東京ガス×広島カープ【練習試合】
2/17 練習試合
東京ガス×広島カープ(2軍) @天福球場
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
プロ野球のキャンプも中盤に差し掛かり、対外試合が始まった。この日は宮崎の日南でキャンプを行っていた広島2軍、同じく宮崎の綾でキャンプを行っていた東京ガスが練習試合を行った。
東京ガスは先発にエース臼井を送り込むも、広島がいきなりプロの実力を見せつける。まず先頭の桒原が右中間に2ベース。続く2番小窪は送らずに初球を叩き、これがセカンドの頭上を越えるタイムリーとなる。広島が1軍の紅白戦にも参加していた桒原、実績も十分のベテラン小窪という2人の実力者の連打で先制した。しかし臼井は続く高橋大をショートゴロ併殺に仕留めるなど、4番林からも見逃しの三振を奪うなど後続は完璧に抑えてみせた。

先制点のきっかけとなる2ベースを放った広島の1番桒原
すると東京ガスは直後の2回表、小野田と安本のヒットで2死ながら1・3塁のチャンスを作ると迎えるは1番笹川。入社時から東京ガスの4番、さらには社会人日本代表でも4番を務める強打者を1番に据えるというサプライズな打線を組んだ東京ガスであったが、これが功を奏する形となり、笹川は低めの変化球を捉えて右中間に運んだ。この1打で1塁ランナーの安本も一気に生還して東京ガスが2-1と逆転に成功した。東京ガスはさらにそこから2死満塁と追加点のチャンスを作るも、3番石川の二遊間抜けようかというあたりを広島セカンド羽月がダイビングキャッチ。打った石川が思わず唖然するほどの、高卒ルーキーの超ファインプレーで広島が追加点を許さなかった。

逆転タイムリー2ベースを放つ東京ガスの1番笹川
臼井は2回以降は安定したピッチング。この日はストレートのコントロールがよく、得意のフォークに加えて、スライダーが冴えていて、広島打線からよく空振りを奪えていた。臼井のスライダーは昨年まではカットボールに近いものが多かったが、この日はもう少し曲がりの大きなスライダーが多く見られた。さすがは社会人日本代表にも選ばれていて、ドラフト指名も濃厚であったが、東京ガスに残留した絶対的なエースというピッチングで、5回を初回にいきなり失った1点のみにまとめあげた。

5回1失点の好投をみせた東京ガスのエース臼井
追加点の欲しい東京ガスは5回表、この回からマウンドに上がった佐々木に対して、1死から3番石川が1・2塁間を破って出塁。石川は2盗を決めると、中山のショートゴロでも好判断で3塁に進塁してチャンスを作り出す。ここで迎えた5番楠が(おそらく社会人野球での対外試合初安打となる)ライト前にタイムリーを放って、東京ガスが3-1とリードを広げる。

貴重な追加点となるタイムリーを放った東京ガス新人の楠
広島は6回からマウンドに横山が上がる。かつては同じ東京地区で東京ガスとしのぎを削ったであろうNTT東日本出身の横山は、この日登板した広島の投手陣の中では実績が1番あり、6・7回と東京ガスを無安打に抑えるピッチングをみせた。

6回・7回と無失点に抑えた広島の横山
一方東京ガスも6回から期待の2年目右腕の野村をマウンドに上げる。野村は全身を使ったフォームから力のあるストレートと、大きく縦に曲がるスライダーを軸に、こちらも6・7回と無失点に抑える。しかし野村は8回に大盛の強烈なピッチャーゴロを右手で受けてしまうというアクシデントがあり、大事をとって8回途中で降板。東京ガスは先発としての実績もある岩佐をマウンドに送った。

負傷は心配だが、6回から無失点リリーフをみせた東京ガス2番手の野村
東京ガスは9回表に、2死ランナー無しから安本→笹川→西丸と3連打が飛び出してトドメの1点を追加。その裏を8回の緊急登板から続投した岩佐が抑えて、東京ガスが4-1で広島を下した。
総括
社会人がプロを破ったと騒ぐこともできるかもしれないが、個人的な感想としては当然の結果といえる。広島は2軍といえども、1軍当落線上にいる選手はみんな沖縄にいるので、この日のメンバーは2軍でも普段ウエスタンで戦っているチームほどの戦力はなく、高卒すぐの選手も多かった。それに対して東京ガスは、中山以外全員が大学で実績を残した選手で構成される社会人野球きっての名門である。特に今年に関しては、プロ入り確実と思われたエース臼井と4番笹川が残留して、戦力も充実していて、2大大会制覇を狙う上で勝負の年となる。そんな思いを表すかのように、この日はほぼフルというメンバーがスタメンに名を連ね、投手陣もエース臼井をはじめとして、野村→岩佐と先発を担うことが期待される3人でリレーした。選手の実力面、チームの完成度、本気度からいって東京ガスが勝つことは当然であった。
そんな東京ガスの戦力に今年も即戦力の新人が加わった。この日スタメンに名を連ねた西丸と楠木。西丸は3年春に東都のベストナインを獲得した強打が持ち味で国学院大で主将を務めた。この日は2番ファーストでスタメンに名を連ねると、タイムリーを含む2安打の活躍。アウトになったがショートライナーも含めて器用に逆方向にいい打球を放つことができていて、2番打者としての適性も大いにありそうであった。富士大ではベストナイン7度も輝き、咋秋には通算100安打も達成した楠は、志望届を出せば指名が濃厚であった大阪ガス入り。笹川が残留したことで層の厚い東京ガスの外野陣の中で、この日は5番センターでスタメンに名を連ねると、3打席目には2死3塁の場面で見事にライト前にタイムリーを放って見せた。

タイムリーを含む2安打を放った東京ガスの2番西丸
ただですら成熟したメンバーが揃っているところに、臼井と笹川が残留し、西丸・楠ら即戦力の新人も加わった。中山が新主将になり、4番にも座ると2安打の活躍をみせるなど、チーム内での世代交代も進みつつある。この日もスタメンで小林以外が全員ヒットを放ったように戦力に抜かりはない状態だ。
1-4という点差以上に完敗であった広島だが、その中でも光るものが見えたのは桒原・林・大盛の3人。桒原は先制のきっかけとなる2ベースを放ちなど2安打の活躍で盗塁も決めるなど1番としての仕事を果たした。本職の内野に加えて、途中からは外野も守るなど使い勝手もよく、先週は1軍の紅白戦にも呼ばれていたことを踏まえてもこの中で1番1軍に近い選手といえよう。4番に座った林は、高卒ルーキーとは思えないくらいの雰囲気があった。4回のセンター前ヒットに加えて、7回のセカンドゴロも小林のファインプレーに阻まれたいい当たりであり、1年春から智弁和歌山で中軸を務めていたその実力をプロでも発揮できていた。途中からセンターに入った育成ルーキーの大盛も、初打席でプロ入り初となるヒットを放つと、続く打席でも野村を負傷退場に追い込む強烈な打球を放った。走塁などを見ていても身体能力の高さが感じられた。社会人チームのテストをたくさん受けるも合格には至らなかったところを、広島からの育成指名で野球を続けられることになった苦労人がその思いをプレーに乗せることができていたようだ。

高卒ルーキーながら4番としての風格が漂っていた広島の林
Pickup Player
安本英正 東京ガス キャッチ-
~今年こそ山内の後釜に~
安本は広島商から法政大に進むも、1個上に木下(現:中日)がいたために3年時まではほとんどマスクを被ることはなかった。4年になるとスタメンでマスクを被ることは多くなるも、打力の問題もあってフル出場することは少なく、中園(現:日本新薬)との併用となっていた。大学ではそこまで結果を出したとはいえなかったが、その強肩とワンバンを後ろに逸らさない守備が評価されて、東京ガスという社会人の名門に入社した。東京ガスでも昨年まで主将も務めていた山内がずっと正捕手として降臨していたので、なかなか正捕手の座を獲得はできていなかった。
今年初の対外試合となるこの試合に安本は9番キャッチ-として出場。守っては臼井・野村・岩佐とタイプの違う右腕3人を巧みにリードして広島打線を初回の1点のみに抑え、7回には永井の盗塁も見事に刺してみせた。打つ方でも2回の第1打席でしぶとく三遊間を破るヒットを放ち、続く笹川の逆転タイムリー2ベースに繋げる貴重な働き。最終回にも2死からレフト前ヒットで出塁すると、
ここから笹川・西丸の連打でトドメとなる4点目のホームを踏んだ。この試合ではチームNo1の打者である笹川を1番に置いたため、その前を打つ安本が活躍したことが大きく得点に繋がった。
山内の後継者が欲しい東京ガスにとって、この日の安本の活躍は非常に喜ばしいことであろう。ただまだ手放しで喜べないのは、シーズン当初は山内以外のキャッチャーを使ってみるも、都市対抗などになったらやはり山内頼みになっているのが近年の東京ガスのキャッチャー事情である。山内も今年で30歳であることから、今年こそ安本が今日のような活躍を持続させて、正捕手の座を獲得して欲しいところだろう。

好リードに、ともに得点につながる2安打と活躍をみせた東京ガスのキャッチャー安本
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東京ガス×広島カープ(2軍) @天福球場
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
プロ野球のキャンプも中盤に差し掛かり、対外試合が始まった。この日は宮崎の日南でキャンプを行っていた広島2軍、同じく宮崎の綾でキャンプを行っていた東京ガスが練習試合を行った。
東京ガスは先発にエース臼井を送り込むも、広島がいきなりプロの実力を見せつける。まず先頭の桒原が右中間に2ベース。続く2番小窪は送らずに初球を叩き、これがセカンドの頭上を越えるタイムリーとなる。広島が1軍の紅白戦にも参加していた桒原、実績も十分のベテラン小窪という2人の実力者の連打で先制した。しかし臼井は続く高橋大をショートゴロ併殺に仕留めるなど、4番林からも見逃しの三振を奪うなど後続は完璧に抑えてみせた。

先制点のきっかけとなる2ベースを放った広島の1番桒原
すると東京ガスは直後の2回表、小野田と安本のヒットで2死ながら1・3塁のチャンスを作ると迎えるは1番笹川。入社時から東京ガスの4番、さらには社会人日本代表でも4番を務める強打者を1番に据えるというサプライズな打線を組んだ東京ガスであったが、これが功を奏する形となり、笹川は低めの変化球を捉えて右中間に運んだ。この1打で1塁ランナーの安本も一気に生還して東京ガスが2-1と逆転に成功した。東京ガスはさらにそこから2死満塁と追加点のチャンスを作るも、3番石川の二遊間抜けようかというあたりを広島セカンド羽月がダイビングキャッチ。打った石川が思わず唖然するほどの、高卒ルーキーの超ファインプレーで広島が追加点を許さなかった。

逆転タイムリー2ベースを放つ東京ガスの1番笹川
臼井は2回以降は安定したピッチング。この日はストレートのコントロールがよく、得意のフォークに加えて、スライダーが冴えていて、広島打線からよく空振りを奪えていた。臼井のスライダーは昨年まではカットボールに近いものが多かったが、この日はもう少し曲がりの大きなスライダーが多く見られた。さすがは社会人日本代表にも選ばれていて、ドラフト指名も濃厚であったが、東京ガスに残留した絶対的なエースというピッチングで、5回を初回にいきなり失った1点のみにまとめあげた。

5回1失点の好投をみせた東京ガスのエース臼井
追加点の欲しい東京ガスは5回表、この回からマウンドに上がった佐々木に対して、1死から3番石川が1・2塁間を破って出塁。石川は2盗を決めると、中山のショートゴロでも好判断で3塁に進塁してチャンスを作り出す。ここで迎えた5番楠が(おそらく社会人野球での対外試合初安打となる)ライト前にタイムリーを放って、東京ガスが3-1とリードを広げる。

貴重な追加点となるタイムリーを放った東京ガス新人の楠
広島は6回からマウンドに横山が上がる。かつては同じ東京地区で東京ガスとしのぎを削ったであろうNTT東日本出身の横山は、この日登板した広島の投手陣の中では実績が1番あり、6・7回と東京ガスを無安打に抑えるピッチングをみせた。

6回・7回と無失点に抑えた広島の横山
一方東京ガスも6回から期待の2年目右腕の野村をマウンドに上げる。野村は全身を使ったフォームから力のあるストレートと、大きく縦に曲がるスライダーを軸に、こちらも6・7回と無失点に抑える。しかし野村は8回に大盛の強烈なピッチャーゴロを右手で受けてしまうというアクシデントがあり、大事をとって8回途中で降板。東京ガスは先発としての実績もある岩佐をマウンドに送った。

負傷は心配だが、6回から無失点リリーフをみせた東京ガス2番手の野村
東京ガスは9回表に、2死ランナー無しから安本→笹川→西丸と3連打が飛び出してトドメの1点を追加。その裏を8回の緊急登板から続投した岩佐が抑えて、東京ガスが4-1で広島を下した。
総括
社会人がプロを破ったと騒ぐこともできるかもしれないが、個人的な感想としては当然の結果といえる。広島は2軍といえども、1軍当落線上にいる選手はみんな沖縄にいるので、この日のメンバーは2軍でも普段ウエスタンで戦っているチームほどの戦力はなく、高卒すぐの選手も多かった。それに対して東京ガスは、中山以外全員が大学で実績を残した選手で構成される社会人野球きっての名門である。特に今年に関しては、プロ入り確実と思われたエース臼井と4番笹川が残留して、戦力も充実していて、2大大会制覇を狙う上で勝負の年となる。そんな思いを表すかのように、この日はほぼフルというメンバーがスタメンに名を連ね、投手陣もエース臼井をはじめとして、野村→岩佐と先発を担うことが期待される3人でリレーした。選手の実力面、チームの完成度、本気度からいって東京ガスが勝つことは当然であった。
そんな東京ガスの戦力に今年も即戦力の新人が加わった。この日スタメンに名を連ねた西丸と楠木。西丸は3年春に東都のベストナインを獲得した強打が持ち味で国学院大で主将を務めた。この日は2番ファーストでスタメンに名を連ねると、タイムリーを含む2安打の活躍。アウトになったがショートライナーも含めて器用に逆方向にいい打球を放つことができていて、2番打者としての適性も大いにありそうであった。富士大ではベストナイン7度も輝き、咋秋には通算100安打も達成した楠は、志望届を出せば指名が濃厚であった大阪ガス入り。笹川が残留したことで層の厚い東京ガスの外野陣の中で、この日は5番センターでスタメンに名を連ねると、3打席目には2死3塁の場面で見事にライト前にタイムリーを放って見せた。

タイムリーを含む2安打を放った東京ガスの2番西丸
ただですら成熟したメンバーが揃っているところに、臼井と笹川が残留し、西丸・楠ら即戦力の新人も加わった。中山が新主将になり、4番にも座ると2安打の活躍をみせるなど、チーム内での世代交代も進みつつある。この日もスタメンで小林以外が全員ヒットを放ったように戦力に抜かりはない状態だ。
1-4という点差以上に完敗であった広島だが、その中でも光るものが見えたのは桒原・林・大盛の3人。桒原は先制のきっかけとなる2ベースを放ちなど2安打の活躍で盗塁も決めるなど1番としての仕事を果たした。本職の内野に加えて、途中からは外野も守るなど使い勝手もよく、先週は1軍の紅白戦にも呼ばれていたことを踏まえてもこの中で1番1軍に近い選手といえよう。4番に座った林は、高卒ルーキーとは思えないくらいの雰囲気があった。4回のセンター前ヒットに加えて、7回のセカンドゴロも小林のファインプレーに阻まれたいい当たりであり、1年春から智弁和歌山で中軸を務めていたその実力をプロでも発揮できていた。途中からセンターに入った育成ルーキーの大盛も、初打席でプロ入り初となるヒットを放つと、続く打席でも野村を負傷退場に追い込む強烈な打球を放った。走塁などを見ていても身体能力の高さが感じられた。社会人チームのテストをたくさん受けるも合格には至らなかったところを、広島からの育成指名で野球を続けられることになった苦労人がその思いをプレーに乗せることができていたようだ。

高卒ルーキーながら4番としての風格が漂っていた広島の林
Pickup Player
安本英正 東京ガス キャッチ-
~今年こそ山内の後釜に~
安本は広島商から法政大に進むも、1個上に木下(現:中日)がいたために3年時まではほとんどマスクを被ることはなかった。4年になるとスタメンでマスクを被ることは多くなるも、打力の問題もあってフル出場することは少なく、中園(現:日本新薬)との併用となっていた。大学ではそこまで結果を出したとはいえなかったが、その強肩とワンバンを後ろに逸らさない守備が評価されて、東京ガスという社会人の名門に入社した。東京ガスでも昨年まで主将も務めていた山内がずっと正捕手として降臨していたので、なかなか正捕手の座を獲得はできていなかった。
今年初の対外試合となるこの試合に安本は9番キャッチ-として出場。守っては臼井・野村・岩佐とタイプの違う右腕3人を巧みにリードして広島打線を初回の1点のみに抑え、7回には永井の盗塁も見事に刺してみせた。打つ方でも2回の第1打席でしぶとく三遊間を破るヒットを放ち、続く笹川の逆転タイムリー2ベースに繋げる貴重な働き。最終回にも2死からレフト前ヒットで出塁すると、
ここから笹川・西丸の連打でトドメとなる4点目のホームを踏んだ。この試合ではチームNo1の打者である笹川を1番に置いたため、その前を打つ安本が活躍したことが大きく得点に繋がった。
山内の後継者が欲しい東京ガスにとって、この日の安本の活躍は非常に喜ばしいことであろう。ただまだ手放しで喜べないのは、シーズン当初は山内以外のキャッチャーを使ってみるも、都市対抗などになったらやはり山内頼みになっているのが近年の東京ガスのキャッチャー事情である。山内も今年で30歳であることから、今年こそ安本が今日のような活躍を持続させて、正捕手の座を獲得して欲しいところだろう。

好リードに、ともに得点につながる2安打と活躍をみせた東京ガスのキャッチャー安本
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