橘×桐光学園【春季神奈川大会2回戦】
4/7 春季神奈川大会2回戦
橘×桐光学園 @横浜薬科大スタジアム
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
土曜から始まった春季神奈川大会の2日目。前日に柏木学園を破って2回戦にコマを進めた強豪の桐光学園に、この試合が初戦となる橘が挑んだ。
桐光学園の先発はこの春は背番号10を背負う谷村。しかし先頭の太田に詰まりながらもセンター前に運ばれると、3番齋藤にも四球を与えてしまい、いきなりピンチを背負う。だが4番近藤に対してはカーブを有効に使って追い込むと、最後はボール球のフォークを振らせて三振、5番堤もサードゴロに打ち取ってピンチを凌ぐ。すると2回以降は本領を発発揮して持ち前のストライク先行のテンポのいいピッチングで、橘打線を2~6回パーフェクトをに抑える。この日はカーブを有効に使えていて、これでカウントを稼いで最後はフォークで仕留めるというパターンが目立った。もともとはストレートとスライダーが多めの投手だったので、今日のピッチングでまた幅が広がったという印象を受けた。

2~6回はパーフェクトピッチを見せるなど見事な投球を披露した桐光学園の先発谷村
対する橘のエース堤も、谷村に引けを取らないピッチング。ストレートは威力・ノビともに十分で、これと打者の手元で鋭く曲がるスライダーが中心の投球でコントロールもいい。また桐光打線の打球はことごとく前に落ちるわけでもなく外野フライとなり、7回までアウトの半分に近い10個が外野フライという状態。ヒットは2本のみで、堤は6回まで桐光学園に2塁すら踏ませないという素晴らしいピッチングを見せた。

6回まで桐光打線に2塁すら踏ませない好投をみせた橘のエース堤
この両投手の素晴らしいピッチングで試合は6回終わって0-0。スコアや試合内容でいえば互角であったが、この0-0は橘にとってはある意味狙い通り、桐光学園にとっては予想外のスコアで、そうなると試合の流れは自然と橘に傾く。
7回表、橘は先頭の齋藤がライト前ヒットで出塁すると、4番近藤は送りバントに失敗し1死1塁。ここで5番堤は追い込まれてからの変化球にうまく合わせると打球は3塁線を抜けて、レフトファールゾーンを転々とし、齋藤が1塁から一気にホームイン。好投を続けるエース堤が自らのバットで貴重な先制点をたたき出す。橘打線がここから左が続くこともあり。桐光学園はここで谷村からこの春背番号1を背負う2年生左腕の安達にスイッチ。安達は中川をいきなり2球で追い込むも3球目でキャッチャーがインターフェアをしてしまい、出塁という何ともったいない展開。やはり先制されたことにより焦りが出たのか、橘8番田邊の右中間への打球はセンター鈴木のグラフのわずか先を抜けて2点タイムリー3ベースとなり、橘がこの回一挙3点をリードすることとなる。

貴重な追加点となる2点タイムリー3ベースを放った橘の主将田邊
桐光はその裏にすかさず反撃に転じるべく、4番安達がチーム3本目のヒットで出塁するも、後続が連続レフトフライで続かず…優勝候補に2回戦敗退という文字もちらつき始めた。
しかし8回裏になると足を気にする動作も見られた堤は球威も落ちてきて、先頭の楠本にこの試合初となる四球を与えてしまう。桐光は代打石井を送ると、石井は3塁線にヒットを放ち無死1・2塁。ここで迎えるのは途中出場の9番唐橋なのでバントも考えられる場面であったが、強攻策に出ると唐橋がセンター前ヒットで応えて無死満塁。1番田村もライトの前にしぶとく落として、桐光が待望の初得点をあげる。そして迎えるは打順こそ2番であるが、4番経験もある強打者の鈴木。鈴木はカウント2B2Sからの高めのストレートを捉えると、打球は右中間スタンドに飛び込む逆転満塁ホームラン。桐光学園が一挙5点をいれて逆転に成功すると、ここまで好投を続けてきた堤は疲れや足の異変もあったのか、ここでマウンドを降りてレフトに回ることとなった。

逆転満塁ホームランを放った桐光学園の2番鈴木
登板回こそあたふたしたものの、桐光の2番手の安達は8回以降は安定したピッチング。8・9回はともに三振を2個ずつ取る好投で橘打線に反撃を許さず、桐光学園が5-3で逆転勝利を収めた。
総括
敗れてしまった橘であったが、神奈川の超がつくほどの強豪に対して、8回までリードをして、「あわや…」という展開を作りだした戦いぶりは見事であった。その立役者はもちろんエース堤であり、8回に足の異常がなく、本調子のまま最後まで投げれていたら桐光学園を完封していてもおかしくなかった。結果的に敗れてはしまったが、それでも堤は本格派右腕として神奈川中には名前をとどろかせることはできただろう。

敗れはしたものの橘のエース堤の名は神奈川に知れ渡ったことだろう
現世代の桐光学園は1年夏からダブルエースを形成した冨田・谷村の2枚看板を擁し、野手陣にも秋春と関東大会に出場した前チームのレギュラーが多くて、大いに期待されている世代であり、個人的には横浜に次ぐ神奈川の優勝候補という評価であった。だが咋秋は慶応にまさかまさかのコールド負けを喫して、早々に姿を消してしまっていた。すると野呂監督はこの春チームに大きなコテ入れを行った。主将で前チームから正捕手でもあった高橋から有賀に正捕手を代え、背番号1を与えたのは冨田でも谷村でもなく2年生の安達、前チームでは1・2番を打っていた楠本を下位打線に下げ、前チームでも背番号4を背負っていた唐橋はベンチスタートとなった。まさかの2回戦敗退という空気も漂ってくる中、この試合では土壇場で逆転勝利を収めたが、やはり褒められる試合内容ではなく、前チームからの実力者を1度リセットした新チーム作りはまだまだ発展途上と言えるのかもしれない。
そんな新チームの中心であったのが、この春背番号1を背負い、打っても4番を務めた2年生の安達である。1年春から4番も務めた打撃もさることながら、この日は投手としての能力の高さが印象的であった。壁を作って決して体の開くことのないフォームからキレのあるストレートを繰り出す左腕は、ちょうど小島(早稲田大→ロッテ)を彷彿とさせる投手で、この試合では打者10人から5個の三振を奪った。安達に1番を与えたのは、冨田・谷村に刺激を与えるためかと考えていたが、1点とられただけの谷村からすぐに安達にスイッチしたあたりは野呂監督の評価も高く、そのピッチングの内容も冨田・谷村と十分に勝負できるものであった。ただですら強力な冨田・谷村という2本柱に、安達が加わって3本柱になったことは他のチームからしてみれば本当に贅沢は話であろう。

投手としての能力の高さもみせつけた桐光学園の安達
Pickup Player
鈴木智也 桐光学園3年 外野手
~2回戦敗退の危機を救う一振り~
桐光学園を2回戦敗退の危機から救ったのが、2番鈴木の逆転満塁ホームランであった。
鈴木は桐光学園では1年秋から台頭し、2年春から4番を務めることもあった強打者。179㎝80㎏というバランスのとれた体格から、軸のしっかりとしたスイングをしていて、パンチ力がある一方、ぶれないのでミート力も高い。2年夏には全試合4番を務め、20打数7安打8打点という活躍ぶりで北神奈川準Vに貢献。2年秋も引き続き4番を務めると、慶応戦では2点タイムリーを含む2安打を放つなど活躍していた。
この春は初戦の柏木学園戦では3番に座ってホームランも放った鈴木は、翌日のこの試合では2番センターでスタメン出場を果たした。2番と言ってもおそらくバントなど期待されてはおらず、どちらかというとメジャー流の2番最強説に近い形だと思われる。
ただこの日の3打席目までの鈴木は、センターフライ2個に、レフトフライと外野フライ3個。決して打撃内容が悪いわけではないが、全ての打球は外野手の守備範囲。7回までで外野手フライ10個という桐光打線を象徴するような打撃内容であった。ただ8回裏に反撃が始まり、四球+3連打で無死満塁という桐光学園がイケイケの展開で回ってきた第4打席。カウント2B2Sからの高めのストレートをとらえると、打球はそのまま広いハマヤクの右中間のフェンスを越えてスタンドに消えていった。この試合の苦戦ぶりからの解放からか、鈴木がうれしさを爆発させてダイヤモンドを1周した時には、もう試合は決まったと感じた。
鈴木はこれまではレフト・ライトが多かったが、この春から背番号8を背負ってセンターを務める。7回表には田邊の右中間に飛び込むもあとわずか届かずに2点タイムリー3ベースとなってしまうという悔しいシーンもあったが、ノックを見ている限りでは肩といい、センターには十分な守備力も兼ね備えていると感じた。打線では桐光学園のNo1打者であると思うし、攻守に渡ってチームの中心として桐光学園を引っ張っていく存在が鈴木であろう。

桐光学園を2回戦敗退の危機から救う逆転満塁弾を放った鈴木
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橘×桐光学園 @横浜薬科大スタジアム
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
土曜から始まった春季神奈川大会の2日目。前日に柏木学園を破って2回戦にコマを進めた強豪の桐光学園に、この試合が初戦となる橘が挑んだ。
桐光学園の先発はこの春は背番号10を背負う谷村。しかし先頭の太田に詰まりながらもセンター前に運ばれると、3番齋藤にも四球を与えてしまい、いきなりピンチを背負う。だが4番近藤に対してはカーブを有効に使って追い込むと、最後はボール球のフォークを振らせて三振、5番堤もサードゴロに打ち取ってピンチを凌ぐ。すると2回以降は本領を発発揮して持ち前のストライク先行のテンポのいいピッチングで、橘打線を2~6回パーフェクトをに抑える。この日はカーブを有効に使えていて、これでカウントを稼いで最後はフォークで仕留めるというパターンが目立った。もともとはストレートとスライダーが多めの投手だったので、今日のピッチングでまた幅が広がったという印象を受けた。

2~6回はパーフェクトピッチを見せるなど見事な投球を披露した桐光学園の先発谷村
対する橘のエース堤も、谷村に引けを取らないピッチング。ストレートは威力・ノビともに十分で、これと打者の手元で鋭く曲がるスライダーが中心の投球でコントロールもいい。また桐光打線の打球はことごとく前に落ちるわけでもなく外野フライとなり、7回までアウトの半分に近い10個が外野フライという状態。ヒットは2本のみで、堤は6回まで桐光学園に2塁すら踏ませないという素晴らしいピッチングを見せた。

6回まで桐光打線に2塁すら踏ませない好投をみせた橘のエース堤
この両投手の素晴らしいピッチングで試合は6回終わって0-0。スコアや試合内容でいえば互角であったが、この0-0は橘にとってはある意味狙い通り、桐光学園にとっては予想外のスコアで、そうなると試合の流れは自然と橘に傾く。
7回表、橘は先頭の齋藤がライト前ヒットで出塁すると、4番近藤は送りバントに失敗し1死1塁。ここで5番堤は追い込まれてからの変化球にうまく合わせると打球は3塁線を抜けて、レフトファールゾーンを転々とし、齋藤が1塁から一気にホームイン。好投を続けるエース堤が自らのバットで貴重な先制点をたたき出す。橘打線がここから左が続くこともあり。桐光学園はここで谷村からこの春背番号1を背負う2年生左腕の安達にスイッチ。安達は中川をいきなり2球で追い込むも3球目でキャッチャーがインターフェアをしてしまい、出塁という何ともったいない展開。やはり先制されたことにより焦りが出たのか、橘8番田邊の右中間への打球はセンター鈴木のグラフのわずか先を抜けて2点タイムリー3ベースとなり、橘がこの回一挙3点をリードすることとなる。

貴重な追加点となる2点タイムリー3ベースを放った橘の主将田邊
桐光はその裏にすかさず反撃に転じるべく、4番安達がチーム3本目のヒットで出塁するも、後続が連続レフトフライで続かず…優勝候補に2回戦敗退という文字もちらつき始めた。
しかし8回裏になると足を気にする動作も見られた堤は球威も落ちてきて、先頭の楠本にこの試合初となる四球を与えてしまう。桐光は代打石井を送ると、石井は3塁線にヒットを放ち無死1・2塁。ここで迎えるのは途中出場の9番唐橋なのでバントも考えられる場面であったが、強攻策に出ると唐橋がセンター前ヒットで応えて無死満塁。1番田村もライトの前にしぶとく落として、桐光が待望の初得点をあげる。そして迎えるは打順こそ2番であるが、4番経験もある強打者の鈴木。鈴木はカウント2B2Sからの高めのストレートを捉えると、打球は右中間スタンドに飛び込む逆転満塁ホームラン。桐光学園が一挙5点をいれて逆転に成功すると、ここまで好投を続けてきた堤は疲れや足の異変もあったのか、ここでマウンドを降りてレフトに回ることとなった。

逆転満塁ホームランを放った桐光学園の2番鈴木
登板回こそあたふたしたものの、桐光の2番手の安達は8回以降は安定したピッチング。8・9回はともに三振を2個ずつ取る好投で橘打線に反撃を許さず、桐光学園が5-3で逆転勝利を収めた。
総括
敗れてしまった橘であったが、神奈川の超がつくほどの強豪に対して、8回までリードをして、「あわや…」という展開を作りだした戦いぶりは見事であった。その立役者はもちろんエース堤であり、8回に足の異常がなく、本調子のまま最後まで投げれていたら桐光学園を完封していてもおかしくなかった。結果的に敗れてはしまったが、それでも堤は本格派右腕として神奈川中には名前をとどろかせることはできただろう。

敗れはしたものの橘のエース堤の名は神奈川に知れ渡ったことだろう
現世代の桐光学園は1年夏からダブルエースを形成した冨田・谷村の2枚看板を擁し、野手陣にも秋春と関東大会に出場した前チームのレギュラーが多くて、大いに期待されている世代であり、個人的には横浜に次ぐ神奈川の優勝候補という評価であった。だが咋秋は慶応にまさかまさかのコールド負けを喫して、早々に姿を消してしまっていた。すると野呂監督はこの春チームに大きなコテ入れを行った。主将で前チームから正捕手でもあった高橋から有賀に正捕手を代え、背番号1を与えたのは冨田でも谷村でもなく2年生の安達、前チームでは1・2番を打っていた楠本を下位打線に下げ、前チームでも背番号4を背負っていた唐橋はベンチスタートとなった。まさかの2回戦敗退という空気も漂ってくる中、この試合では土壇場で逆転勝利を収めたが、やはり褒められる試合内容ではなく、前チームからの実力者を1度リセットした新チーム作りはまだまだ発展途上と言えるのかもしれない。
そんな新チームの中心であったのが、この春背番号1を背負い、打っても4番を務めた2年生の安達である。1年春から4番も務めた打撃もさることながら、この日は投手としての能力の高さが印象的であった。壁を作って決して体の開くことのないフォームからキレのあるストレートを繰り出す左腕は、ちょうど小島(早稲田大→ロッテ)を彷彿とさせる投手で、この試合では打者10人から5個の三振を奪った。安達に1番を与えたのは、冨田・谷村に刺激を与えるためかと考えていたが、1点とられただけの谷村からすぐに安達にスイッチしたあたりは野呂監督の評価も高く、そのピッチングの内容も冨田・谷村と十分に勝負できるものであった。ただですら強力な冨田・谷村という2本柱に、安達が加わって3本柱になったことは他のチームからしてみれば本当に贅沢は話であろう。

投手としての能力の高さもみせつけた桐光学園の安達
Pickup Player
鈴木智也 桐光学園3年 外野手
~2回戦敗退の危機を救う一振り~
桐光学園を2回戦敗退の危機から救ったのが、2番鈴木の逆転満塁ホームランであった。
鈴木は桐光学園では1年秋から台頭し、2年春から4番を務めることもあった強打者。179㎝80㎏というバランスのとれた体格から、軸のしっかりとしたスイングをしていて、パンチ力がある一方、ぶれないのでミート力も高い。2年夏には全試合4番を務め、20打数7安打8打点という活躍ぶりで北神奈川準Vに貢献。2年秋も引き続き4番を務めると、慶応戦では2点タイムリーを含む2安打を放つなど活躍していた。
この春は初戦の柏木学園戦では3番に座ってホームランも放った鈴木は、翌日のこの試合では2番センターでスタメン出場を果たした。2番と言ってもおそらくバントなど期待されてはおらず、どちらかというとメジャー流の2番最強説に近い形だと思われる。
ただこの日の3打席目までの鈴木は、センターフライ2個に、レフトフライと外野フライ3個。決して打撃内容が悪いわけではないが、全ての打球は外野手の守備範囲。7回までで外野手フライ10個という桐光打線を象徴するような打撃内容であった。ただ8回裏に反撃が始まり、四球+3連打で無死満塁という桐光学園がイケイケの展開で回ってきた第4打席。カウント2B2Sからの高めのストレートをとらえると、打球はそのまま広いハマヤクの右中間のフェンスを越えてスタンドに消えていった。この試合の苦戦ぶりからの解放からか、鈴木がうれしさを爆発させてダイヤモンドを1周した時には、もう試合は決まったと感じた。
鈴木はこれまではレフト・ライトが多かったが、この春から背番号8を背負ってセンターを務める。7回表には田邊の右中間に飛び込むもあとわずか届かずに2点タイムリー3ベースとなってしまうという悔しいシーンもあったが、ノックを見ている限りでは肩といい、センターには十分な守備力も兼ね備えていると感じた。打線では桐光学園のNo1打者であると思うし、攻守に渡ってチームの中心として桐光学園を引っ張っていく存在が鈴木であろう。

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