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秀明英光✕昌平【春季埼玉大会】

4/30 春季埼玉大会3回戦
秀明英光✕昌平 @県営大宮球場

試合経過

プロも注目するエース右腕の岩井を擁する秀明栄光が3回戦で挑むのは、近年埼玉では急速に力をつけておきており、昨秋は埼玉大会を制し、この春季大会では第1シードの昌平。こちらもプロ注目の高校通算47発を誇る吉野を筆頭に打力に秀でるチームとあって、岩井VS吉野率いる昌平打線という注目の対決となった。

そんな岩井VS昌平打線の対決はいきなり1回裏から動き出す。昌平のリードオフマンの寺山がいきなり初球を叩いてセンター前ヒットで出塁すると、2番福地が送って、いきなり1死2塁とチャンスの場面で3番吉野を迎える。吉野が2球目を打つと、打球はなんて事のないレフトフライであったが、風の影響もあってか秀明英光のレフト岡田が目測を誤り(記録は2ベース)、1死2・3塁とチャンスが広がる。岩井は4番古賀はピッチャーゴロに打ち取るも、5番後藤の初球がワイルドピッチとなってしまい昌平が先制。さらに5番後藤のセンター後方へのフライを、センター寺島が落球してしまい、岩井は守備に足を引っ張られる形で初回に2点を失う。

岩井は2・3回は死球でランナーを出すのみで、昌平打線を封じる投球。岩井は上にはねるようなバネのあるフォームが特徴で、ストレートは140㌔にも及んでいなかったようであるが、力のある球が来ていた。変化球はスライダー、カットボール、カーブ、チェンジアップを投じており、中でも大きく曲がるスライダーはなかなかの代物で、吉野から何度も空振りを奪っていた。コントロールもまとまっており、高卒プロとなるにはやや厳しいかもしれないが、埼玉でもトップクラスの投手であると感じた。
20210430秀明英光 岩井
プロ注目の秀明英光のエース岩井

ただそんな岩井に対して、昌平打線は4回裏、先頭の5番後藤がヒットで出塁すると、バントで送って、7番川田が1塁線を破るヒットを放ち追加点。中継プレーが乱れる間に川田が2塁へ進むと、8番山村がレフト前へタイムリーヒット。この当たりをレフトが後逸して山村が3塁まで進むと、9番川島も1・2塁間を破るタイムリーヒットと、下位打線に3者連続タイムリーヒットが生まれる。昌平打線は上位に戻っても繋がり続け、1番寺山のヒットで1・2塁とするとワイルドピッチ→3塁へ進んだランナーを刺そうとした送球をサードがエラーで4点目、2番福地のタイムリーで5点目と、秀明英光の守備の乱れと連打でこの回打者一巡の猛攻で5点を追加する。
20210430昌平 福地
4回裏の5得点目となるタイムリーを放った昌平の2番福地

昌平の先発は背番号11をつけた2年生右腕の川島。右バッターのアウトコースに決まるストレートのコントロールは抜群であり、秀明栄光打線を何と4回までパーフェクトに抑えるピッチング。5回には5番大賀に初ヒットとなる2ベースを浴びたものの、このランナーを2塁牽制で刺してピンチを脱し、5回まで1安打無失点、打者15人で片づけてしまう。試合は昌平が7-0とリードし、このままいけば7回でコールドという雰囲気が漂いながら前半戦を終える。

ただグランド整備明けは流れが変わるとはよく言ったもので、この試合もまさにそのような展開となる。6回表、秀明栄光は2死から9番伊藤琉が右中間へ2ベースを放って出塁。続く1番伊藤翔がセンター前に弾き返し、秀明栄光が伊藤コンビの連打で待望の初得点をあげる。
20210430秀明英光 伊藤翔
秀明英光の初得点となるタイムリーを放つ1番伊藤翔

さらに昌平が6回で川島を下げて、7回から2番手として右サイドスローの2年生吉川をマウンドに送ると、秀明栄光は連続四球と1年生捕手山崎のヒットで1死満塁のチャンスを作り、7番寺島は押し出しの四球を選ぶ。昌平は吉川→2年生左腕の川久保にスイッチするも、川久保の初球を川田がパスボールしてしまい、2点目をあげる。3-7とリードを4点にまで縮めて押せ押せモードであった秀明栄光であるが、川久保はなおも1死2・3塁というピンチで高橋を三振に仕留めると、続く伊藤琉もレフトフライに打ち取り、秀明栄光の反撃を断ち切る。
20210430昌平 川久保
昌平の3番手として登板し7回のピンチを凌いだ川久保

反撃ムードであった秀明栄光であったが、このムードにまたもや水を差してしまったのは守備であった。7回裏1死1塁から昌平の6番小林は強めのセカンドゴロというゲッツーコースの打球であったが、これをセカンド清水が後逸。2死2・3塁となってから昌平の8番山村にレフトオーバーの2点タイムリー3ベース(これもレフト捕れたのでは?という打球であった)が飛びして2点を追加され、秀明栄光は万事休す。8・9回と川久保が秀明栄光の攻撃を3人ずつで抑えて、昌平が9-3で勝利して、準々決勝進出を決めた。
20210430昌平 山村
7回に2点タイムリー3ベースを放ち、この試合3打点の活躍をみせた昌平の山村


20210430秀明栄光✕昌平
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


秀明英光のエース岩井は結局終わってみれば完投はしたものの9失点。ただチームの失策が5も記録されており、そのうち自責点は5のみ。さらに言ってしまえば、目測を誤ったフライなど記録に残っていないものも含めて、この9失点全てには守備の乱れが絡んでおり、正直まともな守備であれば、今日の昌平打線を1・2点に抑えられていたであろう。それほど強豪というわけではないチームに、今年はせっかくプロ注目の右腕がいるのだから、夏に向けて守備を鍛えて、上位進出を目指して欲しい。

秀明英光の岩井VS昌平の吉野という注目の対決は、4打数1安打1死球という結果であった。ただしこの1安打はレフトが目測を誤ったものであり、通常であればレフトフライという打球。そういう意味だと、吉野は事実上この試合ではレフトフライ4個であり、岩井に完全に抑えられたといえる。この試合の吉野は、特に岩井のスライダーにタイミングがあっておらず、むしろ全然あっていないのはきっちりレフトまで飛ばしているのはさすがともいえる内容であった。昌平の打線全体としても吉野同様に目の覚めるような当たりのヒットは少なく、相手の守備の乱れで勝ってしまった感があり、秋春と埼玉の連覇するためにはもう少し打線の調子もあげていきたいところだ。
20210430昌平 吉野
プロ注目の昌平の3番打者吉野


Pickup Player
川島新大 昌平2年 投手
~期待の元U15代表右腕が6回1失点の好投~
この試合で昌平の先発を任された2年生右腕の川島は、4回までパーフェクト、6回1失点ときっちりと結果を残した。

川島は中学時代には「BFA U15日本代表」(軟式の日本代表)にも選ばれ、上加世田(敦賀気比)・山下(福岡大大濠)らとともにプレーをした。昌平に進学すると、1年秋よりベンチ入りを果たし、埼玉大会決勝ではリリーフで登板すると5回2失点の好投で優勝投手となり、関東大会初戦の鎌倉学園戦では先発のマウンドに上がると4回1失点の好投をみせていた。この2年春は背番号11をつけており、秀明英光戦では先発のマウンドに上がった。

川島はバッターから見える腕が隠れるようなスリークウォーターのフォームの投手であり、ストレートのスピードは130㌔中盤ほどであるが、コントロールが非常にいい。この試合では特に右バッターのアウトコースに決まる球が素晴らしく、奪った三振5個のうち4個がこのアウトコースのストレートであった。このストレートが中心の投球であったが、小さく曲がるスライダー・カーブ・チェンジアップといった変化球も操っていた。その他にはランナーがいなくてもクイックを混ぜて、打者のタイミングを外したりと、器用な投手であった。

テンポもよく秀明英光打線を次々と打ち取っていき、何と4回まではパーフェクトピッチング。5回に初ヒットを許すものの、このランナーも素早い牽制でアウトにして、5回までは1安打無失点打者15人で抑える完璧な投球。6回には連打から1点を失うも、点差があったこともあり、余裕をもって6回3安打1失点という内容でマウンドを降りた。

U15日本代表経験者ということで、昌平ではエースとしても期待したい川島。この試合では翌日も連戦ということで、エース田村を温存する目的もあって先発を任されているが、このように結果を出していけば、夏には背番号1をつけている可能性は十分にあるだろう。

20210430昌平 川島
6回1失点の好投を見せた昌平の先発川島


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4月のU18日本代表を勝手に選んでみた

実は今年の4月には「第13回BFA U18アジア野球選手権」が開かれる予定だった。いつもでれば甲子園が終わって、9月初旬に開催されている大会であるが、昨年の8月→昨年の12月→今年の4月に延期となっていた。この大会を延期してでもやらなければいけないのは、今年の9月に開かれるU-18ワールドカップの予選を兼ねているからである。ただこのコロナの中で4月にも開催することができずに結局中止に…。U-18ワールドカップには前回大会の順位から、韓国・台湾・日本の3ヶ国が出場することとなった。

4月は各地区で春季大会が開かれているので、メンバーの派遣も難しいところであるが、代表監督である馬淵監督(明徳義塾)はセンバツで選手を視察し、4月中には合宿を実施して、大会に臨む予定であったと言われてる。

とうことで今回は、もし4月にU18アジア野球選手権が開かれていたら、こんなメンバーだったのでは?というのを勝手に予想してみます。

~投手~
木村大成(北海)
風間球打(明桜)
深沢鳳介(専大松戸)
石田隼都(東海大相模)
畔柳享丞(中京大中京)
達孝太(天理)
小園健太(市和歌山)

~捕手~
高木翔斗(県岐阜商)
松川虎生(市和歌山)
川上陸斗(福岡大大濠)

~内野手~
阪口樂(岐阜第一)
小澤周平(健大高崎)
有薗直輝(千葉学芸)
大塚瑠晏(東海大相模)
浜岡陸(花咲徳栄)

~外野手~
吉野創士(昌平)
池田陵真(大阪桐蔭)
前川右京(智弁学園)


<選考のポイント>
投手はセンバツでの実力者たちに加えて、153㌔右腕の風間(明桜)を選出してみた。非常に馬力のある投手で抑えを務めされると面白いと思う。世界大会とういことで変則枠ではセンバツの初戦で敗れたものの、中京大中京相手に2失点完投した深沢(専大松戸)を選出している。先発は小園(市和歌山)・畔柳(中京大中京)・達(天理)の3人に任せ、センバツMVPの石田はリリーフとして使いたい。前回大会では8人だった投手を、7人と1人減らしているが、これはいつも結局投手が余っていることに加え、阪口(岐阜第一)も投手として計算できるためである。
20210323市和歌山 小園
エースとして期待したい小園(市和歌山)


捕手は前回大会の2人より多い3人を選出。センバツで強肩の光った川上(福岡大大濠)を正捕手候補筆頭として、内野もこなせる松川(市和歌山)と、同じく打力のある高木(県岐阜商)はDHや代打としても期待したい。内野はファースト阪口、セカンド小澤(健大高崎)、サード有薗(千葉学芸)、ショート大塚(東海大相模)が基本線で、どこでもこなせる浜岡(花咲徳栄)が控える。松川はサードもこなせるし、打力のある捕手をファーストに回す手もある。外野手はスラッガータイプの3人を選んでおり、アンバランスなようにも見えるが、池田(大阪桐蔭)には1番打者として期待している。吉野(昌平)・前川(智弁学園)の2人は左右の打線の軸として期待している。また風間や阪口も場合によっては外野も守れる。
20210323大阪桐蔭 池田
大阪桐蔭では4番であるが、このチームでは1番としても期待したい池田


~予想オーダー~
1. ⑧池田
2. ④小澤
3. ⑨吉野
4. ⑦前川
5. D 松川
6. ③阪口
7. ⑤有薗
8. ②川上
9. ⑥大塚
P 小園

以上です。
まぁ個人の勝手な妄想ですが、いかがでしょうか?



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東海大相模×横浜商【春季神奈川大会】

4/24 春季神奈川大会準々決勝
東海大相模×横浜商 @サーティーフォー保土ヶ谷球場

試合経過

春季神奈川大会の準々決勝の最初のカードは、センバツを制した東海大相模と、慶応・横浜隼人といった強豪を破って勝ち上がってきた横浜商の対決となった。

相模は3回表、伊藤・仙庭とセンバツではベンチ外であった2人の連打で無死1・2塁とチャンスメイク。9番のピッチャー大森にはバントのサインが出るもこれを大森が空振り、飛び出してしまった2塁ランナーを刺そうと、キャッチャー齋藤から2塁へボールが送られ、もう戻れないと判断した伊藤はそのまま3塁へスタート。ただ横浜商のセカンド→サードへの送球が、ランナー伊藤に当たってしまい、ボールが転々とする間に伊藤がホームイン。さらにこの間に3塁まで進塁した仙庭は、2番綛田のセカンドゴロの間にホームインし、相模が2点を先制する。
20210424東海大相模 伊藤
先制点の起点となった東海大相模の伊藤

守備の乱れで2点を失った横浜商のエース山口であったが、慶応と横浜隼人から完投勝利をあげただけあってさすがという投球を展開。バッターから見ると腕が隠れるようなフォームから繰り出すストレートは力があり、変化球はスライダーに加えて、チェンジアップを決め球に使えており、相模打線に追加点を与えない素晴らしい投球をみせた。ただ横浜商打線も、相模の先発の大森の前に4回まで1安打8奪三振と沈黙してしまい、前半戦は相模が2-0とリードしたまま折り返すこととなる。
20210424横浜商 山口
横浜商のエース山口

横浜商は6回裏、5回からリリーフしていた相模の2番手求から、3番村岡・4番畠山が連打で1死1・3塁とチャンスを作る。5番松浦は求の変化球の前にバットが空を切ってしまったが、6番長野の初球がワイルドピッチとなり、横浜商が1-2と1点差に迫る。
20210424横浜商 村岡
横浜商は3番村岡のヒットからワイルドピッチで1点をあげた

突き放したい相模であったが、7回表には大塚が四球で出塁するも、エンドラン空振りで盗塁死。続く7番伊藤がセンターオーバーの3ベースを放つも、後続が続かずに無得点と、この試合は序盤からアグレッシブベースボールが裏目に出て追加点を奪えずにいた。ただ8回表に1死から2番綛田が山口のストレートを振り抜くと打球はライトスタンドに飛び込むソロホームランとなり、これまで苦戦していた相模があっけなく追加点をあげることとなった。
20210424東海大相模 綛田
貴重な追加点となるソロホームランを放った東海大相模の綛田

東海大相模は7回からは3番手として、センバツ決勝でも先発した石川が登板。7・8回と横浜商打線をノーヒット無失点に抑える好投をみせていた。ただ粘る横浜商は9回裏、先頭の5番松浦がヒットで出塁すると、四球と8番山口の内野安打で1死満塁尾のチャンスを作る。9番の途中出場浅井の打球はレフト後方を襲うも、レフト門馬がなんとかキャッチ(犠牲フライ)。なおも2死1・2塁でヒットが出れば同点、長打が出れば逆転サヨナラという場面で主将の1番土屋を迎えるも、最後は石川が粘って土屋から三振を奪いゲームセット。東海大相模が3-2で何とか勝利し、準決勝進出を決めた。
20210424東海大相模 石川
東海大相模の3番手石川は最後3イニングを1失点で凌いだ


20210424東海大相模×横浜商
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

センバツを制した東海大相模であるが、春夏連覇に向けて、この春季神奈川大会では新戦力の発掘に余念がないようであり、この試合のスタメンには、センバツではベンチに入っていなかった選手が4人も含まれた。まずはスーパー1年生として評判高かった山内が5番ファーストで出場。打席ではピッチャーゴロ→レフトフライ、守備でもファールフライを落球してしまい、6回の守備からは百瀬と交代と結果は残せなかったものの、スイングなどを見ていてもとても1年生とは思えない立ち振る舞いで、今後の活躍に期待したい。レギュラー争いの激戦区となっているセンター・ライトとして出場した仙庭と伊藤は、秋の関東大会ではベンチ入りをしていたもののセンバツではベンチ外であった。仙庭・伊藤はともに2安打の活躍であり、3回に2得点の起点ともなっており、伊藤はライトの守備位置取りなども抜群でレギュラー獲得に向けていいアピールができたといえる。先発した大森も4回無失点の好投ということで、ますます選手層が厚くなっているという印象を受けた。
20210424東海大相模 山内
5番ファーストでスタメン出場した東海大相模の1年生山内

敗れた横浜商であるが、非常に充実した春季大会であったのではないだろうか?慶応・横浜隼人という強豪を撃破し、この準々決勝では、エース石田の登板はなかったとはいえ、センバツ王者相手に最終回はあと1歩まで迫るなど大健闘した。その立役者は何といっても、笹川(ソフトバンク)からエースナンバーを受け継いだ山口であり、この試合でも東海大相模相手に3失点(自責点1)で完投してみせた。夏には間違いなく他校にマークされる存在となってしまったので、そこでどう真価を遂げていくか注目である。


Pickup Player
大森幹大 東海大相模3年 投手
~~
こちらもセンバツではベンチ外であった東海大相模の先発の大森が。4回1安打8奪三振無失点と好投をみせた。

大森は力のあるストレートが武器の右腕として、東海大相模では2年秋から背番号10をつけ、神奈川大会決勝の鎌倉学園戦では先発して6回無失点の好投、関東大会の石橋戦でもリリーフとしてマウンドに上がるなど、エース石田に次ぐ2番手投手として活躍していた。センバツでも背番号10で予備登録されていたものの、直前のメンバー変更によりベンチ外に…。代わりに登録された石川や求といった投手の活躍もあり、チームはセンバツを制覇した。

春季神奈川大会では、ベンチ入りが25人ということもあり、大森は背番号19をつけている。初戦の平塚学園戦でも先発のマウンドに上がったものの、3回4失点と結果を残せずにチームは延長戦までもつれる大接戦を演じることになってしまったが、この準々決勝でも先発は大森ということでリベンジの機会がやってきた。

この試合の大森は持ち前のストレート中心の投球。変化球はカットボールとスライダーを投げていたものの、スライダーは思うようにストライクがとれずに、ストレート系の球がほとんどの投球となってしまった。それでも3回には3者連続三振を奪うなど奪三振率は高く、2回以降はランナーを許すものの、なかなか横浜商は得点することができない。大森は5回の打席で代打を送られてしまい降板することになるもの、4回を投げて1安打8奪三振無失点、外野に1球も打球を飛ばされないという好投をみせた。

大森の今大会の背番号19は、メンバーが18人になる選手権大会ではまだ選外という見方もでき、石川・求といった同タイプのライバル投手も多い。そんな中でこの試合のピッチングは非常にいいアピールになったと思う。初戦で結果を残せなかったにも関わらず、門馬監督がこの準々決勝の先発に抜擢したのも期待の現れだろう。春はスタンドで見守った甲子園制覇を、夏はグランドで見れるように大森のアピールは続いていくことでしょう。

20210424東海大相模 大森
4回を1安打8奪三振無失点に抑えた東海大相模の先発大森


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東洋大×中央大【東都大学野球連盟】

4/21 東都学生野球連盟 第4週2日目
東洋大×中央大 @神宮球場

試合経過

東都学生野球連盟は今シーズンは月・金という試合が多い中、この週は初めて火・水と連戦となった。月・金であればエースが2試合とも先発できるが、連戦となるとそうもいかずに2人目の先発が必要となってくる。こういう状況に中央大は、前日の試合で1回無失点と好リリーフをみせた沢田がリーグ戦初先発、東洋大はそもそも連戦でなくても細野と松澤と2人の先発投手を起用しており、前日には松澤が先発したことから、この試合では細野が先発のマウンドに上がった。
20210421中央大 澤田
リーグ戦初先発のマウンドに上がった中央大の沢田

リーグ戦初先発の沢田に対して、東洋大は3回表、先頭の9番加藤響がレフト線への2ベースで出塁すると、続く1番松本はバントの構えからバスターに切り替えると、ライナー性の打球はサードの頭上を越えて、レフト線へのタイムリー2ベースとなって東洋大が先制する。さらに2番瀬川も素直には送らずに、ライト前ヒットで続いて無死1・3塁とチャンスを広げたところで、中央大は沢田→石田裕に投手をスイッチする。石田裕は3番佐々木に四球を与えてしまい、無死満塁とさらにピンチを広げてしまうが、4番小口をサードゴロホームゲッツーに仕留めると、5番木村もサードゴロに打ち取って、中央大はこの回を最少失点で切り抜ける。
20210424東洋大 加藤響
先制点の起点となる2ベースを放つ東洋大のルーキー加藤響

東洋大の先発の細野は初回、2番石井から149㌔のストレートで三振を奪うなどエンジン全開。3回には1死から9番宮井にヒットを浴びるも、この宮井を1塁牽制で刺すと、続く1番中川に死球を与えるも、この中川も1塁牽制で刺すなど得意の牽制も光り、中央大はランナーをなかなか進めることができずに、細野の前に0行進が続いていく。

ただ中央大の2番手の石田裕もストレートはMax141㌔とまりもコントロールが抜群であり、スライダー・カーブ・フォークといった変化球も交えて東洋大打線を4回以降も打ち取っていく。結局石田裕は3回のピンチから7回までの5イニングを無失点で抑える好投をみせて、試合は東洋大が1-0とリードしたまま終盤に突入する。
20210421中央大 石田裕
5回無失点の好リリーフをみせた中央大の2番手石田裕

4回~7回まで細野の前にヒットすら出せずにいた中央大だが8回裏、この回の先頭に代打北村を起用すると、北村がレフト前に弾き返して出塁し、代走にはオコエら俊足選手を毎年輩出している関東一でもNo1(と関東一の米澤監督)が評した齋藤を起用する。しかしここまで3度牽制に刺されていることもあり、齋藤のリードは小さく、続く中田には送りバントのサインを出すも、細野のストレートの前にバント失敗の三振。さらにリードはそれほぼ大きくもなかった齋藤までも、細野は1塁牽制で刺してしまい、中央大は久しぶりのチャンスを逃す。

細野のために追加点をあげたい東洋大打線は9回表、先頭の代打宮本がヒットで出塁。続く橋本吏の送りバントを、ピッチャーが1塁へ送球するもベースカバーに入ったセカンドと戻ったファーストか被りどちらも獲れずに、無死2・3塁というピンチを迎える。ただここで中央大3番手の大栄は、8番廣岡をサードゴロに打ち取ると、3本間で挟まれた宮本はアウト、この間に一気に2塁を狙ったバッターランナーの廣岡もアウトとなるダブルプレー。最後は加藤響を打ち取って、中央大投手陣も粘りの投球で9回まで東洋大打線を1点に抑えた。

ただ9回裏の中央大の攻撃も、9回になっても148㌔をマークするなど衰えない細野の投球の前に、中川・石井の1・2番が連続三振で2死。ただここから3番古賀がこの試合3個目の四球を選ぶと、4番森下は死球で2死1・2塁という長打が出れば一気にサヨナラというチャンスを作る。ここで今シーズン好調の5番高橋隆を迎えるも、最後は細野がインコース低めのストレートでこの試合14個目の三振を奪ってゲームセット。東洋大が3回にあげた1点を、細野が完封で守り切り、1-0で勝利した。
20210424東洋大 バッテリー
完封勝利をあげてハイタッチの東洋大バッテリー


20210421東洋大×中央大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


細野の155球にも及ぶ力投で勝利した東洋大であるが、これは東洋大としては想定外であったようだ。細野は昨年はケガなどをしていたこともあって、杉本監督としては徐々にイニングを増やしていくとの方針もあり、今季はこれまで先発した2試合とも1失点と好投していたものの、6回や7回で降板していた。この日も杉本監督は同じくらいで代えることを想定していたようだが、細野の投球内容が良すぎたことと、1-0というスコアで膠着していたことから、なかなか代えづらかったようであり、そのまま完封してしまった。そして今日の試合で2番手として予定されており、ずっとブルペンで投球練習をしていたのが、背番号35を付けた1年生の岩崎であった。2年夏の甲子園では準決勝では明石商から1失点完投勝利、決勝では星稜相手に好リリーフをみせて優勝投手となると、昨年の甲子園交流試合でも2年夏の決勝で破った星稜を返り討ちにする1失点完投勝利をあげた右腕の神宮デビューは残念ながらお預けとなってしまったが、細野がここまで投げてくれたことは東洋大にとっては嬉しい誤算であろう。
20210424東洋大 岩崎
ブルペンでずっと準備をしていた東洋大の岩崎

完封敗けを喫してしまった中央大打線であるが、その中で存在感を現したのは、今年のドラフト候補の中でNo1捕手との呼び声が高い古賀であった。福岡大大濠では高校通算52発の打棒も、中央大で昨年までリーグ戦通算打率.214であった古賀だが、ドラフト嫌イヤーとなる今年はついに打撃でも本領発揮。今年は3番を務め、打率は(この試合終了時で)リーグトップの.429、ホームランもすでに3本放っている。この試合では1打席目で細野のカットボールを綺麗にセンターに弾き返すと、2打席目以降は完全に警戒されていたようで、そこから3打席連続四球となってしまった。細野VS古賀という視点でみれば、古賀の完全勝利という形であり、ドラフトに向けて打撃の向上は大きなプラスであり、ドラフト1位も十分にあり得るところまで来たといえるだろう。
20210421中央大 古賀
4打席全てで出塁し、中央大打線で唯一細野に勝ったといえる古賀


Pickup Player
細野晴希 東洋大2年 投手
~圧倒的な14奪三振完封勝利~
東洋大の細野が、リーグ戦初勝利を14奪三振完封という圧巻の内容で手に入れた。

細野は東亜学園高の出身で、2年秋にはエースとして東京4強入りを果たすと、冬には東京選抜のメンバーとしてキューバ遠征に参加。3年春にはU18日本代表の1次候補メンバーにも選出(ただし合宿は春季東京大会と被り不参加)された。ただ当時はスピードというよりは、ノビのあるボールを投げる左腕という印象であった。東洋大に進学すると、1年目はケガなどの影響もあり、リーグ戦の登板はリリーフ3試合の計3イニングのみであったが、2年生となった今年はチームの開幕投手を務めた。この開幕の青学戦では7回途中1失点、立正大との2回戦では6回途中1失点と好投をみせていたものの、未だに勝利はなかった。

この試合でも先発マウンドに上がった細野は初回からエンジン全開。足を高く上げて、ぶらりと大きく振るフォームから繰り出すストレートは威力十分で、2番石井からはこの試合最速の149㌔で三振を奪うなど、初回はアウト3個すべてが三振であった。変化球はスライダーを中心に、カットボール・SFFといった130㌔中盤の変化球や、110㌔台のカーブなども時おり混ぜるなどスピードに変化がつけらえていた。四球などでランナーを出すものの、「足を上げてから、相手の動きを見て放れるらしい。僕らとは次元が違う、天性のうまさなので、ほかのチームはリードしない方がいいです」と杉本監督が評した必殺の1塁牽制で、3回には出した走者を2回も刺してみせており、中央大はなかなか得点圏にランナーを進めることができなかった(7回までで1回のみ)。中盤以降はスライダーを多めに使って打たせていくピッチングを展開し、気づけば4~7回は中央大打線はノーヒットという状態であった。

終盤の8回になると、ラストスパートをかけたのか、またピッチングに勢いがでてきて三振が増え、8・9回のアウトは1塁牽制と三振のみという、(いい意味で)まさに1人相撲。リーグ戦ではこれまで完投の経験などなく、スタミナも不安視されたが、9回にも148㌔をマークするなど最後まで勢いは衰えることなく、9回14奪三振無失点で投げ切って、リーグ戦初勝利をあげた。ちなみにこの試合で細野が刺した1塁牽制は4つ(中央大が出したランナーの半分)であった。

まだ2年生になったばかりの細野。それでも高校時代から比べると球威は格段に上がっており、この試合を見た同じ左腕のDeNAの吉見スカウトは「(細野ことを)今すぐにでも欲しい」と賞賛した。今日の内容は出来すぎにしても、149㌔左腕ということであればドラフトの注目選手となることは間違いなく、順調にいけば2年後のドラフトの目玉となることだろう。

20210424東洋大 細野
14奪三振完封でリーグ戦初勝利をあげた東洋大の細野


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星槎国際湘南✕横浜【春季神奈川大会】

春季神奈川大会4回戦
星槎国際湘南✕横浜 @バッティングパレス相石ひらつかスタジアム

試合経過

横浜は1回裏、1死から2番玉城がライトオーバーの2ベースで出塁すると、四球と進塁打で2死2・3塁のチャンスを作って5番宮田を迎える。宮田はカウント2B1Sからの変化球を捉えると、打球はライトオーバーの3ベースとなり、先発投手の宮田が自らのバットで2点の援護をあげる。

星槎国際湘南の先発は、2年夏には桐光学園を完封した実績をもつエース小林。体を傾けてスリークウォーター気味から投げ込んでくる独特なフォームの右腕は、通常のストレートと動くストレート(2シーム?)にスライダーを交えた投球を披露。2回の横浜の攻撃は3人で抑えるなどテンポのよい投球をみせたものの、生命線である左バッターのアウトコースのストレートでなかなかストライクを取ってもらえなかったこともあり、以降は苦しい投球となってしまった。
20210418星槎国際湘南 小林
星槎国際湘南の先発の小林

3回裏、横浜は先頭の主将安達が気迫のヘッドスライディングでファーストゴロを内野安打とすると、3番金井がヒットで繋ぎ、またもや2死2・3塁という場面で5番宮田を迎える。初回に同じ場面で打たれていたことと、1塁が空いていたこともあり、星槎バッテリーは宮田を歩かせて、6番岸本との勝負を選択。ただ岸本は初球のストレートを引っ張ると、打球はライトポール際に飛び込む満塁ホームランとなり、横浜がリードを6-0に広げる。
20210418横浜 岸本
満塁ホームランを放つ横浜の岸本

横浜は4回裏にも、先頭の9番笹田がヒットで出塁すると、安達が送って、2番玉城のタイムリーで追加点。さらにここから3番金井は右中間を破るタイムリー3ベースを放って小林をKOすると、代わった松丸からも4番立花が左中間にタイムリー2ベースを放ち、この回3点を追加してリードを9点に広げる。
20210418横浜 立花
左中間にタイムリー2ベースを放った横浜の4番立花

横浜の先発は背番号5の右腕宮田。腕をコンパクトに振り抜く綺麗なフォームの右腕で、ストレートには力があり、何といってもコントロールがいい。スライダーやカーブといった変化球も交えて、とにかくストライク先行で星槎打線を打ち取っていき、5回まで1安打を許したのみの、準パーフェクト投球をみせる。
20210418横浜 宮田1
5回まで1安打無失点の素晴らしい投球をみせた横浜の先発宮田

横浜は5回裏に、この回先頭の9番笹田がレフトスタンドにホームランで10点目。これで5回で10点差以上というコールドの条件を満たすこととなりゲームセット。横浜が10ー0(5回コールド)で星槎国際湘南を下して、準々決勝進出を決めた。


20210418星槎国際湘南✕横浜
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


横浜の注目といえば、なんといっても148㌔左腕のエース金井。この試合では3番レフトとしてスタメン出場し、①四球②センター前ヒット③右中間へのタイムリー3ベースと中軸としての役割をしっかりと果たした。盗塁も決めるなど走攻守においてレベルが高く、1年夏の神奈川大会からライトでスタメン出場していただけあって、野手としてもプロ注目レベルにある。気になるのは投手としての金井だ。秋には東海大相模戦で先発登板するも、左肘の違和感で1死もとれずに降板。それ以来登板んしたというニュースもなく、今大会も投げられないのか温存しているのかはまだ分からない状態だ。
20210418横浜 金井
この試合では3番レフトとして活躍した横浜のエース金井

ただ秋には金井が降板するとそのまま失点を重ねて東海大相模にコールド負けしてしまったように、金井頼みであった投手陣は、順調に強化できているといえる。前日には背番号11の山田が好投しているし、この試合でもこれまではサードを守っていた宮田が5回1安打無失点と素晴らしい投球。宮田は中本牧シニア時代から4番エースとして注目されており、横浜では野手に専念していたのか投手としての情報なかったものの、この投手がいれば東海大相模相手にコールド敗けすることもなかっただろうというレベルの素晴らしい投手であった。

センバツを制したライバル東海大相模に対して、横浜は暴力沙汰からの監督交代などを経て、なかなか成績が残せておらず、現在の3年生は甲子園はおろか関東大会も経験できていない。ただそれでも有力選手が集まっているのが横浜のこれまでの功績であり、現チームでも安達・金井・立花といった選手はプロ注といえるし、選手のレベルでいえば東海大相模にも引けを取らない。村田新監督の指導も浸透してきたようで、主将の安達が1塁へヘッドスライディングをしたり、ベンチの中でも全員が並んで声を出していたりとチームとしての必死さもいい意味で出てきている。夏には東海大相模を破って甲子園という可能性も十分にあるチームであり、対決が楽しみである。


Pickup Player
笹田聡也 横浜3年 サードorショート
~1年からベンチ入りの苦労人がを終わらせるサヨナラホームラン~
試合を終わらせたのは、横浜の背番号14笹田のホームランであった。

笹田は守備力の高い内野手で、安達・金井・立花らとともに1年夏から背番号16の控えショートとしてベンチ入り。1個上にショートとして津田(現:三菱East)がいたために、なかなかレギュラー獲得とはならなかった。津田が卒業した2年秋には満を持して…と思われたがレギュラー獲得ならず。東海大相模戦ではライトでスタメン出場するも、先発の金井がすぐに降板してライトに回ると、笹田は1打席も回らないままベンチに下がることとなった。

この春も笹田の背番号は14で、本職と思われるショートにはスーパー1年生の緒方が入学早々ポジションを掴んでいた。1年夏からベンチ入りはしているものの、横浜の選手層だけあって次々に出てくるライバルに対して、苦労の連続といったところであろうか。2回戦・3回戦と本職サードの宮田がリリーフ登板する際には、笹田がサードの守備に就いており、宮田が先発するこの試合では9番サードでスタメン出場を果たした。

まず笹田が魅せたのはサード守備で、3回1死1塁の場面で前のサードゴロを前進してショートバウンドでグラブにうまく収めると、体制を崩しながらジャンピングスローに近いような形で2塁へストライク送球をしてみせた。バッティングでは1打席目こそピッチャーゴロに倒れるも、4回の先頭打者として迎えた第2打席ではセンター前ヒットを放ち、この笹田のヒットを起点に、横浜はこの回3得点を追加した。そして9-0とリードして迎えた5回裏にも先頭打者として打席に立つと、カウント1B1Sからの松丸の変化球を捉えると打球はレフトフェンスを越える(コールド勝ちを決める)サヨナラホームランとなった。

タイプ的にはホームランバッターでないので、1塁側スタンドからは驚きの声が上がったが、9番を打つ背番号14の打者がスタンドに放り込んでしまうとはさすがの横浜の選手層である。笹田は内野守備に秀でていて、外野も守れ、ホームランも打てる打力があるということで、こういう選手が控えにいるのは非常に心強いことだろう。ただ1年夏から横浜のベンチ入りを果たした逸材であり、期待されているところは心強い控えではないと思う。是非この試合のような活躍を続けて、レギュラー獲得をして欲しいところである。
20210418横浜 笹田
コールドを決めるサヨナラホームランを放った横浜の笹田


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センバツでドラフト戦線はこう変わった【野手編】

センバツ高校野球大会はやはり注目度が高いだけあって、そこでの活躍はドラフト候補にとっては重要です。大会で活躍して評価をあげた選手もいれば、逆に下げた選手もいる。あるいはこれまで注目されていなかったのに一躍ドラフト候補に躍り出た選手もいました。そんなセンバツの結果で、ドラフトの地位が変わった選手を紹介していきたいと思います。
※あくまで個人的見解です

評価急上昇↑
今大会でスカウトの評価が急上昇したと思われるのは、2人のキャッチャーだ。

今大会でキャッチャーとしてのスローイングがNo1であったのが川上。初戦の大崎戦では1点差に迫られた後の2死2塁のピンチで牽制で2塁ランナーを刺してみせると、続く具志川商戦では盗塁を3個も刺して見せた。エース毛利を好リードでも盛り立て、チームメイトの永井の父である、ソフトバンクの永井スカウト部長からは野球勘の良さも評価された。打撃でも具志川商戦で2本タイムリーを放っている。福岡大大濠の4番捕手を務めているだけあって、もともとドラフト候補にはノミネートされていただろうが、このセンバツを通して、高校生捕手としてはトップクラスとなったといえる。
20210322福岡大大濠 川上

守備で存在感を現したキャッチャーが川上であれば、打撃面で存在感を現したキャッチャーが松川。100㎏近い体格であるが、足を大きくあげても、下半身がしっかりしているのでぶれない、渡部(西武)を彷彿とするようなスイングである。県岐阜商戦ではライト線に長打を打つなど広角に打つこともでき、1発こそ出なかったものの、センバツでは2試合ともマルチヒットを記録した。中学時代からバッテリーを組んでいる小園をうまくリードした面と、肩力も捕手として十分な評価であるが、打撃を生かす意味でも内野手としても評価できる。
20210323市和歌山 松川


評判通りの素晴らしい活躍

もともと守備は今世代でもNo1と言われていた東海大相模の大塚は、シートノックのときから甲子園を湧かせた。とにかく大塚の守備はスピードが速く、守備範囲の話もさることながら、捕ってから送球までの動作が早く、「守備で飯を食っていける選手」であることをスカウトは改めて感じたのではないだろうか?打撃面でも初戦の東海大甲府戦では延長線で決勝タイムリーを放っており、急性胃腸炎で離脱してしまい、主将としてセンバツ制覇の瞬間を共にできなかったことは残念であった。
20210320東海大甲府 大塚

県岐阜商の高木も、初戦で敗れてしまったので評価しづらいところはあるが、1打席目には小園のスライダーを捉えて三遊間を破るヒットを放ち、最終打席では敬遠されてしまい、1安打止まり。野崎・松野の2枚看板をリードして9回まで市和歌山打線を1点に抑え、セカンド送球も目を見張るものがあった。同タイプの松川にはやや差をつけられてしまったが、ドラフト上位候補の大型捕手という肩書はキープできただろう。
20210323県岐阜商 高木

大阪桐蔭の4番を務めた池田は、最初の2打席は智弁学園の西村の前に完璧に抑えられしまったものの、そこからセンター前ヒットを2本を放つと、最終打席でもライト線へうまく流し打って3ベースを放った。チームは初戦で敗れてしまったものの、個人としてはしっかりと結果を残したといえる。さらにセンター守備で見せた強肩や、その走塁もレベルが高かった。身長が172㎝と小柄であるが、走攻守揃った1番打者として評価するのであれば、十分に指名はあり得るだろう。
20210323大阪桐蔭 池田


残念ながら評価Down↓

前評判でいえば今大会No1スラッガーと言われていたのは智弁学園の前川だ。ただその評判もあってか、初戦では3四球となかなか勝負してもらえずにノーヒット。2回戦の広島新庄戦では2安打を放ったものの、いずれもいい当たりとは言えないもので、3回戦の明豊戦でもノーヒットであった。打撃の話なので、たまたま調子が悪かったというだけの話かもしれないが、センバツの結果からいえば評価は下がってしまったと思われる。
20210323智弁学園 前川


一躍ドラフト候補に急上昇
今年のセンバツで掘り出し物だと思ったのは、前田(三島南)と新川(具志川商)21世紀枠で出場したチームにいた2人の選手だ。

シートノックでセンターからの見事なダイレクトスローで度肝を抜いたのが三島南の前田。センバツでは3番センターとして出場すると、鳥取城北戦では持ち前の長打力で右方向に大飛球を放ち、また181cm89kgながら50㍍6.2秒という走力を生かして3ベースにしてみせた。マウンドに上がるとまだ粗削りながら143㌔をマーク。走攻守揃った大型外野手として一躍ドラフト候補として名乗りをあげたようで、三島南には早くも9球団から視察の申し入れがあったようだ。
20210320三島南 前田

具志川商のエース新川は、投げても144㌔をマークする右腕であるが、個人的には野手としての可能性を感じた。打っても3番or4番打者として、福岡大大濠戦では初回にホームランを放っており、マウンドを降りた後はサードorショートの守備に就き、こちらでも馬力のあるいい守備をみせていた。現段階ではまだまだというところもあるが、本格的に野手として育てれば面白いと思ったスカウトも何人かいるはずだ。
20210322具志川商 新川


以上です。
今年は投手に比べて、野手は不作だと言われていますが、センバツでは面白い選手も見れました。コロナで実践が不足していたこともあり、今後は夏に向けて、その打力を発揮してくる選手も多いと思うので、今後が楽しみです。


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八王子×東海大菅生【春季東京大会】

4/17 春季東京大会準々決勝
八王子×東海大菅生 @ダイワハウススタジアム八王子

試合経過
八王子は羽田、東海大菅生は本田とともにプロ注目の左腕エースを抱えながらも、状態は万全でなく、この春季大会では両投手の先発はない。この準々決勝でも、八王子は2年生右腕の星野、東海大菅生は3年生左腕の櫻井とともに背番号10の投手が先発のマウンドに上がった。

ともに両チームとも無得点で迎えた3回裏、菅生はこの回先頭の8番福原が三遊間を破るヒットで出塁すると、1番榮のファーストゴロの間に進塁して、2死2塁とチャンスを作る。ここで迎えた2番小山は二遊間を破るヒットを放ち、俊足の福原がホームインして菅生が先制。さらに千田のレフト線への2ベースと四球で2死満塁とすると、5番鈴木悠の2球目パスボールとなって菅生が2点目をあげる。
20210417東海大菅生 福原
先制点の起点となるなど、この試合では3安打を放った東海大菅生の福原

5回裏、菅生は先頭の榮が四球で出塁したところで、八王子は星野→背番号11の左腕館野にスイッチ。ただ館野に対して、菅生は2番小山が送って。3番千田・4番堀町の連打で1点を追加する。結果的に5回途中3失点(自責点2)で降板となってしまった八王子の先発星野であったが、雨の中にも関わらずストレートは141㌔をマーク。腕の振りはしなやかでフォームも綺麗であり、2種類のスライダーもなかなかの代物であって、来年は東京を代表する投手になることだろう。
20210417八王子 星野
八王子先発の2年生右腕の星野

さらに6回にも先頭の福原がセンター前ヒットで出塁すると、パスボールの間に一気に3塁まで進み、代打岩井の犠牲フライで追加点をあげ、4-0とリードを広げた。3回・6回とともにパスボールが失点に絡んでいたいた八王子は、安藤監督が7回裏から捕手を佐用に交代。ただ菅生は7回裏、先頭の小山がこの試合3本目となるヒットで出塁すると、小山に盗塁を許し、さらに佐用もパスボールをしてしまったところで、再びキャッチャーを蓑原に交代と散々な状況。菅生は4番堀町が犠牲フライを放ち、5点目をあげる。
20210417八王子 蓑原
パスボール連発に急遽3番手捕手として出場した八王子の蓑原

菅生の先発の櫻井は、センバツで背番号10でベンチ入りも登板機会がなかったが、この春季東京大会では2回戦で東京成徳大高を完封している。ストレートはMax132㌔であったが、110㌔中盤~後半の小さく曲がるスライダーをコントロールよく操っており、左打者の多い八王子打線には有効であった。3回には満塁のピンチを背負うものの、それ以外は非常に安定した投球で八王子打線を6回まで散発の4安打無失点に抑える好投をみせる。
20210417東海大菅生 櫻井
6回無失点の好投をみせた東海大菅生の先発櫻井

菅生は7回から2年生右腕の鈴木泰が登板。センバツでは2試合に先発するなど、本田のいない今大会では菅生のエースいえる存在である。来年のドラフト候補ともいわれる186㎝右腕は、リリーフということもあり自己最速を更新する142㌔をマークし、スライダー・カーブといった変化球もよく曲がっていた。ランナーは出したものの、3イニングをなげて9個のアウトのうち7個を三振で奪うという快投をみせて試合を締めた。東海大菅生が5-0で勝利し、準決勝進出を決めた。
20210417東海大菅生 鈴木泰
終盤3イニングを7奪三振無失点に抑えた東海大菅生の鈴木泰


20210417八王子×東海大菅生
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

八王子の注目は何といってもプロ注目の191㎝左腕の羽田であった。秋の肘痛の影響で今大会では1回戦と3回戦で1イニングのリリーフのみと限定的な登板であったが、3回戦では自己最速を更新する149㌔をマークしていた。この試合でも短いイニングなら…という期待もあったが、雨の降りしきる劣悪な環境であったこと、相手が夏の西東京大会の最大の敵となる東海大菅生であったことから登板は回避したようだった。

それでも上述した通りに2番手の星野は、来年は鈴木泰とともに東京を代表するのではないか?というほどの右腕。2番手の左腕館野はMax133㌔のストレートとスライダーでテンポのいい投球をみせ、3番手の右腕渡邉もMax136㌔のストレートにフォークを操る好右腕であり、投手陣の層は厚いと感じた。この試合でもパスボール3個が全て得点に絡んだこともあり、センバツ8強の東海大菅生相手に自責点でいえば2のみ。夏もこの3人がしっかりと投げて、勝負所の試合に羽田が万全の状態でいけば、東海大菅生をはじめとした西東京の超強豪を破ることも十分にあり得るだろう。
20210417八王子 安藤健
この試合でも3安打と八王子打線で1番頼りになる安藤健

完封敗けを喫してしまった八王子打線であったが、その中でも存在感を発揮したのが安藤監督の次男である2番の安藤健。この試合でも巧みなバットコントロールで、ライト・レフト・センターと打ち分けて3安打をマークしており、八王子打線の中でもっとも頼りになるバッターである。ただこの試合では、八王子は全てのイニングにおいて先頭バッターが出塁できておらず、安藤には初回は1死ランナー無しだが、それ以外は全て2死ランナー無しという場面で打順が回っている。そんな巡り合わせの悪さも重なって、完封敗けを喫してしまった。

勝利した東海大菅生は、非常にいい春季大会を過ごせている。春季大会は勝つことはもちろん、夏に向けての新戦力や新しい布陣を試す場でもある。そういう意味ではエース本田が登板できない状況において、鈴木泰はエース格としてチームもベスト4にまで導いているし、先発の櫻井は6回無失点と新戦力も台頭してきた。守備ではセカンド堀町、ショート小山という新二遊間が誕生し、これによりセンバツでは逆転サヨナラタイムリー2ベースを放った多井などの打力のある選手をファーストに置くことができている。新しいことを試し、それがうまくいって、勝っているということで理想の春季大会を過ごしているともいえるだろう。


Pickup Player
小山凌暉 東海大菅生2年 ショート
~先制打を含む3安打の活躍~
今大会から東海大菅生の2番を打つ2年生の小山が、先制タイムリーを含む3安打で勝利に貢献した。

小山は愛知木曽川シニアでは捕手、さらには投手としてジャイアンツカップ8強入りを果たすと、兄の小山翔暉(亜細亜大)と同じく東海大菅生に進学した。1年秋には背番号15でベンチ入りを果たし、主将の榮が負傷離脱したこともあり、ライトのレギュラーを獲得。すると持ち前の打撃で、打率.519、チームトップの15打点をあげる活躍をみせ、準決勝からは3番も務めた。榮の復帰もあり、2年春のセンバツではセカンドとして出場。ただ初戦の聖カタリナ戦、続く京都国際戦でともにノーヒットに終わると、準々決勝の中京大中京戦ではスタメンを外れるという苦渋も味わった。

この春季大会でも小山の背番号は4であるが、ポジションはショート。中学時代はキャッチャーがメインであったが、東海大菅生では同期にU15日本代表の正捕手だった福原がいるために、外野→セカンドと転々としているが、肩力・走力と能力は高いために、来年のことも考えて小山がショートに守備の要として君臨できれば非常に面白い。

バッティング面では2番打者として出場した小山は、1打席目ではお手本のような流し打ちで三遊間を破るヒット。そして2死2塁で迎えた3回の第2打席では、今度はセカンドの横を抜くセンター前ヒット(先制タイムリー)を放った。3打席目では2番バッターらしく送りバントを決めてみせた。7回の先頭打者として回ってきた第4打席でも、うまくレフト前に落とすヒットを放つと、2盗を決めるなどして5点目のホームを踏んだ。結局この試合では3打数3安打1打点2得点1盗塁という活躍で、勝利に大きく貢献した。

このようにバッティング技術があり、走力も守備力もあり、様々なポジションもこなせるという万能プレイヤーになりつつある小山。今年ももちろんだであるが、菅生としては鈴木泰・福原とともに来年も常勝チームを継続させるべく、中心選手として期待したい選手である。
20210417東海大菅生 小山
先制タイムリーを含む3打数3安打の活躍をみせた東海大菅生の小山



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センバツでドラフト戦線はこう変わった【投手編】

センバツ高校野球大会はやはり注目度が高いだけあって、そこでの活躍はドラフト候補にとっては重要です。大会で活躍して評価をあげた選手もいれば、逆に下げた選手もいる。あるいはこれまで注目されていなかったのに一躍ドラフト候補に躍り出た選手もいました。そんなセンバツの結果で、ドラフトの地位が変わった選手を紹介していきたいと思います。
※あくまで個人的見解です

評価急上昇↑
ドラフト候補の中で1番評価をあげたといえるのは、石田(東海大相模)と達(天理)の2人である。

石田はもともと2年夏の時点で東海大相模のエースであったように、いい投手であることは間違いなかったが、ドラフト上位候補というほど突出した能力をもっている投手ではなかった。ただセンバツでは初戦の東海大甲府戦でリリーフ登板すると、自己最速を更新する146㌔をマークし、チェンジアップの質もかなり向上していた。大会通じて5試合で29回1/3をなげて失点0という成績は、ここまで突出した成績を残されると、スカウトも問答無用で高い評価をせざるを得ないというほどのものであった。
20210320東海大相模 石田

達はもともと193㎝の大型右腕として注目されており、素質を評価されているところも多かったが、今大会では初戦で宮崎商から1失点完投勝利をあげると、2回戦では強打の健大高崎から完封勝利。大型右腕というだけでなく、フォークなどの変化球を器用に操り、しっかりとゲームを作れることを証明しつつも、自己最速を更新する148㌔をマークするなど、まだまだ伸びしろもありそうだとアピールした。準決勝では登板を回避したが、その際に「投げられない状態ではなかったが、メジャーリーガーという目標があるので故障したら意味がない」と言い切ったあたりもスカウトからは好感が持てるものであったのではないだろうか?
20210320天理 達


評判通りの素晴らしい活躍
小園(市和歌山)、畔柳(中京大中京)、木村(北海)といった、昨秋の大会で素晴らしい投球をみせてドラフト上位候補とみられていた投手も、今大会でその評価が適切であるということを証明した。

まず今大会No1との呼び声が高かった小園は、ストレートこそ自己最速の152㌔には及ばない147㌔がMaxだったものの、スライダー・カットボール・カーブ・チェンジアップ・フォーク・2シームといった多彩な変化球が光り、打者を見ながら様々なパターンの投球ができる器用さを見せつけた。初戦の県岐阜商戦では完封勝利をあげ、リリーフとして登板した明豊戦でも決勝打は浴びたものの5回1失点の好投。今大会No1という評判は決して、間違っていなかったといえる。
20210323市和歌山 小園

今大会最速の149㌔をマークした畔柳は、スピードもさることながら、そのストレートは則本のように低い位置から伸びあがるような質のいいものであった。初戦で専大松戸から完封勝利をあげると、常総学院戦では7回1支店、東海大菅生戦でも完封勝利をああげるなど、計27回1/3を投げて失点は1のみという圧倒的な成績。準決勝では「右腕に力が入らない」と降板したのは残念であったが、スカウトから見れば十分な活躍。ここのところ3年連続で地元の高校生をドラフト1位で指名している中日から見れば、4年連続がかなり眼中に入ってきたというところであろう。

開幕戦で惜しくも敗れてしまったが、北海の木村も秋の防御率0.32という前評判に違わない投球をみせた。スリークウォーターからクロスファイヤー気味に放たれるストレートはMax145㌔をマークし、それと得意のスライダーというほぼ2種類だけでの投球。神戸国際大付打線を4回までノーヒットに抑え、終盤は2点を失い同点に追いつかれたものの、それはポテンヒットと本盗とういことであまり打たれてはおらず、十分に評価できる内容であった。
20210319北海 木村


残念ながら評価Down↓

大阪桐蔭の松浦、関戸の2枚看板は評価が下がる結果となってしまった。まず松浦は智弁学園戦で初回に四球も絡んで満塁のピンチを背負うと4失点、2回以降は何とか立て直したものの、150㌔越えと言われていたストレートはMax141㌔にとどまってしまったのが痛かった。松浦がスピード不足であれば、コントロール不足であったのが、松浦の後に2番手として登板した関戸。キャッチャーの頭上を大きく越えて、バックネットにダイレクトで届くボールも見られるなどとにかくコントロールが悪く、1回1/3を投げて3失点という散々な内容であった。実は両投手ともたまたま1回戦で調子が悪かっただけかもしれないが、大阪桐蔭がこの1回戦で敗れたためにセンバツで下がった評価を覆すことができなかった。
20210323大阪桐蔭 関戸

神戸国際大付の阪上も気になった。1回戦・2回戦ともに先発のマウンドに上がったものの、右肘が本調子ではないようで、投球に迫力とスピードがなく、ともに2回途中で降板。スピードが出ないだけならケガのせいで終わりだが、この右肘は昨秋からであり、ずっと右肘が治っていないというのはスカウトからすると爆弾持ちと思われてしまう可能性あがる。また投げない決断をして達が評価をあげたのであれば、逆に無理をしてでも甲子園で投げてしまった阪上は評価が下がってしまうかもしれない。
20210319神戸国際大付 阪上


一躍ドラフト候補に急上昇

センバツに出るほどの強豪チームの投手なので、もともと注目はされていたものの、センバツの投球で本格的にドラフト候補となったのが、深沢(専大松戸)と花田(広島新庄)である。

深沢は昨秋の関東大会では、鹿島学園と鎌倉学園から2試合連続で完封勝利をあげるなど実績十分であったが、実戦的なサイドスロー右腕というイメージが強かった。ただセンバツでは初戦で中京大中京の畔柳との投手戦を展開し、ストレートは自己最速を更新する143㌔をマークするなど、まだまだ伸びしろがあるところを見せつけた。ちょうど専大松戸のサイドスローでいえば数年前に横山(ロッテ)が指名されたが、横山と比較してももう十分なレベルであり、ドラフトでの指名も十分にあり得そうだ。

広島新庄といえば左腕王国であり、今年も前チームからエース格として活躍する左腕の秋山が注目されていた。ただセンバツで背番号1を背負ったのは、度重なるケガから復帰した本格派右腕の花田であり、初戦の上田西戦で先発のマウンドにあがると144㌔をマーク。カットボールやフォークなどの変化球もあったものの、花田のストレートは質がよく空振りがとれるのが特徴で、今の時代にしては珍しくストレートでゴリ押しできる投手であり、これにはスカウトの目も輝いたことであろう。
20210323広島新庄 花田


以上です。
まだ夏の大会もありますので、このセンバツで変わったドラフト戦線が今度どうなっていくのか楽しみです。



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慶応大×法政大【東京六大学野球連盟】

4/10 東京六大学野球連盟 第1週1日目
慶応大×法政大 @神宮球場

試合経過

東京六大学野球連盟の開幕日の第2試合は、慶応大×法政大の試合。ともに実績十分であり、今年からエースとなった2人の4年生右腕が前評判通りの投球をみせた。

まず法政大の先発は三浦は1年春からリーグ戦登板を重ねてきた右腕。昨年はリリーフで登板数も少なかったが、最終学年となり、チームの主将も務めることとなり、今年は満を持して開幕投手を務めた。三浦はMax146㌔のストレートをコントロールよく投げこみ、スライダー・カットボール・カーブ・フォークなど変化球も含めて全てのボールでしっかりとストライクが取れる総合力の高い投球をみせ、慶応大打線にヒットすら許さない投球をみせる。

対する慶応大の先発は、2年秋にはベストナインを獲得するなど、ここまで安定した成績を残してきた右腕の森田。こちらはMax143㌔のストレートに、得意のカットボールを多めに、スライダー・カーブ・フォーク・チェンジアップ・シュート(?)といった多彩な変化球を交えながら、丁寧にボールを投げこんでいった。こちらは2回・4回などには法政打線にヒットを浴びてピンチを招くものの、4回にはセンター渡部が好返球でホームを狙ったランナーを刺すなどバックが盛りてて、法政大のスコアに0を刻んでいく。試合はこの両投手の好投により、6回まで0-0のまま進む。
20210410慶応大 森田
6回まで無失点の好投をみせた慶応大のエース森田

7回裏、慶応は6回まで無失点の森田に代えて、小林綾をマウンドに送る。確かに森田は三浦と違って、ヒットを浴びてピンチを招く場面も多かったが、それでも無失点の好投を続けていたエースをここで代えるというのは意外であった。ただ小林綾は先頭の中原にヒットを浴びてしまうと、続くバントの構えをした舟生にはストライクが入らずに四球、三浦に送りバントを決められて、1死2・3塁とピンチを作ったところで降板となってしまう。慶応大は海崎→岡田と左バッターが続くこともあり、左腕の生井をマウンドに送ると、生井は大胆なフォームからのMax147㌔のストレートとスライダーを武器に海崎から三振を奪って2死とする。続く岡田に対しても追い込んだものの、そこから岡田は何とかストレートに食らいつくと打球はレフト・センター・ショートの間にポトリと落ちて、2者が生還して法政大が2-0とリードを奪う。
20210410法政大 岡田悠
先制の2点タイムリーを放った法政大の岡田

反撃に出たい慶応大は8回表、先頭に代打宮尾を送ると、宮尾が四球を選んで出塁。宮尾は盗塁を決め、さらに福井のファーストゴロの間に3塁へ進む1死3塁とチャンスを作る。ここで慶応大は生井のところで、代打北村を送る。三浦はノーヒットノーラン継続中であったが、2点リードのある法政大はこの場面で、前進守備を敷かなかったため、北村のショートゴロの間に宮尾が生還する。
20210410慶応大 宮尾
四球で出塁し、慶応大の初得点となるホームを踏んだ宮尾

1-2と1点差に迫ったものの、未だにノーヒットという状態で慶応大は9回表の攻撃を迎える。慶応大は1死から、法政二出身という異色の経歴をもつ中澤慎を法政だ相手に代打に送ると、中澤は三浦のストレートを捉え、打球は打った中澤が歩き出すのも納得の大飛球であったが、レフトのポール際わずかに逸れてファールボール。ノーヒット継続どころか、同点という危機であった三浦だが、最後はスライダーで中澤を見逃しの三振に仕留めて2死。しかし三浦はここから4番正木、さらに代打若林と1発のある2人には慎重になりすぎたか、連続で四球を与えてしまう。慶応大は長打が出れば一気に逆転というチャンスを作り、代打綿引を送るものの、最後は綿引が三浦の前に三振に倒れてしまいゲームセット。法政大が三浦のノーヒット1ランの好投で2-1で勝利した。
20210410法政大 三浦1
ノーヒット1ランを達成した法政大の三浦


20210410慶応大×法政大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


法政大の三浦、慶応大の森田というリーグを代表する2人の右腕の白熱した投手戦であった試合。ただ慶応大としては、結果として6回で森田を下ろして、継投に入ったことが裏目となってしまった。大学野球となるある程度はエースに頼る部分もまだ多く、それがプロ注目の右腕となればなおさらである。昨年から慶応大の指揮を執るのは、それまで社会人の名門のJR東日本を指揮していた堀井監督であり、この試合の森田の交代も社会人野球らしい采配だと感じた。昨年も好投のエース木澤(ヤクルト)→生井に交代して、早大の蛭間に逆転2ランを浴びて優勝を逃したというシーンもあった。昨年はリリーフとして登板して1点も取られていないという小林綾の実績も買ったのだろうが、やはり継投は難しいものだと考えさせられるシーンであった。
20210410慶応大 松本綾
慶応大の2番手として登板した小林綾

勝利した法政大は三浦以外にも4年生の奮起が目立った。昨年のチームのレギュラーにも4年生が多く、前チームのレギュラーとして残っているのは大柿と高田桐くらいであったが、この試合では何とこの2人がベンチスタート。代わりにリーグ戦初出場となったキャッチー舟生をはじめとして、小池・後藤・諸橋・中原といった、リーグ戦出場が少ない4年生がスタメンに名を連ね、10人中8人が4年生という布陣で臨んだ。そして結果的には法政大が放ったヒット8本は全て4年生が放ったものであり、得点に貢献したのも全て4年生、投げても4年生で主将の三浦がノーヒット1ランとまさに4年生づくしの活躍の試合であった。
20210410法政大 舟生
リーグ戦初スタメンで三浦のノーヒット1ランをアシスタントした法政大のキャッチャー舟生


Pickup Player
三浦銀二 法政大4年 投手
~復活のノーヒット1ラン~
法政大のエース三浦が、この開幕戦でノーヒット1ランという62年ぶりの記録を達成した。

福岡大大濠では濱地(阪神)の後を受けて、2年秋からエースとなると、古賀(中央大)との バッテリーで九州大会では大分商、鹿児島実業、秀岳館から3試合連続完封勝利あげるなど活躍でチームを九州大会Vに導いた。3年春のセンバツでは、難波(日本ハム)が率いる創志学園から3失点完投勝利をあげると、続く2回戦では現在のチームメイトであり、この試合では5番で出場した後藤率いる滋賀学園と対戦。延長15回を1失点で投げ抜くと、翌日の再試合でも3失点完投勝利をあげた。3年夏は、現在は法政大の後輩でもある東筑の石田に投げ敗けてしまい甲子園出場はならなかったが、U18日本代表にも選出された。

法政大に進学すると、1年春からリリーフで7試合に登板するなど活躍。1年秋には1戦目の先発を務めるなどエースとして、3勝・防御率1.99という活躍で、チームをリーグ優勝に導くなど輝かしいスタートを切った。だが2年春には防御率3.92と成績を落とすと、その後は調子が上がらずに、チームには鈴木(ロッテ)・高田(楽天)という頼もしい先輩がいたことまおり、リリーフに再転向。3年春秋はともに、悪い成績ではなかったものの、投げたイニング数は少なく、本来の三浦の姿とは遠いものがあった。

ただ最終学年を迎えた今年は、チームの主将にも就任して、この開幕戦の先発マウンドに三浦は帰ってきた。以前より伸びやかなフォームとなっており、この試合ではストレートはMax146㌔をマーク。自己最速の150㌔には及ばなかったものの、回転がよく、コーナーにコントロールもされているいいストレートであった。変化球はスライダー・カットボール・カーブ・フォークを投じており、度の球でもストライクを取ることもでき、フォークは決め球として有効であった。スピード・コントロール・変化球のどれをとってもレベルが高く、いいときの三浦が戻ってきたといえる投球で、慶応打線にはヒットを許さすに、スイスイとイニングを重ねていった。ノーヒットノーランというプレッシャーもかかってくる中でも、己の投球を継続できていた点も評価できる。終盤は四球を出してしまい、8回にはそこからノーヒットで1点を失い、最終回にも2死から連続四球でピンチを招いたものの、勝負どころでは三振を奪うことができてて、最後は綿引から三振を奪ってゲームセット。9回を投げて無安打1失点8奪三振という好投で、東京六大学野球連盟では62年ぶりとなる、ノーヒット1ランを達成してチームを勝利に導いた。

完全に復活といえる素晴らしい投球で、この開幕戦と見守った各球団のスカウトからも高評価が相次ぐなど、完全にドラフト戦線にも主役として復帰した三浦。この試合のような投球を続けていけば、即戦力としてドラフト上位でのプロ入りは固いであろう。

20210410法政大 三浦2
ノーヒット1ランで見事に復活を果たした法政大のエースで主将の三浦


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国学院久我山✕早稲田実業【春季東京大会】

4/4 春季東京大会1回戦
国学院久我山✕早稲田実業 @ダイワハウススタジアム八王子

試合経過

国学院久我山と早稲田実業という甲子園出場経験のある強豪校同士の対決とあって、春季大会の初戦ながら国学院久我山は高橋、早稲田実業は田和とともにエースが先発のマウンドにあがり、2回までは快調な投球をみせていた。

ただ3回表、国学院久我山は先頭の8番下川邊が三遊間を破り出塁して、9番藤原がバントで送る。2死2塁となってから、2番の主将黒崎の打球はサードの後方に落ちて、下川邊が生還して国学院久我山が先制。さらに続く3番田村のライト線への大飛球は2ベースとなり、黒崎が1塁から一気に生還して国学院久我山が2点目をあげる。
20210404国学院久我山 黒崎
先制タイムリーを放った国学院久我山の主将黒崎

ただ早実のエース田和は、4回以降は久我山打線を0封。反動をうまく使って長い腕を振り抜くフォームから繰り出すストレートはMax144㌔をマークしており、スライダー・カーブ・2シーム(チェンジアップ?)といった変化球も織り交ぜた本格派右腕。昨年からエース格として活躍しており、早実の歴代エースと十分に肩を並べられる投手である。
20210404早稲田実業 田和
早稲田実業のエース田和

早実打線も3回からは毎回のように高橋からチャンスを作る。ただ4回には2死1塁から、6番横山が左中間を破る打球を放ちタイムリーかと思いきや、ランナー辻村が3塁ベースを回ったところで転んでしまうなど不運も重なって、なかなか得点が奪えずに、試合は国学院久我山が2-0とリードしたまま終盤に突入する。

すると国学院久我山は7回表、この回先頭の7番内山の打球はセンターの頭上を越えるタイムリー3ベース。続く8番下川邉が初球をうまくセンターに運んで、これが犠牲フライとなって国学院久我山が均衡を破る3点目をあげる。点をとるしかなくなった早実は田和に代打を送り、8回からは2番手として2年生右腕の倉光がマウンドにあがる。ただ倉光はいきなり先頭の黒崎に四球を与えてしまうと、国学院久我山は2死2塁となってから5番高橋が自らのバットで追加点となる左中間へのタイムリー2ベースを放つ。ただこの際に2塁まで走った高橋が途中で足を攣ってしまうというアクシデントも発生する。
20210404国学院久我山 高橋2
自らのバットで4点目を叩き出した国学院久我山のエース高橋

その影響か高橋は8回裏のマウンドにも上がったものの、早実は3番壽田がセンター前に弾き返して出塁すると、続く4番清宮(日本ハム清宮幸太郎の弟)が右中間にタイムリー2ベースを放ち、ようやく初得点をあげる。高橋はやはり足を攣った影響か、続く辻村にも四球を与えてしまい、早実ベンチは一気に勢いづいたものの、続く6番横山の打球は三塁線へのゴロとなり、これをサード藤原がベースを踏んで2塁に転送してダブルプレー。早実は続く國光にもヒットが出たものの、やはり横山の併殺打が痛く、最後は倉光が三振を喫してしまい、最大のチャンスが1点止まりとなってしまう。
20210404早稲田実業 清宮
右中間にタイムリーを放った早稲田実業の4番清宮

国学院久我山は最終回はさすがに高橋をマウンドから降ろし(といってもレフトにいったが)、ライトから左腕の内山がマウンドに上がった。内山は130㌔後半のストレートとスライダーで早実打線に挑み、石郷岡には2ベースを浴びたものの、最後は壽田をレフトフライに打ち取って無失点で凌いでゲームセット。国学院久我山が4-1で勝利して、初戦を突破した。


20210404国学院久我山✕早稲田実業
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


そもそも何でこんな好カードが初戦から実現したかというと、国学院久我山が秋季大会では初戦で敗れてしまってシードでなかったからである。それも7回表まで16-4とリードし、コールド勝ち寸前というところから大逆転敗けを喫している。その要因の1つがエース高橋を代えてしまったことであり、そこから雨などの影響もあってリリーフ陣が崩壊しての大逆転となった。この試合も途中から雨が降ってくるような嫌な展開であったが、エース高橋は足が攣った後もマウンドに登り8回1失点の好投。終盤ブルペンではレフトの渡辺、ライトの内山と秋には登板のなかった2人の左腕が練習しており、9回は内山がマウンドに上がった。弱点のリリーフ陣を補うべく、野手を投手兼任にしたのが功を奏したようで、内山はストレートは130㌔後半をマークするなど投手としての能力が十分にあることを証明し、最終回を無失点で切り抜け、チームは勝利をおさめた。強豪の早実に勝ったということもさることながら、秋の課題を見事に克服しての勝利というのは国学院久我山にとって大きな収穫であったことだろう。
20210404国学院久我山 内山
ライトから最終回の国学院久我山のマウンドに上がった内山

まさかの初戦敗退となってしまった早稲田実業は、これで夏の西東京大会ではノーシードが確定。主将の清宮の「衝撃的。ここまで弱いと思っていなかった。世間も保護者の方も自分たちも負けると思っていなかった。東京でどのくらいの位置にいるのかわかった。」という言葉が表す通りのショッキングな敗戦だったことであろう。その1番の要因は、とにかく打線にあと1本が出なかったこと。この試合では3回以降は全てのイニングで得点圏にランナーを進めたものの、得点は8回の清宮のタイムリーによる1本のみであった。敗けはショッキングなほど、その後の糧にはなる(と個人的には思っているので)、夏までまた1から鍛えなおして、技術的にも精神的にも強いチームとなって欲しい。


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高橋風太 国学院久我山3年 投手
~投打による活躍で早実撃破の立役者に~
投げては8回1失点の好投、打っても5番打者としてタイムリーを放ち、早実撃破の立役者となったのはエース高橋であった。

高橋は身長は160㎝台と小柄な投手であるが、ストレートには力がありコントロールもいい右腕。国学院久我山では1年夏より背番号19でベンチ入りを果たしたものの、チームが西東京大会を制して甲子園出場となると、ベンチ入り人数が20→18人と減ることもあって、甲子園ではベンチ外となった。1年秋からは背番号10を背負い、リリーフとして登板。そして2年秋よりチームのエースとなっていた。

この試合でも先発のマウンドに上がった高橋は、初回にいきなり早実打線を3者三振に抑える最高のスタートを切る。3回以降は毎回得点圏にランナーを背負うものの、勝負ところでは高めの釣り球のストレートで三振を奪うシーンも目立った。この試合の高橋のストレートはMax138㌔であったが、特に高めのストレートはノビがあったようで、タイプとしては則本(楽天)のような投手である。またコントロールも非常に安定していて、試合を作れる投手だと感じた。変化球はスライダーとカーブを投げていたものの、投球の中心は上述のストレートであった。5番を打つ打撃でも、8回2死2塁の場面では、カウント3B1Sから倉光のストライクを取りに来たストレートを捉えて、左中間を破るタイムリー2ベース。これを打った際の走塁で足を攣ってしまい、その影響からか8回裏には1点を失ったものの、8回9奪三振1失点という見事な投球内容であった。

秋には自分がマウンドを降りた後に、チームは大逆転負けということで、エースとしては非常に悔しい思いがあっただろう。そんな責任感からか、足が攣った後の8回もマウンドに上がり、この試合ではエースとしての責任をしっかりと果たした。今後も国学院久我山が勝ち上がっていくうえで、このエース高橋の活躍は欠かせないことだろう。
20210404国学院久我山 高橋
8回1失点の好投を見せた国学院久我山のエース高橋


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