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埼玉栄✕浦和学院【春季埼玉大会】

5/1 春季埼玉大会準々決勝
埼玉栄✕浦和学院 @上尾市民球場


試合経過

埼玉栄と浦和学院はともにこれまで3試合で1失点という堅守で勝ち上がってきた両チーム。前日からの連戦となる、この準々決勝では、埼玉栄は前日の試合では背番号11の2年生右腕の倉林が完封したためにエース塚本が満を持して登板、対する浦和学院は前日の試合余裕の試合運びで72球しか投げていなかったためにエース宮城が連投でこの試合に臨んだ。

浦和学院は1回裏、先頭の1番吉田匠が俊足を飛ばしてセカンドへの内野安打で出塁し、2番八谷が送ってチャンスメイク。1死1・2塁となってから4番吉田瑞の初球で、吉田匠が完全に盗んで3盗をきめると、これに応えるかのように吉田瑞がセンターに犠牲フライを放って浦和学院が先制する。
20210501浦和学院 吉田瑞
先制点を叩き出した浦和学院の4番吉田瑞

浦和学院は2回裏にも、先頭の6番藤井が粘って四球で出塁すると、高松が送って1死2塁。2塁ランナーの藤井は、投球がワンバンするや素晴らしいスタートを切って3塁を陥れると、続く8番宮城のセカンドゴロでも前進守備にも関わらず好スタートを切ってホームインし、浦和学院が2点目をあげる。ここで2死ランナー無しとなったが、金田・吉田匠の連打で1・2塁と再びチャンスを作ると、2番八谷のサードゴロに対して埼玉栄のサード五関は目の前のランナーにタッチして3アウト目を取ろうとするも、このタッチをかわされてしまい満塁(記録はサードエラー)。ここで3番松嶋はインココースのボールを詰まりながらも引っ張ると、打球はライト頭上を越える走者一掃のタイムリー2ベースとなり浦和学院がリードを5-0と広げる。
20210501浦和学院 松嶋
走者一掃のタイムリー2ベースを放つ浦和学院の3番松嶋

浦和学院は4回裏にも、1死から2番八田がライト前ヒットで出塁すると、ワイルドピッチで2塁へ進み、4番吉田瑞が変化球に泳ぎながらもうまく3塁線を破るタイムリー2ベースを放ち、6点目をあげる。埼玉栄のエース塚本は、力のあるストレートを非常にコントロールよく投げこみ、スライダー・チェンジアップといった変化球も投げる本格派右腕であった。ただ特に左バッターのアウトコースに決まるストレートは絶妙であったが、浦和学院打線はこれに簡単に三振しなかったのも大きく、4回までで6失点。この回でマウンドを降りて、レフトに回ることとなってしまう。
20210501埼玉栄 塚本
埼玉栄のエース塚本

一方の浦和学院のエース宮城は初回から安定したピッチングを披露。フォームに本当にブレがなく、投じるストレートにはキレがあり、コースに決まる。スライダー・チェンジアップといった変化球も交えながら、小気味いいピッチングを展開して、4回まで埼玉栄打線を1安打無失点に抑える。埼玉栄は5回には、5番塚本・6番高橋に連打が飛び出して、この試合初めて得点圏にランナーを進める。無死1・2塁ということでバントもあり得る場面であったが、6点差というスコアもあり、強硬策に出たものの7番神作の打球はセカンドゴロ併殺となってしまい、宮城の前に得点をあげることができない。
20210501浦和学院 宮城
埼玉栄打線を無得点に抑える浦和学院のエース宮城

埼玉栄は5回裏から2番手として、前日に完封勝利をあげている2年生右腕の倉林が登板。倉林は緩急をつけた投球で、5・6回とピンチを背負いながらも、浦和学院打線に追加点を与えない粘りの投球をみせる。ただ1点入ればコールドとなってしまう7回裏、浦和学院は先頭の藤井が四球で出塁すると、続く高松の(併殺かと思われた)強烈なセカンドゴロを上田が取れずに(記録はヒット)に無死1・3塁と絶体絶命のピンチを迎える。ただここでも倉林が粘りをみせて、8番宮城をキャッチャーごろ、9番金田をピッチャーゴロに抑えて3塁ランナーの生還を許さない。ただ1番吉田にはこの試合3安打目となるライトオーバーのヒットを浴びてしまいジーエンド。浦和学院が7-0(7回コールド)で勝利し、準決勝進出を決めた。


20210501埼玉栄✕浦和学院
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


浦和学院でこの試合で際立ったのは、そつのない攻撃だ。埼玉栄のエース塚本は非常にコントロールのいい投手であったが、際どい球はしっかりと見送る、カットして粘るということができており、1・2回とともに追い込まれてから粘った末に勝ち取った四球が得点につながっている。走塁面では、初回の吉田の3盗は大きかったし、各ランナーが投球がワンバンになった際に素晴らしいスタートを見せており、次の塁を奪うのが印象的であった。今年は部内でコロナの集団感染があり、6週間も練習できない日々が続いたとのことだが、非常にしっかりとしたチームに仕上がってきていると感じた。

投手陣では結局エース宮城が7回完封勝利で、これで今大会4試合全てに先発して計24イニング無失点という活躍ぶり。ちょうど同じく左腕で先輩の小島(ロッテ)を彷彿とさせるような雰囲気も持っている。1年秋には背番号1をつけていた146㌔右腕の三奈木は、ずっとライトで待機のまま終わったのは少し残念であるが、守備面でもノーエラーであり、こちらもチームとしての完成度は高い。
20210501浦和学院 三奈木
この試合ではライトでの出場となった浦和学院の146㌔右腕の三奈木

逆に敗れてしまった埼玉栄は、エラーが失点に絡んでしまうなど、チームの完成度としてはまだまだであった。ただ今大会2完封の活躍をみせた倉林、キャッチャーの花輪、4番五関に加え、前の試合ではクリーンアップを打っていた高橋・神作と2年生でチームの中心となっている選手が多く、まだまだ伸びしろが多そうであり、夏が非常に楽しみなチームである。
20210501埼玉栄 倉林
今大会2完封の活躍をみせた埼玉栄の2年生右腕倉林


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吉田匠吾 浦和学院3年 ショート
~先制点を演出し、サヨナラ打も放つ猛打賞の活躍~
浦和学院のリードオフの吉田匠は、先制のホームを踏み、最後はサヨナラ打も放つ猛打賞の活躍で打線を牽引した。

2015年の東北楽天ジュニアでは主将を務め、いわきボーイズでも主力として活躍し、鶴岡一人記念大会東日本ブロックや東日本報知オールスター東北選抜のメンバーにも名を連ねるなど中学時代から実績十分であった吉田匠は、浦和学院に進学すると1年夏よりベンチ入りを果たし、1年秋には1番セカンドとしてレギュラーに定着する。まさに走攻守揃った内野手であり、173㎝ながらも内田(埼玉栄)からホームランを放つなどパンチ力のある打撃もみせた。2年秋からは1番ショートを務め、今大会ではここまで3試合全てでヒットを放っており、前日の大宮東戦ではリリーフのマウンドにあがる活躍をみせていた。

この試合でも1番ショートで出場した吉田匠は、第1打席では完全に打ち取られるものの、持ち前の俊足でセカンドゴロを内野安打にして出塁。送りバントで2塁へ進んだのちに、4番吉田瑞の初球に相手バッテリーのモーションを完全に盗んで見事に3盗を決めてみせた。吉田瑞が犠牲フライを放って、先制のホームを踏んだので、この3盗は非常に大きなものであった。第2打席でも初球を綺麗にセンター返しして、松嶋の勝者一掃のタイムリー2ベースにつなげて2得点目。3・4打席目は打ち取られてしまったものの、2死2・3塁という場面で迎えた5打席目にはライトオーバーの当たりを放ち、浦和学院にサヨナラコールドをもたらせた。

守備でも7回表には、センターに抜けようかという当たりを好捕すると、回転してから持ち前の強肩で素晴らしいスローイングをみせて観衆を沸かせた。浦和学院は津田(Honda)・諏訪(日本通運)・中前(中央大)と近年素晴らしいショートストップを輩出しているが、それらの選手と比べても走攻守で遜色ないレベルの選手であり、今後の活躍が楽しみである。

20210501浦和学院 吉田瑞2

20210501浦和学院 吉田瑞1
打っては3安打、走っては貴重な3盗、守備でも好プレーをみせた浦和学院のショート吉田匠



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