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夏の独自大会の展望【西東京編】

夏の甲子園は中止になりましたが、各都道府県で独自大会は進められています。
なのでその大会の優勝予想+展望について、書いていきたいと思います。

2回目は、西東京です。

有力校紹介

秋の東京大会を制して、センバツ出場を決めていたのが国士舘。エース中西はスリークウォーターから繰り出すスライダーとシンカーを武器に、昨秋は準決勝で城東を、決勝では帝京をいずれも2安打完封している。この中西に次ぐ投手が課題となるが、主将でセカンドを守る鎌田も中学時代は名を馳せた投手であり、抑えとしての起用もあり得るかもしれない。攻撃陣はこの鎌田と黒澤が中心となる。鎌田は秋は不調であったものの、ライナー性の打球を降格に打ち分ける好打者であり、前チームから4番を務める黒澤は小型ならが独特のすり足打法から力強い打球を放つ。これに加えて秋は好調であり打点を稼いだ5番齋藤・6番吉田が同様の活躍ができればチームとしては安泰であろう。
20191110国士舘 中西
↑国士舘のエース中西

秋ベスト4の創価は、なんといってもエース森畑に注目。184㎝の長身からMax146㌔のストレートを繰り出す本格派右腕は、自粛期間中に体重を増やしたようで、夏の大会では150㌔もありえる。ライトの石坂も、左腕としてマウンドに立つこともあり、2番手として森畑を支える。野手陣も昨夏の西東京準Vを経験したメンバーが多く、中軸を担う宮原はスイングが鋭くパンチ力があり、1番島本は50㍍6.0秒の俊足を生かした非常にいやらしい選手、ショートの谷藤の守備力は東京でNo1といっても過言でないレベルにある。河合・石坂といった下位打線の選手も十分にクリーンアップを務める力もあり、2年生ながら昨秋は4番を務めた高沢にも注目である。
20191109創価 森畑
↑創価のエースの本格派右腕森畑

西東京の夏といえば、やはり日大三であろう。秋は準々決勝(神宮第二球場のラストマッチ)で帝京に1-2と惜敗してしまったものの、エース児玉を中心に力のある選手が揃う。そのエース児玉は、140㌔のストレートを誇る左腕だが、なんといってもコントロールが抜群。鋭いスライダーに、秋は帝京の打者もクルクルバットが回ってしまっており、奪三振能力も高い投手である。主に抑えをつとめるのがサードの柳舘であり、こちらも力のある球に加えて鋭いスライダーが武器で、またサードから登板していきなりフルパワーで投球できるのも魅力だ。攻撃陣の中心は、主将もつとめるリードオフマンの渡辺、旧チームから3番を務める柳舘、ボールを飛ばす力のある4番大城らが中心にあるが、秋の段階では日大三としては物足りなさを感じた。ただいつも夏に仕上げてくるのが日大三であり、自粛期間もあった今年にもそれができるかが焦点となる。
20191103日大三 児玉
↑日大三のエース左腕の児玉

秋は日大三に敗れたものの、個々の選手のレベルが高いのが東海大菅生。エース左腕の新倉は多彩な変化球を武器に安定した投球をみせ、170㎝63㎏という体格ながら150㌔に迫るストレートをもつ藤井、ならには184㎝の大型左腕の広瀬も控える。打線の中心の杉崎はオープン戦のフォームから、手首の返しをうまく使った打法で高校通算48発を誇り、1年春から中軸を務める強打者である。杉崎の後を打つ4番森下、主将でショート守備に定評のある玉置にも注目だ。近年東海大菅生は全国各地から有望な選手が入学しており、2年生でいえばセンター千田やセカンドの山田、U-15W杯の日本代表であった左腕本田、さらには今年同じくU15日本代表の注目株であった福原も入学しており、これらの下級生を使うかどうかも戦力として大きく影響してくる。
20190406東海大菅生 杉崎
↑高校通算48発の東海大菅生のスラッガー杉崎

実力が未知数なのは、秋は不祥事で出場を辞退した早稲田実業。ただ菊地、外野も兼任する宇野と投手はそろっており、また2年生スラッガーの清宮福太郎(清宮幸太郎の弟)もおり、選手はそろっている。ただいきなり初戦で八王子との対戦となっているのが難しいところである。明大中野八王子は秋に二松学舎大付を破っており、この時に関東勝利をあげたエースで主将の江口に注目である。


展望
秋の実績のある2チーム(国士舘・創価)と、実力のあるチーム2チーム(日大三と東海大菅生)の4チームの争いになると思われる。西東京大会はもととのスケジュールに加えて。雨での順延が増えている現状からも、そこそこ過密日程になるものと思われるので、投手の数が揃っている日大三や東海大菅生の方が、有利かと思われる。くじ運的にも、この2チームの方が比較的恵まれている。最終的には個人的には児玉が西東京ではNo1投手だと思っているので、優勝予想は日大三としたい。


組み合わせ↓
2020夏西東京



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法政大×日本通運【オープン戦】

7/24 オープン戦
法政大×日本通運 @NITTTSボールパーク

試合経過

法政大は1回表、1死から2番永廣が四球で出塁し、ワイルドピッチで進塁してチャンスを作る。ここで3番野尻はフルカウントからの変化球をすくいあげると、打球はライトフェンス直撃の2ベース。タッチアップの体制に入っていた永廣は3塁止まりとなってしまったものの、続く4番村田は強烈な打球のセンター前ヒットを放ち、永廣・野尻が生還。村田がきっちりと4番の仕事を果たして、法政大が2点を先制する。
20200724法政大 村田
初回に2点タイムリーを放った法政大の4番村田

法政大の先発の鈴木は初回からエンジン全開。最速149㌔をマークしたストレートは、ほとんどが140㌔後半と安定しており、鋭いスライダー、130㌔を超える高速チェンジアップ(?)、持ち前のシュートを駆使して、3回までは打者9人で片づけ、4回までは外野に打球を飛ばされないという、社会人チームを圧倒する素晴らしい立ち上がりをみせる。
20200724法政大 鈴木
4回まで打球を外野に飛ばされない圧巻の投球を披露した法政大の先発鈴木

ただそんな鈴木の前に立ちはだかったのは、法政大の1個上の先輩であり、今年から日本通運でプレーする毛利であった。毛利は1打席目では147㌔のストレートを弾き返して、打球が鈴木に直撃する強襲ヒット。鈴木はやはり毛利には投げづらかったのか、2打席目にはこの試合で初となる四球を与えてしまう。鈴木はこれでペースを乱したのか、続く森松にも四球を与えて1・2塁のピンチを招いてしまうと、8番木下には二遊間を破るタイムリーを浴びてしまう。
20200724日本通運 毛利
法政卒の日本通運のルーキー毛利

試合は後半戦に入ると、日本通運は2回以降好投を続けていた先発の池田から、2番手の庄司にスイッチ。ただ法政大は2死から3番野尻がストレートを捉えると、打球は逆後方の左中間フェンスを越えるソロホームランとなり、法政大が3-1と突き放す。
20200724法政大 野尻
6回表にホームランを放った法政大の3番野尻

日本通運も6回裏、この回先頭の稲垣が鈴木のシュートを捉えると、こちらも逆方向のレフトフェンスを越えるソロホームランで1点差。さらに北川のヒットとエラーで1死1・2塁と同点のチャンスを作り、6番毛利を迎える。しかしここは鈴木が今日1番というアウトコースのストレートで空振り三振に仕留めると、女房役の大柿が素晴らしい牽制で2塁ランナーを刺してこのピンチを脱する。鈴木は6回4安打2失点5奪三振という内容でマウンドという内容であった。
20200724日本通運 稲垣
逆方向のレフトにホームランを放った日本通運の稲垣

ただ日本通運は7回裏、法政の2番手落合から先頭の森松がヒットで出塁すると、送りバントなどで2死3塁のチャンスを作る。ここ代打諸見里の打球を法政のサード中村迅がエラーしてしまい、日本通運が3-3の同点に追いつく。日本通運の2番手の庄司は、ワンポイントなどでの起用の多いサイド左腕であるが、この試合ではロングリリーフ。6回に野尻に1発を浴びた以外は安定した投球で、法政打線を打ち取っていき、7~9回は法政を無得点に抑える。
20200724日本通運 庄司
日通の2番手として4回1失点の好リリーフをみせた庄司

9回裏、法政は5番手として山下がマウンドにあがる。186㎝95㎏という大型左腕は、初球いきなり149㌔をマークして空振りをとり、観衆を沸かせるものの、先頭の木南を四球で歩かせてしまう。続く手銭は球威に押されてバントをフライとしてしまい1死1塁となるものの、諸見里は低めのボールをレフト前に運び、スタートを切っていた代走の佐藤将は一気に3塁まで進み1死1・3塁とサヨナラのチャンスを迎える。すると2番稲垣は、山下のストレートを見事にレフト前に弾き返して、日本通運が4-3とサヨナラ勝ちをおさめた。


20200724法政大×日本通運
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


先発の鈴木については、序盤は本当に素晴らしかったものの、中盤にかけてはその勢いはなくなっていった。雨が降ってきたという影響もあるが、やはりまだ試合数をこなせていないということもあり、スタミナ面では不安があるといったところであろうか?この試合では三浦・石川といった法政の実績のあるリリーフ投手がベンチ入りしていなかったこともあり、7回以降は投手のレベルとしては大きく落ちてしまった。扇谷や山下はその素質、指にかかったときの球は素晴らしいものがあり、今後は非常に楽しみな投手であったが、まだリーグ戦で重要な場面を任せられるかというと厳しい。東京六大学はリーグ戦の開幕まで1か月を切っており、鈴木にはエースとして、序盤のピッチングを続けられるように期待をしたい。

ただ法政としてはリーグ戦に向けて光明も差してきたといえるのが、正捕手の存在だ。これまでは後藤、渡辺。大柿といったあたりを1試合の中でも併用してきたが、この試合では大柿がフル出場。6回のピンチでは持ち前の強肩で、セカンドへの牽制でランナーを刺してピンチを脱するという場面もあり、打撃でも放ったレフト前ヒット2本はいずれも芯で捉えた素晴らしい打球であった。やはり正捕手が固定されるとチームも安定してくるので、これは1つ収穫であったと思える。
20200724法政大 大柿
この試合フル出場した大柿は法政の正捕手確定か?

日本通運はもともと野手はいい感じに経験の積んだ選手が揃っているが、そこに食い込むべくこの試合では2人のルーキーがスタメン出場。1番ショートの添田は3打数ノーヒットであったものの、昨年まで対戦していた法政相手に2打席目ではピッチャーライナーを放つなど内容は悪くなかったし、守備では三遊間の難しい打球を華麗に裁いて2塁でアウトにする場面が2度ほど見られた。毛利は上述のように1打席目ではピッチャー強襲ヒットを放ち、2打席目にも得点のきっかけるとなっていた。この試合のスタメンは古巣への顔見世の意味合いもあるだろうが、2人とも十分にレギュラー争いに食い込む力をもっているようで、チームにとってはいい刺激になるであろう。
20200724日本通運 添田
1番ショートでスタメン出場した日通のルーキー添田


Pickup Player
稲垣誠也 日本通運 サード
~逆方向への見事な強いバッティング~
6回にはソロホームランに、9回にはサヨナラ打とともに逆方向であるレフトに殊勲打を放ったのが稲垣であった。

稲垣は走攻守揃った内野手として、明豊では1年夏よりベンチ入りをはたし、甲子園でも関西戦で途中出場すると2安打を放っている。2年夏・3年夏はともに1番セカンドとして、チームを牽引するも、甲子園出場はならなかった。中部学院大に進学すると、1年秋から新人賞とベストナインを獲得すると、3年春には優秀選手賞、4年春には本塁打王、4年秋には首位打者、他にも盗塁王を4回獲得するなど走攻守でリーグ代表する選手に成長。

2018年に日本通運に入社すると、すぐさまサードのレギュラーに定着。1年目の都市対抗には2番サードで出場すると、いきなり兄である稲垣翔太(Honda熊本)との対決も実現し、2安打1打点の活躍で勝利。その後は2番だけでなく、3番や5番などチームの中軸も打つようになり、昨年はBFAアジア選手権日本代表にも名を連ね、台湾のウィンターリーグではJABA選抜の一員として優勝にも貢献している。

この試合では2番サードでスタメン出場した稲垣は、1・2打席目は鈴木の前に完璧に抑えられてしまうも、迎えた3打目にはカウント2B1Sからのシュートを捉えると、打球はレフトのフェンスを越えるソロホームラン。さらに最終回に1死1・3塁で迎えた第5打席でも、山下の力のあるストレートをレフト前に弾き返してサヨナラ打とした。

稲垣の魅力は167㎝と小柄であり、見た目通りの俊足や好守はもちろんのこと、パンチ力のある打撃も兼ねそろえているところである。スタンス広めに重心を落として、ボールを呼び込んで強くたたくスタイルはちょうど、森友哉(西武)のような感じであり、まさに森と同じくこの試合ではボールを呼び込んで逆方向に強い打球を2発はなっていた。走攻守においての実力は十分であり、今年3年目という年齢からも、まだまだプロ入りの可能性も十分にありそうな選手である。

20200724日本通運 稲垣2

20200724日本通運 稲垣3

ホームランにサヨナラ打と逆方向への素晴らしいバッティングを披露した稲垣



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夏の独自大会の展望【愛知編】

夏の甲子園は中止になりましたが、各都道府県で独自大会は進められて、おり早くもなどでは優勝チームが決まっています。
なのでその大会の優勝予想+展望について、書いていきたいと思います。

まず第1回目は、愛知です。

有力校紹介

なんといっても本命は、昨秋に明治神宮大会を制して秋の日本一に輝いた中京大中京。特にエース高橋、キャッチャー印出、ショート中山、センター西村のドラフト候補4選手からなるセンターラインは強力そのものだ。エース高橋は、神宮大会で対戦した明徳義塾の馬淵監督が「松坂以上~」と評した逸材で、先日の練習試合では自己最速を更新する153㌔をマークして、名実ともにこの世代を代表する投手となっている。2番手の松島も、164㎝ながらもがっしりとした体格からMax147㌔のストレートを誇る左腕である。中山は三拍子揃った大型ショートであり、秋は公式戦で神宮大会決勝での決勝打を含む45打点という数字を叩き出しており、個人的にはこの世代でナンバー1ショートだと思っている。印出は強肩強打の4番捕手主将とまさにチームの中心を担っていて、リードオフマンの西村は50㍍6.0秒の俊足に加えて、東海大会では場外弾を放ったパンチ力も兼ね合わせる。
20191120中京大中京 高橋
↑最速を153㌔にまで伸ばした中京大中京のエース高橋


中京大中京を追う筆頭格は、秋に愛知準Vの愛工大名電。1年夏からエースを務める田村(現2年生)は打っても3番を務めるなどチームの中心であり、4番捕手とチームの要の二村、パンチ力のある5番藤本、秋は打率.462の青山と、打率.500の大石の1・2番コンビとこちらもタレントはそろっている。ただ投手陣は田村だけでなく、寺嶋・野嵜・平口といずれも2年生が中心。ただ今大会はここまでオール3年生で挑んでおり、そうなると投手力の低下は避けられない。この場合は昨年までは控え投手であり、現在はサードの小野がエースとしてチームを牽引することになるだろう。
20191026愛工大名電 小野2
↑3年生のみだと愛工大名電のエースとして期待される本職はサードの小野


昨年のセンバツを制した東邦は、森田監督が勇退し、4月から山田新監督が就任。チームの中心は、そのセンバツ制覇時に2年生で唯一のレギュラーであり、準決勝では中森(明石商)から3ランを放つなど勝負強い打撃を発揮しており、今大会の初戦で放ったホームランで高校通算は44発となっている。左腕投手としての期待もかかるが、やはりエース山下がどれだけ投げれるかがカギになってくるだろう。
20190331東邦 吉納
↑東邦の高校通算44発の強打者吉納


これを追う形となるのは、強力なエース左腕を擁する3チームであろうか?豊川はエース左腕で4番の米庄が中心んとなっており、昨秋に3位として出場した東海大会で大垣商から13得点をあげた打線も強力。昨年から至学館のエースを務める渡辺は、経験も豊富でスピンの効いたストレートとスライダーが武器である。元中京大中京の監督で、U18日本代表でもヘッドコーチを務めた大藤監督が就任した享栄には、184cm94kgからMax143㌔を誇る大型左腕の上田がおり、プロからも注目されている。
20201026豊川 米庄
↑豊川の4番エースの米庄


展望
毎年私学4強を中心に激戦が繰り広げられる愛知であるが、今年はよっぽどのことない限り、実績・戦力で抜き出ている中京大中京の優勝は固い。それを追う愛工大名電も昨秋は中京大中京に決勝で0-7で敗れており、先日の練習試合でも7-1で中京大中京が勝利。さらに上述の通り、愛工大名電は3年生のみとなると他チームより戦力ダウンが大きいという事情もあると、対抗するのは難しい。東邦も昨秋は地区予選と本大会で2度も中京大中京にコールド負けを喫している。今年の愛知は群雄割拠というより、ストップ・ザ・中京大中京という構図になることだろう。

2020夏 愛知組み合わせ



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法政大×JR東日本【オープン戦】

7/18 オープン戦
法政大×JR東日本 @JR東日本柏グランド

試合経過

雨の中始まった試合は、投手にとって不利かと思われたが、そんな予想を覆す投手戦となる。JR東日本の石井は、2回に村田・中村の連打と送りバントで1死2・3塁のピンチを背負うも、7番杉浦をサードファールフライ、8番後藤を三振に仕留めピンチを凌ぐと、以降は安定した投球で法政打線を5回まで無得点に抑える。法政大の先発は背番号1をつけたプロも注目の左腕鈴木はストレートに力強さが増しており、このストレートを中心にJR東日本に挑んだ。初回・2回ともに得点圏にランナーを背負うものの、何とか後続を断って流れをつかむと、3・4回はJR東日本打線をパーフェクトに抑える投球。5回のピンチも、代打小室を三振ゲッツーに仕留めて、こちらも5回無失点の好投をみせる。
20200718法政大 鈴木
5回無失点の好投をみせた法政大の先発鈴木

6回からは両チームともに継投に入る。JR東日本は6回から山口裕がマウンドに上がる。履正社では2016年の夏の甲子園3回戦の常総学院戦では先発したものの、2回途中5失点で降板してチームは敗退。この時常総学院のエースとして、履正社から完投勝利をあげたのが、法政大の先発の鈴木であった。そんな関係性もあり、鈴木の投球に触発されたか、山口裕はテンポよくボールを投げこみ、2番からは始める法政の上位打線を3者凡退に抑えた。心なしかフォームが高校時代の近いサイド気味のフォームに戻ったような気もしていて、ストレートの力強さはもう少し欲しいところだが、当時の寺島(ヤクルト)に次ぐ最強の2番手復活が垣間見れた。
20200718JR東日本 山口裕
JR東日本の2番手として好投をみせた山口裕

法政大は6回裏に2番手として、古屋敷が登板。注目の152㌔右腕であるが、このような馬力タイプの投手に、雨が降り続く環境は不向きであったのか、先頭の杉崎に四球を与えてしまうと、2番菅田はファーストゴロに抑えるも、3番長谷川にも四球を与えてしまう。この間に捕手の頭上をはるかにこえるようなワイルドピッチもあり、明らかに制球に苦しんでいた。この状況をみた青木監督は、4番丸子を迎えることで、左キラーとして期待される水澤をマウンドに送る。ただその水澤もワイルドピッチで2・3塁とピンチを広げてしまうと、丸子の1・2塁間の打球はこの回からセカンドに入った佐藤がダイビングキャッチで抑えて1塁をアウトにするも、この間にJR東日本が1点を先制。さらに5番佐藤もライト前タイムリーで続いて、JR東日本が2点目をあげる。
20200718JR東日本 佐藤
JR東日本の2点目となるタイムリーヒットを放った佐藤

JR東日本は6回から登板した山口裕は、7回の先頭っ打者の中村を打ち取り、そこから右が続くという場面で、右サイドスローの宮本に交代。ただこの宮本がストレートの四球を与えてしまうと、浜岡監督はすがさず柴田紘をマウンドに送る。柴田叡は代打平柳を併殺に打ち取り、起用に見事に応えてみせると、8回途中からは今度は柴田紘が登板するなど本番ながらのリレーで法政打線を引き続き抑えていく。法政大も7回は三浦、8回は山下とリリーフ陣が踏ん張ってJR東日本に追加点は与えない。JR東日本は9回にここのところ抑えで起用されている須永が完璧な投球で締めてゲームセット。JR東日本が2-0と6投手の完封リレーで法政大に勝利した。


20200718法政大×JR東日本
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

6投手の継投で完封リレーをみせたJR東日本投手陣。中でも注目したいのは、異色の経歴をもつ柴田リレーであった。まず東大出身のサイド右腕の柴田叡は、宮本が四球を出したところで、予想外であっただろうマウンドに上がるものの、代打の平柳を抑えるという最高の仕事をしてみえる。8回には柴田叡が1死1塁としたところで、相手の上位打線を迎えるところで、技巧派の柴田より、速球派の柴田の方が適任と踏んだのか柴田紘をマウンドに送る。昨年まではJR東日本でも捕手を務めていて、今年から投手に挑戦している異色の右腕は、杉崎にいきなり四球を与えてしまうも、野尻からストレートで見逃しの三振を奪うと、佐藤も打ち取ってリリーフ成功。投手経験は少なすぎるものの、早くもJR東日本の戦力となる可能性を感じさせた。
20200718JR東日本 柴田叡
起用に応えて代打平柳を併殺に打ち取ったJR東日本の4番手柴田叡

さらに9回には抑えとして須永が登板。須永というとサイド気味からの152㌔のストレートが武器な一方安定感にやや欠けるところはあったが、最近では打者を見ながら投球をしているような余裕も感じられ、この試合でも先頭の4番村田を三振に仕留めると、後続も簡単に打ち取って試合を締めた。須永はここのところ抑えで起用されており、この須永が安定してくれば、リリーフエースでありプロ注目の西田を先発に回すというオプションも増えるのがJR東日本にとっては大きな強みであろう。
20200718JR東日本 須永
9回を見事に締めたJR東日本の須永

完封敗けを喫してしまった法政打線はまだまだというところであるが、この試合では2番野尻という楽しみな起用もあった。木更津総合でも4番を打ち、U18日本代表にも選出された野尻は178㎝94㎏という体格が示すとおり、典型的な左のスラッガーである。近年2番に強打者を置くオーダーはMLBを中心に流行ってきており、NPBでも今年もソト(DeNA)・坂本(巨人)・柳田(ソフトバンク)が2番を打つこともある流行りの戦術である。ただ大学球界にはまだあまり浸透していないという印象はあったが、そこにおいて法政大の2番野尻というチャレンジであった。この試合で野尻はノーヒットであり、この戦術が機能したとはいえなかったが、うまくいけば非常に強力な打線となり得る、楽しみなオーダーであった。
20200718法政大 野尻
法政大の強打の2番として期待される野尻

また法政大はリリーフ陣も非常に楽しみであった。雨の影響もあり制球が定まらずにすぐに降板してしまい、敗け投手となった古屋敷もストレートの威力は抜群であり、是非とも球速表示が欲しい投球であった。7回から登板した三浦は1年秋にはエースとして活躍した逸材であるが、鈴木・高田といった先発が充実していることから、昨年の秋に続いてリリーフ起用が見込まれるようで、この試合でも力のある球で2三振を奪って1イニングを無失点に抑えた。8回には昨年はケガで投げられなかった、大型左腕の山下が復活登板。球自体は本来の山下の力から見れば、まだまだであったが、1回を無失点に抑えて復活の兆しをみせたのは、法政大の将来にとっても大きな収穫であろう。
20200718法政大 山下
怪我からの復活を目指す法政大の大型左腕山下


Pickup Player
石井聖太 JR東日本 投手
~先発2番手として順調な5回無失点~
JR東日本の先発の石井は5回無失点の好投をみせ、エース伊藤に次ぐ先発としての順調な仕上がりをみせた。

石井は中央学院高では2年夏に背番号20ながら主戦格として活躍し、敬愛から完封勝利をあげるなどしてベスト8に進出。3年時には球速を140㌔まで伸ばし、先発にリリーフに活躍した。そのまま中央学院大に進学すると、2年春には149㌔をマークするまでに成長して、その名を全国に轟かせることとなる。リーグ戦では3勝に防御率0.96という成績を残して、MVP・最多奪三振・ベストナインを獲得して中央学院大を優勝に導くと、全日本大学野球選手権の初戦の第一工業大戦ではあわやパーフェクトという14奪三振2安打完封という圧巻の投球をみせる。ただ準々決勝では先発したものの、肘痛を発症して1回で降板してまい、石井は離脱するものの、チームは準優勝を成し遂げた。ただその肘痛でトミージョン手術も受け、大学では4年時になってやっと登板できるようになったものの、全盛期のような活躍はできずにいた。昨年JR東日本に入社するも、1年目は2大大会での登板はなく終わっていた。

この試合でも先発のマウンドにあがった石井は、2回に村田・中村に連打を浴びて1死2・3塁というピンチを招くも、7番杉浦をストレートで押してフォールフライに打ち取ると、続く後藤は低めのフォークで三振に仕留めてピンチを脱した。石井のストレートは全盛期の149㌔ほどのスピードはないように見えたが、非常に回転のいい球が来ていて打者を詰まらせることもあった。変化球はスライダー・カットボール(?)・フォークを操りながら、法政打線を打ち取っていったが、決して調子がいいという内容ではなかったと思う。それでも3回以降は安定した投球で、得点圏にランナーを背負うこともなく5回無失点に抑え、非常にゲームメイクに長けた投手に成長していると感じた。

JR東日本はエース伊藤がおり、それに次ぐ先発投手が欲しいところ。リリーフエースであった西田が先発に挑戦したりもしているが、本来であれば同じ2年目で働き盛りの石井にこの座を射止めて欲しいところ。石井は6/14には日本通運を5回無失点、6/24には巨人(3軍)を5回無失点に抑えるなど結果を残しており、この試合でも法政大を5回無失点に抑えており、先発2番手の座に向けて順調に来ているといえる。もともと期待値は高い右腕だけに、先発として実績さえ残せれば、ドラフトでの指名も十分にあり得るだろう。
20200718JR東日本 石井
5回無失点とこの試合でも結果を出したJR東日本の先発石井



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球団別に甲子園のスターを勝手にランキング【西武編】

各球団に属する甲子園のスター達を勝手にランキング形式で紹介してきます。
最終回は西武編です。

ランキングは、その他の実績などは関係なく、甲子園での活躍のみを基準として独断と偏見でつけているだけなので悪しからず…。
5位 今井達也(作新学院)
2016年の夏の甲子園で突如彗星のように現れて、チームを優勝へと導いたのが今井。そのポテンシャルは評価されながらも、なかなか実力を開花させることができずに、作新学院でエースの座を手にしたのは3年夏で、自身にとっては初の甲子園となった。ただ初戦の尽誠学園戦で151㌔をマークして13奪三振完封デビューを果たすと、続く3回戦では翌年に甲子園を制する花咲徳栄から2失点完投勝利。準々決勝では木更津総合の早川(早稲田大)との投手戦を3-1で制すると、準決勝でも明徳義塾を5回1失点に抑え、決勝でも北海から1失点完投勝利。結局この大会では全試合に先発して、1完封4完投勝利。41回をなげて失点5という活躍でチームを優勝に導いた。ドラフト会議では西武に1位指名されて入団すると、2年目には5勝、3年目には7勝を着実に勝ち星を増やしており、4年目の今年もローテの一角を担っている。
20190406西武 今井


4位 高橋光成(前橋育英)
2013年に夏の甲子園には初出場となった前橋育英を頂点に導いたのが、当時2年生エースの高橋である。初戦の岩国商戦では途中9者連続を含む13奪三振完封勝利をあげると、2回戦の樟南戦では今度は打たせて取る投球で15個ものゴロアウトを奪って1-0の完封勝利。3回戦では浅間・高濱(ともに日本ハム)・渡辺(楽天)らを擁する横浜打線から1失点完投勝利をあげると、準々決勝ではリリーフ登板して、常総学院を5回10奪三振無失点に抑えた。準決勝では4番奥村(ヤクルト)擁する日大山形から1失点完投勝利をあげると、決勝でも延岡学園から3失点完投勝利。この大会で50回を投げて、自責点はわずか2という快投で、チームを夏の甲子園初出場初優勝に導いた。翌年のドラフト会議で西武に1位指名されて入団すると、1年目から5勝をあげる活躍をみせ、昨年は初のオールスター出場、2桁勝利を達成している。
20200224西武 高橋光


3位 岸潤一郎(明徳義塾)
3位には紆余曲折を経て、今年独立リーグから西武に入団した甲子園のスターがランクイン。1年夏からライト兼投手として甲子園に出場すると、2回戦の新潟明訓戦では4番に座り、4回途中から最終回まで無失点リリーフ。準決勝でも同じく4番ライトにリリーフに奮闘するも、藤浪(阪神)の大阪桐蔭に敗れた。2年夏の甲子園にはエースとして出場し、初戦では瀬戸内の山岡(オリックス)との投手戦を2-1で制すると、2回戦では森(西武)率いる大阪桐蔭から1失点完投勝利をあげリベンジを果たし、ベスト8まで進出した。3年春のセンバツでは初戦で智弁和歌山相手に15回2失点完投勝利をあげるも、準々決勝では佐野日大の田嶋(オリックス)との投げ合いに敗れた。4度目の甲子園となった3年夏には初戦で4番岡本(巨人)の智弁学園から4失点完投勝利をあげるも、2回戦では優勝した大阪桐蔭に3-5で敗れた。その後は拓殖大に進学すると、1年春から二刀流として活躍するも、ケガなどもあり退部。1度は野球を辞める決意をしたが、徳島インディコソックスからの誘いもあり入団すると、1年目から盗塁王に輝くなだど俊足巧打の外野手として活躍し、昨年のドラフト会議では西武から8位指名を受けた。
20200703西武 岸


2位 森友哉(大阪桐蔭)
藤浪(阪神)とのバッテリーで春夏連覇を成し遂げた、強打の捕手の森が2位にランクイン。2年春のセンバツでは、準決勝の健大高崎戦では逆方向の左中間スタンドに勝ち越しホームランを放つなど1番打者として打率.444の活躍で優勝に貢献。2年夏には
済々黌の大竹(ソフトバンク)からホームランを放ち打率.400をマークし、守っても36回2失点という藤浪の好投をアシストした。主将として臨んだ3年春のセンバツでは初戦の遠軽戦では4安打を放つも、ケガで次の試合は欠場しチームも敗れた。3年夏は日本文理戦で2打席連続弾を放つも、3回戦で明徳義塾の岸に1点に抑えられ敗れた。甲子園では4大会で通算.473というハイアベレージを残して、秋のドラフト会議では西武から1位指名をうける。1年目から3割近い打率を残すなど打力は十分であり、捕手としても徐々に成長をとげると、昨年は打率.329で首位打者も獲得し、リーグMVPにも輝いた。
20190708西武 森


1位 松坂大輔(横浜)
1位はなんといっても今年西武に復帰した松坂。横浜のエースとして3年春のセンバツに出場すると、初戦ではいきなり151㌔をマークし報徳学園から2失点完投勝利をあげ、3回戦では東福岡のエース村田(元巨人)との投げ合いになるも、4番打者として自ら先制打を放つと、13奪三振完封勝利。準決勝ではPL学園相手に2失点完投勝利をあげると、決勝では関大一の久保(元DeNA)との投げ合いを4安打完封勝利で制してセンバツ優勝。3年夏には、2回戦で鹿児島実業の杉内(元巨人)と対決するも、自らの2ランで均衡を破ると、6-0で完封勝利をあげ、続く3回戦も星稜を完封した。準々決勝のPL学園戦は球史に残る大激戦となり、延長17回を投げ切って勝利。ただその影響で先発を回避した準決勝の明徳義塾戦では、8回表まで6-0とリードを許すも、8回裏に4番レフトで出場していた松坂のタイムリーなどで4点を返すと、腕にしていたテーピングを外して9回のマウンドにあがり、明徳義塾を抑えると、チームは9回裏に3点を奪い大逆転勝利。決勝ではなんと、京都成章からノーヒットノーランを達成して春夏連覇を成し遂げた。ドラフト会議では3球団競合の末に西武に入団すると、高卒ながら1年目から3年連続で最多勝を獲得し、2006年と2009年のWBCでは日本のエースとして2大会連続でMVPを受賞。レッドソックスでは1年目に15勝、2年目に18勝をあげるも、その後はケガにも苦しんだ。2015年からは日本球界に復帰するも、ソフトバンクでは3年間で1勝もあげられなかったものの、中日に移籍した2018年には6勝をあげカムバック賞を受賞。今年から古巣の西武に移籍したが、右手の痺れ除去の手術を受けるなど復帰にはまだ時間がかかりそうである。
20200224西武 松坂


惜しくも5位に以内に入れなかったものの、他にも甲子園で活躍した中日の選手は以下の通り
・十亀剣(愛工大名電)
・野田昇吾(鹿児島実業)
・田村伊知郎(報徳学園)
・岡田雅利(大阪桐蔭)
・柘植世那(健大高崎)
・西川愛也(花咲徳栄)
・鈴木将平(静岡)
・熊代聖人(今治西)
・川越誠司(北海)
etc


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球団別に甲子園のスターを勝手にランキング【巨人編】

各球団に属する甲子園のスター達を勝手にランキング形式で紹介してきます。
今回は巨人編です。

ランキングは、その他の実績などは関係なく、甲子園での活躍のみを基準として独断と偏見でつけているだけなので悪しからず…。


5位 岡本和真(智弁学園)
いまや巨人の不動の4番に成長した岡本も、甲子園では豪快な1発を放っていた。3年春のセンバツでは世代屈指のスラッガーとして注目され、3番ファーストとして出場※ちなみに4番は廣岡(ヤクルト)。初戦では夏に甲子園準Vを果たす三重と対戦すると、甲子園初打席でいきなりバックスクリーンに先制弾を叩き込むと、6回にもレフトスタンドにホームランを放った。ただし2回戦では佐野日大の田嶋(オリックス)の前に内野安打1本の2三振と封じ込められ、9回からリリーフとしてマウンドにあがると10回にはサヨナラ打を浴びて敗れてしまった。3年夏の甲子園では初戦で明徳義塾と対戦すると、相手エースの岸(西武)から2安打を放つも、チームは4-10で初戦敗退となった。巨人にはドラフト1位で入団すると、4年目にはレギュラーに定着し、33本100打点(リーグ2位)をマーク。今年も開幕から高い打率をマークし、巨人の不動の4番として君臨している。
20190317巨人 岡本


4位 大城卓三(東海大相模)
東海大相模屈指の大型捕手として活躍した大城が4位。3年春には秋のケガもあり、一二三(元阪神)とのバッテリーで7番捕手として出場するも、優勝候補であったチームは初戦で自由ヶ丘にまさかの敗退。ただ3年夏には本来の4番捕手として甲子園に帰ってくると、準々決勝の九州学院戦で4打点をあげると、準決勝の成田戦ではタイムリー3本を含む5打点の活躍。決勝では島袋(元ソフトバンク)の興南に大敗するも、大会通じて10打点をあげる活躍で準優勝に貢献した。東海大に進学すると。4年春秋ともにMVPを獲得し、全日本大学野球選手権でも優勝してMVP。NTT西日本でも1年目から正捕手として活躍すると、3年目には社会人日本代表にも名を連ね、ドラフト会議では巨人より3位指名を受ける。巨人では打力を生かしてファーストでの出場もしつつ、今年は正捕手として開幕を迎えることが濃厚であったが、コロナ感染もあってやや出遅れている。
20190317巨人 大城


3位 野上亮磨(神村学園)
総部2年半の神村学園をセンバツ準優勝に導き、一躍有名にした野上が3位にランクイン。神村学園には1期生として入学すると、バランスのよいフォームの完成度の高い右腕として、チームを3年春のセンバツ出場に導く。初戦では星稜に11安打を浴びながらも3失点に抑えてチームとして甲子園初勝利をあげると、2回戦では川端(ヤクルト)の市立和歌山商からも3失点完投勝利。準々決勝では打球を受けながらも根性で2失点完投勝利をあげると、準決勝では羽黒から4安打完封勝利をあげた。ただ準決勝まで全部1人で投げていたこともあり疲労が蓄積して、愛工大名電に打ち込まれてしまった。その後は日産自動車で活躍し、西武にドラフト2位で指名を受けて入団。4年目からローテに定着すると、2桁勝利を2度あげ、2018年にはFAで巨人に移籍。昨年はアキレス腱断裂の大けがを負い、現在はリハビリ中である。


2位 山瀬慎之介(星稜)
2位には昨年の甲子園で奥川(ヤクルト)とバッテリーを組み、主将としてもチームを準優勝に導いたルーキーの山瀬がランクイン。2年春のセンバツで甲子園に初出場を果たした山瀬は、持ち前の強肩と好リードだけでなく、打っても3試合で打率.600という活躍でベスト8入り。2年夏に続いて出場した、3年春のセンバツでは初戦で先制タイムリーを含む3安打を放ち、奥川の17奪三振完封もアシスト。4季連続での甲子園出場となった3年夏は、準決勝の中京学院大中京戦で2ベース2本を含む3安打3打点の活躍を見せるなど、打っては打率.556、守っては奥川だけでなく萩原や寺沢をうまくリードして防御率0点台の星稜投手陣を牽引。決勝では履正社にリベンジを許してしまったが、攻守において、また主将としてチームを見事準優勝に導いた。昨年のドラフト会議では5位指名を受けて巨人に入団。同じ名前で捕手出身の阿部慎之助2軍からも期待をかけられており、セリーグの舞台で小学校からバッテリーを組んでいた奥川との対戦が見たいものである。
20200224巨人 山瀬


1位 田中俊太(東海大相模)
3位の大城の1学年下であった田中俊は甲子園で、主力として優勝と準優勝をどちらも経験した。2年春のセンバツに3番セカンドとして出場し、2安打1盗塁と気を吐くもののチームは自由ヶ丘に敗退。2年夏には打率.222とやや苦しむも、放ったヒット4本のうち3本が長打という効果的な打撃で、一二三ー大城のバッテリーとともに準優勝に貢献した。最終年になると、同期の菅野(ロッテ)・渡辺(中日)らとともにチームを牽引し、3年春のセンバツでは、準決勝の履正社戦で満塁ホームランを含む4安打6打点の活躍をみせ、決勝の球種国際大付戦でも三好(広島)から3安打を放ち、チームのセンバツ制覇に貢献した。その後は東海大→日立製作所を経て、2018年にはドラフト5位で巨人に入団すると、本職のセカンドだけでなく、サードなどもこなし1年目から99試合に出場。3年目の今季こそはセカンドのレギュラー争いを制したいところだ。
20200224巨人 田中俊



惜しくも5位に以内に入れなかったものの、他にも甲子園で活躍した中日の選手は以下の通り
・横川凱(大阪桐蔭)
・大江竜聖(二松学舎大付)
・小林誠司(広陵)
・岸田行倫(報徳学園)
・丸佳浩(千葉経大付)
・山下航汰(健大高崎)
etc


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青山学院大×NTT東日本【オープン戦】

7/12 オープン戦
青山学院大×NTT東日本 @NTT東日本船橋グランド


試合経過

青山学院大の先発はこの春、大学に入学したばかりの1年生右腕の下村。下村は社会人相手にいきなり1番宮内を三振に仕留める素晴らしいスタートを切り、阿部も打ち取り2死とする。しかしここから社会人の洗礼を浴びる形になり、3番下川にレフト線に運ばれて(2ベース)しまうと、4番喜納にタイムリーを浴びてしまい先制点を献上してしまう。NTT東日本は3回・4回ともにランナーを3人ずつ出すなど下村を攻め立てるも、盗塁死などで拙攻が目立ち追加点をあげられない。
20200712青山学院大 下村
青山学院大の先発の1年生下村

しかし5回裏、NTT東日本は先頭の宮内がヒットで出塁して初球にスチールを決めてチャンスを作ると、3番下川が今度はレフトの頭を越すタイムリー2ベース。さらに1死2・3塁となってから、代打の二十八は前進守備の二遊間を抜く2点タイムリーを放ち、NTT東日本が4-0とリードを広げる。
20200712NTT東日本 下川
レフトオーバーのタイムリー2ベースを放つNTT東日本下川

NTT東日本の先発は6年目を迎える左腕の沼田。近年ではロングでもショートでもマルチにこなすリリーフとしての活躍が多かったが、この試合では先発のマウンドに上がると、1年生が3人・4年生が0人という若い青山学院大打線を手玉にとる投球。キレのあるストレートに加えて、スライダーやチェンジアップなども交えた投球で、7回まで2安打無失点の好投をみせた。
20200712NTT東日本 沼田
7回無失点の好投をみせたNTT東日本の先発沼田

青山学院大は7回裏から2番手として北村が登板。しかしいきなり2者連続で死球を与えてしまうと、ワイルドピッチも重なり1死2・3塁というピンチを迎える。NTT東日本はここで代打にルーキー捕手の佐久本を送ると、佐久本がセンターに弾き返して2点を追加。さらに二十八・長澤が連打で続いて、この回も3点を追加し7-0とする。

NTT東日本は8回にもまたもや1番宮内が左中間に2ベースを放ちチャンスを作ると、途中出場の2番丸山も左中間にタイムリー3ベースを放ち、青山学院大の北村をKO。青山学院大は代わった3番手の1年生松井が強きな投球でこのピンチを凌いだのは好材料であったが、打線は8回から沼田の後を受けた末永からもヒットが出ずに2安打完封敗け。NTT東日本が8-0と社会人の意地を見せつける形で完勝した。


20200712青山学院大×NTT東日本
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


この試合の青山学院大は、先発投手の下村を含め、2番DH中島、7番サード手塚、9番センター中野と4人もの1年生がスタメンに名を連ねる一方、出場したのは途中出場の主将西川のみという非常に若いチームであった。これは青山学院大の現在の4年生は、現在は福島レッドホープスで活躍してドラフト候補となる鈴木など有力選手が多く退部してしまった世代であり、少数精鋭の青山学院大においてもかなり少ない8人しかいないこともあり、お試しというよりはその戦力で戦うしかないという事情である。ただ若いチームで全員が大卒選手のNTT東日本に挑んだわけであるが、下村は6回4失点、中島・手塚は3タコ、中野も2三振で代打を送られるなど結果を出すことはできなかった。ただスタメンメンバーの出身校を見てもわかるとおりに、高校野球ファンから見れば有力選手が目白押しであり、今日の経験を糧にして成長に期待したい。1年生で唯一の収穫であったのが、8回1死3塁というピンチで登板した松井。球に勢いがあり、いきなり高橋をインコースのストレートで三振に仕留めると、続く佐久本の当たりもライトの正面でピンチを凌いだ。前日のJR東日本との試合でも146㌔をマークして無失点リリーフを見せたらしく、楽しみな存在である。
20200712青山学院大 松井
好リリーフをみせた青山学院大の1年生松井

NTT東日本は6年目の沼田、さらには今年からコーチ兼任となった末永と経験のある投手が登板、一般的には大学生との試合には、社会人野球チームは経験を積ませるという意味でも若い投手を使うことが多いが、前日には巨人との練習試合があり、ドラフト校とと言われる若い投手(佐々木、小又、飯島、稲毛田)はアピールの意味も込めてそこで登板してしまっていた。沼田・末永ともに凄いスピードのボールを投げるわけではないが、巧みな投球術で、青山学院大の芯を外す投球で2安打完封して、その経験の差を見せつけた。
20200712NTT東日本 末永
8・9回を抑えたNTT東日本の末永

野手では途中出場の選手の活躍が目立った。5回に代打で登場して2点タイムリーを放った二十八は、その次の打席でもライト目ヒットを放ち2打数2安打。同じく途中出場した捕手の佐久本は、この試合ではこちらも代打で登場して2点タイムリーを放つと、そのままファーストに入った。亜細亜大の3年時には、同じ捕手でも頓宮(オリックス)がファーストに入り、守備のいい佐久本がマスクを被るというケースも多く、佐久本に関しては守備型の捕手というイメージがあったためにやや意外な起用であった。また途中からセカンドの守備に入った丸山も、左中間にタイムリー3ベース。NTT東日本の打線の層の厚さを見せつける形となった。
20200712NTT東日本 佐久本
代打で登場して2点タイムリーを放ち、そのままファーストについたNTT東日本の佐久本


Pickup Player
宮内和也 NTT東日本 サード
~やはり1番が似合う選手~
8得点をあげたNTT東日本において、1番打者として3安打4出塁の宮内の存在は大きかった。

宮内はちょうどこのグランドがある船橋の近く、習志野高校の出身。走攻守揃った内野手として1年春よりショートのレギュラーを掴むと、主将も務めた3年時には春の関東大会を制覇すると、夏の千葉大会を制して甲子園に出場。この時の習志野のメンバーにはエース兼主軸の泉澤(明治安田生命)、1学年下には木村(東京ガス)・在原(JFE東日本)と現在も社会人野球でしのぎを削るメンバーがいた。甲子園では1番ショートを務め、初戦の静岡戦では1-1の同点で迎えた7回2死満塁で3塁走者であった宮内がホームスチールを決めて勝ち越すと(動画)、8回には走者一掃のタイムリー3ベースを放ち試合を決めた。準々決勝では優勝した日大三(吉永・高山・横尾・畔上世代)に敗れたものの、宮内は4試合で打率.455という活躍をみせると、大会後にはアジアAAA野球選手権の代表に名を連ね、6盗塁をマークする活躍で優勝に貢献した。

明治大に進学すると、1年春からリーグ戦出場をはたし、1年秋にはセカンド・サードなどで10試合にスタメン出場。ただ当時の明治大の二遊間には福田(オリックス)・糸原(阪神)といった選手がおり、なかなかレギュラー定着とはいかず、4年春にはショートのレギュラーとして全試合にスタメン出場を果たすも、4年秋には出場機会なし。4年間で通算打率.197と思うような成績を残すことはできなかった。

NTT東日本に入社すると、打力アップに取り込み、2年目の都市対抗には3番サードとして出場。準々決勝での東海REX戦では2本のタイムリーを放ちなど、大学からの先輩である2番福田とのコンビで躍動。大会通じて打率は残せなかったものの、チームの都市対抗制覇に貢献した。ただ昨年は二大大会ではともに途中出場となっており、レギュラー再奪取に向けて今年は正念場となっていた。

この試合では1番DHとしてスタメン出場した宮内は、第2打席ではレフト前ヒットを放って出塁すると、2番阿部の打席で盗塁を決める。この後さらに3盗も狙ったところで飛び出してしまい、アウトになってしまうものの、アグレッシブな走塁を見せた。第3打席でもまたもやレフト前ヒットを放つと、今度は続く打者の初球に盗塁を成功させる余裕っぷりで、下川のタイムリーで貴重な追加点のホームを踏んだ。7回には先頭打者として死球で出塁するうと、NTT東日本は5回と同じく宮内の出塁を皮切りに3得点。8回には力強く左中間を破る2ベースを放つと、8点目のホームを踏んだ。4打数3安打3得点という活躍で、1番打者としての役割を十分に果たしたといえる。

NTT東日本に入ってからの宮内はどちらかというと、3番打者や5番打者といったイメージが強く、打力を売りにした選手であった。その一方でやはり習志野時代に見せた積極的な走塁のイメージは少なくなっていたが、この試合では積極的に2盗塁とその姿が垣間見えた。NTT東日本のレギュラー争いは激しいが、是非とも宮内にはNTT東日本の1番打者としての活躍を期待したい。

20200712NTT東日本 宮内1

20200712NTT東日本 宮内2
NTT東日本の1番打者として3安打3得点2盗塁の活躍をみせた宮内



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球団別に甲子園のスターを勝手にランキング【ソフトバンク編】

各球団に属する甲子園のスター達を勝手にランキング形式で紹介してきます。
今回はソフトバンク編です。

ランキングは、その他の実績などは関係なく、甲子園での活躍のみを基準として独断と偏見でつけているだけなので悪しからず…。

5位 上林誠知(仙台育英)
2年夏から3季連続で、仙台育英の4番として甲子園に出場したのが上林。2年夏の甲子園初戦となった佐賀北戦ではいきなり4安打を放つデビューを飾ると、3年春のセンバツの初戦では今後はワンバンの球を打って2ベースにするという離れ業を成し遂げるなど、そのバットコントロールで甲子園を沸かせた。続く早稲田実業戦でも8回に決勝のタイムリーを放っている。3年夏は初戦では小島(ロッテ)の前にノーヒットに抑えられると、2回戦で常総学院に敗れた。打撃のみながず、その強肩を生かしてセンターからの返球も印象に残っている。ソフトバンクにはドラフト4位で入団すると、3年目にはレギュラーを掴み13本塁打を放つ活躍をみせ。4年目には1シーズン14本もの3塁打という65年ぶりの記録を打ち立てる。昨年はケガもあってシーズン通してレギュラーとかいかなかったが、今年は復活して開幕からライトのレギュラーとして活躍している。
20190825ソフトバンク 上林


4位 九鬼隆平(秀岳館)
鍛治舎監督とともに、秀岳館の黄金期の象徴となるのが九鬼である。枚方ボーイズ時代の恩師である鍛治舎監督を慕って九州に渡ると、3年時には松尾(琉球BO)らとともに黄金時代を形成。3年春のセンバツに、4番捕手主将として出場すると、初戦で花咲徳栄のエース高橋昂(広島)から先制のタイムリー2ベースを放つと、3回戦でも早川(早稲田大)擁する木更津総合に競り勝つなど、大会屈指の左腕2人から勝利したものの、準決勝では高松商に敗退。3年夏の甲子園にも連続出場を果たすと、4試合でヒット5本を放った。また打つだけでなく捕手としても、有村(立命大)・中井・田浦・川端といった多彩な投手陣をリードで引っ張り、こちらも準決勝で(優勝した)作新学院に敗れたものの、2季連続で甲子園4強入りを果たした。ドラフト会議ではソフトバンクに3位指名されて入団。正捕手甲斐らの壁は厚いものの、今年はプロ入り初安打をホームランで飾っている。
20200222ソフトバンク 九鬼


3位 中村晃(帝京)
名門帝京の4番打者として、2年夏から(1学年下の)杉谷(日本ハム)らとともに3季連続で甲子園に出場したのが中村。2年夏の甲子園の初戦となった如水館戦ではホームランを放つと、準々決勝では伝説となった智弁和歌山との対戦で、帝京は9回に中村のタイムリーを皮切りに8点をあげて大逆転するものの、その裏に5点を失いサヨナラ負けを喫した。主将として臨んだ3年春のセンバツでも、準決勝まで進出してベスト4入り。3年夏には準々決勝の佐賀北戦では3安打の活躍をみせると、延長戦では2打席連続で敬遠されてしまい、チームは佐賀北のがばい旋風の前に13回サヨナラ負けを喫するも、この大会では15打数7安打というハイアベレージをマークした。ドラフト会議ではソフトバンクに3位指名され、6年目からレギュラーに定着すると、7年目には最多安打を獲得し、どこの打順でもこなせる器用な打撃でソフトバンク打線を支えている。
20200225ソフトバンク 中村晃


2位 今宮健太(明豊)
奇跡の154㌔リリーフで甲子園を沸かせたのが今宮。まず2年春のセンバツに1番投手として出場し、このときはMax138㌔で完投するも6失点で常葉菊川に敗れ初戦敗退。3年春のセンバツでは3番サード兼リリーフとして出場し、2回戦では花巻東の菊地(マリナーズ)に抑えられ敗退。3年夏の甲子園にも3番ショート兼投手として出場すると、島袋(元ソフトバンク)の興南→秋山(阪神)の西条→庄司(元広島)の常葉橘と好投手を擁するチームを次々に撃破して、準々決勝では花巻東との再戦を迎える。この試合で先発のマウンドに立った今宮であったが4回途中4失点で降板しサードに回ることとなるものの、チームはケガで本調子でない菊地からリードを奪い最終回を迎える。ただ9回に3番手山野(元広島)が同点に追いつかれ、なおもピンチという場面で今宮が再びマウンドに上がると、それまでの球速をはるかに上回るMax154㌔のストレートを武器に2者連続三振でピンチを脱した。今宮は10回に決勝タイムリーを浴びたものの、9回の投球のインパクトは凄まじいものであった。ドラフト会議では内野手としてソフトバンクから1位指名を受けて入団すると、2013年から5年連続でショートでゴールデングラブ賞を受賞。近年はケガにも苦しみ、フルシーズンの出場とはいかないものの、昨年はクライマックスシリーズMVPを受賞するなど活躍している。
20200225ソフトバンク 今宮


1位 東浜巨(沖縄尚学)
2012年のセンバツ優勝投手の東浜が1位にランクイン。3年春のセンバツに沖縄尚学のエースとして出場すると、初戦では終盤147㌔をマークする投球で聖光学院から1-0完封勝利をあげると、2回戦でも明徳義塾から1失点完投勝利。5回からっリーフ登板した準々決勝の天理戦でも5回無失点の好投をみせると、準決勝でも粘りの投球で東洋大姫路を2点に抑えると、チームは佐藤翔太(元東芝)の前に完封ペースであった打線は、嶺井(DeNA)のタイムリーなどで大逆転勝利。決勝では聖望学園を完封、打っても3安打の活躍でセンバツ制覇を果たした。この大会で東浜は、41回3失点という成績でまさに東浜の大会となった。その後は亜細亜大に進学すると、1年春から全シーズンで4勝以上という安定した投球ぶりで、通算21完封は東都最多。ソフトバンクにドラフト1位で入団すると、2017年には最多勝を獲得し、今年は開幕投手を務めている。
20190214ソフトバンク 東浜



惜しくも5位に以内に入れなかったものの、他にも甲子園で活躍した中日の選手は以下の通り
・松田遼馬(波佐見)
・高橋純平(県立岐阜商)
・板東湧梧(鳴門)
・田浦文丸(秀岳館)
・松本裕樹(盛岡大付)
・田城飛翔(八戸学院光星)
etc


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テーマ : 福岡ソフトバンクホークス
ジャンル : スポーツ

Honda×NTT東日本【オープン戦】

7/5 オープン戦
Honda×NTT東日本 @NTT東日本船橋グランド


試合経過

1回表、Hondaは1死から2番中村将がヒットで出塁すると、2死となるものの、そこから4番山本兼・5番吉田が連続で四球を選んで満塁のチャンスを作る。ここで打撃を買われて捕手ながら指名打者に入っている守屋は、ライト前に弾き返してまず1点。ただ2塁ランナーの山本兼は3塁を回ったところでストップしたものの、続くランナーの吉田はそれに対応することができずに2・3塁間に挟まれてしまいタッチアウトで1点止まりとなる。しかしNTT東日本もその裏、1番に入ったルーキーの火ノ浦が、あともう少しでセンターのネットのラインを超えてホームランという3ベースを放ってチャンスを作ると、3番向山のショートゴロの間にホームインして、すぐさま同点に追いつく。
20200705NTT東日本 火ノ浦
あわやホームランという3ベースを放ったNTT東日本の1番火ノ浦

2回からはNTT東日本の堀、Hondaの田村による投手戦が展開される。特にHondaの田村の好投は光っていて、この試合ではストレート多めの投球であったが、打たせて取るピッチングが冴えていて、火ノ浦にヒットを浴びた後は、四球を1個出した以外はパーフェクトピッチングで、4回を1安打1失点という内容であった。田村は先日の日立製作所とのオープン戦でも5回1失点の好投をみせており、今年は先発投手の座に食い込んできそうだ。
20200705Honda 田村
4回1安打1失点の好投をみせたHondaの先発田村

試合開始当初から小雨がパラつく天気であったが、5回になるとその雨もやや強くなってきた。5回表のHondaの攻撃は布袋・前川が倒れて2死となってしまうも、ここから1番佐藤・2番中村将が連打で1・3塁のチャンスを作る。するとルーキーながら3番に入る千野がライト前にタイムリーを放って勝ち越し。さらに4番山本兼は粘った末に打球を右中間に運び、この打球で中村将と千野が生還。雨の影響でマウンドが滑りやすくなったようで、ここで土を入れ直し、NTT東日本は堀→沼田と投手を代えて(立正大リレー)試合を再開した。
20200705Honda 山本兼
2点タイムリー2ベースと4番の起用に応えたHondaの山本兼

それでも投手としてはコンディションのいい状態とはいえず、5回からHondaの2番手として登板した朝山もこの影響を受けることとなる。先頭の桝澤に四球を与えると、越前のセンター前ヒットを挟んで、朝田にも四球を与えてしまい無死満塁。代打に十八に犠牲フライを浴びと、まだコントロールが定まらずに、上川畑、さらには下川にも四球を与えてしまい押し出しで1点差に迫られる。この2死満塁のチャンスで迎えるのはNTT東日本の3番向山であり、朝山にとっては法政大の1個上の主将に当たる。この法政対決では、向山がレフト前を放って勝利すると、NTT東日本は2者が生還して逆転。NTT東日本が5-4と逆転して5回を終えると、試合はそのまま降雨により終了となってしまった。
20200705NTT東日本 向山2
逆転タイムリーを放ったNTT東日本の3番向山

20200705Honda×NTT東日本
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


試合に敗れたのはHondaであったが、収穫が多かったのもHondaの方であった。上述の先発候補である田村の好投に加えて、光ったのはルーキーの二遊間。Hondaは昨年木浪(阪神)・松田(ロッテ)という内野手2人が抜けてから、内野手がやや不足気味で今年は津田・中村・檜村・千野と二遊間を守れるルーキーが4人も加入。ショートでいえば本命とされていたのは大学時代からショートを務める檜村・津田であったが、この日のショートは亜細亜大ではセカンド・外野を中心にオールラウンダーとして活躍していた中村将。亜細亜大らしい俊足+積極的な走塁が武器の選手だが、この試合では2安打を放ちいずれもホームを踏む活躍。ちょうどHondaには篠塚といういい手本がいるので、いやらしい2番バッターに成長して欲しい。3番セカンドで出場した千野も、3打席目にはタイムリーを放つなど、自慢の打撃でのアピールに成功していた。
20200705Honda 中村将
Hondaのショートのレギュラー獲得に向けてアピールに成功しているルーキーの中村将

また捕手ながら6番に入っている守屋も、この試合では先制タイムリーを放つなど好調だ。Hondaはこの試合では出場はなかったものの、社会人日本代表にも名を連ねる辻野という絶対的な正捕手があり、数年前までは層が薄かったものの、昨年の守屋に続いて、今年は藤野が入社。この日マスクを被った山崎の守備力も高く、捕手としての層が厚くなってきたことも、このように守屋をDHで起用できるようになった理由である。慶応大とのオープン戦ではサヨナラ3ランを放っており(観戦記)、このパンチ力とは裏腹に、今日の試合ではあわやセーフティ成功という絶妙なバントも決めており、打線にとって重要な存在となるかもしれない。
20200705Honda 守屋
先制タイムリーを放つなど持ち前の打力でアピールしているHondaの守屋

ヒットこそ3本であったものの、NTT東日本打線にも厚みを感じた。プロ野球でも今年は、バントというようりはある程度打力のある打者を2番に置くのが流行っているが、NTTもそれに倣うかのようにこの試合では2番に下川を起用していた。これにより1番ノ之浦~6番越前までは常に1発に警戒しなければならない打線となった。その反面、本来は1番or2番として期待されていた上川畑はこの試合では9番。この上川畑が9番にいるような打線であれば、それは本当に強力だが、大卒2年目で今年のドラフト候補と言われる選手なら9番というのは避けたいところだ。
20200705NTT東日本 下川
NTT東日本の強打の2番として期待されている下川


Pickup Player
向山基生 NTT東日本 外野手
~誕生日を祝う3打点の活躍~
この日が誕生日であった、NTT東日本の向山は逆転タイムリーを含む3打点の活躍をみせて勝利に大きく貢献した。

法政二高では強打の3番サードとして活躍していた向山は、そのまま法政大に進学すると、2年春からリーグ戦に出場。ともに規定打席には達しなかったものの、2年春は打率.471、2年秋は打率.368というハイアベレージを残して頭角を現す。3年春は右手首骨折により出場機会はなかったものの、3年秋には俊足・強肩を生かして外野に転向するとライトorセンターのレギュラーを獲得し、リーグ7位の打率.327をマーク。4年時には法政大の主将も務め、4年春秋ともに3番打者として打率3割を超える活躍をみせて2季連続でベストナインを受賞。夏には大学日本代表にも名を連ね、秋にはチームをリーグ優勝に導く活躍をみせるも、ドラフト会議では指名漏れを味わった。昨年NTT東日本に入社すると、1年目から二大大会にともに3番センターとして出場し、都市対抗の2回戦のパナソニック戦でも決勝打を放っている。2年目を迎える今年は、再びドラフト解禁の年となっており、スカウトからも注目されている。

この試合でも3番センターとして出場した向山。初回1死3塁で迎えた第1打席では、バットを折られながらもショートへ鋭い打球を飛ばして打点をマーク。そして1点ビハインド、2死満塁、相手投手は法政大の1年後輩のHondaのルーキー朝山という場面で迎えたのが第3打席であった。向山はカウント1B2Sと追い込まれてしまうも、そこから変化球にうまく対応すると、ライナー性の打球はレフトの前で弾み、2者が生還する逆転タイムリーヒットとなった。結果的にこの試合では3打数1安打3打点という活躍であった。

向山の最大の魅力はアベレージも長打力もある打撃であるが、50㍍6.0秒という俊足や、遠投105㍍といったところもプロからみればポイントが高いところ。社会人野球に入ってからも安定して成績を残しているという実績も大きい。とりわけ今年に関しては日本選手権が中止になり、都市対抗もドラフト後である以上は昨年までの実績がドラフトにも大きく影響し、このままいけば(本人さえ希望すれば)秋のドラフト会議で指名の可能性は高い選手である。

20200705NTT東日本 向山1
今年の秋のドラフト候補として期待のかかるNTT東日本の向山



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