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慶応大×法政大【東京六大学野球連盟】

4/10 東京六大学野球連盟 第1週1日目
慶応大×法政大 @神宮球場

試合経過

東京六大学野球連盟の開幕日の第2試合は、慶応大×法政大の試合。ともに実績十分であり、今年からエースとなった2人の4年生右腕が前評判通りの投球をみせた。

まず法政大の先発は三浦は1年春からリーグ戦登板を重ねてきた右腕。昨年はリリーフで登板数も少なかったが、最終学年となり、チームの主将も務めることとなり、今年は満を持して開幕投手を務めた。三浦はMax146㌔のストレートをコントロールよく投げこみ、スライダー・カットボール・カーブ・フォークなど変化球も含めて全てのボールでしっかりとストライクが取れる総合力の高い投球をみせ、慶応大打線にヒットすら許さない投球をみせる。

対する慶応大の先発は、2年秋にはベストナインを獲得するなど、ここまで安定した成績を残してきた右腕の森田。こちらはMax143㌔のストレートに、得意のカットボールを多めに、スライダー・カーブ・フォーク・チェンジアップ・シュート(?)といった多彩な変化球を交えながら、丁寧にボールを投げこんでいった。こちらは2回・4回などには法政打線にヒットを浴びてピンチを招くものの、4回にはセンター渡部が好返球でホームを狙ったランナーを刺すなどバックが盛りてて、法政大のスコアに0を刻んでいく。試合はこの両投手の好投により、6回まで0-0のまま進む。
20210410慶応大 森田
6回まで無失点の好投をみせた慶応大のエース森田

7回裏、慶応は6回まで無失点の森田に代えて、小林綾をマウンドに送る。確かに森田は三浦と違って、ヒットを浴びてピンチを招く場面も多かったが、それでも無失点の好投を続けていたエースをここで代えるというのは意外であった。ただ小林綾は先頭の中原にヒットを浴びてしまうと、続くバントの構えをした舟生にはストライクが入らずに四球、三浦に送りバントを決められて、1死2・3塁とピンチを作ったところで降板となってしまう。慶応大は海崎→岡田と左バッターが続くこともあり、左腕の生井をマウンドに送ると、生井は大胆なフォームからのMax147㌔のストレートとスライダーを武器に海崎から三振を奪って2死とする。続く岡田に対しても追い込んだものの、そこから岡田は何とかストレートに食らいつくと打球はレフト・センター・ショートの間にポトリと落ちて、2者が生還して法政大が2-0とリードを奪う。
20210410法政大 岡田悠
先制の2点タイムリーを放った法政大の岡田

反撃に出たい慶応大は8回表、先頭に代打宮尾を送ると、宮尾が四球を選んで出塁。宮尾は盗塁を決め、さらに福井のファーストゴロの間に3塁へ進む1死3塁とチャンスを作る。ここで慶応大は生井のところで、代打北村を送る。三浦はノーヒットノーラン継続中であったが、2点リードのある法政大はこの場面で、前進守備を敷かなかったため、北村のショートゴロの間に宮尾が生還する。
20210410慶応大 宮尾
四球で出塁し、慶応大の初得点となるホームを踏んだ宮尾

1-2と1点差に迫ったものの、未だにノーヒットという状態で慶応大は9回表の攻撃を迎える。慶応大は1死から、法政二出身という異色の経歴をもつ中澤慎を法政だ相手に代打に送ると、中澤は三浦のストレートを捉え、打球は打った中澤が歩き出すのも納得の大飛球であったが、レフトのポール際わずかに逸れてファールボール。ノーヒット継続どころか、同点という危機であった三浦だが、最後はスライダーで中澤を見逃しの三振に仕留めて2死。しかし三浦はここから4番正木、さらに代打若林と1発のある2人には慎重になりすぎたか、連続で四球を与えてしまう。慶応大は長打が出れば一気に逆転というチャンスを作り、代打綿引を送るものの、最後は綿引が三浦の前に三振に倒れてしまいゲームセット。法政大が三浦のノーヒット1ランの好投で2-1で勝利した。
20210410法政大 三浦1
ノーヒット1ランを達成した法政大の三浦


20210410慶応大×法政大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


法政大の三浦、慶応大の森田というリーグを代表する2人の右腕の白熱した投手戦であった試合。ただ慶応大としては、結果として6回で森田を下ろして、継投に入ったことが裏目となってしまった。大学野球となるある程度はエースに頼る部分もまだ多く、それがプロ注目の右腕となればなおさらである。昨年から慶応大の指揮を執るのは、それまで社会人の名門のJR東日本を指揮していた堀井監督であり、この試合の森田の交代も社会人野球らしい采配だと感じた。昨年も好投のエース木澤(ヤクルト)→生井に交代して、早大の蛭間に逆転2ランを浴びて優勝を逃したというシーンもあった。昨年はリリーフとして登板して1点も取られていないという小林綾の実績も買ったのだろうが、やはり継投は難しいものだと考えさせられるシーンであった。
20210410慶応大 松本綾
慶応大の2番手として登板した小林綾

勝利した法政大は三浦以外にも4年生の奮起が目立った。昨年のチームのレギュラーにも4年生が多く、前チームのレギュラーとして残っているのは大柿と高田桐くらいであったが、この試合では何とこの2人がベンチスタート。代わりにリーグ戦初出場となったキャッチー舟生をはじめとして、小池・後藤・諸橋・中原といった、リーグ戦出場が少ない4年生がスタメンに名を連ね、10人中8人が4年生という布陣で臨んだ。そして結果的には法政大が放ったヒット8本は全て4年生が放ったものであり、得点に貢献したのも全て4年生、投げても4年生で主将の三浦がノーヒット1ランとまさに4年生づくしの活躍の試合であった。
20210410法政大 舟生
リーグ戦初スタメンで三浦のノーヒット1ランをアシスタントした法政大のキャッチャー舟生


Pickup Player
三浦銀二 法政大4年 投手
~復活のノーヒット1ラン~
法政大のエース三浦が、この開幕戦でノーヒット1ランという62年ぶりの記録を達成した。

福岡大大濠では濱地(阪神)の後を受けて、2年秋からエースとなると、古賀(中央大)との バッテリーで九州大会では大分商、鹿児島実業、秀岳館から3試合連続完封勝利あげるなど活躍でチームを九州大会Vに導いた。3年春のセンバツでは、難波(日本ハム)が率いる創志学園から3失点完投勝利をあげると、続く2回戦では現在のチームメイトであり、この試合では5番で出場した後藤率いる滋賀学園と対戦。延長15回を1失点で投げ抜くと、翌日の再試合でも3失点完投勝利をあげた。3年夏は、現在は法政大の後輩でもある東筑の石田に投げ敗けてしまい甲子園出場はならなかったが、U18日本代表にも選出された。

法政大に進学すると、1年春からリリーフで7試合に登板するなど活躍。1年秋には1戦目の先発を務めるなどエースとして、3勝・防御率1.99という活躍で、チームをリーグ優勝に導くなど輝かしいスタートを切った。だが2年春には防御率3.92と成績を落とすと、その後は調子が上がらずに、チームには鈴木(ロッテ)・高田(楽天)という頼もしい先輩がいたことまおり、リリーフに再転向。3年春秋はともに、悪い成績ではなかったものの、投げたイニング数は少なく、本来の三浦の姿とは遠いものがあった。

ただ最終学年を迎えた今年は、チームの主将にも就任して、この開幕戦の先発マウンドに三浦は帰ってきた。以前より伸びやかなフォームとなっており、この試合ではストレートはMax146㌔をマーク。自己最速の150㌔には及ばなかったものの、回転がよく、コーナーにコントロールもされているいいストレートであった。変化球はスライダー・カットボール・カーブ・フォークを投じており、度の球でもストライクを取ることもでき、フォークは決め球として有効であった。スピード・コントロール・変化球のどれをとってもレベルが高く、いいときの三浦が戻ってきたといえる投球で、慶応打線にはヒットを許さすに、スイスイとイニングを重ねていった。ノーヒットノーランというプレッシャーもかかってくる中でも、己の投球を継続できていた点も評価できる。終盤は四球を出してしまい、8回にはそこからノーヒットで1点を失い、最終回にも2死から連続四球でピンチを招いたものの、勝負どころでは三振を奪うことができてて、最後は綿引から三振を奪ってゲームセット。9回を投げて無安打1失点8奪三振という好投で、東京六大学野球連盟では62年ぶりとなる、ノーヒット1ランを達成してチームを勝利に導いた。

完全に復活といえる素晴らしい投球で、この開幕戦と見守った各球団のスカウトからも高評価が相次ぐなど、完全にドラフト戦線にも主役として復帰した三浦。この試合のような投球を続けていけば、即戦力としてドラフト上位でのプロ入りは固いであろう。

20210410法政大 三浦2
ノーヒット1ランで見事に復活を果たした法政大のエースで主将の三浦


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