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ハナマウイ×かずさマジック【都市対抗千葉予選】

8/29 都市対抗千葉予選準決勝
ハナマウイ×かずさマジック @ゼットエーボールパーク

試合経過

勝った方は都市対抗の南関東予選進出が決まるという、都市対抗の千葉予選。JFE東日本が昨年は都市対抗を制して予選免除なので、この千葉予選で圧倒的大本命となるのがかずさマジック。そこに挑むのは、今年が都市対抗に初挑戦となる新規チームのハナマウイとなる。

1回裏、かずさは1死から2番のベテラン田中がセンター前ヒットで出塁すると、3番小泉の1・2塁間への打球は内野安打、4番のルーキー吉田は死球で1死満塁となる。5番宮澤は見逃しの三振に倒れてしまうも、6番主将の長谷川はハナマウイの先発平野の変化球をうまく左中間にもっていくと、これが走者一掃のタイムリー3ベース。さらに7番平の打球も、ちょうどレフト後方に向かって吹いていた風に乗って、レフトの頭上を越えてエンタイトル2ベースとなって、かずさが初回に4点を先制する。
20200829かずさマジック 長谷川2
走者一掃のタイムリーを放ったかずさマジックの主将長谷川

かずさマジックにとっては、これが今年初の公式戦ということでスタメンはフルメンバーといえる状態で、渡辺俊介監督は先発のマウンドにもプロ注目の右腕の山本を送った。山本はストレートはこの試合ではMax148㌔をマークし、これにカットボール・カーブ・フォーク・2シームといった変化球を操っていた。剛腕というイメージの強い山本だが、この試合ではこのように変化球も使いながら余裕のあるピッチングを見せ、4回までハナマウイ打線をノーヒットに抑える。
20200829かずさマジック 山本
4回までノーヒットピッチングのかずさマジックの先発山本

ハナマウイの先発の平野は、昨年までSUNホールディングスでエース格として活躍した投手。ストレートは140㌔前後であるが、得意のカットボールを多く使った投球で、2・3回はかずさ打線を3人ずつで打ち取っていく。ただ4回には先頭の長谷川がライト前にうまく落として出塁すると、小関のバントで2死2塁となってから。9番奈良原・1番松田が連打で繋いで、リーグを5点に広げ、4回まではかずさマジックが完全にペースを握り、コールドも見えてくる展開であった。
20200829ハナマウイ 平野
ハナマウイの先発の平野

しかしハナマウイは5回表、この回先頭の5番林がチーム初ヒットをセンターに弾き出塁。続く6番道上もライト前ヒットを放ち、桐蔭横浜大コンビで無死1・2塁のチャンスを作る。7番引木はライトライナーに倒れるも、いきなり山本を捉えだしてきたハナマウイ打線。8番御所名が四球を選らんで満塁とすると、9番松井(楽天の松井裕樹の弟)が3塁線を破る2点タイムリー2ベースを放つ。この山本のあまりの豹変ぶりに、かずさは溜まらず2番手として元広島の左腕オスカルをマウンドに送る。オスカルは加藤に犠牲フライは許したものの、続く大友を打ち取り、試合は5-3とかずさがリードして前半戦を終える。
20200829ハナマウイ 松井1
3塁線を破る2点タイムリー2ベースを放ったハナマウイの松井

かずさは7回裏、初回と同じように田中・小泉の連打と死球で1死満塁のチャンスを作ると、ここで代打としてルーキー喜多を起用。喜多は社会人野球初の公式戦とあってか、いきなりワンバウンドの変化球を空振りするなど硬さが見られたが、最後はカットボールを何とかレフトに運んで犠牲フライとして、かずさが待望の追加点をあげる。
20200829かずさマジック 喜多
代打で出場して犠牲フライを放ったかずさマジックのルーキー喜多

ハナマウイは7回・8回ともに2ベースからチャンスを作るものの、あと1本が出ずに、3点ビハインドのまま最終回を迎える。この回先頭の道上は、かずさの3番手川名から四球を選んで出塁すると、8番御所名・9番松井も連打で続いて1死満塁のチャンスを作る。1番加藤の併殺崩れの間に1点をあげると、2番大友は四球を選んで再び満塁。ハナマウイは最終回4-6と2点ビハインドで2死満塁、1打同点、長打が出れば逆転という展開を作り出す。かずさはたまらず川名→山田に投手をスイッチし、迎えるハナマウイのバッターは前の打席に代打で登場して2ベースを放っている山田という山田対決に両チームの命運が託されることとなる。カウント1B2Sから山田の放った打球はライナー性でレフトへ飛ぶものの、この打球は前進したレフト長谷川のグラブにダイレクトで収まりゲームセット。かずさマジックが6-4で逃げ切り、都市対抗南関東予選進出を決めた。


20200829ハナマウイ×かずさマジック
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

かずさマジックとてはこの試合が今年初の公式戦であり、さらにはJFE東日本がいない千葉の大会で敗けるなんてありえないというプレッシャーもあったである中で、ひやひやの勝利となった。特に先発したエース山本に関しては4回までは見事な投球を見せていたが、5回に急遽捕まりKO。この試合はスカウトは見に来ていないようであったが、ドラフトイヤーの2020年シーズンの公式戦のスタートとしては気がかりなものであった。ちなみにかずさマジックとは昨年まで12年間監督を務めた鈴木監督に代わって、今年から指揮をとるのが、ロッテなどで活躍したサブマリンの渡辺俊介。ということでこの試合が渡辺俊介監督の公式戦初勝利。
20200829かずさマジック 渡辺監督
今年からかずさマジックの監督に就任した渡辺俊介

そんなかずさマジックを追い詰めたハナマウイに対して、世間では「ハナマウイが大健闘」「ハナマウイ強いじゃね~か」といったコメントが目立っている。確かに今年で初めて都市対抗予選に参加するチームが、都市対抗優勝経験もあるかずさマジックをあと1歩のところまで追い詰めたというのは、賞賛に値すべきものだ。ただこのチームは1年目ながら、それなりの戦力を有しているチームであり、個人的にも早く見たいチームであった。

まず監督は、オリックス時代にはゴールデングラブ賞し、ロッテ・楽天などでもコーチを務めた本西厚博。ちなみに本西は2001年にロッテで現役を引退しているが、この年にロッテにルーキーとして入団したのが、今年からかずさマジックの監督に就任した渡辺俊介であり、実はロッテの元チームメイト対決であった。

選手の方も新規チームということで、大卒1年目のルーキーが多いものの、それなりに実績のある選手も招聘している。SUNホールディングスから加入した平野・林コンビがチームの中心となり、平野はエースとして7回まで投げ抜き、林はチーム初安打を放ち、5回の山本KOの突破口を開いた。その他にも加藤・引木らは独立リーグでプレーしていただけあって経験は十分。特に1番セカンドの加藤は、この試合では4打数ノーヒットと結果は残せなかったものの、福井では1シーズン19盗塁をマークした俊足が持ち味でプロからも注目されていた選手であり注目である。現段階でも千葉でいえば、JFE東日本・かずさマジックに次ぐ戦力を擁しているといえるので、今日は敗けたものの、敗者復活戦からの南関東予選進出は濃厚であり、JFE東日本が予選免除な分の枠が増えるので、いきなり都市対抗本戦出場のチャンスもありそうだ。
20200829ハナマウイ 林
SUNホールディングスから移籍してハナマウイ打線を支える林

またハナマウイでショート松井和輝の活躍が目立った。楽天の松井裕樹の弟ということで注目されていたが、この試合では9番打者ながら5回には3塁線を破る2点タイムリー2ベースを放つと、その後もセーフティバントにショート内野安打と猛打賞を記録。持ち前の守備ではエラーが1個あったものの、スムーズな動きをみせていた。かずさマジックのショートは同じく大卒ルーキーの奈良原稔也であったが、こちらも楽天の2軍奈良原監督ということで、両チームのショートが楽天親族であった。楽天といえば、かずさマジックの正捕手の小関は元楽天であり、この試合では7回のピンチで3塁ランナーを牽制で刺すという素晴らしいプレーも見せていた。監督はロッテ関係者だが、選手は楽天関係者が多い、そんな試合でもあった。
20200829ハナマウイ 松井2
ハナマウイのショートの松井和輝(楽天松井裕樹の弟)


Pickup Player
長谷川雄飛 かずさマジック 外野手
~主将が初回に貴重な走者一掃のタイムリー~
終わってみれば、初回に長谷川が放った走者一掃のタイムリーがこの試合を決めたといっても過言でなかった。

長谷川は走攻守揃った強打の右の外野手であり、東海大菅生では4番センターとして活躍。駒澤大では2年秋におもにDHを務め、エース今永(DeNA)の擁して神宮大会を制覇。その後は2部降格を味わうも、4年時はクリーンアップを務めた。かずさマジックに入団すると、3年目の昨年は都市対抗の南関東予選5試合で打率.471の活躍をみせると、チームは予選敗退したものの、祖の活躍で評価されて日本通運の補強選手に選ばれる。今年はチームの主将も務めることになった。

この試合では6番レフトでスタメン出場した長谷川だが、1回裏に2死満塁のチャンスで打席が回ってくる。いきなりここで打つか打たないがその日のチームの流れを大きく左右する場面であったが、平野のカットボールをうまく左中間のちょうど真ん中にうまく運び、走者一掃のタイムリー3ベースとなり、初回の4得点の立役者となった。4回の第2打席でもポテン気味ではあるがライト前ヒットで出塁すると、生還して5点目のホームを踏んだ。結局この試合では3打数2安打3打点2得点という活躍であった。守備面でもレフトとして最後に見せ場がやってきた。6-4と2点リードの2死満塁で迎えた最終回には、山田の放ったレフトへのライナー性の打球を前進して見事にダイレクトキャッチ。後ろにやれば逆転という場面であったが、きっちりといつも通りの守備をみせた。

昨年は都市対抗出場を逃している上に、今年はJFE東日本のおかげで事実上、南関東の枠が1つ増えている状態なので、都市対抗の本戦出場は必須。チームの主将ということで、今日のようにプレッシャーのかかることも多いだろうが、走攻守において、また主将としてチームを牽引して欲しい。

20200829かずさマジック 長谷川1
初回に貴重な走者一掃のタイムリー3ベースを放ったかずさマジックの主将長谷川



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テーマ : 社会人野球
ジャンル : スポーツ

U18日本代表を勝手に選んでみる

埼玉大会と神奈川大会の決勝も終わり…夏の高校野球もこれで終了。
本来ならば甲子園の決勝が終わって、ここからU18日本代表が選出されて…という流れですが…
今年は9月に開催が予定されていた第13回U18アジア選手権がコロナの影響ですでに12/20~と延期が決まっている。

12月なのでそもそも現在の高校3年生世代で臨むのか?という話もある。
高校野球を引退して完全にオフな状態なので、秋季大会を戦い終えた後の2年生世代の方が、コンディション的にはよさそう。
さらに代表クラスではすでにプロ内定の選手もおり、それを各球団が許可するのか?

ただ代表監督を務める馬淵監督は、甲子園の交流試合で自身の率いる明徳義塾の試合が終わった後も、メンバー選考のために甲子園に残るという報道もあったので、3年生世代ので臨むという展開もまだまだありそうだ。

とりあえず今回は例年ならばU18日本代表のメンバーはこうなる!
というのを完全な個人的見解で選んでみました。
※全員3年生縛りでやっています


メンバー

~投手~
根本悠楓(苫小牧中央)
篠木健太郎(木更津総合)
安達壮太(桐光学園)
高橋宏斗(中京大中京)
小林樹斗(智辯和歌山)
岩崎峻典(履正社)
中森俊介(明石商)

~捕手~
内山壮真(星稜)
印出太一(中京大中京)

~内野手~
井上朋也(花咲徳栄)
山村崇嘉(東海大相模)
度会隆輝(横浜)
中山礼都(中京大中京)
元謙太(中京)
小深田大地(履正社)

~外野手~
横山陽樹(作新学院)
鵜沼魁斗(東海大相模)
来田涼斗(明石商)


予想スタメン

1 ⑧鵜沼
2 ⑨来田
3 ⑤小深田
4 ③山村
5 D井上
6 ⑥中山
7 ④度会
8 ②印出
9 ⑦横山
P高橋


選考ポイント
投手はまず高橋(中京大中京)・中森(明石商)の2枚看板を先発の軸として、これに加えて抑えとして小林(智辯和歌山)、リリーフエースに篠木(木更津総合)を添える。実績豊富で安定感のある岩崎(履正社)も3枚目の先発として必要。ここまでは力のある選手を上から選んでいき、すんなり決まったが、全員が右の本格派という状況でバリエーションが少ない。本当であれば笠島(敦賀気比)も入れたいところだが、残りの投手は左腕とすることとした。左腕としては高田(静岡商)・藤江(大阪桐蔭)・若松(明豊)らが候補に上がったが、150㌔をマークするなど1番球に力がありコントロールも安定している根本(苫小牧中央)と、さらに1年春から4番も打つなど野手としての起用も可能な安達(桐光学園)を選出した。前回大会では投手は8人であったところを7人にしてしまったが、これはアジア内での戦いとなると、一部のチームとは実力差があるために、それらの試合では元や山村といった野手登録の選手にも投げてもらうことで補う予定だ。
20190908桐光学園 安達1
不足しているサウスポー、さらには野手としても期待したい安達


捕手はチームの要となるために、難しい選考となった。能力的には牧原(日大藤沢)・二俣(磐田東)・田所(いなべ総合)あたりを選びたいところもあるが、経験や実績という面も考慮すると、印出(中京大中京)と関本(履正社)のどちからを中心に添えようと思った。最終的にはエース候補の高橋との相性、また秋の神宮大会を制した実績を考慮して印出を正捕手として選出。内山(星稜)も選出しているが、どちからというと内野手としての起用を想定しており、もしものときはこの内山と横山(作新学院)が補う形をとる。
20191027中京大中京 印出2
昨秋の中京大中京を日本一に導いた印出を扇の要としたい

内野の要となるショートは中山(中京大中京)に固定。ショートは守備力でいえば、土田(近江)も捨てがたいが、滋賀大会での木製バットへの対応がネックとなり、打力では上回る中山に託すこととした。サードは小深田(履正社)と井上(花咲徳栄)という左右のスラッガーの比較となったが、夏の成績も考慮すると基本的には小深田に任せる。井上は春までは外野も務めていたので、外野やDHとしても使うことを前提に選出。セカンドはミート力が抜きんでいて木製バットの対応力もありそう、さらにはU15日本代表ではMVPを獲得した経験ももつ度会(横浜)が最有力。ファーストには打撃の調子のいい選手が入ることを想定しているが、最有力は山村(東海大相模)である。個人的にイチオシなのが元(中京)であり、その打力は勿論のこと、これまでの外野と投手に加えて、今年の夏はショートを主戦場としており、身体能力を生かした素晴らしい守備をみせていた。おそらく捕手以外はどこでもできそうで、人数に限りのあるチームにはうってつけの超高校級のオールランドプレイヤーである。
20190811中京 元
その打力に加えて、どこでも守れる元は貴重な戦力となるはず


外野手は昨年2年生ながら代表に名を連ねた鵜沼(東海大相模)と横山(作新学院)の経験に期待。それに加えて、この世代No1外野手といえる来田(明石商)の3人体制であり、場合によっては元や井上といった内野手を回すこともできる。超高校級のスラッガーとして西川(東海大相模)も選びたいところであるが、確実性+足も使えるという面でこの3人の方が使いやすいと判断した。
20191021東海大相模 鵜沼
昨年のU18代表にも名を連ねた鵜沼の経験にも期待したい


いかがでしょうか?
まぁ個人の勝手な見解なので、異論は認めますw



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テーマ : 高校野球
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日立製作所×NTT東日本【オープン戦】

8/15 オープン戦
日立製作所×NTT東日本 @NTT東日本船橋グランド

試合経過

NTT東日本は稲毛田、日立製作所は原田とともに期待の本格派右腕ルーキーの先発で始まった試合。稲毛田は4シームに、2チームを織り交ぜるというストレート系中心の投球で日立打線を力で抑えていく。初回を3者凡退と素晴らしいスタートを切ると、5回まで浴びたヒットはシングルヒット3本のみ、5奪三振無失点とという投球をみせる。
20200815NTT東日本 稲毛田
5回まで日立打線を無得点に抑えたNTT東日本の先発稲毛田

日立製作所の原田は、初回にいきなり先頭の火ノ浦に四球を与えてしまうと、上川畑にもヒットを浴びて無死1・3塁のピンチ。ただここから3番向山を三振に仕留めると、2死満塁となってから下川をファーストゴロに打ち取り初回のピンチを切り抜ける。すると2回以降は立ち直り、ストレートを中心に、フォークボールや2シームなどをまじえて投球で。2・3回とNTT打線を3人ずつで片づける。
20200815日立製作所 原田
日立製作所の先発のルーキー原田

試合が動いたのは4回裏、原田が先頭の喜納に四球を与えてしまうと、NTTは桝澤が送って1死2塁。ここで6番下川は二遊間を抜くセンター前ヒットを放ち、喜納が2塁からホームインしてNTTが先制。さらに2死3塁となってから、朝田の緩めのセカンドゴロに対して、日立のセカンド國谷は前進してそのままジャンピングスローするものの、これが暴投となりNTTに2点目が入る。ただ原田が得点を許してのはこの回のみで、5回もNTT打線を3者凡退に抑え、5回2失点と合格点の与えられる内容でマウンドを降りた。
20200815NTT東日本 下川
NTT東日本の先制タイムリーを放った下川

5回まで日立打線を圧倒していた稲毛田だが、猛暑の中の投球ということもあってか、6回になると日立打線が捉え始める。1番野中・2番豊田はともにアウトになったものの連続センターライナー。日立の3番濱元は2球で追いこまれるものの、そこからうまくレフト前に運ぶと、4番森下はレフト線に2ベースを放ち、俊足の濱元が1塁から生還して日立製作所が1-2と1点差に迫る。さらに同点のチャンスで5番田中(左打者)というところで、NTTはサイド左腕の飯嶋を投入。飯嶋は田中をセンターフライに打ち取って、このピンチを凌いだ。
20200815日立製作所 森下
タイムリー2ベースを放った日立製作所の4番森下

その後は日立製作所が6回を阿部、7回を杉尾とこちらも期待の右腕が登板して、それぞれ3人でNTTの攻撃を片づける。NTTも7回には熊谷が登板して1イニングを2奪三振パーフェクトに抑えると、8回からはベテラン大竹を投入して盤石のリレーを見せて、試合は終盤を迎える。

日立製作所は8回裏に、昨年の都市対抗で若獅子賞を獲得した左腕の岡を投入する。しかしNTTは岡に対して、2番上川畑がこの試合3本目のヒットを放つと、3番向山も四球を選んで1死1・2塁のチャンスを作る。ここで迎えた途中出場の4番阿部はフルカウントから、レフトの頭上を越える2ベースを放ち、NTTが2点を追加。最終回も大竹が抑えて、NTT東日本が4-1で勝利した。
20200815NTT東日本 大竹
8:9回と無失点で試合を締めたNTT東日本の大竹


20200815日立製作所×NTT東日本
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


勝利したNTT東日本はまさに帝京勢の活躍が目立った。ややスタミナが切れたか6回には日立打線に捕まりかけたものの稲毛田は5回2/3を1失点という好投で勝利投手。またどうなるか分からないが大竹を今日のように後ろで使い、JFEの須田やトヨタの佐竹のような存在にするのであれば、先発投手の枠は空く。来月から始める都市対抗予選に向けて、先発投手としてアピールができたことであろう。阿部も途中出場ながら、8回裏には試合を決める貴重な2点タイムリー2ベース。NTT東日本の内野はファースト喜納と、上川畑・下川は確定で残りの1枠は接戦となっている。この日スタメンであった朝田や、同じく途中出場した丸山との争いとなるが、今日の1打は非常にいいアピールになったと思われる。近年は甲子園から遠ざかっている帝京だが、今年は(甲子園には行けないものの)久しぶりに東東京大会を制覇。そんな後輩たちに刺激を受けてか、稲毛田と阿部の2人が帝京魂を見せつけ、チームの勝利に大きく貢献した。
20200815NTT東日本 阿部
レフトオーバーのタイムリー2ベースを放つNTT東日本の阿部

敗れた日立製作所にも光明は見えた。昨年は都市対抗で8強入りを果たしたものの、投手陣はSUBARUからの補強であった川上・高橋の2人が中心であった日立製作所。そんな状況からか今年は、西山・原田・杉尾という大学野球の全国大会で結果を残した3人の右腕が加入。先発した原田は5回2失点と見事に試合を作り、7回に3番手として登板した杉尾も1イニングを2奪三振3人で終わらせる投球をみせた。6回には高卒4年目の阿部も1イニングをパーフェクトに抑えるなど、期待の右腕たちが結果を残したのは、チームの課題克服に向けて光明が差しているといえるだろう。
20200815日立製作所 杉尾
7回を3人で片づけた日立製作所のルーキー杉尾

また日立製作所で注目であったのが2番豊田という起用だ。東海大相模では4番打者として3年夏に甲子園優勝、国際武道大でも1年春から4番を務め、2年春・3年春には全日本大学野球選手権を制するなど、これまで4番として成績を残してた新人を、この試合では2番打者として起用。残念なことにランナーのいる場面で回ってこなかったので2番としての役割は見えなかったが、これが最近はやっているバントをしない強打の2番としての起用であれば非常に楽しみである。
20200815日立製作所 豊田
2番打者として起用された日立製作所のルーキー豊田


Pickup Player
上川畑大悟 NTT東日本 ショート
~ドラフトに向けて3安打と順調な仕上がり~
NTT東日本ではドラフト候補の上川畑が、3安打を放ち順調な仕上がりをみせた。

好守巧打の内野手である上川畑は倉敷商では1年秋よりショートのレギュラーを獲得し、2番打者として中国大会8強入り。2年秋からは3番ショートとしてチームを牽引し、中国大会では打率.500の活躍をみせ、センバツまであと1歩と迫る中国大会4強入り。3年夏は1番打者として活躍するも、準決勝で小寺(JR東海)がエースの岡山理大付に敗れた。日大に進学すると、1年秋よりセカンドのレギュラーに定着し、京田(中日)との二遊間として活躍。2年秋にはリーグ4位の打率.386をマークしてベストナインにも輝き、優勝を果たしたチームは神宮大会でも4強入り。京田の卒業後はショートに回り、4年夏には日米大学野球とハーレムベースボールウィークの大学日本代表にも名を連ねた。

NTT東日本では1年目よりショートのレギュラーとなり、二大大会にはともに9番ショートとしてスタメン出場。日本選手権では2試合で2本の二塁打を含む4安打をマークしていた。2年目を迎えドラフト解禁となる今年は、スカウトからの注目も集める選手となっていた。

この試合に2番ショートでスタメン出場した上川畑。初回に1番火ノ浦が出塁して迎えた第2打席では、バントではなくレフト前にヒットを放ち1・3塁とチャンスを拡大。3回の第2打席でもセンター前のヒットを放った。8回の第4打席でもセンター前にうまく運ぶと、左投手の岡であるにも関わらず、続く打者の初球にスチール成功。阿部のタイムリー2ベースで貴重な追加点となるホームを踏んだ。結局この試合では4打数3安打1盗塁の活躍であった。

もともと守備範囲が広く一級品と言わている守備もこの試合ではソツなくこなし評価は変わらない。ドラフトに向けて、あとはどれだけ打てるかというところだが、この試合では3安打の結果を残した。昨年は9番打者であり、自粛明けも下位打線を打つこともあったが、都市対抗予選が近づくにつれて、しっかりと期待されている2番の椅子に座りそうである。昨年は好守巧打の内野手として小深田が楽天から1位指名を受けたが、今年でいえばその枠の筆頭は上川畑であろう。今日のような打撃を継続できれば、球団によっては上位指名も見えてくるだろう。

20200815NTT東日本 上川畑
3安打の活躍をみせたNTT東日本のドラフト候補の上川畑


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法政大×慶応大【東京六大学野球連盟】

8/16 東京六大学野球連盟 春季リーグ7日目
法政大×慶応大 @神宮球場

試合経過

夏の東京六大学決戦も終盤を迎え、ここまではと4戦全勝の慶応大と3戦全勝の法政大が激突するというまさに天王山の試合。勝てば慶応は優勝が決定、一方法政大は勝てば首位に立ち、逆王手をかけられるという1戦です。

序盤流れを掴んだのは、前日にタイブレークの末に早慶戦を制して、勢いに乗る慶応大であった。2回裏に2死1塁から8番福井の放った打球はレフト線に落ち、これのクッションボールの処理を法政のレフト村田が誤ったこともあり、1塁ランナーの宮尾が一気にホームインして慶応大が先制。さらに先発ピッチャー関根もピッチャー強襲ヒットを放って続くと、このリーグ戦でラッキーボーイ的存在になりつつある1番新美の打球はレフト前に落ちて2点目をあげる。
20200816慶応大 福井
先制タイムリーを放った慶応大の福井

慶応大は3回裏にも、先頭の4番正木が四球で出塁すると、橋本典がバント、宮尾のセカンドゴロで2死3塁というチャンスを作る。ここで迎えた7番嶋田は初球のストレートをレフト前に運び慶応大が3点目をあげる。投げては先発の関根が、開幕戦の東大戦とは違ってフォークをはじめとした変化球を駆使した投球で、3回まで法政打線を4奪三振パーフェクトに抑え、3回までで慶応大が3-0とリードを奪う。
20200816慶応大 関根
3回までパーフェクトと最高の立ち上がりをみせた慶応大の先発関根

この流れを変えたのは、法政大の核弾頭であった。4回表、この回先頭の宮崎は、関根の2球目のストレートを捉えると、これが自身リーグ戦初となるホームランとなり法政大が反撃開始。永廣と村田のヒットで2死1・2塁とすると、6番羽根はしぶとく1・2塁間を破って永廣が生還。続く高田桐が四球を選んで2-3の1点ビハインド2死満塁というケースで8番大柿を迎える。大柿はカウント2B2Sからの変化球をレフト前に弾き返す殊勲打を放ち、2者が生還して法政大が5-4と逆転し関根をKO。慶応大は2番手として森田をマウンドに送るも、法政は3回3失点とパッとしなかったエース鈴木に代打小谷を送ると、この小谷が起用に応えてセンター前にタイムリーを放ち、法政が5-3とリードを広げる。
20200816法政大 大柿
逆転タイムリーを放つ法政大の大柿

法政大は4回から2番手として左腕の水澤がマウンドにあがると、この水澤が2回を1安打3奪三振無失点の好リリーフ。続いて6回からは鈴木と並ぶダブルエースである高田を投入し、この天王山に対する意気込みをみせる。実際に高田も気合は十分であり、6回には自己最速を更新する154㌔をマークし、慶応打線の6回の攻撃を3人で抑える。
20200816法政大 高田孝
6回から登板し自己最速を更新する154㌔をマークした高田孝

このリリーフ陣の好投に触発された法政打線は7回表、慶応大3番手の生井に対して2死から宮崎・永廣が連打チャンスメイク。慶応大は生井→関谷に投手をスイッチし、迎える打者は法政大の主将中村迅。中村迅はこの試合はここまで3打数ノーヒット2三振とさっぱりな内容であったが、ここで燃えないはずはなく、関谷の低めのストレートをうまくすくいあげると打球はセンターの頭上を越える2点タイムリー2ベースとなり、法政大が7-3とリードを広げる。
20200816法政大 中村迅
2点タイムリー2ベースを放った法政大の主将中村迅

ただ慶応大も7回裏、先頭の代打渡部がヒットで出塁すると、2番瀬戸西の打球もライト線にポトリと落ちてこれが2ベースとなり、無死2・3塁のチャンスでクリーンアップを迎える。ただここから高田もギアを入れ直し、3番下山をカットボールで三振に仕留めると、結局失ったのは4番正木の犠飛による1点のみ。慶応大は最終回にエース木澤を投入するなど、気迫を見せるものの、9回裏は法政大のストッパーの山下のMax149㌔のストレートの前に屈指敗北。法政大が7-4で勝利し、リーグ制覇に向けて逆王手をかけた。


20200816法政大×慶応大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

この天王山に勝利した法政大は、この後の試合で立教大が早稲田大に敗れたためにリーグ戦の優勝が決定した。この大きな原動力となったのが新戦力の台頭であろう。投手陣でいえば、鈴木・高田の2枚看板に加えてリリーフエースの三浦という布陣はもともと前評判が高かったものの、そこに左の中継ぎとして水澤・山下の2人の存在が加わったのは大きかった。本来であれば左の中継ぎといえば石川であったが、この石川は今回のリーグ戦ではベンチ外という不測の事態…。ただサイドスローの水澤がこの試合でも2回無失点で好投し勝ち投手となるなど、昨年の新井(明治安田生命)のように一躍左の中継ぎに定着した。ケガから復帰した山下も、Max151㌔をマークするなど、188㎝95㎏というその体格を生かしたパワーピッチで抑えを務め、タイブレークで2勝をあげたチームの終盤の強さの原動力となった。
20200816法政大 山下輝
このリーグ戦で法政大の抑えとして台頭した山下輝

この試合では3回の攻撃が勝因となったが、その攻撃で結果を出したのも新戦力たちであった。まず口火を切ったのは2年生ながら核弾頭に定着して宮崎であり、その後すかさずヒットを放って攻撃の流れを止めなかった永廣も4年生ながら今季がリーグ戦初出場。大阪桐蔭時代から注目されており、法政大でも1年目からレギュラー獲得が期待された逸材は、この夏にようやくその実力を発揮し、打率.500で首位打者も獲得した。2年生ながらこのリーグ戦から正捕手を務める大柿は、多様な投手陣を見事にリードしてみせており、打撃面でも打率は.200ながら、この試合では3回に貴重な逆転タイムリーを放っている。大柿に続いて貴重なタイムリーを放った小谷に関しては、4年生ながらこれがリーグ戦初打席であった。今回のリーグ戦は短期間ということもあり、法政大にとっては今回活躍した新戦力が、秋も同じように活躍できるかという点が1つ連覇へのキーとなることだろう。
20200816法政大 宮崎
2年生ながら1番に定着し、この試合でも反撃の口火を切るソロを放った宮﨑

敗れてしまった慶応大はやはり自慢の投手陣が7失点もしてしまったことが痛かった。特に個人的に気になったのは7回に2点を奪われた場面であり、ここでは左腕でもリリーフエースの増居でなく生井を起用して、ピンチを招いて降板。もうあとがないのでここでエース木澤を温存して、関谷を登板させて2点タイムリーを浴びた。最終的にはエースの木澤は9回1イニングのみ、増居は登板なしという形で終わってしまった。この試合が最終戦ということを考慮すれば、もっと捨て身でいく方法もあったかと思う。堀井監督としてはこの暑い中のリーグ戦で無理連投などはさせたくなりという思いはあったのだろう。またこれは慶応大の投手陣の層が厚いゆえのジレンマでもあり、どの投手も厳しい場面で投げさせる力量を持っていたのだろう。実際に生井も147㌔をマークするなど、球の力事態はかなりパワーアップしていると感じたが、練習だけでは補えないリーグ戦独自の雰囲気や経験といったものも必要だったのであろう。秋はこの投手陣をどのように起用していくのか、堀井監督の手腕にも注目していきたい。
20200816慶応大 生井
リリーフとして登板し147㌔をマークした慶応大の左腕生井


Pickup Player
水澤天 法政大4年 投手
~法政の流れをそのままキープする好リリーフ~
3回に逆転した後に、2番手としてマウンドに上がった水澤の好投は、そのまま法政の流れをキープするという意味でも価値のあるものであった。

水澤は広島商では2年時からエース左腕として活躍。2年時には技巧派というイメージが強かったようだが、そこから球速もアップして140㌔をマークするようになり、さらに注目されるようになった。ただ3年夏は準々決勝で堀(日本ハム)擁する広島新庄に敗れたものの、その試合では登板なく終わるなど、大きな実績は残せなかった。法政大に進学すると、1年時からフレッシュリーグで登板は果たしていたものの。リーグ戦に関していえば3年時までは登板なし。ただ最終学年を迎えた今年はオープン戦でリリーフとしてのアピールを続け、背番号14をつけてベンチ入りを果たすと、明治大戦では5回途中からリリーフとしてマウンドに上がり、2/3イニングを見事無失点に抑えていた。

この試合ではエース鈴木がまさかの3回降板となってしまい、4回から2番手として水澤がマウンドに上がった。水澤は出処の見づらいサイド気味のフォームが特徴であり、ここから繰り出すMax143㌔のストレートと、打者に近いところで曲がるスライダーのコンビネーションを持ち味とした投球。4回はいきなり森田・新美を連続三振、瀬戸西をレフトフライに仕留めて3者凡退。5回は先頭の下山にヒットを浴びたものの、4番正木をスライダー3球連続で三振に仕留めると、続く橋本典・宮尾も打ち取って2回無失点の好投をみせた。本来封じることを期待されていた左バッターはもちろんのこと、右の強打者正木から三振を奪ったのは大きく、個人的には打順が回ってきたわけでもないのに、2イニングで降板させるのは惜しいと思う内容であった。

3回に法政が大逆転した直後の登板で、完璧なピッチングをみせ、法政に来た流れをそのままキープできたという意味でも、この試合における水澤のピッチングは非常に価値のあるものであった。そして水澤自身もこの天王山の戦いにおいて、嬉しいリーグ戦初勝利を手にすることとなった。4年生ということで大学では遅さ咲きの左腕であるが、この内容であるば今からでも十分に社会人チームから声のかかる内容だと思われ、秋のリーグ戦、さらにはその先での活躍にも期待したい。

20200816法政大 水澤
2回無失点の好リリーフでリーグ戦初白星を手にした法政大の水澤


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専修大×日本通運【オープン戦】

8/12 オープン戦
専修大×日本通運 @NITTSUボールパーク

試合経過

専修大の先発はアンダースローの谷村。専修大のアンダースローといえば高橋礼(ソフトバンク)を思い出すが、アンダースローでも140㌔近い球をなげる高橋礼とは異なって、谷村はストレートはこの試合ではMax126㌔であり、スライダーやシンカーといった変化球を交えた技巧派の投手。この試合では変化球はあまり決まっていないように見えたが、それでも低い軌道からくるストレートはそのまま低めに決まり、日通打線を打ち取っていき、3回を投げて被安打1の無失点と結果を残した。
20200812専修大 谷村
3回無失点と結果を残した専修大の先発谷村

専修大は4回からは2番手として上野が登板。小さなテイクバックが特徴のスリークウォーター右腕は、140㌔前後(Maxは144㌔)のストレートと、130㌔前半のカットボールを駆使した投球。登板した4回には磯網・内海に連打を浴びて1死2・3塁のピンチを背負うものの、沓澤を前進守備のサード正面のゴロに仕留め、続く大谷もセンターフライに打ち取ってピンチを凌ぐと、5回も3人で日通の攻撃を抑え、5回まで無失点リレーをみせる。
20200812専修大 上野
専修大の2番手として2回無失点の好投をみせた上野

日通の先発は、なんと昨年までは専修大のエースであった前田。今年日通に入社にしたルーキー右腕は、昨年まで一緒にプレーしていた後輩たちの前に立ちはだかり、こちらも5回まで無失点の好投。試合は両チームの投手の好投により、前半戦は0-0のまま折り返すこととなる。
20200812日本通運 前田2
日通の先発のルーキー前田

試合が動いたのは6回裏、この回から登板した専修大の3番手の高原は、添田・諸見里の1・2番を打ち取って2死とするものの、日通の3番磯網はカウント2B2Sからの変化球を捉えると、打球は左中間のフェンスを越えるソロホームラン。日通がルーキー磯網の一振りで、試合の均衡を破る。
20200812日本通運 磯網
先制のホームランを放った日通の磯網

日通は7回裏、この回から登板した4番手の辻に対して、2個の四球と筒井のヒットで無死満塁のチャンスを作る。ここで代打として登場したルーキーの高野は、右とにセンター前にタイムリーを放ち辻をKO。専修大はマウンドに寺西を送るものの、代打の手銭には押し出しの四球を与えてしまい、続く1番添田も犠牲フライを放つ。さらに2死満塁となってから迎えた4番内海は、2球目のストレートを捉えると、打球は弾丸ライナーで左中間のフェンスを越えるグランドスラム。日通がこの回打者一巡の猛攻で7点を追加する。
20200812日本通運 高野
代打で登場してタイムリーを放った日通のルーキー高野

日通は7回まで無失点の好投をみせた前田に代えて、8回からは同じルーキーの西村が登板。しかし西村は先頭の杉山をストレートの四球で歩かせてしまうと、山本のヒット→送りバントで1死2・3塁とピンチを招いてしまい、1番龍野の犠牲フライで1点を失う。さらにここから自らの牽制暴投や連続四死球と乱れてしまい満塁のピンチを背負う。それでも専修大の4番今里をセカンドに打ち取って凌いだかと思いきや、セカンド磯網の送球が暴投となり2者生還。専修大は続く5番山内がレフト線に2点タイムリー2ベースを放ち、この回5点を返し、スコアを5-8とする。
20200812専修大 山内
2点タイムリー2ベースを放った専修大の5番山内

専修大は8回裏に6番手として菊地がマウンドに上がるものの、制球が定まらずに3連続四球で満塁。このチャンスに日通の1番添田がライト前にタイムリーを放ち9点目。菊地はここから立ち直り後続を抑えたものの、ここら辺から浦和の天気は大雨となり、8回が終わったところで一時中断。雨は勢いを増すばかりで、そのまま8回降雨コールドで試合は終了し、日通が9-5で専修大を破った。

20200812専修大×日本通運
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


日通はこの試合、相手が大学生ということもあり、打線では本来の3番浦部・4番北川、正捕手の木南、さらには1・2番を打つ稲垣と主力を出場させずに臨んだ。それでも浦部の代わりにそのまま3番セカンドで出場した磯網が先制ホームラン、4番に入った内海も満塁ホームラン、稲垣の代わりに1番に入った添田も2打点の活躍とルーキーをはじめとした代役のメンバーが起用に応えてみせた。ここ最近日通の試合をそれなりに見させてもらっているが、メンバーが代わっても打線としては低迷することなく、非常に安定した戦いぶりをみせていて、チームとしての成熟度も高いと感じている。
20200812日本通運 内海
代役の4番であるがグランドスラムという形で結果を残した内海

対照的に専修大は、まだまだチームとして固まっていないという感じであった。レギュラーが確定しているのは、プロも注目しているショートの大庭と、4番を打つ今里くらいであると思われ、この試合でも野手でいえば計18人の選手を起用している。特にチームの扇の要である捕手に関しては、この試合では夏目→新出→大澤→石川と4人もの選手がマスクを被った。昨年まで正捕手を務めた深水が卒業したこともあり、まだまだ競わせているという段階なのだろうけど、キャッチャーが固まらないとチームが固まらない部分もある。この試合に出場した4人は高校時代にそれなりに実績もあり、ハイレベルな選手たちなので、思い切って誰かに固定してしまうのも手かもしれない。
20200812専修大 大澤
4年生として専修大の正捕手の座を射止めたい大澤

また専修大で個人的に注目したいのは、5番手としてマウンドに上がった寺西だ。星稜時代から大型左腕兼4番打者として活躍しており、星稜の先輩でもある松井秀喜と小中高が同じことから「ゴジラ2世」とも呼ばれた。ただ専修大に進学してから一部では二刀流に挑戦しているとの情報もあったが、ここまでリーグ戦出場はなく、未知の存在となっていた。ただ東都のHPでは外囲野手となっている寺西は、この試合では7回の満塁のピンチで投手として登板。球にまだバラツキがあり、押し出しや満塁弾を浴びるなど結果は残せなかったものの、191㎝の長身から繰り出すMax145㌔のストレートには可能性を感じさせるものがあった。本格的に投手に専念すれば、まだまだ伸びる余地があると思われ、専修大の中でも今後も注視していきたい選手の1人だ。
20200812専修大 寺西
投手としての可能性を感じされた専修大の5番手寺西


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前田敬太 日本通運 投手
~後輩の前二立ちはだかった昨年のエース~

日本通運のルーキー前田は、昨年までプレーしていた専修大の後輩たちの前に立ちはだかり、7回無失点の好投をみせた。

前田は中部商時代から注目されていた本格派右腕であり、2年秋にはエースとして沖縄大会6試合中4試合に先発、2試合にリリーフと全試合に登板し、チームを優勝に導き、九州大会でも8強まで進出した。専修大では1年春よりリーグ戦で登板を果たすと、エースとなった3年秋には3勝をあげて、チームを東都2部優勝に導き、最優秀投手賞を獲得。4年秋にも3勝をあげて、リーグ2位の防御率1.60をマーク。プロからも注目されていたが、この春から日本通運に入社していた。

この試合で先発のマウンドにあがった前田は、185㎝85㎏という恵まれた体格から投げ下ろすストレートはMax147㌔をマーク。フォームはゆったりとしていて、また力を抜いて投げているようにも見えるために、打者から見ると実際のスピードとの差が感じられるようにみえた。このストレートを中心に、スライダー・カットボール・カーブ・フォークと一通りの変化球を操っていた。母校の後輩を淡々と打ち取っていき、ピンチといえるものは3回の2死1・3塁の場面くらい。「あの人きっと、点取られるまで(マウンド)降りないぞ…」という専修ベンチの読みとは裏腹に、大量援護のあった7回でお役御免となったものの、7回5安打5奪三振無失点という見事な内容であり、また球数が82球と少ないのも特徴的であった。

前田としては1年目から先発の座を獲得する上で、非常にいいアピールとなったことだろう。日本通運は阿部・釘宮が先発の中心となるものの、これに続く投手は横一線状態であり、前田にも十分にチャンスはあると思われる。もともと高校時代よりずっとスカウトからも注目されている右腕なので、今年2大大会で先発として結果が残せれば、来年には十分にドラフト候補となってくることだろう。

20200812日本通運 前田1
母校相手に7回無失点の好投をみせた日通の先発前田



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明治大×早稲田大【東京六大学野球連盟】

8/10 東京六大学野球連盟 春季リーグ1日目
明治大×早稲田大 @神宮球場

試合経過

もう8月ですが、ついに開幕した東京六大学野球連盟。初日の第2試合では明治大と早稲田大が激突した。そんな試合において、いきなりセンセーショナルな投球をみせたのが、早稲田大のエースで主将でもある早川。1回表に先頭打者の村松の打席で、自己最速を更新する153㌔をマークすると、3番丸山の打席ではなんと155㌔を計測。若干疑惑つきではあったものの、その他にも150㌔を超えを連発していて、ドラフトイヤーにパワーアップした姿を披露した。

そんな主将の投球で勢いづいた早稲田大は1回裏、先頭の金子がヒットで出塁すると、中川卓・瀧澤の内野ゴロの間に進塁して。2死3塁という状況で、早稲田の新4番岩本を迎える。明治大の先発の竹田とは同学年であり、大阪桐蔭ー履正社という間柄で高校時代からのライバルであった2人の対決は、岩本が初球の変化球をうまく捉え、左中間フェンス直撃の2ベースを放ち、早稲田大が先制する。
20200810早稲田大 岩本
先制タイムリーを放ちガッツポーズの早稲田大4番の岩本

ただ明治大も2回表、先頭の4番主将の公家が早川にバットを折られながらも、しぶとくレフト前に運んでシュル内すると、5番清水が送って、2死2塁という場面でスタメンに抜擢されたルーキーの西川を迎える。これが大学公式戦初打席となる西川であったが、初球から早川のストレートを積極的に振りに行くと、2球目の148㌔のストレートを詰まりながらもセンター前に運ぶと、これで公家が生還し、明治大が1-1の同点に追いついた。
20200810明治大 西川
初打席で同点タイムリーを放った明治大のルーキー西川

ただここからは早稲田大の早川、明治大の竹田による投手戦となる。早川は初回ほどのスピードはないものの、ストレートは140㌔後半~150㌔をマークしており、スライダーやチェンジアップに加えて、この日は特に有効だったのが130㌔後半のカットボール。このカットボールの割合は次第に増えていき、カットボールで三振を奪う場面も目立ってきて、5回までに7奪三振。一方の竹田はストレートはMax145㌔だったものの、明らかに前よりストレートで押せる場面が増えてきていた。またこちらも130㌔中盤のカットボールを有効に使っており、これにカーブやフォークも混じえて、2回以降は早稲田打線に得点を許さない。結局試合は1-1のまま前半を終了することとなる。
20200810明治大 竹田
明治大の先発の竹田は5回まで早稲田打線を1点に抑えた

試合が動いたのは6回裏、早稲田大は先頭の3番瀧澤が右中間にうまく落とすと、持ち前の積極的な走塁で2塁を陥れ、さらに4番岩本も三遊間を破り、無死1・3塁と勝ち越しのチャンスを作る。すると5番蛭間はインコースのストレートを腕をたたんでうまく振りぬき、その打球はライトスタンドに飛び込む勝ち越しの3ランホームランとなる。
20200810早稲田大 蛭間
勝ち越しの3ランを放った早稲田大の蛭間

早川はこれまでは素晴らしいピッチングをしていても、終盤に捕まってしまうところがたが、この試合では8回には3者連続三振を奪うなど、その課題を克服。小宮山監督は8日で5試合という過密なスケジュールに加え、他の投手に神宮のマウンドを経験させたかったとこともあるようだが、早川本人が志願して続投。すると8回裏には蛭間が2打席連続弾となるソロを右中間スタンドに放り込み勝負あり。結局早川は9回1失点12奪三振の完投で、早稲田大が5-1で明治大を破った
20200810早稲田大 早川1
1失点完投勝利をあげた早稲田大のエース早川


20200810明治大×早稲田大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

昨年は森下(明治大→広島カープ)とともに、大学日本代表で先発を務めていた早川。今年は森下が卒業したこともあり、名実ともに東京六大学No1投手としての呼び声は高かったが、その期待に応える見事な投球であり、155㌔というスピードは多少疑惑は残るものの、誰もの期待以上のものであった。早川は上述のように、これまでは終盤に打たれる傾向もあり、意外なことにこれがリーグ戦初完投。最終学年を迎えて主将にも就任して、また一皮むけた姿を見せ、ドラフトの主役としての評価も上がったことだろう。

明治大打線はそんなリーグ屈指の左腕に対して、公家や清水といった中軸ですらバットを短くもったり、クロスファイヤー気味のボールを早めに捉えるためか打席の前目に立つ選手もいたりと、色々工夫しながら対策を講じていたものの、散発の6安打で、12個もの三振を喫するなど完璧に抑えられてしまった。ただ相手がサウスポーなのに、打線では左バッターを4人もスタメンで起用したことは見事に裏目っており、ヒットでいえば左バッターのヒットは6本中1本であったのに対し、三振は12個中8個が左バッターであった。結果論ではあるが、早川対策で日置・山田・五十嵐らをスタメンで使ってみる、あるいは早い段階で代打に送ってみるという戦い方もあったと思う。いずれにせよ秋のリーグ戦でも早川は倒さなければいけない壁なので、今回の経験を糧に秋はリベンジして欲しい。
20200810明治大 日置
代打で登場した日置(早川対策でバットを短く持つ)

ただ経験という意味だと明治大はそもそも不足している。昨年は森下を中心に、全日本大学野球選手権を制するなど結果を残したものの、レギュラーには4年生が多かった。この日のスタメンも、1年生の西川を除けば、みんなリーグ戦出場経験はあったものの、昨年からのレギュラーといえる存在は丸山のみ。今年は思うようにオープン戦などもこなせず、メンバーを固める時間も足りていないことだろう。スタメンの大半が昨年からのレギュラーである早稲田大とでは経験の差というものもあったかもしれない。


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蛭間拓哉 早稲田大2年 外野手
~強烈なインパクトの2打席連発~
投げる方で強烈なインパクトを残したのが早川であれば、打つ方で強烈なインパクトを残したのは5番に入った蛭間であった。

蛭間は名門浦和学院で1年春から4番に座った逸材であり、2年夏の埼玉大会では3試合連続を含む4ホーマーの活躍をみせていた。3年春の前にはケガなどはあったものの、浦和学院の中軸をずっと務めていた一方、甲子園とは縁がなかったが、3年夏の南埼玉大会には3番センター主将として臨み、決勝の川口戦で3ランを放つ、打率.440、6試合で9盗塁と足での活躍も目立ち、エース格の渡邊(西武)らとともに甲子園出場に貢献。甲子園では初戦の仙台育英戦でホームラン(高校通算28号)を放ち、守備でもダイビングキャッチで観衆を沸かせたが、3回戦ではその夏を制する根尾・藤原に加えて、現在はチームメイトである中川率いる大阪桐蔭に敗れた。大会後にはU18日本代表にも選出されている。

プロからの注目も高かったが、スポーツ推薦で早稲田大に進学すると、1年春からリーグ戦出場をはたし、1年秋には開幕戦でスタメンの座を射止めるも、途中体調不良もあり、スタメン出場は5試合にとどまった。ただ今年は満を持してレギュラーの座を射止め、オープン戦から5番打者として出場しており、この開幕戦でも5番ライトでスタメンに名を連ねた。

この試合での蛭間は第1打席では竹田のストレートにバットが空を切ってしまったもののの、第2打席では低めの変化球をうまくライトに運び今シーズン初ヒットをマーク。そして好投のエースに対して「早川さんのために打ってきます!]といって向かった第3打席は、無死1・3塁という格好のチャンスであり、カウント2B1Sからのインコースのストレートを腕をたたんでうまく捉えると、打球は放物線を描いてライトスタンドへの勝ち越し3ランホームラン。8回の第4打席でも、明治大の3番手西城に対して、カウント2Bからの甘く入ったストレートを捉えると、今度は弾丸ライナーで右中間スタンドに突き刺さるソロホームランとなった。2本ともに打った瞬間にいったと分かる強烈な打球であり、開幕を待ち望んでいた神宮のファンに強烈なインパクトを残した。

結局この試合では4打数3安打4打点という活躍。守って、P7回にライト前方のフライをスライディングキャッチして早川を援護した。1年目はやや不完全燃焼に終わった早稲田の期待の星が、この2年目にようやく本来の実力を発揮しつつあり、今年は神宮で大暴れする姿に期待したい。

20200810早稲田大 蛭間2
2ホーマー4打点と強烈なインパクトを残した早稲田大の5番蛭間


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夏の独自大会の展望【神奈川編】

夏の甲子園は中止になりましたが、各都道府県で独自大会は進められています。
なのでその大会の優勝予想+展望について、書いていきたいと思います。

今回は神奈川編です。

有力校紹介

秋に神奈川を圧倒的な力で制して、センバツ出場を決めていた東海大相模は、なんといっても4人で150発を超える鵜沼・加藤・山村・西川のカルテッドで構成する1~4番が強力。186cm95kgという体格でまるで清原を彷彿とさせるスラッガーの西川は高校通算53発とこの4人の中でもホームラン数が1番多く、プロからも注目度は高い。前チームでは4番を務めていた山村は確実性も兼ねそろえた強打者であり、今大会ではこれまでのファーストではなくショートとして出場しており、3回戦の山手学院戦では高校通算46号のホームランを放っている。昨年は2年生ながらU18日本代表にも選ばれた鵜沼は、身体能力が高く走力も大きな武器の核弾頭である。昨秋から急成長を遂げている加藤も、高校通算は32発のパンチ力があるセカンドとして注目度も高い。他にも選手層が厚く、5番以降も全国レベルの選手が並ぶ。投手陣はやや課題であったものの、エース諸隈は横浜との練習試合では8回無失点の好投をみせるなど結果を残りつつあり、同じく3年生の笠川もここまで2試合に先発して無失点と結果を残している。ここに石田や金城といった2年生投手を使うことができれば、こちらも盤石であろう。甲子園の交流戦ではあの大阪桐蔭との対戦も決まっているとなって、モチベーションも高いことだろう。
20191021東海大相模 諸隈
↑エースとして活躍が期待される諸隈

ライバルの横浜は、昨秋の不祥事を経て、村田新監督が就任と東海大相模とは正反対にチーム自体は色々あったが、プロ注目の選手が多く、個々のレベルは高い。右腕の木下はもともとのSFFを駆使した安定した投球に加えて、ストレートがMax152㌔までに成長しており、昨年U18日本代表の1次候補にも選ばれた左腕の松本も188㎝の長身から152㌔をマークしており、自分の投球さえできれば、到底打てるレベルにはない。天才的といえるミート力を誇る度会は父に元ヤクルトの渡会博文をもち、こちらもプロ注目の内野手。その度会と二遊間を組む主将の津田も走攻守にハイレベルなショートである。さらに練習試合では4番を務めるなど打力もアップしていただけに、東海大相模との練習試合で負傷退場して、初戦にも出場していなかったのは気がかりである。また元4番の強打者冨田も復調して、中軸としての活躍を期待したい。
20190602横浜 度会
↑天性のミート力が光る度会

秋は横浜を破ったのが、桐光学園であり、4番でエースの安達がチームを牽引する。安達はまるで小島(ロッテ)を彷彿とさせる、決して開くことのない球持ちのよいフォームの左腕であり、秋は横浜から2失点完投勝利をあげている。打っても1年春から4番を務めたほどの強打者であり、基本的には安達の出来がそのままチームを左右することとなる。ただ特殊な今年の夏は1人の投手でずっとというわけにはいかないので、小沢や坂東といった他の投手がどれだけ安達を支えられるかというのも重要な要素だ。
20190908桐光学園 安達1
↑桐光学園の4番でエースの安達

昨夏準Vの日大藤沢は、高校No1捕手との呼び声もある捕手である牧原に注目。まるで森友哉を彷彿とさせるようなどっしりとしたフォームから昨夏は3発のホームランを放っており、今年も慶応藤沢の注目の1年生右腕の田上から3ラン。また牧原とバッテリーを組む、左腕の姫木にも注目である。慶応は本間・水鳥の三遊間が打っても3・4番とチームを牽引している。打力はあるだけにあとは投手陣の台頭が期待されており、元広島の前田智徳を父にもつ2年生右腕の前田にも期待したい。秋ベスト4の相洋は、前チームからの本田ー加藤のバッテリーが残っており、2季連続で敗れている東海大相模に何とかリベンジしたいところである。
20180923慶応 本間
↑主将3番打者として慶応を牽引する本間


展望
何だかんだいって例年通り、東海大相模と横浜の2チームが実力的には抜きんでており、この2チームの対決となりそうだ。選手のレベル的には甲乙つけがたいが、チームとしての力はやや東海大相模に分がありそうか…。また大会前には、観客の入場が一切認められないという神奈川大会独自の理由もあり、関係者へのお披露目も兼ねて行われたこの2チームの練習試合では東海大相模が快勝しているという点もあり、東海大相模が優勝と予想する。


↓組み合わせ
2020夏 神奈川



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SUBARU×日本通運【オープン戦】

7/28 オープン戦
SUBARU×日本通運 @NITTSUボールパーク

試合経過

2回裏、日通はこの試合で5番に起用された正捕手の木南が、カウント2B2Sからのストレートを捉えると、ライナー性の打球はそのまま左中間のフェンスを越える先制ホームラン。日通打線はこれで火が付いたのか、そこから大谷・森松の連打で無死1・3塁のチャンスを作ると、8番内海がうまくライト線に運ぶタイムリーで2点目。さらに9番高橋、1番稲垣もタイムリーで続くなど、木南のホームランから計6連打でこの回一挙5点をあげる。
20200728日本通運 木南
先制弾を放った日通の5番木南

勢いの止まらない日通打線は3回にも、この回先頭の森松がセンターのフェンスを越えるホームラン。ここから2死となるものの、1番稲垣がセンター前ヒットで出塁し盗塁を決めると、2番諸見里のセンターオーバーのタイムリー2ベースでこの回2点目をあげて7-0とリードを広げる。SUBARU先発の上原はMax146㌔のストレートをはじめ、カットボールやSFFなどストレート系のいいボールを投げていたものの、スライダーなどの割合は少なく、緩急をつけることができなかったために、日通打線は完全にタイミングがあってしまっていた。それでも4回まで上原を投げさせたのは、首脳陣の期待の現れであると思うので、今回の内容を糧にして欲しいところだ。
20200728日本通運 諸見里
センターオーバーのタイムリー2ベースを放つ日通の諸見里

日通は先発の庄司がテンポのいい投球で3回まで被安打1の無失点。4回には渡辺が登板し、そのテンポを引き次ぐかのように、わずか11球で2三振の3者凡退という投球をみせ、5回にも石田・君島と打ち取り簡単に2死をとる。しかしここからSUBARU打線は、寺越・樋口の連打で2死1・2塁のチャンスを作ると、2番遠藤がカウント2Bからの甘く入った球をレフト前に弾き返して、SUBARAUが初得点。さらに続く3番森下がセンターオーバーの2点タイムリー2ベースを放ち、SUBARUが5回に3点を返して3-7とする。
20200728SUBARU 森下
2点タイムリー2ベースを放つSUBARUの3番森下

SUBARUは6回裏に3番手としてルーキーの山本が登板。山本はいきなり浦部に死球を与えてしまい、バッテリーミスを挟んで北川にもライト前ヒットを浴びてしまい無死1・3塁というピンチを招く。ただ山本は小雨がぱらつく中でもエンジン全開であり、ストレートは150オーバーが多く、Maxは152㌔をマーク。SFFでも140㌔を超え、スライダーも130㌔中盤をマークしており、そのインパクトは絶大であった。上記のピンチから木南を三振に仕留めると、大谷はピッチャーゴロ、代打のデシャーンはレフトフライに仕留めて6回を無失点で終えると、7回は日通打線を3人で片づけて、2回を無失点の好リリーフで流れをSUBARUに手繰り寄せる。
20200728SUBARU 山本
Max152㌔の剛速球が光ったSUARUのルーキー山本

日通は7回からこの試合の左腕トリオの締めとして相馬が登板。相馬いえば、横浜高時代は柳(中日)の控えの技巧派左腕というイメージがあったが、国際武道大を経て、昨年は武田久コーチ(元日本ハム、現東海REX投手コーチ)の指導もあり、投球に力強さが出てきており、この試合ではMax146㌔をマーク。130㌔前後のスライダーとのコンビネーションで、SUBARU打線を7回3イニング無失点に抑えて、日通が7-3でSUBARUを破った
20200728日本通運 相馬 
終盤3イニングを無失点に抑えた日通の相馬

20200728SUBARU×日本通運
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


日本通運で面白いと思ったのは投手起用だ。この試合では庄司→渡辺→相馬と主に中継ぎとして期待されるであろう左腕が3イニングずつ、わざわざ似たタイプの投手3人を起用したのだ。おそらく公式戦であれば、このような起用はなく、オープン戦らしい起用であった。ただこうすることで、同じ相手に同じ条件で投げているわけで、公式戦での起用にむけてこの3人の序列を明らかにするために分かりやすい。ちょうど今年の開幕前の練習試合で、楽天の三木監督が外国人中継ぎ投手を同じ試合で登板させて、(外国人枠の影響で)誰を2軍にするか決めようとしていたことと同じにも見える。今日の内容でいえば、庄司・相馬の2人が3イニング無失点の好投をみせたので、1歩リードというところであろうか?ちなみにこの2人は同じ年で、高校は庄司が東海大相模、相馬が横浜と高校時代から凌ぎを削っていた。今はチームメイトとなりつつも、左腕としての地位を争っている。
20200728日本通運 庄司
日通の先発として3回1安打無失点好投をみせた庄司

そんな日通投手陣んい5回の3点以外は、見事に抑えられてしまったSUBARU打線であるが、若くて非常に楽しみなスラッガーが多い。昨年まで国学院大の4番を務めていた左のスラッガーのルーキー鎌仲は5番レフトで起用されたが、4打数ノーヒット3三振。同じく6番DHで起用された2年目龍も、3打数ノーヒット。2人とも社会人レベルの左対左の対戦に圧倒されてしまった形だが、それでも代打を送らずにフル出場させたあたり冨村監督からの期待の高さがうかがえる。さらにこの日は出場はなかったものの、昨年の春には東都1部で5ホーマーを放った東洋大の山田も今年から入社している。右打者でみても最終回には原島と三浦が代打で登場。原島は(狭い球場の恩恵も受けたが…)ライトフェンス直撃の2ベースを放つなど存在感を見せており、こちらの右のスラッガーも楽しみな存在。5人ともまだ若く、早く林の抜けた打線の核に成長すべく頑張って欲しい。
20200728SUBARU 鎌仲
SUBARUの5番に起用されたルーキー鎌仲


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森松裕次郎 日本通運 ファースト
~ポスト関本に向けて好調な打撃でアピール~
この試合DHで起用された森松は、2回のビックイニングを作るヒットに、ホームランにとアピールに成功した。

森松は延岡学園の出身で、2年夏に甲子園に出場すると、背番号14ながら2回戦の仙台育英戦では5番サードでスタメン出場。3年夏には2番セカンドとして出場するも、宮崎大会決勝では日南学園に敗れてしまい2年連続での甲子園出場はならず…。九州産業大では1年秋からリーグ戦に出場し、3年春からショートのレギュラーに定着。その高い守備力はプロからも注目された一方、打撃に関しては目立った成績は残せずにベストナインなどの受賞はなかった。

日本通運に入社すると、入社直後のスポニチ大会のジェイプロジェクト戦でホームランを放つデビューを飾るものの、どちらかというと守備の選手という立ち位置。さらに日本通運に関して言えば、セカンド浦部、ショート諸見里は強固であり、主にサードのレギュラーを狙っていたが、昨年から稲垣が入社してサードの絶対的レギュラーに定着してしまっていた。ただもともとパンチ力はあった打撃が昨年から向上してきており、昨年の日本選手権ではDHとしてスタメン出場を果たし、守備の人→打てる選手に変貌を遂げつつあった。さらに昨年限りでこれまで、その打力でファーストとしてチームを牽引してきた関本が勇退しており、打てるファーストが必要となっていて、森松もファーストでの起用も増えてきている。

この試合ではDHとしてスタメン出場を果した森松は、1点取った後の無死1塁で回ってきた第1打席では追い込まれてから変化球を2球ファールにした後のストレートをうまくライト方向に押っ付けて1・3塁とチャンスを拡大するヒット。バントも考えられる場面であったが、強硬策で最高といってもいい結果を出し、この後の3連続タイムリーにつなげるという意味でも大きな仕事だった。そして3回裏の先頭打者として迎えた第2打席では、カウント2Bからの甘く入ったストレートをたたき、センターのフェンスを越えるソロホームラン。この試合の森松はDHということもあり3打席でお役御免となったものの、貴重な2安打を放ち、レギュラー獲得に向けてアピールに成功した。

ここのところの起用を見ていると、現状は森松がファーストorDHのレギュラー筆頭であろう。ただこの試合のように4番の北川はファーストを守ることもあり、そうなると同じくこの試合で結果を残した高橋や内海といった外野手もレギュラー争いになってくる。好不調など打撃成績がそのままレギュラーに直結するポジションだけに、まだまだ予断を許さないところはあるものの、守備の人→打撃の人に生まれ変わりつつある森松の活躍に期待したい。
20200728日本通運 森松
打撃で結果を残しつつある日通の森松


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夏の独自大会の展望【群馬編】

夏の甲子園は中止になりましたが、各都道府県で独自大会は進められています。
なのでその大会の優勝予想+展望について、書いていきたいと思います。

3回目は、群馬です。

有力校紹介

昨秋は群馬大会では3位、関東大会の初戦でも9回2死まで敗けていたものの、そこから小澤のホームランなどで常総学院から逆転勝利をあげ、そのまま関東大会を制すると、明治神宮準Vまで昇りつめたのが健大高崎。その原動力となったのは、エース左腕の下でありMax143㌔のストレートにスライダー・SFFなどを駆使した投球は完成度が高く、一躍プロからも注目される存在になった。2番手として目される橋本は、190㎝の大型右腕であり、関東大会決勝では山梨学院から完封勝利をあげている、健大高崎らしく他にも長谷川、朝井ら投手陣は豊富であるが、今年は下というエースの存在が大きく、またリードする主将の戸丸は、セカンド送球1.79秒をマークした強肩の捕手であり、下とは中学時代からバッテリーを組んでいる。リードオフマンの古滝をはじめとして、橋本や戸澤らも「軌道破壊」といえる走力を擁する一方、最近の健大高崎は有力中学生の入学が多くパンチ力のある選手が多い。神宮大会では控えからスタメンに抜擢された木川がホームランを放つなど、攻撃陣の層も厚く総合力が高い。実際のこの夏の初戦ではいきなり好投手清水を擁する安中総合学園と対戦するも、危なげなく初戦を突破している。
↑健大高崎の秋の飛躍の立役者であるエース下
20191115健大高崎 下


ライバルの前橋育英は、秋は準決勝では健大高崎に完封勝ち(観戦記)をおさめるなど、今年も守備力が高い。エースの2年生左腕の菊池は非常にコントロールがよく、左腕らしく右バッターの懐にもボールを投げ込むことができる。2番手の武藤は、同じ左腕でも力いっぱいボールを投げるタイプであり、このタイプの異なる2人の左腕が中心となる。この2人をリードする須永はプロも注目の捕手であり、セカンド送球1.8秒の強肩で、秋は健大高崎の機動力を封じた。打撃でも2年夏から4番を打つ実力者であり、まさにチームの中心である。
↑4番で主将と前橋育英の扇の要の須永
20190928前橋育英 須永


いつも通りの2強に割って入るのが、秋の群馬大会の覇者であり、センバツ出場を決めていた桐生第一。エース宮下はコントロールのいい技巧派左腕であり、これに加えて期待の144㌔右腕である蓼原が、課題の制球力がよくなり、使える見通しが立ってきたことが大きい。打線は4番で主将の強打者廣瀬、関東大会では好左腕の安達(桐光学園)から満塁ホームランを放った中島ら中軸はしっかりしており、曽我・大畠・加藤らその前を打つ打者は打力と走力を兼ねそろえている。
20190928桐生第一 廣瀬
↑桐生第一打線を牽引する4番で主将の廣瀬

展望
秋は桐生第一が制したが、やはり投打に力のある、健大高崎と前橋育英の一騎打ちに今年もなると予想される。今年は準決勝で実現するこの群馬のゴールデンカードは、夏の大会においていえば現在前橋育英が4連勝中で、5年連続で夏の甲子園に出場中と相性はいい。ただ夏の大会が3年生縛りとなりエース菊池の登板がないと前橋育英としては戦力ダウンが大きく、逆に小澤以外の主力が全て3年生の健大高崎は戦力ダウンが少ない。また健大高崎は、近年有望な中学生がたくさん入学しており、戦力層が厚いので、選手を多く使う傾向のあるこの夏の戦いにも向いている。以上のことから、今年は健大高崎が群馬を制して、甲子園の交流試合にも弾みをつけるのではないかと予想する。

↓組み合わせ
2020夏の組み合わせ 群馬




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