2/23 オープン戦
筑波大×立教大@立教大新座G
試合経過
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大学野球でもオープン戦が始まり、この日は立教大×筑波大の試合が行われた。筑波大にとってはこれが今シーズン初のオープン戦となる。
立教大の先発はアンダーハンドの中川だが、打順はなんと3番。DH無しの東京六大学といえども、オープン戦ではDHを採用が通常であるが、桐光学園では下級生の頃から中軸を務め、3年時には東海大相模の門馬監督に「神奈川No1打者」と称された逸材は今シーズンから本格的に二刀流も視野にいれているようである。中川は2年生まではリリーフが主戦場だったので、そもそも打席が回ってくることも少なかったが、今シーズンは先発に再挑戦することも含めての起用であろう。その中川は初回に先頭の篠原にヒットを皮切りにピンチを招くも、最後は4番田中力をアウトコース低めのストレートで三振に斬ってピンチを凌いだ。バックネット裏の立教部員によると136㌔は出ているらしく、アンダースローとしては日本球界でも高橋礼(ソフトバンク)に次ぐスピードではないだろうか。

今年から二刀流挑戦?3番ピッチャーでスタメン出場した立教大の中川
筑波大はエース村木が先発。初回は2死から二刀流の3番中川に左中間に2ベースを浴びるも、最後は中嶋をショートゴロに打ち取って、こちらもピンチを凌いだ。しかし続く2回に突如乱れ、林中にストレートの四球を与えてしまうと、続く宮にもデットボールでピンチを招く。続く敷名は2球で追い込みファーストゴロに打ち取るも、これをファースト片岡が2塁へ悪送球してしまい、その間に林中が生還し立教が先制。立教はさらに1番小野が前進守備のセカンドの頭を超えるタイムリーを放ち2点目をあげる。
2回まで順調であった中川が、3回には1死からセカンド林中の連続エラーで1・3塁のピンチを迎える。いずれもやや難しい打球であり、またショート・サードを主戦場としていた林中のセカンド器用ということも影響した場面であっただろう。筑波大は若狭のセカンドゴロの間に1点を返すと、3番片岡はさきほどの汚名返上とばかりにライトオーバーのタイムリー3ベースを放ち筑波大が同点に追いつく。

エラーの汚名返上とばかりに同点タイムリーを放った筑波大の片岡
2点ずつを失った両先発はともに3回で降板。立教は2番手として赤嶺がマウンドに上がると、スライダー・チェンジアップなどの変化球を駆使した打たせてとるピッチングで、4~6回からの3イニングをわずか30球とテンポよく無失点に抑える。

4回から3イニング無失点の好リリーフをみせた立教大の赤嶺
筑波大の2番手の佐藤は、咋秋から村木に次ぐ先発2番手を担うと、公式戦では31回2/3を投げて未だに得点を許していないとう2年生左腕である。マウンドに上がった佐藤は持ち前のノビのあるストレートを武器に、林中・宮からいきなり連続三振を奪うなど4回を完璧に抑える。続く5回も小野・太田を打ち取り順調に2死とするも、そこから3番に入っていたピッチャーの赤嶺に四球を与えてしまう。すると立教は4番三井が球足の速い打球で左中間を抜けるタイムリー3ベースとなり立教大が勝ち越し。さらに5番中嶋もタイムリーで続いて2点のリードを奪う。

勝ち越しのタイムリー3ベースを放った立教大4番の三井
立教は6回にも1死1塁から2番太田がレフトオーバーのタイムリー2ベース。続く代打山田のヒットでホームを狙った太田はタッチアウトとなるも、三井のヒットで再び2死1・3塁のチャンスを作ると、中嶋がレフト線へ2点タイムリー2ベースを放ち、この回3得点。筑波大の佐藤は、2死からピッチャーに四球を与えたことが痛手となり、まさかの3回5失点という内容であった。

まさかの3回5失点という投球内容となってしまった筑波大2番手の佐藤
筑波大は7回から3番手として期待の2年生右腕浅井がマウンドに上がる。浅井のストレートは本当に素晴らしいものがあり、いきなり先頭の小澤をストレート3球で三振に仕留めてみせる。だがここから課題なのであろうか…抜ける球が多く制球を乱して3連続四死球。その間に牽制悪送球や、2個のワイルドピッチもあった。さらに代打小松田にはライト線にタイムリー2ベースを浴びてしまうなど散々な内容で、オープン戦にも関わらず1死とっただけで降板となってしまった。代わった中真もいきなり、鷲谷に弾丸ライナーでライトスタンドへ運ばれ3ランを被打。立教はさらに三井・竹葉の2ベースで1点を追加するなどこの回一挙6点をあげて試合を決めた。

中真の代りっぱなを捉えて3ランを放った立教大の鷲津
筑波大は最終回に松本・串田・濱内の3連打で満塁すると、清水が犠牲フライを放つなど途中出場組が奮起して、1点を奪うも時遅し。打線が奮起した立教大が13-3と筑波大に大勝した。
総括立教大打線が筑波大の強力投手陣を見事に打ち破った試合であった。筑波大は村木、佐藤、浅井、中真とリリーフエースである加藤を除く主力投手が軒並み揃って登板した。まだオープン戦初戦ということで、まだまだ仕上がっていないところはあったが、それでも13失点というのは厳しい結果であった。
そんな事情もあったが、16安打というのは立教打線にとっては微笑ましい数字であろう。立教で現段階でレギュラーが確定しているのは藤野・三井くらいしかおらず、いい意味でレギュラー争いが熾烈化していると感じた。中でも起爆剤になりそうなのが、春夏連覇の大阪桐蔭から入学した宮崎・山田の新1年生コンビであろう。宮崎・山田ともに前日はスタメンであったこともあり、この日の試合では代打で1打席のみの出場。ただともにチャンスの場面で出場すると初球をたたき、宮崎はライト前に運んで、山田も三遊間を破るなどきっちりと結果を出した。これに触発されてか、大阪桐蔭の先輩である4番三井も勝ち越しのタイムリー3ベースを皮切りに、2ベース・シングルヒットと放ち、ホームランが出ればサイクル安打という活躍であった。

ともに代打で出場してヒットを放った宮崎(左)と山田(右)
筑波大では新1年生として濱内が代打で出場。濱内は昨年の履正社の主将であり、北大阪大会の準決勝では急造投手ながら大阪桐蔭相手に好投をみせて、9回2死までリードを奪った。しかしそこから宮崎に四球を与えてしまうと、最後は山田のタイムリーで逆転を許して敗れてしまった。濱内は筑波大では野手となるようで、直接対決とはいかなかったが、そんな因縁の大阪桐蔭×履正社が早くもこのオープン戦で実現した形となった。
代打で出場した濱内は初球を捉えるも、打球はショート宮の守備範囲で惜しくもショートゴロ。ただ9回に回ってきた2打席目には、同じく初球を打ちにいくと、ライト前にしぶとく落として大学初安打をマークした。筑波大は篠原・皆神・片岡・上中尾といった巧打者は前チームから残るものの、中嶋・種子島といったパンチ力のある打者が卒業しまって、チームとしては長打の打てるバッターに台頭してきて欲しいところ。この日は4番として期待されている田中力がチャンスに打てずに3打席目には代打を送られるなど、苦しい状況であり、濱内にも1年目から中軸としての活躍も期待されているかもしれない。

代打で出場してヒットを放った筑波大の1年生濱内
Pickup Player中嶋瞭 立教大3年 ファースト~2本のタイムリーでファーストのレギュラー獲得に前進~この試合で5番に座った中嶋は、貴重な場面でタイムリー2本を放ち、レギュラー獲得に向けて大きくアピールでした。
中嶋は佼成学園では力強いスイングを武器に中軸として活躍。2年春に3番or4番サードを務め、エース小玉(国学院大)を擁して東京準V、関東大会出場を果たした。肩の強さにも定評があり、2年秋の新チームからは正捕手となると、3年夏には日大三相手に最終回までリードを奪うも、最後は逆転サヨナラ負けを喫してしまった。立教大では打力を生かして主にファーストを務め、昨年フレッシュリーグで経験を積むと、2年秋にはリーグ戦デビューを果たして、代打で2打席に立った。今年神宮での初安打、レギュラー獲得が期待されている。
この試合では5番ファーストでスタメン出場した中嶋は、初回に4番三井が敬遠気味に歩かされた場面ではショートゴロと凡退。2打席目もレフトフライに打ち取られていた。ただ両打席ともに内容としては悪くない打球でもあった。第3打席は三井がタイムリー3ベースで勝ち越した直後の打席であり、ここで初球を叩くと三遊間を破るタイムリーとなった。これは筑波大を突き放す意味でも非常に貴重なタイムリーであった。続く第4打席では2死1・3塁という場面で、サードの頭を痛烈な打球で抜く2点タイムリー2ベース。結果としてこの試合は4打数2安打3打点という活躍であった。
立教の激しいレギュラー争いの中でも、特に熾烈なのがファーストではないだろうか?昨年までファーストを務めた飯迫が卒業すると、他に実績のある選手はいないのが現状だ。中嶋と同じくファーストを争う左のスラッガーである鷲津もこの試合では3ランを放ちアピール。他にも右のスラッガーである東や、二刀流に挑戦するなら中川が投げるとき以外はファーストを守るというプランもあるだろう。中嶋はキャッチャーも務めていた選手なのでファーストの守備力も高く、この試合で結果を残したこともあり、現段階ではレギュラーに1番近いかもしれない。ただリーグ戦開幕まであと1ヶ月半の間、まだまだ立教大のファーストのレギュラー争いは続きそうだ。

2本のタイムリーを放ち3打点をあげた立教大の中嶋
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テーマ : 大学野球
ジャンル : スポーツ