咲徳栄)が欲しかった。野村は高校球界屈指の右のスラッガーとして左打者の多い打線にアクセントはつかられただろうし、花咲徳栄のエースであるために投手としての実力も十分である。

20180828高校日本代表 野尻
投手登録ながら最終戦では4番を打つなど二刀流の活躍を見せた野尻(木更津総合)


新チームに影響をもたらせたメンバー選考
このアジア選手権が行われている一方、各地では春のセンバツ出場に向けた秋季大会がすでに始まっている。以前2年生でメンバーに選ばれた安楽の済美、高橋の前橋育英が早々に敗退するなどこの代表が秋への重荷になってしまったことが問題となった。それ以降は新チームのエースとなる2年生投手を選ぶのは敬遠されがちであった。今年は久しぶりに2年生として奥川が選ばれたが、星稜は投手層が非常に厚いのでまだ影響は少ないと思われる。ただ奥川はほとんど大会で投げていないので、ならなぜ招集した?とは思う。

ただし他のメンバーで秋季大会に大きく影響を及ぼしてしまったメンバーがいた。今回の首脳陣は咋春に報徳学園の監督を勇退した永田監督はフリーであるが、その他のコーチ陣は仲井間コーチ(八戸学院光星監督)、平川コーチ(北海監督)、小針コーチ(作新学院監督)と現役の高校の監督である。そのうち平川監督の北海は、監督不在のまま地区予選に臨んだのだが、2回戦で札幌日大に敗退。強豪どうしがいきなり2回戦でぶつかるというくじ運の悪さもあったが、北海は監督の不在のままセンバツ出場の可能性がなった。逆に平川監督にしてみれば、自分が夏の間にチームを空けていて戻ったら、もう次の春のセンバツの出場がなくなっているというわけだ。

これは非常に大きな問題であり、コーチのメンバーも常設化するなど、しっかりと選考して、特定のチームだけが秋に不利を被るというのは避けて欲しい。


以上です。
今回は残念な結果だったが、まぁ打たれてしまったもの、打てなかったものはしょうがないのでこれを次に生かして、できれば上記のようなことも考慮してメンバーを選考・起用して欲しいものです。


ランキングに参加しています
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 高校野球へ
にほんブログ村



テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

横浜×三浦学苑【秋季神奈川大会2回戦】

9/8 秋季神奈川大会2回戦
横浜×三浦学苑@サーティフォー保土ヶ谷球場

センバツをかけた秋季大会が開幕。横浜の初戦はいきなりの三浦学苑であり、昨年の初戦と同じカードとなった。

試合経過

20180908横浜×三浦学苑
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


横浜は1回表、先頭の小泉がストレートの四球で出塁すると、2番庄子もバントの構えをするも、三浦学苑のエース渡辺はストライクが入らずに連続四球。3番度会は何とか追い込むも、浮いたストレートをレフト前に運ばれしまい横浜が先制。さらに4番内海はライトフェンス直撃、5番冨田はセンターやや左中間よりのフェンス直撃のタイムリーを放ち横浜が追加点。渡辺はこの横浜クリーンパックの3連打に動揺してしまったか、持ち直すことができずに津田に死球を与えてしまうと、大手にもレフト線にタイムリー2ベース。続く及川の打席では高めにワイルドピッチを2つ記録するなど制球はさらに乱れてしまう。横浜は9番山口にもレフトフェンス直撃のタイムリー2ベースが飛び出し、何と1巡目をノーアウトのまま、フェンス直撃のタイムリー3本を含む8得点という結果で終わる。
20180908横浜 山口
レフトフェンス直撃のタイムリーで横浜の1巡目を締めくくった9番山口

2巡目に入っても小泉が2打席連続となるストレートの四球、庄子の打球は打ち取ってやっと1アウトかと思いきや。これがセンター・ショート・セカンドの間に落ちてしまい無死満塁となる。すると度会が2打席連続となるタイムリーを放ち2点を追加し、さらにこのイニング5個目となるワイルドピッチで11点目。ただ野球というのは流れのスポーツというように不思議なもので。ここから渡辺が内海・富田・津田と3人連続で打ち取って、長い長い初回の横浜の攻撃が終わる。

横浜の先発はついに横浜の背番号1を手にした左腕の及川。及川は思わぬ展開に登板までの時間が伸びてやや難しい入りとなってしまったが、三浦学苑の1~3番を3者連続三振に仕留めるという最高の立ち上がりをみせる。

1回の終わりの3人連続アウトで立ち直ったかのように思えた渡辺であったが、2回表にもいきなり大手・及川に連続四球、さらには2個のワイルドピッチも絡んで無死1・3塁。ここまで絶対的なエース渡辺の立ち直りにかけて我慢してきた三浦学苑ベンチだが、ここでついに2番手の長谷川をマウンドに送り込む。横浜は山口の内野安打、庄子のバントヒットで満塁としてから度会の犠牲フライと2点をあげるも、長谷川は捉えられた打球はなく、小泉・内海という横浜新チームの2トップから三振を奪うなど見事なピッチング。

長谷川は打者の手元で沈むようなカーブが持ち味であり、これで空振りを奪えていた。長谷川のストレートはそれほど球威があるわけでなかったが、投げっぷりのいいフォームもあり、このカーブのおかげでストレートも早く見せることができていていた。3・4回は横浜を無得点に抑えて、三振も計4個を奪う好投ぶりであった。
20180908三浦学苑 長谷川
2番手としてマウンドにあがり横浜打線相手に好投を見せた長谷川

しかしこのままでは終われない横浜打線は5回表に先頭の度会がこのカーブを捉えて2ベースで出塁。内海も同じくカーブをセンター前に運んで1・3塁とすると、富田のセカンドゴロの間に1点を加える。これで5回表終わって14点差とした横浜は、4回までノーヒットピッチングであった及川から木下にスイッチ。木下は威力のあるストレートを中心に、5回裏を2三振の3人で締めて横浜がコールド勝ちを納めた。
20180908横浜 木下
最終回を見事3人で締めた横浜2番手の木下



まず三浦学苑としてはエース渡辺がまさかの大乱調であった。140㌔を超えるストレートをもつ渡辺は前チームからエースであり、経験も十分であった。三浦学苑としては打線が横浜相手に簡単に打てないのはある意味想定済であり、チームのストロングポイントであるエース渡辺が横浜打線を抑えてロースコアに持ち込みたいところであった。それでも初回から球が高めに浮いていて、ストライクがとれるボールも高めの甘いゾーン。それを打たれるとますますストライクがとれなくなってしまい、1回は7四死球に5暴投という散々な内容であった。それでもベンチも渡辺への信頼は厚いようで復調にかけていたが、2回になっても同じであったことから交代に踏み切った。2番手の長谷川が上述の通り横浜打線相手に素晴らしい投球をみせただけに、渡辺にかけたことも結果的に裏目となってしまった。
20180908三浦学苑 渡辺
まさかの大乱調となってしまった三浦学苑のエース渡辺

横浜は甲子園出場により1次予選免除でこれが新チーム初の公式戦。甲子園でベンチ入りしていた選手たちに加えて、この試合でお披露目となった1年生の新戦力(富田と庄子)の活躍も目立った。他の並みいる強打者を抑えて5番に座った富田は、初回にセンターやや左中間よりのフェンス直撃のタイムリー2ベース。3回にもほぼ同じところに直撃に2ベースを放ち、この試合は3打点の活躍であった。庄子は非常に2番らしい選手で、2回には無死1・2塁から相手陣形の隙をつくファースト前への見事なセーフティバントを決めた。まさに前チームでいう遠藤の後継者のような存在であった。
20180908横浜 富田
横浜の5番に抜擢されて2ベース2本の活躍をみせた富田

注目のエース及川は結果的に4回ノーヒット7奪三振という圧巻のピッチング。甲子園ではストレートとスライダーのみであったが、この秋はチェンジアップも解禁したようでこの球もなかなかの代物であった(なんで甲子園で使わなかったのかと言いたくなるレベル)。あえて言えば4回にいきなり連続四球を出してしまったことは課題であるが、攻撃が長かったりと非常にリズムが掴みにくい中でよく投げたと思う。5回には2番手として木下が登板してノーヒットノーランリレー。この試合では黒須がベンチを外れる中で、松本とともに及川に次ぐ存在として収穫であった。横浜投手陣は球の威力でいえば全国トップクラスであるが、前チームでは秋・春ともにいきなり投手陣が総崩れで敗れただけに、あとは今日のようなピッチングで安定して続けられるかがキーとなってくるだろう。
20180908横浜 及川
4回を7奪三振ノーヒットに抑えた横浜のエース及川


Pickup Player
度会隆輝 横浜1年 セカンド
~1レベル上の3安打~
5回までで12安打を放った横浜打線の中にあって、1つレベルが上だと感じたのが3打数3安打の新3番度会であった。

度会は元ヤクルトの度会博文を父に持ち、兄の基輝(現:中央学院大)も拓大紅陵で主将を務めた注目の選手。佐倉シニア時代から注目されていて3年夏にジャイアンツカップを制覇すると、U-15代表としてアジアチャレンジマッチに臨み、打率.636(11の7)点6の活躍でMVPに輝いた。横浜でも平田監督が「天才的」と称するバッティングを武器に、1年春からベンチ入りを果たすと、1年夏の南神奈川大会初戦には2番レフトで出場し2安打の活躍。2戦目以降は代打として出場し、代打で5試合連続安打。特に南神奈川大会で1番苦戦した星槎国際湘南戦で放った勝ち越しのタイムリーヒットは値千金であった。甲子園でも愛産大三河戦では代打でヒットを放つデビューを果たしている。

新チーム初戦となったこの試合では3番セカンドでスタメン出場。第1打席では渡辺の高めに浮いたストレートをきっちりとレフトに弾き返す先制タイムリー。満塁で回ってきた第2打席では今度は引っ張ってライト前に2点タイムリー。第3打席では今度はセンターにきっちりと打ち返す犠牲フライと、持ち前のバットコントロールでそれぞれの方向に打ち分けた。そしてこの日の度会のバッティングで1番凄かったのが第4打席であり、初球の膝元のボールかもというコースのカーブを捉えるTとあわやホームランというライトフェンス直撃の2ベース。相手の長谷川の1番の武器であり、それまで横浜打線が手を焼いていたカーブを捉えたという意味でも非常に価値のある1打であった。

結局この試合では3打数3安打4打点という活躍。横浜打線自体が打ちに打ちまくった試合であったが、その中でも度会は難しい球もヒットにしていて、それでもってミスショットもないということで打撃のレベルは横浜打線の中でも1レベル上にあると感じた。この打撃ならば、もっと好投手が来ても同じように打てることであろう。

打撃だけでなく、50㍍は6.1秒の俊足も兼ねそろえて3拍子揃ったプレーが魅力の度会。セカンド守備でも特に問題はないと感じたが。最後はセカンドの守備は守屋と交代。森屋のセカンド守備がうますぎるということもあるが、守備面でもフル出場できるレベルにはなりたいところだ。ただ全体としては、この秋からレギュラーとなった横浜の次世代スターはまず順調なスタートを切ったと言える見事な活躍であった。

20180908横浜 度会
3打数3安打4打点とワンランク上のバッティングをみせた横浜の3番度会


ランキングに参加しています
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 高校野球へ
にほんブログ村


テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

秋の神奈川の展望、シードはつけようよ…

いよいよ明日から秋季神奈川大会が開幕する。

まずは昨日の抽選結果から↓
2018年秋季神奈川大会組み合わせ
※神奈川高野連HPより

強豪校がひしめき、激戦区と言われる神奈川であるが、ここ数年はなんだかんだいって戦力でいえば横浜と東海大相模の2強時代であった。しかし今年の新チームではその2強に匹敵する戦力をもつのが桐光学園である。なんといっても前チームのスタメンが6~7人が2年生であり、そのメンバーで秋春と関東大会にも出場するほどの結果を残しているので経験は豊富だ。中でも谷村・冨田の左右2枚看板は1年夏からの2枚看板であり、とりわけ経験が豊富。大型スリーク右腕の谷村は威力のあるストレートでストライク先行のピッチングが持ち味で安定感抜群。冨田は鋭いスライダーが武器でフォームがそっくりなことから本物の松井裕樹2世である。秋には投手陣が崩れて敗れるチームも多いだけに、この投手陣の経験は大きなアドバンテージであろう。この2人加えてそれぞれ強打者として4番も経験した天野・安達の大型左腕2人も楽しみだ。野手陣は走攻守揃ったショートの楠本、ミート力が高く力強い打球を飛ばせる鈴木らが中心だが、4番に誰が座るのかが楽しみ。昨秋の4番天野、春の4番鵜沢・安達に、夏の4番鈴木と経験者はいるがみんな高いポテンシャルを持ちながらどこかまだ実力を発揮できていない感じである。彼らの中から前チームの山田のような打線の中心となれる選手が現れると非常に心強い。
20180428桐光学園 冨田
松井裕樹2世との呼び声高い桐光学園の左のエース冨田

横浜も下級生の頃からベンチに入っている選手が多く、個々の能力は高い。中でも新主将の内海は鋭いスイングが武器に、4番を務めた2年春の関東大会の明秀日立戦では9回に逆転ホームラン、甲子園では愛産大三河戦でランニングホームランなど実績も十分でまさにチームと中心となるだろう。内海と共に中心として期待される小泉は走攻守に高いレベルにあり、スタメン落ちした甲子園の悔しさを秋にぶつけて欲しい。度会は元ヤクルトの父を持つ野球センス抜群のセカンドで、夏の神奈川大会では代打で5試合連続安打をマークするなど勝負強さも兼ねそろえる。他にも守備力の高いショート津田や走攻守揃ったライトの大手など楽しみな1年生が多い。投手陣はU18日本大学候補にも選ばれた152㌔左腕の及川がエースで、これに黒須が次ぐ形。松本・木下の左右の1年生コンビも期待できる。いずれの投手も球の力は全国屈指なので、後は去年の秋のようにいきなり大崩れしなかだけがポイントとなる。
20180428横浜 内海
主将で打線の軸となる横浜の内海

ライバルの東海大相模は投手陣がバラエティーに富んでいる。センバツでは3試合に登板した独特のカーブが持ち味の左腕野口が中心となるだろうが、他にもMax144㌔の本格派右腕の遠藤、サイド右腕の紫藤、諸隈・山村の夏からベンチ入りした左右の1年生投手と数が揃っている。西川は1年生ながら186㎝90㎏という大型スラッガーで夏は4番を務めると保土ヶ谷球場の場外へホームランを放ち、その後も清宮以上と言われるペースでホームランを量産している。正捕手で主将を務める井上は打撃が好調で予選では4番を務めるなどまさにチームの要となった。夏にライトのレギュラーを掴んだ金城は走塁・守備が光るものがあり、さすがは巨人の金城2軍コーチの息子という感じだ。その器用さでショートとセンターどちらで出場するのか楽しみである。
20180427東海大相模 野口
新チームでは東海大相模のエースとして期待される野口

この3強を追う形となるのが春夏連続で甲子園出場を果たした慶応である。センバツの4番関と選手権大会の4番廣瀬はともに2年生であったために新チームの打線の軸となる。新主将も務める善波は明治大の善波監督の息子であり、前チームから正捕手を務めていてまさに扇の要となる。ここ3年生エースが夏に不調で代わりに2年生投手がエース格として頑張るという構図が続いていたが、生井・渡部の3年生左腕2枚看板で甲子園出場を果たしてしまった今年は目立った2年生投手がいない。田口あたりがエースになるだろうが。全体的に経験が少なく投手陣は課題といえる。
20180724慶応 善波
前チームから正捕手を務め、新チームでは主将も務める慶応の善波

他には山崎・森という投打の柱のいる桐蔭学園、エース左腕の佐藤をはじめとして投手陣が多く残る横浜創学館あたりが注目だが、いずれも上記の4チームとは戦力的に大きな差がある。


ただこの4チームの中から関東大会に行けるのは1チームのみという残念な抽選結果。上記の4チームは同じ山となってしまい準決勝までにつぶし合うという何とも残念な結果に…以下のように全体的にも右の山の方が強豪が揃ってし烈な戦いとなる。

(左の山) 鎌倉学園・弥栄・向上・桐蔭学園・法政二・横浜商大・日大藤沢・武相
(右の山) 相洋・東海大相模・横浜・横浜創学館・横浜隼人・星槎国際湘南・日大・慶応・平塚学園・相模原・桐光学園

逆に言えば左の山は本命不在の状況で、左の山に入ったチームにとっては3強と当たらなくても、関東大会への切符を手にできるという大チャンス。特に左上のブロックには強豪といわれるチームが少なく、鎌倉学園などは非常についている組み合わせだ。

秋は全くのシード無しでやっている神奈川なのでこういうこともあり得るのだろうけど、個人的には非常に残念だ。神奈川にとってもより強いチームを関東大会に送り込めないということは望ましくないだろうし、秋もシードつけようと神奈川さん…。



ランキングに参加しています
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 高校野球へ
にほんブログ村


テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

夏の甲子園のベストナインを選んでみた【下級生編】

もう今さら遅いよと言われそうですが…
書きかけていたのと、このブログ上での高校野球の世代交代も含めてアップしてみます。

ということでこれからの秋の大会でも注目選手を見るという意味でも、下級生限定での夏の甲子園のベストナインを選んでみました(全体のベストナインはベスト8以上でしたが下級生はもっと対象範囲を広げています)。



ピッチャー
林優樹 近江2年

近江投手陣は「4本の矢」と言われていたが、先発にリリーフに全試合に登板した林が大黒柱であった。小柄ながら全身を使ったフォームから繰り出すストレートとチェンジアップを武器に計4試合で21回2/3で24奪三振4失点という見事な成績であった。
20180813近江 林


キャッチャー
有馬諒 近江2年

近江の扇の要として林を初めとしてバラエティーに富んだ投手をリードしてチームをベスト8に導くなど捕手としての総合力が高く、上の世代を含めてもNo1捕手と評価する人もいるほど。打撃でも勝負強さを発揮して、前橋育英戦ではサヨナラ打を放った。
20180813近江 有馬


ファースト
内海貴斗 横浜2年

愛産大三河戦ではラニングホームランを含む2安打、花咲徳栄戦ではビックイニングの口火を切るレフトへの2ベース、金足農の吉田からもヒットを放など、全試合でヒットを記録し4番が不調であった横浜打線を5番バッターとして支えた。
20180814横浜 内海


セカンド
該当者なし




サード
西村貫輔 高知商1年

ボールを的確にミートすることのできる打撃技術で山梨学院戦では大打撃戦に終止符を打つ決勝タイムリーを含む3打数3安打3打点、続く慶応戦でも初回に1番打者が出塁するとすかさずタイムリー3ベースを放つなど3打点をあげる活躍をみせた。
20180812高知商 西村


ショート
韮澤雄也 花咲徳栄2年

鳴門戦では逆転のきっかけとなるヒットを放ち、横浜戦でも先制タイムリー。その他にも四球を選んでチームへの貢献度の高い打撃に加えて、難しい体制でキャッチしても正確な送球でアウトにするショート守備先輩の岡崎を彷彿とさせた。
20180814花咲徳栄 韮澤


外野
住谷湧也 近江2年
常葉大菊川戦では2点タイムリー3ベースを含む3安打、金足農戦でも2試合続けて猛打賞をマークするなど大会通じて13打数10安打と大当たり。なぜかあまり注目されていないが打率.769は夏の甲子園史上最高打率(ベスト8以上が対象)である。
20180813近江 住谷


橋本吏功 花咲徳栄2年
小柄でさらにノンステップに近い打法であるが、強烈な打球を飛ばすことのできる1番打者として横浜戦ではホームランを含む3安打と同世代のライバルである及川を完全にカモにした打撃に加えて走力とセンター守備も光った。
20180814花咲徳栄 橋本史


太田翔梧 木更津総合2年
敦賀気比戦・興南戦ではそれぞれ2安打ずつを放ち、下関国際線でも3ベースを放って大会通じて打率.455の活躍。興南戦で初回にライトから好返球でホーム捕殺を記録したのも、試合の流れを左右する上で非常に貴重なプレーであった。
20180810木更津総合 太田


以上です。異論は認めます。


ランキングに参加しています
よろしければクリックをお願いします↓
にほんブログ村 野球ブログ 高校野球へ
にほんブログ村


テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

最新記事
ランキング
カレンダー
08 | 2018/09 | 10
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
カテゴリ
プロフィール

ぶるーたす

Author:ぶるーたす
高校野球~社会人野球までアマチュア野球なら何でも好きです

アクセスカウンター
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

月別アーカイブ
注目ブログ