桐光学園✕横浜【春季神奈川大会】
5/3 春季神奈川大会準決勝
桐光学園✕横浜 @横浜スタジアム
試合経過
勝てば関東大会出場が決まる、春季神奈川大会準決勝。この準決勝から会場は横浜スタジアムとなり、桐光学園✕横浜という神奈川を代表する2チームの対決です。桐光学園は146㌔右腕のエース中嶋が順当に登板したのに対して、横浜も148㌔左腕のエース金井を先発のマウンドに送ったが、金井はこれが今大会初登板であった。
その金井だが、立ち上がりコントロールが安定しない。初回から桐光学園の1番寺井に四球を与えてしまうと、続く2番篁にも死球。この間の投球としては、抜けたストレートがキャッチャーの頭上を越えるシーンもあるなど大荒れであった。桐光学園は3番主将の内囿が送って1死2・3塁としたあたりから、金井はスライダー・チェンジアップといった変化球中心の組立に変えたことでやや安定。4番石井には犠牲フライを浴びて、桐光学園に先制を許すものの、5番澁澤はチェンジアップで三振に仕留めて、初回を最少失点で切り抜けた。
金井は2回は2個の三振を奪い3者凡退に仕留めて、これで復活したかと思ったが、3回表には先頭の松江に死球を与えてしまう。桐光学園はここから寺井のヒットと篁の2打席連続となる死球で満塁とすると、金井は3番内囿に対しては1球もストライクが入らずに押し出し四球。横浜は金井をレフトに回し、2番手として山田を投入するも、桐光学園は4番石井が犠牲フライ、5番澁澤がライト線にタイムリー3ベース、さらにはワイルドピッチで澁澤が生還とこの回5点を追加して、6-0とリードを広げる。

ライト線に2点タイムリー3ベースを放つ桐光学園の澁澤
桐光学園は4回表にも、3回に続いて先頭打者となった松江がライト前ヒットで出塁すると、バントなどでチャンスを広げて2死2塁とする。続く3番内囿の打球は、レフトフライかと思われたが、レフト→センター方向への強い風で打球がセンター方向に流れて、最終的には横浜のレフト金井とセンター安達がお見合いするような形となってタイムリーヒットとなり、松江が生還して7点目をあげる。

タイムリーを放った桐光学園の3番主将内囿
桐光学園のエース中嶋は、力のあるストレートを主体とした投球で、スライダー・フォークといった変化球も交えた投球。初回にいきなりジャイアンツジュニアでチームメイトであった安達との対戦で、強烈なピッチャーライナーを好捕すると、3回までは横浜打線を内野安打のみに抑えるという好投をみせる。
ただこのまま黙っていられない横浜打線は4回裏、先頭の玉城が死球で出塁すると、3番岸本がたたきつけた打球はワンバウンドしてファーストの頭を越えて、これが2ベースとなって無死2・3塁のチャンスを作る。4番宮田のショートゴロの間に初得点をあげるも、続く5番金井の打球はセカンド後方へのフライとなってしまう。セカンドがやや後ろ向きにキャッチしたこともあり、3塁ランナーの岸本はこれでタッチアップを狙うも、ホームタッチアウトでゲッツーとなってしまう。

叩きつけてファーストの頭上を越える2ベースを放つ横浜の岸本
横浜の2番手の山田は、やっと調子が出てきたのか、投げっぷりのよいフォームから繰り出すストレートとスライダーのコンビネーションで5~7回は桐光学園打線をノーヒット無得点に抑える投球。一方の中嶋も四球などは出すことがなく、横浜打線のヒットを散発に抑え、試合は桐光学園が7-1とリードした状態で膠着し、試合は終盤を迎える。

横浜の2番手投手の山田
桐光学園は8回表、2死から中嶋が四球で出塁すると、9番松江の放った打球はライトの頭上を越えるタイムリー3ベースとなり、8-1と桐光学園が点差を7(コールドの点差)に広げる。あとがなくなった横浜は8回裏に、笹田・延末と力のある選手を代打で起用するものの、中嶋の前に3者凡退に終わってしまい、ゲームセット。中嶋は8回1失点の完投で、桐光学園が8-1(8回コールド)で横浜に勝利し、決勝進出を決めた。

8回1失点で完投勝利をあげた桐光学園のエース中嶋

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
横浜としてはコールド負けというショッキングな結果に終わった。横浜は昨秋も金井が先発のマウンドに上がったものの、左肘の違和感もあってか初回で降板して、序盤に大量失点し、自慢の打線も振るわずにコールド負けしてしまった。今日の試合は、その秋の敗戦と同じ展開だったということも、またショッキングに拍車をかけたことだろう。
チーム全体としてもそうであるが、やはり心配なのはエース金井だ。横浜スタジアムでもこの試合はスピード表示はなかったものの、日本ハムのスピードガンでは140㌔はマークしていたらしく、変化球も悪くはなかった。まさにコントロールだけの問題であり、これが今大会初登板ということによる単なる調整不足であったならいいが、秋から左肘の違和感が長引いていることが原因であるとなると夏も暗雲が立ち込める。今大会の横浜は金井が登板しなくても、この試合でも投げた山田・田高の2人のほかにサードを守っている宮田や左腕の佐竹と投手陣の駒はそろってきている。それでも村田監督としては夏にセンバツ王者の東海大相模を倒すためには、金井の復活は必須と考えており、この試合を託したのだろう。夏には是非とも金井が復活して、横浜と東海大相模が火花を散らすという展開に期待したいものだ。

夏までの復活に期待したい横浜のエース金井
勝利した桐光学園は、金井の乱調に付け込んで得点を重ねた攻撃陣もさすがであるが、横浜打線を1点に抑えた守備力が光った。エース中嶋は結局終わってみれば、8回4安打1失点という投球。今大会は中嶋→針谷という継投が多かったものの、今大会1という内容の投球でエースらしく、見事に1人で投げ切ってみせた。守備陣もノーエラーの安定ぶりに加えて、セカンドフライでホームを狙ったランナーを刺したり、またセンター松江はことごとく横浜打線のいい当たりをアウトにしたりと中嶋の好投を盛り立てた。今年の神奈川でも、東海大相模に次ぐレベルに安定したチームといえ、出場が決まった関東大会での躍進も大いに期待できる。
Pickup Player
松江一輝 桐光学園3年 外野手
~横浜打線の当たりをことごとくアウトにしたセンター~
打っては攻撃の起点に、試合を決める一打、守備でもことごとく横浜打線の打球をアウトにしたセンター松江の活躍が光った試合であった。
俊足とそれを生かした守備力が武器である松江は桐光学園では1年秋からベンチ入りを果たし、代走などで活躍していた。2年秋からは9番センターとしてレギュラーを獲得した。引き続き今大会も9番センターとして出場している松江であるが、初戦となった2回戦の関東学院戦では2安打4打点、続く3回戦の城山戦、4回戦の相模原弥栄戦でも2安打と3試合連続マルチ安打をマークするなど打撃も好調であった。
この試合でも松江は、3回の先頭打者として迎えた1打席目には死球で出塁し、3回の5得点のビックイニングの起点となった。続く4回にも先頭打者として打席に立つと、ライト前ヒットを放ち出塁すると、7点目のホームを踏んだ。打撃での1番の見せ場は8回表で、2死1塁という場面で打席に立つと、山田のストレートを右方向に運び、これがライトの頭上を越えるタイムリー3ベース。試合は膠着状態にあった打撃に、そこから脱する意味でも貴重な一打であり、これで点差を7に広げた桐光学園はそのままコールド勝ちを収めた。
得意のセンター守備でも、シートノックの段階から素晴らしい送球をみせていた。ただ試合ではその肩力を披露するまでもなく、センターに飛んできた6個の当たりは全てダイレクトキャッチ(センター前ヒットや右中間or左中間へのヒットもなかった)。特に後半戦は横浜打線もさすがに中嶋のボールに合ってきており、センターにもいいライナー性のあたりも飛ぶようになったが、持ち前の走力に加えて、もとの守備位置もいいところにいて、全ての打球を簡単に処理してみせた。センター守備においては、走力・肩力・ポジショニングと全てにおいて、一級品である。
本来の持ち味である守備力に加えて、打撃でも9番打者ながらこれで今大会5試合中4試合でマルチヒットをマーク。関東大会では上位打線への昇格なども期待できるし、攻守に渡って松江の活躍から目が離せないところだ。


打っては2安打1打点、センターでも好守を連発した桐光学園の松江
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桐光学園✕横浜 @横浜スタジアム
試合経過
勝てば関東大会出場が決まる、春季神奈川大会準決勝。この準決勝から会場は横浜スタジアムとなり、桐光学園✕横浜という神奈川を代表する2チームの対決です。桐光学園は146㌔右腕のエース中嶋が順当に登板したのに対して、横浜も148㌔左腕のエース金井を先発のマウンドに送ったが、金井はこれが今大会初登板であった。
その金井だが、立ち上がりコントロールが安定しない。初回から桐光学園の1番寺井に四球を与えてしまうと、続く2番篁にも死球。この間の投球としては、抜けたストレートがキャッチャーの頭上を越えるシーンもあるなど大荒れであった。桐光学園は3番主将の内囿が送って1死2・3塁としたあたりから、金井はスライダー・チェンジアップといった変化球中心の組立に変えたことでやや安定。4番石井には犠牲フライを浴びて、桐光学園に先制を許すものの、5番澁澤はチェンジアップで三振に仕留めて、初回を最少失点で切り抜けた。
金井は2回は2個の三振を奪い3者凡退に仕留めて、これで復活したかと思ったが、3回表には先頭の松江に死球を与えてしまう。桐光学園はここから寺井のヒットと篁の2打席連続となる死球で満塁とすると、金井は3番内囿に対しては1球もストライクが入らずに押し出し四球。横浜は金井をレフトに回し、2番手として山田を投入するも、桐光学園は4番石井が犠牲フライ、5番澁澤がライト線にタイムリー3ベース、さらにはワイルドピッチで澁澤が生還とこの回5点を追加して、6-0とリードを広げる。

ライト線に2点タイムリー3ベースを放つ桐光学園の澁澤
桐光学園は4回表にも、3回に続いて先頭打者となった松江がライト前ヒットで出塁すると、バントなどでチャンスを広げて2死2塁とする。続く3番内囿の打球は、レフトフライかと思われたが、レフト→センター方向への強い風で打球がセンター方向に流れて、最終的には横浜のレフト金井とセンター安達がお見合いするような形となってタイムリーヒットとなり、松江が生還して7点目をあげる。

タイムリーを放った桐光学園の3番主将内囿
桐光学園のエース中嶋は、力のあるストレートを主体とした投球で、スライダー・フォークといった変化球も交えた投球。初回にいきなりジャイアンツジュニアでチームメイトであった安達との対戦で、強烈なピッチャーライナーを好捕すると、3回までは横浜打線を内野安打のみに抑えるという好投をみせる。
ただこのまま黙っていられない横浜打線は4回裏、先頭の玉城が死球で出塁すると、3番岸本がたたきつけた打球はワンバウンドしてファーストの頭を越えて、これが2ベースとなって無死2・3塁のチャンスを作る。4番宮田のショートゴロの間に初得点をあげるも、続く5番金井の打球はセカンド後方へのフライとなってしまう。セカンドがやや後ろ向きにキャッチしたこともあり、3塁ランナーの岸本はこれでタッチアップを狙うも、ホームタッチアウトでゲッツーとなってしまう。

叩きつけてファーストの頭上を越える2ベースを放つ横浜の岸本
横浜の2番手の山田は、やっと調子が出てきたのか、投げっぷりのよいフォームから繰り出すストレートとスライダーのコンビネーションで5~7回は桐光学園打線をノーヒット無得点に抑える投球。一方の中嶋も四球などは出すことがなく、横浜打線のヒットを散発に抑え、試合は桐光学園が7-1とリードした状態で膠着し、試合は終盤を迎える。

横浜の2番手投手の山田
桐光学園は8回表、2死から中嶋が四球で出塁すると、9番松江の放った打球はライトの頭上を越えるタイムリー3ベースとなり、8-1と桐光学園が点差を7(コールドの点差)に広げる。あとがなくなった横浜は8回裏に、笹田・延末と力のある選手を代打で起用するものの、中嶋の前に3者凡退に終わってしまい、ゲームセット。中嶋は8回1失点の完投で、桐光学園が8-1(8回コールド)で横浜に勝利し、決勝進出を決めた。

8回1失点で完投勝利をあげた桐光学園のエース中嶋

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
横浜としてはコールド負けというショッキングな結果に終わった。横浜は昨秋も金井が先発のマウンドに上がったものの、左肘の違和感もあってか初回で降板して、序盤に大量失点し、自慢の打線も振るわずにコールド負けしてしまった。今日の試合は、その秋の敗戦と同じ展開だったということも、またショッキングに拍車をかけたことだろう。
チーム全体としてもそうであるが、やはり心配なのはエース金井だ。横浜スタジアムでもこの試合はスピード表示はなかったものの、日本ハムのスピードガンでは140㌔はマークしていたらしく、変化球も悪くはなかった。まさにコントロールだけの問題であり、これが今大会初登板ということによる単なる調整不足であったならいいが、秋から左肘の違和感が長引いていることが原因であるとなると夏も暗雲が立ち込める。今大会の横浜は金井が登板しなくても、この試合でも投げた山田・田高の2人のほかにサードを守っている宮田や左腕の佐竹と投手陣の駒はそろってきている。それでも村田監督としては夏にセンバツ王者の東海大相模を倒すためには、金井の復活は必須と考えており、この試合を託したのだろう。夏には是非とも金井が復活して、横浜と東海大相模が火花を散らすという展開に期待したいものだ。

夏までの復活に期待したい横浜のエース金井
勝利した桐光学園は、金井の乱調に付け込んで得点を重ねた攻撃陣もさすがであるが、横浜打線を1点に抑えた守備力が光った。エース中嶋は結局終わってみれば、8回4安打1失点という投球。今大会は中嶋→針谷という継投が多かったものの、今大会1という内容の投球でエースらしく、見事に1人で投げ切ってみせた。守備陣もノーエラーの安定ぶりに加えて、セカンドフライでホームを狙ったランナーを刺したり、またセンター松江はことごとく横浜打線のいい当たりをアウトにしたりと中嶋の好投を盛り立てた。今年の神奈川でも、東海大相模に次ぐレベルに安定したチームといえ、出場が決まった関東大会での躍進も大いに期待できる。
Pickup Player
松江一輝 桐光学園3年 外野手
~横浜打線の当たりをことごとくアウトにしたセンター~
打っては攻撃の起点に、試合を決める一打、守備でもことごとく横浜打線の打球をアウトにしたセンター松江の活躍が光った試合であった。
俊足とそれを生かした守備力が武器である松江は桐光学園では1年秋からベンチ入りを果たし、代走などで活躍していた。2年秋からは9番センターとしてレギュラーを獲得した。引き続き今大会も9番センターとして出場している松江であるが、初戦となった2回戦の関東学院戦では2安打4打点、続く3回戦の城山戦、4回戦の相模原弥栄戦でも2安打と3試合連続マルチ安打をマークするなど打撃も好調であった。
この試合でも松江は、3回の先頭打者として迎えた1打席目には死球で出塁し、3回の5得点のビックイニングの起点となった。続く4回にも先頭打者として打席に立つと、ライト前ヒットを放ち出塁すると、7点目のホームを踏んだ。打撃での1番の見せ場は8回表で、2死1塁という場面で打席に立つと、山田のストレートを右方向に運び、これがライトの頭上を越えるタイムリー3ベース。試合は膠着状態にあった打撃に、そこから脱する意味でも貴重な一打であり、これで点差を7に広げた桐光学園はそのままコールド勝ちを収めた。
得意のセンター守備でも、シートノックの段階から素晴らしい送球をみせていた。ただ試合ではその肩力を披露するまでもなく、センターに飛んできた6個の当たりは全てダイレクトキャッチ(センター前ヒットや右中間or左中間へのヒットもなかった)。特に後半戦は横浜打線もさすがに中嶋のボールに合ってきており、センターにもいいライナー性のあたりも飛ぶようになったが、持ち前の走力に加えて、もとの守備位置もいいところにいて、全ての打球を簡単に処理してみせた。センター守備においては、走力・肩力・ポジショニングと全てにおいて、一級品である。
本来の持ち味である守備力に加えて、打撃でも9番打者ながらこれで今大会5試合中4試合でマルチヒットをマーク。関東大会では上位打線への昇格なども期待できるし、攻守に渡って松江の活躍から目が離せないところだ。


打っては2安打1打点、センターでも好守を連発した桐光学園の松江
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