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主なドラフト指名漏れ選手(大学生編)

プロ志望届を出しながらも、惜しくもドラフト会議で名前が呼ばれなかった有力選手の紹介。今回は大学編です。

ただ大学ともなると、上位縛りがある選手も多いので、一概に力がなかったといえるわけではないので、そこらへんはご注意いただきたい。以下にあげる選手の中でも、今西や平良あたりはそれと言われている。実際に今年広島から1位指名を受けた栗林も、大学時にも1・2位でなければトヨタ入社という条件があったようで、ドラフトではその影響もあって指名はなかったものの、そこから2年間の活躍で見事にドラフト1位の座を勝ち取った選手だ。そんな選手がいることもあり、今回惜しくも指名がなかった選手も、どこの社会人チームに行くかは非常に見物である。


◆投手
遠藤暉世己(青森大)
佐々木大輔(東日本国際大)
中﨑響介(立教大)
今西拓弥(早稲田大)
中山晶量(明治大)
竹本祐瑛(駒澤大)
上出拓真(国学院大)
倉田希(立正大)
谷村拓哉(専修大)
近久輝(東京農業大)
小郷賢人(東海大)
加藤三範(筑波大)
松葉行人(桜美林大)
根岸涼(桜美林大)
二宮衣沙貴(名城大)
有村大誠(立命大)
高野脩汰(関西大)
打田雷樹(大阪学院大)
益田武尚(北九州市立大)
藤野幹大(日本文理大)

20201004早稲田大 今西
今西(早稲田大)

20190611東海大 小郷
小郷(東海大)


◆捕手
白石翔樹(東京農業大)
深尾哲平(関西国際大)
揚村彰斗(九州産業大)

20181111関西国際大 深尾
深尾(関西国際大)


◆内野手
瀬戸西純(慶応大)
中山遥斗(国学院大)
串畑勇誠(東海大)
冨田慎太郎(関東学院大)
吉位翔伍(中京学院大)
平良竜哉(九州共立大)

20181110九州共立大 平良
平良(九州共立大)


◆外野手
武岡大聖(八戸学院大)
佐藤悠輝(東北福祉大)
齋田海斗(東日本国際大)
村田雄大(法政大)
関龍摩(関東学院大)
大石航輝(天理大)

20200718法政大 村田
村田(法政大)



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テーマ : 大学野球
ジャンル : スポーツ

主なドラフト指名漏れ選手(高校生編)

ドラフト会議が終わり、指名を受けて新たなプロ野球選手が誕生する一方、惜しくも名前を呼ばれなかった選手もいる。ただそんな選手も、アマチュア野球界から見れば、宝であり、今度どのような進路をとるのかは注目の的。

ということで今日は惜しくも指名されなかった有望選手たちを紹介してきます。
初回は高校生編です。



◆投手
片山楽生(白樺学園)
小牟田龍宝(青森山田)
佐々木湧生(明桜)
橘高康太(明桜)
長尾光(明桜)
氏家蓮(大崎)
黒田晃大(佐和)
ジャピロマシュー一郎(国学院栃木)
橋本挙汰(健大高崎)
美又王寿(浦和学院)
内田了介(埼玉栄)
常田唯斗(飯山)
小辻鷹仁(瀬田工)
若杉晟汰(明豊)
八方悠介(鹿児島城西)

20191005浦和学院 美又
美又(浦和学院)

20191117明豊 若林
若杉(明豊)


◆捕手
藤田青空(弘前東)
古谷将也(成田)
長谷川勝紀(近江)
山下航汰(京都外大西)
関本勇輔(履正社)
末田龍祐(大分商)

20190323履正社 関本
関本(履正社)


◆内野手
蔵田亮太郎(聖望学園)
度会隆輝(横浜)
奥村真大(龍谷大平安)
西野力矢(大阪桐蔭)

20190602横浜 度会
度会(横浜)


◆外野手
石川慧亮(青藍泰斗)
平尾柊翔(春日部共栄)
渡部海夢(東海大甲府)
鵜沼魁斗(東海大相模)
漆原幻汰(豊川)
伊藤彰馬(綾羽)
寺本聖一(広島商)
奥野翔琉(明徳義塾)

20190811東海大相模 鵜沼
鵜沼(東海大相模)




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テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

国士舘×八王子【秋季東京大会】

秋季東京大会2回戦
国士舘×八王子 @ダイワハウススタジアム八王子

試合経過

秋季東京大会は2回戦で早くも秋の東京3連覇を狙う国士館と、注目の190㎝左腕の羽田を擁する八王子が激突した。

まずマウンドにあがったのは八王子のエース190㎝左腕の羽田。長い腕をスリークウォーター気味に振りぬく左腕のボールは角度があり、右バッターのインコースにクロスファイアに入ってくるとなかなか打てる球ではない。正直羽田はもっと素材型だと思っていたが、バッターのアウトコースで出し入れもするなどスライダーも巧みに操り、チェンジアップも投げていた。また1回審判に注意さたほどテンポ早くボールを投げこんでいくのも特徴的であった。
20200925八王子 羽田
八王子のエース190㎝左腕の羽田

国士館のエース左腕の常盤は、スピードはそれほどないものの、ストレートはシュート気味に来るボールもあるなどクセがあり、こちらもスライダーを巧みに操る左腕。1回戦の立教池袋戦では四球が多かったが、この試合ではいきなり八王子の1・2番を連続三振に仕留める快調なスタートを切ると、安定感のあるピッチングを披露していた。試合は両左腕エースの好投で3回まで0-0のまま進んでいった。
20201025国士舘 常盤
国士舘のエース左腕常盤

試合が動いたのは4回表、国士舘はこの回先頭の2番折田がレフト前ヒットを放つと、1死から4番梨本がセンター前ヒットを放って、1死1・3塁のチャンスを作る。ここで迎えた5番林は初球からバントの構えをみせ、3球目をうまく1塁側に転がしてセーフティスクイズを決めて、国士舘が先制する(林も1塁セーフになったので記録はタイムリーヒット)。
20201025国士舘 林
先制点となるスクイズを決めた国士舘の林

国士舘は5回表にも、1死から9番田中がうまくライト前に運んで出塁すると、続く1番市川のバントを羽田が処理して1塁へ投げるもこれをファーストが取れずに、1死1・3塁というチャンスを作る。このチャンスに2番折田はすかさず初球を叩くと、打球は二遊間を抜けていこうという当たりであったが、これをセカンド安藤が何とかキャッチすると、そのままグラブトスで2塁フォースアウト、さらに1塁へ転送してゲッツー。八王子が超高校級ともいえる二遊間のプレーでピンチを脱した。
20200925八王子 安藤1
スーパープレーでチームのピンチを救った八王子のセカンド安藤

八王子打線は3回~5回まで毎回先頭打者がヒットで出塁するも、あと1本が出ずに無得点。6回にも1死から1番安藤が1塁線を破る2ベースを放ち、2番新田は四球を選んで、1死1・2塁というチャンスでクリーンアップを迎えるものの、3番落合はセカンドゴロ、4番羽田はスライダーに三振と得点が奪えない。常盤はこの中盤以降からチェンジアップを多めに使うようにもなり、このようにランナーを背負いながらも、粘りの投球でスコアボードに0を重ねていく。

一方の羽田も4回に失点を喫した以外は、安定した投球で国士舘打線を0に抑えていく。ただ4番に昇格した打撃の方は散々であり、上述の6回のチャンスに加えて、8回にも2死1・3塁という場面で打席に立つもののショートゴロ。この試合は3回もチャンスの場面で打席が回ってきたものの、4打数ノーヒット2三振と結果を出すことができなかった。そしてそんな打撃が尾を引いたか、8回の凡退直後に上がった9回のマウンドでは先頭の林にストレートの四球を出してしまい、ここで安藤監督は羽田を下げて、1年生右腕の星野をマウンドに送り、このピンチを凌いだ。

国士舘が1-0とリードしたまま、試合は9回裏に入るものの、八王子はこの回先頭の小高がサードエラーで出塁。ただ常盤にも疲れが見えたのか、あるいは1回戦のような傾向が出てしまったのか、6番渡邉は三振に仕留めるものの、7番奥にはストレートの四球。8番代打蓑原は三振に仕留めて、あと1死とするものの、9番仲村渠にも1球しかストライクが入らずに四球と、常盤が四球連発で満塁のピンチを招いてしまう。八王子はここでこの試合2安打と常盤にあってきた1番安藤に打席が回り、盛り上がるものの、常盤は安藤に対しても1球もストライクが入らずに押し出しとなり、八王子が土壇場で同点に追いつく。永田監督はここでもうさすがにとエース常盤を下げて、酷な場面ではあるものの1年生左腕の齋藤をマウンドに送る。八王子は2番主将新田が2球目を叩くと、打球は1・2塁間へ…セカンドはこの回途中から守備固めとして渡井が入っていて、渡井は何とか打球に追いつくも、1塁への送球は逸れてしまい(記録は内野安打)、八王子が2-1でサヨナラ勝ちを収めた。
20200925八王子 新田
サヨナラタイムリーを放った八王子の新田


20201025国士舘×八王子
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

八王子といえば、個の力というよりは、チームとしての戦術で勝つことがモットーの「ありんこ軍団」として有名だ。だが八王子の新チームにおいては、Max144㌔を誇る190㎝左腕であり、打っても4番打者という強烈な個をもつ羽田という、強烈すぎる個をもつ中心選手がいる。実際にこの試合でも羽田のピッチングは素晴らしいものがあり、国士舘打線を8回1失点に抑えた。ただ結果から見れば、八王子が逆転をしたのは、羽田がベンチに下がった後の9回であった。ランナーが1塁へ出ると盗塁はしなくても、相手左腕の常盤の視界に入る大きなリードを取るなどして揺さぶり、最終回には常盤の制球が乱れると三振も覚悟で四球を取りに行き、最終的には押し出しで同点とした。羽田がいても、八王子の「ありんこ軍団」ぶりは健在であり、それがこの試合では逆転勝利につながったといえる。

惜しくも秋3連覇を逃した国士舘…最終回にエース常盤が乱れてしまったのも直接的には痛かったが、やはり1得点しかあげられなかった打線に敗因があると思う。常盤の四球に関しては、前の試合でも課題となっていて、またこの試合でも5回までは無四球だったのに対して、6回以降はちらほら四球が出るなど、9回に崩れる前の兆候はあった。ただ1-0というのは、非常に投手を代えにくいスコアであり、永田監督にしても難しいところであったと思う。国士舘打線は昨年の秋制覇を経験したときの3番清水、5番林と、この試合でも2安打を放った4番梨本のクリーンアップを中心に選手はそろっていると思われる。もちろん羽田の投球は素晴らしかったが、この打線で追加点を奪うことができれば、常盤ももっと楽に投げられたかもしれないし、常盤を早めに代えることもできただろう。


Pickup Player
安藤健 八王子2年 セカンド
~弟に託された親子鷹での甲子園に出場~
打っては2安打に同点の押し出し四球を選び、守備でもピンチを救う素晴らしい併殺を完成させたのは、八王子の主将で、安藤徳明監督の息子でもある安藤健であった。

安藤は八王子では1年秋よりベンチ入りしていたが、春の大会は中止となり、夏も3年生中心であったために出番はなかった。2年秋の新チームでは主将1番セカンドを務めている。2018年のチームの主将を務めた安藤大斗は兄にあたり、同じく八王子のセカンドとしてプレーしたものの、甲子園に出場はならず。安藤健は兄と全く同じポジションを手にて、今度こそ父である安藤徳明監督を甲子園に連れていくことを目指している。
参考記事→八王子・安藤「父を甲子園」弟に託す

この試合に1番セカンドでスタメン出場した安藤であったが、1打席目は常盤のスライダーの前に三振、2打席目もスライダーを打たされてセカンドゴロと、序盤は完全に常盤にあっていなかった。ただ守っては5回1死1・3塁というピンチで、センター前に抜けようかという打球に、なんとか追いつくと、そのままバックハンドのグラブトスで2塁へ送球し、併殺を完成させるというビックプレーをみせる。すると打撃でも巧みなバットコントロールをみせ、第3打席では1塁線を抜く2ベースを放ち、第4打席でも1・2塁間を破るヒットを放ち、塁に出れば大きなリードをとり、常盤にプレッシャーをかけていた。そして最大の見せ場は、1点ビハインドの9回裏2死満塁で回ってきた第5打席であったが、常盤は安藤に対して1球もストライクが入らずに、押し出し四球で同点となった。結果的にこの試合では4打数2安打1打点という活躍であった。

安藤は本当に巧打好守という言葉が似合うセカンドであり、安藤監督の息子だけあって八王子らしい選手である。エース羽田もそうであれば、こういう選手が八王子を牽引していくのだと感じさせるものがあった。

20200925八王子 安藤2
4打数2安打活躍をみせた八王子リードオフマン安藤


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テーマ : 高校野球
ジャンル : スポーツ

2020年のドラフト上位24人を予想してみる

明後日がドラフト会議ってことで、今年もドラフト1位・2位の24人を勝手に予想してみます。


【競合確実】
・早川(早稲田大)
・佐藤(近畿大)


すでに早川にはロッテ・ヤクルト、佐藤にはオリックス・巨人・ソフトバンクが1位指名を公言し、競合は確実な状態。その他の球団も指名の可能性は高く、今回のドラフトの目玉となる2人である。

20201011早稲田大 早川
早川(早稲田大)

20190506近畿大 佐藤
佐藤(近畿大)


【単独1位指名】
・高橋(中京大中京)
・伊藤(苫小牧駒澤大)
・栗林(トヨタ自動車)
・牧(中央大)


高橋は中日、伊藤は日本ハムがそれぞれ1位指名を公言。他にも即戦力が必要なチームは、競合が確実な早川・佐藤を降りて、栗林・牧を指名して確実な戦力を手にすることもありそう。

20191117中京大中京 高橋
高橋(中京大中京)

20190622苫小牧駒澤大 伊藤
伊藤(苫小牧駒澤大)


【外れ1位】
・中森(明石商)
・山下(福岡大大濠)
・木澤(慶応大)
・鈴木(法政大)
・入江(明治大)
・森(日体大)


ドラフト1位の残り6人はいずれも投手のこのメンバーと予想。


【ドラフト2位】
・松本(横浜)
・小林(智弁和歌山)
・中山(中京大中京)
・小深田(履正社)
・来田(明石商)
・大道(八戸学院大)
・平内(亜細亜大)
・村上(東洋大)
・森浦(天理大)
・古川(上武大)
・元山(東北福祉大)
・五十幡(中央大)


以上です。
明日のドラフトでは実際にどんな選手が指名されるか…楽しみです。



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テーマ : プロ野球
ジャンル : スポーツ

駒大高✕関東一【秋季東京大会】

10/19 秋季東京大会1回戦
駒大高✕関東一 @江戸川球場

試合経過

関東一のエース市川は、3回まで駒大打線をパーフェクトに抑える素晴らしい立ち上がりを見せる。駒大は4回表に1番山村が四球を選んでチーム初出塁も、2番増森はバント失敗の併殺でチャンスが途切れたに見えたが、市川はここで3番程原にまたもや四球を与えてしまうと、4番梅澤はうまくライト前に運んで2死1・3塁とチャンスを作る。5番近藤の打球はレフト前方に飛ぶも、これをレフト井坪がダイビングキャッチし、関東一がピンチを凌ぐ。ただ駒大は5回表に、1死から7番矢崎が初球を振り抜くと、打球はレフトスタンドに飛び込むホームラン。駒大が背番号14の1年生の一振りで先制する。
20201019駒大高 矢崎
先制弾を放つ駒大高の矢崎

駒大の先発の林は、オーソドックスな右腕であるが、カーブとスライダーを低めに集めて、コントロールよくピッチングを展開。毎回のようにランナーを背負うものの、粘り強く関東一打線を5回まで無得点に抑える。逆にいえば関東一打線は、併殺2個に、走塁死などもあり、ランナーは出すものの、なかなか流れを掴めずに0ー1と1点ビハインドで前半戦を終える。
20201019駒大高 林
5回まで関東一打線を無得点に抑えた駒大高のエース林

勢いに乗る駒大は5回表にも、2死から4番梅澤が四球で出塁。続く5番近藤は初球を捉えると、打球はもう少しでホームランという右中間フェンス直撃打。1塁ランナーの梅澤は一気にホームを狙うも、中継に入ったセカンド立花の素晴らしい送球もあってホームタッチアウトとなる。
20201019関東一 立花
ホーム封殺の素晴らし送球をみせた関東一のセカンド立花

関東一は6回裏、先頭の初谷が四球で出塁したところ、米澤監督は何と4番井坪に代打三浦を起用して、送りバントをさせる。ここから死球もあって、2死1・2塁で迎えた7番市川は初球を叩くと打球は右中間に転がり2塁ランナーの初谷がホームイン。市川の打球は右中間といってもフェンスにつくような打球でなく、打った市川もギリギリ2塁にいけるかというものであったが、何と1塁ランナーの楠原まで好走塁をみせてホームインで、関東一が2-1と逆転に成功した。ここで駒大高は2番手として安達をマウンドに送るも、安達は関東一打線の勢いを止めることができず、関東一は8番立花がレフト前にタイムリーを放ち市川が生還。さらに9番染谷、1番鎌倉も連打で続いて、さらに1点を追加し、関東一はこの6回裏に計4点をあげる。
20201019関東一 市川2
逆転タイムリー2ベースを放つなどバットでも魅せた関東一の市川

7回裏も3番初谷から始まった関東一の攻撃であったが、その初谷がこの試合3個目の四球で出塁。1年夏から名門でレギュラーを務め、新チームでは3番ショートを務めるチームNo1打者だけに、初谷に対しては駒大バッテリーが非常に慎重になっていた結果である。初谷は盗塁を決めて、さらに三浦の2打席連続となるバントで3塁に進むと、5番の主将楠原がレフト前にタイムリーを放ち。関東一がリーグを5-1と広げる。
20201019関東一 初谷
3四球を選んでチャンスを作った関東一の初谷

関東一の市川は7回・8回と駒大の攻撃を3者凡退に抑えていてたが、9回に駒大打線が意地をみせる。いきなり3番程原・4番梅澤に連打が飛び出すと、6番榎には変化球が抜けてしまい死球で1死満塁とチャンスを作る。7番矢崎のショートゴロ併殺崩れの間にまず1点をあげると、続く代打山崎の打球はライト線にポトリと落ちて3-5と2点差に迫り、なおも2死1・3塁と長打が出れば同点、ホームランが出れば逆転という場面を作る。だが9番村上の打ちあがった打球は、センター鎌倉のグラブに収まりゲームセット。関東一が5-3で勝利して、初戦突破を決めた。


20201024駒大高✕関東一
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


強豪がひしめく東京においても、トップクラスの強豪校である関東一。投手力・打力といったことはもちろんであるが、この試合では持ち前の守備力の高さも勝利につながった。まず守備では4回のピンチでレフト井坪がファインプレー、6回には見事な中継プレーでランナーをホーム封殺するなど、ここ1番で素晴らしいプレーをみせ追加点を与えず、試合を通してもノーエラーでエース市川を盛り立てた。バッティングは水物というように不確定要素があり、この試合でも関東一は5回までランナーは出しながらも無得点とそれを体現するような形となっていた。ただ守備は鍛えれば安定して力を発揮することができ、それが秋の新チームの完成度が高い関東一の源となっていることだろう。

対する駒大はいわゆるラッキーパンチ的なホームランで先制するなど序盤は流れを掴み、関東一撃破に向けて風は吹いていたものの、最終的には守備のミスでジーエンドとなってしまった。逆転された直後に、(2死の場面で)ファーストファールフライを落球してしまい、打ちなおしとなった立花から3連打を浴びて突き放されてしまった。最終回にも2点を奪って追い上げていることからも、ここで失点を食い止めておけば…というところであった。こういう面で守備力の差が、そのまま勝敗に繋がった試合ともいえる。


Pickup Player
市川祐 関東一2年 投手
~投打に渡るエースの活躍で関東一が初戦突破~

中学時代に新宿シニアでプレーし、アメリカで開催されたMCYSA全米選手権大会にも名を連ねた右腕は、投球の完成度が高く、関東一でも1年夏からベンチ入りを果たし、甲子園の準々決勝では優勝した履正社戦に登板し、1イニングを無失点に抑えている。1年秋からエースとして期待されたものの、不調に陥ってしまったが、2年夏のでは主にリリーフとして140㌔を超えるストレートを武器に活躍して、東東京大会準優勝に輝いた。この秋の新チームからはエースとなり、1次予選の都新宿戦では15奪三振ノーヒットノーランを達成し、この本大会にコマを進めていた。

この本大会の初戦でも先発のマウンドに上がった市川は、ストレートはおそらく140は出ていないというレベルであったが、アウトコースにきっちりとコントロールできていて、スライダー・カーブ・チェンジアップといった変化球を混じえて落ち着いた投球を展開。1巡目はパーフェクトという立ち上がりをみせるも、2巡目に入ると四球も絡んでピンチを招くも、味方の好守に助けられる。ただ5回には甘く入ったストレートをレフトスタンドに運ばれてしまうと、6回にもあわやホームランという一撃をあげてしまう。ただ1次予選では5番打者としてホームランも放つなど打力もある市川は、6回裏2死1・2塁で迎えた第3打席では右中間に逆転タイムリー2ベース。するとこれで勢いに乗り、7回は榎、ホームランを打たれた矢崎から2者連続三振を奪うなど投球面も復活。最終回には満塁からポテンヒットなどで2点を失うなど駒大の反撃に遭うも、最後は篠でいて、見事3失点完投勝利をあげた。

この試合の市川としては決していいという内容でなかったが、それでも安定した投球で最低限の仕事は果たしたといえる内容であった。よく言えば丁寧に投げて安定しているのはいいものの、逆に迫力にかけるという印象もある。184㎝82㎏という体格からいっても、ストレートもまだまだスピードが出そうであり、迫力が増すような投手になれば、本格的に来年のドラフト候補となってくることだろう。

20201019関東一 市川
3失点完投勝利をあげた関東一のエース市川



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テーマ : 高校野球
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仙台育英×花巻東【秋季東北大会】

10/18 秋季東北大会準決勝
仙台育英×花巻東 @石巻市民球場

試合経過

勝てばセンバツ出場が濃厚となる東北大会の準決勝、第2試合は仙台育英×花巻東という東北でもトップクラスの2チームの対戦。前日に行われた準々決勝では仙台育英が松田→小林、花巻東は中居が完投と、共に伊藤と菱川というエースを温存して勝利し、この決戦を迎えた。

ただ驚いたことに仙台育英の先発はエース伊藤でなく、今大会初登板となる1年生左腕の古川。古川は171㎝と小柄な左腕であるが、ストレートはMAX141㌔と言われており、石巻市民球場ではスピード表示はなかったものの、力のある球が来ていた。またプレートの1塁側に立って投げ込んでくることもあり、左バッターのアウトコースの球には角度も感じられた。スライダーもコントロールが抜群で、いきなり花巻東の先頭打者の宮澤(左打者)を全てアウトコースの際どいボールで3球三振に仕留めるなど、初回は最高の立ち上がりを見せる。2回・3回はともに四球なども絡んでピンチを招くものの、2回は自らの牽制で、3回は2番相野を併殺に仕留めてピンチを切る抜ける。
20201018仙台育英 古川
仙台育英の先発の1年生左腕古川

仙台育英は2回表、この回先頭の5番渡邉がレフト前ヒットで出塁して、次打者の初球に盗塁を決めて、バントで1死3塁のチャンスを作るものの、7番岡田→8番古川は連続ピッチャーゴロに倒れ無得点。3回にも1死から1番浅野が四球を選ぶと、2番島貫の打席でエンドランが決まり、さらに3番秋山は死球を受けて、1死満塁のチャンスで4番吉野を迎える。ただ吉野はファーストゴロでホーム封殺されてると、5番渡邉の打球はいい感じにライト前に飛ぶも、これをライト佐藤が前にダイビングキャッチして掴む。仙台育英は3回まで、花巻東のエース菱川の前に毎回チャンスを作りながらも無得点に終わっていた。
20201018花巻東 佐藤
ファインプレーでチームのピンチを救った花巻東のライト佐藤

ただ仙台育英ら4回表には1死から、7番岡田のボテボテのピッチャーゴロが内野安打となり出塁すると、須江監督は古川のところに代打橋本を送る。橋本のサードゴロで岡田は2塁に進塁し、ここで迎えた打撃好調の9番木村の打球は二遊間抜けようかというところをショート宮澤が好捕。ただ1塁への送球はショートバウンドになってしまい、これをファースト黒澤がわずかに弾いてしまうと、この間に岡田が一気にホームインして、仙台育英が先制する。
20201018仙台育英 木村
打撃好調の仙台育英の9番木村の打球がエラーを招き先制点となった

仙台育英は古川に代打を出したために、4回裏からはエース伊藤が満を持して、この東北大会初登板。伊藤はスピードこそ、本人の最速の147㌔には遠く及ばないものの、多彩な変化球も駆使して、花巻東打線を淡々と打ち取っていくエースらしいピッチングをみせる。

一方の花巻東のエース菱川は、こちらも^_^をストレートはリリーフ登板した角館戦の147㌔には及ばなかったものの、低く右バッターのアウトローに決まる球には目を見張るものがあった。変化球もスライダーを中心に、カーブ・フォーク・チェンジアップと一通り揃っている。4回には1点を失ったものの、その後は一段と素晴らしい投球を披露。8回にはさらにギアを上げて、声を出しながらの力投で、8・9回で3個の三振を奪う(7回までは合わせて2個のみだった)。結果的に5回以降は、仙台育英に2塁も踏ませない見事なピッチングを見せ、味方の援護を待つ。
20201018花巻東 菱川
仙台育英を1得点のみに抑えた花巻東のエース菱川

伊藤の前にこちらも2塁すら踏むこともできていなかった花巻東打線だが、8回裏に2死から9番渡辺、1番宮澤とこの試合初の連打でチャンスメイク。ここで迎えた2番の主将相野に対して、佐々木監督も伝令を送るなどして鼓舞。すると相野はフルカウントから、伊藤のストレートをうまくとらえるも、ライナー性の打球はライト宇治野のグラブに収まってしまう。花巻東は9回裏にも、1死から4番佐藤がレフト前ヒットで出塁するも、最後はギアを上げた伊藤が菊地開・黒澤を共にストレートで連続三振に仕留めてゲームセット。仙台育英が1ー0で勝利して、決勝進出を決めた。


20201018仙台育英×花巻東
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


東北大会はここまで2試合は背番号10の右腕松田の好投で勝ち上がってきた仙台育英。1年夏の甲子園でも登板を果たしており名の知れたエース伊藤は完全に温存できていた状態で、勝てば事実上センバツ確定となるこの試合では満を持して先発かと思いきや、先発は1年生左腕の古川であった。ただこの起用は宮城大会決勝の東北戦でも行っており、この時も古川→伊藤で完封リレーを達成している。そもそも仙台育英は本来は継投が基本のチームであり、これまで2試合は点差がついて7回コールドとなっていたこともあり、試合のほぼ全部を松田が投げ抜いていただけのようである。

この完封劇は古川、伊藤の両投手の功績である一方、それを支えた守備力も見事であった。仙台育英の守備陣はこれで今回の東北大会で3試合連続でノーエラー。浅野・渡邉の二遊間を中心にセンターラインの守備は特に固い。また特徴的だったのが外野の守備位置で、この試合では左バッターに対して、外野はセンターが左中間を守り、レフトはレフト線ギリギリと極端な左よりに守るという、セオリーとは反対のシフトを敷いていた。ただこの試合で仙台育英が打たれたヒット5本は全て左バッターによるレフト前ヒットという結果から見ると、このシフトにも合点はいく。この試合の決勝点は花巻東のエラーによるもので、そんなシフトも含めて仙台育英の守備力の高さが、花巻東を上回った結果がこの試合のスコアともいえる。

敗れた花巻東であるが、大健闘であったといえる。今大会ではやはり仙台育英の実力が頭1つ抜けていると言われたいたが、そんな相手に対して、0-1(それも決勝点はボテボテ内野安打→エラー)ということで、まさに紙一重の戦いを繰り広げた。その立役者はなんといっても1失点完投のエース菱川であり、さらには前日の試合で完投勝利をあげて、菱川を万全の状態でこの試合に送り込んだ2番手の中居であろう。敗れはしたものの、これでセンバツ選考においては仙台育英とは僅差の力をもったチームと評価されるために、決勝で仙台育英が柴田に大差をつけて勝つことになると、ベスト4からのセンバツ出場という可能性も捨てきれない。


Pickup Player
伊藤樹 仙台育英2年 投手
~さすがはエースという6回0封~
この試合では4回からマウンドに上がった仙台育英のエース伊藤は、最後まで無失点で投げ切りチームに勝利をもたらせた。

伊藤は系列の秀光中時代から名を馳せていた投手で、軟式ながらMax144㌔をマークして、笹倉との2枚看板でチームを牽引して、全中の決勝戦では森木(高知中)との大激戦の末に敗れたものの、準優勝を果たした。そのまま仙台育英に進学すると、1年春よりベンチ入りを果たし、1年夏の宮城大会決勝では東北相手にリリーフとして3回無失点の好投をみせて試合を締めた。甲子園でも飯山戦では2回無失点の好投も、先発した準々決勝の星稜戦では2回途中5失点KOとなってしまった。1年秋も多彩な投手陣の一角として、東北大会優勝を果たしたものの、本来の投球はできずに神宮大会ではベンチ外を経験。2年夏の甲子園交流試合の倉敷商戦では、2番手として登板して、2/3イニングを無失点に抑えていた。

いよいよ最終学年として迎えたこの秋の新チームでは、笹倉がベンチ外(一部では退部したという噂も…)という事情もあって、伊藤は背番号1を手にした。今回の東北大会では初戦、準々決勝ともに登板はなかったものの、この準決勝では1点を先制した直後の4回のマウンドに伊藤は上がった。

この試合の伊藤はストレート自体はぞれほどスピードが出ているわけではなかったが、スライダー・カーブ・SFF・チェンジアップといった多彩な変化球も駆使した投球を披露。コントロールは抜群であり、特にアウトコースのボールは生命線となっていて、その対策のために花巻東の打者がバッターボックスのベースよりギリギリに立っていても、アウトコースに投げ続けた。そのような投球で淡々と花巻東打線を打ち取っていき、4~7回はヒットを1本許したものの、それ以外はパーフェクトという内容。8回には渡辺・宮澤の連打で初めてピンチを背負ったものの、2番相野はライトフライに打ち取ってピンチを凌いだ。最終回にはギアをあげたのか、8回までの5イニングでは1個だった三振を3個も奪い、特に1死から菊池開・黒澤は威力を増したストレートで三振に斬って取りゲームセット。結局伊藤は6回を投げて被安打4、4奪三振、無失点という好リリーフをみせ、古川との完封リレーを達成した。

1年夏の甲子園では144㌔をマークときから見ると、本格派としての成長曲線には達していない気もするが、それでも打者を見て、打ち取る術を身に着けた投球は見事であった。本来はストレートはMax147㌔ということで、現在の投球術の中で、このような数値をマークすることができれば、1年後にはドラフト会議で指名される投手となっていることだろう。

20201018仙台育英 伊藤
エースらしく6回無失点の好リリーフをみせた仙台育英の伊藤


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柴田×東日本国際大昌平【秋季東北大会】

10/17 秋季東北大会準々決勝
柴田×東日本国際大昌平 @仙台市民球場


試合経過

センバツをかけた東北大会の準々決勝の1試合目はは、宮城3位から学法石川→八戸学院光星を倒して勝ち上がってきたと、聖光学院などを倒して福島大会を制して初戦でも一関学院を破った東日本国際大昌平の対戦。柴田は谷木、東日本国際大昌平は矢板の両エースの先発で試合は始まった。

柴田は1回表、1番我妻が死球と3番舟山のレフト前ヒットから2死2・3塁のチャンスを作ると、5番村上が高めに浮いた変化球を捉えてライト前に2点タイムリーを放ち、柴田が2点を先制。しかし東日本国際大昌平は坂本・大竹竜の連打でチャンスを作ると、4番邉見が左中間に2点タイムリー2ペースを放ち同点。さらに6番金井にもタイムリーが飛び出して3ー2と逆転に成功する。
20201017東日本国際大昌平 邉見
同点となる2点タイムリー2ベースを放った東日本国際大昌平の4番邉見

東日本国際大昌平のエース左腕の矢板は、躍動感のあるフォームから、キレのある真っ直ぐに加えて、大きく沈むチェンジアップを武器とした左腕。2回表には自らのバンド処理ミスもあり、無死2・3塁のピンチを招くも、そこから谷木・我妻・横山と3人を打ち取って無失点で切り抜ける。
20201017東日本国際大昌平 矢板
東日本国際大昌平の先発の左腕矢板

だが3回表にも菅野・沼田のヒットでピンチを招くと、ここで東日本国際大昌平の伊藤監督(元巨人)は矢板に代えて、初戦でも好リリーフを見せた1年生右腕の鈴木をマウンドに送る。鈴木の最大の武器は伊藤監督も天下一品と評するスライダーであり、打者の手元でもしっかりと大きく曲がるのが特徴。このスライダーで遠藤を三振に仕留め、3回のピンチを凌ぐと、それ以降もスライダーを軸に好投。4回には柴田の1番我妻が左バッターのインコースで見送れば死球となるスライダーを空振りしてしまうほど、手元でよく曲がっていた。この鈴木の好投で勢いに乗った東日本国際大昌平は、3回裏には7番菅原のタイムリーで、4回裏には4番邉見のタイムリーで追加点を上げて、5ー2とリードを広げて前半戦を終える。

ただ柴田のエース谷木も5回から復活。序盤はストレート系のボールが多く捉えられることが多かったが、中盤以降はSFFを中心にスライダーなど変化球を多めにした投球に変える。スピードはそれほどないものの、さすがは八戸学院光星から2失点完投勝利をあげただけあって、5回以降は昌平打線を無得点に抑えていく。

逆に東日本国際大昌平の鈴木は、中盤以降はやや勢いがなくなってきて、スライダーに関しても登板当初ほどの怖さはなくなってきていた。すると柴田は7回表に、2死から4番菅野がヒットで出塁すると、5番村上がセンターオーバーのタイムリー2ペース。さらに連続四死球で満塁とすると、バッテリーミスで村上が生還し、柴田が4ー5と1点差に迫る。
20201017柴田 村上
センターオーバーのタイムリーを放つ柴田の5番村上

さらに柴田は8回表、先頭の谷木がセンター前ヒット、1番我妻のバンドはピッチャーとサードの間を抜けるヒットとなり、2番横山が送りバンドを決めて2・3塁のチャンスを作る。3番舩山は倒れて2死となるも、4番菅野は初球を捉えると打球は二遊間を抜ける2点タイムリーとなり柴田が6ー5と逆転に成功する。
20201017柴田 菅野1
逆転タイムリーを放ってガッツポーズの柴田の4番菅野

得点が必要となった東日本国際大昌平は8回裏に鈴木に代打を送ったために、9回表のマウンドには3番手として1年生右腕草野が上がる。しかし草野は経験不足だったのか、いきなり先頭の沼田にヒットを許すと、すぐさまボークと乱れる。このから満塁とされると、1番我妻には押し出しの死球を与えてしまうと、続くサードゴロをサード菅原が後逸。柴田はさらにたたみかけ、舟山のレフト線への2点タイムリー2ベース、菅野の4安打目となるタイムリー、さらにピッチャーが遠藤に代ってからも沼田→遠藤→松田と3連打が飛び出し、結局9回表に打者14人の猛攻で9得点をあげる。


リードを10点とした柴田は、翌日や球数制限のことも気にしてか、1死をとってからエース谷木をレフトに回し、マウンドには2番手として岩崎を送る。ただ東日本国際大昌平は岩崎に対して、先頭の邉見がこの試合3本目のヒットで出塁すると、5番岸田は左中間を破るタイムリー3ベースを放つ。この岸田を7番主将菅原がタイムリーで返し、さらに2死1・2塁となってから9番宝塚はセンターオーバーのタイムリーを放ち、柴田の中継プレーが乱れる間に自らもホームインを果たした。柴田はここで3番手として左腕の日下をマウンドに送るも、1番星・2番坂本が連打を放つなど昌平打線の勢いが止まらず、さらに打ち上げてゲームセットかと思われた3番大竹竜のファールフライは、ピッチャーとキャッチャーが交錯して落球するなど、柴田から見れば非常に嫌な流れとなった。それでも最後は打ち直しとなった大竹竜の打球がライト我妻のグラブにおさまりゲームセット。最終回には両軍打者一巡するなど、終盤で荒れに荒れて、両チーム18安打ずつが飛び出した激戦は、15ー10というスコアで柴田が制した。


20201017柴田×東日本国際大昌平
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


試合は中盤までは完全に東日本国際大昌平のペースであった。ただ東日本国際大昌平にとって誤算だったのは、リリーフした鈴木が失速してしまったことだろう?初戦の一関学院戦でも、エース左腕の矢板が5回まで投げ、1年生右腕の鈴木の4回1安打という好リリーフで勝利しており、この矢板→鈴木という継投が東日本国際大昌平の勝ちパターンとなっていた。しかしこの試合では、3回途中で矢板→鈴木と早めの交代をしたことが、雨という投手の負担を増す要因もあり、結果的に鈴木の失速を招いてしまったといえる。
20201017東日本国際大昌平 鈴木
好投から一転7回には失速してしまった東日本国際大昌平の2番手鈴木

勝利した柴田はもう完全に、この東北大会の台風の目となっている。宮城大会では準決勝で仙台育英にコールド負けを喫して、宮城3位での東北大会出場。前評判も高くなく、決して超高校級といった選手がいるわけではないが、青森1位の八戸学院光星に続いて、福島1位の東日本国際大昌平も撃破するなど快進撃を続けている。それを象徴するのがエース谷木で、ストレートは130出ている?というレベルであるが、腕の出方が特殊なフォームから、2シーム・スライダー・SFF・チェンジアップと変化球も駆使しながら相手打線を討ち取っており、この試合でも奪三振は0。ある記事によると、夏まで変化球はスライダーのみだったというのだから、まさにミラクルであり、これがそのままチームのミラクルな快進撃に繋がっているといえる。
20201017柴田 谷木
柴田の快進撃の最大の立役者となっているエース谷木


Pickup Player
菅野結生 柴田1年 ファースト
~1年生4番が4安打4打点の活躍~
15得点を奪った柴田打線を牽引したのは、逆転タイムリーを含む4安打4打点の活躍をみせた1年生の4番菅野であった。

菅野は宮城中央ボーイズから、チームの先輩でもある沼田(6番セカンド)の影響もあって、柴田に進学。コロナの影響で練習に参加したのは6月からであったが、秋の新チームからは4番を務めていた。宮城大会ではコンスタントにヒットを放っていたが、投手のレベルが上がった東北大会では、学法石川戦では5打数ノーヒット2三振、八戸学院光星戦では先制タイムリーは放ったものの、5打数1安打と本来の力を発揮だせずにいた。

それでも引き続き4番として挑んだ準々決勝では、まず2打席目に左腕の矢板のチェンジアップをレフト前に運び初安打。7回2死で迎えた第4打席でも初球をセンター前に運ぶと、これを起点に柴田村上のタイムリー3ベースなどで1点差に迫った。さらに1番の見せ場は1点ビハインドの2死2・3塁で迎えた第5打席で、この打席でも鈴木の初球のインコースよりのストレートを捉えると、打球は二遊間を抜けて、2者が生還する逆転タイムリーヒットとなった。9回の第6打席でも2・3塁のチャンスでレフトへ2点タイムリーを放ち、結局この試合では6打数4安打4打点という活躍をみせた。

菅野は1年生ながら175㎝77㎏という体格であり、下半身がしっかりしているので、多少タイミングがずれても崩されることなく、しっかりとしたスイングができている。8回の逆転タイムリーは、両軍で36本ものヒットが飛び出した、この試合において1番価値のあるヒットであったといえ、4番としての勝負強さも見せつけた。力強さに、うまさ、勝負強さを兼ねそろえており、今後の成長が楽しみなバッターである。

20201017柴田 菅野2
4安打4打点の活躍をみせた柴田の4番菅野



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仙台育英×羽黒【秋季東北大会】

10/17 秋季東北大会準々決勝
仙台育英×羽黒 @仙台市民球場

試合経過

センバツ出場をかけた東北大会の準々決勝。今大会の優勝候補本命とされている仙台育英は、初戦で湯沢翔北をコールドで下して、一方の羽黒は大方の予想を覆して打撃戦の末に盛岡大付を下してこの試合にコマを進めてきている。仙台育英は松田、羽黒は奥中とともに初戦と同じ背番号10の2年生投手の先発で試合は始まった。

仙台育英は1回表、1番浅野がいきなり右中間を破る3ベースで出塁すると、2番の主将島貫が前進守備の二遊間を抜くタイムリーを放ち、仙台育英が1・2番コンビの速攻で先制。そこから3・4番は打ち取られるものの、島貫が2盗などで2死1・2塁で迎えた6番八巻のショートゴロを、羽黒の主将のショート菅井が後逸してしまい、仙台育英が2点目をあげる。
20201017仙台育英 島貫
先制タイムリーを放った仙台育英の主将島貫

仙台育英は2回表にも、1死から9番木村がレフト線に2ベースを放って出塁すると、1番浅野もレフト線にタイムリー2ベース。さらに2番島貫のレフトライナーはドライブがかかっていたこともあるのか、これをレフト池田が取り損ない(記録はエラー)、浅野がホームインして島貫は一気に3塁へ。この島貫は3番秋山のセカンドゴロの間に生還し、2回表に3点を加えた仙台育英は5-0とリードを広げる。
20201017仙台育英 浅野
1打席目に続いた長打を放った仙台育英の1番浅野

仙台育英の先発の松田の前に1巡目はノーヒットに抑えられてた羽黒打線であるが3回裏、1死から1番櫻井は2球目の変化球を捉えると、チーム初ヒットはレフトスタンドに飛び込むソロホームランとなり、羽黒が1点を返す。
20201017羽黒 櫻井
3回にソロホームランを放った羽黒の櫻井

ただ仙台育英は5回表、先頭の渡邉がこの試合は3打席連続となる四死球で出塁すると、1死2塁から7番岡田のファーストゴロをファースト齋藤が好捕するものの、なぜか1塁ベースに入る間にファンブルしてしまい1死1・3塁。初回から5イニング連続でのエラーで、奥中の足を引っ張ってしまうと、仙台育英は9番木村が3塁線を抜くタイムリー2ベースを放ち、2点を追加する。ここで羽黒は背番号1をつけた本間をマウンドに送るものの、本間も四球を挟んで島貫にタイムリーを浴びてしまい、仙台育英はリードを8-1と広げる。

仙台育英の先発の松田は、重心を低く保ったまま、体のバネをうまく使った、ちょうど篠木(木更津総合)を彷彿とさせるようなフォームでそこから力のあるストレートを投げ込み、特に右バッターのアウトコース決まる球は素晴らしかった。変化球はスライダー・カーブ・チェンジアップを投げており、特に投げっぷりのいい投手だけにチェンジアップの緩急が効いているように見えた。松田は羽黒打線を見事に抑えていくが、そんな松田の唯一の天敵は羽黒の1番櫻井であり、3回に1発を浴びたあとも、5回に2死1塁から右中間にタイムリー3ベースを浴びてしまう。ただ松田が羽黒打線に許したヒットはこの櫻井の2本のみであり、6回2安打2失点6奪三振という内容で松田はマウンドを降りる。
20201017仙台育英 松田
6回を2安打に抑える好投をみせた仙台育英の先発松田

仙台育英は7回表、無死1塁から松田の代打の小野がエンドランで見事に1・2塁間を破り。無死1・3塁のチャンスお。ここで9番木村はカウント1B2Sからスクイズを決める。さらに小野の代走の大藤、スクイズがフィルダースチョイスとなって出塁した木村はともに盗塁を決めて進塁すると、2人とも本間のワイルドピッチで生還して、この回仙台育英は3点を追加する。

仙台育英は7回裏に、背番号19の1年生左腕の小林がマウンドに上がると、小林が右バッターのインコースを果敢に攻める投球で齋藤・太田を打ち取ると、最後は本間からスライダーで三振を奪う。これで7回終わって9点差ということで、コールドが成立し、11-2で羽黒に勝利した仙台育英が準決勝進出を決めた。


20201017仙台育英×羽黒
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


仙台育英がとにかく強かった。まずは投げては背番号10の松田が、須江監督が「ここまでのMVP」と評ずる好投。湯沢北翔戦に次ぐ好投で6回まで投げたために、球数制限があって、継投が基本の仙台育英にもかからわずエース伊藤を2試合連続で温存することができた。さらに背番号11の1年生左腕古川もまだ東北大会で登板しておらず、自慢の投手層の厚さを見せつける形で、勝てば事実上のセンバツ出場が決まる翌日の花巻東戦に万全の状態で臨む。打線はとにかく打球が速く、この日の東北大会で見た4チームの中でも1ランクも2ランクも上だと感じた。打つだけでなく、四球も選び、隙があれば盗塁も決めるなど、本当にそつのない攻めができているので、相手から見れば本当に嫌な打線であろう。1年夏から5番投手兼ファーストとして甲子園で活躍しており、新チームでは投打の中心として期待されていた笹倉がこの秋はベンチ外(一部では退部したとの噂もある)にも関わらず、Kの強さ…もともと東北大会の大本命と評されているが、評判以上といえるほどの強さであった。
20201017仙台育英 伊藤
温存に成功して万全の状態で翌日の決戦に臨む仙台育英のエース伊藤

対する羽黒は、守備の乱れが影響して、序盤で仙台育英に突き放されてしまったのが痛かった。上述の通り仙台育英の打球が速いというのもあったが、5回までに5イニング連続でエラーを記録しており、そのせいか先発の奥中は8失点は喫したものの、うち自責点は2のみという内容であった。投手の力的にもある程度の失点は致し方のないチームかと思うが、最小失点で切り抜け永田、盛岡大付から10得点をあげた打線の奮起を待ちたいところであった。
20201017羽黒 奥中
8失点したものの自責点は2であった羽黒の先発の奥中


Pickup Player
木村航大 仙台育英2年 捕手
~打っても2長打で3打点の活躍~
仙台育英のキャッチャー木村は、定評のある守備に加えて、9番打者ながら打っても2長打で3打点の活躍をみせた。

木村は仙台育英の付属校である秀光中の出身で、秀光中では3年夏に笹倉・伊藤の2枚看板をリードして、決勝では森木(高知)との激戦を繰り広げ、全中準Vを果たしている。そのまま仙台育英に進むと、1年夏の甲子園では4試合中2試合でスタメンマスク、2試合は途中出場という形で、笹倉・伊藤ともに1年生ながら8強入りに貢献した。1年秋にも捕手の中心として東北大会優勝を成し遂げる一方、状況に応じて投手だけでなく捕手も使い分けるという須江監督の方針や打力の問題もあって、なかなかフル出場してチームを牽引する扇の要とはなれない状況であった。

この試合でも9番キャッチャーとしてスタメン出場した木村は、まずは最大の持ち味であるキャッチングとリード面で、前の試合に続いて松田の好投をアシストした。打撃面では第1打席に、追い込まれながらも低めの変化球をうまく拾ってレフト線に2ベースを放ち、2回の3得点の起点となった。2打席目でもボール球ぽかったものの、こちらも低めの変化球に対応するも、結果はピッチャーライナー。ただ2死2・3塁で迎えた第3打席では、またもや奥中の変化球を捉えると、打球は3塁線を抜けて2点タイムリー2ベースとなった。さらに無死2・3塁で迎えた7回の第4打席では、本間の前に2球で追い込まれてしまうも、なんとカウント2B1Sという場面からスクイズを見事に決めてみせて、結果的に3打数2安打3打点という活躍であった。

もともと守備力はピカイチなだけに、この試合のように打撃で結果が出せれば言うことはない。木村が最終学年を迎えて、いよいよ本格的に仙台育英の扇の要となってきたようである。

20201017仙台育英 木村2

20201017仙台育英 木村1
好リードに加えて、打っても2安打3打点の活躍をみせた仙台育英のキャッチャー木村


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法政大×明治大【東京六大学野球連盟】

10/11 東京六大学野球連盟 第4週1回戦
法政大×明治大 @神宮球場

試合経過

台風の影響で1日順延となった法政大×明治大の試合は、ともに勝ち点2.5であり、無敗で首位争いをしている早慶に食らいつく上でも負けられない両チームの戦いです。そんな大一番において、明治大はエース入江が予想通りに先発したのに対し、法政大はエース鈴木でなく、右のエースでこれまで2戦目を任されていた高田孝が先発。鈴木もここまで防御率0.50と素晴らしい成績を残していただけに、この起用はやや意外であった。

そんな初戦の先発に抜擢された高田孝であったが、この試合でもいきなり1番藤江を152㌔でファールフライに打ち取るなど、持ち前のパワーピッチ全開。高田のストレートはこの試合ではMax153㌔をマークしていたが、Maxもさることながら、ストレート平均球速も150㌔近くあるなど、コンスタントに速いボールを投げられるのが魅力だ。変化球はともに130㌔中盤~後半をマークするスライダー・フォークを投じており、こちらもスピードがある。そんな高田は3回まで明治打線をノーヒットに抑える快調な立ち上がりを迎える。
20201011法政大 高田孝
3回まで明治大打線をノーヒットに押させた法政大の先発高田孝

明治打線は4回裏に、3番丸山が初球を捉えてチーム初となるヒットで出塁すると、持ち前の俊足ですかさず盗塁を決めて、さらに2塁への送球が逸れる間に3塁まで陥れて、いきなり無死3塁とチャンスを作る。ここで迎えた1年生4番上田に対して、高田はストレート2球で追い込むと、そこからセオリー通りの低めのボール球になるフォークを投じるものの、これを上田が巧みなバットコントロールでセンター前に運んで明治大が先制する。さらに5番植田のバントなどで2死2塁となると、7番陶山が1・2塁間を破るタイムリーを放ち、明治大が2点目をあげる。
20201011明治大 丸山
明治大のチーム初ヒットを放ち先制のホームを踏んだ丸山

明治大のエース入江もパワーピッチのイメージがあった投手だが、この試合ではストレートはMax150㌔をマークしていたものの、いい感じに力の抜けたフォームとなっており、カットボール・SFF・カーブといった変化球もさえわたっていた。入江は2回こそランナーを許すものの、3回~5回は法政大打線をパーフェクトに抑えるなど順調に法政打線を抑えていく。

法政大はビハインドであったために6回の攻撃で高田孝に代打を送ったために、6回裏には左腕の石川が今季初登板。2年秋にはリリーフながら3勝をあげた左腕は、この秋は鈴木・高田孝に続いてプロ志望届も提出したものの、ケガの影響もあって出遅れていて、この試合が今年初登板となった。石川の角度のあるストレートはMax144㌔をマークしていたものの、1死から植田に四球を与えてしまうと、続く横浜高時代の同級生である公家にはしぶとく1・2塁間を敗れてしまい、さらに7番陶山にセーフティを決められ、1死満塁のピンチを招く。ここで迎えるのは8番に入っている入江であるが、入江がカウント2B0Sから変化球をたたくと、ライナー性の打球は飛びついたサード中村迅のグラブを弾くタイムリーヒットをなる。法政大はやはりまだ本調子でない石川に代えて、落合をマウンドに送るものの、明治大は9番西山のセカンドゴロの間に1点を追加し、4-0とリードを広げる。
20201011法政大 石川
2番手として今季初登板を果たした法政大の石川

なんとしても入江から得点をあげたい法政大は7回には4番村田に代打渡邉を送るなど必死の采配をみせるも、代打渡邉も三振に倒れるなど3者凡退。8回には2死から高田桐・高瀬の連打で1・2塁として。2回以来のチャンスを作るものの、当たっている1番岡田悠は三振に倒れてしまう。最終回にも代打3人を送り込むものの、結局得点を奪えず…明治大の入江は9回7安打13奪三振完封で、明治大が4-0で血の法明戦の初戦を制した。
20201011明治大 入江1
完封勝利をあげガッツポーズの明治大の入江


20201011法政大×明治大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


8月に行われた春季リーグ戦では、法政大が優勝を果たしたのに対して、明治大は東大以外には全敗で5位という対照的な成績でだった2チームだが、この試合ではその春の鬱憤を晴らすかの如く、明治大が勝利した。明治大の勝利の立役者なんといっても完封勝利をおさめたエース入江であるが、打線においても春と比べて4番上田という戦力の上澄みがあったのは大きい。1年生ながらこの秋は2戦目から4番に座る上田は、ここまで全試合でヒットを放っており、この試合でも先制タイムリーを含む2安打の活躍。愛産大三河時代からU18日本代表候補にも選ばれて高校通算46発をマークしていたスラッガーだが、この試合では放った2本のヒットはともに変化球をうまく打ったものであり、バットコントロールの良さも光っていた。パワーとバットコントロールの両方を兼ねそろえており、今後4年間でどんな記録を打ち立ててくれるのか楽しみな打者である。
20201011明治大 上田
明治大の1年生4番上田

一方の法政大は、この試合でも高田孝は5回2失点と最低限の投球であり、鈴木との左右2枚看板は健在で投手力は春からキープできているが、如何せん打線がまだ乗ってこない。春に首位打者を獲得して、秋もここまでチームトップの打率をマークしていた永廣がケガでもしたのだろうか、この試合からはベンチ外で戦力ダウン。この試合ではチームの副主将でプロ志望届も提出した羽根をスタメンから外し、期待の左のスラッガー野尻を5番ファーストで起用するも2三振。さらに4番村田にも代打を送るなど、青木監督はなりふり構わない采配を見せたものの、送り込んだ代打6人は全員ノーヒットと結果を残すことはできなかった。この試合の翌日にも明治大に2日連続で完封敗けを喫するなど打線が一向に上向いてこない法政大。次週は試合がなく時間があるので、その間に何とか復調の兆しを掴んでほしいところだ。
20201011法政大 野尻
法政大の5番で起用された野尻


Pickup Player
入江大生 明治大4年 投手
~モドラフト直前にモデルチェンジで初完封~

作新学院時代から本格派右腕として期待されていた入江は、2年夏の甲子園の九州国際大付戦で甲子園デビュー。2年秋からはエースとして期待され、3年春には背番号1を背負うものの、その後は今井(西武)の台頭。3年夏の栃木大会では、大田原戦で完封勝利をあげるものの、主に4番ファーストとして活躍し、決勝の国学院栃木戦でホームランを放つなど、打率.571に15打点という活躍ぶりでチームを甲子園出場に導いた。甲子園では初戦の尽誠学園戦、3回戦の花咲徳栄戦(投手は綱脇)、準々決勝のの木更津総合戦(投手は早川)と3試合連続でホームランを放つなど、その打力で大いに甲子園を沸かせた一方、投手としては大差がついた明徳義塾戦の1イニングのみであった(ただし146㌔マーク)。4番打者としてチームを優勝に導くと、U18日本代表にも選ばれてレフト兼DHとしてアジア選手権Vを経験した。

ただ明治大には本人と希望と、187㎝という身長といったポテンシャルの高さもあって、投手として入学。1年春からリーグ戦にリリーフとして登板を果たし、主に先発2番手を務めた3年秋には防御率0.82をマークして、3年冬には大学日本代表候補合宿にも参加。エース森下(広島)の抜けた今年は、背番号11(エースナンバー)を背負っている。

この重要な初戦にもエースとして先発のマウンドに上がった入江。この日の入江の特徴は、やや力が抜けたようなフォームになっていたこと。それでもストレートはMax150㌔をマークし、変化球はともに130㌔台後半のカットボール・SFFに、120㌔台のカーブを投げていた。力が抜けた分コントロールも安定していて、この試合では与えた四死球も0であった。そんな入江は2回に大柿・佐藤勇に連打を浴びてピンチを招くものの、続く高田桐をファーストゴロに打ち取ってピンチを凌ぐと、そこからはまさに安定した投球をみせ、3~7回は5イニング連続で法政大の攻撃を3人で抑える。8回には高田桐・高瀬に連打を浴びて、この試合2度目のピンチを迎えるも岡田悠をフォークで三振に仕留めてピンチを脱する。最終回にも149㌔をマークするなど、最終回になっても入江の勢いは衰えることなく、126球・被安打7・13奪三振でリーグ戦初完封勝利をあげた。

さらに入江は打つ方でも大活躍。上述の通りもともと定評のあった打撃では、この試合始まる前までに打率.500をマークしており、この試合の入江の打順が8番であったのは、ラミレス監督的な発想でなく、リアルな能力によるものといえる。法政バッテリーの入江の攻め方をみても、初球から変化球を多く使ってくるなど、バッター投手の攻め方ではなかった。2打席目ではうまくライト前に持っていくと、満塁の場面で迎えた第3打席ではサードのグラブを弾くタイムリーヒット。この試合でも3打数2安打1四球の活躍で、打率は.571にまで上昇。昨年の森下のように終盤戦では、外野で起用されたりすることもあるかもしれない。

この秋は早稲田大戦では5回6失点、立教大戦では6回3失点と今シーズンそこまでパッとしていなかった入江。これまではどららかというとパワータイプのイメージが強かったが、この試合では上述の通りやや力を抜いたフォームにモデルチェンジ。それが見事に功を奏した結果となった。プロ志望届も出しているだけに、ドラフト直前でのこのような投球はスカウトにとっても嬉しい悲鳴であると考えられ、これで上位指名の可能性も十分に出てきたといえるだろう。

20201011明治大 入江2

20201011明治大 入江3
投打に渡る活躍でチームを勝利に導いた明治大のエース入江



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駒澤大×中央大【東都学生野球連盟】

10/7 東都学生野球連盟 第3週2回戦
駒澤大×中央大 @神宮球場

試合経過

1回表、駒澤大は先頭の若林が初球を捉えて三遊間を破って出塁すると、2番打者のときに盗塁も決めてチャンスを作る。2死3塁となって4番鵜飼を迎えると、鵜飼は中央大先発の畠中のインコースのストレートを力で持っていくと、センターの頭上を越えるタイムリー2ベースとなり駒澤大が先制する。

1回裏、中央大はプロ注目のスピードスターが魅せる。2番五十幡は粘った末に四球で出塁すると、続く3番森下の初球にすかさずスチールを試み、余裕でセーフ。中学時代にはサニブラウンを抑えて、全中で100m・200m走の二冠に輝いた俊足の持ち主は、その脚力には定評があったものの、3年春まではシーズン3盗塁が最高。ただスタート技術などを身に着けると、3年秋には9盗塁をマークするなど、その真価を発揮しつつあった。結局このチャンスは4番牧の鋭い打球がセカンド正面の併殺となり無得点となってしまうが、今月開かれるドラフト会議に向けていきなり五十幡が見せつけた初回であった。
20201007中央大 五十幡
初回からその超俊足をみせつけた中央大の五十幡

2回表、駒澤大は先頭の緒方がエラーで出塁すると、9番谷本も四球を選び、京都外大西の同期コンビで2死1・2塁のチャンスを作り、1番に戻って若林を迎える。若林に対して中央大バッテリーは初球にややアウトコース気味のチェンジアップを投じると、若林はジャストミートという感じではなかったものの、うまいことバットに乗せると、打球はレフトスタンドに飛び込む3ランとなって、駒澤大が4-0とリードを広げる。
20201007駒澤大 若林1
3ランホームランを放った駒澤大の若林

続く2番与倉がヒットを放ったところで、中央大は2番手として皆川をマウンドに送る。皆川はMax143㌔のストレートに、130㌔前半で手元で落ちるような2シーム、スライダー、カーブ。チェンジアップと多彩な球を駆使して、3回・4回と駒澤大打線を無得点に抑えていた。ただ駒澤大は5回1死から4番鵜飼がレフトスタンドにソロホームランを放ち5点目をあげる。
20201007駒澤大 鵜飼
5回にソロホームランを放った駒澤大の鵜飼

駒澤大の先発の竹本は、この日はカットボールを駆使した投球が特徴的であった。プロ志望届も提出した本格派右腕は、Max147㌔の角度のあるストレートに、縦のスライダーやチェンジアップといった本来の武器に加えて、この試合では130㌔前半~中盤のカットボール(おそらく)を多投。7回までで得点圏にランナーを背負ったのは5回、さらには三振は1個のみと少なかったものの、気迫の投球で中央大打線を打ち取っていき7回まで0封。試合は完全に駒澤大のペースであった。

中央大の強力打線が目覚めたのは8回裏、この回先頭の2番五十幡が自慢のスピードを武器に、1塁側に見事にセーフティバントを決めて出塁。続く3番森下はカウント2B2Sからカットボールを捉えると、打球はレフトスタンドに吸い込まれる2ランとなり、中央大がこの試合初得点をあげる。さらにここで終わることのなかった中央大打線は、ドラフト上位候補の4番牧の3塁線の当たりは内野安打となり出塁すると、四球と坂巻のレフト前ヒットで2死満塁と1打同点のチャンスを作る。ここで清水監督は代打に中田を送り込み、カウントは3B1Sとなってしまうものの、ここで竹本が開き直って気迫のストレートで2球連続で空振りを奪ってピンチを凌ぐ。
20201007中央大 森下
8回に反撃の狼煙となる2ランを放った中央大の森下

竹本は8回まで157球を投げていたこともあって、9回裏の駒澤大のマウンドには福山が上がる。福山は1番佐藤天・2番五十幡を打ち取って2死として勝利目前となるものの、ここから3番森下に四球を与えてしまうと、中央大は4番牧・5番内山と連打で繋いで、前の回に続いて2死満塁のチャンスを作る。さらに6番古賀に対して、福山は得意のスライダーが入らずにカウントを悪くしていまい押し出しの四球。中央大は3-5と2点ビハインドで2死満塁と、同点、さらには逆転のチャンスで7番内潟を迎える。ただここで福山も得意のスライダーに諦めをつけて吹っ切れたようで、内潟に対してストレート2球連続で追い込むと、最後はアウトコースに143㌔のストレートを決めて見逃し三振。駒澤大が5-3と逃げ切って勝利した。
20201007駒澤大 福山
最終回の逆転のピンチを何とかしのいだ駒澤大の福山


20201007駒澤大×中央大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


秋のリーグ戦が開幕してから、この試合まで5連敗で未勝利であった駒澤大。その状態に投打の軸であり、ともにプロ志望届も提出した竹本と若林が奮起した。本来はエースとして期待されている竹本であるが、この秋のリーグ戦では先発2番手という位置付け。この日も決して圧倒的な投球をみせられたわけではないが、毎回のように招くピンチを気迫で切り抜けて、なんと157球をも投げ抜いて8回2失点の好投であった。チームの主将も務める若林も、3ランホームランを含む3安打猛打賞の活躍で、リードオフマンとしてチームに勝利をもたらせた。今年はコロナの影響で入替戦こそないものの、昨年は2度も経験してしまった入替戦(=最下位)から脱却すべく、昨年もチームの中心であった2人の意地が見えた試合であった。
20201007駒澤大 竹本
先発として8回2失点の好投をみせた駒澤大の竹本

敗れてしまった中央大はやはり打線の奮起が遅すぎた…。昨年大学日本代表でも4番を務めて、今年はドラフト1位と噂される4番牧を中心に、2番五十幡・3番森下・5番内山・6番古賀といった中軸は東都の中でもNo1といえる布陣。この試合でもこの5人は全員ヒットを放っており、得点をあげた8回・9回もこの5人が中心となっていた。その一方でそれ以外の4人では計1安打と完全に抑えられてしまい、8回・9回とこの中軸で作った追加点のチャンスにはあと1本が出なかった。また中軸の前を打つ1番打者も、この試合では石井・中前の1年生コンビを起用したものの、1度も出塁できずに終わってしまい、中軸の前にいかにチャンスを作ることができなかった。この中軸以外の部分が機能するかが、今後の中央大を大きく左右することだろう。
20201007中央大 牧
中央大の強力打線の中核となす牧はこの試合でも2安打を放った


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若林楽人 駒澤大4年 外野手
~ドラフト前に最後の猛アピール~
3ランを含む3安打の活躍をみせた駒澤大の主将でリードオフマンの若林が、ドラフト会議に向けて大きくアピールに成功した。

駒澤大苫小牧では1年秋から4番サードの座を掴み、1学年上のエース伊藤(苫小牧駒澤大)を擁して全道ベスト4。2年春には1番ライトを問止め、打率.563の活躍で全道準Vに貢献した。3年時には3番ショート主将として、エース阿部(日立製作所)とともにチームを牽引したものの、甲子園には手が届かなかった。駒澤大では2年春よりセンターのレギュラーを獲得し、2年冬には大学日本代表候補合宿を経験。最終学年となる今年はチームの主将も務め、この秋はリードオフマンとしてチームを牽引。3年秋まででリーグ戦通算打率は1割台ながらも、その打撃のポテンシャルに加えて、50㍍5.8秒の俊足など身体能力も高く、ドラフト候補として注目されており、プロ志望届を提出した。

この試合でも1番センターでスタメン出場を果たした若林は、第1打席では初球を打って三遊間を破るヒット。2盗も決めてチャンスメイクを果たすと、4番鵜飼のタイムリーで先制のホームを踏んだ。2死1・2塁で回ってきた第2打席では、こちらも初球、畠中のアウトコース寄りのチェンジアップを、ジャストミートという形ではなかったものの、うまいことバットに乗せるとそのままレフトスタンドまで運び3ランホームランとなる。4回の第3打席でもレフト前ヒットを放ち、結局この試合では5打数3安打3打点2得点という活躍でチームを勝利に導いた。

これでこの秋のリーグ戦では6試合で4発の若林。しかもその4発のうち3発が3ランホームランということで、打点も10と現在リーグ二冠王である。上述の通り、3年秋までは通算打率.195であり、スカウトから見れば、守備・走塁・ポテンシャルはピカイチなものの、そこはネックであったと思う。本人はそれより主将としてチームの連敗を止めることに必死だろうだが、これはスカウトにとって大きなアピールである。この試合が駒澤大にとっては10/26のドラフト会議の前の最後の公式戦であり、直前での猛アピールがどう響いてくるのか楽しみである。

20201007駒澤大 若林2
3ランを含む3安打の活躍でドラフト前に大きくアピールに成功した駒澤大の若林


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