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MHPS×青山学院大【オープン戦】

3/27 オープン戦
MHPS×青山学院大 @青山学院大グランド

試合経過

青山学院大の先発マウンドに上がったのは、新1年生の下村。しかしいきなり先頭打者のショートゴロを泉口がエラーして出塁を許してしまうと、そこから下村が2死までとるものの、MHPSの4番二橋はややアウトコース寄りのちょうどバットが届きやすいゾーンに甘く入ったスライダーを取られ、打球は左中間スランドに飛び込む2ランとなった。
20200327MHPS 二橋1
先制2ランを放った二橋

下村は2~4回MHPS打線をノーヒットに抑える好投を見せていたものの、5回表には矢野と久保に四球を与えてしまい、2死1・2塁のピンチを背負う。ここでMHPSの3番久木田はカウント1B1Sからのストレートを捉えると、打球はレフトスタンドに飛び込む3ランホームラン。さらに4番二橋も2本目となる1発をバックスクリーンややライト寄りに放ち、MHPSが3・4番の連続ホームランで4点を追加する。
20200327MHPS 久木田
貴重な追加点となる3ランを放った久木田

グランド整備明けの6回も続投した下村であったが、MHPSは6回表に新主将の常道が右中間スタンドに運ぶソロホームランで7点目。結局1発攻勢に泣いた下村は6回7失点という結果でマウンドを降りることとなる。ただ下村が打たれたヒットはこのホームランによる4本のみ。九州国際大付時代から評判の高かった右腕は、バランスのいいフォームから放たれるストレートは140㌔中盤をマークしていて、スライダー・カーブ・チェンジアップ(?)といった変化球も交えた投球は非常に魅力的であった。コントロールは悪くないものの、6四死球を与えてしまい、久木田の3ランに繋がってしまったあたりは課題だが、1年目から十分に先発してもやっていくことのできる投手だと感じた。
20200327青山学院大 下村
先発して6回まで投げた1年生右腕の下村

ただ下村とは対照的に、社会人の投手として格の違いを見せつけたのがMHPSの先発の大野。昨年ケガから復帰して、今年もMHPSのエースとして期待される右腕は、ストレートに加えて、得意のカットボール、スライダー・カーブ・チェンジアップといった多彩なボールを抜群のコントロールで操り、青学打線に的を絞らせない。6回まで投げて、打たれたヒットは散発の4安打のみであり、無四球、6奪三振無失点という投球をみせて、余裕をもってマウンドから降りた。
20200327MHPS 大野
6回無失点で格の違いを見せつけた大野

青学は7回からバッテリーを仲澤ー佐藤英と交代させたものの、仲澤は久木田・二橋に連打を浴びて、さらに四球を出すなどピりっとせずに1死満塁のピンチを招いたことろで、安藤監督は早くもピッチャーを交代。佐藤和をマウンドに送ったものの、この佐藤和が加治前・代打の河野と2者連続で押し出しの四球を与えてしまい降板。青学は昨年までは広陵の正捕手であったが大学では投手に再挑戦している1年生の秋山をこの厳しい場面でマウンドに送るものの、やはり荷が重すぎたか8番矢野に対してストレートの四球で、3者連続の押し出し。しかし続く9番長井の当たりはベース付近の鋭いサードライナーとなり、3塁ランナーが戻れずに併殺となり、幸運も味方して秋山がこの負の連鎖を何とか断ち切る。

なんとか流れを変えたい青学は7回裏、主将の西川に代打で1年生の手塚を送ると、この手塚が期待に応えてレフト戦に2ベース。佐藤英もセンター前ヒットで続いて、この回から登板したMHPSのルーキー福本から無死1・3塁という絶好のチャンスを作る。この1年生2人で作ったチャンスに対して、同じく1年生の中野も続きたいところであったが福本の低めのスライダーの前に三振に倒れると、続く代打の久保もキャッチャーフライ、最後は田野がレフトフライと青学にとってはホームが遠い展開となってしまった。
20200327青山学院大 手塚
代打で登場して2ベースを放った手塚

MHPSは8回は上野、9回は荒川とリリーフ陣が青学を3者凡退に抑えて完封リレー。MHPSが1発攻勢で10-0で青山学院大に快勝し、社会人の意地を見せつけた。

20200327MHPS×青山学院大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


濱屋(西武ドラフト2位)の穴埋めが課題となるMHPSの投手陣であるが、エース大野はこの日も健在であり、もう1つの先発の枠には昨年はリリーフとして活躍した2年目の伊藤を先発でテストするなどしている。そのリリーフの座を狙うべく、この試合では2人の元ライバルのルーキー2人が登板した。2015年の愛知大会決勝では愛工大名電のエース(福本)、中京大中京のエース(上野)として戦った2人は、今年からMHPSでは同期にとなった。福本はいきなり無死1・3塁というピンチを迎えるも、そこから本領を発揮して3人を抑えると、上野はわずか9球で8回を締めてみせた。この2人は先発もできるので、濱屋の穴埋め候補の筆頭として期待したい。
20200327MHPS 上野
この日はリリーフで好投したが先発としても期待したい上野

1発攻勢で10得点を奪った打線では、2人で3発6打点の久木田・二橋の3・4番コンビの成長が頼もしかった。これにより龍・常道といった中軸を打っていてもおかしくない2人が下位打線にいて、打線全体として厚みを増していた。ただMHPSの選手にとっては予断を許さない事態が待っている。三菱重工のチームは来年から4チーム(横浜・名古屋・神戸高砂・広島)が2チーム(横浜・神戸高砂)に統合されることが発表されていて、このMHPS(横浜)にも多くの選手がやってくることとなる。ただですら長崎と横浜が合併してから大所帯(現在31名)なので、来年のことを考えるともうこれからアピールを始めていかなければいけない。

完敗してしまった青山学院大にとって、唯一の収穫といえるのは下村の投球であろうか。7失点したとはいえ、社会人のチーム相手に6回4安打という投球は評価できる面もある。この試合ではともに、昨年からの経験もあり先発として期待されている仲澤・佐藤和の2人がリリーフで1イニングも持たずに降板。あとは先発候補としては森もいるが、そんな事情もあって下村がリーグ戦でも先発を務める可能性も非常に高い。

また下村以外にも楽しみな1年生もいた。野手でいえば昨年の大阪桐蔭の主将である中野は、このところのオープン戦ではずっとスタメンで起用されていて、この試合でもフル出場。佐藤英も正捕手争いに絡んでいるし、手塚もこの試合では代打で結果を出した。また昨年は広陵の正捕手であった秋山だが、青山学院大には投手として入学し、早くもこのオープン戦ではマウンドに立っているのは驚きであった。この試合では押し出し四球を与えたものの、その後は運も味方して、なんとか7回のピンチを切り抜けて、8回は無失点。広陵の1年秋以来の投手ということを考慮すれば、まだまだ伸びしろは十分であり、今後の成長が楽しみだ。
20200327青山学院大 秋山
大学で投手に再転向して、もうオープン戦で登板を果たしている秋山


Pickup Player
二橋大地 MHPS ファースト
~4番打者として期待される大谷キラーが2ホーマー~
MHPSの1発攻勢の主役は、2ホーマーを放った4番の二橋であった。

二橋は瀬谷ボーイズ→盛岡大付属というお決まりルートで進学すると、3年夏には4番サードを務め、岩手大会決勝の花巻東戦では相手エース大谷の高めのボール球のストレートを捉えると打球はレフトポール際へ飛び込む3ランとなり、盛岡大付が5-3で花巻東を破った。甲子園では初戦の立正大淞南戦で2安打を放つも、チームは延長12回で敗れてしまった。高校通算39発のスラッガーとして注目された一方、「大谷を倒した男」としても有名となった。

東日本国際大に進学すると、1年秋からサードを務め打点王・新人王・ベストナインを獲得すると、以後4番打者として活躍し、4年春にはMVPを獲得。5度のリーグ制覇を経験し、全日本大学野球選手権では3年春に大体大戦で3本の2ベースを放ち、4年春には立命館大の東(現:DeNA)からホームランを放った。卒業後は地元の神奈川に戻り、さらに大谷の父が所属していた三菱重工横浜から名前が変わったMHPSに入社。MHPSでは2年目には都市対抗で9番ファーストでスタメン出場を果たすとHonda鈴鹿戦では平尾からホームラン。昨年は7番打者として出場するも、初戦でトヨタ自動車に敗れるが、5番打者として出場した日本選手権ではそのトヨタ自動車に見事リベンジを果たしてみせた。

徐々に打順をあげてステップアップを果たしてきている二橋は、この試合では4番DHとしてスタメン出場を果たした。するといきなり2死1塁で迎えた第1打席で、ややアウトコースよりに入ってきたスライダーを逃さずに捉えて左中間のフェンス越える先制の2ランホームラン。前の打者の久木田がホームランを放って迎えた第3打席ではカウント2b2Sからのストレートを捉えると、今後はバックスクリーンややライトよりに飛び込む2者連続のホームラン。第4打席でも二遊間を抜けるヒットを放ち、結局この試合では4打数3安打2ホーマー3打点という活躍で、4番としての仕事を十分すぎるほどに果たした。

右のスラッガーとして是非とも首脳陣からも4番としての期待が大きいだろう二橋。今日のようなバッティングを続けて、公式戦が始まっても、この座を1年通して死守したいところである。

20200327MHPS 二橋2
2ホーマーで3打点をあげた4番二橋


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テーマ : 社会人野球
ジャンル : スポーツ

国大武道大×JR東日本【オープン戦】

3/21 オープン戦
国際武道大×JR東日本 @JR東日本柏グランド

試合経過

国際武道大とJR東日本のオープン戦は、国際武道大:板川、JR東日本:山田という、ともに2018年のU18日本代表に選出された左腕どうしの先発で幕を開けた。しかしこの日のJR東日本柏グランドは、3塁→1塁方向への風が非常に強く、左腕だとスライダーがほぼ横方向には曲がらないような状況であった。そんな悪条件の中でうまくコントロールができていなかったのが山田で、2回表には先頭の鮎ケ瀬に3ボールから死球、続く藤本にも四球を与えてしまうと、さらに続く吉田将の打球をショート吉澤がエラーしてしまい無死満塁のピンチを招いてしまう。山田は8番菅井は3球三振に仕留めるも、続く9番友永(国際武道大出身で元中日の友永翔太の弟)に三遊間を破られてしまい、国際武道大が先制する。
20200322国際武道大 友永
先制タイムリーを放った友永

山田は3回にも1死から柄澤に四球を与えてしまったところで降板。風という悪条件はあったものの先発して3回途中で降板というのは残念であった。ただ今年から背番号11を背負うなど期待の高さもうかがえ、またストレートはこの試合で登板した投手陣の中でも最速の146㌔をマークするなど、そのポテンシャルの高さは見せつけた。
20200322JR東日本 山田
3回途中で降板となったもののポテンシャルの高さは見せつけた山田

一方の国際武道大の板川は、強風の中でも安定した投球で3回までJR東日本打線をノーヒットに抑える。しかし4回の先頭打者の金子に四球を与えてしまうと、金子は自慢の俊足ですかさず盗塁を決めてチャンスメイク。JR東日本は1死1・2塁となってから5番丸子が強烈な打球で1・2塁間を破り、金子がホームに返って1-1の同点に追いつく。
20200322JR東日本 丸子
同点タイムリーを放つ丸子

ただ板川が打たれたヒットはこの1本のみ。丸子の後も服部を三振に仕留めるなど、横浜高のエースとしての意地か東海大相模勢(杉崎・服部)は完全に封じこめるなどして、4回1安打1失点というピッチング。今年からエースナンバーである背番号18を背負い、まさにJR東日本のエース伊藤と同じ道(横浜の左腕エース→国際武道大→背番号18を背負う)を歩みつつある。
20200322国際武道大 板川
4回1安打1失点の好投をみせた板川

試合は5回から両チームともに継投に入る。JR東日本は5回を宮本、6回を山口裕、7回を須永、8回を柴田紘、9回を西田を1イニングずつのリレー。特に最終回の西田は、先頭打者に振り逃げを許してしまい、2盗を決められて無死2塁というピンチを背負うも、後続の3人を打ち取って、国際武道大打線に得点を許さなかった。オフに手術を受けたこともあり、元気な姿をみせてくれたのは好材料であり、チームとしての10年連続プロ入りの最有力といえる。
20200322JR東日本 西田
手術明けながら最終回を無失点に抑えた西田

国際武道大は5回から2番手の原田がマウンドに上がった。左のサイドスローからクロスに入ってくるストレートは130㌔中盤~後半であるが、フォームの出所の見づらさや、球の荒々しさも重なって、「スピードそれだけしか出ていないの?」と思える球であった。特に左バッターに対しては遠く見えるアウトコースにこの球を集めていたが、たまにインコースに来るともうお手上げという状態であった。原田は結局8回まで投げて、JR東日本に2塁を踏ませずに、4回2安打無失点という素晴らしい投球であった。最終回は今度はサイド右腕の山本が力のあるストレートを武器に、左の強打者の丸子から三振を奪うなど力投をみせて3人で締めた。
20200322国際武道大 原田
4回無失点の好リリーフを見せた原田

両チームともに投手陣が踏ん張り、試合は1-1の引き分けに終わった。

20200321国際武道大×JR東日本
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


国際武道大は昨年である意味1つの時代が終わったといえる。国際武道大に2度の全日本大学野球選手権優勝をもたらすなど、1年春からレギュラーとして活躍していた勝俣(→オリックス)・豊田(→日立製作所)・磯網(→日本通運)・三河(→TDK)のカルテッドが卒業。前チームからのレギュラーである鮎ケ瀬・柄澤が中心にはあるのだろうが、やはり主軸といえる打者がまだおらず、打線に関していえば力不足感が否めない。そういう打線であるが、まだオープン戦だからかこの試合ではバントは使わないという方針であったようだが、それが見事に裏目に出てしまい、初回にいきなり1番湯浅が出塁した後に、2番梅田が併殺というようにランナーを進めることができなかった。
20200322国際武道大 柄澤
前チームからのレギュラーで新チームで攻守の中心として期待される柄澤

一方の投手陣に関していえば、昨年から下級生投手が投げていたこともあり、心強い。この試合で好投した原田・板川の2年生左腕2人はそれぞれ背番号が11と18と期待の高さがうかがえる。この試合ではベンチ入りしていなかったが、吉田良・尾身という昨春の先発2枚もおり、またこの試合のベンチにも菊池・塩原といった高校時代からネームバリューのある投手も控えていた。前チームとは正反対に打線がまだまだなところを、投手陣が補うという形で戦っていくことになるだろう。

JR東日本も1失点と成績だけを見れば投手陣は良かった。ただ山口・須永を中心に、本来もっているポテンシャルから見れば、球の力はまだまだという印象だ。JR東日本は最近は高卒の有力投手を獲得するなど、本当にポテンシャルの高い投手が揃い、最年長は大卒3年目を迎える西居・柴田叡・宮本という若い投手陣。まだ本当の意味で信頼できる投手は伊藤と西田くらい。今日投げた投手の中からそのレベルに上がる者が出てくることを期待したい。

またJR東日本はこの試合ではルーキー3人がスタメン出場。中でも注目だったのはセカンド杉崎である。東海大相模・東海大とともに名門で1年春からショートストップを担った逸材。JR東日本では正ショートであった東條が勇退したために、その穴を杉崎がそのまま埋めるのかと思われたが、この試合では杉崎はセカンドでフル出場。途中からセカンドのレギュラーともいえる主将の嘉数が入っても、ショート嘉数・セカンド杉崎という布陣になっていたので、JR東日本は杉崎を正セカンドとして起用していく方針なのかもしれない。
20200322JR東日本 杉崎
ずっと慣れ親しんだショートでなく、この試合はセカンドでフル出場を果たした杉崎


Pickup Player
柴田紘佑 JR東日本 投手?
~まさかまさかの投手転向?~
この試合1番の衝撃は、JR東日本の8回のマウンドに柴田紘が上がったことであった。

柴田は八王子高時代から強肩強打の捕手として活躍。1年夏から正捕手を務めると、1個上の末吉(武蔵HB)らとバッテリーを組み、3年春夏にはともに東京ベスト8まで進出した。東京国際大でも正捕手として活躍し、4年春には4番捕手主将としてチームを牽引。昨年JR東日本に入社すると、4月のJABA静岡大会では正捕手渡辺の負傷もあり、全試合でスタメンマスクを被る。6月には巨人との練習試合で5打点をあげるなどアピールを続けると、7月の都市対抗ではヤマハ戦で代打で出場して逆転タイムリーを放つ活躍していた。

2年目の今年はいよいよ正捕手の座を奪うべく渡辺に挑戦…と思われていたが、この試合で柴田の姿はブルペンでも受ける側でなく、投げる側にあった。正直これを見たときは、「遊んでるの?」と思った。ただ徐々に捕手を座らせて投球を行うと、そのまま8回のマウンドに上がった。

柴田のフォームは上体もまだ高く、テイクバックが小さく、いかにもキャッチャーやってましたというフォーム(まぁずっとキャッチャーだったので当たり前だが…)。ただそのフォームだけにバッターからすると出処も見づらく、またタイミングも取りづらそうであり、143㌔をマークしていたストレートはそれ以上に感じられたことだろう。柴田は先頭打者に四球を与えてしまうも、続く福里には2球ストレートでバントのファールを誘うと、最後はスライダーで空振り三振。5番鮎ケ瀬にはヒットを浴びて1・2塁とピンチを背負うも、ここからそのスライダーの割合を増やすと、これが効果的であり藤本をスライダーで三振。最後は吉田将もスライダーショートゴロに打ち取りこの回を無失点で切り抜けマウンドを降りた。ストレートにある程度力があるのは予想できたが、スライダーに関しては転向直後なのに想像以上の球であった。

捕手のときから2塁への送球が何でその低さで届くのか!?というくらいノビのある素晴らしいものがあり、その肩を生かして投手をやらせてみたいというのも分かららなくはない。ただ社会人になってから捕手が投手転向というのは聞いたことがない。上述のようにルーキーの捕手としては1年目で上々のスタートも切っていたので、この転向には疑問が残る。ただ1年目も都市対抗以降は離脱していたとの噂もあり、膝などのケガで捕手より負担の少ないポジションとして投手に転向しているのでは?と個人的には考える。実際にJR東日本は肩を痛めて投げられなかった吉永を野手としてテスト(その後はまた投手に戻ったが)したりと前例もある。

JR東日本の投手陣は豊富でポテンシャルも高いが、実際の試合となるとまだ信頼のおける投手というのは少ないのは実情。そういう意味では、今日は1イニングのみであったが投手としても可能性は大いに感じられた柴田が入り込む余地は十分にあり、個人的にもリリーフで使ったら非常に面白そうだと感じた。社会人になってから転向した異色の投手が、今後どのようになっていくのか期待しながら見ていきたいと思う。

20200322JR東日本 柴田紘
捕手から転向して、1イニングを無失点に抑えた柴田紘



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ジャンル : スポーツ

仙台大×慶応大【オープン戦】

3/21 オープン戦
仙台大×慶応大 @慶応大下田グランド

試合経過

ドラフト上位候補にもあがる仙台大の先発宇田川は、初回は古川・下山から連続三振を奪う完璧な立ち上がりをみせる。しかし慶応大は2回に先頭打者の正木がサードエラーで出塁すると、続く5番若林はフルカウントからのストレートを捉えると、高く上がった打球はバックスクリーンのややライトよりに飛び込む先制2ランとなり慶応大が先制する。
20200321慶応大 若林
先制の2ランを放った若林

しかし結果からいうと宇田川が打たれたヒットはこの若林のホームランのみであった。宇田川は本来のMax152㌔というストレートは鳴りを潜めていて、スピードは140~145㌔ほどで、どちらかというと低めを意識しているような印象であった。宇田川はこれまでリーグ戦では1シーズン28イニングほどが最多であり、小林・稲毛田・大関が抜けた今年は本格的にエースとしての役割が期待されることもあり、イニングを投げられる投球にシフトしているといったところであろうか?変化球はスライダー・フォークが冴えていて、バックネット裏のスカウトもストレートにはやや残念がっていたが、変化球(特にフォーク)に対しては評価が高かった。そんな感じなので圧巻という投球ではなかったものの、3回以降は慶応大をパーフェクトに抑えるなどその能力の高さを見せつけ、結果的には5回1安打2失点(自責点1)という内容であった。
20200321仙台大 宇田川
2ランは浴びたものの、5回まで慶応打線を1安打に抑えた宇田川

宇田川の好投に報いたい仙台大打線の5回の攻撃は川村から。昨年の秋には10打数連続安打をマークするなどして、首位打者・打点王を獲得した強打者は、今年から4番を座っている。そんな川村はフルカウントから膝元の変化球に反応すると、意外なことに打球は飛んで(正直打ったときはライト前ヒットがいいとこかと思った)打球はライトポール際に飛び込むホームラン。下の写真が物語っているように、川村はうまく反応しただけで、なぜそれでスタンドに入るのか分からないという力強さであった。
20200321仙台大 川村
この体勢の打ち方でホームランを放った川村

ただ慶応大の先発の関根も、この1発だけという投球であった。1年春の開幕戦の先発マウンドにあがるなど、1年春秋で計5勝をあげた右腕は、右肘の手術なども経験して昨年は登板がなかったが、首脳陣からの期待は大きい。関根はなんといっても、堀井監督が「試合を作れるのが持ち味」と評した通り、Max144㌔のストレートに2シーム・スライダー・カーブなどを交えて5回までわずか57球で仙台大打線を調理した。復活をかけるこのマウンドで5回2安打6奪三振1失点と素晴らしい投球で、先発候補に加わったといえる。

そんな両投手の好投によりた試合は、慶応大が2-1とリードして前半戦を終え、後半戦から両チームとも継投に入っていく。

1点を追う仙台大は7回表、2死からさきほどホームランを打った川村が警戒されてか四球で出塁。慶応大の堀井監督はここで小菅からサイド右腕の長谷川に投手を交代し、同時にレフトを藤元か水久保に交代した。ただ長谷川は5番柿田にレフト前ヒットを浴びて、さらに死球を与えてしまい、2死ながら満塁のピンチを背負う。仙台大はここで1年生ながらショートストップを務める1年生の辻本を迎えると、辻本が粘った末に捉えた打球は左中間を襲う。抜けて仙台大が逆転かと思われた打球であったが、これをレフト水久保が快足を飛ばしてギリギリでキャッチ。水久保のファインプレーという堀井監督の起用が見事に的中する形で、慶応大がこのピンチを凌いだ。
20200321慶応大 水久保
起用に応え左中間のフライをスーパーキャッチした水久保

6回は小関、7回は海老原と仙台大のリリーフ陣に完璧に抑えられていた慶応大だが、8回裏には4番手佐藤亜から先頭の渡部遼が四球で出塁。ここでバントのために代打宮尾を送るも、渡部遼がその意表をついて盗塁を決めると、さらに宮尾が送って1死3塁という追加点のチャンスを作る。するとここで迎えた今日スタメンマスクの8番植田がセンターオーバーの2ベースを放ち、さらに続く水久保もセンター前ヒットと今度はバットで魅せて慶応大が2点を追加する。リードを3点に広げた慶応大は、9回表は前の回から登板していた長谷部が3人で片づけてゲームセット。慶応大が4-1で仙台製を下した。
20200321慶応大 植田
貴重な追加点となるタイムリー2ベースを放つ植田

20200321仙台大×慶応大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


慶応大の投手陣の層の厚さを改めて実感した試合であった。先発の関根の復活を印象づける投球は慶応大にとってうれしい限りであり、それに加えて8回から登板した長谷部の投球も可能性を感じさせるものであった。現在の慶応大の4年生には、木澤・佐藤・関根・長谷部と150㌔をマークした投手が4人いるという恐ろしい布陣。そしてこの4人ともに高い能力を持ちながらケガに苦しみ、大学では継続的に登板ができていない状態であったが、最終学年となってこの4人がやっとそろったという状態。これに加えて昨秋にはリーグ3位の防御率1.35をマークした森田や、リリーフとしてもいいとことでの投球が光った増居などの後輩投手陣も控える。本当に今年の慶応投手陣は、日本代表に投手を4人くらい派遣してもおかしくない布陣であり、堀井新監督がリーグ戦でどのような起用をするのかが楽しみである。
20200321慶応大 関根
5回2安打1失点で復活をアピールした関根

敗れた仙台大であるが、こちらも投手陣のレベルの高さが光った。先発した宇田川はもちろんのこと、2番手として6回のマウンドに上がった小関は3者三振、3番手の海老原も7回をパーフェクトに抑えた。最後には、昨夏の千葉大会の準優勝投手である1年生のサイド右腕の川和田も登板し、リリーフ陣のバリエーションも豊富だ。総合力でいくとライバル東北福祉大には簡単にかなわないが、先発2番手の長久保も含めて、この投手陣がいれば今年も十分に東北福祉大を破ることも可能であろう。
20200321仙台大 小関
6回の慶応の攻撃を3者三振に抑えた小関


Pickup Player
長谷部銀次 慶応大4年 投手
~左腕にしてこの力強いストレート~
8回から4番手としてマウンドにあがった長谷部の投球には、プロのスカウトも期待感が膨らんだに違いない。

長谷部は中京大中京では2年夏の愛知大会で、背番号10ながら準決勝までの3戦で先発のマウンドに上がる。決勝の愛工大名電線でも先発のマウンドに上がったものの、初回に西脇に3ランを浴びて降板。チームはエース上野の好投もあり、逆転勝ちを収めて甲子園に出場。甲子園でも上野の好投が続き、長谷部に登板の機会はなかった。2年秋はエースとなるものの愛知ベスト4止まりとなり、その後は腰痛の影響もあり満足に投球することはできなかった。慶応大に進学するものの、上述の腰を手術したこともあって、リーグ戦での登板はここまで2年春の1試合のみ。ただ練習では153㌔をマークしたとの話もあり、その能力の高さは注目されていた。

この試合では8回から4番手として登板した長谷部は、コントロールが安定せずに、先頭打者に四球を与えてしまう。ただストレートには非常に力があり、Maxは147㌔をマークした。このストレートは続く打者にバントを刺せないほどの威力であった。1番立石にはヒットを浴びて、2死1・3塁のピンチを背負うも、最後は3番今津をキレのあるスライダーで三振に仕留めピンチを脱する。9回はややストレートのスピードを抑えつつ、3人を打ち取って試合を締めた。日体大戦に続いて2回無失点とリリーフとして結果を出した。

ストレートに関しては、左腕としてこれほどの威力のある投手はなかなかいないというレベルであり、スライダー自体もよかったが、打者はストレートをマークするのが精一杯でもう他の球種が来たらほぼお手上げ状態であった。まだまだコントロールなどに課題は残るものの、長谷部の本来の球が投げられれば、大学生では打つのは難しいだろう。長谷部はリーグ戦での登板は1試合のみだが、今年プロ入りを目標に掲げているが、それもある意味納得できるものである。まずは慶応の層の厚い投手陣の中でしっかりと登板機会を得て、リーグ戦で結果を残せば、秋には「杉田玄白の末柄がプロ入り」という見出しも見られるかもしれない。

20200321慶応大 長谷部
ストレートの威力は抜群であった左腕長谷部


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慶応大×Honda【オープン戦】

3/20 オープン戦
慶応大×Honda @慶応大下田グランド

試合経過

ホームであるがこの試合では先攻となった慶応大の主将がいきなり見せた。1番瀬戸西はHonda先発の米倉の初球を捉えると、打球はバックスクリーンよりややライト側に飛び込む先頭打者ホームラン。今年はプロ入りを目標に掲げる慶応大の新主将にとって、堅実な守備や走塁は魅力的な一方、バッティングに関していえば力強さが足りないところはあったが、そんな不安を払拭させる見事な一振りであった。慶応大は2回にも若林のヒットから2死1・2塁のチャンスを作ると、9番の上田が米倉の変化球をうまくライト前に運ぶタイムリーを放つ。
20200320慶応大 瀬戸西
初球先頭打者ホームランを放った瀬戸西

Hondaは4回から2番手として、Honda熊本から移籍してきた伊藤がマウンドに上がる。しかし慶応大は福井のヒットに続いて、上田がセーフティバントを決めて1・2塁のチャンスを作ると、瀬戸西の強烈な打球をショート中村将が後逸してしまい、福井がホームイン。2番古川の打球はライト北岡がスライディングキャッチでするも、これが犠牲フライとなり、慶応大がリードを4点に広げる。

慶応大の先発はプロ注目の本格派右腕の木澤。この試合ではMax150㌔をマークしたストレートに加え、縦のスライダー・カットボール・カーブ・SFFと変化球も多彩で、ストレートだけでなくこれらをうまく操れるようになったあたりは成長していると感じた。特に圧巻だったのは3・4回でともに、ここ1番というところで決めた球がいいところに決まり、2三振ずつを奪った。
20200320慶応大 木澤
慶応大の先発のプロ注目の木澤

しかし5回には落とし穴が待っていて、先頭の檜村がライト前ヒット、さらにライブした打球をライト正木が後逸していまい、無死3塁というピンチを迎えると、ここから藤野・布袋と連続死球を与えてしまい無死満塁。1番中村将には2エラーの汚名返上とばかりに、レフト前にタイムリーを浴びてしまい初失点。なおも無死満塁であったが、ここから切り替えられた木澤は2番津田をストレートのみ3球で三振に仕留めると、3番北岡をセカンドゴロ併殺に仕留めて、この回を最少失点で切り抜ける。木澤は志願して6回まで投げて、4安打1失点8奪三振という内容でネット裏のスカウトも満足の内容であったことだろう。
20200320Honda 中村将
木澤からの唯一の得点となるタイムリーを放った中村将

慶応大打線は6回にも瀬戸西・古川の1・2番コンビの連打とワイルドピッチで1死2・3塁のチャンスを作ると、3番下山がうまく三遊間を抜いて、これにレフトのエラーも重なって2点を追加。8回にも古川・下山の2年生コンビの連打から満塁のチャンスを作ると、5番若林の犠飛と6番渡部遼のファースト強襲のタイムリーで2点を追加。7番嶋田もヒットで続くと慶応大は社会人チーム相手に何と先発全員安打を達成する。
20200320慶応大 古川
6・8回の2得点ではともに起点となった2番古川

慶応大の2番手生井にも7回は抑えられたHonda打線であったが、8回裏には新人の津田がレフトポール際にソロホームランを放つ。ただこれでも一矢報いたというくらいで、試合は8-2と慶応大が大きくリードを奪ったまま最終回を迎える。
20200320Honda 津田1
8回にソロホームランを放った津田

9回裏、慶応大のマウンドには3番手として丸谷が上がるものの、1死から檜村・藤野に連続四球を与えてしまう。続く布袋のサードゴロを併殺を焦ったのかサード下山が後逸してしい、Hondaが1点を返す。それでも1番中村将はレフトフライに打ち取り、慶応大は勝利まであと1死としたものの、2番津田は変化球をうまくセンター前に運ぶタイムリー。3番北岡はファーストゴロでゲームセットと思いきや、今度はファースト角谷がエラーすると、続く代打高山には押し出しの死球。慶応大にとっては最悪の流れとなり、オープン戦にも関わらず思わず堀井監督がマウンドに駆け付けたほどであった。ただそれでも流れは止まらず、5番の慶応大OBの山本瑛がレフト前に2点タイムリーを放ち、7-8とついに1点差に迫る。ここで迎えるのはこの試合ノーヒットと当たっていなかった守屋であるが、守屋は初球を振りぬくと打球は左中間スランドに吸い込まれる逆転のサヨナラ3ラン。Hondaが9回裏に6点差をひっくり返す大逆転劇で勝利を収めた。
20200320Honda 守屋2
サヨナラ3ランを放った守屋

20200320慶応大×Honda
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


Hondaは大学生が相手ということもあり、この試合では辻野・吉田・井上・鈴木といった主力陣はお休みで、スタメンには津田・中村将・檜村と3人の新人内野手が名を連ねた。Hondaは松田(ロッテ)と木浪(阪神)とショートを守れる主力内野手が2人同時にプロ入りしてしまい、昨年は本職はサードの太田がショートの1番手となっていた。さらに太田とともにショートも務めていた西銘は今年からアナライザーとなってしまい、ショートの補強は急務であった。この試合では中村将がショートを守ったが、檜村・津田も本職はショートであり、レギュラー獲得に向けたアピールが始まった。

まず中村将は亜大時代はどちらかというとセカンドや外野が多く、まだショートに不慣れなこともありエラーを2個喫してしまった。ただ動きは非常に機敏であり、5回には嶋田のセンターに抜けようかという当たりを横っ飛びでキャッチして、素早く送球してアウトにするというファインプレーをみせた。亜細亜大仕込みだけあってガッツのあるプレイヤーで、走塁に関しては俊足もさることながらその姿勢も素晴らしい。檜村は本来はショートの候補筆頭であり、こちらは打力のある大型ショートタイプ。この試合でもバットでは2安打を放ち大きくアピールした。ただ1番アピールに成功したのは2番の津田で、8回にはソロホームランを放ち、9回には低めの難しい変化球をセンター前に運ぶなど2安打2打点の活躍で逆転勝ちに大きく貢献したといえる。3人ともそれなりの結果が出せたのはHondaにとっては好材料であろう。
20200320Honda 津田2
ルーキー3人の中でホームランにタイムリーと1番アピールに成功した津田

慶応大は新チームを牽引する塾高勢の活躍が目立った。先発した木澤、1番瀬戸西、3番下山、4番正木とチームの中核をなす
センスは、いずれも慶応高出身の選手であり、6回1失点の好投をみせた木澤に加えて、瀬戸西は先頭打者ホームランを含む2安打、下山3安打、正木も2安打とそれぞれがしっかりと結果を出した。この4人を中心に躍動した慶応大は、8回までに先発全員安打を達成するなど8-2と完勝ムード。主力はお休みで新人が多いとはいえ、その新人も檜村・藤野・朝山ら昨年まで慶応大の前に立ちはだかっていた東京六大学の主力選手たちというレベルの社会人チーム相手に。この戦いぶりは素晴らしかった。
20200320慶応大 下山
3安打で打線を牽引した下山

ただ最終回には関しては脆さを露呈してしまった。マウンドに上がった丸谷は経験が少ないのに、2年生ながら昨年からのレギュラーである下山、ファーストの4年生角谷がエラーで足を引っ張ってしまったのは痛い。この流れに完全に飲み込まれた丸谷も褒められる内容ではないが、結果的には最終回の8点はすべて自責点でないということで、この2つのエラーの大きさを物語っている。今年から就任した堀井監督にしてみれば、8回までの天国から一気に9回で地獄に落とされたような気分であろう。選手の能力の高さでいえば、今年も東京六大学でトップクラスなだけに、このようなところを詰めていき、優勝を逃さないようにしたいところだ。


Pickup Player
守屋元気 Honda キャッチー
~最後に一振りで大逆転を完結~
Hondaの大逆転を完結させたのは、この試合DHで出場していた守屋であった。

守屋は春日部共栄時代から強肩強打の捕手として名を馳せていて、1年秋から正捕手となると、2年春からは3番を務めるなどチームの主力に成長。2年冬にはオーストラリア遠征の埼玉県選抜では4番捕手を務め、エース小島(ロッテ)とバッテリーも組んだ。3年夏には埼玉大会で打率.577の活躍で優勝に貢献。決勝では市立川越の好左腕の上篠から3安打を放つも、死球を受けてしまい、痛み止めを飲みながら甲子園に臨むも、初戦ではその年のセンバツを制した龍谷大平安を撃破した。

プロからも注目されたが、東海大に進学すると、1年春から10試合でスタメンマスクを被るなど、1年春・2年春・2年秋はともに正捕手格として活躍し、大学日本代表の候補合宿にも参加した。しかし頃から1個下の後輩である海野(ソフトバンク)が正捕手として台頭してきて、3年春以降は控え捕手となってしまった。

Hondaに入社すると、1年目から途中出場ながら都市対抗にも出場し、東海大時代からの同期である青島とのバッテリーも組んだ。しかしHondaでは正捕手には社会人日本代表でもある辻野が降臨していて、さらに今年は立教大からプロ入りも噂された藤野が入社するなど捕手争いは熾烈を極めている状態。よってこの試合も藤野がスタメンマスクを被り、守屋は打力を生かしてDHでの出場となった。

守屋は1打席目は死球を受けるも、2・3打席目は木澤の前に連続三振。木澤のストレートに対して、初球からフルスイングしていく様は見ていて気持ちいいものがあったが、結果にはつながらなかった。最終回の先頭打者として回ってきた第4打席でもサードフライに倒れてしまい、残念ながらこの試合は守屋にとっては全くいいところがなく終わってしまうと思われた。それでも相手のミスもあり、味方が繋いで。7-8と1点ビハインドの2死満塁という場面で、守屋にまさかの第5打席が回ってきた。守屋はここでも積極的に初球から振りに行くと、ライナー性の打球はそのまま左中間のフェンスを越える逆転サヨナラ3ランホームラン。結果が出なかった4打席目とは裏腹に、最後の一振りで最高の仕事をはたし、Hondaの大逆転劇を完結させた。

上述のようにHondaの正捕手への道は容易ではない。ただこの試合の活躍で守屋にとっては、代打やDHでの出場といった幅が広がってきたことは事実であろう。肩力でいえばハイレベルなものを持っているので、あとはバットで結果を出しつつも、リード面で斉唱して、Hondaの正捕手へと突き進んでほしい。

20200320Honda 守屋1
DHでの起用に応えサヨナラ3ランを放つ守屋


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センバツの開幕日に思うこと…

3/19今日はセンバツが開幕するはずの日だったのですね。
例年は楽しみで仕方ない日だけど、今年に関していえば、「あっ、今日だったっけ?」って感じです。

センバツが中止になったのは、我々にとってもそうですが、特に甲子園を目指してきた選手にとっては非常に残念なことです。

ただ甲子園でプレーできる球児はだいたい毎年1000人くらいはいるかと思います。
だから10年経てば1万人はいる。

でもセンバツ出場が決まったけど、出れなかった選手は今回の32×18=576人だけ。
おそらく10年経っても576人だけでしょう。

甲子園でプレーできないのが残念なことには変わりないが、ある意味レアではある。
10年後には彼らが「こっちの方が話のネタになる」なんて思えたらいいですね…。


さて球児たちの救済措置の話が色々できますが、
個人的には夏の大会前のどこかで甲子園でエキシビションマッチでもやって欲しいと思います。

32チームがそれぞれ1試合ずつ行うので、4試合×4日あれば消化できる。
これくらいだったら甲子園の方も何とか都合つかないかと…。

アルプススタンドには応援団を入れて、スタンドは満員…。
コロナ次第なところはあるけど、そんな光景ができたらいいかな…と。


個人的な話でいえば、センバツの前売りチケットの払い戻しに行かなければ…。

こっちにも救済措置ないですかね?
夏の甲子園の前売りを優先的に取得できるとか…。



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オールフロンティア×セガサミー【オープン戦】

3/15 オープン戦
オールフロンティア×セガサミー @セガサミー野球場

試合経過

2回表オールフロンティアは、この試合ではDHで出場していた浅賀(本来は正捕手)がセンター前ヒット出塁すると、眞崎が送ってチャンスを広げると、8番森岡は3塁線を見事に破るタイムリー2ベースを放ち先制。オールフロンティアは3回にも齋藤・浅賀のヒットで2死1・2塁とすると、続く眞崎の打球はライナーであるがショート正面でチェンジと思いきや、これをショート中川が弾いてしまい満塁。生き返ったオールフロンティアは7番高橋が三遊間を破り2点目をあげると、これでセガサミーの先発横田は完全にリズムを崩したか森岡にはストレートの四球を与えてしまい押し出し。9番柳瀬の打球はショートゴロであったが、またもや中川の送球がショーバンとなってしまいファーストが取れず、(これはファーストも悪いが)中川の2個目のエラーでオールフロンティアが4-0とリードを広げる。
20200315オールフロンティア 森岡
先制のタイムリーを放った森岡

オールフロンティアの先発はルーキーの登坂。登坂がコンパクトに腕を振りぬき繰り出すストレートは140㌔を超えていて、これがうまくコーナーに決まり、このストレートを中心に大きく曲がるスライダーとのコンビネーションで3回までセガサミー打線を無安打9人で抑え込む。しかし4回に変化球の割合を増やした登坂にセガサミー打線が襲い掛かり、北川の初ヒットを皮切りに、平田もヒットで続き、さらにタッチアップで2死2・3塁のチャンスを作ると、5番北阪は低めのボールをうまくすくいあげ、打球はセンターの頭上を越えるタイムリー2ベースとなり、セガサミーは2点を返す。
20200315オールフロンティア 登坂
3回まではセガサミー打線をノーヒットに抑えた先発の登坂

オールフロンティアは5回表、浅賀が早くもこの試合で猛打賞となる2ベースを放ちチャンスを作ると、セガサミーは横田が左バッターの眞崎を抑えて、右バッターの高橋を迎えるところで、マウンドに2番手として元巨人の田中を送るという実戦さながらの継投を見せる。田中は寒い中半袖でマウンドに上がると、サイドからMax148㌔のストレートを繰り出し、このピンチを凌いでセガサミーに流れをもってくる。すると5回裏にセガサミーは高本がヒットで出塁して、代走政野が北川の右中間フェンス直撃のタイムリー2ベースで生還して、セガサミーが3-4と1点差に迫って、試合は前半戦を終える。
20200315セガサミー 田中
セガサミーの2番手の元巨人田中

オールフロンティアは6回表、前の回は完璧なリリーフであった田中に対して、田中・関・齋藤の1~3番が3連打で満塁のチャンスを作る。すると4番に座るルーキーの飯塚は、インコースのボールを1・2塁間に運ぶという器用さをみせるタイムリーヒットを放つ。さらに浅賀の打球は定位置より前のライトフライであったが、この打球に1塁ランナーが飛び出してしまう。しかしファーストはホームの中継に入っていたために、誰も1塁のベースカバーはおらず、ライトがファーストに投げれずに困っている隙に、1度はタッチアップを諦めた3塁ランナーの関がホームを陥れる好走塁をみせて、オールフロンティアが6-3と突き放す。
20200315オールフロンティア 飯塚
タイムリーを放った4番のルーキー飯塚

それでもセガサミーは6回からマウンドに上がったオールフロンティア2番手の南木を攻めて、根岸・須田のヒットと四球で満塁のチャンスを作ると、8番政野が押し出しの四球を選び、さらに続く西村のショートゴロ併殺崩れの間にもう1点を加えて、5-6と再び1点差に迫る。さらに7回裏には北川がこの試合3安打目となるヒットで出塁すると、3番平田がセンターフェンス直撃のタイムリーを放ち、セガサミーが6-6とついに試合を振り出しに戻す。
20200315セガサミー 平田
同点タイムリーを放った平田

セガサミーは7・8・9回と東→横山→陶久と3投手がノーヒットで抑え、同点のまま9回裏の攻撃を迎える。オールフロンティのマウンドには前の回からリリーフエースの金子が上がっていたが、この回先頭の北川は四球を選び、またもや出塁すると、続く平田のバントをファースト飯塚が悪送球して無死2・3塁。4番根岸は申告敬遠で歩いて、無理満塁という絶好のサヨナラのチャンスを作ると、5番の北阪のライトフライで。3塁ランナー北川が俊足でタッチアップしホームイン。セガサミーが北阪のサヨナラ犠飛で7-6で勝利した。
20200315セガサミー 北阪
サヨナラ犠飛を含む3打点の活躍をみせた北阪

20200315オールフロンティア×セガサミー
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


オールフロンティアは序盤は見事な試合運びであった。打線は大きな当たりを打てる選手は少ないが、序盤は3安打を放った5番浅賀を中心に、ともに2安打の関・齋藤といった昨年からの経験者を中心に打線につながりがあり、飯塚・高橋といった新人もタイムリーヒットを放った。まだまだ若い打線であるが、セガサミーの横田・田中といった経験が十分な投手を見事に攻略して試合を優位に進めたのは評価できる点であった。
20200315オールフロンティア 浅賀
3安打を放ち打線につながりをもたらせた浅賀

そのオールフロンティアの若い打線はこの試合のスタメンも半分以上が新人という状況。新人の活躍は頼もしい限りだが、HPを見る限りは昨年から残っている野手は7人のみで、ある意味新人を使わざるを得ない状況である。オールフロンティアが都市対抗出場を目指すのであれば、やはり社会人野球の場に慣れた選手の力が必要。特にエース高橋が補強選手としても参戦して、昨年の都市対抗では同地区のJFE東日本が優勝し、南関東の都市対抗出場枠は1個増えているために、オールフロンティアにとっても今年は大きなチャンス。それだけに大幅なチームの入れ替えは楽しみもあるが、何かよくない事態がチームに起きた可能性もあり、不安の方が大きい。

セガサミーもこの試合ではルーキー3人がスタメンで出場し、特に1番ショートの中川と3番nセンター平田については1年目から十分にレギュラーとして期待できる2人である。中川はこの試合では打っては3打数ノーヒット、守備では2エラーと散々な結果であったが、188㎝の大型ショートはそのポテンシャルが高く、大学時代には日本代表候補合宿に3度も参加した実績をもあり、セガサミーでも背番号1を背負う期待度の高さである。平田はこの試合ではいずれも得点に絡む2安打を放ち、特にセンターフェンス直撃のタイムリー2ベースはもう少しでホームランというあたり、最終回にはサヨナラにつながるバントを決めるなど打撃面でしっかりと結果を残した。この試合では本間・市根井といった外野の主力はベンチスタートであったが、このままいけば最後の1枠を平田が仕留められると思わせる活躍であった。新人が加わって非常に戦力に厚みが増したという印象で、西田監督に代わった新制セガサミーは非常に楽しみである。
20200315セガサミー 中川
期待の大型ショート中川


Pickup Player
北川智也 セガサミー サード
~セガサミーの攻撃の起点はこの人~
3得点をあげるなどして、この試合でセガサミーの攻撃の起点となったのは2番の北川であった。

北川は福井工大福井では、ヒットを量産しつつ小柄ながらパンチ力もある打撃と俊足を生かして、2年春のセンバツに1番ショートとして出場。開幕戦でその年のセンバツを制した智弁学園の村上(東洋大)の前に完封負けを喫した。2年秋からはチームの主将も務め、打率.426に加えて1番打者ながらチームトップの16打点をあげる活躍で北信越大会制覇に貢献し、3年春にも2年連続でのセンバツ出場を果たした。高卒でセガサミーに入社すると、1年目から代走などで出場機会を得て、2年目となった昨年からサードでの出場機会も増え、3年目を迎える今年は本格的にレギュラー定着を狙っている。

この試合でも2番サードで出場した北川は2回の第2打席でセカンドに強烈な打球を放つと、これをセカンドが後逸し、チーム初となるヒットをマーク。走塁でも、持ち前の俊足を生かして根岸のレフトフライで2塁→3塁へタッチアップを成功させて得点につなげるなど、ノーヒットピッチングを続けていた登坂の攻略の起点となる貴重な1打であった。2死2塁で迎えた第2打席では、もう少しでホームランという右中間フェンス直撃のタイムリー2ベース。7回裏の先頭打者として迎えた第4打席でもセンターヒットを放ち、猛打賞をマークすると、同点のホームを踏んだ。この日の北川の打撃の内容だと、同点の9回裏の先頭打者として北川が立つだけで大きな期待が持て、この打席ではボール球を強振してしまう場面も見られたが、最終的には粘った末に四球を選んで出塁。最後は北阪の犠牲フライでサヨナラのホームを踏んだ。4打数3安打1打点3得点という活躍で、見事にセガサミー打線の攻撃の起点となった。

高卒3年目で今年はドラフト解禁となる北川。身長が166㎝と小柄なところはネックであるが、それでもヘッドスピードの速いスイングで十分に長打も打てるバッターであり、守備力・走力も兼ねそろえているので、今年の活躍次第ではドラフトの指名もあり得るであろう。

20200315セガサミー 北川2

20200315セガサミー 北川1
3安打3得点の活躍でセガサミーの攻撃の起点となった北川



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【センバツ出場校紹介④】智弁学園

センバツ出場校紹介の4回目は、智弁学園です。

秋の戦いぶり
夏の甲子園に出場した前チームのベンチ入りメンバーのうち、9人が残った新チームは前評判が高かった。奈良大会ではその前評判通りに順当に勝ち上がっていくと、準決勝ではライバル天理(のちに近畿大会優勝)にコールド勝ち、決勝では奈良大付を破って優勝果たした。地元の1位として臨んだ近畿大会でも初戦で神戸国際大付に逆転勝ちを収めると、準々決勝では打撃戦となった智弁和歌山との智弁対決を17-13で制して、センバツ出場を確実なものとすると、準決勝では大阪桐蔭相手に試合を有利に進めたものの最後はサヨナラ敗けを喫してしまった。

戦力分析
予想オーダー
  守備 選手名 学年
1CF白石3
2 SS三田3
3 1B今崎3
4RF前川2
5 2B浦谷3
6 3B山下2
7 LF 山崎 3
8 C 田上 3
9 P 西村 2


投手陣は1年生ながら夏の甲子園でも登板を果たした左右の2枚看板が中心となる。左腕の西村はキレのあるストレートに多彩な変化球が武器で、これらの球を度胸満点に投げ込んでいく。近畿大会では神戸国際付から2失点完投勝利をあげるなどして、秋は背負った背番号1の通りエースとしての働きをみせた。小畠は185㎝の長身から繰り出すMax143㌔のストレートとスライダー・フォークが武器の本格派右腕で、1年春の近畿大会では近江相手に8回無失点、夏の甲子園の八戸学院光星戦でも先発を務めた。この2人の能力の高さは光るものの、夏の甲子園の八戸学院光星戦では10失点、秋の近畿大会の智弁和歌山戦では13失点とやや脆いところはある。これを防ぐべく、左腕の荒川、球威のある岡田、1年時には投手も兼任していたショート三田ら3年生投手の奮起にも期待したい。
20190812智弁学園 小畠
185㎝の本格派右腕の小畠

秋の公式戦では打率.586、近畿大会の初戦の神戸国際大付戦での2発を含む6ホーマーをマークした4番前川は、1年夏の甲子園でも4番を務め、2年生世代では現状No1スラッガーと言える存在。主将の白石は俊足強打の1番打者として、チャンスメークもできるが、秋は3ホーマーを放つなど試合を決める力もあり、前川に次ぐ13打点をマーク。これに秋は打率.435をマークしたレフト山崎も含めた外野の3人は、夏の甲子園のレギュラーがそのままで守備力も高い。前川の前後を打つ、3番今崎は.400、5番浦谷は.500とともに打率が高く、1発のある2年生スラッガーの山下など、どこからでも点がとれる強力な打線である。主力・控えに2年生が多く、全体的にポテンシャルも高いチームなので一冬越えてのレベルアップも期待できる。あとは内野の守備をどれだけ強化して、投手陣を支えられるかがキーになってくる。
20190812智弁学園 前川3
2年生世代再強打者との呼び声高い前川
20190812智弁学園 白石
リードオフマンを務める主将の白石


センバツ制覇へのキーマン
三田智也 3年 ショート
U15日本代表ではショート兼投手として活躍した逸材は、智弁学園でも1年春の近畿大会の大阪桐蔭戦でショートとしてスタメン出場を果たし、1年夏の奈良大会では背番号11で投手としてもマウンドに上がる。1年秋よりショート、2年春からはセカンドのレギュラーをとして活躍するも、2年夏の甲子園ではスタメンの座を奪われ、代打のみの出場となる。2年秋は2番ショートとして活躍し、奈良大会では準々決勝の郡山戦と準決勝の天理戦で2試合連続弾を放つなど活躍。ただ打率は投手以外のスタメンでは唯一の2割台であり、ショート守備でもエラーが目立った。

入学当時の期待度の高さ活躍ぶりからみれば、現在の三田は期待通りとは言いづらい状況だ。小坂監督からも「守備ならショートは岡島(2年)の起用も~」と口にしてしまうほどである。ただ肩の強さでいえば唯一無二のショートとなれるポテンシャルもあり、本来は守備陣の中心となるべき選手であり、その肩力を生かして投手としてもマウンドに上がる姿にも期待したい。打っても白石と前川繋ぐ2番打者としての役割も需要であり、三田が攻撃・守備・投手の3つの面で智弁学園のキーマンとなることだろう。

20190503智弁学園 三田
打って守って投げてで期待のかかる三田


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【センバツ出場校紹介③】東海大相模

センバツ出場校紹介の3回目は、東の優勝候補筆頭の東海大相模です。

秋の戦いぶり
鵜沼・山村・西川を筆頭に前チームの主軸が残ったチームは、前評判が高かった。さらに秋の神奈川大会では横浜・桐光学園・慶応といったライバルが全て逆のブロックに入るなど組み合わせにも恵まれ、山場となるはずだった桐蔭学園戦も11-0と圧勝して、決勝でも6-2で桐光学園を破って優勝を果たした。関東大会でも初戦で駿台甲府に大勝すると、続く準々決勝では昨年のセンバツを制したレギュラーが多く残る習志野にも快勝してセンバツの切符を手に入れた。準決勝では守備の乱れなどから健大高崎に敗れたが、練習試合でも強豪相手に38勝3敗という圧倒的な強さを誇っていて、センバツでも優勝校の筆頭である、


戦力分析

  守備 選手名 学年
1 CF鵜沼3
2 2B加藤3
3 1B山村3
4LF西川3
5 3B吉沢3
6 RF松本3
7 C 神里 3
8 SS 大塚 2
9 P 諸隈 3


前チームに続いて今年のチームも多彩な投手陣が揃っている。秋は背番号1を背負った諸隈は左のスリークウォーターでキレが抜群の好投手であり、中学時代にも日本一に輝くなど経験も豊富。これに続くのが左右の2年生投手であり、2年夏の甲子園の中京学院大中京戦では5回1失点の好投をみせた石田は角度のあるストレートが武器の左腕で奪三振率が高く、金城(巨人の金城コーチの次男)は度胸満点の投球が持ち味の右腕で、習志野戦では乱調のエース諸隈を救った。タイプの異なる3投手がいるのは羨ましい一方、エースと言い切れる存在がおらず、若干物足りなさを感じる。そこで期待がかかるのが3番ファーストで主将も務める山村で、関東大会の健大高崎戦でも先発した、Max142㌔を誇る本格派右腕は冬の間に投手練習を増やし、前チームの遠藤(阪神)のように二刀流での活躍が期待される。
20191021東海大相模 山村2
センバツでは投手としての活躍も期待される山村

打線はなんといっても、高校通算ホームランが27本の1番鵜沼、32本の2番加藤、44本の3番山村。53本の4番西川という150発カルテッドが魅力。2年生ながら昨年はU18日本代表に選ばれた俊足強打の鵜沼、アベレージヒッターとパワーヒッターの両方の要素を兼ね揃えて1番頼りになる山村、西川は186㎝95㎏という体格からのスイングはまるで清原を彷彿とさせるスラッガーで秋は打率.529と確実性も加わってきた。この3人はもともと有名であったが、関東大会で12打数7安打7打点と大爆発した加藤がこれに加わった。5番吉沢は秋はチームトップの打率.615をマークしていて、内外野をこなす松本は勝負強く打点も多い。控え選手の層も厚く、攻撃面でいえばセンバツ出場校の中でもNo1と言える。守備力もセカンド加藤。ショート大塚、センター鵜沼らはハイレベルであるり、新チームからキャッチャーに転向した神里(DeNAの神里の弟)も強肩捕手と手の存在感がありセンターラインは強固だ。ただ秋の関東大会では、夏の甲子園と同様に投手が乱れたところに守備の乱れが重なって大量点を許して敗れているので、ここ1番での守備力は強化したい。
20191021東海大相模 西川1
高校通算53ホーマーを誇る4番西川

20191021東海大相模 加藤
高校通算32ホーマーの強打の2番加藤


センバツ制覇へのキーマン
諸隈惟大 投手
中学時代には佐倉シニアのエースとして西川や度会(横浜)らとともに全国制覇を成し遂げ、U15日本代表にも選ばれた逸材は、東海大相模でも入学当初より登板機会を得ていた。左のスリークウォーターから繰り出す球はキレが抜群で、スライダーをはじめとした多彩な変化球も武器である。しかし2年夏の甲子園の中京学院大中京戦では6回からリリース登板すると、7回には3失点を喫したところで降板…後続も打たれてしまい結局この回に7点を奪われ敗れた。新チームでは背番号1を背負い、神奈川大会では優勝の立役者となるも、関東大会の習志野戦では2回に四球を連発して降板してしまった。

実力的には十分であるが、東海大相模のエースとしてはここ1番で結果を出しておらず、この冬は山村が投手練習を増やすような形となっている。ただ打線はセンバツ出場校の中でもNo1といえる実力だけに、諸隈がエースとして降臨して投手陣が安泰となれば、東海大相模のセンバツ制覇は大きく近づくことだろう。

20191021東海大相模 諸隈
センバツではエースとしての働きを期待したい諸隈



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【センバツ出場校紹介②】中京大中京

センバツ出場校の2回目は、秋の神宮大会を制した中京大中京です。

秋の戦いぶり
高橋・印出・中山・西村といった前チームからの主力が残っているチームは、前評判が高強豪ひしめく愛知でも大本命とされていた。その評判通りに1次予選でいきなり東邦と当たるもコールドで下すと、本大会でも初戦で再び東邦と激突するも再度コールドで返り討ちにしてみせた。2回戦の愛知戦は3-2と苦戦したものの、それ以降は圧倒的な戦いぶりで決勝でも高橋が愛工大名電を完封して愛知を制した。東海大会でも初戦では高橋が準完全試合を達成するスタートを切ると、藤枝明誠・県立岐阜商を下して東海大会も制覇。神宮大会でも初戦で明徳義塾をコールドで下すと、準決勝では天理との壮絶な打撃戦を制して、決勝では健大高崎とのシーソーゲームを制した。本命として迎えるセンバツでは、神宮大会の優勝チームはセンバツでは優勝できないというジンクスを打ち払ってほしい。


戦力分析
予想オーダー
  守備 選手名 学年
1 CF西村3
2 2B中嶌3
3 SS中山3
4C印出3
5 1B吉田3
6 LF南谷3
7 RF 桑垣 2
8 P 高橋宏 3
9 3B 村上 3


エース高橋宏はMax148㌔のストレートを武器とした右腕であり、神宮大会で完封敗けを喫した明徳義塾の馬淵監督は「松坂以上~」と評した右腕。昨秋は愛知大会で東邦・愛工大名電を完封すると、東海大会では津商相手に(7回ながら)準完全試合を達成。神宮大会の決勝ではリリーフで4回無安打無失点だったが、三振は0個など、これまでの剛のイメージだけでなく、打たせて取るすべなども身に着けて勝てる投手になってきたのが大きい。2番手の左腕松島は164㎝と小柄ながら、Max147㌔を誇り、高橋との左右2枚看板として期待されていて、元U15日本代表でMax145㌔を誇る2年生右腕の畔柳も楽しみだ。
20191117中京大中京 高橋
Max148㌔を誇るエース高橋宏

キャッチャー印出、ショート中山、センター西村とプロも注目する逸材が揃う、超強力なセンターラインがチームを牽引する。印出は1年夏から5番も務めた打力で4番を打ち、守備ではセカンド送球1.8秒の強肩と好リードで高橋を支え、さらにはチームの主将も務めるまさに扇の要。中山は神宮大会の決勝では決勝打となるタイムリー3ベースを放つなど、秋は公式戦19試合で脅威の33打点んをマークした打力に加えて、軽快な動きと三遊間からの正確な送球が魅力のショートストップである。西村は秋はチームトップの打率.464をたたき出した俊足のリードオフマンであり、身長173㎝と小柄ながらパンチ力もあり、東海大会の津商業戦では場外弾を放った。この3人のレベルが際立っているが、中山と鉄壁の二遊間を形成して、神宮大会の天理戦ではサヨナラ打を放つなど打率4割を超える2番中嶌、秋は打率.370をマークしていて、「こういうバッターが9番にいるのは本当に嫌」と言いたくなる村上など他のレギュラーメンバーもレベルは高い。あえていえば、そのせいでレギュラーが固定化されてしまっているのが難点であり、これを脅かすような控えメンバーの台頭がセンバツまでには欲しいところだ。
20191027中京大中京 印出2
4番主将正捕手として中京大中京を牽引する印出

20191117中京大中京 中山
秋はチームトップの33打点をマークした3番中山

センバツ制覇へのキーマン
松島元希 投手
松島は身長は164㎝ながらがっしりとした体格の左腕でストレートはMax147㌔を誇り、スライダー・チェンジアップといった変化球もしっかりと操ることができている。ただ神宮大会では天理戦に先発するも5回5失点、決勝の健大高崎戦でも5回3失点と結果を残すことができず、いずれの試合もエース高橋宏の好リリーフでチームが勝利している。秋の公式戦で防御率4.03は非常に物足りない。

センバツを制するにはピッチャーは高橋宏1人というわけにはいかず、どこかでこの松島が先発する必要がでてくるために、そこで松島がどれだけの投球を見せるかが大きなカギとなってくる。球自体はすでに全国で通用するレベルにあるだけに、本来の力をセンバツのマウンドでも発揮できれば、高橋宏を助けるどころか高橋監督から期待通りに全国でのトップレベルの左右2枚看板を構成することもできるだろう。

20191120中京大中京 松島
高橋宏との2枚看板として期待される147㌔左腕の松島


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JR東日本東北×駒澤大【オープン戦】

3/7 オープン戦
JR東日本東北×駒澤大 @駒澤大グランド

まだ寒い東北から出てきて、JR東日本の柏グランドを拠点に関東遠征中のJR東日本東北が、西村監督の古巣(元駒大の監督)である駒澤大と対戦した。

試合経過

序盤は駒大先発の竹本が圧巻のピッチングをみせる。竹本はバランスのいいフォームからコンパクトに腕を振りぬき、147㌔をマークしたストレートに加えて、カットボール・縦のスライダー・フォークといった変化球を操る。特に変化球を中心にカウントを稼いで最後はズバっとストレート、あるいはストレートで攻めて最後は縦に鋭く曲がるスライダーという2つのパターンで三振を量産。相手が社会人のJR東日本東北とあっても、今日の絶好調の前には手も出ずに1巡目はパーフェクト6三振。5回には鈴木琉がやっとチーム初ヒットを放つも、竹本の前に5回1安打9奪三振無失点と完璧に抑えられてしまう。投手陣が課題の駒大にとって、今年はいよいよ竹本がエースとして君臨してくれそうなのは大きな収穫だ。
20200307駒澤大 竹本
5回1安打9奪三振無失点と完璧なピッチングをみせた竹本

JR東日本東北の先発加藤は対照的に粘りのピッチング。2回には林琢に2ベースを浴びると、続く与倉にもライト前ヒットを浴びるが、ホームらを狙った林琢をライト安西が好返球で刺す。4回は駒大を3者凡退に抑えるも、1~3回は毎回ランナーを背負うも、カットボールやSFFも駆使しながら勝負どころでは駒大打線を打ち取り、4回まで無失点の好投をみせる。5回に登板したエース西村に続く存在として期待されているだけに、先発としてまずまずの内容ではあっただろう。
20200307JR東日本東北 加藤
ランナーを出しながらも4回無失点に抑えた加藤

こうして5回まで0-0のまま進んだ試合は、グランド整備明けの6回に動く。駒大は6回から2番手として山本をマウンドに上げるが、先頭の冨田のショートゴロは緒方の送球がショートバウンドとなりファーストが捕球できずに出塁。昨年までの外野からショートに復帰した緒方は、送球がショーバンとなるエラーがこの試合2個目であり、ファーストの問題もあるがこれから鍛えたいところだ。JR東日本東北は1死1塁から2番夷塚が右中間に2ベースを放ち、冨田が1塁から一気に生還して先制点をあげる。
20200307JR東日本東北 夷塚
先制打を放った夷塚

JR東日本東北には7回表にも、鈴木琉が四球で出塁してワイルドピッチで進塁して2死2塁とチャンスを作り。8番坪倉・9番冨田の新人コンビを迎える。8番坪倉は追い込まれながらもファールで粘ると、しぶとく三遊間を破り1・3塁とチャンスを広げ、続く9番冨田も同じにようにしぶとく三遊間を破るタイムリーを放ち2点目をあげる。

ただ駒大は7回裏、先頭の途中出場の山ノ井が右中間に2ベースを放つと、続く6番前田も同じように右中間に2ベースを放ち1点を返す。さらにJR東日本東北の工藤を攻めて、与倉のヒットと死球で1死満塁と同点、さらには逆転のチャンスを作る。ここで迎えるのはここまで3出塁と当たっていた1番緒方であったが、センターフライで3塁ランナー動けず。工藤は力のあるストレートで小園を打ち取って、JR東日本東北はかろうじてリードを保つ。
20200307駒澤大 前田
駒大の初得点となるタイムリーを放った前田

するとJR東日本東北は9回表、1死から冨田がヒットで出塁して盗塁を決めると、途中出場の小山がセンターオーバーにタイムリー2ベースを放ち3点目。さらに鈴木聖がヒットで繋いだところで、凱旋試合となる駒大出身の菅野を代打に送るもファーストゴロ。ただこの追加点は大きく、これで楽になったのか8回から登板していた新人の坂田が最終回を3者三振で締めて勝利を収めた。
20200307JR東日本東北 坂田
最終回を3者三振で締めた坂田

20200307JR東日本東北×駒澤大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


駒澤大にしてみれば非常にもったいない試合になった。打線はチャンスにあと1本が出ずに無得点…。また3回には1塁ランナーの緒方がレフトフライで飛び出してしまい併殺になる、5回には牽制死が2個あり、6~8回は3イニング連続で残塁が2個以上。相手を上回る10安打を放ちながらも1得点にとどまってしまった。この試合では主軸に当たりがなかった一方、レギュラーを争うメンバーにヒットが出ていた。現状駒大ではライトとDHが決まっていない状態だが、この試合ライトでスタメン起用された与倉は2安打の活躍で、DHで起用された林も右中間フェンス直撃の2ベースにセーフティバントと器用さが光った。途中からレフトに入った山ノ井も、得点のきっかけとなる2ベースを放ち、攻撃陣の層が厚くなってきているのは心強い。
20200307駒澤大 林
2安打を放ちDHでの起用に応えた林

JR東日本東北は若い選手が、台頭しつつあると感じた。今年から3年目の大保が主将に就任し、主力の薗部をベンチに置いて臨んだこの試合では、高卒2年目の西藤を4番に置き、レフトには高卒3年目の鈴木琉、さらに8・9番には坪倉・冨田という新人を起用した。坪倉(佛教大)と冨田(八戸学院大)の2人は不思議な縁で、この2人は昨年の全日本大学野球選手権の初戦で対戦。八戸学院大が9回まで3点をリードしていたが、佛教大がそこからまさかの逆転勝ちを収めると、その勢いに乗った佛教大は見事決勝まで昇りつめた。佛教大の正捕手の坪倉は6人の多彩な投手陣をリードし、打っても18打数7安打の打率.389という成績で一躍ブレークを果たした。おそらくだが初戦の八戸学院大が大逆転の展開になっていなければ、この大会で一気に注目を集めた坪倉の運命も変わってかもしれない。
20200307JR東日本東北 坪倉
この試合では捕手としてフル出場したルーキーの坪倉

JR東日本東北は投手陣も非常に若く、最年長のエース西村が31歳であるが、それ以外の投手はみんな25歳以下という若手中心の構成。そういう意味では意外なことに上から2番目となる大卒3年目の加藤が先発で4回無失点、5回を最年長の西村、そして3番手で登板した高卒3年目の工藤は2回で5安打を打たれるも、その躍動感のあるフォームと球の勢いはスカウトも気になるところだろうし、8回に登板した新人の坂田は国際武道大ではあまり名前を聞かなかったが、この試合では最終回を3者三振で仕留める活躍をみせた。
20200307JR東日本東北 工藤
期待したくなる投球をみせた工藤


Pickup Player
冨田日南登 JR東日本東北 セカンド
~全得点に絡んで新人がレギュラー争いにアピール~
この試合でJR東日本東北の3得点全てに絡んだのが、新人ながらスタメンに起用された冨田であった。

冨田は高校時代は三沢商のショートとして活躍。3年夏には3番ショートとして、青森大会決勝では八戸学院光星をサヨナラで破って甲子園出場。この試合で7回には三遊間のゴロをダイビングキャッチして、3塁で刺すスーパープレーをみせている(動画)。甲子園の初戦で花咲徳栄に大敗するも、自身は2ランホームランを放ち、全国の舞台でインパクトを残した(ちなみにこれが青森の公立校では甲子園初ホームランだったらしい)。

八戸学院大に進学すると、3年春にはベストナイン(サード)を獲得。北東北大学野球春季リーグはちょうど冨田が3年時まで富士大が10連覇と黄金期であったが、4年春にはその富士大を抑えて八戸学院大がリーグ制覇。全日本大学野球選手権には6番サードとして出場し、上述の通り佛教大との激戦の末に敗れた。

今年からJR東日本東北に入社する冨田は、この試合では9番セカンドでスタメン出場。6回の第2打席では三遊間の深いところにゴロを放つと、これがショートの悪送球につながり、先制のホームを踏んだ。続く7回にも2死1・3塁の場面で打席が回ってくると、しぶとく三遊間を破り、チームに2点目をもたらすタイムリーヒット。9回に回ってきた第4打席では初球を捉えると、鋭い打球にセカンドが二遊間抜けるのを止めるがやっとという状態。これで出塁した冨田は、2盗を決めると、小山のタイムリー2ベースで3点目のホームを踏んだ。つまりこの試合の冨田は2得点1打点という活躍で、JR東日本東北があがた3得点全てに大きくかかわっていることになる。

JR東日本東北のセカンドのレギュラーはおそらく、この試合の相手である駒大から入って、今年が2年目となる菅野。その座を小山らと争うことになるだろう。この試合はまだオープン戦であり、菅野や薗部といった主力はあえてスタメンから外していると思われる。そういう意味でレギュラーへの道のりは容易ではないが、若い選手が躍動しているJR東日本東北において、またいい新人が入ってチーム内を活性化させていることは事実であろう。

20200307JR東日本東北 冨田1
20200307JR東日本東北 冨田2
3得点全てに絡む活躍をみせたルーキーの冨田


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