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夏の甲子園のベストナインを選んでみた(2019)

履正社の優勝で終わった今年の夏の甲子園。
そんな大会のベストナインを個人的に選んでみました。
選考基準は今大会での活躍内容のみです。


ピッチャー
奥川恭伸 星稜3年

旭川大戦での完封に始まり、激戦となった智弁和歌山戦では14回1失点23奪三振をマークするなど、Max154㌔のストレートを武器に準決勝までは圧巻の自責点0。決勝では履正社打線にリベンジを許したが、今大会の主役であったことは間違いない。
20190813星稜 奥川

キャッチャー
野口海音 履正社3年

履正社の正捕手として清水・岩崎を巧みにリードし、また主将としてもチームを優勝に導いた。打っても津田学園戦でタイムリー2本、明石商戦でも2安打3打点、そして決勝では追いつかれた直後の8回表に奥川から決勝のタイムリーヒット。
20190813履正社 野口

ファースト
近藤遼一 八戸学院光星3年

智弁学園戦では先制のホームランを含む4安打4打点、続く準々決勝の海星戦でも先制ホームランを放ち、4試合で打率.643、2ホーマー7打点の活躍。予選で最多6ホーマーを放った打力を甲子園でも遺憾なく発揮した。
20190812八戸学院光星 近藤

セカンド
福本陽生 星稜3年

石川大会ではノーヒットでファーストのスタメンの座を失ったが、立命館宇治戦でセカンドとして起用されると2ベース2本を含む3安打の活躍。そして智弁和歌山戦ではタイブレークの14回に放ったサヨナラ3ランは今大会で最も価値のある一打であったともいえる。
20190813星稜 福本

サード
大栄陽斗 仙台育英3年

背番号1ながら登板時以外はサードを務めると、その高い打撃センスで、まずは飯山戦で3ベース2本を含む5打点の活躍。鳴門線でも猛打賞を記録すると、敦賀気比戦・星稜戦と全試合でマルチ安打を記録し、15打数10安打の打率.667をマーク。
20190809仙台育英 大栄

ショート
石井巧 作新学院3年

主将4番ショートと作新学院のまさに要としてチームをベスト8に導いた。守ってはピンチで際どい打球をことごとく処理して安定した送球でアウトにし、この甲子園から務める4番としても中京戦での先制3ランなど11打数5安打の打率.455と活躍。
20190811作新学院 石井

外野
井上広大 履正社3年
初戦の霞ヶ浦戦の第1打席でホームランを放つと、準々決勝の高岡商戦では2ランを含む5打点、決勝戦では奥川の浮いたスライダーを捉え3ラン。今大会で打率.429、3ホーマー14打点はともに大会最多であり、まさに今大会のMVPともいえる活躍をみせた。
20190813履正社 井上

桃谷惟吹 履正社3年
積極的なバッティングが持ち味の1番打者として準決勝までの5試合全てで第1打席にヒットを放ち、履正社強力打線を勢いづけた。霞ヶ浦戦では逆方向のライトスタンドへの先頭打者弾を含む2ホーマー、決勝でも奥川から2安打を放っている。
20190813履正社 桃谷

元謙太 中京学院大中京2年
初戦の北照戦では3安打を放ち、逆転の7回の口火を切った。作新学院戦でも同じく7回の攻撃の口火を切ると、8回には逆転満塁弾。守っては外野だけでなくファースト・投手、打順も3番~9番までマルチな役割でチームのベスト4入りに大きく貢献した。
20190811中京学院大中京 元

ちなみに各ポジションで他に候補にあがった選手は以下の通りです
投手:林(作新学院)
捕手:山瀬(星稜)、藤田(中京学院大中京)
一塁:内倉(履正社)、大高(星稜)、平泉(関東一)
二塁:池田(履正社)、中里(仙台育英)
三塁:重宮(明石商)、下山(八戸学院光星)
遊撃:内山(星稜)、渋谷(関東一)
外野:西川(履正社)、岡田(星稜)、福田(作新学院)、大久保(関東一)

以上です。異論は認めます。


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八戸学院光星×智弁学園【全国高校野球選手権2回戦】

8/12 全国高校野球選手権2回戦
八戸学院光星×智弁学園 @阪神甲子園球場

試合経過

20190812八戸学院光星×智弁学園
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


夏の甲子園も大会6日目に智弁学園が登場して、これで49校全てが登場。相手は開幕戦で誉を破って、今大会2試合目の八戸学院光星。ともに強打が持ち味の強豪どうしが、2回戦で激突した。

その強打をまず発揮したのは八戸学院光星。初回に2死から3番近藤がレフトスタンドに先制のホームラン。3回表に1番武岡のソロホームランで2点目をあげると、続く2番島袋・3番近藤も連打で続いてチャンスを作る。智弁学園の先発は注目の1年生右腕の小畠であったが、ここで早くも2番手として背番号1の山本をマウンドに送る。ただ山本も6番下山にタイムリーを浴びてしまい。八戸学院光星が4-0とリード。
20190812智弁学園 小畠
智弁学園の先発小畠は残念ながら3回途中KOとなってしまった

八戸学院光星の先発は背番号10の左腕横山。初戦は後藤が先発して5回無失点と好投したが、後藤は故障明けということもあり。この試合は横山が甲子園初マウンドとなった。横山は130㌔中盤のストレートに加えて、スライダー・カーブ・チェンジアップという変化球を操る、非常に左腕らしい投手。序盤はコントロールもよく強打の智弁学園打線を4回まで1安打無失点5奪三振と完璧に抑える。
20190812八戸学院光星 横山
八戸学院光星の先発の横山

智弁学園は5回裏、先頭の吉村がヒットで出塁すると、1死から山本のセカンドゴロで併殺を狙った伊藤の送球が暴投となり、1死2・3塁のピンチ。さらに1番塚本の4球目がワイルドピッチとなり、智弁学園が1点を返す。

それでも光星学院は6回表、先頭の伊藤がヒットで出塁してバントで送ると、横山が自らのバットで追加点をたたき出す。さらに武岡・島袋の連打で満塁とすると、3番近藤がレフト線にタイムリー2ベースを放ち、智弁学園の山本をKO。代わった1年生左腕の西村は原を歩かせて再び満塁とするも、ここから1年生らしからぬ度胸を発揮して、大江・下山を打ち取ってピンチを凌ぐ。ただこの回の3点で光星学院のリードは7-1と6点に広がり、勝負は決まったかに思えた。

ただ智弁学園は6回裏、先頭の3番坂下の強烈な打球はファーストが捕れず、ライト前ヒットとなったところを好走塁で2ベースとしてチャンスメイクすると、1年生4番前川がライトにタイムリーを放ちまず1点。ここから横山が制球を乱し、2四死球で満塁とすると、8番西村にも押し出し死球を与えてしまう。光星学院はマウンドに背番号1の山田を送るも、山田も塚本に2点タイムリーを浴びるなど勢いを止められない。智弁学園が打者一巡して坂下の打球がファーストのエラーを誘い1点差に迫ると、4番前川の強烈な打球はショートの手前でイレギュラーして左中間に抜ける2点タイムリー2ベース。ツキも味方した智弁学園がこの回一挙7点をあげて逆転に成功した。
20190812智弁学園 前川2
6回裏の攻撃で2本のタイムリーを放った智弁学園の4番前川

追う立場となった光星学院だが8回表、3番近藤がこの日4本目のヒットで出塁して2死2塁のチャンスを作ると、6番下山がレフト線にタイムリー2ベースを放って8-8の同点に追いつく。光星学院の2番手山田の球には光るものがあった。サイドスローからのストレートはMax144㌔をマークし、120㌔後半のスライダーは打者の手元で曲がり、130㌔前後のチェンジアップ(?)を操り、智弁学園打線から次々に三振を奪っていった。7回・8回はともにピンチを迎えるものの、無失点で切り抜け、試合は8-8のまま最終回を迎える。
20190812八戸学院光星 山田
7回以降は追加点を許さない八戸学院光星の背番号1の山田

9回表、光星学院は先頭の太山がヒットで出塁するも、山田はバント失敗で、武岡もライトフライをランナーを進められずに2死1塁。ただ2番島袋はライト前ヒットで1・3塁とチャンスを広げて、ここまで4安打4打点と大当たりの3番近藤を迎える。しかし光星学院はこの日全然当たっていたなかったこ4番原をすでに引っ込めてしまった状態であったために、智弁学園は1・3塁だが躊躇することなく近藤を敬遠を選択し、2死満塁で原の代わりにライトに入っていた4番澤波を迎える。すると澤波は初球を振り抜き、強烈な打球はファースト吉村を強襲、ボールがファールグラウンドを転がる間に2塁ランナーまでもが生還して光星学院が2点を勝ち越す。このリードを9回裏も山田が守り切って、光星学院が10-8と智弁学園との打撃戦を制した。
20190812八戸学院光星 澤波
勝ち越しタイムリーを放った八戸学院光星の澤波



予想通りの打撃戦となった試合を制した八戸学院光星。スコアでいえば2点差であったが、放ったヒットは智弁学園の倍以上の18本とその強力打線ぶりは際立っていた。武岡・近藤とうつべき選手がホームランを打ったのもさることながら、投手の横山・山田もタイムリーを放ち、決勝打は途中出場の澤波ということで選手層の厚さもみせた。また澤波の決勝打に関しては、当たっていなかったとはいえ青森大会で5ホーマーの4番原をベンチに下げるという決断を下した仲井監督の采配が見事に的中した形となった。

投手陣も6回こそ智弁学園にビックイニングを作られてしまったものの、これには守備の乱れや不運なイレギュラーなども含まれていて、それ以外のイニングでは1失点のみ。投手陣も5回まで1失点と見事に試合を作った左腕の横山、144㌔をマークしたリリーフエースの山田、この試合では登板がなかったがケガ明けといえ本来はエース右腕の後藤、サードの下山も青森大会の決勝では先発していて投手陣はバラエティに富んでいる。後藤がケガをしたときにはどうなるかと思ったが、山田を中心に投手陣が台頭してきて枚数も揃って、連戦に向けても心強い限りだ。

敗れた智弁学園も6回の攻撃は見事であり、奈良大会の奈良大附属戦で7点ビハインドから逆転した試合の再現とばかりに6点のビハインドを一時は跳ね返して見せた。ただやはりエースといえる存在のいない投手陣の不安がこの試合では露呈してしまい、打線の援護に応えることはできなかった。それでも先発の小畠、3番手でリリーフとして粘りのピッチングをみせた左腕の西村と1年生の2人が甲子園のマウンドを経験。打線も1年生4番前川をはじめとして、白石・山崎の外野手コンビに、正捕手の佐藤とスタメンの半分以上が下級生であり、不調でスタメンを外れたものの三田などの逸材も揃う。今回の敗戦の経験を是非とも新チームには繋げることができれば、来年の高校野球界の中心となれることだろう。
20190812智弁学園 西村
リリーフとして粘りの投球をみせた智弁学園の1年生左腕西村


Pickup Player
近藤遼一 八戸学院光星3年 ファースト
~強打爆発の4安打4打点~
強力光星打線の中でも、ひときわその打力が光ったのは4安打4打点の3番近藤であった。

近藤は175㎝90㎏という体格からのパワフルなスイングが武器の右スラッガー。八戸学院光星では2年秋より4番に座ると、秋の公式戦では打率.457、15打点、2ホーマーとチームの三冠王の活躍で、東北大会優勝に貢献。この夏は青森大会から3番を務めるが、これは田村(ロッテ)が3番であったように、最強打者を3番に置くという仲井監督の方針。6試合に3番打者として出場すると、6ホーマー20打点は甲子園出場全チームの中でトップの数字。甲子園の初戦でも誉戦でも、犠牲フライにタイムリー2ベースを放つ活躍をみせた。

この試合でも3番ファーストでスタメン出場した近藤は、初回に2死ランナー無しで回ってきた第1打席でいきなり高めに浮いたスライダーを捉えると打球はレフトスタンドに飛び込む先制ホームラン。さらに3回に無死2塁で回ってきた第2打席では今度はフルカウントからスライダーを捉えセンターに弾き返すタイムリーヒット。この1打で智弁学園の先発小畠をKOしたわけだが、小畠にとってみれば近藤はまさに天敵であったことだろう。1死満塁で回ってきた第4打席ではレフト線へ2点タイムリー2ベース。8回の先頭打者で迎えた第5打席でもレフト前ヒットを放ち同点のホームを踏んだ、ここまで打つと1死1・3塁で迎えた第6打席で敬遠されてしまうのは当然なことで、結局5打数4安打4打点の活躍。放ったヒット4本は全て得点に絡むという貢献度の高い打撃を披露した。

力強さはもともと折り紙付きであった近藤に、確実性が増してきた印象。右打者としては甲子園トップクラスのスラッガーの活躍に今後も注目していきたい。

20190812八戸学院光星 近藤
4安打4打点の活躍をみせた八戸学院光星のスラッガー近藤


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花咲徳栄×明石商【全国高校野球選手権2回戦】

8/11 全国高校野球選手権2回戦
花咲徳栄×明石商 @阪神甲子園球場

試合経過

20190811花咲徳栄×明石商
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

明石商の先発は、早くも来年度のドラフト候補との呼び声が高い2年生エース中森。中森は兵庫大会ではやや調子を落としていたとも聞いたが、この甲子園という舞台に合わせて再調整してきたのか、序盤は素晴らしいピッチングをみせる。ストレートはMax147㌔をマークして、これにスライダー・フォーク・チェンジアップといった変化球を交えて的を絞らせず、3回までは外野に打球を飛ばさせないパーフェクトピッチングをみせた。

しかし中盤にさしかかり、やや勢いのなくなってきた中森に対して、強打の花咲徳栄打線が牙をむく。4回表、花咲徳栄は1死から2番橋本吏がチーム初ヒットで出塁すると、韮澤と井上も連打と、咋夏の甲子園を経験したメンバーで満塁チャンスを作る。すると6番中井は押し出しの四球を選び花咲徳栄が先制する。
20190811花咲徳栄 中井
この試合2打点の活躍をみせた花咲徳栄の中井

ただ直後の4回裏、明石商はセンバツでは先頭打者弾にサヨナラ弾と観客を沸かせた1番来田が、今大会初ヒットで出塁。2番水上はカウント2B1Sからのストレートを塗り抜くと、打球は甲子園のバックスクリーンに吸い込まれる同点2ラン。花咲徳栄の先発の中津原は、左サイドから丁寧にボールを投げ込んで、毎回ランナーを出しながらも粘り強く得点を与えていなかったが、水上の一振りにやられてしまった。
20190811明石商 水上
バックスクリーンに逆転2ランを放った明石商の水上

ここから試合は追いつき、勝ち越しの接戦となる。花咲徳栄は6回表に橋本吏のヒットから2四死球で満塁とすると、6番中井の高いバウンドのサードゴロの間に橋本吏がホームインし同点。ただ明石商は6回裏にすぐさま、福井のヒットと韮澤のエラー(疑惑の判定)で1・3塁のチャンスを作ると河野のタイムリーで3ー2と勝ち越しに成功。それでも花咲徳栄は7回表、9番の菅原が「デッドボールじゃありませ自己申告」の後、レフトスタンドにソロホームランを放ち、3ー3と再び同点に追いつく。
20190811花咲徳栄 菅原
7回表に同点ホームランを放った花咲徳栄の菅原

花咲徳栄は7回裏から2番手の高森が登板するが、明石商は1番来田がいきなり左中間に2ベース。高森はまだ落ち着くことができなかったのか、続く水上のバント処理で1塁への送球が浮いてしまいオールセーフで無死1・3塁。ここで迎えるのは3番の主将重宮。明石商は兵庫大会の決勝ではこの3番重宮のスクイズで最終回に追いついて、甲子園にコマを進めていて、狭間監督は同様にスクイズのサインを出すも結果はファール。ただ打ち直しとなった重宮はスライダーを見事ライト前に運んで、明石商が4ー3とこの試合3度目のリードを奪う。ただなおも無死1・2塁のピンチは高森が岡田を併殺に打ち取るなどして切り抜け、明石商のリードは1点止まりとなる。
20190811明石商 重宮
7回裏に勝ち越しタイムリーを放った明石商の重宮

花咲徳栄は最終回、先頭の中井がヒットで出塁して、田村が送って1死2塁と1打同点のチャンスを迎える。代打の南はセンターフライに倒れるも、迎えるは前の打席でホームランを放っている菅原。菅原の放った打球はライト前にフラフラと上がるも、これをライト安藤が猛ダッシュでギリギリキャッチ。中森が粘りの投球で3失点完投。明石商が4ー3のまま逃げ切って、初戦突破を決めた。
20190811明石商 中森
3失点完投勝利をあげた明石商の中森



センバツベスト4の明石商と、一昨年のこの大会の王者である花咲徳栄という東西の強豪対決は、互いに譲らない見事な接戦であった。試合は花咲徳栄が勝っていてもおかしくないくらい拮抗していて、途中の疑惑の判定がなかったら〜、最後の菅原の打球がもう少し弱ければ〜と少しでも何かがズレていれば花咲徳栄が勝利していた可能性も大いにある。

ただ花咲徳栄として誤算だったのは、自慢の打線が中森を捉えきれなかったことだろう。今日の中森は立ち上がりは素晴らしかったが、当初は147㌔をマークしていたストレートも中盤以降はほとんどが140㌔前後となり、変化球主体のかわすピッチングとなっていた。実際にチャンスはそれなりに作っていたが、4回・6回ともに満塁から1得点のみと、各回で打線が爆発して複数得点といかなかった。夏に向けて投手陣もだいぶ整備されてきた花咲徳栄で当たったが、全国レベルではまだまだ。その中でも明石商打線を4点に抑えたのは合格点を与えてもいいが、自慢の打線が3点に止まってしまったことが敗因であろう。

勝利したは明石商は中森・来田の2年生の投打の主軸コンビが健在。中森は中盤以降は本来の投球ができてはいなかったが、粘りの投球で3失点完投。来田も2安打を放ち、この2安打がいずれも得点の起点となっており、1番打者らしい活躍を見せた。1年前の夏の甲子園の初戦では、八戸学院光星相手に延長戦で、中森がレフト前ヒットを打たれ、その打球をレフト来田がファンブルして決勝点を許すという苦い思いをした2人が、とりあえずはリベンジ成功。ただチームとしては、春と同じくこの2人に依存しているところが多いのは課題。特に投手陣の中森依存は気になるところで、この日も135球を投じて完投。どうしてもタイプ的に球数が多くはなるので、勝ち上がっていくにつれ連投となると辛いところはある。兵庫大会では中森以上のイニングを投げた左腕の杉戸が、次戦では先発して試合を作ってくれると心強い限りだ。
20190811明石商 来田
1番打者として2度も得点の起点となった明石商の来田


Pickup Player
水上桂 明石商3年 捕手
~バックスクリーンへの価値のある1発~
バックスクリーンへの逆転2ランを放つなど、明石商の扇の要である水上の攻守に渡る活躍が光った。

水上は本職は捕手であるが、明石商では1年秋からその打力を買われて内野手としても出場。1年秋の近畿大会では9番サード、2年春の近畿大会では6番捕手として出場していて、この時は春夏連覇を達成した大阪桐蔭相手に6-7と大健闘し、自らも根尾・柿木から2安打を放っている。2年夏は背番号13ながら2番ファーストとして西兵庫大会では打率.304の活躍をみせ。甲子園にも出場した。

2年秋からはチームの副主将もつとめ、本格的に正捕手となると、セカンド送球1.8秒の強肩と好リードで中森・宮口を支え近畿大会準V。打撃では引き続き2番を務め、1番来田とクリーンアップの橋渡し役を担い打率.355の活躍。3年春のセンバツでは準々決勝までの3試合は11打数5安打と当たっていたが、準決勝の東邦戦では石川の前に4打数ノーヒットでチームも敗れた。そんな水上が兵庫大会では打率.471をマークする活躍で、この夏も2番捕手として、3度目の甲子園の舞台に帰ってきた。

この試合での水上の見せ場は0-1と先制されて迎えた5回の第3打席。2死から来田がヒットで出塁して回ってきたところで、カウント2B1Sから甘く入ったストレートを捉えると打球はバックスクリーンに飛び込む逆転2ランとなった。3-3の同点の場面で迎えた第4打席ではきっちりと送りバントを決め、これに高森のエラーが重なり出塁。続く重宮の決勝タイムリーに繋げた。打撃では四球とバントもあったので、2打数1安打2打点という結果であった。

捕手としては中森の球が走っていた序盤は中森の力を生かしたリードをしていたが、中盤以降にストレートが走らなくなると変化球を多めにして、うまく凌いで3失点完投に繋げた。8回には同点のランナーであった井上の盗塁を、見事な送球で阻止して花咲徳栄のチャンスを摘んだのも大きかった。

捕手としても打者としても、また副主将としてもチームを支える存在である水上の活躍は、明石商がセンバツ以上の成績を残すためには必須である。

20190811明石商 水上2 20190811明石商 水上3
逆転2ランに好リードと攻守での活躍が光った明石商の水上


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習志野×沖縄尚学【全国高校野球選手権1回戦】

8/9 全国高校野球選手権1回戦
習志野×沖縄尚学@阪神甲子園球場

試合経過

20190809習志野×沖縄尚学
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

夏の甲子園4日目にセンバツ準Vの習志野が登場。対するは沖縄大会の決勝で、壮絶な延長戦の末にプロ注目の左腕宮城を擁する興南を破って甲子園を決めた沖縄尚学。甲子園を沸かせてきた人気チームどうしの対決は、沖縄尚学の仲村渠、習志野の山内と両技巧派左腕の先発で始まった。

習志野は2回表、四球で出塁した高橋を和田が送って得点圏にランナーを進めると、兼子のタイムリーで先制。さらに習志野は4回表にも、4番櫻井がヒットにエラーも絡めて2塁まで行くと、高橋が送って、今度は和田がスクイズを決めて2点目をあげる。習志野の山内は追い込んでからスライダーを低めの絶妙なコースに投げることができてい、3回には3者連続を奪うなど、3回6奪三振と技巧派らしくない素晴らしいピッチングを見せていた。
20190809習志野 山内
3回までに6個の三振を奪った習志野の先発山内

しかし沖縄尚学は4回裏に水谷のライト前にフラフラとあがった打球は2ベースとなり、続く4番與谷もセカンド内野安打。山内は決して打たれたという感じではないものの、1死1・3塁というピンチを招く。ここで迎えた台湾からの留学生である沖縄尚学の5番崔は今度は完璧に捉えられてしまい、左中間を破る2点タイムリー3ベースを浴びて同点。さらに沖縄尚学は6番奥原がスクイズを決めて逆転に成功する。
20190809沖縄尚学 崔
4回に2点タイムリー3ベースをはなった沖縄尚学の5番崔

ただ習志野は直後の5回表、先頭の角田が四球で出塁すると、小澤が送って、3番根本が同点タイムリー。習志野が三度バントを使ってのセオリー通りの攻めで得点をあげて、試合は3-3で前半戦を終了する。

6回裏、沖縄尚学は先頭の2番島袋がショートゴロエラーで出塁したところで、習志野はエースの飯塚をマウンドに送る。ただ飯塚は水谷に粘られた末に四球を与えてしまうと、5番崔には猛打賞となる3安打目のヒットを打たれ1死満塁のピンチ。6番奥原の打席でカウント3B2Sとなったところで、沖縄尚学の比嘉監督はスクイズを決行。これを奥原が見事に3塁線に転がして、沖縄尚学が勝ち越しに成功する。

沖縄尚学は4回途中から2番手として2年生右腕の永山が登板していた。永山は130㌔後半のストレートに、スライダー・カーブ・フォークという変化球を操る投球。特にこの中でもフォークが有効に効いていて、決して多く三振を奪うわけではないが、うまく習志野打線を打ち取っていく。6~8回は見事に習志野を無得点に抑えて、センバツ準Vの強豪に初戦敗退の文字がちらつくようになる。
20190809沖縄尚学 永山
6~8回は習志野を無得点に抑えた沖縄尚学の2番手永山

アルプススタンドの美爆音がさらに勢いを増し、習志野は1点ビハインドのまま迎えた9回表の攻撃を迎えることとなる。すると1死からライトに回っていた山内がこの試合3本目となるヒットで出塁。さらに続く9番飯塚の3球目で見事に盗塁を決めてみせる。飯塚のショートゴロは相手のエラーとなり、1死1・3塁というチャンスで1番角田を迎える。角田は3球目のストレートを振り抜くと打球は三遊間を向けて値千金の同点タイムリー。沖縄尚学のリードは1点は角田のエラーで出塁したランナーが還ったものであり、見事に汚名返上を果たす1打であった。さらに習志野は小澤が送って、一気に逆転を狙うも、ここは永山が踏ん張り同点止まり。一方ジ徐々に調子をあげてきた飯塚は、9回裏を6者連続となる三振で締めて、試合は4-4で延長戦に突入する。
20190809習志野 角田
9回に同点タイムリーを放った習志野の1番角田

習志野は10回表、先頭の4番櫻井がこの試合3本目となるヒットで出塁。高橋が送って1死2塁のチャンスを作ると、6番和田がセンターオーバーのタイムリー2ベースを放ち、勝ち越しに成功。このリードを飯塚が10回裏も3人で締めて守りきり、習志野がからくも初戦突破を決めた。
20190809習志野 和田
延長10回に決勝打となるセンターオーバーのタイムリーを放った習志野の和田

高校野球といえばバント。そんな概念はもう古いとの話も一部ではあるが、この試合に限って言えば高校野球はバントであった。まず習志野は7個ものバントを決めていて、5得点中4得点はバントが絡んでのものであった。無死でランナーが出たら確実に送るという戦法で、8回には無死1塁で5番高橋で強硬策に打って出るも併殺打…同じく10回の無死1塁で5番高橋という場面では今度は送って、それがサヨナラに繋がったのだから、もうこの試合は本当にバントの試合であったのだろう。

沖縄尚学は奥原が3個のバントを決めて、このうち2個がスクイズ。特に6回の勝ち越しの場面では満塁カウント3B2Sからのスクイズであり見逃せば押し出しなので引いても良い、ただホームはタッチプレーじゃないのでピッチャー前だと厳しいが、かといってフファールになったら三振と本当に難しい場面であった。それでも3塁線にしっかりときめた奥原のメンタルは素晴らしかった。奥原はこの試合のバント3個全てがピッチャーに捕られておらず、送りバントはファーストに、スクイズはサードにとしっかりとコースにバントができていて、バント技術の高さが伺えた。
20190809沖縄尚学 奥原
スクイズ2個を含む3バントを決めた沖縄尚学の奥原

敗れた沖縄尚学であったが、かなりの大健闘であったともいえる。比嘉監督がスタート時には「史上最弱より弱い」と評したチームは、秋には沖縄水産にノーヒットノーランを喰らい敗退。実際にこれはという選手は主将で3番セカンドの水谷くらいのチームであった。それでも沖縄大会では壮絶な延長戦の末にプロ注目の左腕宮城を擁する興南を破って甲子園を決めると、その勢いのままセンバツ準Vの強豪相手に9回までリードを奪って見せた。何だかんだいっても、「さすがは沖縄尚学」というレベルのチームに成長したようだ。

習志野に関しては本当に危なかったが、今年の習志野のチームの土壇場での強さは何なのか?と言いたくなるほどの勝負強さだ。千葉大会でも準決勝では木更津総合相手に9回2死ランナー無しまで追い込まれるも、そこから逆転勝利した強さを、この試合でも発揮してみせた。こんなにメンタルが強いチームなのに、スタメンは半分以上2年生というのだから末恐ろしい限りである。


Pickup Player
飯塚脩人 習志野3年 ピッチャー
~逆転を呼び込んだ魂の6連続三振~
習志野の逆転劇を呼んだのは、やはり終盤完璧なピッチングをみせたエース飯塚であろう。

インステップ気味からの独特なフォームから、持ち前の馬力を生かして力のあるボールを投げる右は、習志野内でも期待されていて、習志野では1年秋よりベンチ入りを果たすと、2年春から先発も務めるなど、習志野投手陣の一角をなすようになる。2年秋の関東大会から背番号1を背負い、主にリリーフ担当として活躍し、今日と同じ先発山内→リリーフ飯塚というパターンであり、桐生第一戦ではリリーフながらタイブレークも含めて9回無失点の好投をみせるなどして関東4強入りを果たす。そして飯塚の名を全国にとどろかせたのが3年春のセンバツで、全試合にリリーフとして登板すると、準決勝の明豊戦で失点を喫するとまで18イニング連続無失点という活躍ぶりで、チームのセンバツ準Vの立役者となった。この夏の千葉大会では準々決勝の成田戦、準決勝の木更津総合など勝負どころでは先発も務めて、完投勝利をあげている。

ただ甲子園では再び山内→飯塚というパターンに戻したようであり、この試合でも飯塚はベンチスタートとなった。飯塚がマウンドにあがったのは6回無死1塁という場面。ただこの試合ではスロースターターであったのか、コントロールがイマイチでいきなり四球を与えてしまい、そこから勝ち越しを許してしまう。7回になっても明らかに高めに抜ける球が多かった飯塚だが、8回になるとやっとエンジンがかかってきたのか本来の姿をみせる。

コントロールが良くなると、Max148㌔のストレートに加え、大きく曲がるスライダーが決まりだし、沖縄尚学打線から見れば手が付けられない状態。8回には打線を鼓舞するかのように、沖縄尚学の攻撃を3者三振で凌ぐと、同点に追いつた後の1点取られればサヨナラという場面でも3者三振。計6者連続三振という快投で、延長10回の逆転を呼び込むと、10回裏も連続三振記録こそ途絶えたものの、最後も3人で締めて初戦突破を決めた。

結局飯塚は5回を投げて、2安打8奪三振無失点という投球内容。センバツでの活躍がたまたまでなかったことを証明した右腕は、千葉大会では150㌔をマークするまでに成長していて、今後の活躍次第ではU18日本代表、さらにはドラフトも見えてくることだろう。

20190809習志野 飯塚
6者連続三振を奪うなどしてチームの逆転劇を呼び込む好リリーフをみせた習志野の飯塚


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2019夏の甲子園の組み合わせとベスト8予想

夏の甲子園の組み合わせも決まり、いよいよ明日の開幕を待つのみ。

組み合わせは以下の通り↓
2019夏の甲子園トーナメント表

まず初戦の注目カードは以下の3カード

①霞ヶ浦×履正社
総合力では履正社が上回るが、霞ヶ浦のエース鈴木寛は186㎝の長身から投げ下ろすMax148㌔のストレートが武器。そのポテンシャルはかねてよりプロから注目を集めていたが、初めて背番号1を背負ったこの夏はそれが開花しチームを甲子園に導いた。大阪大会で3試合連発の大型スラッガー井上をはじめとする履正社強力打線との勝負は見どころである。
20190720霞ヶ浦 鈴木寛3

②近江×東海大相模
春の関東王者VS春の近畿王者という間違いなく初戦で注目度No1のカード。近江は昨夏の甲子園を沸かせた林ー有馬のバッテリーが残っていて、滋賀大会では無失点と圧倒的な成績を残している。東海大相模は選手層が厚く、打線も神奈川大会決勝で24得点をあげるなど強力そのもの。矛盾のような戦いの林VS相模打線がどうなるか見ものである。
20190505近江 林3

③明石商×花咲徳栄
センバツ4強の明石商に、2年前の甲子園王者の花咲徳栄というこれも関西・関東屈指の強豪対決。秋春と成績は残せなかったものの花咲徳栄打線は全国屈指で、これに明石商の2年生エース中森がどう対するかが注目。センバツで先頭打者弾とサヨナラ弾を放った来田の強打と、得意のバントを駆使した明石商打線にも注目だ。
20190331明石商 中森


ベスト8予想

筑陽学園(福岡)
東海大相模(神奈川)
明石商(兵庫)
智弁学園(奈良)
履正社(大阪)
星稜(石川)
仙台育英(宮城)
関東一(東東京)

とさせていただきます。

優勝予想は…非常に今年は非常に難しいですが順当に星稜とさせていただきます。

以上です。
明日の開幕が楽しみですね!


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2019年全国高校野球選手権大会の出場校を勝手にランク付け

今回も選手権大会の出場校を勝手にランク付けしてみました。

地区 高校 ランク
北北海道 旭川大 D
南北海道 北照 D
青森 八戸学院光星 C
岩手 花巻東 C
秋田 秋田中央 É
宮城 仙台育英 B
山形 鶴岡東 D
福島 聖光学院 C
茨城 霞ヶ浦 C
栃木 作新学院 C
群馬 前橋育英 C
埼玉 花咲徳栄 B
千葉 習志野 B
東東京 関東一 B
西東京 国学院久我山 D
神奈川 東海大相模 A
山梨 山梨学院 B
静岡 静岡 D
愛知 D
三重 津田学園 C
岐阜 中京学院大中京 C
長野 飯山 E
新潟 日本文理 C
富山 高岡商 D
石川 星稜 A
福井 敦賀気比 B
滋賀 近江 A
京都 立命館宇治 D
奈良 智弁学園 B
和歌山 智弁和歌山 A
大阪 履正社 A
兵庫 明石商 B
岡山 岡山学芸館 D
広島 広島商 D
鳥取 米子東 D
島根 石見智翠館 D
山口 宇部鴻城 D
香川 高松商 C
徳島 鳴門 D
愛媛 宇和島東 D
高知 明徳義塾 C
福岡 筑陽学園 B
佐賀 佐賀北 D
長崎 海星 D
熊本 熊本工 D
大分 藤蔭 E
宮崎 富島 E
鹿児島 神村学園 D
沖縄 沖縄尚学 D



昨年の大阪桐蔭ほどの大本命といえるチームはいないものの、戦力の揃ったAランクの5校が優勝争いの中心となるだろう。中でもSランクにするか迷ったほどで、1つ抜けているのはやはり星稜かと思う。林監督の謹慎もあったが、それでもチームは春の北信越大会を制すると、夏にはエース奥川は157㌔をマークし今大会No1投手という評判に疑いの余地はない。奥川以外にも寺沢・萩原・寺西と力のある投手陣が揃っていて、あとは打線がムエンゴという秋・春のような展開にさえ気を付ければ…というところであろう。
20190323星稜 奥川
大会No1投手の星稜奥川

これに次ぐのは、大会No1の選手層といっても過言でない東海大相模。投手陣は誰がエースなのかは分からないが遠藤・紫藤・重冨・野口・諸隈・石田と学年タイプの異なる6投手がいて、誰が先発するか読むのは非常に難しい。打線は慶応を5回コールド、決勝では24得点をあげるなど、3人で神奈川大会8ホーマーの鵜沼・山村・西川を中心に破壊力は抜群。練習試合でもほぼ敗けはなく、今年に入ってからは公式戦無敗という実績もある。ただ1回戦の相手が同じくAランクの近江というのだけが不安材料だ。
20190825東海大相模 山村
神奈川大会で3ホーマーを放った東海大相模の4番山村

これに続くのは関西勢の3校。近江は昨年の甲子園ベスト8にも輝いた林ー有馬のバッテリーが健在で、滋賀大会では26イニング無失点という圧倒的な成績。打線も昨夏の甲子園で歴代最高打率をマークした3番住谷を中心に効果的に得点をあげることができていて、春の近畿大会を制した実績もある。昨夏はその近江に初戦で敗れた智弁和歌山は、監督して初の夏の甲子園を迎える中谷監督のもと、十分に優勝する力がある。自慢の打線は1番に主将で強打者の黒川を置き、代わりに4番には入った1年生の徳丸は和歌山大会で打率.500の活躍をみせた。エース池田陽も149㌔をマークするまでに成長し、センバツで147㌔をマークした2年生右腕の小林樹とともに投手陣の成長も著しい。履正社はエースの145㌔左腕清水に続く存在として、2年生右腕の岩崎が大阪大会ではノーヒットノーランを達成するなどして台頭したのが大きい。打線でも187㎝94㎏の大型スラッガー井上が準々決勝以降の3試合連続を含む4ホーマーを放ち、その井上を上回る11打点をあげた小深田・内倉と組むクリーンアップは強力そのものだ。
20190505近江 林優
滋賀大会無失点の近江のエース林

これに続くのが花咲徳栄・関東一・山梨学院といった関東の強豪、智弁学園・明石商という関西の強豪、東北の雄である仙台育英、九州の雄である筑陽学園、さらには敦賀気比となる。いずれにせよ6日(火)から始まる大会が楽しみな限りです。


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国学院久我山×創価【選手権西東京大会】

7/28 選手権西東京大会決勝
国学院久我山×創価 @神宮球場

試合経過

20190728国学院久我山×創価
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


西東京大会の決勝は国学院久我山VS創価という顔ぶれ。どちらも名の知れた強豪校であるが、東海大菅生・日大三・国士舘・早稲田実業というチームが有力視されていた中で、この2チームの勝ち上がりを予想できた人はいなかったであろう。

特に準々決勝では早稲田実業、準決勝では東海大菅生を破った国学院久我山は勢いそのままに序盤から攻勢に出る。2死から3番神山がヒットで出塁すると、盗塁を決めて、4番宮崎のタイムリーと3・4番の2人でまず先制。2回には四球→バント→伊藤のヒットで1死1・3塁のチャンスを作ると、9番青木が何と2ストライクからセーフティスクイズを決めて追加点をあげる。
20190728国学院久我山 宮崎1
先制タイムリーを放った国学院久我山の4番宮崎

ただ3回以降は創価のエース古川が徐々に力を発揮してきて、Max138㌔の力強いストレートを軸にしたピッチングで久我山打線を封じていくと、流れは創価に傾いてくる。
20190728創価 古川
3回以降本来のピッチングをみせた創価の古川

4回裏、創価は先頭の4番中山がヒットで出塁すると、松田が送ってチャンスメイク。さらに俊足巧打の外野手でもある6番のエース古川が1塁に見事にセーフティを決めて1・3塁。ここで7番古林は先ほどのお返しとばかりに見事にセーフティスクイズを決めて、1点を返す。さらに創価は6回裏、先頭の4番中山が初球の甘く入ったスライダーを捉えると打球はレフトスタンドに飛び込む同点ホームラン。昨秋は9番も打っていたとは信じられないほど頼りになる4番の一振りでついに創価が追いついた。
20190728創価 中山
同点ホームランを放つ創価の4番中山

その後も創価の流れは創価で、創価は7回と8回もバントで得点圏にランナーを進めるなどチャンスを作るも、国学院久我山のエース高下の丁寧なピッチングの前にあと1本が出ず…。試合は2ー2のまま最終回を迎える。

3回以降は快調なピッチングを続けていた古川だが、炎天下の中で8回までの投球数は130を越えていて、9回表には国学院久我山の8番伊藤・9番青木にいきなり連続四球を与えてしまう。1番西川はバント失敗も、2番岡田は2球目のストレートをセンターに弾き返し、勝ち越しタイムリー。さらに西川が盗塁を決め1・3塁となると、4番宮崎がこの試合2本目となるタイムリーを放国学院久我山が2点を勝ち越す。
20190728国学院久我山 岡田
9回に勝ち越しタイムリーを放った国学院久我山の岡田

創価は9回裏、先頭の8番杉田・9番谷藤といずれもライナー性の打球を放つも、野手の正面で2アウト。しかしここから1番大野がセンター前ヒットで出塁すると、2番島本は四球を選び、土壇場から長打で同点、1発が出れば逆転サヨナラというチャンスを作る。ここで迎えた3番宮原は初球のストレートを捉えると打球はセンター後方を襲うも、国学院久我山のセンター西川がキャッチしゲームセット。国学院久我山が4-2で創価を破り、西東京代表として甲子園出場を決めた。
20190728国学院久我山 優勝
28年ぶりの夏の甲子園出場をきめた国学院久我山ナイン


28年ぶりに甲子園出場を決めた国学院久我山。このチームにはスタート呼べるのは4番キャッチャーの宮崎くらいで、突出した選手がいるとはいえない。それでも29歳という若き尾崎監督率いるチームの、早稲田実業→東海大菅生→創価と西東京の名だたるチームを撃破した実力は本物であるといえる。そのチームの象徴的存在であったのがエースの高下だ。高下のストレートはMax135㌔と国学院久我山にしてはそれほど早いわけではないが、テイクバックを大きくとったスリークウォーター気味のフォームから得意のスライダーとともに丁寧に投げるピッチングが持ち味。特にこの試合で4試合連続となる高下は、ストレートは130前後がほとんどで、それでも粘りのピッチングで2失点完投してしまうあたりが、見た目以上の強さの象徴だと感じた。
20190728国学院久我山 高下
2失点完投勝利をあげた国学院久我山のエース高下

国学院久我山が高下1枚で勝ち上がってきたのに対し、創価はエース左腕の古川→2年生右腕の森畑という継投で勝ち上がってきた。この試合もそのパターンかと思われたが、エース古川は3回から調子をあげて無失点ピッチングしていたこともあり、片桐監督にしてみれば非常に継投が難しかった。最後はエースの意地というのもあったのだろか古川を最後まで引っ張ったものの、最終回には疲れが見えて明らかに球が上ずって、勝ち越しを許してしまった。森畑がマウンドに上がったのは2-4とリードされた後であり、結果的にはこの継投遅れが勝敗に響いてしまった。それでもこの強豪ひしめく西東京で準優勝は見事であり、創価が甲子園にいっていてもおかしくはない接戦であり、その健闘はたたえたいところだ。
20190728創価 森畑
この試合はちょっとマウンドに上がるのが遅かったか創価の2番手森畑


Pickup Player
宮崎恭輔 国学院久我山3年 キャッチャー
~最初と最後に効果的な2本のタイムリー~
国学院久我山の4番宮崎は効果的に2本のタイムリーを放ちチームを勝利に導いた。

強肩強打の捕手である宮崎は国学院久我山で1年秋に6番キャッチャーを務めるも、2年夏は代打のみの出場。2年秋に正捕手に復帰すると、4番打者としても打率.429の活躍で、まさにチームの扇の要としてベスト8進出。この活躍により2年冬にはキューバ遠征の東京選抜メンバーにも選ばれた。3年春の大会では、初戦で秋に日大三を破った目白研心から2ホーマーを放ちコールド勝ちを納めると、準々決勝では関東一に敗れるもベスト8入り。この夏も4番キャッチャーを務めると、5回戦の総合工科戦でホームランを放つと、続く準々決勝の早稲田実業戦ではキューバ遠征でチームメイトでもあったエース伊藤から高校通算15号となるサヨナラ満塁ホームランを放ち、その名をさらに轟かせた。

この試合でも4番キャッチャーでスタメン出場を果たした宮崎は、初回2死2塁うで迎えた第1打席では強烈な打球を右方向に放ち先制のライト前タイムリー。そこから3打席は調子をあげた古川の前に抑えられていたが、1点を勝ち越した後の9回1死1・3塁の場面では今度はセンター前にタイムリーヒット。敬遠も考えられる場面で勝負した創価バッテリーを後悔させる一打であった。この日の国学院久我山打線はまさに宮崎のタイムリーで始まり、宮崎のタイムリーで締めるという形であった。守備面でもセカンド送球1.8秒台の強肩をみせる場面はなかったが、連投でスピードの出ないエース高下を見事にリードして2失点完投をアシストした。

これで初となる全国の舞台にコマを進めた宮崎。181cm90kgの強肩強打の捕手とは国学院久我山の中でも1番の注目の的であり、甲子園での活躍次第では十分にドラフト候補にもなりえる逸材だ。

20190728国学院久我山 宮崎2
甲子園でも注目の強肩強打の捕手となるであろう国学院久我山の宮崎


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