静岡×早稲田大【オータムフレッシュリーグ】
11/23 静岡オータムフレッシュリーグ
静岡高校×早稲田大@草薙球場
今年から始まったオータムフレッシュリーグ@静岡は、大学生1・2年生の試合が中心だが、静岡の強豪校も参戦して大学生と1試合ずつを行う。その中でも静岡の雄である静岡高校が早稲田大に挑んだ試合をお送ります。
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
早稲田大はこの日の2試合目とあって、1試合目からスタメンを全員入れ替えたメンバーで、リーグ戦出場経験があるのは丸山のみというまさにフレッシュなメンバー。対する静岡はプロも注目の齋藤來音がケガからかスタメンから外れるも、エース齊藤颯を先発に添えるなどそれ以外はフルメンバーで挑んだ。ちなみに大学生は木製バット、高校生は金属バットでの試合となる。
初回は三振2個の三者凡退と素晴らしいスタートを切った静岡のエース齊藤颯であったが、2回は八田・小掛にヒットを浴びて1・2塁のピンチを背負う。斉藤はここで迎えた7番今井脩を見逃し三振に仕留めるも、その投球で3塁へスタートを切っっていた八田を刺そうとした小岩の送球はサード手前でワンバンとなり、これをサードがとれずに八田が一気にホームインし早稲田が先制。タイミング的には完全にアウトな盗塁だっただけに静岡としては、三振ゲッツーのところが失点になってしまう痛いプレーであった。

早稲田大の先制点は4番八田のヒット+走塁から生まれた
しかし直後の3回表、スタンドから鳴り響く慶応大の応援歌にも後押しされて静岡打線が火を噴く。樋口・相羽が連続四球で無死1・2塁として迎えたのは2番片平ということで、当然送ってくる場面かと思われた。しかし片平はバントの構えからバスターに切り換えると、見事に右中間を破り、2点タイムリー3ベースで静岡が逆転。さらに無死3塁という状況だが、早稲田先発の村上がここで粘りを見せて夏目・小岩と3・4番を連続で内野フライに打ち取り、3塁ランナーをくぎ付けにする。しかし5番鈴木壮にはライト前に運ばれてしまい、静岡が3点目をあげる。

バントの構えからバスターに切り換え見事逆転タイムリー3ベースを放った静岡の片平
静岡は5回表にも2死ランナー無しから、夏目がサードエラーで出塁。4番小岩のタイムリー2ベースで1点を追加すると、さらに鈴木壮のヒットと盗塁で2・3塁のチャンスを作ると6番鈴木陸がレフト線に2点タイムリー2ベースを放ち、村上をKOした。

早稲田大の先発村上は5回途中6失点で降板となってしまった
4回まで早稲田相手に7奪三振と快調な投球を見せていた斉藤颯だが、5回に急に乱れる。先頭の中島のヒット→バントから小西のタイムリーでまず1点を失う。そこからストライクが入らなくなり、3連続四球を与えてしまい押し出しでさらに1点を失う。だが静岡はここでこの回2回目のタイムをとってマウンドに集まると、斉藤颯も開き直ったか真ん中付近に威力のあるストレートを投げ込み、岡本・小掛を連続セカンドフライに打ち取り、この回2失点で凌ぐ。
早稲田の反撃を凌いだ静岡は7回表にも打線がつながる。早稲田の2番手のサイドスロー宮本に対し、片平・夏目の連打でチャンスを作ると、5番鈴木壮がセンターへタイムリーヒット。この打球をセンター岡本が後逸し、夏目もホームインして、鈴木壮は一気に3塁へ。鈴木陸の犠牲フライでこの回3点目をあげて早稲田を突き放す。

静岡の鈴木陸はこの犠牲フライでこの試合3打点目
静岡は7回裏には1年生右腕の鈴木悠がマウンドにあがり、苦しみながらも無失点で切り抜けると、時間制限もありここでゲームセット。木製バットVS金属バットというハンデはあったものの静岡が早稲田大相手に9-3と快勝した。

大学生相手に勝利した静岡はさすがであった。この後の試合で東海大静岡翔洋が立教大相手に1イニング13点を奪われて元巨人の原監督が大激怒していたことを踏まえると、静岡県内の実力としては1つ抜けていたといえる。
中でもエース斉藤颯は早稲田打線を圧倒するような投球であった。斉藤颯はストレートは130㌔ちょっとであったが、このストレートが下手すれば変化球のシュートよりも…というほど、うなりを上げるようにシュートしていて打者は打ちづらそうであった。これにスライダー・チェンジアップといった変化球も有効に使えていて、4回まで早稲田大打線から7三振を奪っていた。5回には突如制球を乱してしまい、ここのところが秋に静岡大会では御殿場西に、東海大会では中京大中京に大差をつけて敗れてしまった要因だと感じた。そこから立ち直って2点で凌げたというのは1つ収穫かもしれないが、この安定感のなさは課題であろう。ただ逆に言えばこれさえ克服すれば、大学生をも圧倒する力があることは証明した。

途中乱れはしたものの6回3失点8奪三振の好投をみせた静岡のエース斉藤颯
打線も活発であり、特に2~6番と中軸がチームのヒット10本中9本を放つなど非常に繋がりがあった。中でも秋は背番号13でレギュラーでなかった1年生の鈴木壮はこの試合では5番ファーストで出場すると、タイムリー2本を含む3安打の活躍であり、相羽・吉崎も含めて1年生が出てきて戦力に厚みが出てきているようだ。
対する早稲田大はバットの差があるとはいえ正直大学生として不甲斐ない内容(特にディフェンス面)であった。村上・宮本ともに球に威力があるとはいえず、これでは高校生でも捉えられてしまうというレベル。守備も3点が3イニングあったが、このうち2回はエラーが絡んでいて、投手の足を引っ張ってしまった。
そんな早稲田大のスタメンは10人中5人(村上、小掛、工藤、岡本、小西)が早稲田実業出身。ちょうど清宮の同期と1個上の先輩にあたる世代である。この中で1番を務めた小西は2安打の活躍で、翌日の試合で1試合目(1日2試合やるこのフレッシュリーグで早稲田は1試合目にほぼフルメンバーで、残りが2試合目という形をとっていた)でスタメン出場を果たすなどアピールに成功。小西は早実2年秋の明治神宮大会では静岡戦で決勝のタイムリー2ベースを放っていて(その試合の観戦記はコチラ)、静岡高校に対する相性の良さもあったかもしれない。ただその他のメンバーはアピールには乏しく、この日監督を務めた佐藤コーチや静岡高出身の鈴木太郎コーチにとっては頭の痛い試合となってしまったことだろう。

この試合唯一早稲田大でアピールに成功したといえる1番小西
Pickup Player
片平吉信 静岡2年 外野手
~意表をつくバスターで流れを一気に手繰り寄せた主将~
この試合で嫌な形で先制を許した静岡に、一振りで流れを取り戻したのは主将の片平であった。
片平は守備力の高い外野手として1年秋よりベンチ入りを果たし、2年春にはセンバツにも出場でも出番はなかった。それでも2年春の静岡大会から徐々に出場機会を増やすと、ライトを守っていた斎藤來が内野にコンバートされたこともあり、3年夏はライトのレギュラーを獲得。静岡大会の全3試合に9番打者として出場し、飛龍戦では2安打の活躍をみせるも、エース春・核弾頭の村松をケガで欠いたチームは飛龍に敗れた。
新チームでは主将にも就任した片平は、その守備力でセンターを務める。東海大会では7番センターであったが、このフレッシュリーグでは打順を2番に上げて臨んだ。そんな2番片平のところに3回表無死1・2塁という場面で打席が回ってきた。2番なので当然バントという場面であったが、片平もバントの構えをみせるも、2球連続ボール。ここから1球待ってカウント2B1Sとなった4球目もバントの構えをしていた片平だが、そこからバスターに切り換えると、打球はライナーでセカンドの頭を越えて、そのまま右中間を抜けていった。ランナー2人が還り、片平は俊足を飛ばして3ベース。明らかにバントという場面で意表をつき、さらにコントロールに苦しんでいた村上に一気にたたみかける素晴らしい作戦であった。この1打で逆転となり、流れは一気に静岡に来たと言える。
片平はで7回に先頭打者として回ってきた第4打席でも1・2塁間を抜くヒットを放ち、静岡はこれをきっかけとしてトドメの3得点、をあげるなど、2安打2打点という数字以上に価値のあるバッティングをみせた。持ち味の守備でも、俊足を生かして、こちらの予想以上に早く落下点に到達する安定したプレーを見せていた。秋は若干自滅気味に敗れてしまった静岡を立て直すべく、主将が自らプレーでチームを牽引していると感じた。

2回に貴重な逆転タイムリー3ベースを放った静岡の主将片平
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静岡高校×早稲田大@草薙球場
今年から始まったオータムフレッシュリーグ@静岡は、大学生1・2年生の試合が中心だが、静岡の強豪校も参戦して大学生と1試合ずつを行う。その中でも静岡の雄である静岡高校が早稲田大に挑んだ試合をお送ります。
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
早稲田大はこの日の2試合目とあって、1試合目からスタメンを全員入れ替えたメンバーで、リーグ戦出場経験があるのは丸山のみというまさにフレッシュなメンバー。対する静岡はプロも注目の齋藤來音がケガからかスタメンから外れるも、エース齊藤颯を先発に添えるなどそれ以外はフルメンバーで挑んだ。ちなみに大学生は木製バット、高校生は金属バットでの試合となる。
初回は三振2個の三者凡退と素晴らしいスタートを切った静岡のエース齊藤颯であったが、2回は八田・小掛にヒットを浴びて1・2塁のピンチを背負う。斉藤はここで迎えた7番今井脩を見逃し三振に仕留めるも、その投球で3塁へスタートを切っっていた八田を刺そうとした小岩の送球はサード手前でワンバンとなり、これをサードがとれずに八田が一気にホームインし早稲田が先制。タイミング的には完全にアウトな盗塁だっただけに静岡としては、三振ゲッツーのところが失点になってしまう痛いプレーであった。

早稲田大の先制点は4番八田のヒット+走塁から生まれた
しかし直後の3回表、スタンドから鳴り響く慶応大の応援歌にも後押しされて静岡打線が火を噴く。樋口・相羽が連続四球で無死1・2塁として迎えたのは2番片平ということで、当然送ってくる場面かと思われた。しかし片平はバントの構えからバスターに切り換えると、見事に右中間を破り、2点タイムリー3ベースで静岡が逆転。さらに無死3塁という状況だが、早稲田先発の村上がここで粘りを見せて夏目・小岩と3・4番を連続で内野フライに打ち取り、3塁ランナーをくぎ付けにする。しかし5番鈴木壮にはライト前に運ばれてしまい、静岡が3点目をあげる。

バントの構えからバスターに切り換え見事逆転タイムリー3ベースを放った静岡の片平
静岡は5回表にも2死ランナー無しから、夏目がサードエラーで出塁。4番小岩のタイムリー2ベースで1点を追加すると、さらに鈴木壮のヒットと盗塁で2・3塁のチャンスを作ると6番鈴木陸がレフト線に2点タイムリー2ベースを放ち、村上をKOした。

早稲田大の先発村上は5回途中6失点で降板となってしまった
4回まで早稲田相手に7奪三振と快調な投球を見せていた斉藤颯だが、5回に急に乱れる。先頭の中島のヒット→バントから小西のタイムリーでまず1点を失う。そこからストライクが入らなくなり、3連続四球を与えてしまい押し出しでさらに1点を失う。だが静岡はここでこの回2回目のタイムをとってマウンドに集まると、斉藤颯も開き直ったか真ん中付近に威力のあるストレートを投げ込み、岡本・小掛を連続セカンドフライに打ち取り、この回2失点で凌ぐ。
早稲田の反撃を凌いだ静岡は7回表にも打線がつながる。早稲田の2番手のサイドスロー宮本に対し、片平・夏目の連打でチャンスを作ると、5番鈴木壮がセンターへタイムリーヒット。この打球をセンター岡本が後逸し、夏目もホームインして、鈴木壮は一気に3塁へ。鈴木陸の犠牲フライでこの回3点目をあげて早稲田を突き放す。

静岡の鈴木陸はこの犠牲フライでこの試合3打点目
静岡は7回裏には1年生右腕の鈴木悠がマウンドにあがり、苦しみながらも無失点で切り抜けると、時間制限もありここでゲームセット。木製バットVS金属バットというハンデはあったものの静岡が早稲田大相手に9-3と快勝した。

大学生相手に勝利した静岡はさすがであった。この後の試合で東海大静岡翔洋が立教大相手に1イニング13点を奪われて元巨人の原監督が大激怒していたことを踏まえると、静岡県内の実力としては1つ抜けていたといえる。
中でもエース斉藤颯は早稲田打線を圧倒するような投球であった。斉藤颯はストレートは130㌔ちょっとであったが、このストレートが下手すれば変化球のシュートよりも…というほど、うなりを上げるようにシュートしていて打者は打ちづらそうであった。これにスライダー・チェンジアップといった変化球も有効に使えていて、4回まで早稲田大打線から7三振を奪っていた。5回には突如制球を乱してしまい、ここのところが秋に静岡大会では御殿場西に、東海大会では中京大中京に大差をつけて敗れてしまった要因だと感じた。そこから立ち直って2点で凌げたというのは1つ収穫かもしれないが、この安定感のなさは課題であろう。ただ逆に言えばこれさえ克服すれば、大学生をも圧倒する力があることは証明した。

途中乱れはしたものの6回3失点8奪三振の好投をみせた静岡のエース斉藤颯
打線も活発であり、特に2~6番と中軸がチームのヒット10本中9本を放つなど非常に繋がりがあった。中でも秋は背番号13でレギュラーでなかった1年生の鈴木壮はこの試合では5番ファーストで出場すると、タイムリー2本を含む3安打の活躍であり、相羽・吉崎も含めて1年生が出てきて戦力に厚みが出てきているようだ。
対する早稲田大はバットの差があるとはいえ正直大学生として不甲斐ない内容(特にディフェンス面)であった。村上・宮本ともに球に威力があるとはいえず、これでは高校生でも捉えられてしまうというレベル。守備も3点が3イニングあったが、このうち2回はエラーが絡んでいて、投手の足を引っ張ってしまった。
そんな早稲田大のスタメンは10人中5人(村上、小掛、工藤、岡本、小西)が早稲田実業出身。ちょうど清宮の同期と1個上の先輩にあたる世代である。この中で1番を務めた小西は2安打の活躍で、翌日の試合で1試合目(1日2試合やるこのフレッシュリーグで早稲田は1試合目にほぼフルメンバーで、残りが2試合目という形をとっていた)でスタメン出場を果たすなどアピールに成功。小西は早実2年秋の明治神宮大会では静岡戦で決勝のタイムリー2ベースを放っていて(その試合の観戦記はコチラ)、静岡高校に対する相性の良さもあったかもしれない。ただその他のメンバーはアピールには乏しく、この日監督を務めた佐藤コーチや静岡高出身の鈴木太郎コーチにとっては頭の痛い試合となってしまったことだろう。

この試合唯一早稲田大でアピールに成功したといえる1番小西
Pickup Player
片平吉信 静岡2年 外野手
~意表をつくバスターで流れを一気に手繰り寄せた主将~
この試合で嫌な形で先制を許した静岡に、一振りで流れを取り戻したのは主将の片平であった。
片平は守備力の高い外野手として1年秋よりベンチ入りを果たし、2年春にはセンバツにも出場でも出番はなかった。それでも2年春の静岡大会から徐々に出場機会を増やすと、ライトを守っていた斎藤來が内野にコンバートされたこともあり、3年夏はライトのレギュラーを獲得。静岡大会の全3試合に9番打者として出場し、飛龍戦では2安打の活躍をみせるも、エース春・核弾頭の村松をケガで欠いたチームは飛龍に敗れた。
新チームでは主将にも就任した片平は、その守備力でセンターを務める。東海大会では7番センターであったが、このフレッシュリーグでは打順を2番に上げて臨んだ。そんな2番片平のところに3回表無死1・2塁という場面で打席が回ってきた。2番なので当然バントという場面であったが、片平もバントの構えをみせるも、2球連続ボール。ここから1球待ってカウント2B1Sとなった4球目もバントの構えをしていた片平だが、そこからバスターに切り換えると、打球はライナーでセカンドの頭を越えて、そのまま右中間を抜けていった。ランナー2人が還り、片平は俊足を飛ばして3ベース。明らかにバントという場面で意表をつき、さらにコントロールに苦しんでいた村上に一気にたたみかける素晴らしい作戦であった。この1打で逆転となり、流れは一気に静岡に来たと言える。
片平はで7回に先頭打者として回ってきた第4打席でも1・2塁間を抜くヒットを放ち、静岡はこれをきっかけとしてトドメの3得点、をあげるなど、2安打2打点という数字以上に価値のあるバッティングをみせた。持ち味の守備でも、俊足を生かして、こちらの予想以上に早く落下点に到達する安定したプレーを見せていた。秋は若干自滅気味に敗れてしまった静岡を立て直すべく、主将が自らプレーでチームを牽引していると感じた。

2回に貴重な逆転タイムリー3ベースを放った静岡の主将片平
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