日大三×東海大菅生【春季東京大会】
4/21 春季東京大会準々決勝
日大三×東海大菅生 @神宮第二球場
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください。
春の東京ベスト4最後の枠をかけた戦いは、日大三×東海大菅生という西東京の強豪どうしの対決。夏のことを考えて…との見方もあったが、日大三はダブルエースの1人でU18日本代表候補の廣澤、東海大菅生はエースの中村晃が先発。現在の東京の実力トップ2(個人的な見解ですが)ともあって、神宮第二球場は超満員となった。
菅生は1回裏、立ち上がり制球が安定しない廣澤から1番小山が四球を選ぶと、続く石田のバントはサード前の絶妙なところに転がり1塁もセーフ。廣澤はやっとエンジンがかかったか、3番成瀬はストレートとスライダーで翻弄してライトフライに打ち取るも、4番杉崎にはファールで粘られると高めに浮いた球をレフトスタンドに運ばれてしまい、菅生が3点を先制する。
追撃したい日大三は2回表、先頭の4番宇津木がソロホームラン。さらに5番塚越のセンターフェンス直撃の2ベースと2四球で満塁とすると、ワイルドピッチの間に塚越が生還して、日大三が2-3と1点差に迫る。
初回に杉崎に1発を浴びたあとは、西垣・大里を連続三振に仕留めたので復調したかに思えた廣澤であったが、2回裏になるとまた逆戻り。初回と同じように先頭の今江に四球を出すと、続く中村洸のバントを内野安打にしてしまい、さらにはピッチャーである中村晃にも四球を与えて満塁。1番小山には甘く入った球をあわやホームランというセンターフェンス直撃のタイムリーを浴びて(各ランナーがタッチアップ体勢であったためにシングルヒット)、続く2番石田にストレートの四球を与えて押し出しとしたところで、廣澤はマウンドを降りることとなる。

満塁からフェンス直撃のタイムリーを放った東海大菅生1番の小山
ただ代わった2年生左腕の児玉も菅生打線を止めることができず、3番成瀬にタイムリーを浴びると、4番杉崎には2打席連続のホームランとなる満塁弾を浴びてしまい、日大三はこの回だけで7失点、2回までで9失点を喫することとなってしまった。
これで杉崎は2回で早くも7打点。菅生の4番がこれだけ活躍すると、日大三の4番宇津木も黙っているわけにはいかない。3回表の第2打席では、こちらも2打席連続ホームランとなる2ランをレフトスタンドに叩きこみ、打撃戦となればまだまだ分からないという雰囲気を醸し出す。

杉崎に負け時とこちらも2打席連続ホームランを放った日大三の4番宇津木
ただそんな空気に水をさしてしまったのが日大三の守備。4回裏に今江の平凡なライトフライを、ライト塚越が太陽が被ったようで落球し、今江は一気に3塁へ。続く中村洸のセカンドゴロで今江は生還して、菅生が追加点をあげた。このプレーの後に初めてライト塚越はサングラスを受け取るという準備不足。こういうミスは単なる1点以上に流れを悪くしてしまうものだ。
日大三の2番手の児玉は登板した2回こそ、打ち込まれたものの、3回以降はキレのあるストレートとスライダーのコンビネーションで菅生打線を抑えていった。上記の4回の失点も児玉の責任は皆無であり、好投を続けて打線の反撃を待っていた。

3回以降はナイスピッチングを展開した日大三の2年生左腕児玉
ただ日大三打線は、東京選抜でもエースを務めた中村晃から毎回ヒットを放つも、4回以降の得点は1点のみでなかなか差を詰めることができない。すると6回裏、菅生は5番西垣が児玉の変化球をうまく救い上げレフトスタンドに飛び込むソロホームラン。これで7点差がつき、7回表に得点をあげられなかった日大三そのままコールド負け。東海大菅生が12-5(7回コールド)で日大三を破り、ベスト4進出を決めた。

トドメとなるホームランを放った東海大菅生の5番西垣
秋は決勝では国士舘に敗れたものの、二松学舎大付や早実を破るなど圧倒的な実力を誇っていた東海大菅生。ただ春にはなんだかんだ言って、日大三が実力を発揮してきて菅生を破るのでは…という見方を個人的にはしていた。だがフタを開けてみれば、7回コールドで菅生が圧勝。この春も八王子を破り、東東京ではNo1ともいえる二松学舎大付もコールドで破った上に、日大三からもコールド勝ち。個々の力、チームとしての力が東海大菅生は現在の東京の中でずば抜けているというのを実感させられた。
そんな菅生にとって夏に向けての唯一の課題は中村晃に次ぐ投手陣であろう。春は強豪校は2番目の投手を育てる場とすることも多いが、菅生は上記の八王子も二松学舎大付も日大三も全てエース中村が先発してほぼ1人で投げ切っている。この試合では7回2死から2年生右腕の藤井が登板。藤井は小柄であるが、ストレートは140㌔を超えるものをもっていて、スライダーも鋭く縦に曲がる本格派である。球自体はいいものがあるので、あとは経験を積ませて、夏は中村晃を支える存在、さらには来年のエースとして躍進して欲しい投手だ。来週は準決勝・決勝が連戦となるために、この藤井が先発することもあるだろう。

中村晃を助けるべく今後活躍が期待される東海大菅生の2年生右腕藤井
日大三打線は菅生の好左腕中村晃から7回までに9安打5得点と決して悪くはなかった。むしろ現世代の東京で中村晃から、これだけヒットを放ち、得点をあげたチームがあるのかという話だ。今日の敗因は自滅したといっても過言でない投手陣であろう。Max149㌔を誇りU18日本代表候補でもある先発の191㎝右腕の廣澤は、角度がついたボールが低めに決まると、これは打てないという感じであったが、この日はいかんせんコントロールが悪すぎて、四球でランナーをためては、甘く入った球を打たれてしまった。日大三としてはもう1人のU18日本代表候補であり、背番号1を背負う井上を菅生に見せなかったのは、夏に向けて好材料ではあるが…それ以外の投手陣が今日のような内容では目も当てられない。

日大三は廣澤がまさかの2回途中KOとなってしまったことが大きな誤算であった
投球数の問題などがあり、投手分業制が進むこのご時世。日大三も井上・廣澤のダブルエースの他にも、146㌔を誇る186㎝右腕の平野、児玉・柳舘と左右の2年生投手とコマは揃っている。ただそんな投手陣の実力の割に、大会では失点を重ねてしまっているのが現実だ。奇しくも相手の東海大菅生はほぼ中村晃が1人というチーム。別に投手分業制を否定するつもりはないが、しっかりと経験を積ませて投手陣の柱をちゃんと作ることも必要では?と思わせる試合であった。

この試合もほぼ1人で投げ抜いた東海大菅生のエース中村晃
Pickup Player
杉崎成 東海大菅生2年 ファースト
~王者相手に2回までに7打点を叩き出したスラッガー~
この試合を決めたのは2回までに7打点を叩き出した東海大菅生4番杉崎のバットであった。
杉崎は愛知西シニアから東海大菅生に入学すると、1年夏より5番ファーストを務めた。さらに4番片山(現:青山学院大)が負傷した準々決勝の八王子戦からは4番を務め、前の試合に続く2試合連続ホームランをマーク。惜しくも準決勝で日大三に敗れたが。大会通じて18打数7安打9打点という好成績を納めた。1年秋の新チームからは、本格的に4番打者となり、秋季東京大会ではホームランこそなかったものの、高打率をマークしてチームを東京準Vに導いた。この春も引き続き4番に座る杉崎であったが、大会序盤は不調に苦しむ。ただ前の二松学舎大付戦では復調を予感させるホームランを放ち、この試合に臨んだ。
1死1・2塁で迎えた第1打席ではカウント3B2Sからファールで3球粘って迎えた9球目のやや浮いたストレートを引っ張ると打球は、神宮第二球場の外のネットの中段まで届く特大の3ラン。高かったとはいえ、ややアウトコース気味の球であったのでそれを思いっきり引っ張れるのは杉崎の持ち味である。続く第2打席は無死満塁で回ってきて、今度は児玉の変化球をうまく救い上げると打球はバックスクリーンの後方に飛び込む満塁ホームラン。そうなると2・3塁で迎えた第3打席はもちろんのことキャッチャーが立って敬遠させてしまい、第4打席はショートフライに打ち取られてしまった。それでも3打数2安打7打点という驚異的な成績であり、日大三からのコールド勝ちの最大の立役者となった。
杉崎は力を抜きたオープンスタンスの構えであり、一見すると打ちそうな気配もない。ただボールが来るとそこからしっかりと踏み込んで、思いっきり体を回転させるために1打席目のホームランのようにアウトコースの球もしっかりと引っ張ることもできる。このしっかりとしたスイングに加えて、バットのヘッドの使い方もうまいので、175㎝77㎏というスラッガーとしてはそれほど大きない体でも十分なほどに飛距離を出すことができ、またバットコントロールもいい。
この試合の2本で高校通算ホームランを27発とした杉崎。まだ入学から1年のみでのこの数値であり、今後どこまで数字を伸ばしていけるのかも注目である。

2本のホームランで7打点を叩き出した東海大菅生の4番杉崎
ランキングに参加しています
よろしければクリックをお願いします↓

にほんブログ村
日大三×東海大菅生 @神宮第二球場
試合経過

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください。
春の東京ベスト4最後の枠をかけた戦いは、日大三×東海大菅生という西東京の強豪どうしの対決。夏のことを考えて…との見方もあったが、日大三はダブルエースの1人でU18日本代表候補の廣澤、東海大菅生はエースの中村晃が先発。現在の東京の実力トップ2(個人的な見解ですが)ともあって、神宮第二球場は超満員となった。
菅生は1回裏、立ち上がり制球が安定しない廣澤から1番小山が四球を選ぶと、続く石田のバントはサード前の絶妙なところに転がり1塁もセーフ。廣澤はやっとエンジンがかかったか、3番成瀬はストレートとスライダーで翻弄してライトフライに打ち取るも、4番杉崎にはファールで粘られると高めに浮いた球をレフトスタンドに運ばれてしまい、菅生が3点を先制する。
追撃したい日大三は2回表、先頭の4番宇津木がソロホームラン。さらに5番塚越のセンターフェンス直撃の2ベースと2四球で満塁とすると、ワイルドピッチの間に塚越が生還して、日大三が2-3と1点差に迫る。
初回に杉崎に1発を浴びたあとは、西垣・大里を連続三振に仕留めたので復調したかに思えた廣澤であったが、2回裏になるとまた逆戻り。初回と同じように先頭の今江に四球を出すと、続く中村洸のバントを内野安打にしてしまい、さらにはピッチャーである中村晃にも四球を与えて満塁。1番小山には甘く入った球をあわやホームランというセンターフェンス直撃のタイムリーを浴びて(各ランナーがタッチアップ体勢であったためにシングルヒット)、続く2番石田にストレートの四球を与えて押し出しとしたところで、廣澤はマウンドを降りることとなる。

満塁からフェンス直撃のタイムリーを放った東海大菅生1番の小山
ただ代わった2年生左腕の児玉も菅生打線を止めることができず、3番成瀬にタイムリーを浴びると、4番杉崎には2打席連続のホームランとなる満塁弾を浴びてしまい、日大三はこの回だけで7失点、2回までで9失点を喫することとなってしまった。
これで杉崎は2回で早くも7打点。菅生の4番がこれだけ活躍すると、日大三の4番宇津木も黙っているわけにはいかない。3回表の第2打席では、こちらも2打席連続ホームランとなる2ランをレフトスタンドに叩きこみ、打撃戦となればまだまだ分からないという雰囲気を醸し出す。

杉崎に負け時とこちらも2打席連続ホームランを放った日大三の4番宇津木
ただそんな空気に水をさしてしまったのが日大三の守備。4回裏に今江の平凡なライトフライを、ライト塚越が太陽が被ったようで落球し、今江は一気に3塁へ。続く中村洸のセカンドゴロで今江は生還して、菅生が追加点をあげた。このプレーの後に初めてライト塚越はサングラスを受け取るという準備不足。こういうミスは単なる1点以上に流れを悪くしてしまうものだ。
日大三の2番手の児玉は登板した2回こそ、打ち込まれたものの、3回以降はキレのあるストレートとスライダーのコンビネーションで菅生打線を抑えていった。上記の4回の失点も児玉の責任は皆無であり、好投を続けて打線の反撃を待っていた。

3回以降はナイスピッチングを展開した日大三の2年生左腕児玉
ただ日大三打線は、東京選抜でもエースを務めた中村晃から毎回ヒットを放つも、4回以降の得点は1点のみでなかなか差を詰めることができない。すると6回裏、菅生は5番西垣が児玉の変化球をうまく救い上げレフトスタンドに飛び込むソロホームラン。これで7点差がつき、7回表に得点をあげられなかった日大三そのままコールド負け。東海大菅生が12-5(7回コールド)で日大三を破り、ベスト4進出を決めた。

トドメとなるホームランを放った東海大菅生の5番西垣
秋は決勝では国士舘に敗れたものの、二松学舎大付や早実を破るなど圧倒的な実力を誇っていた東海大菅生。ただ春にはなんだかんだ言って、日大三が実力を発揮してきて菅生を破るのでは…という見方を個人的にはしていた。だがフタを開けてみれば、7回コールドで菅生が圧勝。この春も八王子を破り、東東京ではNo1ともいえる二松学舎大付もコールドで破った上に、日大三からもコールド勝ち。個々の力、チームとしての力が東海大菅生は現在の東京の中でずば抜けているというのを実感させられた。
そんな菅生にとって夏に向けての唯一の課題は中村晃に次ぐ投手陣であろう。春は強豪校は2番目の投手を育てる場とすることも多いが、菅生は上記の八王子も二松学舎大付も日大三も全てエース中村が先発してほぼ1人で投げ切っている。この試合では7回2死から2年生右腕の藤井が登板。藤井は小柄であるが、ストレートは140㌔を超えるものをもっていて、スライダーも鋭く縦に曲がる本格派である。球自体はいいものがあるので、あとは経験を積ませて、夏は中村晃を支える存在、さらには来年のエースとして躍進して欲しい投手だ。来週は準決勝・決勝が連戦となるために、この藤井が先発することもあるだろう。

中村晃を助けるべく今後活躍が期待される東海大菅生の2年生右腕藤井
日大三打線は菅生の好左腕中村晃から7回までに9安打5得点と決して悪くはなかった。むしろ現世代の東京で中村晃から、これだけヒットを放ち、得点をあげたチームがあるのかという話だ。今日の敗因は自滅したといっても過言でない投手陣であろう。Max149㌔を誇りU18日本代表候補でもある先発の191㎝右腕の廣澤は、角度がついたボールが低めに決まると、これは打てないという感じであったが、この日はいかんせんコントロールが悪すぎて、四球でランナーをためては、甘く入った球を打たれてしまった。日大三としてはもう1人のU18日本代表候補であり、背番号1を背負う井上を菅生に見せなかったのは、夏に向けて好材料ではあるが…それ以外の投手陣が今日のような内容では目も当てられない。

日大三は廣澤がまさかの2回途中KOとなってしまったことが大きな誤算であった
投球数の問題などがあり、投手分業制が進むこのご時世。日大三も井上・廣澤のダブルエースの他にも、146㌔を誇る186㎝右腕の平野、児玉・柳舘と左右の2年生投手とコマは揃っている。ただそんな投手陣の実力の割に、大会では失点を重ねてしまっているのが現実だ。奇しくも相手の東海大菅生はほぼ中村晃が1人というチーム。別に投手分業制を否定するつもりはないが、しっかりと経験を積ませて投手陣の柱をちゃんと作ることも必要では?と思わせる試合であった。

この試合もほぼ1人で投げ抜いた東海大菅生のエース中村晃
Pickup Player
杉崎成 東海大菅生2年 ファースト
~王者相手に2回までに7打点を叩き出したスラッガー~
この試合を決めたのは2回までに7打点を叩き出した東海大菅生4番杉崎のバットであった。
杉崎は愛知西シニアから東海大菅生に入学すると、1年夏より5番ファーストを務めた。さらに4番片山(現:青山学院大)が負傷した準々決勝の八王子戦からは4番を務め、前の試合に続く2試合連続ホームランをマーク。惜しくも準決勝で日大三に敗れたが。大会通じて18打数7安打9打点という好成績を納めた。1年秋の新チームからは、本格的に4番打者となり、秋季東京大会ではホームランこそなかったものの、高打率をマークしてチームを東京準Vに導いた。この春も引き続き4番に座る杉崎であったが、大会序盤は不調に苦しむ。ただ前の二松学舎大付戦では復調を予感させるホームランを放ち、この試合に臨んだ。
1死1・2塁で迎えた第1打席ではカウント3B2Sからファールで3球粘って迎えた9球目のやや浮いたストレートを引っ張ると打球は、神宮第二球場の外のネットの中段まで届く特大の3ラン。高かったとはいえ、ややアウトコース気味の球であったのでそれを思いっきり引っ張れるのは杉崎の持ち味である。続く第2打席は無死満塁で回ってきて、今度は児玉の変化球をうまく救い上げると打球はバックスクリーンの後方に飛び込む満塁ホームラン。そうなると2・3塁で迎えた第3打席はもちろんのことキャッチャーが立って敬遠させてしまい、第4打席はショートフライに打ち取られてしまった。それでも3打数2安打7打点という驚異的な成績であり、日大三からのコールド勝ちの最大の立役者となった。
杉崎は力を抜きたオープンスタンスの構えであり、一見すると打ちそうな気配もない。ただボールが来るとそこからしっかりと踏み込んで、思いっきり体を回転させるために1打席目のホームランのようにアウトコースの球もしっかりと引っ張ることもできる。このしっかりとしたスイングに加えて、バットのヘッドの使い方もうまいので、175㎝77㎏というスラッガーとしてはそれほど大きない体でも十分なほどに飛距離を出すことができ、またバットコントロールもいい。
この試合の2本で高校通算ホームランを27発とした杉崎。まだ入学から1年のみでのこの数値であり、今後どこまで数字を伸ばしていけるのかも注目である。

2本のホームランで7打点を叩き出した東海大菅生の4番杉崎
ランキングに参加しています
よろしければクリックをお願いします↓



にほんブログ村
スポンサーサイト