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東芝×JX-NENOS【都市対抗西東京予選】(2019)

5/29 都市対抗西関東予選 代表決定リーグ戦
東芝×JX-NENOS@横浜スタジアム

試合経過

20190529東芝×JX-ENEOS
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

都市対抗の出場をかけた三つ巴の戦い(MHPS、東芝、JX-ENEOSの3チームから2チームが都市対抗出場)も最終章。2勝で都市対抗出場を決めたMHPSに対し、ともに1敗で残った東芝とJX-ENEOSが最後の枠をかけて激突。この試合に勝ったチームが都市対抗出場、敗けたチームは予選敗退決定という大一番です。

東芝は岡野、ENEOSは大場と、2012年の夏の甲子園初戦の聖光学院×日大三の試合でも投げ合った両右腕の先発で始まった試合は、3回裏に真鍋が四球で出塁し2死2塁のチャンスを作ると、2番の渡邊がライト線に2ベース。3年連続で都市対抗出場を逃して、雪辱に燃えるENEOSが主将の1打で先制する。

ENEOSの先発の大場は、150㌔もマークしたストレートを中心に、これに140㌔前後のスライダーを交えて、140㌔を下回るボールがほぼないというパワーピッチング。昨年もこの代表決定リーグ戦で先発し敗れた相手であり、さらにはその後に補強選手として参加したチームである東芝相手を4回まで無失点に抑える。
20190529ENEOS 大場
ENEOSの先発の大場

ただ大場の不安点であったのが、ストレートが高めに浮くなど若干制球にバラツキがあったことであり、5回には先頭の紫原に四球を与えてしまう。代打望月にもヒットを浴びて1死1・2塁とされるも、2番小川をフライに打ち取ったかと思いきや…これをショート渡邊が深追いした挙句、最後はレフト村上が捕ることになるも村上が落球し、満塁とされてしまう。このミスを逃さなかった東芝は、3番金子が初球を捉えると右中間へ走者一掃のタイムリー2ベース。金子の一振りで東芝が3-1と一気に試合をひっくり返す。
20190622東芝 金子1
走者一掃の逆転タイムリー2ベースを放った金子

追いすがりたいENEOSはその裏、先頭の真鍋がライト前ヒットで出塁し、バントなどで2死3塁のチャンスを作る。3番岡部の死球で1・3塁となると、4番山崎はやや敬遠気味に歩かされて2死満塁。ここで迎えた5番の新人村上は、さきほどのエラーの汚名返上とばかりにレフト前にタイムリーを放ち、ENEOSが1点差に迫る。ただ続く川口は三振に打ち取られ、同点さらには逆転の大チャンスをENEOSは逸してしまう。
20190529ENEOS 村上
1点差に迫るタイムリーを放ったENEOSの村上

ENEOSは6回表にピンチを迎えたところで、大場から藤井に投手交代。前日のMHPS戦では先発を務めた新人左腕は、望月をセンターフライに打ち取りピンチを凌ぐと、続く7回も1死2・3塁のピンチを迎えるも、5番吉田を三振に仕留めるなどして無失点で凌ぐ。

しかし8回表には3四球で藤井は満塁のピンチを背負ってしまう。藤井は決してコントロールが悪いわけではなかったが、この大一番で慎重に行き過ぎたか、カウントを悪くしてしまい四球というパターンであった。藤井は東芝の2番小川にも四球を与えてしまい、押し出しとなったところで降板。ENEOSは3番手として江口をマウンドに送るも、東芝は3番金子がライトオーバーの2点タイムリー2ベース。さらには4番松本も連続タイムリーと続いて、この回一挙4得点をあげて、7-2とENEOSを突き放す。
20190622東芝 松本
トドメとなるタイムリーを放った東芝の4番松本

5点ものリードを奪うと、社会人でもNo1といえるほどの安定感をもつ岡野が投げていれば怖いものなし。岡野は結局最後まで投げ切って、2失点完投。東芝が7-2でENEOSを下して、西関東の第2代表として都市対抗出場決定。一方のENEOSは4連続で都市対抗出場を逃した。
20190529東芝
11年連続での都市対抗出場を決めた東芝ナイン



安定の戦いぶりで、これで11年連続の都市対抗出場を決めた東芝。その1番の要因はやはり、宮川と岡野の2本柱であろう。今年成長をとげた154㌔右腕の宮川がMHPS戦に先発し敗れてはしまったものの、これによりこの昨年は社会人日本代表のエースでもあった岡野がこの2戦目に残っていた。岡野は序盤は148㌔をマークしたストレートが多めであったが、中盤以降からはストレートは140㌔前後に抑えて、スライダー・カットボール・フォークなど持ち前の多彩な変化球と制球を重視した本来の岡野らしいピッチング。やはり東芝のエースは自分だと言わんばかりの見事な投球で、リリーフを仰ぐことなく2失点完投勝利をあげた。宮川も岡野も秋のドラフトでは指名される可能性が十分にあるために、この2枚看板の揃う今年の都市対抗は東芝にとって勝負の年となることだろう。
20190622東芝 岡野
見事9回2失点完投勝利をあげた東芝の岡野

一方のENEOSであるが、まるで呪いにかけられたかのように、西関東予選の代表決定リーグ7連敗、VS東芝は10連敗という不名誉な記録を更新してしまった。今年は2年連続で橋戸賞に輝くなど常勝期を支えた大城が勇退し1つの時代が終わり、代わりに元プロである青山(←巨人)・園部(←オリックス)が入団するなど変革の年であったが、フタを開けてみれば青山・園部は2人ともこの重要な1戦でスタメンに名を連ねることができなかった。代打で出場した青山はセンターフライに倒れ、岡野との聖光学院先輩後輩対決が期待された園部(岡野が3年でエースのとき、2年生の4番園部であった)に関しては出場すらなかった。
20190529ENEOS 青山
この試合では代打での出場のみとなった元巨人のENEOS青山

打線も打線であったが、敗退の1番の要因は2試合連続で逆転を許してしまったリリーフ陣であろう。この日2番手で登板した藤井は8回に3四球で満塁のピンチを背負ったにも関わらず、そのまま続投させると押し出しの四球。ここでやっと投手を交代するも、代わった江口でこの試合でも、東芝の流れを止めることができずに連続タイムリーを許してしまった。前日に先発した新人(藤井)や、前日に逆転ホームランを浴びた江口を登板させなければいけないあたちがENEOSの投手事情の苦しさを感じる。本来はリリーフエースであるはずの柏原・鈴木が本調子であり、この試合にも登板させることができれば試合展開は変わっていたかもしれない。ENEOSからはMHPSと東芝に3人ずつ、計6人の補強選手が選ばれることになるだろうが、1番補強した投手陣だと先発の大場と藤井のみで、本来1番欲しいリリーフ投手は選びづらい状況だ。
20190529ENEOS 藤井
前日の先発に続いて、この日はリリーフ登板を果たしたENEOSの藤井


Pickup Player
金子聖史 東芝 ファースト
~満塁で2本のタイムリー、計5打点の活躍~
今日の東芝は金子のバットで都市対抗への切符を手にしたといってもいいほど、5打点の金子の活躍は見事であった。

金子は飯塚高では1年秋から強打を武器に4番打者。当初はサードであったが、2年秋からはキャッチャーに転向すると、猿渡(大阪ガス)とのバッテリーで3年春には九州ベスト4。3年夏も全試合でマルチヒットを放ち、打率.600をマークするも、西日本短大付に敗れてベスト4止まり。高校時代に甲子園出場はならなかったが、高校通算24発のスラッガーとして注目されていたため、プロ志望届を提出するも指名漏れで九州共立大に進学する。九州共立大では1年秋に打率.424をマークして新人賞を受賞。以後九州共立大の中軸として活躍し、リーグ戦では通算100安打をマークし、首位打者2回・打点王1回・ベストナイン4度受賞と輝かしい成績を収めた。東芝では1年目の都市対抗で4番を務めていたが、その後はなかなか思うような成績を残せない時期もあり、ファーストとしては九州共立大の先輩の服部との併用も続いた。ただ服部から背番号3を受け継いだ今年は、3番に定着して成績をしっかりと残していた。

この試合でも3番ファーストでスタメン出場した金子は1・2打席と大場の力のあるストレートの前に内野ゴロに打ち取られる。しかし相手のエラーで1死満塁となって迎えた5回の第3打席では、初球のスライダーを捉えると右中間への大飛球を放ち、これが走者一掃の逆転タイムリー2ベースとなる。同じく満塁のチャンスで迎えた第5打席では、ENEOS江口の代わりっぱなをたたいてライトオーバーの2点タイムリー2ベース。いずれも逆方向にも大きな当たりを打てる金子らしいバッティングであった。結局この試合で金子は5打数2安打5打点と十分に中軸の仕事を果たし、チームを都市対抗出場に導いた。苦しい時期を経て、自分のバッティングを取り戻した東芝のスラッガーの打撃に都市対抗でも注目です。

20190622東芝 金子2
満塁で2本のタイムリーを放ち5打点をあげた東芝の3番金子



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東洋大×亜細亜大【東都大学野球連盟】

5/22 東都大学野球連盟1部 第5週1日目
東洋大×亜細亜大 @神宮球場

試合経過

20190522東洋大×亜細亜大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

東都も最終節に入り、首位東洋大は勝ち点をあげれば、勝ち点5となり完全優勝が決定する。対する亜細亜大は、前週で優勝の可能性こそなくなったものの、目の前でのライバルの胴上げは阻止したいところ。ちょうど1年前にも、優勝に東洋大が王手をかけて行われたこのカードでは、上茶谷(DeNA)と中村(ロッテ)の両エース3連投して激戦を繰り広げていて、今年も激しい戦いが予想された。

ただやはり勢いに乗っているのは東洋大のようで、初回いきなり先頭の1番松本がうまく三遊間を抜いて出塁し、小峰が送っていきなりチャンスを作る。ただここは亜大のエース内間が、好調の3番山田、5番山崎を打ち取ってピンチを脱する。東洋大は4回に先頭の佐藤都がセンター前にヒットを放つと、キャッチャーながら万能型で足も速い佐藤都は一気に2塁を狙うもタッチアウト。この後、山崎・小川の連打で再びチャンスを作ったことを踏まえると非常にもったいない攻撃であった。

東洋大のエース村上は好調そのもので、ストレートは自己最速を更新する149㌔をマークするなどして、亜大打線を圧倒。亜大は5回まで9奪三振パーフェクトと手も足も出ない状態となってしまう。
20190522東洋大 村上3
自己最速の149㌔をマークするなどしてパーフェクトピッチを展開した東洋大のエース村上

ただ東洋大打線がチャンスを逃し続けている間に、亜大の内間も尻上がりに調子をあげていく。内間はMax144㌔の力のあるストレートとスライダーを軸に、時よりカーブ、追い込んでからはチェンジアップ(?)も投げるというオーソドックスな投球。昨年と違ってコントロールが非常に安定してきて、6回以降は東洋大打線をヒット1本無四球に抑えて、村上に食らいつくべく、9回まで無失点で投げ切る。

東洋大としては非常に嫌な流れであったが、そんなことは今日の村上には関係ないようであった。村上は後半戦も勢いが衰えることなく、亜大打線を圧倒し、なんと8回まで完全試合を継続。9回2死から亜大の9番矢野に粘られてしまうと、四球を与えてしまい初のランナーを許すことになるが、9回を投げ投げおいても亜大打線は無安打無得点。味方が1点でもとってくれていれば、ノーヒットノーラン達成という快投であった。
20190522亜細亜大 矢野
9回2死からチーム初出塁をはたした亜大の矢野

試合は0-0のまま延長戦に入ると、10回裏…亜大は1死から2番山本卓がセンター前に弾き返し念願のチーム初ヒット。1死であったが3番虎谷が送って、この試合初めてのチャンスを作る。ここで代打の有田を送るも、延長11回でも149㌔をマークした村上の前に三振に倒れてしまい、初のチャンスをモノには出来なかった。
20190522亜細亜大 山本卓
延長10回に村上からチーム初となるヒットを放った亜大の山本卓

11回表、東洋大は1死から佐藤都が粘って四球で出塁すると、5番山崎がライト線に2ベースを放ち1死2・3塁。亜大は生田監督が6番小川を申告敬遠をして満塁としたところで、ここまで164球を投じて疲れの見えてきた内間に代えて、岡留をマウンドに送る。東洋大は津田→木村と右が続くために、右サイドの岡留という起用であったようだが、東洋大はこれに対応する形で、代打に左の飯塚を送る。岡留はサイドからの144㌔のストレートで2球で追い込むも、飯塚が4球目のストレートをセンター前に弾き返すと、亜大のセンター山本卓はわずかに届かず、東洋大が飯塚のタイムリーで均衡を破る。
20190522東洋大 飯塚
代打で出場し、均衡を破るタイムリーを放った東洋大の飯塚

岡留は続く木村を三振に仕留めるも、この日2安打と当たっていた9番諏訪はアウトコースの球をうまくレフト前に弾き返して東洋大が2点目。2塁ランナーの小川も一気にホームを狙うも、ここはこの回からレフトに入った中村将がホームで刺して、東洋大は2点止まり。
20190522東洋大 諏訪
貴重な2点目のタイムリーを含む3安打の活躍をみせた東洋大の諏訪

ただこの2点は今日の村上にとっては十分すぎる得点で、村上は11回裏を3人で仕留めてゲームセット。村上の11回1安打14奪三振完封で、東洋大が2-0で勝利し、優勝へのマジックを1としたのであった。



東洋大と亜細亜大の投手戦は、東都史上にも残る名勝負となったかもしれない。この激戦を制して、優勝へのマジック1(翌日に東洋大が勝つor国学院大が敗ければ優勝決定)としたことは東洋大にとっては非常に大きい。ただ試合内容からしてみれば、激戦にしてしまった東洋大、激戦に持ち込んだ亜細亜大という見方もできる。

東洋大は序盤から亜大の内間からヒットを打つことはできていた。ただ3回・5回はともに先頭の9番諏訪が出塁するも、1番松本は2度もバント失敗、さらには残った松本は牽制で刺されてしまい、その後に2番小峰が2ベースを放つ…。4回にも先頭の佐藤都がヒットで一気に2塁を狙うもタッチアウト…でその後に山崎・小川の連打。ヒットは出るものの、自分たちのミスでそのヒットを繋げることができなかった。そうこうしているうちに内間に調子を上げられてしまい、0-0のまま試合が進むことになってしまった。

今シーズン素晴らしい投球を見せている東洋大のエース村上であったが、この日のピッチングはまた格別であった。対する亜大打線はというと…好調なのは3番虎谷くらいで、他は4番打者も固定できないなど、もとより苦しい状態であった。パーフェクトのまま試合が進んでいったのは出来過ぎた部分もあったにせよ、村上から得点を奪えないのは必然的なところもあった。

よって東洋大にしてみれば0-0にしてしまった…亜大にしてみれば0-0に持ち込めた試合であった。亜大にとっては善戦ともいえる内容で、秋に向けてのエース内間のピッチングは大きな収穫であった。内間は今季開幕戦に先発するなど亜大のエースを務めてはいるが、そのポテンシャルは評価されつつも、それまでの実績があるわけでもなく、正直なところ他にエースがいなかったというのが亜大の実情だ。開幕戦では5回3失点で敗け投手になってしまうが、立正大を完封すると、敗れたものの国学院大も1失点完投。そんな力をつけてきた内間の完成形が今日の試合であり、10回まで東洋大無失点に抑え、東都No1投手となった村上との素晴らしい投手戦であった。この試合で内間が完全に亜大のエースとなったと個人的には感じた。近年優勝から遠ざかっている亜大だが、少し前の常勝期には東浜(ソフトバンク)、九里(広島)、山崎(DeNA)といった絶対的なエースがいた。まだ3年生である内間が、この先輩に近づくことができれば、亜大の優勝も見えてくることだろう。
20190522亜細亜大 内間2
この試合の投球で、内間は本格的に亜大のエースと呼べることだろう


Pickup Player
村上頌樹 東洋大3年 投手
~幻のノーヒットノーラン~

村上は淡路島から智弁学園に進学すると、1年夏から投手兼外野手としてベンチ入り。当時3年生に岡本(巨人)、2年生に廣岡(ヤクルト)らを擁するチームであったが、投手陣が岸(徳島インディコソックス)率いる明徳義塾に打ち込まれると、村上も1年生ながら甲子園で登板を果たしている。1年秋からはエースとなるも、1年秋は奈良大会の準決勝で天理に、2年夏も2回戦で同じく天理に敗れて甲子園出場はならず。ただ2年秋には近畿大会で8強に入ると、3年春のセンバツでは福井工大と滋賀学園から完封をあげるなど全5試合を完投して、合計で669球を投じて47回で3失点。決勝の高松商戦では延長11回に自らのバットでサヨナラ打も放ち、センバツを制した。3年春の近畿大会では、寺島(ヤクルト)・山口(JR東日本)の2枚看板を擁する履正社に敗れるも準V。連覇を期待された3年夏の甲子園では2回戦の鳴門戦で河野(JFE西日本)との投げ合いに敗れてしまった。

プロからも注目されたが、東洋大に進学すると、1年春から先発・リリーフに登板を果たして2勝をあげて新人賞を獲得。ただ上茶谷(DeNA)・甲斐野(ソフトバンク)・梅津(中日)の4年生3本柱の台頭した昨年は登板機会を減らしてしまい0勝。ただこの3人が卒業した今季はエースを務めると、この試合の前まで3完封を含む5勝(0敗)と圧倒的な成績を残してた。

ただこの日の村上はそんなこれまでの成績を凌ぐ素晴らしいピッチングを見せる。回転のいい140㌔中盤のストレートはコーナーにビシッと決まり、120㌔中盤のスライダー、チェンジアップにカーブと多彩な変化球を交えて亜大打線に的を絞らせない。、5回には自己最速を更新する149㌔をマークするな前半戦はストレートを中心のピッチングを展開するも、後半戦は130㌔台のカットボールを増やした投球で亜大打線を打ち取っていき、8回までパーフェクトを継続。9回2死から亜大の9番矢野に粘られて四球を与えてしまいパーフェクトは終了も、9回をノーヒット無失点に抑える。

ただ味方打線も0点であったため、村上のノーヒットノーランもお預け状態のまま試合は延長戦に突入する。10回には山本卓に初ヒットを浴びてしまいノーヒットノーランも終了してしまうが、迎えた初めてのピンチも代打有田に対して149㌔をマークするなどして三振に仕留め無失点。味方からやっと援護をもらえた11回裏も、これまで通りのピッチングで3人で締めて11回1安打14奪三振の完封であった。

翌日に優勝を果たした東洋大において、村上は6勝0敗、防御率0.77と圧巻の成績で、MVP・最優秀投手賞・最多勝・最多奪三振などタイトルを総なめ。昨年の0勝から首脳陣の期待通りに東洋大のエースとしての役割を十分なほどに果たし、もはや大学球界を代表するエースにまで成長した。この後の全日本大学野球選手権では、高校時代に続く日本一に期待したいところだ。

20190522東洋大 村上1
見事11回1安打14奪三振完封勝利をあげた東洋大の村上


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木更津総合×東海大相模【春季関東大会】

5/18 春季関東大会1回戦
木更津総合×東海大相模@県営大宮球場

試合経過

20190518木更津総合×東海大相模
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


関東大会の開会式直後の1戦は、木更津総合×東海大相模という関東を代表する強豪校どうしの対戦は、両チームの本格派右腕どうしの投手戦となった。

東海大相模の先発は意外なことに背番号6の遠藤。遠藤は2年春には145㌔をマークした本格派右腕んであり、練習試合などでの登板はあったものの、秋・春の神奈川大会では登板はなかったのでちょっとしたサプライズであった。ただ遠藤は初回に、U18日本代表候補にも選ばれた3番太田から三振を奪うなど初回を3人で片づける見事な立ち上がりをみせる。
20190518東海大相模 遠藤1
東海大相模の先発に抜擢された遠藤

木更津総合の先発は背番号10の2年生右腕の篠木。ノビのあるストレートと鋭いスライダーを武器に、こちらも初回は2個の三振を含む3者凡退と完璧なスタート。さらに2回裏には、2年春の時点で高校通算33発を誇るスラッガー西川を3球三振に仕留める。しかしここで2死となってから、金城・茂谷に連打を浴びて1・3塁とされると、相模は茂谷が2盗→2塁送球の間に、3塁ランナーの金城が好走塁でホームインという重盗を成功させて先制する。
20190518東海大相模 金城
好走塁で先制点をもぎ取った東海大相模の金城

3回まで遠藤の前にノーヒットに抑えられていた木総打線は4回表、この回先頭の小池がチーム初ヒットなるレフト線への2ベースで出塁。3番太田は2打席連続の三振に倒れてしまうも、4番岩井が強烈な打球でセカンドの横を抜くセンター前ヒットを放ち同点に追いつく。その後は遠藤、篠木の両右腕が互いに譲らず…試合は1-1の同点のまま終盤を迎えることとなる。
20190518木更津総合 岩井
同点タイムリーを放った木更津総合の4番岩井

8回表、木総は2死から9番篠木が自らのバットで左中間に2ベースを放ちチャンスメイク。相模はピンチで1番齋藤を迎えたところで、背番号1の紫藤をマウンドに送ると、サイド右腕の紫藤に対して、木総は代打に左バッターの主将深野を送るも、紫藤が深野をレフトファールフライに打ち取って相模がこのピンチを凌ぐ。

8回裏、相模は先頭の加藤がセンター前ヒットで出塁し、萩原が送ってこちらチャンスを作り、1番鵜沼を迎える。すると木総も同じように篠木から、背番号1のエース根本を送る。ただエース根本はこの春不調であった、根本はボールを低めには集める投球を展開するも、そこには昨夏に甲子園で149㌔をマークした姿はなく…低めの変化球がワンバンとなってランナーを3塁に進められると、鵜沼のたたきつけた打球は三遊間を抜ける勝ち越しのタイムリー。さらに鵜沼が2盗を決めると、3番遠藤がセンター前へ、4番山村をセンターの頭上を超える3ベースと3・4番が連続タイムリーを放ち3点を勝ち越し。木総の根本をKOする。
20190518木更津総合 根本
2番手としてマウンドにあがったエース根本であるが3本のタイムリーを浴びてしまった

後がなくなった木総だが9回表、先頭の小池がこの猛打賞となる3本目のヒットで出塁すると、コントロールのいい紫藤にしては珍しく太田に四球で無死1・2塁。4番岩井にはこの日2本目となるタイムリーが飛び出して、木総は同点のランナーを出すなど一転してペースを掴む。だがここで紫藤が冷静になったか、5番下川を三遊間のショートゴロに打ち取ると、相模のショート茂谷→セカンド加藤と素晴らしい処理でこれをゲッツーに仕留めると、木総の流れも一気に止められてジーエンド。最後は紫藤が戸島を三振に仕留め、東海大相模が5-4と粘る木更津総合を振り切って勝利した。



この試合、両チームともに8回のピンチで背番号1のエースをマウンドに送ったが、この明暗がそのまま勝敗に繋がったといえる。東海大相模の紫藤は背番号1ではあるものの、もともと先発するようなケースは少ない。ただ投球の安定感は相模投手陣の中でも群を抜いていて(だから最終回に追い詰められたのは意外であった)、「困ったときには紫藤」という頼れるリリーフエースである。つまり東海大相模にとって紫藤への継投は予定通りであった。
20190518東海大相模 紫藤
東海大相模の背番号1を背負う頼れるリリーフエース紫藤

それに対して木更津総合の根本は本来は、先発のマウンドに上がるべき存在のエースである。ただこの春根本は不調で、現在の状態でいえば2年生の篠木の方が力は上であるとの判断のもと、五島監督は篠木を先発のマウンドに送ったのだと思う。そして根本はというと、最初は外野のキャッチボールの相手などを務めていた。普通のチームであれば、リリーフ登板する予定の投手が外野のキャッチボール相手というのは考えにくく、逆に登板する予定がない場合はやることがないので、キャッチボール相手を務めるといったケースが多いであろう。篠木は素晴らしいピッチングであったが、球数が100球を超えた終盤となると五島監督も不安となっただろうか…鵜沼に打席の途中という中途半端なタイミングで根本をマウンドに送った。調子が悪いことは把握していて、その上で根本の経験にかけてみたのだろうが。根本は打者4人にヒット3本を浴びて降板とこの継投は大失敗であった。

ただ最終的には降板してしまったものの、8回途中までの篠木のピッチングは木更津総合にとっては大きな収穫であった。篠木は浮き上がるようなストレートと打者の手元で鋭く曲がるスライダーを中心に、カーブ・チェンジアップなどをテンポよく投げ込み、相模打線に臆することなく挑んだでいった。特に3人で高校通算100発を超える相模のクリーンアップ(遠藤・山村・西川)に対しても堂々たるピッチングで3人合わせて9打数パーフェクトに封じ込め、全体としても許したヒットは4本のみで長打は0本という内容であった。あとはスタミナをもっとつけて、経験を積ませていけば、例え根本が復調しなくても、夏にはエース篠木でも十分に戦えることだろう。また3番手で登板した吉鶴(ソフトバンクの吉鶴コーチの息子)も、非常にいい回転のストレートを繰り出す左腕であり、この日投じたのは2球のみであったが、西川を見事に打ち取って火消しを果たした。こちらも非常に期待できる2年生投手であり、結果論はあるが、篠木の続投、もしくは2番手で吉鶴を投入していれば、また違う試合結果であったのかとは思う。
20190518木更津総合 篠木
木更津総合にとって篠木が8回途中まで好投をみせたことは大きな収穫であった

そもそも木更津総合は完成度でいえばまだまだのチームである。この春からそれまで内野の要であった小池をキャッチャーにコンバートし、1年生の山中・秋元も抜擢したスタメンは2年生以下が半数以上を占めていた。千葉大会では危うい戦いも続き、準決勝ではライバル専大松戸にコールド負け…。そんな状態であったにも関わらず、相模をあと1歩まで追い詰めたのは大健闘であり、夏に向けてまだまだ伸びしろが大きいのは楽しみな限りである。
20190518木更津総合 小池
この春から木更津総合の正捕手をつとめる小池

逆に相模としては本来の力が出せなかった試合であった。投手陣は遠藤の好投は大きな収穫であったが、最後に安定感抜群であった紫藤が追い詰められたことは気がかり。打線も上述の通りクリーンアップが篠木の前に完璧に封じ込められてしまった。その後、遠藤・山村は根本からタイムリーを放ったものの、西川はノーヒットのまま終了。2年春の時点で高校通算33発のスラッガーには、これまで清宮をも超えるペースでホームランを量産していただが、この春は不調に陥っているようで気がかりである。やはり本来であれば西川が4番に座り、今日のような打線の空気が重苦しい試合でも一振りで試合展開を変えてほしいものである。


Pickup Player
遠藤成 東海大相模3年 ピッチャー・サード
~久々に相模に現れた二刀流~
投打の二刀流として遠藤が東海大相模を勝利に導いた。

遠藤は秋田から東海大相模に入学すると、1年春から控え投手としてベンチ入り。ベスト4まで進出した2年春のセンバツでは、聖光学院戦の1イニングのみの登板であった。2年春の神奈川大会から本格的に出場するようになり、横浜商大線では投げては完投、打っては2ホーマーという離れ業をやってのけた。だが期待された2年夏には直前のケガでベンチ外…2年秋には復帰を果たし、チームの副主将を務めたものの主戦場はサードであり、1番or3番として活躍した。練習試合などでは投手としても登板をしていたようだが、公式戦での登板は2年秋の1次予選のみとなっていた。その間に野手としての実績を積み重ね、高校通算は40発に到達し、守備もサードからショートにコンバートされて、まさに相模の内野の中心となっていた。

それだけにこの試合での、先発ピッチャー遠藤は意外中の意外であった。ただそんな周囲をよそに遠藤のピッチングは落ち着いていて、木更津総合打線を着々と打ち取っていく。昨年までの遠藤はMax145㌔と球の力はあるものの…というイメージであったが、この日の遠藤はコントロールがよく与えた四球は0個、得意のスライダーの他にも打者を打ち取るシュートのようなボールを使った安定したピッチングを展開していた。結果的に8回途中まで1失点と見事に起用に応える形でマウンドを降りて、サードに回った。

打つ方では3打席目まではさっぱりであったが、マウンドを降りたことにより打席に集中できるようになったのか4打席目には根本のフォークを捉えて、リードを2点に広げる貴重なセンター前タイムリーを放った。まさに二刀流な活躍でチームを勝利に導いたといえる。東海大相模ほどの戦力層となると、二刀流というのも少なくなってくる。近年でいえば山田啓(白鴎大3年)がエースで3番を打っていたくらいであり、背番号6の投手とか大田泰示(日本ハム)以来であろう。それほど遠藤は貴重な存在であり、将来的にはどちらになっていくのかも楽しみである。

また投手遠藤にメドが立ったことも大きい。現在のの東海大相模投手陣は枚数は揃っているものの、野口・冨重・石田など左腕が豊富で、紫藤は右サイドという状況であり、右の本格派がいなかったので、ここに遠藤が復帰することで、バリエーションに凄みがます。今日は先発であったが、球に力があるので、終盤にショートからマウンドに上がってクローザーを務めるというのも面白いであろう。

20190518東海大相模 遠藤2 20190518東海大相模 遠藤3
投打の二刀流での活躍がきたいされる東海大相模の遠藤



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埼玉4枠なのに浦学も徳栄もいないなんて…

5/18(土)から春季関東大会が始まる。今年は埼玉での開催ということで、地元の埼玉県からは春日部共栄・浦和実業・東農大三・山村学園が出場することになるのだが、4チームも出場できるにも関わらず、そこには浦和学院・花咲徳栄という甲子園優勝経験ンのある埼玉両雄の名前はなかった。

昨秋の秋季大会では両チームともに早期に敗退してしまい、ともにノーシードで迎えた春季大会。とはいえ近年の埼玉で突出した成績を収めてきた2校だけに、春はなんだかんだいってこの2校が中心となると思っていた。

ただ春の埼玉7連覇を狙った浦和学院は、初戦で秋に敗れた宿敵白岡を延長12回の末に下したものの、2回戦で叡明相手にまさかの敗退。叡明のサイド右腕滝口の前に、打線がまさかの1得点しか上げられずに1-2でまさかの敗北。投手陣はこの春エースナンバーを背負った下薗が9回2失点で完投するも、5回に2ランを浴びるなどまさに1球に泣いた形だ。他にも秋のエース左腕の永島、期待の2年生右腕美又と140㌔を超える投手を擁している。ただ敗北の1番の原因はやはり1得点しか奪えなかった打線であり、夏に向けては今日かが必要となってくる。
20191118浦和学院 下薗
この春浦和学院の背番号1を背負った下薗

対する花咲徳栄は、強力打線が武器で3回戦までの3試合は全て2桁得点をあげたのコールド勝ち。U18日本代表候補にも選ばれた3番韮崎、2年生ながらすでに野村の後継者として風格も十分な4番井上、バントをしないメジャー流の2番橋本、勝負強さの光る5番羽佐田と前チームからのレギュラーが多く残る。しかしその反面投手陣はエースと呼べる存在がおらず、準々決勝では東農大三には8失点を喫して敗退。近年の花咲徳栄は高橋昂(広島)、清水(中日)、綱脇(東北福祉大)、野村(日本ハム)といったエースたちが支えてきたこともあり、夏までに軸となる投手が現れて欲しいところだ。
20190427花咲徳栄 橋本
強打の2番打者として花咲徳栄打線を牽引する橋本

関東大会出場を決めた4チームはいずれも投手陣がしっかりしていて、安定した戦いぶりであった。春日部共栄は、エース村田が初戦でノーヒットノーラン。打っても4番として決勝戦では決勝打を放つなど、まさに大黒柱としてチームを秋に続いて埼玉の頂点に導いた。準優勝の浦和実業も、三田・豆田の2枚看板が健在。特に2年生右腕の豆田は準々決勝では昌平を7回途中までにノーヒットに抑える好投をみせて、プロ注目の左腕米山に見事投げ勝った。山村学園の和田は1年夏にエース格としてチームをベスト4に導くなど経験豊富な左腕で完成度が高い。今大会では勝った試合は全て2点差以内と勝負強さも光った。東農大三は本格派右腕の飯島が花咲徳栄から完投勝利。秋はサードを兼任する井口が埼玉の準決勝・決勝、関東大会の初戦と先発を務めただけに、その悔しさをバネにストレートを145㌔まで伸ばすなどその実力を開花させた。

20191008春日部共栄 村田3
秋春連続Vを果たした春日部共栄の4番エースの村田

20191118浦和実業 豆田
昌平戦では7回までノーヒットピッチングをみせた浦和実業の豆田

20180503山村学園 和田
1年夏から主戦格として活躍する経験豊富な山村学園のエース和田

20191021東農大三 飯島
花咲徳栄から完投勝利をあげた東農大三のエース飯島


関東大会ではこの4チームの活躍に期待する一方、夏に目を向けると、戦力層の厚さでまさる浦和学院・花咲徳栄の2校がやはり手ごわい。上述の通り春には期待を裏切られてしまったが、また夏となる気合の入りようも別の話。関東大会がない分、春の反省をして、しっかりと準備をして臨む夏には埼玉、さらには高校野球界を盛り上げてくれる存在となると信じている。



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近江×綾羽【春季滋賀大会】

5/5 春季滋賀大会準決勝
近江×綾羽 @皇子山球場

試合経過

20190505近江×綾羽
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


春季滋賀大会の準決勝第1試合は、近江×綾羽という昨夏の滋賀大会決勝と同じ顔触れとなった。

まず先行の近江は1回表、先頭の土田がライト前ヒットで出塁すると、エラーと四球で1死満塁のチャンスを作る。しかし5番浅野は4-6-3とダブルプレーに倒れてしまい、初回のチャンスを生かすことができない。3回表の攻撃も1番から始まった近江は、土田が四球で出塁すると、3番住谷・4番有馬も四死球で、1死満塁で5番浅野という初回のデジャビュのようなチャンスを迎える。今度は浅野の打球は浅いセンターフライとなり、また初回同様スタンドからはため息が漏れるが、俊足土田がこれでタッチアップを成功させてホームイン。近江が3回に1点を先制する。
20190505近江 土田
持ち前の俊足で先制点を奪った近江の1番土田

初回と3回に満塁のピンチを背負うなど、綾羽の先発の伊藤千は序盤とにかく四死球が多かった。この春から背番号1を背負うサイド右腕は、スピードこそないもののサイド特有の動くストレートに、スライダー・シンカーを交えたピッチング。ただ近江の強力上位打線は警戒しすぎたこともあり、3回までに6四死球を与えてしまう。ただ四死球がなくなった4・5回は近江打線をテンポよく打ち取って無失点。結局伊藤千は5回まででマウンドを降りることとなるのだが、5回被安打2の1失点という好投をみせた。
20190505綾羽 伊藤千
先発して5回1失点の好投をみせた伊藤千

一方綾羽の打線であるが、U18日本代表候補でもある近江のエース林優に対してもしっかりとバットが振れていた。3回裏には日日比・伊藤彰・上田と3連打で満塁のチャンスを作る。3番磯谷の当たりも強烈であったが、これはショート土田のグラブに納まってしまい、6-4-3の併殺となってしまう。

前半綾羽打線は林優のストレートを狙い打っていて、ヒットのほとんどがストレートを捉えたものであった。そうなると当然のことながら世代No1との呼び声も高い近江のキャッチャー有馬はスライダー中心のリードに切り換え、4・5回と綾羽打線を完璧に抑えていった。そんな林優のスライダーに手を焼いていた綾羽打線だが、6回裏に4番松浦がこのスライダーをお手本のように逆方向のライト線に運ぶ2ベース。するとこれで綾羽が勢いに乗ったか、続く5番宮崎が初球をフルスイングすると、打球はレフトの前に落ちる同点タイムリー。さらに桑名がヒットで続いた後に、7番松田もスライダーをライト方向に打ち返して逆転に成功する。
20190505綾羽 松浦
綾羽の逆転劇は4番松浦の変化球打ちから始まった

ただこれで王者近江も比火がついたか直後の7回表、死球と板坂のヒットで1死1・2塁のチャンスを作ると、3番住谷がセンターに弾き返して同点。さすがは昨夏の甲子園で、1大会の個人としては最高の打率.769をマークした安打製造機であり、カウント3B1Sからでも低めの難しいコースのストレートをヒットにしてみせた。続く4番有馬はこの日3個目の四死球で満塁となると、1死満塁という逆転のチャンス。ここで多賀監督はここまで2度の満塁のチャンスでいい打撃ができていない+相手投手が左腕の岡田になっていたこともあり、代打に右の近藤を送るも、近藤は初球を打ちあげてセカンドフライ。続く岡田は三振に倒れ、近江が絶好の逆転のチャンスを逸する。
20190505近江 住谷
8回に同点タイムリーを放った近江の3番住谷

それでも近江は8回表、1死から8番長谷川がショートゴロ送球エラーで2塁まで進むと、進塁打と四球で2死1・3塁という場面で2番板坂を迎える。ここで綾羽は3番手として右腕太田をマウンドに送るも、板坂が太田のストレートを見事にライト前に弾き返して近江が勝ち越し。背番号13ながら2番に起用させている板坂は、この試合ではバントを2個決めた後の3打席はいずれもヒットを放つなど素晴らしい活躍であった。
20190505近江 板坂
8回に勝ち越しのタイムリーを放つなど3安打の活躍をみせた板坂

ただ7回までに林優からヒットを11本も放っていた綾羽打線はまだまだ諦める必要はない。8回裏に、近藤と松田のヒットで1死1・3塁というチャンスを作る。ただ8番太田の打球は3塁線のボテボテのゴロ…これをキャッチャー有馬が1塁へ送球してアウト。さらにファールだと思ったのか、1塁ランナーのスタートが遅れていて、有馬からの送球を受けとったファースト板坂が2塁へ送球してこのランナーもタッチアウト。綾羽が怠慢プレーでの併殺という痛い形でチャンスを逸してしまう。

となると流れは近江で9回表、先頭の4番有馬がやっと出たというレフト線への2ベース。有馬はここまで3四死球となかなか勝負してもらえていなかったが、その打席の中では3塁線へのファールを前の打席から連発していたためにまさにやっとという2ベースである。このチャンスに7番鈴木がセンター前にタイムリーを放ち、近江が貴重な追加点。その裏を林優が完璧に抑えて、4-2で近江が勝利して、翌日の決勝進出を果たした。


綾羽としては好投手の林優から13本ものヒットを放っただけに、そこで2点しか取れないのが痛かった。ただそれでも林優からこれだけヒットを放てる打線というのは、全国にもなかなかないであろうし、綾羽打線のレベルの高さが伺えた。ただこれがマグレかというとそうでもなく、実際に綾羽は昨夏の決勝でも先発した林優から5回に4点を奪って逆転して、林優をマウンドから引きずり降ろしている。磯谷・桑名・上田らはその時のメンバーでもあるし、そこから滋賀を制するために避けて通れない林優の研究をしっかりしてきたとなれば、決してマグレではないだろう。

また綾羽はこの春は2人の伊藤が台頭した。先発した伊藤千については上に書いた通りだが、1番を打つようになった2年生の伊藤彰も非常に高い打撃技術をもっていて、左VS左にも関わらず、この日は林優から2安打。特に2本目のヒットは、難しい変化球を何球もカットして、しょうがなく投じたストレートをしっかりととらえた素晴らしい1打であった。準決勝で敗れてしまったが、新戦力の台頭もあった綾羽は、夏も打倒近江の筆頭となってくることだろう。
20190505綾羽 伊藤彰
この試合でも2安打を放つなど今大会の活躍が目立った綾羽の1番伊藤彰

近江としてはだいぶ苦しんだ試合であったし、もっと得点をとって早く林を楽にしてあげたかった試合であった。そのためにキーとなるのはどうやら5番打者のようだ。近江の1~4番は昨夏のレギュラーとして甲子園でも活躍した土田・住谷・有馬に加えて、この日3安打と好調の板坂で充実していた。ただ4有馬が3四死球と勝負を避けられると、そこで溜まったランナーを次の5番でしっかりと返せなかったことが痛かった。下位打線が機能すれば、有馬から逃げることもしずれくなり、下位打線のパワーアップこそが夏に向けてキーとなってくることだろう。
20190505近江 有馬
4番有馬は勝負されないことがあるだけに、その後を打つ打者の存在が重要となってくる


Pickup Player
林優樹 近江3年 投手
~被安打13でも安定した投球で完投勝利~

林は近江では1年秋から背番号18でベンチ入り。体は小さいが、テンポよくボールを投げ込むピッチングで、4人(金城・松岡・佐合・林)の近江投手陣の中でも、中心的存在として先発にリリーフに活躍。2年春のセンバツでは、いずれも先発を務めた松山聖陵千では5回2失点、星稜戦では6回3失点としっかりと試合を作る好投をみせた。2年夏の甲子園でも、初戦の智辯和歌山戦では3回1/3を無失点リリーフし、中でも強打者の林(現:広島)に対してピンチの場面で果敢に内角を攻めて三振に仕留めたシーンは印象的であった。その後も前橋育英戦では6回無失点リリーフ、常葉菊川戦では先発で8回1失点の好投をみせ、最後は金足農の2ランスクイズの前に屈したが、近江のベスト8入りの立役者となった。2年秋からの新チームでは名実ともにエースを担い、滋賀大会をせいするも、近畿大会では報徳学園に5点を奪われて初戦敗退となり、優勝候補にあげられながらも、センバツ出場を逃してしまった。ただセンバツ後にはU18日本代表候補の1次合宿にも選出された。

この試合でも先発マウンドに上がった林は持ち前のテンポのいいピッチングを展開。フォームはややトルネード気味に捻るようになっていて、打者からだとボールのでどころが見づらいくなっいて、ストレートはさらに威力が増したように感じられることだろう。今日は伝家の宝刀であるチェンジアップは少なかったが、変わりに曲がりの大きなスライダーを多めにつかっていて、これが右バッターから見ると、アウトコースから入ってくるもの、インコースに食い込んでいくもの、ともに有効で今日の林のピッチングを支えた球といえる。

それでも今日の話は綾羽打線に13本ものヒットを浴びてしまった。テンポがいいのは林の持ち味である一方、打たれだしたときにはもう少し何か工夫があってもいいのかとは思った。これはこれで林にとっては反省点である一方、四死球は1個もなかったために他にはランナーを許さず、また初回には牽制で伊藤彰を刺すなどして、ヒットによる傷口を最小限にとどめ、許した得点は6回の2失点のみ。結局9回を13奪三振2失点で完投して、チームを勝利に導いた。ヒットは打たれても、点はとられないというあたりは本当にさすがであった。

20190505近江 林優
13安打を浴びながらも、13奪三振2失点完投勝利を収めた近江のエース林優


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高田商×智弁学園【春季奈良大会】

5/3 春季奈良大会3回戦
高田商×智弁学園 @佐藤薬品スタジアム

試合経過

20190504高田商×智弁学園
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

智弁学園の先発マウンドに上がったのは、背番号20をつけた1年生右腕の小畠であった。その小畠が1回表を見事に3人で抑えて、まずは流れを呼び込む。すると智弁学園は1回裏、先頭の塚本がライト線へ2ベース。咋年の春季奈良大会では5ホーマーを放った強打者を1番に置くという小阪監督の采配がハマった形でチャンスを作ると、2死3塁から4番吉村の打球を高田商セカンドの岡本がはじいてしまい、智弁学園が先制する。
20190503智弁学園 塚本
先制点のきっかけとなる2ベースを放った強打の1番塚本

智弁学園は2回裏にも、1年生ながら5番レフトでスタメンに名を連ねた前川が、ストレートを振り抜くと打球は弾丸ライナーでライトフェンスを越えるホームランとなり、2点目をあげる。これが公式戦初スタメンの1年生が衝撃のデビューとなった。
20190503智弁学園 前川1
公式戦初打席でホームランを放った智弁学園の5番前川

ただ高田商の先発岩井も決して悪くはなく、大きなスライダーを駆使したテンポのいいピッチングで3・4回と智弁打線を3人ずつで抑える。5回に白石の2ベースから迎えたピンチも凌ぎ、5回まで2失点(自責点1)というピッチング。背番号12をつけていることも踏まえると、強打の智弁打線相手には十分な内容であっただろう。
20190503高田商 岩井
5回まで智弁打線を2点に抑える好投をみせた高田商の先発岩井

しかしこのままで済まないのが智弁打線といったところであろうか…6回裏、先頭の2番三田が左中間に2ベースを放ち出塁すると、3番坂下も同じく左中間へのタイムリー2ベースで続いてまず1点。吉村の死球で1・2塁となってから、5番前川は今度は逆方向のレフトの頭上を超えるタイムリー2ベース。智弁打線がスーパー1年生のタイムリーで岩井をKOする。

代わって高田商のマウンドに上がった中島は、ハマった時のボールは素晴らしいスリークォーターであったが、制球にはバラツキがあり、ワイルドピッチ、さらには小畠の犠牲フライで2点を失ってしまう。この時点で智弁学園が6-0とリードしていて、あと1点でコールド圏内で満塁というピンチであったが、中島はここで強打者の塚本を三振に仕留め、三田をセンターフライに打ち取り、何とか高田商が踏みとどまった。
20190503高田商 中島
高田商の2番手として登板した中島

小畠の前にチャンスを作りながらも無得点が続いていた高田商であるが、上記のピンチを凌いだことにより投げれが来たか、7回表に代打藤本のヒットと四球で1死1・2塁のチャンスと初得点のチャンスを作る。ここで1番花谷敦の打球は強烈なライトへのライナーとなり、これをライト白石がダイレクトでキャッチしたのか際どい打球になってしまう。結果的に判定はノーキャッチだったが、スタートを切れなかった1塁ランナーはセカンドフォースアウトで、残念なことに花谷敦の記録はライトゴロ。高田商は2番森田が四球を選んで満塁とするも、最後は橋口がセカンドゴロに倒れ、ツキにも見放される形で得点が奪えない。

すると智弁学園はその裏、先頭の坂下が四球で出塁して盗塁でチャンスメイクをすると、6番山崎の打球はセンターに抜けて、坂下が生還。これで7回裏で7点差となり、コールドが成立。智弁学園が7-0で勝利して、準々決勝にコマを進めた。
20190503智弁学園 山崎
コールドを決めるサヨナラタイムリーを放った山崎


智弁学園では何といってもスーパールーキー2人の活躍が目立った。投の主役であった小畠についてはPickUpPlayerで書くとして、打の主役であったのが5番前川。テイクバックはそれほど大きくないが、バットを内側からうまく出すフォームは清宮(日本ハム)を彷彿とさせるさせるものがあり、実際にこの試合では引っ張ってライトスタンドにホームラン、逆方向のレフトオーバーと高い打撃技術力を見せつけた。
20190503智弁学園 前川2
ホームランにレフトオーバーのタイムリー2ベースと大活躍であった前川

ただこの2人の1年生の影に隠れがちだが、2年生の活躍も目立った。7回のビックイニングの口火を切った三田はこの春からコンバートされたセカンド守備も安定していて、コールドを決めるサヨナラ打を放った山崎、小畠の完封をアシストしたキャッチャーの佐藤とこちらもいい活躍をみせた。この日の智弁学園のスタメンは、3年生3人、2年生4人、1年生2人という構成であった。咋秋に天理に大敗して、チームの立て直しが必要であったが、2年生がこの春に台頭してきたのは大きい。前チームでは4番を打っていた藤村がこの日はスタメンを外れるなど、レギュラー争いはし烈を極めていて、夏の大会のときには1年生も含めてどんなメンバーになっているのか楽しみである。


Pickup Player
小畠一心 智弁学園1年 ピッチャー
~期待の1年生が完封デビュー~

小畠は中学時代から140㌔を超える投手として注目されていて、U-15日本代表では外野手登録されて主に5番打者を務めた二刀流であった。この試合の対戦相手は2年前にはセンバツにも出場した高田商であったが、そんなチームに対して小阪監督は公式戦初マウンドとなる小畠に先発を託した。

小畠の魅力はなんといっても184㎝の長身から繰り出させるストレート。ただフォーム自体にはそれほど力が入っているように見えないので、やや軽く投げているように見えるのに、140㌔を超えているだろう角度のあるストレートが来る。変化球はスライダーが使えていて、中盤以降はこのスライダーを多めにすることで、高田商打線を打ち取っていった。さらにもう1つの魅力が1年生とは思えないほどの落ち着きで、この試合では2・4・6・7回と得点圏にランナーを背負ったが、いずれの場合もピッチングが変わることなく、この4回のピンチを無失点で切り抜けた。

その一方、まだ弱点もあり、この日は7回を投げて6四死球。まだ球が抜ける場面も多く、コントロールには向上の余地がありそうだ。そこら辺がエース柳田がずっとベンチ前でキャッチボールをしていた要因であったりもするのだろう。ただ結果的にはそれでも崩れることなく、7回を投げて3安打無失点で完封。咋秋は天理に12失点を喫してしまった投手陣にとって、この新戦力の出現は嬉しい限りであろう。

またノーヒットだったのものの、打撃面でも非凡さを見せつけた。6回の満塁の場面で迎えた第3打席ではあわやホームランという特大のレフトフライ(犠牲フライ)を放った。この日はまだピッチャーに集中していて、打撃はそこまでなのかな…とも感じたが、投げないときは野手で出るというプランも十分に考えられそうだ。いずれにせよ智弁学園に非常に楽しみな二刀流が出現したことは、間違いなさそうだ。

20190503智弁学園 小畠
デビュー戦で見事7回完封勝利を飾った智弁学園の小畠



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関西中央×天理【春季奈良大会】

5/3 春季奈良大会3回戦
関西中央×天理 @佐藤薬品スタジアム

試合経過

20190503関西中央×天理
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

秋の奈良大会の決勝(天理×橿原)の再戦が予想された3回戦であるが、関西中央は2回戦で秋に敗れた橿原にリベンジを果たして、関西中央×天理というカードとなった。関西中央はその勢いそのままに初回、2死から3番前川がレフト線に2ベースを放ってチャンスメイクすると、4番吉村のヒットで1・3塁。ここで大西の打球は1・2塁間のボテボテのゴロとなるが、これを天理ファースト早川が若干出過ぎてキャッチすると、投内連携もうまくいかずに内野安打となって関西中央が先制。さらにヘルメットにC-FLAPをF着用した6番大谷のヒットで満塁とすると、7番馬淵がレフト前に運んで2者生還。関西中央が2死からの5連打で3点を先制する。

関西中央は2回表にも、先頭の9番和田が初球のスライダーを捉えて左中間3ベース。続く1番巽のファーストゴロはまたもや投内連携のミスとなり、和田がホームイン。さらにバントで送って、3番前川にもライト前タイムリーが飛び出して、関西中央が2回までに5-0とリードする。
20190503関西中央 前川
初回の得点の起点となり、2回にはタイムリーも放った関西中央の3番前川

反撃に出たい天理は3回裏、西村・下林の連打とバントで1死2・3塁とすると、2回5失点の先発川上に早くも代打中川聖を送る。中川聖は四球を選んで満塁とチャンスを広げるも、9番山田はピッチャーゴロホームゲッツーで無得点。続く4回裏には下林のレフト線への2ベースから、3回からマウンドに上がったエース桂田が自らのバットでタイムリーを放ち1点。さらに中川聖のヒットと四球で1死満塁のチャンスとするも、1番吉田・2番中川彰がまさかの連続内野フライで追加点を奪えず。

天理としてはチャンスを作るものの、拙攻で得点が入らないという状況で、点差以上に流れが悪くなってしまう。すると関西中央のエース大西はスリークォーターのしなやかな腕の振りから繰り出すストレートと鋭いスライダーを軸としたピッチングで、5・6回と天理打線を3人ずつで抑えて、6回まで1失点と好投をみせる。
20190503関西中央 大西
関西中央のエース大西は6回まで天理打線を1点に抑えた

ただ天理も3回から登板した桂田はさすがエースというピッチングを展開。桂田は和田(ソフトバンク)のように腕が隠れて出てくるタイプの左腕で、ストレートは打者から見れば球速以上に感じられそうな球である。スライダーでしっかりとカウントを稼ぐことができて、勝負ところではこのストレートを右打者のインコースに投げ込むことができていた。3回以降は6回にヒットを1本浴びただけで、それ以外は7回までパーフェクトに抑え、打線の援護を待つこととなる。
20190503天理 桂田
3回からマウンドに上がった天理のエース桂田は7回までヒット1本に抑える好投をみせた

天理打線がそんな桂田の好投に応えたのは7回裏、2死から中川彰がセンター前ヒット、さらにはセンターのエラーで3塁まで進んでチャンスを作ると、3番岩本がレフト線へタイムリー2ベース。4番川端の強烈な打球で左中間を破るタイムリー2ベースで続くと、西村・下林の連打でついに1点差にまで迫る。
20190503天理 下林
1点差に迫るタイムリーを含む3安打を放った天理の6番下林

関西中央は大西が捕まりだしたので、8回から2番手越後をマウンドに送る。越後はタイミングのとりづらいクロスステップのスリークォーターからキレのある球を投じていて8回の天理の攻撃を無得点に抑え、試合は5-4と関西中央が1点リードして最終回を迎える。

なんとしても追いつきたい天理は9回裏、先頭の3番岩本がライト線へ強烈な打球を放ち、このクッションボールの処理をライトが誤ったこともあり、一気に3塁を陥れる。迎えるは4番川端という天理にとっては絶好のチャンスであったが、川端が打つ前に関西中央にバッテリーミスが出てあっけなく同点。4番川端はピッチャーゴロに倒れるも、5番西村はカウント3B0Sからのストレートを強振するとライナー性の打球はそのままライトフェンスを越えるサヨナラホームラン。天理が土壇場で力を発揮し、最後は主将の一振りで6-5と勝利を収めた。
20190503天理
サヨナラホームランの西村をホームで迎える天理ナイン


本来は4番正捕手であるはずの北野をこの試合では欠いたこともあり、序盤は守備のミスなどもありバタついて0-5とリードを許してしまった天理。ただこの流れを一変させたのは、「さすがはエース」という桂田のピッチングで、結局桂田は最後まで投げて7回無失点の完璧なリリーフであった。これで天理としてはだいぶ余裕を持てた一方、関西中央としてはあとは貯金を済し崩すしかないという状態に追い込まれた。

天理打線はやはりスイングに力があり、特に前チームからベンチ入りしていた岩本・川端は1つ抜けていた。さらにこの試合ではこの2人の後を打つ5番西村・6番下林が3安打ずつを放つ活躍。西村は咋秋は背番号14の控えであったが、セカンドのレギュラーさらには北野の代役の主将として臨んでいる今大会では、2回戦の高取国際戦でも満塁ホームランを放っていて、これは天理打線にとって大きな上澄みとなった。まだスタメンが大きく変わるなど、色々とお試し中なところもある天理打線だが、その自力は徐々に増してきている。
20190503天理 西村
秋の控えから2試合連続ホームランを打つまでに台頭した天理の西村

関西中央は敗れたものの、天理を土壇場まで追い詰めた戦いは見事であった。序盤は天理のミスも絡んだとはいえ、川上の球には力があったし、その川上から5連打というは見事であった。エースの大西も安定していて大崩れするタイプでないために、桂田のような投手からも得点が捕れるようになれば、天理・智弁学園の2強とも勝負できるようになるだろう。


Pickup Player
岩本泰輔 天理3年 外野手
~実は試合を決めた3ベース~
最後の西村のサヨナラ弾も見事であったが、その前に3番岩本が3ベースを放った瞬間、この試合は天理が勝ったと思った。

岩本は生駒ボーイズから天理に入学すると、2年夏には背番号19でベンチ入り。2年秋の新チームからライトのレギュラーとなると、奈良大会の大一番となった智弁学園戦ではバックスクリーンにホームランを放ち、近畿大会にも6番ライトとして出場した。そしてこの春は打順を3番にあげて臨んでいる。

この日の岩本はまず第1打席で特大のセンターフライを打つと、第2打席ではライト前にまず1本目のヒットを放った。2死3塁で迎えた7回の第3打席では、レフト線にヒットを放ち、俊足を飛ばしてこれを2ベースにしてみせた。7回は2死から作ったチャンスであり、ここで得点を入れられたことは天理にとっても非常に大きかったし、この後に川畑・下林もタイムリー続いたことからみても、このタイムリーは本当に貴重なものであった。そして1点を追う最終回の先頭打者として迎えた第5打席では、初球の変化球をうまく捉えてライト線への3ベース。ここで岩本が倒れていれば、天理としては敗けが濃厚になっていた場面であり、逆に岩本が3ベースを打って無死3塁というチャンスを作りだしたことで、天理の同点はかなり濃厚となった。追いつきさえすれば、その後はもう天理の流れであったために、この3ベースが出た瞬間に個人的には「天理が勝った」と思った。結局この日の岩本は5打数3安打1打点2得点という活躍であった。

岩本はそれほど大きな選手ではないが、身体能力が高いためにパワーがる。またミート力もあるので、この試合でもライトにセンターにレフトにしっかりと打ち分けることもできていた。2ベース・3ベースにした走力も非常に魅力である。今日は3番として見事な活躍であったが、北野が復帰すれば是非とも1番にも置いてみたい選手であった。

20190503天理 岩本
最終回の貴重な3ベースを含む3安打の活躍をみせた天理の3番岩本


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日本生命×NTT西日本【JABA京都大会】

5/2 JABA京都大会決勝
日本生命×NTT西日本 @わかさスタジアム京都

試合経過

20190502日本生命×NTT西日本
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

雨の影響で2日順延したJABA京都大会の決勝は、同日に行われた準決勝をそれぞれ接戦の末に勝ち抜いた日本生命とNTT西日本という、地元の関西勢どうしの対決となった。

2回表、日生は先頭の4番皆川がヒットで出塁するも、5番籾山のバントは2塁フォースアウト。だが6番早野のセカンドゴロの間に、ランナーを進め2死2塁のチャンスを作ると、7番上西は初球をセンターに弾き返し、籾山が生還して日生が先制点をあげる。
20190502日本生命 上西
先制のタイムリーを放った日本生命の上西

NTT西日本のチャンスは4回裏、先頭の山田がヒットで出塁すると、5番景山のライト前で1・3塁。さらに景山が盗塁を決めて1死2・3塁と一打で逆転のチャンスを作る。ただここで6番主将長田の打球はショートの正面でランナー動けずに2死。7番石山はセンターフライに倒れ無得点であった。

徐々に調子をあげていく日生のエース阿部の前に、完璧に抑えられていたNTT西日本打線。ただその中で唯一、阿部に合っていたのが3番の山田。亜細亜大では4年秋になってその実力を開花させた苦労人は、この大会では予選リーグの2戦目から3番を務めていた。どちらかというとパンチ力が魅力の選手だが、この試合ではコンパクトにミートしてヒットを打つことができていて、4回のヒットに続いて、6回裏も右中間に2ベースを放ちチャンスを作った。しかし新人の4番野村、この大会好調の5番景山と後続が倒れ無得点。NTT西日本にとっては1点が重くのしかかる展開となる。
20190502NTT西日本 山田
阿部から2安打を放つなどNTT西日本打線で唯一当たっていた山田

ただそんな嫌な展開であったが、NTT西日本の先発萩原の投球は崩れることがなかった。腕が遅れてくるような独特なサイド気味のフォームから繰り出すストレートは140㌔中盤をマークし、これに得意のカットボール、スライダーなどを交えたピッチングで、得点を取られた後の3回~6回までの4イニングは日生打線をノーヒットに抑える力投。萩原は8回に2死2塁というピンチを招いたところで、降板するも8回途中まで1失点という見事なピッチングであった。
20190502NTT西日本 萩原
8回途中まで1失点の好投をみせたNTT西日本の先発萩原

NTT西日本は上記のピンチを2番手の宅和が凌ぐと、9回のマウンドには逆転を信じて吉元を投入。吉元が9回表を3人で完璧に押させて、最後の攻撃に臨むこととなった。9回裏までくると阿部もさすがに疲れてきたか、1死からこの試合で初となる四球を景山に与えてしまう。盛り上がるNTT西日本ベンチであったが、ここから阿部が最後の力を振り絞って、長田・中村を連続三振に仕留めてゲームセット。2回にあげた1点を阿部の完封で守り切った日本生命が勝利し、JABA京都大会を制覇。秋の日本選手権の出場権も獲得した。
20190502日本生命優勝
JABA京都大会を制した日本生命ナイン


敗れて準Vに終わってしまったNTT西日本であるが、この大会を通じて世代交代ができていると感じられた。これまではどちらかとおいうとお馴染みのメンバーがスタメンに名を連ねることが多かったNTT西日本だが、この試合のスタメンでも、ルーキー3人、2年目3人という若い構成。正捕手・ショート・4番とすでに新人がチームの中核を担っていて、1番・3番打者は2年目。そして先発した2年目の萩原が先発として予選リーグの九州三菱自動車戦に続いて好投をみせ、ずっとエースを務めた吉元をこの大会ではリリーフに回すことができていた。ただその反面まだ不安定なところもあり、準決勝では3点ビハインドの9回に4点を奪ってサヨナラ勝ちした勢いをこの試合には生かすことができずに、実際にサヨナラ打を放った辻本はこの試合では3三振と完全に沈黙してしまった。だがよくいえば伸びしろがあるということで、新制NTT西日本には今後も注目してきたい。
20190502NTT西日本 吉元
若手の台頭により、この大会はリリーフとして活躍した吉元は敢闘賞を受賞した

優勝した日本生命は逆にエース阿部依存が心配だ。阿部が先発した試合以外は、7失点・7失点・5失点とそれなりに点をとられての接戦となっていて、このうち2試合は阿部が火消しとしてリリーフもしているという状況。高橋・草場・山本とプロからも要注目の若い投手を抱えているものの、この大会の優勝に彼ら全く貢献していないというのは複雑な限りだ。この試合では1得点と沈黙してしまったが、攻撃陣は充実しているだけに、昨年まさかの予選敗退となってしまった都市対抗出場に向けて、阿部に次ぐ(もちろん藤井は除いて)投手陣の台頭に期待したいところだ。


Pickup Player
阿部翔太 日本生命 投手
~決勝完封だけでない大車輪の活躍でMVP獲得~
この試合は何といっても日本生命の阿部のピッチングに尽きる。

阿部は酒田南では1年秋より捕手としてベンチ入りしていて、2年夏には正捕手を務め、打率.467もマークし山形Vに貢献、7番捕手として出場した甲子園初戦でもタイムリーを放っているが、山崎(Honda)率いる関西学院に3-7で破れた。2年秋から投手に転向すると、140㌔を超える本格派右腕に成長。1年生捕手の下妻(楽天)とバッテリーを組んで、エース主将として挑んだ3年夏は鶴岡東に敗れてベスト8止まりであった。

成美大では1年春から主にリリーフとして11試合登板して、新人王を獲得。2年秋からは先発を務めるも、この頃にはストレートは150㌔をマークするようになっていた。ただこの反動もあったのだろうか、肘を痛め離脱を余儀なくされる。4年春に復活を果たすと、卒業後は日本生命入社を果たした。

ただ社会人1年目は今度は肩痛を発症して、投げられず…2年目の日本選手権でリリーフとして2大大会デビュー。3年目からは先発を務めると、日本選手権では日本新薬から完封勝利。4年目(昨年)からはエース格として活躍していて、都市対抗には日本新薬の補強選手として出場した。

この決勝戦の先発マウンドに上がった阿部は、Max148㌔のストレートにカットボール・スライダー・フォークを交えた投球で、四球も最終回まで0個とコントロールも非常に良かった。序盤からNTT西日本打線を全く寄せ付けないピッチングを見せると、中盤からはさらにギアをあげたようで、120㌔後半のスライダーを中心にして、次々と三振を奪っていった。リードは1点のみという非常に厳しい状況の中でのピッチングとなったが、7回には3者連続三振を奪うなど終盤になっても、阿部のピッチングは衰えることを知らず、結局9回4安打10奪三振の完封劇であった。

今大会ではこの決勝を含めて先発で2勝をあげ、さらに2試合のリリーフをこなしている。藤井を除けば、他の投手がなかなか頼りにならない状況で、まさに大車輪の活躍をみせて、今大会のMVPを受賞した。プロからの指名はないまま、今年で4年目を迎えることとなった阿部。ただ阿部の場合は投手経験も少なく、途中ケガなどもあったことを考慮すれば、今年の活躍次第ではまだ十分に指名の可能性もあるだろう。日本生命のエースとして、プロに向けたの勝負の年として…阿部の投球に注目していきたいと思う。

20190502日本生命 阿部1
見事完封勝利をあげ。大会のMVPにも選ばれた日本生命の阿部

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八千代松陰×東海大市原望洋【春季千葉大会】

4/29 春季千葉大会2回戦
八千代松陰×東海大市原望洋 @第一カッター球場

試合経過

20190429八千代松陰×東海大市原望洋
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

春季千葉大会の2回戦にシード校である東海大市原望洋が今大会初登場。2日前の1回戦で東京学館浦安を破り、勢いに乗る八千代松陰が挑む形となった。両チームとも八木原、川和田という背番号1を背負う右サイド右腕の先発で試合は始まった。

八千代松陰の先発の川和田は初回ストライクが思うように取れない。川和田自身は決してコントロールの悪い投手でないのだろうが、左バッターの多い望洋打線に対して、アウトコースギリギリを狙うも少しだけ外れてボールとなってしまうケースが多かった。望洋は先頭の高嵜が四球で歩くと、バントと西田のライト前ヒットの後に4番門脇も四球を選んで1死満塁。さらに5番澤田は押し出しの四球を選んで先制すると、6番江見もライト前に運んで初回に2点をあげる。望洋は2回裏にも浅倉・高嵜・魚地と3本ヒットで満塁とすると、3番西田がレフト前に運んで追加点をあげ、川和田をマウントからおろす。
20190429八千代松陰 川和田
まさかの2回途中KOとなってしまった八千代松陰のエース川和田

ピッチャーが川和田→樋熊に代わっても望洋打線は攻撃の手を緩めずに、3回裏には澤田・江見の連打と四球で3イニング連続での満塁のチャンスを作ると、8番浅倉がセンター前に2点タイムリー。八木原が送った後、1番高嵜が犠牲フライを放つと、3番西田はセンターの頭上を越える2点タイムリー2ベースを放ち、この回にも5点を追加。3回までで望洋が8-0と大量リードを奪う展開となる。
20190429東海大市原望洋 浅倉
3回に2点タイムリーを放つなど3安打の活躍をみせた東海大市原望洋の8番浅倉

望洋の先発の八木原は、初回にいきなり1番満田に2ベースを浴びる滑り出しとなったが、ピンチの場面で佐々木・春日と中軸を三振に仕留めて無失点。1年夏から登板を重ねているだけあって経験豊富で、サイドから放たれるストレートはスピードこそないものの、しっかりと制球されていて、スライダー・シンカーと変化球も混ぜて的を絞らせない。特にスライダーは2種類あるだろうか、そのうちの1つはバックネット裏から見ていても、まるでボールが打者の手元で止まるような感覚に陥る球で、チェンジアップのような役割もしていて、松陰打線もタイミングを合わせるのに苦労していた。八木原は2~5回はヒット1本を許したのみで、四球もなく、淡々と松陰打線を手玉にとって無失点で前半戦を終える。
20190429東海大市原望洋 八木原
5回まで八千代松陰を無得点におさえた東海大市原望洋の先発八木原

ただ野球において5回終了後のグランド整備明けは流れが変わるというのは、よく聞く話だが、この試合はまさにその通りの展開となった。5回表、松陰は満田・長岡・佐々木と八木原から3連打で無死満塁のチャンスを作ると、4番大竹がレフト前に運ぶ2点タイムリー。5番春日のヒットで再び無死満塁とすると、やっと打ち取った打球をファースト江見がエラーしてしまい、松陰はこの回3点目。このいきなりの松陰打線の覚醒は、八木原の球が甘くなったこともあるが、松陰打線が八木原の球を決して引っ張ることなく、しっかりと引きつけて打てるようになっていた印象。望洋はここでたまらず八木原に代えて、須崎をマウンドに送るが、水野のファーストゴロを江見が2塁へ送球するも、これがランナーに当たってしまう。もちろん送球の精度の問題もあるが、ゲッツー狙うならホーム送球だろういう場面で、何とも中途半端なプレーであった。この時点で松陰はこの回、4点を奪ってなおも無死満塁という状態であり、一気に8点差を追いつくというシナリオすら考えられただろう。
20190429八千代松陰 大竹
2点タイムリーを放った八千代松陰の4番大竹

ただここから須崎が踏ん張り、8番樋熊を三振に仕留めて、まず1アウト。続く9番石井の打球はファーストゴロとなるが、江見に代わってファーストに入った伊達はこのゴロをとって1塁を踏むと、その後にホームに送球して3塁ランナーもタッチアウト。須崎の見事なピッチングと、ファーストを交代した相川監督の起用が見事にはまって、望洋がこの大ピンチを一気に脱する形となった。
20190429東海大市原望洋 伊達
途中からファーストに入って見事に併殺を完成させた東海大市原望洋の伊達

須崎は非常に投げっぷりのいい投手で、無四球とコントロールもよく、勢いのあるストレートと縦に落ちる変化球で、次々と松陰打線から三振を奪っていった。この須崎の好投で流れを呼び戻した望洋は、7回裏には代打岡本の、8回裏には小笠原のタイムリーで1点ずつを追加し、リードを広げる。須崎は結局最後まで無失点で投げ抜いて、望洋が10-4で勝利して3回戦にコマを進めた
20190429東海大市原望洋 須崎
6回途中から最後まで無失点リリーフをみせた東海大市原望洋の須崎


敗れた八千代松陰からしてみれば、結果的にはエース川和田が早々にKOされてしまったことが全てであった。1~7番まで左バッターが並ぶ望洋打線に対して、サイド右腕のというが不利である。さらに川和田は左バッターに対して、アウトコースにボールを投げようとしすぎていて、インコースを果敢につくという球は少なかった。こうなると望洋打線も、ためらうことなく踏み込んでスイングができてしまっていた。ただこれは川和田だけでの問題でなく、他に先発に充てられる投手がいなかったというチームとしての問題でもある。川和田の後に投げた樋熊、三橋という左右の2年生投手も正直まだ望洋に通用するレベルでなかった。かつては多田野(元日本ハム)、大場(元ソフトバンク)、小林(オリックス)といった好投手を輩出した八千代松陰だけに、夏に向けて投手陣のパワーアップに期待したいところだ。
20190429八千代松陰 樋熊
エース川和田に次ぐ存在として台頭が期待される八千代松陰の2年生右腕樋熊

打力の高さが光った望洋であったが、今日の試合でいえばもっと得点をとれたと思う。まず1・2回のチャンスは得点は奪ったものの、最終的には満塁で併殺打で終了している。7・8回にはタイムリーで1点をとった後には、ともに次のランナーがオーバーランしてタッチアウト。ヒット15本のうち、長打が1本しかないあたりを見ても、攻撃の効率がよいとはいえない状態であった。

投手陣は八木原・須崎というタイプの異なった2人の右腕のリレーができるのは1つ魅力で、この試合でも八木原が突如乱れた後に須崎が好リリーフで試合の流れを戻してみせた。ただその反面この2人は原田(東海大)・島(ロッテ)・金久保(ヤクルト)のような近年望洋が排出してきたような絶対的なエースでないために、木更津総合・習志野・中央学院といった打線に力のあるチームを抑えるのは容易でないだろう…。そうなると前チームからのレギュラーが多く残る打線で、打ち勝つというのが望洋のスタイルであろう。そのためには上述したような詰めの甘さを改善して、得点を重ねていくことが、この春に関東大会に出場するためには必要だ。


Pickup Player
西田佑大 東海大市原望洋3年 セカンド
~見事なバットコントロールで4の4~
この日の望洋打線の中で、5打数4安打3打点と1番結果を残したのは3番を打つ西田であった。

西田は千葉北シニアから東海大市原望洋に入学すると、2年夏には背番号5でベンチ入り。伊達との併用部分もあったが、主に6番ファーストを務め、磯辺戦ではホームランを含む3安打3打点の活躍を見せるなどして、咋夏の東千葉大会で打率4割を超える活躍でベスト4入りに貢献した。新チームからはセカンドにコンバートされ、秋は1番を打っていたが、この春は3番打者を務めている。

この試合ではまず1死2塁で迎えた第1打席では、広く空いた1・2塁間を抜くヒットを放ち、先制点の貴重なお膳立て。弟2打席では1死満塁の場面で、ボールをしっかりと呼び込んで逆方向のレフト前にタイムリーヒット。そして極め付けが第3打席で、樋熊のストレートを強く弾き返すと、打球はセンターの真後ろ頭上を越える2点タイムリー2ベース。西田はバットコントロールがよいので、ライト・レフト・センターと3方向にヒットを打っているが、下半身もしっかりとしるのでしっかりと振り抜くことができ、タイプとしては森友也のようなバッターである。また走力もあり、6回にエラーで出塁した後には盗塁を決めていて、最終打席では高いバウンドのファーストゴロでベースカバーに入った投手との競走を制して内野安打にしてみせた。

結局この試合で西田は5打数4安打3打点という活躍で、15安打10得点をマークした打線を3番打者として牽引した。今後もこのバットコントロールのよい西田の打撃から目が離せない。

20190429東海大市原望洋 西田
4安打3打点の活躍をみせた東海大市原望洋の3番西田



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