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静岡×早稲田大【オータムフレッシュリーグ】

11/23 静岡オータムフレッシュリーグ
静岡高校×早稲田大@草薙球場

今年から始まったオータムフレッシュリーグ@静岡は、大学生1・2年生の試合が中心だが、静岡の強豪校も参戦して大学生と1試合ずつを行う。その中でも静岡の雄である静岡高校が早稲田大に挑んだ試合をお送ります。

試合経過

20181123静岡×早稲田大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

早稲田大はこの日の2試合目とあって、1試合目からスタメンを全員入れ替えたメンバーで、リーグ戦出場経験があるのは丸山のみというまさにフレッシュなメンバー。対する静岡はプロも注目の齋藤來音がケガからかスタメンから外れるも、エース齊藤颯を先発に添えるなどそれ以外はフルメンバーで挑んだ。ちなみに大学生は木製バット、高校生は金属バットでの試合となる。

初回は三振2個の三者凡退と素晴らしいスタートを切った静岡のエース齊藤颯であったが、2回は八田・小掛にヒットを浴びて1・2塁のピンチを背負う。斉藤はここで迎えた7番今井脩を見逃し三振に仕留めるも、その投球で3塁へスタートを切っっていた八田を刺そうとした小岩の送球はサード手前でワンバンとなり、これをサードがとれずに八田が一気にホームインし早稲田が先制。タイミング的には完全にアウトな盗塁だっただけに静岡としては、三振ゲッツーのところが失点になってしまう痛いプレーであった。
20181123早稲田大 八田
早稲田大の先制点は4番八田のヒット+走塁から生まれた

しかし直後の3回表、スタンドから鳴り響く慶応大の応援歌にも後押しされて静岡打線が火を噴く。樋口・相羽が連続四球で無死1・2塁として迎えたのは2番片平ということで、当然送ってくる場面かと思われた。しかし片平はバントの構えからバスターに切り換えると、見事に右中間を破り、2点タイムリー3ベースで静岡が逆転。さらに無死3塁という状況だが、早稲田先発の村上がここで粘りを見せて夏目・小岩と3・4番を連続で内野フライに打ち取り、3塁ランナーをくぎ付けにする。しかし5番鈴木壮にはライト前に運ばれてしまい、静岡が3点目をあげる。
20181123静岡 片平1
バントの構えからバスターに切り換え見事逆転タイムリー3ベースを放った静岡の片平

静岡は5回表にも2死ランナー無しから、夏目がサードエラーで出塁。4番小岩のタイムリー2ベースで1点を追加すると、さらに鈴木壮のヒットと盗塁で2・3塁のチャンスを作ると6番鈴木陸がレフト線に2点タイムリー2ベースを放ち、村上をKOした。
20181123早稲田大 村上
早稲田大の先発村上は5回途中6失点で降板となってしまった

4回まで早稲田相手に7奪三振と快調な投球を見せていた斉藤颯だが、5回に急に乱れる。先頭の中島のヒット→バントから小西のタイムリーでまず1点を失う。そこからストライクが入らなくなり、3連続四球を与えてしまい押し出しでさらに1点を失う。だが静岡はここでこの回2回目のタイムをとってマウンドに集まると、斉藤颯も開き直ったか真ん中付近に威力のあるストレートを投げ込み、岡本・小掛を連続セカンドフライに打ち取り、この回2失点で凌ぐ。

早稲田の反撃を凌いだ静岡は7回表にも打線がつながる。早稲田の2番手のサイドスロー宮本に対し、片平・夏目の連打でチャンスを作ると、5番鈴木壮がセンターへタイムリーヒット。この打球をセンター岡本が後逸し、夏目もホームインして、鈴木壮は一気に3塁へ。鈴木陸の犠牲フライでこの回3点目をあげて早稲田を突き放す。
20181123静岡 鈴木陸
静岡の鈴木陸はこの犠牲フライでこの試合3打点目

静岡は7回裏には1年生右腕の鈴木悠がマウンドにあがり、苦しみながらも無失点で切り抜けると、時間制限もありここでゲームセット。木製バットVS金属バットというハンデはあったものの静岡が早稲田大相手に9-3と快勝した。

20181123静岡×早稲田大 スコアボード


大学生相手に勝利した静岡はさすがであった。この後の試合で東海大静岡翔洋が立教大相手に1イニング13点を奪われて元巨人の原監督が大激怒していたことを踏まえると、静岡県内の実力としては1つ抜けていたといえる。

中でもエース斉藤颯は早稲田打線を圧倒するような投球であった。斉藤颯はストレートは130㌔ちょっとであったが、このストレートが下手すれば変化球のシュートよりも…というほど、うなりを上げるようにシュートしていて打者は打ちづらそうであった。これにスライダー・チェンジアップといった変化球も有効に使えていて、4回まで早稲田大打線から7三振を奪っていた。5回には突如制球を乱してしまい、ここのところが秋に静岡大会では御殿場西に、東海大会では中京大中京に大差をつけて敗れてしまった要因だと感じた。そこから立ち直って2点で凌げたというのは1つ収穫かもしれないが、この安定感のなさは課題であろう。ただ逆に言えばこれさえ克服すれば、大学生をも圧倒する力があることは証明した。
20181123静岡 齊藤颯
途中乱れはしたものの6回3失点8奪三振の好投をみせた静岡のエース斉藤颯

打線も活発であり、特に2~6番と中軸がチームのヒット10本中9本を放つなど非常に繋がりがあった。中でも秋は背番号13でレギュラーでなかった1年生の鈴木壮はこの試合では5番ファーストで出場すると、タイムリー2本を含む3安打の活躍であり、相羽・吉崎も含めて1年生が出てきて戦力に厚みが出てきているようだ。

対する早稲田大はバットの差があるとはいえ正直大学生として不甲斐ない内容(特にディフェンス面)であった。村上・宮本ともに球に威力があるとはいえず、これでは高校生でも捉えられてしまうというレベル。守備も3点が3イニングあったが、このうち2回はエラーが絡んでいて、投手の足を引っ張ってしまった。

そんな早稲田大のスタメンは10人中5人(村上、小掛、工藤、岡本、小西)が早稲田実業出身。ちょうど清宮の同期と1個上の先輩にあたる世代である。この中で1番を務めた小西は2安打の活躍で、翌日の試合で1試合目(1日2試合やるこのフレッシュリーグで早稲田は1試合目にほぼフルメンバーで、残りが2試合目という形をとっていた)でスタメン出場を果たすなどアピールに成功。小西は早実2年秋の明治神宮大会では静岡戦で決勝のタイムリー2ベースを放っていて(その試合の観戦記はコチラ)、静岡高校に対する相性の良さもあったかもしれない。ただその他のメンバーはアピールには乏しく、この日監督を務めた佐藤コーチや静岡高出身の鈴木太郎コーチにとっては頭の痛い試合となってしまったことだろう。
20181123早稲田大 小西
この試合唯一早稲田大でアピールに成功したといえる1番小西


Pickup Player
片平吉信 静岡2年 外野手
~意表をつくバスターで流れを一気に手繰り寄せた主将~
この試合で嫌な形で先制を許した静岡に、一振りで流れを取り戻したのは主将の片平であった。

片平は守備力の高い外野手として1年秋よりベンチ入りを果たし、2年春にはセンバツにも出場でも出番はなかった。それでも2年春の静岡大会から徐々に出場機会を増やすと、ライトを守っていた斎藤來が内野にコンバートされたこともあり、3年夏はライトのレギュラーを獲得。静岡大会の全3試合に9番打者として出場し、飛龍戦では2安打の活躍をみせるも、エース春・核弾頭の村松をケガで欠いたチームは飛龍に敗れた。

新チームでは主将にも就任した片平は、その守備力でセンターを務める。東海大会では7番センターであったが、このフレッシュリーグでは打順を2番に上げて臨んだ。そんな2番片平のところに3回表無死1・2塁という場面で打席が回ってきた。2番なので当然バントという場面であったが、片平もバントの構えをみせるも、2球連続ボール。ここから1球待ってカウント2B1Sとなった4球目もバントの構えをしていた片平だが、そこからバスターに切り換えると、打球はライナーでセカンドの頭を越えて、そのまま右中間を抜けていった。ランナー2人が還り、片平は俊足を飛ばして3ベース。明らかにバントという場面で意表をつき、さらにコントロールに苦しんでいた村上に一気にたたみかける素晴らしい作戦であった。この1打で逆転となり、流れは一気に静岡に来たと言える。

片平はで7回に先頭打者として回ってきた第4打席でも1・2塁間を抜くヒットを放ち、静岡はこれをきっかけとしてトドメの3得点、をあげるなど、2安打2打点という数字以上に価値のあるバッティングをみせた。持ち味の守備でも、俊足を生かして、こちらの予想以上に早く落下点に到達する安定したプレーを見せていた。秋は若干自滅気味に敗れてしまった静岡を立て直すべく、主将が自らプレーでチームを牽引していると感じた。

20181123静岡 片平2
2回に貴重な逆転タイムリー3ベースを放った静岡の主将片平


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浦和実業×浦和学院 【さいたま市民大会決勝(2018)】

11/18 さいたま市民大会決勝
浦和実業×浦和学院 @市営浦和球場

さいたま市民大会の決勝は今年も浦和実業×浦和学院というお馴染みのカードとなった。


試合経過

20181118浦和実業×浦和学院
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

高野連主催の公式戦ではない試合だが、浦和実業は背番号20だが秋季大会でも2本柱として先発をこなしていた豆田でその他のスタメンもほぼフルメンバー。浦和学院も背番号8だが夏の甲子園でも控え投手としてベンチ入りしていた下薗が先発で、エース永島と正捕手の畑を除いた2年生のフルメンバーで臨んだ(1年生はベンチ入りせず)。

試合は2回裏、浦学は四球と嶋田のヒットで無死1・2塁のチャンスを作るも、7番石谷はショートゴロ併殺。悪いながれでの2死3塁であったが、上田が四球で繋ぐと、9番古谷が粘った上に三球間を破るタイムリーで先制する。しかし古谷はこの打席or走塁で手を痛めたようで、次の回の守備からは代わって蛭田がサードに入った。

この1点を失ったものの豆田は浦学相手に4回1失点と好投。決して背丈のある投手ではないが、珠持ちが良くてボールを話す位置が前なのでストレートには見た目以上威力がある。このストレートを各バッターのインコースにコントロールよく投げることがでいていて、3回には浦学の注目の中前から見事にインコースのストレートで三振を奪った。さすが埼玉大会準決勝では(関東準Vの)春日部共栄を5回無失点に抑えた投手であった。
20181118浦和実業 豆田
浦学打線を4回1失点に抑えた浦和実業先発の豆田

浦実は5回に2死2塁というチャンスで豆田に打順が回ってきたこともあり、代打を送り豆田は降板。マウンドにはエース三田があがり、中盤まで豆田が投げて、(例え豆田の内容が良くても)そこから三田が登板するという秋季大会さながらの投手起用をみせた。しかしその三田に対して、浦学は後藤のヒットとバッテリーミスでチャンスを作ると、4番徳弘がセンター前にタイムリーを放ち2-0とリードを広げる。
20181118浦和学院 徳弘
2点目となるタイムリーヒットを放つ浦和学院の4番徳弘

ただ三田は6回・7回とピンチを招きながらも浦学打線を無得点に抑えて、流れ浦実に呼び込む(下薗のピッチングについては別途…)。すると打線は7回まで下薗の前に散発3安打に無失点と完璧に抑えられていた打線は7回2死ランナー無しから粘りを見せる。まず代打の佐藤新が死球で出塁すると、連続代打の佐藤大がライト前ヒットで続き2死1・2塁。佐藤新もインコースを攻められたボールが膝をかすめたものであり、苦戦していた左腕の下薗に対して、左バッターに右バッターの代打を送ったことが見事に的中して作ったチャンスであった。浦学はここで下薗に代わり、ショートをまもっていた主将の中前をマウンドにあげる。中前は野手らしいコンパクトなフォームから力のあるストレートを繰り出し、2球で松村を追い込む。しかし松村はここから高めのストレートを大根切りのように捉えると、早い打球はファーストの右を抜けてライト線への2点タイムリー3ベースとなり浦実が同点に追いつく。
20181118浦和実業 松村
同点のタイムリー3ベースを放った浦和実業の2番松村

ただこれで浦学は目が覚めたのかその裏…1死から嶋田が四球で出塁すると、石谷はエンドランでしぶとく三遊間を破って1・2塁。8番上田が右中間を抜くタイムリー2ベースを放ち勝ち越すと、9番蛭田はスクイズを決める。下薗の四球を挟んで、2番後藤も鋭い当たりで1・2塁間を破り浦学が3点を勝ち越す。8回にはストレート一辺倒で松村に打たれてしまった中前であったが、9回はスライダーをうまく使った投球で浦実打線を抑えてゲームセット。浦和学院が5-2で勝利してさいたま市民大会優勝を果たした。
20181118浦和学院 上田
8回裏に決勝打となるタイムリー2ベースを放った浦和学院の上田

20181118浦和実業×浦和学院 スコアボード


さいたま市民大会という名が旧浦和市民大会という名前も残っているように浦和勢の戦いとなるこの大会は、今年は浦和麗明が加わって分、浦和学院はシードとなるなどやはり浦和学院が中心であり、頭1つ抜けた存在であった。しかし今年の秋に関して言えば、浦和学院は優勝候補と期待されながらも白岡相手にまさかの初戦負け…。その分浦和勢で活躍を見せたのがベスト4にまで上り詰めた浦和実業であった。浦和実業は準々決勝で埼玉栄を破ると、準決勝ではのちに横浜をコールドで破るなどしいて関東準Vまで春日部共栄相手に延長13回0-1という大接戦を繰り広げた。そんな浦和実業が豆田→三田と春日部共栄戦と同じ投手起用で臨んできたわけだから、浦和学院としても8回には同点に追いつかれたように一筋縄では行かなかった。

それでも1年生に加えて、永島ー畑という主力バッテリーを外した状態で勝ったあたりはさすがの浦和学院の自力というところであった。永島・畑がいないとなると、浦和学院は前チームからリードオフマンを務めていて新チームでは主将、この試合でも3番ショートを出場した中前が中心となる。しかしその中前がこの試合ではブレーキになってしまった。姿勢のよい構えから軸のしっかりしたスイングは鋭く2打席目にあわやホームランという大ファール(浦和学院ベンチからはポールをまいたという声もあがったが審判は認めず…)を放ったが。3打席目以降はいずれもチャンスで打順が回ってきたが凡退で4打数ノーヒットという結果。中前にあと1本出ていれば試合がもっと楽になったことであろう。投げても8回のピンチにはショートからマウンドに上がるも、同点タイムリーを打たれてしまった。野手らしいコンパクトなフォームからのストレートには力があったが、浦和学院の投手層を考えると投手として活躍するにはもう少し経験が必要だ。ただ秋の初戦敗退からの雪辱を晴らすには主将であり、夏の甲子園も経験した中前がチームを牽引していくことが必須であろう。
20181118浦和学院 中前 20181118浦和学院 中前2
この日は投打で活躍できなかったが浦和学院の中心は新主将の中前である


Pickup Player
下薗咲也 浦和学院2年 投手兼外野手
~8回途中まで浦実を寄せ付けないピッチング~
この試合浦和学院で1番の活躍を見せたのは、8回途中まで浦和実業に得点を許さないピッチングをみせた下薗であろう。

下薗は2年春から控え投手としてベンチ入り。2年夏には背番号17を背負い、甲子園でもベンチ入りを果たすも、南埼玉大会・甲子園ともに出場なく終わった。この秋は背番号8を背負い、として埼玉大会の白岡線では1番センターとして出場していた。このさいたま市民大会でもこれまで2戦では同様に1番センターで出場していた下薗だが、この決勝では1番ピッチャーとしてスタメンに名を連ねた。浦和学院の1番ピッチャーという佐藤拓也(浦和学院→立教大→JR東日本)を思い出す。

下薗は決して開くことのないフォームで腕がいきなり出てくるように見えるタイプの左腕。浦和学院でいえば、この秋ロッテにドラフト3位指名を受けた小島や、新チームのエース永島に似たタイプである。そこからテンポよくボールを投げ込み、ストレートは右バッターのインコースに決めることができ、変化球はスライダーを中心にカーブ、スクリュー(orチェンジアップ?)を交えて淡々と浦実打線を打ち取っていった。三振も8回途中までで9個も奪っていて、追い込んでから低めに決めるスライダーに浦実打線のバットは止まらなかった。7回までは散発の3安打で1イニングに2人以上のランナーを出さない安定したピッチング。8回に2死から2人ランナーを出したところで降板となってセンターに回ると、リリーフした中前が2点タイムリーを浴びて自責点こそ2がついてしまったが、8回途中まで浦実打線を完璧に抑えたといえる内容であった。

打撃面では1番ピッチャーというのは不慣れなところもあったか、3打席目までは全然であったが、4打席目には1塁線を破る2ベース。最終回にも四球を選んで後藤のタイムリーに繋げるなどチームの勝利に貢献した。決して体格に秀でている選手ではないが、守備でも外野の中心であるセンターをこなすなど何でもそつなくこなすセンスのある二刀流プレイヤーであった。

今後に関しては、まずピッチングでは同じタイプの左腕であるエース永島というのは何とも不運な状況であるが、これも浦和学院ほどの選手層だと宿命なのだろう。ただ安定感はあるので、冬を越えて球に力がついてくれば、永島もうかうかしていられないだろう。1番打者センターとしてはもともと十分なレベルにあるが、この試合で決勝打を放った上田など外野の一角を狙う選手も多いために、こちらは下薗がうかうかしていられないという立場になる。

20181118浦和学院 下薗
8回途中まで見事なピッチングをみせた浦和学院の先発下薗


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富士大×慶応大【オープン戦】

11/17 オープン戦
富士大×慶応大@慶応大下田グランド

試合経過

20181117富士大×慶応大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

神宮大会も終わって各チームともに新世代へ移行する大学野球界。この日はもう寒いということもあってか…富士大が関東へ遠征してきて慶応大との対戦です。

慶応の先発は2年生右腕の木澤。この日は高橋佑・高橋亮の左右のエースはベンチ入りしておらず、大久保監督もきっと木澤に大いに期待していたことだろう。しかし木澤はいきなり先頭の宮里に四球を与えてしまうも、その宮里は2番河内の初球に盗塁死。ただ河内にも四球と木澤は波に乗れない。この日の木澤はストライクとボールがはっきりしていて、甘く入ったところを3番嘉瀬に捉えられ3塁線を抜ける2ベース。続く4番吉田の打球はライト前へのライナーとなり、これをライト中村がスライディングキャッチを試みるも届かず、2ベースとなって富士大が2点を先制する。さらに6番岸上にもタイムリーが飛び出し、富士大が初回に3点をあげる。

長身から放たれる木澤の球は決まる球は角度のあるストレート、大きく曲がるスライダーともに素晴らしいのだが、これが続かずに2回以降も調子が上がらない。2回表は1・3塁のピンチから2番河内の打球がショートライナーとなり、何とか切り抜けるも、3回表には4番吉田にセンターバックスクリーンにソロホームランを浴びてしまい、結局3回4失点でマウンドを降りることとなる。
20181117慶応大 木澤
期待の慶応大の先発木澤であったが3回4失点で降板となってしまった

一方富士大の先発は神奈川への凱旋登板となった武相出身の1年生右腕宮下。こちらは対照的にコントロールがよく、スライダー・カットボール(?)なども交えた安定したピッチング。2回途中から4者連続三振を奪うなどして、慶応打線を3回まで寄せ付けないピッチングを見せる。
20181117富士大 宮下
4者連続三振を奪うなど3回まで慶応大を無得点に抑えた富士大の先発宮下

しかし慶応打線も徐々にアジャストしてきた(特に変化球)ようで4回裏、1死から正木がヒットで出塁すると福井のヒットで1・2塁。ここで6番嶋田が体勢を崩されながらもうまくレフト前に運んで、慶応が初得点をあげる。続く5回裏にも先頭の代打角谷のヒットからチャンスを作ると、こちらも途中出場の若林がライト線へタイムリー2ベース。さらに正木にもこの試合3本目のヒットとなるタイムリーが飛び出して慶応が3-4と1点差に迫る。
20181117慶応大 嶋田
慶応大の初得点となるタイムリーを放つ嶋田

富士大は7回に河内・嘉瀬の連打でチャンスを作ると山城にタイムリーが飛び出して5-3とリードを広げる。しかしその裏に慶応も同じく若林と橋本典のバントヒットで1・2塁のチャンスを作ると、途中出場の4番鶴岡の打球はセンターの前にポトリと落ちて、そこからスタートを切ったにもかかわらず、若林が好走塁でホームを陥れすかさず1点差に戻した。

そんなゲームに終止符を打ったといえるのが、8回裏から富士大の4番手として登板した宇賀神であった。作新学院時代には今井(西武)・入江(明治大)に次ぐ3番手であったものの2016年夏に甲子園優勝を経験した左腕は、この日はその甲子園決勝で相手チーム(北海)のマスクを被っていた佐藤大とのバッテリー。ちなみにこの時の北海のエース大西は慶応にいるわけだがこの日は残念ながらベンチ入りしていなかった。宇賀神は決して体が開かずに腕がいきなり出てくるようなフォームからのストレートに加えて、打者の手元で鋭く曲がるスライダーを武器に慶応打線から3者連続三振を奪い、追いすがる慶応の息の根を止める。
20181117富士大 宇賀神
8回から富士大の4番手として登板して3者三振で慶応打線の勢いをとめた宇賀神

すると9回表、慶応は5番手として日置がマウンドにあがるも先頭打者に四球を与えると降板。6番手として古市がマウンドにあがるも、河内のバントをサードが捕ったところで、古市が3塁ベースカバーに入らず、ランナーに3塁まで進まれてしまうと、日置に続いて古市も打者1人で交代。大久保監督が2人続けてピッチャーを懲罰交代にした形だ。慶応のマウンドには7番手として、1年生ながら秋のリーグ戦では2試合に先発した森田があがる(本来は絶対に予定なかったんだろうな…)。しかし森田は嘉瀬に犠牲フライを浴びてしまい、慶応からしてみれば流れ的にも非常に嫌な1点が追加される。

宇賀神は8回に続いて素晴らしいピッチングで、橋本典・正木から連続三振を奪ってゲームセット。結局宇賀神は打者6人に対してパーフェクト5奪三振という圧倒的なピッチングであった。富士大が6-4で逃げ切って勝利した。
20181117富士大×慶応大 スコアボード



まず勝利した富士大は打線に関しては佐藤龍(→西武7位)、楠(→大阪ガス)という柱は抜けたものの比較的に経験者が多い。その中でも核として期待された3番嘉瀬、4番吉田は揃って猛打賞の活躍で打つべき人がしっかりと打ったという感じだ。他の選手もスタメンでは9番の小林以外はヒットを放っていて好調といえる状態であった。守備に関しても佐藤龍の弟であり1年生ながらこの秋に正捕手の座を獲得した佐藤大、山城・河内の二遊間、センターの嘉瀬とセンターラインは経験者で守備も安定していた。
20181117富士大 嘉瀬
吉田とともに3安打の活躍で打線を牽引した富士大の3番嘉瀬

対照的に投手陣は前チームでは鈴木(→楽天8位)、佐々木(→NTT東日本)、村上、上島と強力な4年生カルテッドが存在していたために経験者は少なく、0からのスタートに近い状態。そんな中リーグ戦でもベンチ入りを果たし、新人戦でも先発を務めるなど期待されていた先発の宮下は5回3失点と試合は作れた。特に上述の通り1~3回までは慶応打線を完璧に抑えてたあたりは、5回3失点という結果以上に評価できる内容であった。その後には岩井、中西、宇賀神と左のリリーフ候補が登場。こちらも上述した通りに宇賀神のピッチングは素晴らしいを超えた内容であり、首脳陣は大きなアピールになったころだろう。

岩手県からはるばる神奈川まで遠征してきた富士大だが、そんなことを感じさせないほど神奈川の高校出身者が多かった。前チームでのファーストからレフトにコンバートされた加藤は東海大相模出身で、昨年の東海大相模の主将の喜友名もベンチいた。途中からサードに入った渡邊翔は2年夏に横浜でショートのレギュラーを張っていた選手であり、神奈川の両雄が揃い踏みであった。先発の宮下も武相出身で、宮下とバッテリーを組んでいた山本はキャッチャー登録ながらこの日はファーストで途中出場。3番手で登板した中西は藤沢翔陵、この日の出場はなかったが新主将の下地は日大藤沢と7人も神奈川の高校球児がいた。他にも遠征メンバーではなかったが、三浦学苑の石井兄弟らが富士大には在籍している。対する地元の慶応も、スタメンの木澤・正木・瀬戸西をはじめとして慶応高校の出身者がこの日は9人ベンチ入り。古市・杉原・鶴岡と3人の桐蔭学園出身者も途中出場を果たし、まさに神奈川のオールスターのような試合であった。
20181117富士大 渡邊翔
神奈川に凱旋して途中からサードで出場した横浜高出身の富士大の渡邊翔

敗れた慶応であったが外野のレギュラー争いが激化してきたのは大久保監督にとってはうれしい悩みの種であろう。そもそも秋の慶応の外野の布陣はレフト栁町、センター渡部、ライト中村となっていてレギュラーがそのまま残っている状態。その中でこの試合にスタメン出場したのは秋のリーグ戦で5ホーマーと大ブレイクを果たしベストナインを受賞した中村のみであったが、この中村が2打席凡退すると大久保監督はライトをあっさりと若林に代えた。その若林は途中出場ながらタイムリーを含む2安打の活躍をみせた。2番センターでスタメン出場した橋本も、7回には無死1塁からファーストへセーフティバントを決めるなど持ち味を発揮して2安打。この日はベンチ入りしていなかったポジション・打順・キャラとまる被りの渡部に挑戦状をたたきつける活躍であった。そして3番に入った正木もタイムリーを含む3安打の活躍と、レギュラーを目指す1年生外野手の3人がそれぞれアピールに成功した形だ。柳町はこの試合はなぜか代走のみでの出場となったが、これで夏には1度断念した柳町の内野への再コンバート論もまた浮上してきそうだ。
20181117慶応大 正木
慶応大の3番に入り3安打1打点の活躍をみせた正木

春にはリーグ制覇、秋にもリーグ制覇まであと1勝のところまでいった慶応は上記の外野手に限らず、新主将を務める4番キャッチャーの郡司、小原・瀬戸西の二遊間にファーストの嶋田と前チームのレギュラーがほぼそのまま残る。そして快進撃の立役者となった投手陣も、秋に6勝をあげた高橋佑やリリーフもこなせる右のエース高橋亮をはじめとして強力投手陣もほぼそのまま残る。大久保監督にとっては来年はまさに勝負の年である。そんなチームの門出としては喜べる試合ではなかったが、上記の外野陣の活躍などは非常に期待の持てるものであった。
20181117慶応大 郡司
勝負の年となる慶応の新チームの主将は郡司


Pickup Player
吉田開 富士大3年 外野手
~新4番がチームを引っ張る3安打3打点の活躍~
序盤の4得点が富士大にとっては大きかったこの試合だが、そのうち3点は新4番の吉田のバットから生まれた。

吉田は専大北上では入学早々レギュラーを獲得して話題となった選手。秋季大会で打率5割を超える成績を残すと東北大会デビューも果たした。5番を務めた1年夏も2試合連続でホームランを放った。1年秋以降も3番or4番打者として打線を牽引。3年夏には杉山(創価大)擁する盛岡大付を破るも、その次の試合では加藤(筑波大)擁する花巻東に敗れるなど、現在は大学野球界を代表する投手となった2人とも激戦を繰り広げた。

高校通算54ホーマーの強打者としてプロからも注目されたが富士大へ進学すると2年春よりDHとしてスタメンに名を連ねるようになる。2年春には全日本大学野球選手権にも出場を果たすも、期待とは裏腹に3年春までの3シーズンは打率.200が最高と結果を残すことはできていなかった。しかしこの秋は勝てば優勝に王手という青森大戦で逆転満塁ホームランを放つなど、リーグ戦で11打点を叩き出して、ベストナイン(DH)と打点王を獲得。そして当初の期待通りに新チームでは4番を務めることとなった。

まず初回1死2・3塁という絶好のチャンスで回ってきた第1打席では木澤のスライダーをうまく捉えてライトへのライナー性の打球を放ち、これをライト中村がスライディングキャッチを試みるも届かず…先制の2点タイムリー2ベースとなった。そして1番の見せ場は3回表の先頭打者として迎えた第2打席で、初球のストレートを捉えると打球はまさに弾丸ライナーでそのままバックスクリーンにあたるホームランとなった。弟5打席にも森田のインコースのストレートに詰まったようであったが、それで右中間を抜いて2ベース。慶応の投手陣に対して決して振りまけることなく鋭いスイングができていて、1ホーマーを含む3安打3打点の活躍で見事4番としての活躍を果たした。

野手には経験者が多く残る富士大であるが、佐藤龍・楠という打線の2トップは卒業であり、この吉田には彼らのような活躍も期待される。それができてリーグを11連覇、12連覇することができれば、吉田自身のプロ入りというものも見えてくることだろう。

20181117富士大 吉田
富士大新チームの4番として見事3安打3打点の活躍をみせた吉田


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神宮大会(高校の部)のベストナインを選んでみた

神宮大会(高校の部)は札幌大谷の優勝で幕を閉じた。札幌大谷は全国大会初出場とあって、決して前評判が高かったわけではないが、西原・増田・太田とタイプのことなる3投手がそれぞれ見事な投球をみせ、打線も龍谷大平安や国士舘といった名門相手に初回から大量得点をあげて圧倒した。優勝の本命と言われていた星稜はエース奥川が完璧な投球をみせた一方、奥川が先発しなかった決勝では荻原が好投するも、北本のタイムリーで札幌大谷に逆転を許すと、打線が1安打に抑えられ敗北。やはりは秋は難しいものだなと感じた。

そんな大会のベストナインを個人的に選んでみました。
※本来持っている力とか関係なく純粋に大会の活躍だけで選んでいます


ピッチャー
奥川恭伸 星稜2年

Max149㌔のストレートにスライダー・フォークなどを駆使して広陵戦では7回11奪三振、高松商戦では7回12奪三振んを奪うなど、大会通じて15回1/3で自責点0(失点1)の26奪三振と異次元の投球。打撃面でも大会最多の5打点をマークした。
20181110星稜 奥川2


キャッチャー
飯田柊哉 札幌大谷2年

札幌大谷のキャッチャーとして西原・増田・太田とタイプの異なる投手を巧みにリードし、また主将としてもチームを初優勝に導いた功績は大きい。打撃面でも3番打者としても国士舘戦では先制の2点タイムリーを放つなど活躍した。
20181111札幌大谷 飯田

ファースト
立岩知樹 高松商2年

背番号11ながら高松商の4番に座ると、光星学院戦では途中まで当たっていなかったが、3番打者の敬遠のあとに迎えた第5打席では光星学院の息の根を完全に止める逆方向のライトスタンドへの3ラン。奥川からも犠飛とヒットを放った。
20181111高松商 立岩 

セカンド
釜萢大司 札幌大谷2年

札幌大谷の2番打者として器用なバッティングを見せ、国士館戦と筑陽学園戦ではそれぞれ猛打賞、星稜戦でも2安打を放つなど全4試合でヒットを放ち、大会打率.600は今大会の首位打者と言える活躍。
20181111札幌大谷 釜萢


サード
知田爽汰 星稜1年

1年生ながらそのミート力の高さで星稜の3番に座ると、広陵戦でタイムリーをマーク。高松商戦では先制タイムリーを放つと、その後も2ベースを2本放ちいずれも生還を果たすなど猛打賞の活躍をみせた。
20181111札幌大谷 知田


ショート
北本壮一朗 札幌大谷2年

北海道大会のケガから脅威の回復でスタメンに復帰すると、札幌大谷の1番打者として国士舘戦では5出塁をマーク。そして決勝の星稜戦では逆転となる2点タイムリーを放ち2-1での勝利の立役者となった。
20181111札幌大谷 北本


外野
東海林航介 星稜2年
高松商戦では3回に勝ち越しのホームランを放つ他、3四死球を選んで出塁し、その俊足ぶりを遺憾なく発揮。広陵戦でもサードゴロを内野安打としてビックイニングを作りあげた。この秋から守るセンターでも守備範囲の広さでチームに大きく貢献した。
20181111星稜 東海林


飛倉爽太 高松商2年
小柄ながら巧みなミート力をもつ高松商の1番打者兼主将。初戦となった光星学院戦では2回に同点タイムリー、3回にもタイムリー、8回には先頭打者として出塁して立岩の3ランを呼び込むなど価値のある3安打を放った。
20181111高松商 飛倉


大江拓輝 八戸学院光星2年
東邦戦では初回を4点目・5点目となるセンターオーバーの2点タイムリー2ベース。高松商戦でもライトにレフトに2本の2ベースを放つなど、その長打力を見せつた。
20181111八戸学院光星 大江

以上です。異論は認めます。

このほかにもポジションが被っていて選べなかったが、札幌大谷の太田・西原、八戸学院光星のショート武岡あたりの活躍は素晴らしかったですね。



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星稜×広陵【明治神宮野球大会】

11/10 明治神宮野球大会2回戦
星稜×広陵@神宮球場

今年の明治神宮大会で優勝候補筆頭と言われているのが星稜。それに次ぐ候補としてあげられているのは広陵であったが、この2チームはいきなり初戦でぶつかることとなった。

試合経過

20181110星稜×広陵 日刊スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

星稜の先発は2年生ながら唯一U18日本代表にも選ばれたエース奥川。それに対して広陵は背番号1の河野でなく、中国大会の決勝で好投をみせた背番号10の左腕石原が先発。そして序盤はこの2人が素晴らしい奪三振ショーを繰り広げることとなる。

石原・奥川ともに初回は3奪三振のスタート。奥川の奪三振ショーは予想通りであり、Max149㌔のストレートにスライダー・フォークを交えて3回まで7奪三振無失点。対する石原もMaX137㌔だが角度のあるストレートでコーナーに決まり、またスライダーも鋭く変化していて、3回まで6奪三振無失点であった。

そんな素晴らしい投手戦の均衡が破れたのは4回表。星稜は1死から4番内山がレフトオーバーの2ベースを放つと、5番奥川は高めに浮いた変化球を打ち返し、ライトオーバーのタイムリー3ベースで先制。続く6番福本も真ん中付近に入ってきた変化球を捉えてレフト前タイムリーとする。3回まではスライダーが低めに決まっていた石原であったが、この回からはスライダーが甘くなり、それを星稜打線が見逃さなかったというところである。完全にリズムの崩れた石原は四球を挟んで有松にもタイムリーを浴びる。2死となってからも山本にもタイムリーを浴びて4失点目。さらに東海林を打ち取ったと思いきや、これがサード内野安打となり満塁となったところで中井監督は石原から河野に投手をスイッチする。本来はエースの河野であるが、この流れにのまれたか3番知田に四球を与えてしまい押し出し。さらに4番内山が三遊間を破る2点タイムリーを放ち、星稜は4回になんと7点をあげる。
20181110星稜 奥川
先制のタイムリーを放つなどバットでもチームに貢献した星稜の奥川

河野は続くイニングからはストレートが145㌔をマークするなど、本来の投球ができるようになり5・6回と星稜を無得点に抑える。しかし奥川は3回までの素晴らしいピッチングを4回以降も継続していて、広陵打線は手が出ない状態…。点差を詰めないとどうしようもない広陵はやむを得ず河野に代打渡部を送るも奥川の前に成すすべがなかった。
20181110広陵 河野
5・6回と星稜打線を無得点に抑えた広陵の河野

広陵は上述の代打の関係で7回から3番手として森がマウンドに上がるも、内野安打と四球で無死1・2塁とピンチを背負ってしまうと、7番岡田のバントをキャッチャー秋山が1塁へ暴投してしまい星稜が追加点。星稜はさらに9番山瀬のところでスクイズを決めるなどぬかりない攻撃をみせて9-0とリードを奪う。
20181110星稜 山瀬
7回にスクイズを決める星稜の山瀬

奥川はその裏も抑えて星稜が7回コールド勝ち。奥川は結局初回からの素晴らしいピッチングを最後まで続けて、広陵に2塁すら踏ませない3安打11奪三振という完封劇であった。
20181110星稜×広陵 スコアボード



星稜が強いというのは評判通りであったが、にしても強かった。エース奥川は安定感も抜群で広陵サイドにしてみれば点が入る気がしなかっただろう。9-0というスコアであったが、この広陵の0は実際にはマイナスにも感じられるほどであった。打線も4回に一気にたたみかけた攻撃は見事の一言であった。

その打線を牽引したのは、新チームで4番を務める内山だ。1年生ながら夏の甲子園でも3番を打っていた巧打者は、前チームの南保・竹谷のようにホームランを量産するタイプではないがここぞという場面ではきっちりと仕事を果たす4番だ。4回のビックイニングも内山がまず口火を切ったところから始まり、最後も内山がトドメの2点タイムリーを放っていた。また守備も動きが機敏で素晴らしく、この日は特にフライの守備範囲の広さが際立った。奥川のストレートに詰まったセンター前に落ちそうな打球は、ショートにとっては難しい打球であるが、それを一直線で落下点に走っていて余裕でキャッチ。中学時代は有名なキャッチャーで、今はショートであるが、外野をやらせてもきっと素晴らしい選手なんだろうという打球判断の良さと走力であった。
20181110星稜 内山
4回に2点タイムリーを放つ星稜の新4番内山

広陵打線は中国大会の準決勝で、この世代では奥川と双璧をなすといわれている創志学園のエース西から7点を奪った打線。それでもヒットは3本のみでうち2本は内野安打。まともなヒットは3番宗山のレフト前1本という内容。中井監督がお手上げとコメントするほど奥川の方が上だったとういことである。
20181110広陵 宗山
奥川から2安打を放った広陵の宗山

ただ広陵の3本柱に関してはその能力の高さは十分に見られた。3回まで6奪三振無失点であった先発の石原に加え、2番手で登板したエース河野も145㌔をマークし自責点は0。先発などで使っていればまた展開も変わったのでは?と思わせる内容であった。そして3番手で登板した左腕の森も独特なスリークウォーターからMax142㌔をマーク。3人とも安定感さえ増せば、 2008年の森宗・前田・中田(現:広島)を超える強力な「3本の矢」が誕生することだろう。
20181110広陵 森
7回に登板してMax142㌔をマークした広陵の左腕森


Pickup Player
奥川恭伸 星稜2年 ピッチャー
~世代最強エースの座を確固たるものに~
この日の奥川のピッチングをまさに「圧巻」という言葉がふさわしいものであった。

奥川は中学時代には、現在でも継続中の山瀬とのバッテリーで全中を制覇。星稜に入学すると1年春よりベンチ入りを果たす。1年秋からエースとなると、石川V、北信越準Vを達成。センバツでは背番号11となり、先発した竹谷を3試合全てリリーフして2勝をあげた。打撃面でも打率5割と大当たりで近江戦ではサヨナラ打を放っている。2年夏には再びエースナンバーを取り戻し、夏の甲子園の開幕戦となった藤蔭戦では150㌔をマークし完投勝利。済美戦では足をつって4回で降板した後に味方が大逆転敗けを喫してしまうが、大会後には2年生で唯一U18日本代表にも選出された。この秋は北信越大会で関根学園・松本第一・東海大諏訪と3試合連続完封。決勝の啓新戦でも15回2失点の好投をみせた。ちなみにこの試合は2-2のまま引き分け再試合となり、再試合ではさすがに奥川の登板はなかったがチームは7-4で勝利して、この明治神宮大会の出場権を得た。

この日も先発マウンドに上がった奥川を見るのは、個人的には夏の済美戦以来である。そのときに比べるとフォームはいい感じに力が抜けていて、打者を見る余裕もできていたように思える。それでもスピードはMax149㌔をマークするなど健在。これに変化球としてキレのあるスライダー、110㌔前後と約40㌔の球速差のついたカーブ、そしてこの大会から解禁したというフォークがあった。特にこのフォークは130㌔を超えるスピードを誇り、広陵打線が消えたというほどの代物であった。このスライダーとフォークを決め球に初回から3個三振を奪うなど三振を量産。安定感も抜群で四球を1個も出すこともなく、広陵打線に打たれたヒットは7回までで3本のみ(しかもうち2本は内野安打)で、2塁も踏ませないなど完全に抑えこんでの完封劇であった。

打っても新チームでは5番を務める。ピッチャーでなければ4番を打っていてもおかしくない実力者で、この試合では3回に高めに浮いた変化球を捉え、逆方向であるライトの頭を越す先制のタイムリー3ベース。7回にも先頭打者として内野安打で出塁して、追加点の足掛かりとなった。

新チームの世代では創志学園の西とこの奥川が双璧をなすと言われていたが、その西を破った広陵を完璧に抑えたことで、もはや奥川がこの世代No1投手とっても疑う人はいない。早くも来年のドラフト1位との呼び声も高く、来年の高校野球界を引っ張っていく存在としても奥川には期待したい。

20181110星稜 奥川2
7回3安打11奪三振無得点の好投をみせた星稜のエース奥川



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神宮枠について考えてみる

明日から明治神宮大会が始まる。高校部のではこの大会に優勝すると、「神宮枠」としていち早くセンバツ出場が決まるわけである。ただこの神宮大会に出ている時点で、そのチームは各地方大会の優勝チーム=センバツ出場が事実上は確定している。よって当該チームにとっては、秋の日本一という称号は貰えるものの、この神宮枠でのセンバツ出場確定には実質上何の意味もないのだ。

この優勝の特典がほぼないということで各チームの神宮大会優勝へのモチベーションは高いとは言えず、過密日程も加わって、それぞれエース以外の投手を試す場となっているのが現状だ。昨年は明徳義塾がこの大会を制したが、これはエース市川が全試合を1人で投げ切る+馬淵監督が優勝に対して強い意欲をもっていたというのも非常に大きな要素だ。
20171111明徳義塾 市川
昨年大会を1人で投げ抜いて優勝を果たした明徳義塾のエース市川(ヤクルトD3位)


ということで明治神宮大会の優勝チームには以下のような特典をつけることを提唱したい
①センバツのシード
神宮枠の分のセンバツの出場校を32→31に減らして、その代わりに神宮大会優勝チームは2回戦からのスタートというシードを与える。
②センバツの宿舎が豪華になる
優勝チームだけセンバツの宿舎が有馬温泉の豪華な宿になるとか…w
③夏の甲子園の出場権獲得
秋の日本一なのだから、夏の甲子園に出る実力は十分にあると言えるのでこれもありでしょう。神宮大会のモチベーションが最大になる一方、優勝チームの夏に向けてのモチベーション維持が複雑にはなりますが…。


ただ見ている側からすると、この神宮枠は大きな意味をもつ。そのチームが属する地区のセンバツ出場枠が1つ増えることになるからだ。今大会の出場チームと、そのチームが神宮枠を獲得することによりセンバツ出場の可能性があるチームは以下の通り↓
  出場校 神宮枠の恩恵で
センバツ出場の可能性がある高校
北海道 札幌大谷 札幌第一or駒大苫小牧
東北 八戸学院光星 花巻東
関東 桐蔭学園 佐野日大
東京 国士舘 佐野日大
北信越 星稜 上田西
東海 東邦 津田学園or中京学院中京
近畿 龍谷大平安 報徳学園or大阪桐蔭
中国 広陵 市立呉
四国 高松商 冨岡西or高知商
九州 筑陽学園 興南


ちなみに神宮大会の優勝チームは、普通に考えればセンバツの優勝候補筆頭になるはずだが、なぜかここ最近は神宮大会の優勝チームはセンバツで優勝できないというジンクスがあり、神宮大会とセンバツの両方を制したのはエース大谷(現ロッテ)を擁した2001年の報徳学園以来誕生していない。ちなみにその報徳学園の前に両方を制したのは松坂率いる1997年の横浜である。
20180822ロッテ 大谷
2001年に神宮大会とセンバツの両方を制した報徳学園のエース大谷(現ロッテ)

そんな神宮大会の優勝予想は星稜とさせていただきます。

実際に土日は現地で観戦する予定で、個人的に楽しみです。

以上。

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秋季東京大会のベストナイン+キューバ遠征のメンバー

国士舘の優勝で幕を閉じた2018年秋季東京大会。
個人的に今大会のベストナインを選んでみました。

ピッチャー
中村晃太朗 東海大菅生2年

回転のいいストレートとスライダー・チェンジアップなどの変化球で、二松学舎大付・岩倉を1失点完投、早実を完封と徐々に調子をあげていった。決勝でも初回に4点を失うも国士館を3回以降はノーヒットに抑える活躍をみせた。
20181103東海大菅生 中村晃

キャッチャー
小山翔暉 東海大菅生2年

キャッチャーとして素早い送球でランナーを刺すなどして中村晃の好投を刺させた。岩倉戦では決勝打を放つなど3番打者として打率4割超え、俊足・走塁技術の高さも際立ち走攻守揃ったキャッチャーとして活躍した。
20181103東海大菅生 小山

ファースト
黒澤孟朗 国士館1年

体勢を低くした独特なバッティングからのフルスイングが魅力の国士舘の小さな4番打者。準々決勝ではタイムリー2本、準決勝と決勝ではともに1打席目で先制点をたたき出すなどしっかりと4番の仕事を果たした。
20181103国士舘 黒澤

セカンド
黒川麟太朗 国士館2年

前チームからの数少ない経験者として、国士館のチームを牽引。準々決勝では初回にヒットと3盗で先制点を演出し、準決勝では2安打を放ち、いずれもホームに返ってくるなど1番打者としての役割を果たした。
20181103国士舘 黒川

サード
中村洸星 東海大菅生2年

桜美林戦でのタイムリー2本を含む3安打の活躍をはじめとして、高いミート力で左右に打球を打ち分け、菅生の6番打者としてヒットを量産。打率.440をマークして、チーム2位となる9打点をあげた。
20181014東海大菅生 中村洸

ショート
成瀬脩人 東海大菅生2年

打率.500、打点11は(おそらく)今大会の2冠。その内容も二松学舎大付戦での同点タイムリー、早実戦での先制の2点タイムリーと貴重なものが多かった。また守備でも石田との二遊間は非常にハイレベルであった。
20181014東海大菅生 成瀬

外野
冨田洋祐 国士館2年
準決勝では試合を決める3ランホームランは今大会の国士舘の中でNo1のバッティングであったといえる。その他にも関東一戦では先制のタイムリー2ベースを放つなど黒澤とともに3番打者として国士館打線を牽引した。
20181103国士舘 冨田

渡辺伸太郎 国士館2年
準々決勝以降は相手先発投手が全て左だったこともあり、2番ライトとしてスタメンに定着した背番号13はバントなどでチャンスメイクをし、準決勝ではレフト線に決勝のタイムリー2ベースを放つなどラッキーボーイとしての活躍が目立った。
20181103国士舘 渡辺伸

茅野真太郎 早稲田実業2年
思いきりのいい打撃が武器の早実の1番打者は帝京戦での貴重な3ランを放つなど、元気のなかった早実打線においてコンスタントに結果を残し、センターの守備でもエース伊藤を盛り立てた。
20181007早稲田実業 茅野


菅生と国士舘という決勝に進んだ2チームばかりからの選手となってしまった。これでも菅生で言えばファーストは杉崎、国士舘でいえばショートは鎌田と本来ならばベストナインに選ばれてもおかしくない活躍の選手が菅生×国士舘の選考に敗れて選外となってしまった。また国士舘でいえばセンターの森中も打率4割を超える活躍を見せていて、外野は全部国士舘というのもあり得た。

さて日曜に終わった秋季東京大会だが、翌日の月曜には何とキューバ遠征の東京選抜の選考会が行われた。今回は監督に前田監督(帝京)、コーチに小倉監督(日大三)・和泉監督(早実)・市原監督(二松学舎大付)という豪華な面子であり、本気度がうかがえる。そんな選考会の結果が以下の通り↓
キューバ遠征代表メンバー.
※東京都高野連HPより

上記のベストナインからも4人が選ばれていて、こちらでの活躍も楽しみである。
個人的には去年の千葉みたいに壮行試合やって欲しいな~と思う。


以上です。異論は認めます。


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東海大菅生×早稲田実業【秋季東京大会準決勝】

11/3 秋季東京大会準決勝
東海大菅生×早稲田実業@神宮球場

試合経過

20181103東海大菅生×早稲田実業
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


決勝進出をかけた秋季東京大会の準決勝は、東海大菅生×早稲田実業という昨年の西東京大会と同じカードとなった。早稲田実業の伊藤、東海大菅生の中村晃という今大会で抜群の働きを見せている両エースが先発した。

3回表、菅生は1死から今江・小山が連続四球で出塁すると、4番杉崎も四球を選んで満塁とする。ここで5番杉崎の打球は高いバウンドのショートゴロかと思ったら、ショートの手前で打球がやや跳ねるとショート千葉のグラブをかすめて打球はセンターへ(記録はヒット)。成瀬の2点タイムリーで菅生が先制する。
20181103東海大菅生 成瀬
先制の2点タイムリーヒットを放った東海大菅生の成瀬

しかしその後は再び投手戦に突入。早実の伊藤はMax138㌔のストレートにスライダー・フォークなどを交えたピッチングで4~6回を3人ずつパーフェクトに抑えるなど復調。対する菅生の中村晃はランナーを出しながら要所は締めるピッチングで試合は2-0と菅がリードしたまま終盤戦へ突入する。

早実は8回裏、千葉・茅野の連打で1死1・2塁のチャンス。2番梅村はいい当たりであったがレフトの正面で2アウト。ここで迎えるのは早実のエース伊藤。伊藤は準々決勝の日体大荏原戦でホームランを打ったこと、これまで3番を打っていた新井が左×左ということも考慮されてからスタメン落ちしたことから、この試合では伊藤が3番に昇格し。ここまで2安打を放っていた。エース同時の対決は伊藤が4球ファールを打つなど粘りを見せるが、最後は中村のアウトコースのストレートの前に三振で早実はこのチャンスを生かせなかった。
20181103早稲田実業 伊藤2
3番に昇格した伊藤は2安打を放っていたが8回の最大のチャンスでは三振に倒れた

すると最大のピンチを凌いだ菅生は直後の9回表、途中出場していた大里が四球を選んで出塁。中村晃のバントでチャンスを広げると。2死2塁で2番今江を迎える。今江は伊藤の初球の高めのボールを上からたたくと、打球は前進していたレフトの頭上を越えるタイムリー2ベース。菅生がトドメとなる1点をあげると、その裏も中村晃が無失点で抑えて完封勝利。東海大菅生が決勝進出を決め、センバツ出場に大きく前進した。
20181103東海大菅生 今江
最終回にダメ押しのタイムリー2ベースを放つ東海大菅生の今江

20181103東海大菅生×早稲田実業 スコアボード



敗れた早実はエース伊藤の好投は光ったが四球に泣いた。伊藤は非常に体感のしっかりしたフォームで、コントロール自体は悪くない。ただ1度コントロールがズレるとそのままボールが続いてしまう傾向があり、3回には3連続四球で満塁としてしまい、そこからイレギュラーも重なる不運な2点タイムリーを浴びた。9回の追加点も四球で出したランナーであり、菅生は全得点が四球で出塁したランナーであった。
20181103早稲田実業 伊藤1
好投をみせた早稲田実業のエース伊藤がであるが四球に泣いて3失点を喫してしまった

打線は左腕中村晃対策としてこれまで3番を打っていた新井をベンチスタートにして、代わりに右打者の宇野を起用、ピッチャーの伊藤を3番に上げた。伊藤は打撃センスもあり2安打を放つ活躍を見せたが、この試合1番のチャンスでは空振り三振。宇野に関しては2打席連続三振で結局、左×左も関係なく新井を代打に起用する羽目になるなど完全に起用が裏目に出た。打線全体としても中村晃の変化球を捉えるべく、バッターボックスの前に立つなど対策を講じるもチャンスであと1本が出なかった。特に主将で4番の生沼は2打席連続で変化球を引っ掛けショートゴロ併殺というのが痛かった。
20181103早稲田実業 生沼
早稲田実業は4番生沼が2回も併殺に倒れてしまったのが痛かった

菅生は今日はやはり中村晃に尽きる(詳細はPickUpPlayerで)。ただその中村晃を支えたキャッチ-の小山も見事であった。小山は1年夏にセンターとして甲子園に出場していたが、2年春からキャッチャーにコンバート。運動能力が高く、強肩もさることながら、捕ってからの身のこなしがよく送球までが早い。捕球にはやや課題も残るも、重要な場面ではすかさずマウンドに駆け寄るなどキャッチャーとしての気遣いなどもできている。高校通算15発を誇る打撃ではこの試合はノーヒットに終わるが、2四球を選び出塁。もともとセンターだけあって俊足で、8回にはセンターフライでのタッチアップなどは走塁の判断もよかった。走攻守揃った捕手として東京はおろか、プロからも注目される存在となることだろう。
20181103東海大菅生 小山
見事に中村晃の完封を支えた走攻守3拍子揃った東海大菅生のキャッチャー小山


Pickup Player
中村晃太朗 東海大菅生2年 ピッチャー
~大一番でお見事完封~

中村晃は中学時代は湘南ボーイズに所属し、ジャイアンツカップ制覇。ただ当時のエースは谷村(桐光学園)であり、中村晃は海老原(二松学舎大付)とともに控え投手であった。東海大菅生では2年春からベンチ入りを果たすと、エース戸田の退部(?)に伴いエース争いに参戦。2年夏には背番号18ながらも八王子戦、日大三戦などの主要試合に先発。八王子戦では6回2失点の好投をみせるも、日大三戦では1回持たずにKOされてしまった。新チームでは背番号1を獲得してエースとなると、桜美林戦では6回まで快調な投球も、7回に突如乱れてKO。ただ後は二松学舎大付(相手投手は海老原)、岩倉と連続で1失点完投勝利をあげてこの準決勝にコマを進めた。

この試合でも先発マウンド上がった中村晃。左腕らしいクロス気味のステップから繰り出すストレートはMax137㌔だが、ボールの回転はよくそれ以上の威力がある。130㌔前後のツーシーム、スライダー、カーブ、チェンジアップと多彩な変化球も含めてそれぞれをコントロールよく投げることができるのが魅力であり、早実打線に的を絞らせない。初回のピンチを三振で切り抜けると、その後もスライダー・チェンジアップを決め球に三振を奪っていった。ヒットは8本浴びるも、先頭打者に出塁を許した4回・6回はいずれも生沼を変化球で泳がせて併殺に打ち取っていたので、早実打線はランナーを出してもなかなかチャンスとはいかない。最大のピンチであった8回裏も伊藤戸のエース対決を制して凌ぐと、そのまま最後まで投げ切り、8安打8奪三振で四球は1個のみという見事な完封劇であった。

東海大菅生のエースとして今大会中に成長を遂げ、チームの決勝進出の最大の立役者ともいうべき活躍の中村晃。明日の決勝でも連投はほぼ確実な状態であり、その左腕に菅生のセンバツ確定はかかっている。

20181103東海大菅生 中村晃
お見事8安打8奪三振完封勝利をあげた東海大菅生のエース中村晃



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2018年秋の関東大会のベストナインを選んでみた

24年ぶりとなる桐蔭学園の優勝で幕を閉じた秋の関東大会。
そんな関東大会のベストナインを個人的に選んでみました。

ピッチャー
伊禮海斗 桐蔭学園2年

サイド気味のスリークウォーターから角度のあるストレートとスライダーをテンポよく低めに投げ込む左腕。準決勝までの3試合に先発して、佐野日大から1失点完投、習志野からは2失点完投勝利をあげて、背番号11ながら背番号11ながらエースとしての働きをみせた。
20181021桐蔭学園 伊禮

キャッチャー
石﨑聖太郎 春日部共栄2年

準決勝の山梨学院戦では決勝のタイムリー、決勝の桐蔭学戦では3ランを放つなど勝負強い打撃が光り5番打者として活躍。強気なリードでエース村田を盛り立て、主将としてもチームを牽引して横浜をコールドで破る金星をあげた。
20181008春日部共栄 石崎

ファースト
相澤利俊 山梨学院2年

全チームから中軸を打っていた左投右打ちの強打者は、この関東大会でも3試合全て4打数2安打とコンスタントにヒットを放ち、前橋育英戦では打点2もマーク。左腕としてマウンドにあげり、また主将としてもチームをまとめてなどセンバツ出場の立役者となった。
20181020山梨学院 相澤

セカンド
菅野秀斗 山梨学院2年

中央学院戦では2安打2得点、前橋育英戦では4打数4安打4打点と超がつくほどの大当たりで、大会通じて11打数7安打(打率.636)で今大会の首位打者。守っても華麗な守備のセカンドとして投手陣を盛り立てた。
20181020山梨学院 菅野

サード
佐藤浩之 佐野日大1年

東農大三戦では1点ビハインドで迎えた9回1死2・3塁からセンターへ逆転となる2点タイムリーを放った。続く桐蔭学戦でもチームで唯一のマルチヒットをマークするなど活躍した巧みなバットコントロールをもつ2番打者。
20181021佐野日大 佐藤

ショート
森敬斗 桐蔭学園2年

常総学院戦では劇的なサヨナラ満塁ホームラン、決勝の春日部共栄戦でも2ホーマーを放ちこの大会12打点をマーク。ショートとして三遊間の深い位置のゴロをアウトにしたり、盗塁を3個決めたりと走攻守揃った活躍をみせた、優勝チームの主将でもあり文句なしの今大会MVP。
20181021桐蔭学園 森

外野
野村 健太
今大会屈指の右のスラッガーは、中央学院戦では先制の2ランをレフトスタンドに、前橋育英戦では右中間に2ランと2試合連続ホームランを放ち高校通算は32発に。打率.400もマークし、4番として山梨学院打線を牽引した。
20181020山梨学院 野村

根本翔吾
桐生第一戦では延長のタイブレークサヨナラのピンチで見事センターフライでタッチアップしたランナーを刺して習志野の窮地を救った、打っても3番打者として桐生第一戦でのタイムリーなど12打数5安打(打率.417)の活躍をみせた。
20181021習志野 根本

平尾柊翔 春日部共栄1年
藤代戦では3安打2打点3得点、決勝の桐蔭学園戦でも2安打を放つなど、春日部共栄の3番打者としてチャンスメイクに、また返す側としても活躍し、チームトップタイの打点4をマークした。
20181008春日部共栄 平尾


以上です。異論は認めます。


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