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龍谷大平安×津田学園【選抜高校野球大会】

3/25 選抜高校野球第3日目
龍谷大平安×津田学園 @阪神甲子園球場

試合経過
20190325龍谷大平安×津田学園
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

近畿王者の龍谷大平安と148㌔右腕の前を擁する津田学園の試合は、両エースの白熱した投手戦となった。

まずマウンドに上がった津田学園のエース前は、ストレートこそ自己最速の148㌔には及ばないMax141㌔であったがノビがあり、なかなかいいボールが来ていた。フォームも非常に均等が取れていて綺麗で、そこからストレートと同じ腕の振りでスライダー・カーブ・フォークなどの変化球を投げ込む。4回には突如制球を乱して、連続四球とバントで1死2・3塁というピンチを招くも、そこでギアをあげると三尾・西川を連続三振に仕留める。他にピンチらしいピンチはなく、許したヒットも1本のみという内容で8回まで平安打線を無得点に抑える。
20190325津田学園 前
8回まで平安打線を無失点に抑えるなど好投をみせた津田学園のエース前

一方の龍谷大平安の野澤は、前とは異なって力強さはないものの丁寧なピッチングが光った。ストレートはMax133㌔であったがきっちりとコーナーに投げ分け、得意のスライダーとチェンジアップで津田学園打線のタイミングを外していくピッチング。そんな野澤に対して、津田学園打線で唯一合っていたのが7番の小林。3回と5回には先頭打者としてヒットで出塁するなどチャンスを作るなど、センター前ヒット、ライト前ヒット、レフト前ヒットと三方向に見事に打ち分けて、この試合両チーム通じて唯一の猛打賞。ただ小林の作ったチャンスも後続が続かず、津田学園も8回まで0を並べる。
2019025津田学園 小林
レフト・センター・ライトと3安打を放った津田学園の小林

9回表、龍谷大平安は1死から4番水谷がヒットで出塁すると、2盗を決めて先制のチャンスを作る。昨夏の甲子園では同点で迎えた9回に水谷がヒットで出塁すると、盗塁を2個決めてサヨナラ勝ちに繋げて、甲子園通算100勝をあげた龍谷大平安。京都勢の甲子園通算200勝がかかるこの試合でも同じような展開でチャンスを作るも、5番奥村は前のストレート攻めにレフトフライに倒れ、続く三尾もセカンドゴロに倒れてしまう。9回裏の津田学園の攻撃は3人で終わってしまい、試合は0-0のまま延長戦へ突入することとなる。
20190325龍谷大平安 水谷
9回にチャンスを作った龍谷大平安の4番水谷

延長11回表、龍谷大平安は先頭の北村が死球で出塁すると、2盗を決めてチャンスを作る。1死2塁で4番水谷を迎えると、津田学園バッテリーは敬遠を選択して、前の打席では見事に打ち取っている奥村との勝負を選択する。奥村に対しては前の打席同様にストレート攻めをする津田学園バッテリーであったが、ファールになっていたもののだんだんと奥村のタイミングも合ってきたいた。すると奥村は8球目のストレートをついに捉え、打球はレフトポール際に落ちる先制のタイムリー2ベース。なおも1死2・3塁で三尾がレフトへ犠牲フライを放ち、平安が2点目を奪う。
20190325龍谷大平安 奥村1
均衡を破る先制のタイムリー2ベースを放ってガッツポーズの龍谷大平安奥村

ついに援護を貰った野澤は9回以降の3イニングはパーフェクトピッチで津田学園打線を寄せ付けず、見事に11回完封勝利。龍谷大平安が投手戦を制して、見事に2回戦へコマを進めた。
20190325龍谷大平安 野澤
見事11回完封勝利を飾った龍谷大平安のエース野澤


Pickup Player

近畿王者の平安打線の前に立ちはだかった前のピッチングは素晴らしかったが、この好投を支えた守備陣の存在も見逃せない。昨秋は13試合で16失策と乱れた津田学園の守備陣は、大会前に守備位置の大シャッフルを行い、その結果ファーストの石川は背番号7、セカンドの大音は背番号6、サードの前川は背番号4、ショートの小林は背番号3、レフトの松尾は背番号5という状態であった。それでもこの甲子園という大舞台でエラーは1個のみという堅守ぶりで、前の投球をサポートした。ただ秋は大垣日大・中京大中京からコールド勝ちを納めた自慢の打線は、野澤の前に完全に不発となってしまった。
20190325津田学園 小林
背番号3ながら津田学園のショートを務めた小林

龍谷大平安はさすがの甲子常連校だけあって、接戦の戦い方に強い。0-0の試合でも序盤は流れは津田学園にあったが、7回以降は野澤がパーフェクトピッチングを展開するなど、終盤は完全に龍谷大平安ペースであった。龍谷大平安は近畿大会の決勝でも、この試合と同じように先発した野澤の好投で11回まで0-0。延長12回に先制されるも、その裏に2点を奪って逆転勝利をおさめ近畿大会を制した。龍谷大平安の現チームは戦力的に決して恵まれている世代とは言い難いが、このように接戦に強さで今大会も上位に進出してくることだろう。


Pickup Player
奥村真大 龍谷大平安2年 サード
~前の打席の悔しさを晴らす見事な決勝タイムリー~
延長11回に一振りで試合を決めたのは、龍谷大平安の5番打者の奥村であった。

奥村は龍谷大平安に入学すると、昨夏も1年生で唯一ベンチ入りを果たし、日大三戦では代打で甲子園デビューを果たした。新チームでは5番サードでレギュラーを獲得した奥村は、近畿大会準々決勝の市和歌山戦ではサヨナラ打を含む3安打の活躍、続く準決勝の履正社戦では3ランホームランを放つなどここ1番で強い打撃を武器に、チームの近畿大会制覇に貢献していた。

この試合でも5番サードでスタメンに名を連ねた奥村であったが、第4打席までは3打数ノーヒットと前に完全に封じ込められる。特前のストレートに振りまけている感はあり、1死2塁で迎えた9回表の第4打席では全球ストレート勝負で打ち取られていた。延長11回には前打者である4番水谷が敬遠されて、1死1・2塁という場面で打席が回ってきた。この場面でもストレートで押す津田学園バッテリーに対して、奥村もファールで粘って、徐々にタイミングを合わせていくと、ついに8球目をはじきかえす。打球はもう少しでフェンス直撃というレフトのポール際落ちて、0-0の試合の均衡をついに破る先制のタイムリー2ベースとなった。前の打席での悔しさを晴らすべく放った見事な決勝打であった。

奥村の父は甲西高校(滋賀)の監督、兄はヤクルトの奥村展征という野球一家の選手。父と兄はともに甲子園でホームランを放っていて、奥村には次戦で史上初の親子兄弟での甲子園でホームランも期待される。

20190325龍谷大平安 奥村2
延長11回にタイムリー2ベースを放つ龍谷大平安の奥村



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明豊×横浜【選抜高校野球大会】

3/24 選抜高校野球第2日目
明豊×横浜 @阪神甲子園球場

試合経過

20190324明豊×横浜
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


明豊×横浜と実力でいえばそれぞれ九州、関東のNo1ともいえる2チームが初戦から激突した。

1回裏、横浜は1番内海の死球と小泉のヒットで1死1・3塁のチャンスを作る。すると4番に抜擢された背番号13の吉原がスライダーをうまくセンター前に運んで先制する。さらに冨田のセカンドゴロが進塁打になり2死2・3塁のチャンスとすると、6番に打順をあげたエース及川がレフト前にタイムリーヒット。さらに1塁ランナーの及川は投手にも関わらず積極的に盗塁を試みると、キャッチャーからの送球が逸れて、その間に3塁ランナーがホームインして3点目をあげる。

横浜は2回にも先頭の山口がヒットで出塁すると、庄子が送って1番内海のタイムリーで追加点。横浜はこの試合、本来であれば3番セカンドの度会がケガから完全に復調できておらずにベンチスタート。チームNo1打者である内海を1番にもってくきて、その内海の前には秋は2番を打っていて繋ぎ役として定評のある庄子を置いたことが見事なまでに功を奏した形となった。
20190324横浜 内海
1番起用に応えてタイムリーを放った横浜の内海

横浜の先発及川は1・2回と順調な滑り出し。及川といえばMax153㌔のストレートであるが、この日はスライダーがかなり多めの配球で1・2回抑えていた。そんな及川のコントロールが3回から突如乱れだし、明豊の8番・9番に連続四球を与えてしまう。ここから及川の甘く入った球を2巡目になった明豊打線が捉えはじめ、まずは1番主将の表が三遊間を抜けるタイムリーヒット。バントで送ってから、布施・野邊の連続タイムリーヒットで4-4の同点とする。さらに6番青地(昨年春夏連覇の大阪桐蔭ライトの青地の弟)
のタイムリーで明豊が試合をひっくり返すと、横浜ベンチは及川をライトに回して、マウンドには2年生左腕の松本を送る。
20190324明豊 野邊
同点タイムリーを放つ明豊の4番野邊

松本は3回のピンチは凌ぐも、4回表にも2死から表・布施のヒットと四球で満塁のピンチを背負う。4番野邊の打球はショートゴロに打ち取ったと思きや、これを横浜のショート津田がはじいてしまいオールセーフ。続く5番薮田のライナー性の打球がライトを襲い、ライト及川がこれを後逸して走者一掃の3ベース。確かに難しい打球ではあったが、外野不慣れであろう及川をライトに残しておいたことが災いとなってしまった結果である。明豊は続く5回表にも成田が四球で出塁すると、2死2塁から1番表がこの試合3本目のヒットとなる、レフト線へのタイムリー2ベースを放ち、10ー3とリードを広げる。
20190324明豊 表
タイムリー2本を含む3安打の活躍をみせた明豊の主将表

反撃に出たい横浜は5回裏、津田のヒットと2四球で、こちらも満塁のチャンスを作る。ここで平田監督は勝負に出て、ケガの影響で調整は遅れていたものの本来は3番を打つ実力者である度会を代打に送る。度会は積極的に初球を打ちに行くも、高くあがった打球はライトのグラブに収まり、横浜は無得点。

6回裏にも2死から内海・津田の連打と四球で満塁のチャンスを作り、4番吉原を迎える。この4球目の変化球をキャッチャーがはじいたのを見て、3塁ランナーの内海はホームにスタートを切るも、それほどはじいた距離が大きくなかったので慌てて3塁へ戻る。しかし2塁ランナーの津田はこのときすでに3塁に到達していて、2・3塁間に挟まれてしまいタッチアウト。7回裏の先頭打者となった吉原がホームランを放ったことも、非常に悔しい結果になってしまった。1年春から捕手としてベンチ入りを果たすも、ケガなどもあってなかなかレギュラー獲得とはならなかった吉原であるが、度会のケガもあってスタメンの座を掴むと、好調な打席を買われて背番号13ながら4番に座ると、この試合ではタイムリーとホームランを含む3安打と見事に結果を残して見せた。度会復帰後にこの吉原がどこに来るのかも注目である。
20190324横浜 吉原
初の4番でホームランを含む3安打と結果を残した吉原

松本に代打度会を送った関係で、6回から横浜のマウンドには木下が上がった。木下は6・7回を3人ずつで抑えるなど快調なピッチングを続けていたが、8回に捕まる。野上のヒットと2四球で満塁のピンチを背負うと、5番薮田に左中間を破られ、走者一掃のタイムリー2ベース。薮田はこの日2本目の走者一掃のタイムリーであり、計6打点の活躍であった。完全にとどめを刺された横浜打線に反撃の余地もなく…4回から登板した明豊2番手の大畑からは結局吉原のソロの1点のみしか奪えず、優勝候補がまさかの初戦敗退となった。
20190324明豊 薮田
この試合2本の走者一掃のタイムリーを放った明豊の5番薮田


総括

横浜の投壊がまた起きてしまった。2018年夏の金足農業戦を除けば、2017年秋の鎌倉学園戦・2018年春の木更津総合戦・2018年秋の春日部共栄戦とここ最近の横浜が敗れた試合は、全ていきなり投手陣が崩れてコールド負けという展開である。今日の試合も甲子園でなければ8回でコールドとなっていた。メディアは及川が打たれたとしきに書いているが、及川だけでなく松本・木下という2人の2年生投手もこの流れを止めることはできなかった。この2人も来年はドラフト候補になるだろう実力者であり、普通にやればそう簡単には打てない球の持ち主である。ちなみに投壊ストップということでは経験もある3年生右腕の黒須に期待したかったところだが、黒須もフォームがまたアンダースロー気味に戻るなど固まっておらず、及川を再登板させたあたりから察するに調整不足であったのだろう。もはや及川のみというか横浜というチームの体質的な問題ではなかろうか?
20190324横浜 及川
3回途中KOとなってしまった横浜のエース及川

ただ横浜敗北の原因は投壊だけでなく、満塁のチャンスを生かせたかという部分で明豊と明暗がくっきりと分かれてしまった。この試合では明豊と横浜にそれぞれ2回ずつ満塁のチャンスがあったが、明豊は2回とも薮田に走者一掃のタイムリーが生まれたのに対して、横浜は無得点。「勝負は時の運」という言葉もあるが、横浜は自分たちのミスも絡んでチャンスを逃し、またミスっぽいプレーでタイムリーを許していたので擁護のしようもない。

明豊にしてみれば、最悪のスタートからの大逆転勝利だ。エース左腕の若杉は2回までに4点を失い3回で降板、打線も2回までは及川の前に完全に封じられていた。その状況の打破に一躍を買ったのが、この試合のスタメンに抜擢された背番号12の青地だ。咋秋の公式戦では1打席のみの出場であった青地だが、この試合では相手がサウスポーということもあり、スタメンに名を連ねると、1打席目では及川の初球を捉えるとチーム初となるセンター前ヒット。チームは主軸よりも、こういうスタメンに抜擢された選手が打った方がイケるというムードが漂うものだ。そのムードに乗るがごとく、続く3回には打線が爆発して、再び打順の回ってきた青地は今後は勝ち越しタイムリーを放った。明豊を勢いづけた青地、このままの勢いが勝ち進んでいって、兄(昨年の大阪桐蔭のライト青地斗舞)に続いて優勝を成し遂げたいところだ。
20190324明豊 青地
兄に続くセンバツ制覇を目指す明豊の青地


Pickup Player
大畑蓮 明豊3年 投手
~試合を落ち着けた好リリーフ~
序盤から点の取り合いとなった試合を落ちつけた大畑の好リリーフは明豊にとっては大きかった。

大畑は期待の184㎝の大型右腕であり、明豊では2年春よりベンチ入り。2年夏の大分大会では先発も務めるなど成長をとげたが、準々決勝の柳ヶ浦戦では6回まで好投するも7回に捕まり敗れた。またこの大会で右肩に痛みを覚え、新チームでは出遅れてエースの座は1個下の若杉に譲ることとなり、大畑は主にリリーフとして九州準Vに貢献した。

センバツの重要な初戦でも先発はエース若杉であったが、この若杉が2回までに4点を失うと、4回には早くも大畑の出番がやってきた。大畑は4回を3人で斬ると、5・6回は満塁のピンチを背負うも、いずれも無失点で凌ぐと、失点は吉原に浴びたソロのみで最後まで投げ切って6回1失点。ストレートは自己最速を更新する144㌔をマークしていて、スライダー・チェンジアップなどの縦の変化球も有効に使って8奪三振であった。横浜の松本・木下というリリーフ投手が失点を重ねていったのに対し、明豊の大畑がこのように安定したピッチングをして、(明豊から見るといい意味で)試合を落ち着けたのは非常に大きかった。

期待されていた右腕が甲子園の地でついに覚醒の兆しをみせた。次の試合では先発というのも十分にありそうな大畑に今後も注目していきたい。

20190324明豊 大畑
6回1失点の好リリーフを見せて横浜の流れを止めた大畑


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星稜×履正社【選抜高校野球大会】

3/23 選抜高校野球大会第1日目
星稜×履正社@阪神甲子園球場

試合経過
20190323星稜×履正社
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

センバツの開幕日に、ともに優勝候補である星稜と履正社が激突。1回戦では間違いなく注目度No1の好カードである。

履正社の先発はエース左腕の清水。大会前の練習試合で左手に打球を受けた影響が心配されたが、問題なくこのマウンドに立てたようだ。しかし立ち上狩りの清水はストレートも130㌔前後であり、制球もやや甘かった。1死から有松にライト前ヒットを浴びると、続く3番知田にもライト前ヒットを浴びる。ここはライト井上が強肩を発揮して3塁へのノーバンスローで有松を刺してみせるが、履正社バッテリーはこの日4番内山を非常に警戒していて、四球を与えてしまう。2死1・2塁で迎えた5番山瀬の打球はショート守備範囲範囲であったが非常に強烈で野上はキャッチすることができず(記録はヒット)、履正社が先制する。
20190323星稜 山瀬1
先制タイムリーを放った星稜の5番山瀬

1回裏にマウンドにあがった、今大会注目度No1投手である星稜のエース奥川がいきなり観客を沸かす。初球に148㌔をマークすると、2球目には早くも150㌔、そして4球目には自己最速を更新する151㌔をマークした。この日の甲子園は非常に肌寒く、自分もマフラーをしながら観戦していたほどの気温。その中でいきなりこれほどのスピードをマークするのだからえげつない。奥川はストレート4球のあとにスライダーを投げ込むと桃谷は手が出ずに見逃しの三振。3番小深田はなんと137㌔のフォークで三振に仕留めるなどして完璧な立ち上がりを迎える。

奥川は2回にも151㌔をマークするも、それ以降はストレートは140㌔中盤が中心とやや抑え気味のピッチング。ただ他にも大きく曲がる120㌔後半のスライダー、130㌔後半もマークするフォーク、中盤以降はカーブにチェンジアップも使い始めるがどの変化球も一級品。よってストレートの割合もそれほど多くもなく、うまく見せ球としても使えていて、履正社打線を寄せ付けない。5回までは毎回2個ずつの三振を奪い、打たれたヒットは野口の1本のみという圧巻の投球内容であった。


履正社の清水も2回以降は調子を取り戻した。ストレートこそ140㌔止まりだったものの、ストレートとスライダーが基本線であった秋のピッチングとは違って、カーブやチェンジアップなどの変化球も駆使して、星稜打線のタイミングを外すこともできていた。毎回ランナーを許しては凌ぐという粘りのピッチングであったが、2回以降は星稜に得点を許さずに試合は星稜が1-0とリードしたまま終盤を迎える。
20190323履正社 清水
2回以降は星稜打線を無得点に抑えていた履正社のエース清水

7回表、星稜の先頭の山本の打球は二遊間の深いところ。これを履正社のセカンド池田が好捕するも、送球は浮いてしまい(記録はエラー)山本が出塁。東海林が送るなどして、2死3塁で3番知田を迎える。知田はカウント2B0Sからの3球目をレフトにうまく流し打って、星稜が待望の追加点をあげる。
20190323星稜 知田
貴重な追加点となるタイムリーを放つ星稜の3番知田

履正社の反撃は8回裏、2死から野口がこの試合2本目のヒットで出塁。代打関本は奥川の初球を叩くと強烈なサードゴロ、これをサード知田がなんとかキャッチし2塁へ送球するもやや逸れてしまい、2死1・2塁。長打が出れば同点という場面で、岡田監督はエース清水のところで代打に田上を送る。田上はカウント2B2Sからのフォークを捉えて1塁線へ強烈なファールを放ち(これが入っていれば同点だった)球場を盛り上げるも、最後は奥川の146㌔のストレートの前にバットが空を切ってしまった。
20190323履正社 野口
1人奥川から2安打と気を吐いた履正社の主将野口

履正社は清水に代打を送った関係で、9回のマウンドには植木があがる。植木は咋秋の大阪大会決勝では大阪桐蔭から2失点完投勝利をあげた実力者であるが、1死から東海林にレフト前ヒットを浴びると、続く2番有松にはライナーで左中間を破られてしまい、星稜に3点目を献上してしまう。
20190323星稜 有松


それでも履正社は9回裏、先頭の桃谷がこの試合で奥川から初となる四球を選んで出塁。1死から小深田が強烈な打球で1・2塁間を破り1死1・3塁とホームランがでれば同点というチャンスで4番井上を迎える。ただ奥川は井上を2球で追い込むと、最後は低めのスライダーを引っ掛けさせて、それを自ら冷静に処理して1-6-3のダブルプレーでゲームセット。奥川は結局3安打17奪三振という圧倒的な内容での完封劇であった。

総括

奥川の凄さを改めて感じた試合であった。今大会の参加チームの中でもトップクラスの力があると言われていた履正社打線相手から17個もの三振を奪っての完封劇。151㌔をマークしたが、フォームに力みなどはなく、ゆったりしたところからドシンと来る感じである。またスライダー・カーブ・フォーク・チェンジアップといった変化球も多く、そこからの150㌔なので厳しかった。何やら見ていて奥川に余裕のようなものも感じられた。優勝候補筆頭の星稜であっても、いきなり初戦に履正社はかなりのマイナスだという評価もあったが、そんな心配は無用だったようだ。今日の試合のピッチングを継続するという条件付きではあるが、個人的にはこれまで甲子園で見てきた投手の中でNo1といえる存在だと感じた。
20190323星稜 奥川
3安打17奪三振という圧倒的な内容で完封勝利をあげた星稜のエース奥川


奥川に圧倒されてしまった履正社打線であるが、奥川の150㌔に対しても決して振りまけている印象ななく、ハイレベルな打線であった。そのハイレベルさを象徴したのが、8回裏に登場した2人の代打だ。まず最初に登場したのは控え捕手でもある2年生の関本(元阪神の関本賢太郎の息子)は、公式戦初打席ながら初球の148㌔を振り抜くとサードの強烈な打球を放った(サードはキャッチするも暴投で出塁)。これで長打が出れば同点という場面で、打席にたった同じく2年生の田上は4球連続ストレートでカウント2B2Sとなったところから、136㌔のフォークを捉えると打球は1塁線にライナーで飛んで行ったが惜しくもファール(入っていれば同点タイムリーだった)。結果には結びつかった2人であるが、代打で出てきて148㌔のストレートを、あるいは136㌔のフォークを初見で打てるというのは並大抵のことではない。こういう打者が控えているというのは打線の層の厚さを感じさせる。敗れはしたものの、甲子園という場で奥川というNo1投手と対戦できたことは履正社にとって貴重な経験になったころだろう。
20190323履正社 関本
代打で登場して初球から積極的なバッティングをみせた履正社の関本


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山瀬慎之介 星稜3 年キャッチャー
~秋のケガから復活して見事チームを牽引~
秋にはケガの影響もあり、打順を9番まで落とした山瀬が、この春に見事復活をとげた。

中学時代には宇ノ気中で全国制覇を経験した山瀬は遠投120㍍を誇る強肩捕手で林監督からも歴代No1と評されていて、星稜高校でも1年秋から正捕手を務める。2年春のセンバツでは打率.600をマークするなど打撃面でも大活躍をみせてベスト8入りに貢献。新チームでは主将も務めるが、昨秋は右手首のケガに苦しみ、スタメンを外れた試合もあり、打順は9番まで落ちていた。

しかしケガが治り、先月からフルスイングできるようになった山瀬は打順を5番に戻してこの試合に臨んだ。すると2死1・2塁で迎えた第1打席では清水のストレートを捉えると、強烈な打球はショートの守備範囲内であったが、とることができずにレフトに抜ける先制のタイムリー。それぞれ回の先頭打者として迎えた6回の第3打席、8回の第4打席でもヒットを放ち、4打数3安打1打点という活躍であった。

守っては小4からずっとバッテリーを組む奥川を好リードして完封劇をアシスト。最初にフルギアで150㌔のストレートを意識させた後に、スライダーを多めにして打ち取ったり、試合の後半からチェンジアップを解禁して球種を増やすなど計画的なリードであった。
回の合間のセカンドの送球も、他のチームとは桁違いに低くて速い送球を投げて、それを見たからかどうかは知らないが履正社の盗塁企画数は0。他には1塁のカバーで逸れたボールがベンチに入りそうなところをスライディングキャッチで止めるプレーもあった。

山瀬が本来の姿に戻ることこそ、星稜にとっては秋からの1番の戦力アップであると言われていて、今日はそれが実現できていたとみる。また山瀬が本調子になることで、奥川の投球の質も上がり、今日はその結果も現れたといえる。奥川ー山瀬バッテリーが中学に続いて、甲子園でも全国制覇を果たすという姿もどんどん現実味を帯びてきている。

20190323星稜 山瀬2
ケガを直して本来の姿に戻りつつある星稜の正捕手山瀬



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JFE東日本×日本新薬【JABA東京スポニチ大会】

3/11 JABA東京スポニチ大会 予選Bブロック1日目
JFE東日本×日本新薬 @横浜スタジアム

試合経過

20190311JFE東日本×日本新薬
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

球春を告げるスポニチ大会が開幕。結果的にこの大会を制した日本新薬の初戦は、2年前のスポニチ大会と同じくJFE東日本との試合となった(2年前の試合の観戦記)。

エースが先発することになる初戦のマウンドに上がった日本新薬のピッチャーは小松。日本新薬といえば榎田・西川の2枚看板を擁し、他にも左腕の斎藤らが初戦の候補であったが、そんな大方の予想に反しての小松起用であった。小松は立ち上がりコントロールが乱れて2四死球でピンチを招くも、5番中嶋を全球変化球で三振に斬ってピンチを凌ぐ。これで流れに乗ったか、2回以降はスライダー・カーブ・フォークといった多彩な変化球中心のピッチングに切り換え、どんどん波に乗っていった。
20190321日本新薬 小松
日本新薬の開幕投手を務めた小松

日本新薬打線は3回裏、先頭の8番千葉がレフト線への2ベースで出塁すると、大崎が送って1死3塁と先制のチャンスを迎える。1番久保田の打球は飛距離十分のセンターライナーであったが、打球が早かったこともあり、3塁ランナーの千葉の帰塁が遅れてタッチアップできないという痛恨のミス。続く板倉もセンターフライに打ち取られて万事休すと思いきや…夕方なのに照明もつかずに暗かったこともあってか、これをJFEのセンター中島が落球。思わぬ形で日本新薬が先制する。

JFE東日本の先発の在原は上記のように不運な形で先制点を失うも、ピッチング自体は快調そのもの。ストレートはMax140㌔ほどでこれとスライダーのコンビネーションが基本線。ピッチングスタイル的にもどうしても左の中継ぎを連想してしまう在原であるが、右バッタ-に対してもきっちりとインコースに投げることができていて、長いイニングで勝負することもできる。他になかなか本格派のエース級が出てこないというJFE東日本の投手事情もあるが、昨年はかずさマジックの補強選手として出場した都市対抗でも先発マウンドを経験するなどしていて、もう正真正銘のJFE東日本のエースである。在原は結局7回にピンチを背負った場面でマウンドを辻に譲ることとなるが、6回1/3を1失点という見事なピッチングを見せた。
20190321JFE東日本 在原
6回途中まで1失点の好投をみせたJFE東日本の在原

在原の好投に応えたいJFE打線は7回表、この回先頭の4番平山快のライトに上がった打球は意外と伸びてそのままスタンドイン。平山快は東海大では4番打者も務め、ベストナイン4度、昨秋は三冠王に輝きながらも、ドラフトでは惜しくも指名漏れ。今年の社会人の新人の中でもトップクラスの打力を誇る逸材は新人ながらいきなり4番に抜擢されると、逆方向への同点ホームランという見事な結果を残してみせた。
20190321JFE東日本 平山快
7回に同点弾を放ったJFEの新4番平山快

勢いに乗るJFEは8回表、先頭の土屋がヒット出塁し、平山拓が送り、1死2塁のチャンス。ここで日本新薬は小松に代えて、新人の山上をマウンドに送る。山上は力のあるストレートをスライダー・SFFを武器にギア全開の投球で、1番内藤から三振を奪う。たが続く2番峯本にはライト前ヒットを浴びてしまう。2塁ランナーの土屋は1度は3塁を回ったところで止まるも、ライト久保田のホームへの送球がキャッチャーの頭上を大きく超えるのを見ると、再びスタートを切りホームインし、JFEが逆転に成功する。

リードを許した日本新薬は8回裏、先頭の千葉が3塁線へのヒットで出塁。続く大崎の送りバントは、大崎が俊足を飛ばして1塁もセーフとなり無死1・2塁。1番久保田もバントの構えをしたので、JFEはファーストとサードがともに前進してきて、セカンドが1塁へ、ショートが3塁へ入るというシフトを引く。ただ久保田は2球目にバスターに切り換えると、打球は誰もいないショートのポジションに飛んでセンターに抜ける同点タイムリー。なおも無死1・2塁という場面で2番板倉は今度は正真正銘のバント…だがこれをJFEのファースト長谷川が3塁へ送球するも判定はセーフで無死満塁となる。JFEの守備の乱れは止まらず、続く濱田のセカンドゴロをセカンド鳥巣がホームへ送球するも、これが暴投となり2者生還(記録はFC+暴投)。さらに4番中がライト線に2点タイムリーを放ち、さらに代走で出場していた福永も(公式戦の)社会人初打席でライト前タイムリーで日本新薬はこの回一挙6点をあげて試合をひっくり返した。
20190321日本新薬 中
2点タイムリー2ベースを放つ日本新薬の4番中

日本新薬の最終回のマウンドには抑えの岩本が上がる。岩本はMax146㌔の力強いストレートで、アウト全てを三振で奪い最終回を締めてゲームセット。この試合に勝利して、流れに乗った日本新薬は予選リーグを全勝で突破し、この大会制覇へとつなげていくのであった。
20190321日本新薬 岩本
最終回を見事に抑えた日本新薬のストッパー岩本


総括

JABA東京スポニチ大会は、JABAの公式戦であり、優勝すれば日本選手権の出場権も手に入る。ただシーズンとしては初の大会であり、チームによっては新人選手のお試しの場となるケースも少なくない。ただ3年前にもこの大会を制した日本新薬は初戦からフルスロットであり、スタメンに新人はおらずベストメンバーといえる布陣。今年から主将を務める板倉がショートからセカンドに移っていて、それまでセカンドのレギュラーであったベテラン吉野がベンチスタートとなったが、そのベテランがベンチで積極的に声を出している。その吉野につられるかのように、ベンチ全体も盛り上がっていて、心無いJFEファンからは「ベンチうるさいんだよ!高校生か?」と罵声を浴びるほど声が出ていて、この大会に関する意気込が感じられた。

またプロのような日本新薬の投手起用も非常に興味深かった。近年では投手の分業化が進んでいるとはいえ、アマチュア野球のチームでは頼れるリリーフはせいぜい1人であり、終盤困ったら回跨ぎでもなんでもそのリリーフエースが登板して最後まで投げ抜くのが一般的である。ただ日本新薬の抑えの岩本は、この大会では3試合に登板したが、その全てが最終回の1イニングのみ。この試合でも、同点で迎えた8回のピンチでピッチャーを代える場面では岩本(orサウスポー)かと思われたが、マウンドに上がったのは新人の山上であった。山上は立命館大では通算18勝をあげるなど、エースとして先発をこなしていた投手であるが、日本新薬ではセットアッパーという位置づけのようだ。タイプ的にはMax149㌔のストレートに縦の変化球が武器なので、三振が奪えてリリーフには適している。実際にこの試合でも同点を許してしまったものの、勝負処で2個の三振は奪えていた。先発→セットアッパー→抑えというプロのような日本新薬の投手起用に今シーズンは注目していきたい。
20190321日本新薬 山上
このスポニチ大会ではセットアッパーとして活躍した日本新薬の新人山上

一方のJFEは経験不足が出たのか、8回に守備が乱れてしまったことが痛かった。日本新薬とは対照的に、スタメンのうち5人が1・2年目だったJFE。ただJFEはチーム自体が変革期を迎えていて、今年の新加入選手が10人に、主将も2年目の鳥巣という状況なので、決してお試しというわけではなさそうだ。新人の中ではやはり同点ホームランを放った平山快が目立ったが、もう1人球場を沸かせたのは今川であった。昨秋は札幌六大学リーグでは春・秋合わせて9ホーマーを放ち、オフにはアメリカのアマチュアホームランダービーに出場したことでも話題になった右のスラッガーはフルスイングが持ち味で、空振りでも観客から「お~」と声が漏れるほどであった。3打席目まではその豪快なフルスイングが空を切り、3打席連続三振であったが、最終打席ではレフト前ヒットを放った。3三振をしても代えられなかったあたりは、首脳陣からの期待の高さが伺えていて、今後の活躍がさらに楽しみな打者であった。
20190321JFE東日本 今川
フルスイングで球場を沸かせたJFE東日本の新人今川

JFEの新加入選手は大卒や高卒の選手だけでなく、かつてエースとして活躍した須田もDeNAから復帰という形で加入した。この日は登板こそなかったものの、早くも横浜スタジアムに凱旋を果たした経験豊富な右腕は、若いチームに色々なものをもたらせてくれることだろう。
20190321JFE東日本 須田
登板はなかったもののDeNA時代と同じ背番号20で横浜スタジアムに凱旋したJFE東日本の須田

Pickup Player
千葉義浩 日本新薬 キャッチャー
~やっとレギュラーを獲得した捕手が打撃でもきっかけに~
社会人5年目にして、初めて正捕手として迎えた新シーズン初戦で、千葉が攻守に渡って活躍をみせた。

千葉は東陵では1年秋からセンター、さらには強肩を生かして投手も務める選手として活躍し、宮城3位で東北大会ベスト8まで進出。2年秋から正捕手となり、2年連続で東北大会出場を果たした。東北福祉大では2年秋から控え捕手としてベンチ入りを果たすも、正捕手の座を獲得したのは4年春。この4年春は東北福祉大としては屈辱の3位に終わるが、千葉はリーグ戦後には大学日本代表にも選ばれた。4年秋には打率.467で首位打者、ベストナインを獲得。セカンド送球1.8秒の強肩を武器にプロ志望届を提出するも指名漏れで日本新薬に入社した。

日本新薬では正捕手として鎌田が降臨していために、千葉はずっと控え捕手であった。しかし社会人4年目を迎えた、昨年の日本選手権からついに千葉が鎌田に代わって正捕手の座を獲得すると、新シーズンの初戦であるこの試合のスタメンマスクも被った。

まずこの試合で千葉はバットで魅せた。3回に回ってきた第1打席では初球を捉えると打球はサードの頭を超えてレフト線への2ベースとなり、先制のホームを踏んだ。第3打席でも同じように引っ張り3塁線に強い打球を放つと、今度はサード平山快がなんとかキャッチするも、1塁はセーフとなり内野安打。ここで千葉は代走を送られてしまったが、この千葉のヒットをきっかけに日本新薬はこの回6点をあげて試合をひっくり返した。3打数2安打という結果であったが、得点のあげた回はいずれもこの千葉のヒットから始まったという意味で貴重なヒット2本であった。

守備面でも小松・山上・岩本と3投手をうまくリードして2失点に抑えた。特に小松のリードに関しては、変化球を多めにつかって、見事に立ち直らせて、併殺なども含めてJFE打線をうまく打ち取っていた。4年目にして掴んだ正捕手の地位は、今日のような活躍を続けていけば安泰といえるだろう。

20190321日本新薬 千葉
今年も日本新薬の正捕手を務める千葉


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青山学院大×明治大【オープン戦】

3/16 オープン戦
青山学院大×明治大 @内海・豊岡ボールパーク

試合経過

20190316青山学院大×明治大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

試合はいきなり2年前のセンバツ決勝の履正社×大阪桐蔭の再戦から始まる。明治大の先発は履正社のエースであった竹田、それに対して青山学院の1番は大阪桐蔭のショートであった泉口である。この勝負は竹田が追い込むも、そこから泉口がアウトコースのストレートをうまくさばき3塁線を抜ける2ベースで出塁。泉口が竹田を返り討ちにした形となった。竹田は2番山田に3球三振と全く仕事をさせなかったが、3番片山には変化球をうまく拾われ、ライナー性の打球はジャンプしたファースト喜多のグラブを弾いてライトに抜けるタイムリーとなり青山学院が先制。
20190316青山学院大 片山
先制タイムリーを放った青山学院大の3番片山

竹田としては一瞬ファーストライナーかと思っただけにショックもあっただろうが、1回の後続を冷静に抑えた。竹田は140㌔前後のストレートを右バッター・左バッターのそれぞれのインとアウトにきっちりと投げ分けることができていて、これにスライダー、タイミングをはずす大きなカーブ、追い込んでからはフォークと変化球を混じえた安定したピッチング。2回以降は1イニングにランナーを2人以上出すことはなく、そのまま6回まで1失点で投げ切った。エースの森下は確定として、ドラフト候補にもあがる4年生右腕の伊勢と先発2番手の座を争うことになる竹田であるが、今日のところはそのアピールに成功したといえる。
20190316明治大 竹田
6回1失点で先発2番手奪取に向けてのアピールに成功した明治大の竹田

反撃したい明治打線であったが、青山学院の先発森の前に4回まで見事に打ち取られて無得点。しかし5回裏、先頭の5番喜多が初球を捉えると打球は左中間を抜ける3ベース。無死3塁という絶好のチャンスを作ると、続く6番公家は変化球にタイミングを外されたものの打球はショート後方にポトリと落ちて、明治大が同点に追いつく。
20190316明治大 喜多
同点のきっかけとなる3ベースを放つ明治大の喜多

明治大は7回から長江、8回から宮内が登板。対する青山学院は森がそのまま続投。両チームともにヒットは散発でなかなか得点に繋がらず、試合は1-1の同点のまま最終回を迎えることになる。

9回表、青山学院は先頭の4番山本が右中間に2ベースを放ち、5番井上はバントで送って1死3塁というサヨナラのチャンスを迎える。明治大はこの重要な場面でマウンドに4番手として1年生右腕の渡部を送る。渡部はトルネード気味に体を捻るスリークォーターのフォームであり、ストレートは140㌔やや手前ながら浮き上がるような感じがある。青山学院のバッターは主将の4年生西川尚であったが2球で簡単に追い込むと、3球目は高めのストレート。これに西川尚のバットが明らかに出たように見えたが、判定はノースイング。渡部としては落胆してしまうところだったが、その後の5球目のまたもや高めのストレートで今度は正真正銘の空振り三振に仕留めてみせた。続く永山もセンターフライで打ち取って、9回表のピンチを見事に無失点で切り抜けてみせた。
20190316明治大 渡部
9回1死3塁のピンチを見事にしのいだ明治大4番手の渡部

最終回のマウンドにもあがった森に対して、サヨナラを狙いたい明治大は9回裏に先頭の添田が四球で出塁。4番和田にバントをさせてまで勝利への執念をみせるも、5番喜多・代打の植田はともに内野フライに倒れてしまいゲームセット。両チームの投手陣の好投が光って1-1の引き分けとなった。


総括

河原井監督が退任して、安藤新監督が就任した青山学院。試合中にとにかくベンチから安藤監督の声が響いているのか印象的であった。大学野球となると監督はベンチでどっしりしているが基本だが、安藤監督は昨年まで青山学院高校の監督をしていたとあって、自ら積極的に声を出して指示をしていく高校野球スタイルの監督だ。選手の交代に関しても独特で、この試合ではオープン戦にも関わらず交代0で、スタメンのメンバーがそのままフル出場していた。選手層の厚さで戦うことの多い大学野球、ましてはオープン戦という段階ではとても珍しい光景で、これも高校野球っぽい戦い方だ。去年まで早稲田大を率いていた高橋監督(鳴門渦潮高校の監督から早稲田大)も初年度には固定したメンバーがフル出場するという戦いで春秋連覇をしていて、青山学院大にも同様のことを期待したい。

そのスタメンメンバーには何と1年生を3人も入っていた。3番ファーストの片山は先制タイムリーを放ち、キャッチャーを務めた山中は見事なリードで森の1失点完投をアシストし、打っても3打数1安打。



2番サードの山田拓に関しては、初回の無死2塁の場面でランナーを進めることができずに試合通してもノーヒットであったが、大学に入ってから務めるサードの守備は機敏で安定していた。
20190316青山学院大 山中
1年生ながら青山学院大のキャッチャーとしてフル出場を果たした山中

一方の明治大もスタメンであった長南に加えて、試合途中から中村奎・岡本・冨田・渡部が途中出場を果たすなど1年生を積極的に器用。岡本と冨田は代打で出場すると1打席のみであったが見事にヒットという結果を残し、長南の1打席目のヒットも加えて、チームのヒット5本のうち3本が1年生という結果であった。渡邊佳・逢澤・越智といった打線の軸が抜けて、この試合でも1得点に抑えられてしまった打線はやはりまだ力不足感が否めなく、このようにリーグ戦でも1年生を起用して補っていくしかないのかもしれない。
20190316明治大 長南
明治大の1年生で唯一スタメン出場して1打席目にヒットを放った長南


Pickup Player
森圭名 青山学院大2年 投手
~新エース候補が見事に結果で応えた~
青山学院大では新エースとして期待される森が9回を1失点で最後まで投げ切ったのは大きな収穫であろう。

森は富山第一では1年春からベンチ入り。がっちりした体格からMax143㌔のストレートと多彩な変化球を操る右の本格派として2年春から1個上の中津原(現:専修大)とのダブルエース。2年夏の富山大会では、決勝戦では富山商を11奪三振完封勝利をあげるなど、20回投げて2失点という活躍をみせた。甲子園では初戦で中津原との完封リレー(森は7回から3イニングを投げた)を達成。続く2回戦では堀(現:日本ハム)がエースの広島新庄との対戦となり、4回からリリーフのマウンドに上がるも、勝ち越しを許すなど5回6失点という内容であった。2年秋からはエースとなり、富山大会では新湊・高岡商から完封勝利をあげて北信越大会出場も、日本文理打線に捕まり8失点。2年春に肘をケガすると、3年夏も本調子とはいえず2年連続での甲子園出場を逃した。146㌔右腕としてプロからも注目されたが、青山学院大に進学することとなった。青山学院大では1年秋にリリーフながらリーグ戦に2試合登板し、拓殖大戦では初勝利をあげた。

この日の先発マウンドに上がった森は、序盤から140㌔を超えるストレートを投げ込んでいくピッチング。2年夏に甲子園でみたときは力感のあるフォームが印象的であったが、現在はいい感じに力の抜けたフォームになっていて、ストレートも球速以上に来る感じで明治大が詰まっていることも多かった。奪った三振こそ少なかったものの、中盤以降は徐々にスライダー・カーブ・チェンジアップといった変化球も増やしていくなどして、明治大打線を淡々と打ち取っていく投球術も身についていた。結局与えた得点は5回の公家のタイムリーの1点のみ、得点圏にランナーを背負ったのも3回のみという安定したピッチングで、9回1失点で完投してみせた。

青山学院大の投手陣は現在緊急事態だ。エース河端(現:Honda)が卒業したのはしょうがないが、昨年は二刀流で先発2番手も務めていた3年生の鈴木駿の名前が野球部のHPから消えている。他にも小川・林・齋藤といった投手の名前がHPにはなく、退部した可能性が高い(河原井監督の退任時にもひと悶着あったことが関係しているのだろうか?)。もともと少数精鋭な青山学院大野球部の投手陣は(新1年生も含めて)14人のみとなった。そんな事情もあり、森はまだリーグ戦経験は2試合のみであるが、高校時代の実績も踏まえて、今年のエース候補と言われている。その森が強豪明治大を1失点完投したという事実は安藤監督にとっては、この試合の勝ち以上に大きな収穫であったことだろう。森が青山学院大の新エースとなって、チームを救ってくれることに期待したい。

20190316青山学院大 森
見事9回1失点の好投をみせた青山学院大の新エース候補の森


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センバツの組み合わせ決定+ベスト8予想

いよいよセンバツの組み合わせも決まりました。
ということで今日はその感想など書いてみます。

2019センバツの組み合わせ

~1回戦の注目カードは?~
①履正社×星稜
抽選会でもっともどよめきが起こったのはこのカード決定時。今大会優勝候補筆頭と言われる星稜に、近畿の雄である履正社が挑む形となる。やはり今大会No1投手である奥川を擁する星稜が有利であることには変わりないが、履正社のエース左腕清水もポテンシャルが高い。大会前のオープン戦で打球を左手に当てて降板したというのは気がかりであるが、清水が本来の力を発揮できれば星稜打線といえども簡単に得点をあげることができないだろう。ロースコアの展開となれば、星稜といえども神宮大会の決勝ように敗れてしまう可能性も十分にある。

②明豊×横浜
投打に戦力の充実している2チームの対戦。明豊は九州大会準Vであったが、若杉・狭間・大畑と投手のレベルが高く、攻撃陣も九州大会4試合で全て2桁安打を記録するなど実力でいえば九州No1。対する横浜も昨秋は春日部共栄にコールド負けを喫したものの、153㌔左腕のエース及川を擁し、スラッガー内海を筆頭に走攻守揃った小泉、ミート力の高い渡会ら強力な新2年生も加わった打線も強力。横浜が有利であるが、脆さはいなめず、明豊打線なら及川を攻略する可能性も十分にある。

③津田学園×龍谷大平安
津田学園はMax148㌔右腕の前を擁し、打線も2年前に甲子園を経験した藤井・前川を中心に強力で東海大会では大垣日大・中京大中京からコールド勝ちをおさめている。近畿王者の龍谷大平安は、野澤・豊田の2枚看板が試合を作り、近畿大会のように勝負強さを発揮できるかがキーとなる。龍谷大平安が有利とみるが、東海大会ではケガで本調子でなかった前の実力は計り知れず、平安打線を封じてしまえば十分に勝機はある。

④広陵×八戸学院光星
ともにセンバツで優勝・準Vの経験のある、中国王者×東北王者の試合。広陵は河野・石原・森という強力な3本柱を擁していて、この重要な初戦に誰が先発するのか注目。光星学院は先発の後藤が試合を作り、あとは武岡を中心とした自慢の打線がどれだけ広陵の投手陣を攻略できるかがキーとなる。

~ベスト8予想~
・春日部共栄
・星稜
・横浜
・龍谷大平安
・筑陽学園
・東邦
・明石商
・智弁和歌山


~優勝予想~
優勝予想は智弁和歌山です。
正直戦力的には星稜、横浜を推したいところだったが、星稜は初戦が履正社とあって、ここで敗れる可能性も捨てきれない。そして順当に進めば準決勝では横浜との潰し合いとなる。一方反対のブロックは履正社・星稜・横浜と当たらずに決勝まで進めるので有利。広陵・八戸学院光星・東邦が2回戦までで潰し合うのに対して、1番左の智弁和歌山は初戦が21世紀枠など比較的くじ運には恵まれたといえる。順当にいけば準々決勝で明石商(秋の近畿大会ではコールド負けしている)がキーとなるが、比較的決勝まで進みやすいことから智弁和歌山を優勝予想とした。

以上です。
あと1週間…センバツ開幕が楽しみな限りです。


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【センバツ出場校紹介③】 智弁和歌山

センバツ出場校の3回目は智弁和歌山です。

秋の成績
長年チームを率いてきた高嶋監督が勇退して、元阪神・巨人・楽天などでプレーしてで97年の甲子園優勝時の主将でもある中谷監督がコーチから就任。昨年センバツ準Vを経験した池田陽・東妻・黒川・西川・根来らを擁していたものの、新人戦では南部に敗れた。しかし秋の本大会では南部にリベンジをして、さらに桐蔭・市立和歌山といった強豪を破って優勝。近畿大会では初戦で大阪偕星から逆転勝ちを納めると、準々決勝では公式戦で5連敗中であった大阪桐蔭にリベンジを果たして、センバツ出場が確定。準決勝では投手陣を温存したこともあり、明石商にコールド負けを喫したが、近畿の雄としてセンバツに挑むことになる。

秋の基本オーダー
  守備 選手名 学年
1 CF 細川 2
2 SS 西川 3
3 2B 黒川 3
4 C 東妻 3
5 LF 根来 3
6 1B 佐藤 3
7 RF 久保 3
8 P 池田泰 2
9 3B 綾原 2



投手陣
池田リレーが基本となる。背番号1を背負う池田陽は、140㌔のストレートに大きく曲がるスライダー・フォークを操る右腕。昨年のセンバツでは決勝で先発すると、大阪桐蔭相手に6回2失点の好投をみせるなど経験は十分だ。1年生左腕の池田泰は右バッタのインコースにクロス気味に入るストレートとスライダーを武器に試合を作れる投手である。和歌山大会の準々決勝以降はこの池田泰が先発して、池田陽に繋ぐというパターンで勝ち上がった。近畿大会の1回戦では先発の池田泰が早々に捕まって3回で降板するも、池田陽がゲームを立て直して逆転勝ち。続く大阪桐蔭戦では池田泰が8回2失点の好投で、最終回は池田陽という形で宿敵にリベンジを果たした。他にも回転のいいストレートを投げる2年生の小林樹、昨年のセンバツ決勝でも登板したレフトの根来の両右腕も控えている。ただ逆に言えばエースといえる存在は不在であり、基本的には継投での起用となりそうだ。

20181028智弁和歌山 池田陽
背番号1を背負う経験豊富な右腕の池田陽


野手陣
東妻・黒川・西川・根来の前チームでセンバツ準Vを経験した4人がこのチームの中心となる。打順では2~5番にこの4人が並んで、特に3番の黒川は個人的には現世代ではNo1打者だと思っている。182㎝82㎏の体をうねらせたフォームから繰り出すスイングはパワフルそのもので、そこから広角に打ち分ける技術ももっていて、昨年のセンバツでは延長戦で決勝打を2本放った勝負強さも兼ねそろえている。この黒川との勝負を避けても、4番を打つ東妻は秋はチームトップの3ホーマー16打点を叩き出すまでに成長し、5番根来は秋の公式戦打率.576とヒットを量産している。さらに近畿大会ではラッキーボーイ的な存在だったのが9番の綾原で、大阪偕星戦では逆転3ランを含む6打点、大阪桐蔭戦でもタイムリーを放つなどチーム2位の14打点をあげた。センターラインが残っているのは強みで、キャッチャーの東妻(兄はロッテD2位の東妻純平)は、入学直後に遠投120㍍の強肩を買われて捕手に転向すると、中谷コーチの英才教育も受けて、現世代トップクラスの捕手に成長。黒川・西川の二遊間はセンバツでは逆手になる可能性もあり、センターの1年生細川は守備範囲が広い。

20181027智弁和歌山 黒川
この世代No1打者との呼び声も高い智弁和歌山の黒川

20181027智弁和歌山 東妻
4番も打つ強肩捕手の東妻


伝統の強打の智弁和歌山は今年も健在で、攻撃力はセンバツ出場校のなかでもトップクラス。あとは投手陣がどれだけ継投でしのいで、抑えられるかが焦点になってくるだろう。協力団体に継投の投手陣ということで、チームカラーとしては昨年のセンバツ準Vのチームにかなり近いものがある。


センバツ制覇へのキーマン
細川凌平 智弁和歌山
~強力な先輩たちの前にチャンスメイク~

上述のように智弁和歌山の2~5番は昨年からの経験者であり、この秋も十分に実力を発揮した。そうなると、その前でどれだけチャンスを作れるかというのが智弁和歌山にとっては大きなファクターとなってきて、1番を打つ2年生の細川の出塁はより重要になってくる。

細川は中学時代にはボーイズ日本代表にも選ばれるなどした逸材で、智弁和歌山でも1年春から1番センターを務めるデビューを飾った。しかし夏は先輩たちの前に力及ばず控えに甘んじ、秋の新チームからは再び1番センターの座を手に入れた。50㍍5.8秒の俊足で守備範囲も広く、打ってはセーフティも決める一方、広角に強い打球を飛ばすこともできる。近畿大会では初戦の大阪偕星戦で3安打3打点の活躍、大阪桐蔭戦・明石商戦でもヒットを放った。秋は打率.488、チームトップの5盗塁を決めるなどリードオフマンとしての仕事は十分に成し遂げた。センバツでも同様の仕事ができれば、智弁和歌山の打線は安泰といったところであろう。

20181027智弁和歌山 細川
強力クリーンアップの前に1番細川がどれだけチャンスを作れるかがキーとなる



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仙台大×日体大【オープン戦】

3/11 オープン戦
仙台大×日体大@日体大健志台グランド

試合経過

20190310仙台大×日体大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

絶賛関東遠征中の仙台大を、日体大が迎える形となったオープン戦。両チームにはプロ注目の投手を擁するとあって、バックネット裏には多くのスカウト陣の姿も見られました。

日体大:北山、仙台大:小林快と今年のドラフト候補を両チームともに先発マウンドに送るも、立ち上がりは不安定で、初回はともにピンチを招くも無失点で切り抜けたが、2回に試合が動くこととなる。仙台大は1死から7番佐野がライト線に2ベースを放ち出塁。2死となるも9番の1年生都丸は、つまりながらも二遊間を抜くタイムリーを放ち仙台大が先制する。しかし日体大はその裏、エドポロと高垣のヒットに牽制悪送球も絡んで1死1・3塁のチャンスを作ると、9番高山が1・2塁間を抜く同点タイムリー。続く1番の主将上西もレフトへ犠牲フライを放ち日体大が逆転に成功する。
2019312仙台大 都丸
先制タイムリーを放った仙台大の1年生都丸

逆転された仙台大は3回表、1死から3番今津がヒットで出塁。続く4番上原の球足の速い打球は左中間をいっきに抜けて、今津が生還して同点。さらにここから5番伊加が左中間、6番村井がライトオーバーと、上原から3連続2ベースが飛び出して。仙台大が4-2と逆転に成功する。仙台大のクリーンアップは左バッターが3人(今津・上原・伊加)が並ぶが、3人ともスイングに力があり打球が早く、この試合では全員がマルチ安打以上をマークして打線を牽引していた。
2019312仙台大 上原
タイムリー2ベースを含む3安打を放った仙台大の4番上原

これで日体大の北山は3回で4失点。自慢のストレートはこの日Max146㌔という話だが、「そんなくらいしか出ていないの?」というくらい威力があり、初回などは仙台大の各バッターが完全に振り遅れていた。ただ松本・東妻が抜けて、先発としても期待されるとなると、初回のペースでは突っ走れないようで、2回以降はやや迫力がなくなると仙台大打線に捉えられてしまった。またバッテリーを組んだ馬場のリードもイマイチだったようで、3回終了後という早い段階で懲罰交代的にキャッチャーが小口に代わった。小口はストライク先行で攻めていくリードで4回を完璧に抑えるが、5回には満塁のピンチを招くなど波に乗り切れずに5回4失点でマウンドを降りた。
2019312日体大 北山
5回4失点となってしまった日体大の先発北山

一方の小林快も残念ながらいいと言える内容ではなかった。右手を大きく掲げた大胆なフォームから繰り出すストレートはノビがあり、スライダーとのコンビネーションが基本。このスライダーに関しては、日体大の打者が1巡目は低めのボールにハーフスイングする場面も多く見れれるほど鋭いものだった。だがいかんせんボールにバラツキがあって制球が安定しない。カウントがなかなか整わないので、低めのボールのスライダーも見逃されてしまい、徐々に真ん中付近に集まった球を捉えられるようになってしまう。結局小林快は4回を投げて得点を許したのは2回の2点だけであったが、毎回得点圏にランナーを背負い、勝負所での併殺やライナーなどに助けられての4回2失点。ただ球自体は本当に素晴らしいものがあるので、バラツキさえなくなってくれば十分にドラフトで指名される逸材であろう。
2019312仙台大 小林快
球は素晴らしいもののバラツキの大きさが課題であった仙台大の先発小林快

小林快がマウンドを降りた後、仙台大は4回を稲毛田、5回を宇田川、7回からは大関とドラフト候補カルテッドを惜しみ気なく投入。一方の日体大も6回から登板した鳥谷部が6~8回を3人ずつパーフェクトで抑える好投。試合は4-2と仙台大がリードしたまま終盤を迎える。

試合が動いたのは8回裏、日体大は先頭の猪原がヒットで出塁すると、途中出場の1年生大塚がセカンドの横を強烈な打球で破り1死1・2塁。ここで3回のチャンスでは痛恨の併殺となってしまった7番高垣がその汚名返上とばかりに同点タイムリー。1年時から4番も経験するなどしていた高垣は新チームでは下位を打っているが、3年生ながら副主将を務め、ポジションも背番号を6つけてショートにコンバート。この試合も数少ないフル出場メンバーであり、チームの中心としての期待の高さがうかがえた。
2019312日体大 高垣
3年生ながら副主将を務めるなど期待の高さがうかがえる日体大の高垣

なおも1死1・3塁という場面で打席に立った小口は5-4-3の併殺かと思われたが、セカンドからの送球がやや浮いた分、1塁はセーフとなり併殺崩れの間に日体大が同点。この試合は馬場の懲罰交代で、4回からマスクを被った小口だがそれ以降日体大は無失点であり、この同点打をみても、この試合では小口は完全にラッキーボーイ的存在であった。
2019312日体大 小口
この試合のラッキーボーイ的存在であった日体大のキャッチャー小口

追いつかれてしまった仙台大は9回表の最後の攻撃、先頭の代打柿澤が四球で出塁して、鳥谷部から初のランナーを出す。続く川村の打球はショート内野安打となり、今津の四球で1死満塁と勝ち越しのチャンスを迎える。しかもバッターはこの試合3安打の4番上原という絶好のチャンスであったが、鳥谷部の気迫が勝って上原は三振。続く代打大野の打球もライナー性のいい打球であったが、ライト矢澤の正面をついてしまった。8回は2点を失った大関であったが、9回は日体大打線を3人で抑えて、試合は4-4の引き分けでゲームセットとなった。
20190311仙台大×日体大スコア


総括
仙台大の注目はやはりドラフト候補カルテッドの4投手であるが、何とこの試合ではその4人全員がマウンドにあがった(スカウトが集結していたので顔見せ的な意味合いもあったのかな?)。先発した小林快については上述の通り、球には非常にいいものがあるが、バラツキがありすぎていた。2番手で登板した稲毛田は、前日に先発していたこともあり1イニングのみであったが、ストレートにスライダー・フォークを駆使して2奪三振のパーフェクト。日体大の打者が各球種に全然タイミングが合っておらず、投球術もあり現段階では稲毛田がエースといえるであろう。ちなみに一部で稲毛田が153㌔をマークしたという話があるが、それ以外のストレートはほぼ140㌔前半であったので、残念ながらこれは誤計測である可能性が高い。続いて登板した宇田川は、脱力感のあるフォームから、そのフォームに似合わないほど威力のあるストレートを投じていて、Max148㌔をマーク。高垣・小口・高山から3者連続三振を奪ってマウンドを後にするという最高の内容であった。最後に登板した大関も力のあるストレートがクロス気味に入ってきていた。8回に2点は失ったものの、7・9回は日体大打線をパーフェクトに抑えた。

2019312仙台大 稲毛田 2019312仙台大 宇田川
4回・5回をそれぞれパーフェクトに抑えた仙台大の稲毛田(左)と宇田川(右)

日体大はこの好投手陣に対して、6回から3人の1年生(セカンド小儀、レフト大塚、ライト矢澤)を投入した。中でも活躍をみせたのか昨夏に日大三の4番として甲子園で4強入りを果たした大塚。8回に1死1塁で回ってきた打席ではセカンド横を強烈な打球で抜いてチャンスを広げた。この1打のおかげで8回に同点に追いつけたといえるほど価値のあるバッティングだった。Max148㌔左腕でありながら、身体能力の高さにも定評のある矢澤は大学では二刀流への挑戦を古城監督も名言。1年生主体の山梨学院(高校)とのオープン戦ではマウンドにもあがった左腕は、今日は試合前のシートノックから1人異次元の送球を見せていて、この試合ではライトで出場を果たした。バットでは9回裏にあわやサヨナラホームランかという特大のレフトフライを放つなど、今日は野手としてインパクトを残した。小儀も含んて、今後リーグ戦の開幕時にこの1年生がどんな位置にいるのかは非常に楽しみである。
2019312日体大 大塚
8回の同点に繋がる貴重なヒットを放った日体大の大塚


Pickup Player
鳥谷部慎吾 日体大2年 投手
~日体大に待望の左腕現る~
この試合で最もいい投球を見せたのは、ドラフト候補の北山でも仙台大のカルテッドでもなく、日体大の2番手として登板した鳥谷部であった。

鳥谷部は弘前東に入ってから本格的に投手を始めた選手であるが、2年夏にはすでに140㌔をマークするまでに成長。2年秋からエースとなると、準々決勝では東奥義塾から10奪三振1失点完投勝利。続く準決勝では八戸学院光星に敗れるも、連投となった3位決定戦では弘前工相手に粘りのピッチングで完投勝利を納め、東北大会出場を果たした。3年夏は弘前聖愛相手に9回2失点完投を果たすも、惜しくも敗れた。日体大では1年目はリーグ戦では登板はなかったが、下級生主体の試合では経験を積んでいた。

この試合では6回に2番手としてマウンドに上がった。鳥谷部の特徴はややトルネード気味に捻ってからほぼ真上から投げ下ろす(左腕としては珍しい)Max143㌔のストレートであり、これに食らえて縦のスライダーとカーブを投じていた。投げるテンポも非常によく、6~8回はわずか30球でパーフェクトに抑えてみせた。しかし9回に四球を与えて初めてのランナーを出すとやや乱れ、まともなヒットは打たれていないのに満塁のピンチを招いてしまう。ただここで今日3安打の4番上原に対してはしっかりと切り換えて、ファール・ファールで追い込むと最後はアウトコースに落ちるスライダーで三振に仕留めてみせた。この上原に対する投球は間違いなく、この日のベストピッチであった。結局このピンチを凌いだ鳥谷部は4回無失点リリーフとなった。

松本・東妻の2人がプロ入りして抜けても、吉田・北山・森といった昨年からリーグ戦のマウンドにたっている投手は健在で、今年も層の厚い日体大投手陣。しかしことのほか左腕となると話は別で、リーグ戦で経験のある投手の名前が挙げられない。鳥谷部のこの日の好投はそんな日体大の左不足な投手事情から見ても、非常に大きいことであっただろう。

2019312日体大 鳥谷部
6回から最後まで4イニング無失点リリーフをみせた日体大の鳥谷部


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【センバツ出場校紹介②】 横浜

センバツ出場校の2回目は、東の優勝校筆頭といわれる横浜です。

秋の成績
激戦区の神奈川では準々決勝ではライバル東海大相模を撃破。最大の山場となった慶応戦では最終回まで1点のリードを許す展開も小泉の逆転サヨナラ2ランで勝利すると、決勝では関東大会を制した桐蔭学園相手に12-2と快勝してみせた。優勝候補筆頭として迎えた関東大会では初戦は順調に甲府工を破るも、続く春日部共栄戦では2-9とまさかまさかのコールド負け。この時点でセンバツは絶望かと思われたが、東京大会のレベルの問題やエース及川の力を評価されたこともあり、関東大会の準々決勝でコールド負けしたチームでは初となるセンバツ出場を果たした。

秋の主なオーダー
  守備 選手名 学年
1 CF 小泉 3
2 5B 庄子 2
3 2B 度会 2
4 1B 内海 3
5 LF 冨田 2
6 SS 津田 2
7 RF 大手 2
8 P 及川 3
9 C 山口 3


投手陣
左腕としては今大会No1との呼び声の高い及川は、何といってもMax153㌔のストレートが注目であるが、130㌔中盤で鋭く曲がるスライダーも武器で、秋は41回1/3で59奪三振を奪った。これに加えて秋に解禁したチェンジアップもなかなかの代物であり、神奈川では三浦学苑・横浜創学館・東海大相模・慶応といった強豪をいずれも2点以内に抑えた。その反面関東大会では春日部共栄に打ち込まれるなど、脆さもあるのが難点だ。これに次ぐのが、来年はドラフト候補となるだろう2年生投手2人だ。185㎝右腕の木下はMax144㌔のストレートに多彩な変化球が持ち味で、秋は神奈川決勝の桐蔭学園戦で好投を見せるなど主にリリーフとして活躍した。187㎝左腕の松本はコントロールに課題はあるものの、Max147㌔のストレートが決まれば、なかなか打たれることのないだろう。これに加えて復活を目指す、188㎝の黒須もいる。

20180916横浜 及川
世代No1左腕との呼び声高いMax153㌔のエース及川


野手陣
野手の中心は前チームからレギュラーとして活躍する内海・小泉の2人。内海は鋭いスイングで飛距離のある左のスラッガーで、夏の甲子園では12打数5安打1ホーマーの活躍をみせて、新チームでは4番主将を務める攻撃の柱。走攻守揃ったセンターの小泉は、神奈川大会で最大の山場となった慶応戦では9回に逆転サヨナラ2ランを放ちチームを救った。キャッチャーの山口は捕手出身の平田監督の信頼が厚く、ワンバンも多い及川のスライダーをしっかりと止めている。これに新2年生が続く形でレギュラーに定着した。夏には代打で大活躍した度会は、その巧みなバットコントロールで3番セカンドの定位置を獲得。1月に右足首を骨折したということでセンバツに間に合うかが横浜にとって大きなポイントになることだろう。もともと定評のある守備に加えて秋は打撃も好調だったショート津田、俊足でなんでもこなせる2番サード庄子と内野はファースト内海以外は全て2年生だ。センター小泉の両脇も冨田・大手という強打の2年生が務める。冨田は秋は5番を務め、ライナー性の打球はフェンス直撃打を連発して、打率.419をマーク。大手はプルヒッターの強打者で、強肩を生かしたライト守備も魅力だ。新2年生は冬場を超えればさらにパワーアップしていることも予想され、吉原・明沢といったパンチ力のある3年生も代打として控える打線は、全国随一といえる。

20180923横浜 内海
主将もつとめる4番の内海

20180916横浜 小泉
走攻守揃ったセンターの小泉


もっているポテンシャルでいえばセンバツ出場校の中でもNo1といえるレベル。ただ戦いぶりに安定感がないため総合力では星稜に劣ると判断させてもらった、優勝候補としては星稜に次ぐNo2とさせてもらった。是非とも批判覚悟で選んだ関東の高野連の期待に応える活躍をして欲しい。


センバツ制覇へのキーマン
黒須大誠 3年投手
~崩壊を止められる男の復活に期待~

横浜に付きまとう不安はやはり突如起きる投手陣の崩壊の不安だ。ここのところ圧倒的な実力を持ちながら、17年秋の鎌倉学園、18年春の木更津総合、そして18年秋の春日部共栄戦といずれも投手陣が崩れてコールド負けを喫している。そしてその渦中にいたのが及川であり、咋秋は及川の後をうけた木下も崩壊を止めることができずに、まだ不安定さの残る2年生も崩壊を止めるのは難しいかもしれない。そうなったときにそのストッパーとして期待されるのが3年生右腕の黒須である。

黒須は及川とともにU15日本代表を経験し、横浜では長い腕をいかしてサイドスローに転向すると、及川と同じく1年春からベンチ入り。2年春にはその前の秋にコールド負けを喫した鎌倉学園を完封し、夏の甲子園では花咲徳栄の猛追の中、平田監督はエース板川を代えてまで黒須にマウンドを託し、最後まで逃げ切った。しかし新チームで副主将にも就任した黒須の姿は主にコーチャーボックスにあり、咋秋の登板は神奈川大会の決勝戦のみであった。

なかなかフォームが固まらなかったこともあり、本来の黒須のポテンシャルに似合うだけの成長点に達していないのは事実だ。それでも平田監督からの信頼も厚いこの右腕が復活すれば、横浜の投手陣の崩壊というリスクは大いに軽減されることだろう。

20180428横浜 黒須
復活が期待される188㎝右腕の黒須



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【センバツ出場紹介①】 星稜

今年も3/23開幕のセンバツに向けて出場校の紹介を行っていきたいと思います。
まず第1回目は優勝候補筆頭とされている星稜です。

秋の成績
咋夏は甲子園に出場して始動が遅れたところに、エース奥川はU18日本代表に招集。でも甲子園の済美戦では一時は6点をリードするも追いつかれ、最後はタイブレークで逆転サヨナラ満塁弾を被弾という悔しい試合を経験したメンバーの多くが残り、石川大会では金沢・遊学館というライバルにコールド勝ち、しかも失点を喫したのは金沢戦のみという圧倒的な試合運びで優勝。北信越大会でも奥川が関根学園・松本第一・東海大諏訪と3試合連続完封で決勝にコマを進めると、決勝では再試合の末に啓新を破って優勝。明治神宮大会でも強豪の広陵をコールドで破り、高松商も破って決勝に進出するも、決勝では札幌大谷との投手戦に敗れて準優勝に終わった。

秋の主なオーダー
  守備 選手名 学年
1 2B 山本 3
2 CF 東海林 3
3 3B 知田 2
4 SS 内山 2
5 P 奥川 3
6 1B 福本 3
7 LF 岡田 3
8 RF 有松 3
9 C 山瀬 3



投手陣
エース奥川は昨夏には2年生で唯一U18日本代表にも選ばれていて、世代最強との呼び声も高くドラフト候補筆頭。Max150㌔のストレートにスライダー・カーブ・チェンジアップもそれぞれ完成度が高い。これに明治神宮大会から130㌔台のフォークも加わり、ほぼ無敵状態。秋の公式戦は計60イニングを投げて、82奪三振、失点は5(自責点は4)という圧倒的な内容であった。ただ2番手以降の投手も非常に能力が高い。昨夏にサヨナラ満塁弾を浴びてしまった、左腕の寺沢はその経験を糧に北信越大会では3試合に先発していずれも無失点。ともにU15日本代表にも選ばれた荻原と寺西も来年にはドラフト候補に入ってきそうな右腕だ。寺西は夏の甲子園では143㌔をマークした186㎝右腕。荻原は小柄だが全身を使ったフォームからインコースにストレートを投げ込むピッチングが売りで神宮大会での決勝では先発を務めた。

20181110星稜 奥川2
世代最強の投手との呼び声高いエース奥川


野手陣
前チームからエース奥川の他にも、キャッチャー山瀬・セカンド山本・ショート内山・センター東海林が残っていて、センターラインの守備力も全国随一で、石川大会ではチーム通して無失策であった。打線は前チームの南保・竹谷のようにホームランを量産するバッターはいないものの、1年春から3番を務めた内山が4番に座ると勝負強いバッティングを披露し、チームトップの2ホーマーを放つなど長打力もついてきた。5番の奥川は打撃でもチームの中心で、秋は打率4割超えで打点18はチームトップ。6番福本も長打力があり、こちらも打点12をマークする活躍であった。前チームから1・2番を打つ東海林は50㍍5.9秒の俊足が武器で、神宮大会の高松商ではホームランを放つなど長打力もついてきた。2年生の知田もミート力が高く巧みなバッティングを見せていて、3番の地位を確保。山本を加えて1~3番でチャンスを作り、4~6番で返すというのが攻撃パターンとなって大量得点を狙う。星稜で4番エースだった寺西健を兄に持つ寺西は打力もあるので、野手としての起用も検討したいところだ。

20181111星稜 東海林
50㍍5.9秒の俊足を武器に1・2番を務める東海林

20181110星稜 内山
秋は4番を務めた2年生ショートの内山


エース奥川に加えて層も厚い投手力はセンバツ出場チームでもNo1といえ、攻撃・守備も経験者が多く充実している。秋の成績などを考慮しても、優勝候補筆頭といえるチームであろう。


センバツ制覇へのキーマン
山瀬慎之介 3年キャッチャー
~復活は星稜にとって最大の戦力アップ~

秋は充実していた星稜の中にあって、打率.200で最終的には打順を9番まで落としてしまった山瀬には物足りなさを感じた。中学時代には宇ノ気中で全国制覇を経験した、遠投120㍍を誇る強肩捕手で林監督からも歴代No1と評されていて、星稜高校でも1年秋から正捕手。2年春のセンバツでは打率.600をマークするなど打撃面でも大活躍をみせてベスト8入りに貢献。

新チームでは主将も務めた山瀬であるが、右手首のケガに苦しむ。上述のように打撃は不調に陥り、石川大会の準決勝では内山がマスクを被った。内山は本職こそショートであるが、中学時代にはU15日本代表の正捕手という実力者。センバツでも山瀬の状態が治らなければ、後釜はいるという状態で、主将と言えども安心はできない。ただ山瀬が本来の力を発揮できれば、全国屈指の捕手としてその地位も安泰である。小4からずっとバッテリーを組んでいる奥川の力を最大級に引き出せるのは山瀬であり、打撃でも中軸を打てる実力者である。山瀬の復活こそが攻守の両面で、星稜にとっては秋からの大きな上澄みとなることであろう。

20181110星稜 山瀬



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