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【夏の代表予想2019】~神奈川編~

明日から7月で、夏の甲子園出場をかけた各都道府県の地方大会も始まりまる。
ということで今年も各地区の代表予想をしていきたいと思う。

1回目は全国屈指の激戦区である神奈川です。

有力チーム紹介
今年の神奈川は東海大相模・横浜・桐光学園の三つ巴の戦いとなり、ここに慶応・桐蔭学園のノーシード勢がどこまでくらいつくかという展開を予想する。

◎東海大相模、横浜、桐光学園

△桐蔭学園、慶応

東海大相模は選手層が非常に厚く、春の関東大会を制し、練習試合などを含めても60連勝中と安定した戦いぶりをみせる。投手陣はエースと呼べる存在こそいないものの、コントロールが抜群のサイド右腕の紫藤、2年春には2枚看板の一角としてセンバツベスト4に貢献したカーブが武器の左腕野口、関東大会では前橋育英から完投勝利をあげた142㌔左腕の冨重、奪三振率の高い185㎝の1年生石田、そして夏は背番号1を背負う二刀流の146㌔の本格派右腕の遠藤とバリエーションに富み、門馬監督がどのような起用をするのか楽しみ。打線ではそれぞれが高校通算30発を超える、遠藤・山村・西川のクリーンアップが注目。特に山村・西川はまだ2年生でこの数字であり、1番センターを務める鵜沼とともに2年生にも逸材が揃っている。その他には春はケガで欠場したが、中軸も打てる正捕手で主将の井上、さらには巨人の金城コーチを父に持つ金城飛龍は内外野を守れ、勝負強いバッティングとレベルの高い走塁で貢献度が高い。
20190518東海大相模 遠藤3
遠藤(東海大相模)

ライバルの横浜は、センバツで明豊に大差で敗れるなど戦いぶりにバラツキは大きいものの、個々のレベルは全国屈指であり、また現在神奈川史上初の3連覇中と夏の強さも際立つ。投手陣は高校ビック4と呼ばれるプロ注目の153㌔左腕の及川、U18日本代表候補にも選ばれた186㎝の2年生左腕の松本、春は背番号1を背負うなどMax144㌔のストレートにSFFが武器で安定感がある2年生右腕の木下の3本柱。打線は主将も務め、U18日本代表候補の強打者内海が1・2番に入る攻撃的な打順。センバツはケガで代打のみであった度会(元ヤクルトの度会博文の息子)が春は3試合連続ホームランを放つなど復調し、同じく2年生の左の今日打者の冨田と3・4番を組む模様。センバツでは4番を務めた吉川もレギュラーに定着し、及川・木下もバッティングでも5番を打つなど力を発揮してきていて、1年生ながらライトのレギュラー獲得が有力な安達など打線の厚みは確実に増してきている。
20190602横浜 内海2
内海(横浜)

春季大会では準決勝で横浜を破り、関東大会出場を果たした桐光学園は、今年勝負の年を迎える。昨年のチームはレギュラーがほぼ下級生と経験者が多く、最終学年を迎える谷村・冨田の2人は1年夏からの2枚看板。スリークォーター右腕の谷村は、ストライク先行の攻めのピッチングが持ち味で安定感も抜群。冨田は鋭いスライダーが武器の左腕で、そのフォームもそっくりなことから松井裕樹2世との呼び声が高かった。ただ現在のチームになってから、この2人がその実力を発揮できているとはいえず、春には2年生左腕の安達が背番号1を背負った。安達はロッテの小島を彷彿とさせるフォームから、140㌔を超えるキレのあるストレートを投げ込み、横浜から完投勝利をあげている。谷村・冨田が復活すれば、この3本柱は全国でも屈指であり、神奈川2強を凌ぐ力は十分にある。打線は春には3試合連続ホームランを放つなどチームNo1の強打者である鈴木を2番に置く布陣であり、4番の安達は1年春から中軸も務める強打者で、登板時以外はファーストを務める。他にも横浜戦で3ランを放った唐橋や右のスラッガーである鵜沢が名を連ね、前チームがレギュラーであった選手でもその座が安泰でないほどの選手層の厚さである。
20190407桐光学園 安達
安達(桐光学園)

この3強を追うのが、昨秋に関東大会を制した桐蔭学園と、昨夏北神奈川を制した慶応の2校。桐蔭学園は走攻守に優れプロ注目の森が3番ショート主将とチームの中心で、4番川上やサードの川久保らの打撃も魅力。春はまさかの初戦敗退となったが、伊禮・山崎・渡部らで繋ぐ投手陣が練習試合では日大三を完封するなど大会前に好調をキープしているのは好材料。慶応も同じく春はまさかの3回戦敗退となったが、秋は桐光学園をコールドで下し、横浜相手に9回1死までリードを奪う戦いぶりをみせていた。投手陣は田口・駒形・山下とタイプのことなる3本柱と擁していて、打線は前チームから4番を務めるスラッガーの廣瀬を中心に、2年春のセンバツでは4番だった関、何でもできる器用な吉川、期待の2年生本間らが並び、主将の善波(明治大の善波監督の息子)が扇の要として守備をまとめ上げる。
20181110桐蔭学園 森
森(桐蔭学園)


~夏の神奈川のキーマン~
及川雅貴 横浜3年 投手
木下や松本も台頭してきた横浜であるが、この男の復活なくして甲子園出場はないだろう。U15日本代表ではエースとして活躍し、横浜では1年夏から甲子園のマウンドにも立った左腕は、ストレートはMax153㌔をマークするまでになり、130㌔中盤をマークする鋭いスライダーにチェンジアップも交えた投球で、その力はプロからトップクラスの評価を受けている。その一方やや安定感にかけるところがあり、2年秋には春日部共栄にコールド負けを喫すると、3年春のセンバツでも明豊戦で3回途中KO。その後はフォーム崩し、春はエース降格となり、まだ本来の投球は見せられずにいる。ただ2年春には東海大相模から2失点完投勝利をあげたように、本来の投球さえできれば、強豪ひしめく神奈川といえども、この及川を早々に打てるチームはいないだろうし、及川が完全に復調すれば、横浜を優勝候補の1番手として推せるレベルである。
20190602横浜 及川


組み合わせと代表予想

組み合わせ↓
2019夏の神奈川組み合わせ

数字だけ見れば東海大相模が圧倒的にも見えるが、その東海大相模の組み合わせが何とも厳しい。4回戦ではノーシードの慶応と対戦することなり(しかも夏の相模は慶応が苦手)、ライバル横浜とも準決勝で対戦することとなる。一方桐光学園は準々決勝で桐蔭学園(or横浜創学館)とぶつかるまでは強豪との対戦はなく、決勝で横浜・東海大相模の勝者と対戦する形となるので組み合わせ的には非常に有利。よって今回は確率的に桐光学園が1番甲子園に近いと判断して、代表予想は桐光学園とさせてもらう。


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JR東日本×巨人(3軍)【プロアマ交流戦】

6/23 プロアマ交流戦
JR東日本×巨人(3軍) @ジャイアンツ球場

試合経過

20190623JR東日本×巨人
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

都市対抗を来月に控えるJR東日本が、ジャイアンツ球場に遠征してのプロアマ交流戦。プロVSアマといっても、高校を卒業したばかりの選手も多い巨人に対して、大学球界でもトップクラスの成績を残したエリートが集まる社会人屈指の強豪であるJR東日本はその力の差は歴然。試合はその力の差がそのまま現れる展開となった。

巨人の先発はその通り高卒ルーキーの戸郷。戸郷は柔らかい肩関節を生かした大きめのテイクバックからサイドよりやや上の位置からいきなり147㌔のストレートを投げ込む。変化球もスライダー・シンカー・SFFと全て130㌔を超える変化球を投げ込み、球自体はスピードがあっていいものであった。ただ先頭の拜崎の打球はセンター前に落ちるポテンヒット(2ベース)となると、続く2番東條には粘られに粘られた12球目を右中間に運ばれ、打者2人で早くも1点を失う。3番近森は三振に仕留めるも、4番小室の打球をサード松井がはじいてしまうと、完全にリズムを失い、2死満塁から國松に押し出し死球、柴田には2点タイムリーを浴びてしまい、初回にJR東日本が4点を先制。
20190623JR東日本 東條
粘って12球目を打って先制タイムリーとしたJR東日本の東條

巨人はその裏、JR東日本の先発の平木に対して、2死から3番村上がライト前ヒットで出塁。すると4番に入った高卒1年目の松井は、さきほどのエラーの汚名返上とばかりにもう少しでホームランというライトフェンス直撃のタイムリー3ベースを放ち、巨人が1点を返す。巨人の4番松井という、野球ファンがワクワクしてしまう響きだが、その打撃内容も今後が楽しみな逸材である。
20190623巨人 松井
初回にライトフェンス直撃のタイムリー3ベースを放った巨人の4番松井

ただ戸郷は2回になっても、ストライクとボールがはっきりしてしまい投球で、四球と近森のヒットで1死1・2塁のピンチを招くと、JR東日本は4番小室が右中間に2点タイムリー2ベース。ここから勢いにのったJR東日本打線は、大城のタイムリーと柴田の2打席連続となる2点タイムリーなど、近森から始まって5連打を放ち、この回に5点を追加。戸郷は2回までに86球を投じて、9失点でこの回でマウンドを降りることとなる。

巨人は3回から2番手としてマウンドに上がったのは山下亜門。サイドスローに転向して、支配下登録を目指す左腕であったが、こちらも制球が安定しない。いきなり東條に死球を与えてしまうと、近森のヒットで無死1・2塁と前の回と全く同じ形でチャンスを作られてしまうと、JR東日本は4番小室が今度は左中間に2点タイムリー2ベース。さらに國松の死球で満塁となると、8番柴田は押し出しを四球を選んで3回までで3打席連続打点をマーク。JR東日本が3回までに11-1という大差をつける試合展開となる。
20190623JR東日本 柴田紘
3回にして早くもこの試合5打点をあげたJR東日本の柴田紘

JR東日本は4回表にも、巨人3番手の沼田から拜崎のヒットと東條の死球でチャンスを作ると、3番近森は逆方向のレフトフェンスを超える3ランホームラン。ただ沼田は4回には國松・柴田から連続三振を奪って2死とし、やっとJR東日本の攻撃を止めることができたかと思ったが…そこから山口雄・拝崎の連打で2死2・3塁のチャンスを作られると、吉澤のセカンドゴロをマルティネスが痛恨のエラー。JR東日本は続く3番近森が、(まだ5回にして)この試合4安打目となるタイムリーを放ち、5回までに全イニングで複数得点をあげることとなる。
20190623JR東日本 近森
3ランホームランを放ったJR東日本の3番近本

反撃したい巨人は5回裏、JR東日本の2番手大出を攻めて、高山の2ベースと死球でチャンスを作ると、1番マルティネスはこれまらエラーの汚名返上とばかりに、もう少しでホームランというセンターフェンス直撃の2点タイムリー3ベース。続く黒田も三遊間を破るタイムリーで続き、巨人がこの回3点を返す。
20190623巨人 マルティネス
2点タイムリー3ベースを放った巨人のマルティネス

巨人は6回から4番手として横川が登板。昨年は大阪桐蔭で春夏甲子園連覇を経験した左腕は、球速こそ130㌔台であるが、球持ちがよくなっていて、長身も相まって球があっという間にミットに納まるようなストレートを投じていた。登板した6回には服部・國松・さらには代打長谷川に3連打を浴びて1点を失うも、続く1死満塁のピンチを無失点で切り抜けると、7回はJR東日本打線を3者凡退。7イニング目にして初めてJR東日本の攻撃が無得点で終えることができた。
20190623巨人 横川
7回にはこの試合はじめてJR東日本の攻撃を無得点に抑えた横川

巨人はその後も、8回を直江が、9回を巽が無得点に抑える、ただJR東日本は6回から西居が、8回からは宮本とそれぞれの左右のサイドスロー投手が2イニングずつを無得点に抑えて、スコアは7回以降動かず試合はそのまま終了。JR東日本が格の違いを見せつけ、17-4で巨人に勝利した。
20190623JR東日本 宮本
8回・9回と2イニングを無失点に抑えて試合を締めたJR東日本の宮本


JR東日本はこの試合の位置づけとしては、都市対抗で起用できる選手の見極めが目的で会ったように見える。野手でいえば翌日から社会人日本代表合宿を控える丸子・渡辺・佐藤拓の3選手は遠征に帯同していないようで、序盤に得点差がついたこともあり、拝崎・東條・近森・小室といったレギュラーメンバーは早々にベンチに下げてしまった。その中でアピールに成功したと言えるのは、國松・柴田紘の2人であろうか?國松は3打数2安打4出塁という活躍で、守ってはセカンドとして9回表まで出場。JR東日本にも投手として入社した國松は、サードであったりショートであったり…昨年はキャッチャーも務め、高校時代には登板時以外は外野も守っていたことも踏まえるとほぼ全てのポジションをこなせる存在で、都市対抗でも打力に加えて、ユーティリティプレイヤーとしての需要もありそうだ。ルーキーの捕手である柴田紘は打撃では5打点の活躍。守備面でもこういう展開であったのでそれほど見せ場はなかったが、4投手を巧みにリードしてみせた。JR東日本は昨年やっと渡辺が正捕手に固定できたが、圧倒的な打力が武器の渡辺に対して、守備面では十分に柴田にも勝機はある。渡辺が日本代表候補合宿に出向いている間に、守備面でのアピールができれば、都市対抗ではキャッチャー柴田、DH渡辺という布陣もなくはないかもしれない。
20190623JR東日本 國松
この試合ではセカンドを守ったJR東日本の國松

投手陣も同様に都市対抗予選で登板した、太田・西田・伊藤・山口裕・石井といった主力投手陣はこの日は登板なし。代わりに都市対抗でリリーフとして期待される投手4人が細かく繋いで投げた。中でも2イニング6人をパーフェクトに抑えた3番手の西居と、ランナーを出しながら勝負どころでは三振を奪って2回無失点の宮本は都市対抗での登板に向けてアピールに成功したといえる。ただ左サイドの西居には、同じく変則気味の左腕の横田(セガサミー)が…、右サイドの宮本には同じく右のサイドスローの木村(東京ガス)が都市対抗では補強されていて、都市対抗の登板に向けてはまだまだ正念場といったところであろう。またJR東日本の投手陣はストレートはみな140㌔前後であったが、しっかりとコーナーを突き、また経験から来る投球術も冴えわたっていて、140㌔中盤から後半をマークしても打たれてしまう巨人の投手陣からしてみれば、いい見本になったことだろう。

その巨人であるが、3軍といえども4-17というスコアは不甲斐ないの一言で、井上監督が試合後には堀井監督に謝るシーンも見られた。その中でも1~3番の上位打線のメンバーは実力はみせていた。高い身体能力からフルスイングが魅力の3番村上は1人気を吐いて3安打、1軍経験もあるマルティネスはスイッチヒッターから左打に専念したようだが5回にはセンターフェンス直撃の2点タイムリー3ベース。高卒育成1年目ながら2軍の正ショートも務めていた黒田は、今日の巨人の内野では唯一安定した守備を披露し、5回にはタイムリーも放った。この3人に関しては、本来は2軍レベルの選手であり、(味方の選手に対してだが)格の違いを見せつけたというところだろう。
20190623巨人 村上
3安打を放った巨人の3番村上


Pickup Player
西居建陽 JR東日本 投手
~都市対抗での登板にむけて見事なアピール~
投手陣では都市対応での登板に向けての足きり的な意味合いもあったこの試合で、西居は足きり回避どころか見事にアピールに成功した。

西居は県立和歌山商では3年夏にエースとして活躍するも、2回戦で箕島に敗れるなど高校時代は大きな実績もなく、中部学院大に進学しても、3年春まではリーグ戦の登板はなかった。ただ3年秋にリーグ戦で初登板を果たすと、そこから課題のコントロールを改善し、4年春はケガのエース平岡(現:広島)に代わって先発1番手を務めると、3勝1敗の防御率0.96という成績を収めベストナインを獲得。4年秋には3勝0敗の防御率1.50という活躍でチームを優勝に導き、最優秀投手賞を受賞した。
JR東日本に入社した西居は、JABA大会や関東選抜リーグなどでは先発も務めるなど1年目から登板機会を重ねている一方、都市対抗予選では1イニングのみでの登板で、4強に進出した都市対抗本戦でも登板機会はなかった。

2年目の今季は大学時代はスリークォーターよりのサイドスローだったフォームから、さらに腕の位置を低くしたようであり、ストレートはクロスファイヤー気味の横の角度に加えて、下からやや浮き上がるような印象のある球に。巨人の選手もあまり見たことのない球のようで、このストレートで空振りをとることができていて、また角度をつけてコーナーに決まった球には手がでないという状態。6回から3番手として登板したが、6・7回と打者6人をパーフェクト。スライダーも投げていたが、上記のストレートが多めで奪った三振3個は全てストレートであった。タイプ的には左バッターにぶつけたい西居であるが、6回は右バッターが3人並んでいても完璧に抑えるなどリリーフとしての使い勝手がよさそうだ。

絶対的なエースこそいないものの、投手陣の層は厚いJR東日本。これに横田(セガサミー)、木村(東京ガス)といった投手陣も加わり、都市対抗での登板は簡単なことでない。ただ昨年は都市対抗のマウンドに立つことのできなかった西居としては、今年は何が何でも東京ドームのマウンドに立ちたいところ。プロとしても需要がありそうな左のサイドスローだけに、そこで結果を出せば、ドラフト解禁となるこの秋の指名も十分にあり得る逸材だ。

20190623JR東日本 西居
2イニングパーフェクト3奪三振の好投をみせたJR東日本の西居


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テーマ : 社会人野球
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大学日本代表候補合宿紅白戦②

6/22 大学日本代表候補合宿
Aチーム✕Cチーム @日体大健志台球場

試合経過

20190622大学日本代表候補合宿紅白戦②
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

大学日本代表候補合宿は2日目。この日は野手を3チームに分けて、6回の紅白戦を総当たりで3試合行い、投手は全員が2イニングずつ登板するという予定であった。しかし平塚球場で始まった試合は雨のために中断…午後から人工芝の日体大健志台球場に場所を移して紅白戦2試合が行われることとなった(3試合目は3日目に行う)。そんな2日目の紅白戦の2試合目(Aチーム✕Cチーム)をレポートします。

Aチームが早川、Cチームが坂本と東西を代表するエース左腕の先発で始まった試合。しかし坂本は立ち上がりピリッとせずに、先頭の小川龍にヒットを浴びると海野には四球を与えてしまい、児玉にはライト前に運ばれアウトを1個もとれないまま先制点を与えてしまう。しかしここで冷静になれたのか、続く1死2・3塁のピンチでは1試合目で絶好調であった宇草を打ち取り、佐藤都もショートフライに仕留めてピンチを凌ぐと、2回も3人で斬ってみせた。
20190622大学日本代表候補合宿 児玉
先制タイムリーを放つ児玉(九州産業大)

一方のAチームの早川は2イニング限定ということで初回からエンジン全開で、2回を投げて打者6人に対して5奪三振パーフェクトと、この日投げた早々たる投手陣の中でNo1といえる投球をみせた。

Cチームは3回から、日体大のマウンドに凱旋となってしまった北山が登板。北山は3回表に海野・児玉と2四球を与えてしまうが、最後は宇草をスライダーで三振に仕留め無失点。続く4回表も先頭の佐藤都にヒットを浴びるも、4番渡部は併殺に打ち取り。2イニングを無失点で切り抜けた。ランナーを出しても落ち着いた投球ができていた一方、北山が代表に入るとするとMax154㌔を誇るストレートを武器にしたリリーフが見込まれるが、この試合では146㌔止まりであったのがやや残念であった。
20190622大学日本代表候補合宿 北山
ホームのマウンドで2回無失点の投球をみせた北山(日体大)

4回裏にはちょっとした珍事が発生。Cチームは前の回は3番野口で攻撃が終了したが、4回裏の先頭として打席に入ったのは古間木。この古間木は実はCチームの9番DHとして、この試合に出場していたが、3回の打順ではブルペンで投球を受けていたこともあり、打順を抜かされてしまっていて、代わりにこの回の先頭として打席に入っていた。その古間木はピッチャーゴロに倒れるも、続く4番森下はAチーム2番手杉尾の球を捉えるとと、打球はバックスクリーンに直撃する同点ホームラン。1年生ながらCチームの4番に名を連ねた強打者が、代表入りに大きくアピールした。
20190622大学日本代表候補合宿 森下
バックスクリーンに同点弾を放った森下(中央大)

5回からCチームの3番手としてマウンドにあがった宇田川は、変化球が浮いてストレート頼みの投球となってしまうも、ピンチを何とか切り抜けて2回無失点。Aチームの3番手の内間も、四球を出しながらも2回を無安打無失点に抑える好投。両投手ともにまだ3年生であるので、来年の代表としても楽しみな投球を見せてくれた。これで試合は1-1のまま試合終了し、引き分けで2試合目は終えた。
20190622大学日本代表候補合宿 内間
Aチームの3番手として2回無失点の好投をみせた内間(亜細亜大)


この紅白戦でアピールに成功したのは何といっても6人をパーフェクト5奪三振という圧巻の投球をみせた早川で、代表入りは確実。時点は2イニングノーヒット無失点の内間であるが、代表決定というほどのインパクトはなかった。宇田川と北山も無失点であったが、投球内容にバラツキがあった。2人とも本来のストレートは非常に素晴らしいものがるので、そこを評価してもらえるかが焦点となる。逆に坂本は若干厳しい状況か…坂本の投球自体は1点を失った直後に見事に立て直してみせたが、ライバル左腕である早川、1試合目にながら佐藤隼らの投球内容が素晴らしかっただけに厳しい。


野手ではこの試合では投手戦となったこともあり、アピールできた選手は少なかったといえる。中でも初回に得点をとったAチームの3人はさすがであり、打撃も向上した捕手の海野、昨年のこの合宿で一躍名をあげて2年ながら代表のショートの座を掴んだ児玉は2年連続での選出が濃厚であり、その前を打った小川龍も走攻守揃った能力の高さをみせタイプ的にも生田監督が好みそうなタイプだ。ホームランを放った森下もインパクトは抜群で、1年生での代表選出も大いにある。昨年は代表で4番も務めた佐藤が、この日は手首にテーピングをまいていて、野手メンバーでは唯一の紅白戦不出場。この佐藤に代わるスラッガーとして、渡部らとともに森下にかかる期待も大きい。
20190622大学日本代表候補合宿 小川龍
初の代表選出にむけアピールに成功した小川龍(国学院大)


Pickup Player
早川隆久 早稲田大3年 ピッチャー
~見せつけた早稲田のエースの実力~
Aチームの先発としてマウンドにあがった早川の投球は、間違いなく今日投げた12人の投手の中でNo1といえるものであった。

早川は木更津総合では1年秋から、1個上の鈴木(JX-ENEOS)との2枚看板として活躍し、計34イニングを投げて防御率0.00という成績で、関東準Vに貢献した。2年春のセンバツでは岡山理大付戦で7回2失点で勝ち投手となるも、続く静岡戦では5回までに3点を失い敗れた。2年夏は原崇(ロッテ)率いる専大松戸に敗れて甲子園出場を果たせなかったが、背番号1をつけた2年秋には千葉大会の準決勝で専大松戸から完封勝利をあげてリベンジに成功すると、その勢いで関東大会も制した。3年春のセンバツでは2回戦で大阪桐蔭から1失点完投勝利をあげるも、続く3回戦で秀岳館に敗れた。3年夏も甲子園に出場すると、初戦で唐津商、さらには堀瑞樹(日本ハム)と投げ合った広島新庄戦と2試合連続で完封勝利をあげるも、準々決勝では優勝した作新学院の前に敗れた。大会後にはU18日本代表にも選出されている。

プロからも注目されたが早稲田大に進学すると、1年春からリリーフとして登板。ただ期待とは裏腹に2年春までの3シーズンではいずれも防御率が4を超えるなど登板機会はあるものの、これといった結果を残せずにいた。ただ2年秋に8試合に登板して、尾防御率1.72とリリーフエースとして頭角を現すと、小島(ロッテ)の抜けた今季はエースとして君臨。3勝2敗の防御率2.09でという成績であったが、6失点を喫した明治大戦を除くと、すべての試合で自責点は2以下で防御率1.20という安定した投球を披露していた。

そんな投球が評価されてか、2年冬に続いて大学日本代表候補合宿に招集。紅白戦ではこの2試合目にBチームの先発として登板した。クロス気味にステップし、出処のみづらい左腕らしいフォームから繰り出すストレートはMax149㌔をマークしたらしく、これにスライダー・チェンジアップを混ぜた投球。ただ2イニングと決まっていたため、先発のときと違ってフルスロットで、いきなりライバルの慶応大柳町から三振を奪うと、そこから4者連続三振。決め球としては右バッターに対しては、足元のボールにもなる鋭いスライダー、左バッターにはコースにストレートを投げ込んで三振を奪っていった。2回にはチームメイトである福岡をピッチャーゴロに抑えるが、結果からいえばこれが早川が前に飛ばされた唯一の打球。打者6人に対して5奪三振パーフェクトという圧巻の投球でマウンドを降りた。

ちょうど3年前に18日本代表であった早川は、ZOZOマリンで行われた大学日本代表との壮行試合に先発。今日の投球内容で、今度はその早川が大学日本代表のユニフォームに袖を通すことは、ほぼ確実となった。早稲田のエースに求められるのは大学球界のエースとなることであり、森下ら強力なライバルはいるものの、大学日本代表でもエースの座を手にして、8月には今度は早川が高校日本代表相手に投げるというシーンも見たいものだ。

20190622大学日本代表候補合宿 早川
2回を投げて6人パーフェクト5奪三振と圧巻の投球をみせた早川(早稲田大)

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全日本大学野球選手権のベストナインを選んでみた

明治大の38年ぶりの優勝で幕を閉じた今年の全日本大学野球選手権。
そんな全日本大学野球選手権のベストナインを勝手に選んでみました。
※これまでの実績とかドラフト候補だからとか関係なく、純粋にこの大会の結果から選びました

ピッチャー
森下暢仁 (大分商→明治大4年)

東洋大との決戦では見事に完封勝利をあげると、決勝でも佛教大を1失点完投勝利。ともに前日の試合での温存から、満を持して挑んだ2試合で最高のピッチングをみせ、大会通じて18回1失点でMVP・最優秀投手賞を獲得。
20190525明治大 森下

キャッチャー
坪倉斗真 (近江→佛教大4年)

ベンチ入りした6投手全員をリードして、チームを準優勝に導くと、打っても2回戦以降では全試合でヒットを放ち、18打数7安打の打率.389。特に準決勝では逆転の口火をきるヒットをはじめとして3安打を放つ活躍が光った。
20190616佛教大 坪倉

ファースト
喜多真吾 (広陵→明治大4年)

準決勝ではバックスクリーンにとどめとなる2ランホームランを放つと、決勝でも9回に走者一掃のタイムリー2ベース。試合終盤での試合を決める貴重な1打が際立った。
20190616明治大 喜多

セカンド
前田勇太 (奈良大附属→佛教大4年)

準決勝・決勝ではともに2安打ずつを放つ活躍で、準決勝では前田のバントが相手のエラーを誘い逆転に繋がる落暉ボーイぶりも発揮。明治大戦での1・2塁間のダイビングキャッチなど守備でもチームを盛り立てた。
20190616佛教大 前田

サード
北本一樹 (二松学舎大付→明治大4年)

福井工大戦では3ランホームランを含む3安打4打点の活躍をみせると、続く東洋大戦でも2本のタイムリー2ベース。明治大の4番として4試合全てでヒットを放ち、打率.538で首位打者を獲得した。
20190616明治大 北本

ショート
杉崎成輝 (東海大相模→東海大4年)

初戦の立命館大戦では均衡を破る左中間への2点タイムリー3ベース、準々決勝の大商大戦では同点ホームランを放った。東海大の好守の要として活躍し、大学日本代表候補合宿にも追加招集された(ただケガで辞退)。
20190616東海大 杉崎

外野
八木風磨 (北稜→佛教大3年)
1回戦で途中出場ながら大逆転に繋がる貴重なタイムリーを放つと、準々決勝からは1番打者としてスタメンに定着。3試合で計9安打を放ち、規定打席に達していないため首位打者は逃したが、15打数10安打で打率.667とヒットを量産した。
20190616佛教大 八木

野嶋惇登 (県立和歌山商→佛教大3年)
東海大戦では山崎からライトスタンドに2ラン、決勝戦でも最終回に森下から意地のタイムリー2ベースを放つなど好投手相手に素晴らしい打撃をみせ、大会通じて15打数6安打4打点をマークした。
20190616佛教大 野嶋

木岡大地 (上宮太子→佛教大2年)
愛知工大戦では先制の2点タイムリー2ベース、東北福祉大戦では同点のタイムリー3ベースを放つなど、ミート力の高さをみせつけ打率.375をマーク。決勝戦ではセンターからの素晴らしい送球で犠牲フライを阻止した。
20190616佛教大 木岡

指名打者
榎本竜成 (流通経済大柏→東農大北海道オホーツク4年)
近大工学部戦ではソロホームランを含む4安打、続く大体大戦では8回に逆転3ラン(試合は3-2で勝利)を放つなど、13打数6安打2ホーマー5打点とDHとして見事な成績を収めた。
20190616東農大北海道オホーツク 榎本


今大会大躍進した佛教大からは最多5人を選出。ただその前にはやはり森下が立ちはだかり、明治大が優勝を手にしたというところでしょうか?

以上です。異論は認めます。


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佛教大×東海大【全日本大学野球選手権】

6/16 全日本大学野球選手権準決勝
佛教大×東海大@神宮球場

試合経過

20190616佛教大×東海大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

全日本大学野球選手権の準決勝2試合目は、2014年以来の優勝を目指す東海大と、八戸学院・東北福祉大と東北の強豪2大学を9回に大逆転で破るなど今大会の台風の目になっている佛教大の戦いとなった。

東海大の先発は山崎。立命館大戦では153㌔を見せるなど圧巻のピッチングを見せ、大商大戦では4回無失点リリーフと今大会好調の右腕であったが、この日はどこか乗り切れない。いきなり絶好調の1番八木にレフト前に運ばれると、続く2番吉村のバントは3塁線の絶妙なところで止まり、野嶋が送って1死2・3塁。4番石井は2球で追い込むも、そこから四球を与えてしまい満塁と東海大にとって非常に嫌な流れとなる。しかしここで山崎のエンジンがかかったか、5番木岡の打席ではこの日最速となる148㌔をマークしてセカンドゴロに打ち取ると、6番坪倉は低めの変化球で三振に斬ってとる。
20190616東海大 山崎
初回のピンチは何とか凌いだ東海大の先発山崎

佛教大のエース中村怜は、力のいい感じに抜けたフォームから140㌔を超えるストレートにスライダー・フォークを駆使した王道のピッチング。初回に串畑の2ベースから1死1・2塁のピンチを迎えるも、海野・藤井をフライに打ち取ってピンチを凌ぐと、2・3回も順調に東海大打線を抑えていった。
20190616佛教大 中山怜
佛教大の先発中山怜

そんな0-0のまま3回まで進んだ試合であったが4回裏、東海大は1死から藤井が内野安打で出塁すると、植村のところでヒットエンドランが見事に決まって1・3塁。7番主将の長倉は見事にセンター前に運んで東海大が先制。さらに8番宮地もレフト前ヒットと、2015年甲子園優勝の東海大相模メンバーの連続タイムリーで2点目。9番高田にも犠牲フライが飛び出して、東海大が3-0とリードを奪う。佛教大はここでエース中山怜から、今大会はリリーフながら2勝をあげている左腕の木下にスイッチする。
20190616東海大 長倉
先制のタイムリーを放った東海大の主将長倉

追撃したい佛教大は5回表、先頭の八木がヒットで出塁すると、2番吉村はバントに失敗するも、3番野嶋が山崎のスライダーを見事にすくい上げると打球はライトスタンドに飛び込む2ラン。山崎は本調子でないものの、初回から何とかピンチを凌いではいたが、1点差に迫られたところで、東海大のマウンドに2番手として左腕松山を送る。
20190616佛教大 野嶋2
追撃の2ランを放つ佛教大の3番野嶋

佛教大は6回表に先頭の坪倉がヒットで出塁。続く森本のバントはサード串畑が2塁へ送球するもこれが逸れて(記録はエラー)無死1・2塁。さらに続く前田のバントを今度は松山が1塁に暴投…ボールが1塁側のブルペン付近を転々とする間に1塁ランナーの森本まで生還して、東海大の守備の乱れで佛教大が逆転に成功する。さらに佛教大は唐澤が3人連続バントとなる送りバントを決めて1死2・3塁とすると、1番八木がレフト前にしぶとく落とすタイムリー。準々決勝では4番石井のスクイズで勝つなどバントをこの大会では有効に使っている佛教大が、この試合でもバントを絡めて5-3と逆転に成功する。
20190616佛教大 森本
逆転のホームを踏む佛教大の森本

佛教大は8回表にも、1死から前田がショート内野安打で出塁すると、唐澤が送って2死2塁。1番八木はファーストゴロであったが、俊足を生かしてこれを内野安打にすると、途中出場の2番岡田はライト前へのポテンヒットを放ち、6点目をあげる。

佛教大の2番手木下は5~7回と東海大をノーヒットに抑える素晴らしいピッチングを見せていたが、終盤やや疲れが見え始める。8回に海野の内野安打にエラーが絡んで初めて得点圏にランナーを背負うと、5番藤井にはサード後方に落とされるタイムリー2ベースを浴びて初失点。ただ続くピンチでは代打門馬(東海大相模の門馬監督の息子)を三振に仕留めて、最少失点で切り抜け。佛教大が2点リードのまま最終回を迎える。
20190616東海大 藤井
8回裏にタイムリーを放った東海大の5番藤井

9回表にレフト高田の好返球でホーム刺殺と流れをもって、最後の攻撃に臨んだ東海大は、先頭の宮地が死球で出塁すると俄然盛り上がりをみせるも、高田・千野が連続三振、さらには2番串畑がピッチャーゴロでゲームセット…と思いきや、何でもないピッチャーゴロだったのに木下がこれを1塁に暴投して2死1・3塁。長打が出れば同点という場面で打席には、東海大相模の先輩の杉崎に代わって途中からショートに入っていた1年生の小松を迎える。小松は追い込まれてからの変化球をうまく流し打つも、この3塁線の強烈なライナーをサード森本がダイビングキャッチ。抜けていれば同点もあり得た打球を森本がファインプレーで防ぎ、佛教大が6-4と逃げ切って勝利



今大会が始めるまでは決して前評判が高いとは言えなかった佛教大だが、八戸学院・愛知工業大・そして昨年の王者東北福祉大を次々に撃破すると、ついにはこの準決勝で東海大も撃破し決勝にコマを進めた。このうち3試合が逆転勝利であり、まさにミラクル佛教大である。ただこの試合では6回に東海大の自滅もあったものの、強力投手陣に対して佛教大が浴びせたヒットは、なんと計14本とその打力は見事であった。中でも今大会絶好調で、この試合でも4安打とヒットを量産しているのが1番の八木。1回戦・2回戦はベンチスタートであったが、1回戦での貴重なタイムリーが評価され、準々決勝から1番打者としてスタメンに名を連ねると3安打の活躍。この試合までで11打数8安打と驚異のアベレージを残してい。東海大に比べればエリートといえる選手が集まっていない佛教大だが、この八木は北稜(京都)と野球ではほぼ無名の高校出身。まさに今の佛教大を象徴するような選手であり、このままの流れで次は、大学球界No1投手といわれる超エリート森下に挑んでほしい。
20190616佛教大 八木
タイムリーを含む4安打の活躍をみせた佛教大の1番八木

対する東海大は自滅もあり、また自慢の戦力がその力を発揮せずに敗れてしまった。中でも150㌔トリオを擁する投手陣は、先発の山崎がこれまでの2戦と打って変わって苦しいピッチング…。2番手の松山はそれほど悪くはなかったが、自らもバント処理で暴投をするなど、バント攻撃にやられて流れに乗れなかった。頼みのリリーフエース小郷も1/3回で不自然に降板であり(のちに大学日本代表候補合宿を辞退したのでケガかと思われる)、最後に登板した原田は今大会を通じてエースの姿ではなかった。打線でも大商大戦ではホームランを放つなど、昨年のケガから復活を果たした3番ショートの杉崎が3三振でまさかの途中交代。杉崎も後に大学日本代表候補合宿を辞退しているのでケガかと思われるが、最後の場面の1打同点の場面で、杉崎の代わりに入った1年生小松に打順が回ってきてしまったのは何とも皮肉な結果であった。
20190616東海大 杉崎
3三振で途中交代とケガなのか本来の力を発揮できなかった東海大の杉崎



Pickup Player
木下隆也 佛教大2年 投手
~3度目の0-3からの登板で逆転を呼びこむ好リリーフ~
4回のピンチから2番手としてマウンドにあがった木下の好投が、佛教大に流れを呼び込んだ。

木下は奈良大附属高では2年秋から背番号1を背負い、大西との2枚看板として活躍。3年春の奈良大会で準優勝を果たすと、3年夏も5試合中4試合に先発すると、計24回5失点の好投。ただ決勝戦では神野率いる天理に1-2で敗れて、またもや準優勝となってしまった。佛教大では1年春よりリーグ戦登板を果たすと、秋には先発も務めリーグ戦初勝利。この春はリーグ戦では3試合の登板にとどまるも計5回無失点であった。

この試合では3点を奪われた後の4回のピンチで、2番手としてマウンドにあがった木下。いきなり鋭いスライダーで千野から三振を奪ってピンチを脱すると、5~7回は東海大打線をノーヒット無得点に抑える快投をみせた。木下は憧れというソフトバンク和田をモデルにしたフォームから、Max143㌔のストレートと絶対的な自信をもつスライダーのコンビネーションで打者に向かっていく投手。ストレートとスライダーの両方で空振りを捕ることができていて、リリーフながら奪った三振はなんと8個。終盤は疲れが見え始め、8回には今大会初失点を喫すると、9回には自らのエラーもあってピンチを招くも凌ぎ切った。結局5回1/3を投げて、2安打8奪三振1失点(自責点0)という素晴らしい投球であった。

見事な好リリーフで、木下がチームの逆転を呼び込んだのは、何と今大会3回目。1回戦の八戸学院戦、準々決勝の東北福祉大戦でもこの日と同じように0-3と3点ビハインドの場面で登板し、最終的にはチームの逆転により勝ち投手になっている。これでリリーフながら3勝をあげた木下、実力もさることながら、この持っているリリーフには決勝でも期待したいところだ。
(残念ながら決勝では木下の登板はなかったですが、今大会13回1/3を投げて失点1という成績で敢闘賞に選ばれました)

20190616佛教大 木下
5回1/3をなげて1失点でリリーフながら今大会3勝目をあげた佛教大の木下



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創価大×東北福祉大【全日本大学野球選手権】

6/11 全日本大学野球選手権2回戦
創価大×東北福祉大 @東京ドーム

試合経過

20190611創価大×東北福祉大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

全日本大学野球選手権は2日目の第4試合に、ついに前年度王者の東北福祉大が登場。対するはドラフト候補3本柱を擁し、前日の1回戦では大阪工業大を破って、この2回戦にコマを進めた創価大。試合はともに強力投手陣を擁する両チームの前評判ン通りのロースコアの展開となった。

東北福祉大の先発はこの春リーグ戦で5勝0敗、防御率0.00という圧倒的な成績を残した左腕山野。今年のドラフト候補筆頭であり、昨年のこの大会では最優秀投手賞を獲得した津森はリリーフエースとして控える陣容である。山野は130㌔台中盤のカットボールを中心に投球を組み立て、ここぞという場面では力をいれた140㌔を超えるストレートを投げ込むという持ち前のクレバーな投球を展開。3回表にはやや制球を乱して3四球で満塁のピンチを迎えるも、最後はこの春リーグ戦でMVPを獲得した創価大の5番保科を三振に斬ってピンチを脱する。5回まで打たれたヒットは萩原の内野安打(それもボテボテのサードゴロ)のみの無失点と素晴らしい投球をみせる。
20190611東北福祉大 山野2
5回まで内野安打1本に抑える好投をみせた東北福祉大の先発山野

創価大の先発は望月。前日の試合ではエース杉山が先発して、この望月がリリーフという起用だったので、この2戦目には3本柱のもう1人である小孫が来るかと思っていたが、前日の好投が評価されたかこの望月がマウンドにあがった。その望月は岸監督の起用に応え、山野にひけをとらない素晴らしいピッチング。187㎝長身を生かして真上から投げ込む角度のあるストレートはMax146㌔をマークし、特にこの日効いていたのは大きく曲がる110㌔台のカーブで、130㌔前後のチェンジアップとともに東北福祉打線のタイミングをずらすのに効果的であった。東北福祉打線は初回に2個の死球でチャンスを作るも、2~4回は3者凡退となり、無安打のまま4回を終える。
20190611創価大 望月2
4回までノーヒットピッチングをみせた創価大の望月

ただ5回裏、東北福祉大に出た待望の初ヒットは7番楠本の先制ホームラン。DeNA楠本泰史を兄に持ち、その兄と同じく花咲徳栄→東北福祉大という経歴を歩んでいる左の強打者は、カウント2B1Sからの高めのストレートを捉えると、打球は見事にライトスタンドに飛び込んだ。これまでボールを低めに集めていて、内野ゴロを量産していたも望月にとってはやや高めに浮いてしまった痛恨の1球となったが、それでも力のある球であり、それをライトスタンドに運んだ楠本を褒めたい場面であった。
20190611東北福祉大 楠本
先制のホームランを放った東北福祉大の楠本

東北福祉大は山野が6回まで1安打無失点と素晴らしいピッチングを見せていたが、7回からはリリーフエースの津森がマウンドに上がる。津森はいきなり代打藤原魁にヒットを浴びてピンチを招くも、高・下小牧と創価大打線の自慢の1・2番を打ちとりピンチを脱する。津森はサイドから、自己最速タイとなる149㌔をマークしたストレートを主体に、スライダー・シンカーといった変化球を交えた津森らしい投球を展開。8・9回も創価打線を寄せ付けずに、東北福祉大が1-0のまま逃げ切った。創価大は望月が8回2安打1失点完投と素晴らしいピッチングを見せるも、打線が援護できずに敗れてしまった。
20190611東北福祉大 津森
7回から3イニング無失点の好リリーフで試合を締めた東北福祉大の津森



東北福祉大の継投が見事にはまった試合であった。先発の山野は6回まで1安打9奪三振無失点と完璧な内容であったが、大塚監督は、7回のマウンドには津森を送った。現在の大学球界でもトップクラスの投手である津森であっても、1点のリードしかないこの場面での登板はプレッシャーがかかるところであるが、3回無失点と見事に仕事を果たした。打線は楠本の1発のみの2安打と沈黙してしまったが、この投手陣がいれば連覇にむけて視界は良好であった。この時はまさか次の試合で津森が3点差を逆転されて敗れるなんてことは想像もつかないゲームであった。

敗れた創価大の投球も絶賛に値するものであった。そのポテンシャルは誰もが認めるところながらも、これまではどこか杉山・小孫に次ぐ存在という印象であったが、この全国の舞台で一気にこの2人に匹敵する存在であることを証明した。この試合では自己最速タイの146㌔をマークしていたが、187㎝という体格を生かせばまだまだ球速も出そうであり、これからの伸びしろも含めれば、スカウトの評価は創価大のドラフト候補トリオの中でもトップかもしれない。

ただ創価大打線は全く持ってこの試合に機能しなかった。打線の核である4番山形は2ベースを放ち2四球とそれほど悪くなかったが、その次を打つ5番保科がリーグ戦MVPを獲得した打棒を発揮できずに2三振ノーヒット…創価大打線の売りである経験豊富な高・下小牧の1・2番もノーヒットに抑えられてしまい、中軸の前にあまりチャンスを作りだせなかったのも痛かった。
20190611創価大 保科
リーグ戦ではMVPを獲得した創価大の保科であったが、この試合では東北福祉大投手陣の前にノーヒットに抑え込まれた



Pickup Player
山野太一 東北福祉大3年 投手
~6回2安打9奪三振の完璧投球~
東北福祉大の先発の山野は、6回2安打9奪三振無失点と完璧な投球をみせた。

山野は高川学園では2年夏からエースとなり、山口ベスト8に進出。その後は肩痛などで離脱するも、3年夏には全6試合に先発いし、準決勝の長門戦では8回参考ながらノーヒットノーランを達成するなどして、高川学園を初の甲子園出場に導いた。甲子園では初戦で履正社と対戦し、寺島(ヤクルト)と投げ合うも0-5で敗れた。

東北福祉大では1年春から先発で起用され、ライバル仙台大戦との試合でも8回無失点12奪三振の好投をみせるなどして4勝0敗の成績を収め、新人賞を獲得。1年秋はまた肩痛で3イニングのみの登板に終わるも、復帰した2年春には再び4勝0敗の成績を収め、ベストナインを獲得。しかし優勝した全日本大学野球選手権では、2試合に先発も5回、2回で降板していて、やや無念さの残る優勝となった。この春は5勝0敗、36イニングを投げて防御率0.00という圧倒的な成績を残し、またこの全日本大学野球選手権の舞台に帰ってきた。

この大事な初戦で先発を任された山野は、130㌔中盤のカットボールを中心とした投球で、さらにスライダー・カーブ・チェンジアップなどの変化球で創価打線のタイミングを外していた。2回には3四球を与え満塁のピンチを招くなど、この試合では山野にしてはやや四球が多かったが、勝負ところでは力を入れてMax144㌔のストレートも交えながら三振を奪うことができていた。このように打者を見ながら冷静に投げることもできていて、余裕すら感じられる投球であったので、予定通りであったのだろうが6回で降板というのは非常に残念であった。それでも6回を2安打無失点9奪三振という素晴らしい投球内容で、津森にバトンを渡した。

仙台六大学野球連盟では無双状態にありつつある山野。どちらかというと小柄で実戦的な左腕であるために、来年のドラフトに向けては全国の舞台で成績を残すことは重要になってくる。今後はさらに結果を残して、津森のリリーフも要らないというような投手になって欲しいものだ。

20190611東北福祉大 山野1
見事6回2安打9奪三振無失点の好投をみせた東北福祉大の山野



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立命館大×東海大【全日本大学野球選手権】

6/11 全日本大学野球選手権1回戦
立命館大(関西学生野球連盟代表)×東海大(首都大学野球連盟代表) @東京ドーム

試合経過

20190611立命館大×東海大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


関東と関西の強豪が初戦で激突することになった1回戦でも屈指の好カード。東海大はこの重要な初戦のマウンドにエース原田でなく、リーグ戦では先発2番手ながらもMVPを獲得した山崎を送り出したところ、この山崎が成長を感じさせる素晴らしいピッチを見せる。ストレートは150㌔を超える球を当たり前のように投げ込み、これに130㌔中盤のカットボールがキレキレ。この2つの球を軸にスライダー・カーブ・SFFなども交えたピッチングで立命館打線を圧倒し、3回までノーヒットピッチング。4回には井上に初ヒットを浴び、そこから2死2塁のピンチを迎えるも最後は5番榮枝を(自己最速を更新する)153㌔で見逃し三振に仕留めてピンチを切り抜けた。
20190611東海大 山崎
自己最速の153㌔をマークするなど圧巻のピッチングを披露した東海大の先発山崎

立命館の先発は予想通りエース坂本。こちらは山崎のように凄い球を投げるわけではないが、Max142㌔のストレートにスライダー・チェンジアップをコントロールよく投げ込む安定したピッチング。特に落ちるチェンジアップは有効でこれで東海大打線から多くの空振りを奪っていた。こちらも関西学生連盟のMVPとしての力を遺憾なく発揮し、試合は0-0のまま前半戦(5回)を終える。
20190611立命館大 坂本
こちらも5回まで無失点ピッチングをみせた立命館大のエース坂本

6回裏、東海大は2死から1番千野がセーフティバントで出塁。2番串畑がセンター前ヒットで続いて、1・2番コンビで2死1・2塁のチャンスを作る。ここで迎えた3番杉崎は左中間を破る2点タイムリー3ベースを放ち、東海大が均衡を破って2点を先制する。
20190611東海大 杉崎
先制の2点タイムリー3ベースを放つ東海大の3番杉崎

7回表、立命館大はリーグ戦では大本の控えに甘んじていたがDH制のこの全日本大学野球選手権では打力を生かして5番に入った榮枝がセンター前ヒットで出塁。続く三宅はバスターは、決していい当たりではなかったが2塁よりにいたショートの逆を突く形で内野安打となり無死1・2塁。8番池上はリーグ戦首位打者の力を見せつけ、右中間にタイムリー2ベースを放ち1点差。ここで東海大はマウンドにリリーフエースで、大学日本代表候補でもある小郷をマウンドを送る。ただここでキャッチャー海野から3塁牽制がまさかの暴投となり同点。さらに立命館大は代打山本がセンターに犠牲フライを放ち3-2と逆転に成功する。
20190611立命館大 山本
逆転となる犠牲フライを放った立命館大の代打山本

逆転した立命館大は8回裏からマウンドに2番手として有村をあげる。しかし有村は1死から千野・串畑に連打を浴びて1・3塁とされる。6回に続いて春リーグ戦ベストナインの1・2番コンビでチャンスを作った東海大は、杉崎が敬遠気味に歩かされて1死満塁で4番海野を迎える。ここまで3タコと打撃面ではいいところのなかった海野であるが、カウント2B2Sからの5球目のストレートを叩くと打球は高いバウンドで三遊間を抜ける逆転の2点タイムリーとなる。
20190611東海大 海野1
逆転タイムリーを放つ東海大の4番海野

東海大の小郷はMax152㌔のストレートに持ち前の縦のスライダーを駆使したピッチングで立命館打線の打者8人に対して、ヒットを許さず、4個の三振を奪う力投をみせてゲームセット。そのまま逃げ切った東海大が4-3で立命館大に勝利し、2014年以来の大学日本一に向けて好発進した。
20190611東海大 小郷
見事打者8人連続でアウトに仕留めた東海大のリリーフエース小郷


序盤は両先発の素晴らしい投手戦となった試合は、結果的に継投がポイントとなった。立命館大はエース坂本は2点を失ったとはいえ、次の7回もマウンドにあがると東海大打線を抑えていて、7回終了時にはまだ球数は84と少なかった。リーグ戦でいえば坂本は5完投も記録していて、これならば坂本で行くところまでいくのかと思いきや、8回のマウンドに有村が上がったのは意外であった。有村は先発2番手の投手であったが、立命館大は他に頼りになる投手がおらず、代えるのであれば有村は妥当であったといえる。しかしこの春はリリーフ経験の少なかった有村は普段と勝手が違ったか逆転を許してしまう。
20190611立命館大 有村
立命館大の2番手として登板した有村

対する東海大は先発の山崎から、リリーフエースである小郷にスイッチ。小郷は昨年からリリーフ専門で活躍している投手であり、大学日本代表でもあるだけに経験十分。登板した直後に勝ち越しの犠飛を許したものの、対戦した8人の打者全員をアウトにとり、味方の逆転を受けて勝ち投手となった。先発ピッチャーをリリーフに回すしかなかった立命館大と、確固たるリリーフエースが控えていた東海大…この2チームの投手層の厚さがそのまま結果に繋がったともいえる。

東海大打線で注目だったのが、2015年夏の甲子園を制した世代の東海大相模4人衆。1番千野、3番杉崎、5番長倉、9番宮地はともに甲子園優勝時のレギュラーであり、この試合でも4人揃ってスタメンに名を連ねた。特に1番千野は3安打の活躍で、得点をあげた6回・8回の攻撃はともにこの千野から始まるなど1番打者としての役割を十二分に果たした。また3番杉崎も先制の2点タイムリー3ベースを放つなど、しっかりと仕事を果たした。奇しくもこの世代の東海大相模のレギュラーのうち、同じく東海大系列の国際武道大に進学した豊田と磯網は2年連続でこの大学野球選手権に出場して準Vを経験。この2人以上の成績を残すべく、東海大相模4人衆の戦いが始まる。
20190611東海大 千野
3安打を放ちチャンスメイクに大きく貢献した東海大の1番千野



Pickup Player
海野隆司 東海大4年 キャッチャー
~ミスを自ら帳消しにする逆転タイムリーヒット~
東海大の扇の要がまさかのミスで逆転を許したものの、きっちりと自らのバットで再逆転を手繰り寄せた。

海野は関西高時代から強肩の捕手として名を馳せていた。2年春に正捕手となると、1個上に小郷兄(楽天)・逢澤(トヨタ自動車)を擁するチームで2年夏には甲子園出場を果たすも、初戦で森田(Honda鈴鹿)を打てずに富山商に1-3で敗れた。2年秋からは打撃でも中軸を担い、平野(関西国際大)とともにチームを牽引するも、最終学年では甲子園出場はならなかった。

東海大では1年秋よりリーグ戦出場を果たし、2年春は正捕手を務める。ただ打撃に課題があったこともあり、2年秋は正捕手の座を明け渡すも、3年春に正捕手の座を再奪取すると課題の打撃も改善されて、打率.333をマークして首位打者を獲得。以後3年秋・4年春と3季連続で打率3割を超えて、3季連続でベストナインも獲得。昨年から大学日本代表にも選出されて、今年もこの大会後には大学日本代表候補合宿に参加することが決定している。

この試合でも4番キャッチャーとしてスタメン出場した海野は、まず1番の持ち味である強肩で魅せる。この強肩で2回・6回と1試合に2度も三振ゲッツーを完成させると、5回にはバントに対しても素早い送球で3塁を封殺。リーグ面だけでなく、3度も塁上のランナーをアウトにして山崎の好投をアシストした。海野は大学球界でもNo1と言われていて、まさに昨年流行ったキャノンという言葉の似合う捕手だ。単に肩がいいだけでなく、送球のコントロール、素早さも兼ねそろえていて、それが2塁送球で1.7秒台もマークするという驚異のスピードに繋がっている。そんな海野に落とし穴が待っていたのは7回で、1点差に迫られてなおも2・3塁というピンチで、3塁ランナーを刺そうと牽制を投げるものの、これがランナーを重なってしまい暴投となり、3塁ランナーがホームイン。さらに2塁ランナーの3進も許してしまったことで、続く山本の犠牲フライでの逆転に繋げてしまった。

そんな海野に絶好の挽回のチャンスが回ってきたのは8回裏。4番ながらこの日は3打席目までノーヒットと完全に抑え込まれていた海野に対して、立命館大バッテリーはこの日当たっていた3番杉崎を半ば敬遠気味に歩かせて満塁で海野を迎えた。海野に対して変化球中心で攻めていった立命館バッテリーであるが、海野はカウント2B2Sからついに来たストレートを叩くと、打球は高いバウンドで三遊間を抜けるヒットとなり、これで2塁ランナーも生還。逆転の2点タイムリーとなり、結果的にこの海野の1打がこの試合の決勝打となった。

強肩をはじめとした高い守備力に加え、打力もついてきた海野は、郡司・佐藤など大学生捕手が豊作といわれる今年でも大学球界No1捕手との呼び声も高い。このままチームを牽引して、大学日本1のチームの捕手として、代表合宿にも参加して結果を出していけば、秋には十分にドラフト1位もあり得る存在である。

20190611東海大 海野2
大学No1との呼び声も高い東海大の正捕手海野



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JR東日本×明治安田生命【都市対抗東京予選】

6/5 都市対抗東京予選 第3代表決定戦
JR東日本×明治安田生命 @神宮球場

試合経過

20190605JR東日本×明治安田生命
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


都市対抗の東京第3代表をかけた戦いは、前日の第2代表決定戦に敗れてしまった明治安田生命と、この試合が代表決定戦の初戦となるJR東日本の戦い。第2代表決定戦をかけた予選では延長戦の末、明治安田生命が5ー2で勝利していて、その再戦となる。

JR東日本の先発マウンドに上がったのは新人の伊藤。横浜では2年生からエースを務め、国際武道大でも2年のときから大学日本代表に名を連ね、3年のときには全日本大学野選手権で準優勝に輝いた左腕であったが、4年になるとケガの影響もあって不調に陥り昨秋のドラフトでは指名漏れして、JR東日本に入社していた。伊藤の右手を大きく掲げ、出処の見づらいフォームから繰り出すMAX145㌔のストレートに、明治安田生命打線は振り遅れ気味で2回までノーヒット4三振と抑えられてしまう。
20190605JR東日本 伊藤
JR東日本の先発の伊藤

前の試合でNTT東日本の大竹にノーヒットノーランを食らってしまった明治安田生命打線は、これで前の日から11イニング連続ノーヒット。ただ3回裏の先頭打者の宮川が初球を捉えると、打球はチーム待望の初ヒットとなる。これで勢いに乗った明治安田生命は木田のヒットと四球で満塁d4番泉澤という絶好のチャンスを作る。伊藤はここで意地をみせて泉澤をインコースのストレートで見逃し三振に仕留めるも、5番大野にはフルカウントからセンター前に2点タイムリーを浴びる。さらにJR東日本はファーストエラーで3点目を失ってしまったところで、ピッチャーを交代、この秋のドラフトの目玉である太田をマウンドに送る。太田は四球を与えて再び満塁にしてしまうも、道端をショートゴロに打ち取り追加点は許さなかった。
20190605明治安田生命 大野
先制の2点タイムリーを放った明治安田生命の5番大野

反撃したいJR東日本は4回表、1死から4番小室が3塁線破る2ベースで出塁すると、続く5番渡邊は粘った上に古田の変化球をうまく捉えると打球はレフトポール際に飛び込む2ランホームラン。3点を失った直後に、1点差に迫ることができたのでこの2ランは非常に大きかった。
20190605JR東日本 渡辺
2ランホームランを放つJR東日本の5番渡辺

さらにJR東日本は5回表、先頭の拜崎がヒットで出塁、続く嘉数のバントはピッチャー前で古田は2塁へ送球するも、ボールが完全に握れなかったようで送球が逸れてしまい無死1・2塁。さらに1番佐藤のヒットで無死満塁と、JR東日本が逆転のチャンスを作る。明治安田生命は2番東條をショートフライに打ち取ったところで、2番手としてマウンドにルーキーの高橋を送るも、JR東日本は3番丸子がさきほどのエラーの汚名返上とばかりに同点タイムリー。さらに4番小室の3球目は明らかに抜けた暴投となってしまい、JR東日本が4-3と逆転。明治安田生命はこの3球目の直後に高橋→三宮にスイッチすると、三宮が4番小室を三振、5番渡辺をライトフライに打ち取り追加点を与えない。
20190605JR東日本 丸子
同点タイムリーを放ったJR東日本の丸子

JR東日本の太田は、この予選ではやや不安定な投球が続いてリリーフに回っていたが、この日は安定したピッチング。Max151㌔のストレートを軸に4回・5回は2個ずる三振を奪って3人ずつで明治安田生命を抑えるなど、ドラフトの目玉としての本領を発揮。7回1死にヒットを許して、抑えの西田にマウンドを託すことになるが、3回2/3を無失点。さらに西田も140㌔を超えるストレートに最大の武器である縦のスライダーを軸に、度胸満点のピッチングで明治安田生命に得点を許さない。
20190605JR東日本 西田
7回途中からマウンドに上がったJR東日本の抑え西田

対する明治安田生命の三宮も素晴らしいピッチングを展開。140㌔前後のストレートを右バッターのインコースに投げ切ることができていて、これにスライダー・カーブ・チェンジアップを取り混ぜる気迫のピッチングで。6回の3者連続三振をはじめとして、登板してからJR東日本の打者14人を7奪三振パーフェクトに抑えて味方の反撃を待つ。
20190605明治安田生命 三宮
打者14人に対して7奪三振パーフェクトリリーフをみせた明治安田生命の三宮

三宮のピッチングに応えない明治安田生命は9回裏、先頭の道端がヒットで出塁、宮川のバントで代走の竹内が2塁に進んで同点のチャンス、さらに2番木田が粘った末に四球を選んで、長打が出れば逆転サヨナラという場面で3番新城を迎える。しかし対するJR東日本も、20歳ながら昨年の都市対抗でも抑えを経験している度胸満点の西田、最後は西田が気迫の投球で新城から三振を奪ってゲームセット。JR東日本が明治安田生命を破り、東京第3代表での都市対抗出場を決めた。
20190605JR東日本 勝利
都市対抗出場を決めたJR東日本ナイン



JR東日本の勝利の原動力となったのは、20歳のリリーフコンビである太田、西田である。3回のピンチから2人合わせて最後まで無失点で投げ切り、明治安田生命の追従を許さなかった。あとは本大会に向けて先発をどうするかが課題となってくる。この日はルーキーの伊藤が先発したが、3回途中でKO。太田を先発に戻すという手もあるが、ピッチングスタイルやこの試合での投球内容を見ているとやはりリリーフの方がよさそうだ。JR東日本には山口、石井、永谷ら他にも力のある若い投手が多くいるために、これらの中から誰か先発を務められる投手が出てきてほしいところだ。

継投がうまくいったJR東日本に対して、結果論からいえば継投ミスで敗れてしまったのが明治安田生命だ。5回の満塁のピンチでは先発の古田が東條を打ち取って、3番丸子を迎えたところで投手交代。左の強打者丸子というところなので、てっきり左腕を投入するのかと思いきや、この重要な場面でマウンドに送ったのは新人の高橋。その高橋も丸子にタイムリーを打たれ、続く小室の3球目がワイルドピッチとなったところで、今度は左腕の三宮に代えた。三宮が素晴らしいピッチングを見せたのは上述の通りで、丸子の場面で三宮を投入していれば結果が変わっただろうという場面であった。2番手高橋、3番手三宮というパターンは第2代表決定戦進出をかけた準決勝でJR東日本を破ったときと同じパターンであり、その再来を狙ったのかもしれないのだが、高橋の起用があまりにも中途半端であった。ルーキーとはいえ信頼しているから満塁のピンチで送り出したのであろうし、丸子に打たれたとはいえMax146㌔のストレートに130㌔中盤のフォークといったボール自体は悪くなかった。暴投もあったとはいえ、信頼しているならそのくらいで代えるな、信頼していないなら最初から出すなと言いたい場面であった。継投なんてものは結果論であるが、やはり今回の起用はミスであったと言いたい。ただそれ(+去年のことも)を教訓にしたか、翌日にはエース大久保が完投で明治安田生命は東京第4代表の座を射止めている。
20190605明治安田生命 高橋
明治安田生命の2番手として登板したルーキー高橋


Pickup Player
太田龍 JR東日本 投手
~ドラフト候補筆頭が復調の兆し~
JR東日本にとって、2番手の太田の好投は単に都市対抗の出場権を得たというだけでない好材料であった。

太田は鹿児島のれいめい高では1年春よりベンチ入りを果たし、2年春には火ノ浦(専修大4)率いるチームのもと鹿児島Vを果たし、九州大会に出場している。ただ太田はそのポテンシャルの高さは評価されつつも、なかなか実力を発揮できずに、この九州大会でも代打のみの出場。2年夏はリリーフで2試合に登板して146㌔をマーク。2年秋には鹿児島実業に相手に完投するも2-3と惜敗しベスト8止まり。3年春になり安定感が増してくるとようやく背番号1を掴むと、鹿屋戦で完封勝利。3年夏は先発しなかった準々決勝で敗れるも、190㎝から繰り出すMax149㌔のストレートが評価されスカウトの注目の的となった。

プロ志望届を出せばどこかしらは指名したであろうが、太田はJR東日本に入社。2年目から先発にリリーフに登板を重ね、昨年の都市対抗では2試合に先発するなど計3試合に登板して11回無失点という成績でチームのベスト4入りに貢献、若獅子賞も受賞した。ドラフト解禁となる今年は、ドラフト上位候補として大いに注目を浴びているが、東京予選では先発するも早いイニングで降板することも多く、リリーフに回っていた。

この試合では3点を失った3回のピンチでマウンドに上がった太田。最初はまだエンジンがかかっていなかったのか四球を与えてしまい満塁とするも、道端をショートゴロに打ち取ってピンチを切り抜けると、4回からは圧巻の投球。アベレージで140㌔後半、Max151㌔のストレートを軸に、フォークなどの変化球をまじえる投球で、4・5回は明治安田生命から4三振を奪い3者凡退に抑える。
この4三振はいずれも高めのストレートで奪ったものであり、明治安田生命打線もわかってはいるのだろうけど、手を出してしまうあたり太田のストレートの凄さを感じた。6回以降はさすがに対策をしてきた明治安田生命打線からヒットも出始めて、7回1死から木田にヒットを浴びたところで太田は降板し、抑えの西田にマウンドを託した。ただ3回2/3を投げて2安打1四球4奪三振無失点という見事なリリーフぶりでJR東日本に勝利を呼び込んだ。

今日の投球は太田の実力が発揮できたといえるもので、スカウト陣もニンマリというところだろう。ただ4・5回が凄すぎたこともあり、6・7回はややエンジンキレのようにも見え、自分のピッチングを長いイニング継続させることに関してはまだ課題が残るかもしれない。ただ威力抜群のストレートで基本は押して、フォークなどの変化球を得意とするあたりはやはりリリーフ向きであり、プロの世界でもリリーフの方が向いているかなとは思う。ただおそらく太田にとって最後となるだろう都市対抗では、エースとして先発する姿も見たいものだ。

20190605JR東日本 太田
3回2/3を無失点に抑えて勝ち投手となったJR東日本の太田



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横浜×関東一【東京親善試合】

6/2 東京親善試合
横浜×関東一 @江戸川区球場

試合経過

20190605横浜×関東一
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


毎年6月の1週目の日曜日には、東京親善試合という名のもと、関東一が強豪校を(もはやホームともいえる)江戸川区球場に招待して、ダブルヘッダーを行っている。今年は横浜が招待されていたこともあり、江戸川区球場はほぼ満員状態になった(無料で見れるしね)。今回はダブルヘッダーのうち、1試合目をレポートします。

関東一は背番号1をつけるエースの土屋、横浜は背番号10の木下が先発。横浜はこの親善試合では及川が背番号1をつけているが、2試合目に先発したこと(ダブルヘッダーは大抵1試合目に主力、2試合目に控えを起用する)とその投球内容(バラツキが多く安定していなかった)、さらには春季大会でも起用からもこの木下が実質上のエースといえる。

そんな両エースの先発で始まった試合が動いたのは2回裏。関東一は先頭の野口がレフトへのヒットで出塁すると、平川の送りバントなどで2死3塁のチャンスを作る。ここで迎えた8番村岡の打球は、セカンドの前でイレギュラーしてタイムリーヒットとなり、関東一が幸運も味方して先制点をあげる。
20190602関東一 野口
先制点の起点となるヒットを皮切りにこの試合3本のヒットを放った野口

しかし横浜は直後の3回表、この日はライトとしてスタメンに名を連ねていた松本(U18日本代表候補にも選ばれた注目の2年生左腕)が四球で出塁すると、山口の送りバントなどで2死2塁。ここで1番津田をピッチャー土屋がエラーしてしまい、2番内海を迎える。U18日本代表候補にも選ばれた内海はこの横浜では間違いなくNo1打者であり、津田が盗塁をしたところで2死2・3塁となったために、内海との勝負を避けるという選択肢もあったが、親善試合ということもあり勝負にいった関東一バッテリーだgだ、内海は見事にストレートをセンターに弾き返し、逆転の2点タイムリー。2番最強説を導入したのか、チームのNo1バッターを2番に置いた平田監督の起用が見事に的中した場面でもあった。
20190602横浜 内海
逆転タイムリーを放つ横浜の2番内海

試合はその後、3~5回は両チームともに全てのイニングで得点圏にランナーを置く展開となるが、あと1本が出ずに無得点で2-1のまま前半戦を終えることとなる。

後半戦に入ると横浜の木下は尻上がりに調子をあげていった。ストレートはやや抑え気味であるがしっかりとコースに決まり、これにスライダー・カーブ・フォークといった変化球を交えた安定した投球を展開。特に変化球の中ではフォークが効いていて、これを決め球に三振を奪うケースも増えていった。
20190602横浜 木下
6回以降は調子をあげいった横浜の先発木下

一方の関東一の土屋は、6回以降もランナーは出すものの、あと1本は許さない粘りの投球。これにはライト線のフェンス際の打球をジャンピングキャッチしたライトの藤松、難しい打球で併殺を完成させたサード長嶋などバックの貢献度も大きかった。土屋も木下と同じくコントロールよくそれにスライダー・カーブ・SFF(?)を交えた安定した投球で追加点を許さない。関東一には冬にキューバ遠征の東京選抜に選ばれた谷もいて、投手陣はこの2人が中心となるが、2試合目の谷の投球をみると、コントロールがいい分土屋の方が現段階では上であると感じた。
20190602関東一 土屋
木下に負け時とこちらも追加点を許さなかった関東一のエース土屋

結局両チームともに得点をあげることができず、試合は2-1のまま横浜が勝利。木下は9回1失点8安打8奪三振で完投勝利をあげた。



横浜としては木下が安定した投球をみせてくれたのは心強い。横浜の投手陣といえば、いずれもU18日本代表候補にも選ばれた及川・松本など凄い球を投げる投手は揃っているが、1度崩れだすと歯止めが効かなくなり、安定感がないのが課題。そんな中で木下が今日のように安定したピッチングをしてくれたことは大きく、それなりの失点で抑えられれば全国でもトップクラスの打線があるので、勝ちに繋げることができる。

その打線は今日はあと1本が出ずに2得点であったが、新戦力が台頭してさらに層が厚くなっていると感じた。センバツで4番を
務めた吉原はすっかりレギュラーに定着し、もともと打撃に定評のある投手の木下も5番で使えるまでになった。ライトのレギュラーであった大手がこの日はベンチを外れる中、投手として注目されたいた松本がこの試合ではライトで起用されると、ノーヒットながら鋭い打球を飛ばしてていた。途中からライトに入った安達は、さすがに1年生ながら横浜の背番号9を背負っているだけあって、評判通りの打撃でスイングが鋭く、足の速さや肩の強さも際立った。タイプ的にも完全に増田→小泉の系譜を受け継ぐ外野手であり、非常に楽しみである。
20190602横浜 安達
1年生ながら横浜の背番号9を背負った安達

敗れた関東一であったが強力な横浜打線を2点に抑えて完投したエース土屋はお見事。1得点に抑えられた打線の中では、ともに猛打賞をマークした1番大久保と5番野口が光っていた。1番大久保は超がつくほどの俊足で、1打席目にはセカンドゴロを内野安打にして出塁。このときは牽制で刺されてしまったが、3打席目にセーフティを決めて出塁した際には、大久保の足を警戒した木下がしつこく牽制をする中で、それをかいくぐって盗塁を決めるなどリベンジを果たした。オコエ(楽天)や齋藤(中央大)といった1番センターの系譜を受け継ぐ、全国レベルの足をももった選手であった。キャッチャーとしても土屋を好リードした野口は、5番打者としてレフトに2本ヒットを放った後は、今度はうまくライト線ギリギリにライナー性の打球を放って2ベースにするなど左右に打ち分けて3安打と、この日木下に1番合っていた打者だ。ただ5回2死満塁で迎えた第3打席ではセカンドゴロ…この日は4番平泉が3三振と当たっていなかったために、平泉が四球で満塁で野口という関東一にとっては絶好のチャンスで1本が出なかったのは悔しいところであろう。現在の関東一のチームには柱と呼べる選手が不在である。その分レギュラー争いが激しく、昨冬はキューバ遠征の東京選抜に参加していた渋谷が背番号15でベンチにいるなど控えもレベルは高いという長所もあるが、この2人は是非とも自他ともに認めるチームの柱として夏を迎えて欲しいものだ。
20190602関東一 大久保
超がつくほどの俊足でチャンスメイクに貢献した関東一の1番大久保


Pickup Player
冨田進悟 横浜2年 外野手
~横浜の新4番が3安打の活躍~
得点にこそ絡めなかったものの、この日横浜打線で1番いいバッティングをしていたのは4番の冨田であった。

現在2年生の冨田は、長打力のある打撃を売りに横浜では、現チームが結成された1年秋よりレフトのレギュラー。5番打者を務めた咋秋は、チームトップタイの打率.417をマークして、神奈川Vに貢献。なみに同じく桐蔭学園と対戦したのだが、桐蔭学園の1番センターの冨田健悟は双子の兄に当たり、兄弟対決が実現した。関東大会では甲府工戦で2安打、春日部共栄戦でもヒットを放つもチームはコールド負け。それでもセンバツ選考にかかり、センバツでも5番レフトを務めた。2年春からはチームNo1打者である内海を1・2番で起用したこともあり、冨田が4番を務める試合も出てきて、この親善試合でも4番レフトでスタメン出場した。

冨田はまず1打席目でレフト前ヒットを放つと、2打席目には今度は引っ張って1塁線を抜く2ベース。3打席目はセカンドゴロに倒れるも、4打席目にはピッチャー強襲のヒットで猛打賞を記録。打球方向もレフト・ライト・センターと見事に打ち分けることができていた。ただ4番ながらこの試合で冨田にランナーがいる場面で打席が回ってくることはなく…また冨田が出塁しても後続が続かずに得点に絡むことができなかった。

冨田の打撃の特徴としては
①逆後方にも強い当たりが打てること
②低めのボールを苦にせず打ちに行けること
③初球から積極的にスイングできること
の3つが挙げられる。
①については上述した通りにこの試合でも3方向にヒットを打ち分けていた。
②については多少体勢が崩されても、下半身がしっかりして残っているので、打球を飛ばすことができる。
③については、この日のヒットも3本中2本が初球をヒットにしたものであった。
その反面、初球から低めのワンバンしそうな変化球に手を出していることもあり、得意なコースなのだろうが、そこはしっかりと見極めないとさすがにワンバンするほどのボールは冨田でも打てないであろう。

2試合目にも2安打を放つなど、アベレージ面では文句がない。あとは横浜の4番としてはやはりホームランが欲しいところ…悪いことではないのだが冨田はライナー性の打球が多い分、パワーの割には弾道が高くないようにも見受けられる。これでホームランも打てるようになれば正真正銘の横浜の4番となり、(まだ2年生ということもあるので)来年の横浜の4番も安泰とることであろう。

20190602横浜 冨田
3安打の活躍をみせた横浜の新4番冨田


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