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浦和学院×昌平【選手権埼玉大会】

7/28 選手権埼玉大会決勝
浦和学院×昌平 @県営大宮球場

試合経過

夏の甲子園出場をかけた埼玉大会の決勝は、秋季埼玉大会の覇者:昌平と、春季埼玉大会の覇者:浦和学院の対決となった。

先攻の浦和学院は1回表、2番金田がレフト前ヒットで出塁すると、3番松嶋もライト前ヒットで続いて1死1・3塁とチャンスを作る。ここで迎えた4番吉田瑞は、昌平のエース田村のスライダーをうまくセンターに運ぶ犠牲フライを放ち、浦和学院が初回に1点を先制する。

浦和学院は2回表にも、スタメン復帰を果たした7番三奈木がセカンドエラーで出塁すると、8番宮城がライト前ヒットを放ち、初回と同じように1死1・3塁のチャンスを作る。ここで9番八谷はスクイズを決行するも、ピッチャー前のバントを田村がうまくグラブトスで処理してホームタッチアウト。ただ1番吉田匠は高めのストレートを捉えると打球はライトスタンドに飛び込む3ランホームラン。さらにここから金田の内野安打と四球で浦和学院は再びチャンスを作ると、4番吉田瑞のタイムリーでこの回計4点を追加。3回表にも1死から宮城が四球で出塁すると、八谷が送って、吉田匠がセンターオーバーのタイムリー3ベースを放ち、浦和学院がリードを6-0と広げる。
20210728浦和学院 吉田匠
2回に3ランホームランを放った浦和学院の吉田匠

反撃に出たい昌平は3回裏、先頭の山村が四球で出塁すると、盗塁を決めて、さらに悪送球も絡んで無死3塁のチャンスを作る。打席には早くもエース田村の代打として登場した主将の岸が立っていたが、スクイズをファールにしてしまい、最後は浅いライトフライ。それでも1番寺山ははチーム初安打となるピッチャー強襲ヒットを放ち、昌平が初得点をあげる。
20210728昌平 寺山
昌平の初得点となるタイムリーを放った寺山

浦和学院のエース宮城はこの3回でマウンドを降りて、準決勝の春日部共栄戦と同じく4回からはショートを守っていた金田がマウンドに上がる。攻撃では5回表に高松が四球で出塁すると、三奈木のライト前ヒットをライト山村が後逸する間に一気に生還して7-1とリードを広げて、前半戦を終了する。

金田は4・5回と昌平打線を無得点に抑えていたものの、6回裏には連続四死球とバントで2死2・3塁のピンチを招くと、昌平は6番川田がレフト前に2点タイムリーヒット。浦和学院は金田→背番号10の2年生左腕芳野にスイッチするも、芳野も7回裏に同じく連続四死球でピンチを招いて降板すると、代わった吉田匠が1番寺山にこの試合2本目となるタイムリーを浴びてしまう。
20210728昌平 川田
6回に2点タイムリーを放った昌平の川田

ただ浦和学院打線も終盤突き放しにかかり、7回表にはここまでてこずっていた昌平の2番手のサイドスローの右腕吉川から、死球と内野安打でチャンスを作ると、代わった左腕の川久保から8番芳野が犠牲フライを放つ。8回表には吉田匠がこの試合3本目の長打となるライト線への2ベースを放つと、4番吉田瑞がこの試合3打点目となるタイムリー。9回には6番高松がレフトスタンドにソロホームランを放ち、7・8・9回と1点ずつ追加して、相手に流れを渡さない。
20210728浦和学院 高松
9回にホームランを放った浦和学院の高松

7回のピンチの場面でセカンドからマウンドに上がった吉田匠は、寺山にタイムリーは浴びたものの、続く福地をショートゴロ併殺に打ち取るなど後続を抑える。まるで石川(ソフトバンク)を彷彿とさせるフォームから繰り出す130㌔半ばのストレートとスライダー・カーブなどをコントロールよく投げこみ、8回・9回も昌平打線を見事に抑えてゲームセット。浦和学院が10ー4で勝利して、3年ぶりに夏の甲子園出場を決めた。
20210728浦和学院 優勝
優勝を決めた浦和学院ナイン


20210728浦和学院×昌平
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

昨年の夏は埼玉の独自大会で準優勝、今の世代となって秋季埼玉大会は優勝、春季埼玉大会は4強と近年力をつけつつある昌平。この夏は本来当たるはずの埼玉栄や花咲徳栄といった強豪が事前に敗退してしまうなど、初の甲子園出場に向けての追い風が吹いていた。しかも決勝の相手は難敵であるとはいえ、春の準決勝では9回まで3点のリード奪うなど互角の勝負を展開した浦和学院ということで十分に可能性はあったが、やはり埼玉2強の壁は厚く、4-10というスコアで完敗であった。

敗因としては10失点してしまった守備陣もそうだが、昌平は攻撃力を武器としたチームであり、実際に春の浦和学院戦が9-10というスコアであったように、ある程度点数を取られることは想定内であろう。今日の昌平で残念だったのは、持ち前の攻撃力が発揮できなかったことであり、その要因は2つあると考えられる。昌平打線の中心であるプロ注目の高校通算56発のスラッガー吉野であるが、この試合の吉野は1打席目では宮城のチェンジアップに完全にタイミング合わずに三振を喫してうなど、期待する1発はおろかノーヒットで終戦となってしまった。また1死の場面でバントを試みるケースが多く、特にクリーンアップの5番後藤まで1死からバントをしたことには驚いた。バントというのは1点をとるときには有効であるが、序盤に大きくリードを許してしまった今日のような試合では1点ずつという展開でもなかった。昌平というチームが強打を武器にしているところから見ても、もっと積極的に打っていき、大量得点を狙うという姿勢が見たかったところだ。
20210728昌平 吉野
プロ注目の昌平の3番打者吉野はノーヒットに終わってしまった

優勝した浦和学院現在の3年生世代はこの試合大活躍のW吉田、三奈木、藤井ら前チームからチームの中心を担っていた選手が多く、ここに金田・宮城ら有望な2年生も加わったというチームで、浦和学院の中でも、個々の能力は高いチームであった。ただどこかチームがかみ合わずに、秋は3回戦で川越東に敗れてしまい、今年に入ってからはコロナのクラスターが発生してしばらく練習ができないなど苦労したチームだ。それでも最後の夏にかけては浦和学院らしくしっかりとチームを仕上げてきて、終わってみれば今大会は全く危なげのない戦いぶりでの埼玉制覇であった。

このチームを見事に仕上げた立役者は、浦和学院を率いて今年で30年で、高校野球界にも名を轟かせている名将の森士監督である。そんな監督が優勝インタビューで、この夏で浦和学院の監督を退任することを表明し、県営大宮球場のファンは大いにざわついた。森士監督に有終の美を飾らせるべく、浦和学院の甲子園での活躍に期待したいところだ。


Pickup Player
吉田瑞樹 浦和学院3年 捕手
~3打点に好リードでチームを優勝に導いた主将~
打っては4番打者として3打点、捕手としても4人の投手陣をリードで、また主将としてもチームを引っ張り吉田瑞が浦和学院を甲子園に導いた。

強肩強打の捕手である吉田瑞は、浦和学院では1年秋から4番捕手を務めるなどチームの軸として活躍。2年秋からはチームの主将も担い、森監督からの信頼も厚く、継投のタイミングなども一部任せられているほどである。今大会でも4番捕手として全試合に出場している吉田瑞は、東農大三戦では逆方向のライトスタンドに2ランホームランを放つなど、19打数8安打4打点という活躍をみせていた。

この試合でも4番捕手として出場した吉田は、まず1死1・3塁で迎えた初回の第1打席で田村のスライダーをうまくセンター深くまで運び先制点となる犠牲フライを放つ。2死1・2塁で迎えた第2打席では、二遊間を破るタイムリーヒットを放っていた。第4打席ではアウトになってしまったものの、吉田らしくうまくレフト線に運ぶバッティングをみせてのレフトライナー。2死3塁で迎えた第5打席では三遊間を破るタイムリーヒットを放ち、打撃面では4打数2安打3打点と4番の仕事をしっかりと果たした。

守っては3回に1点を失った直後に、2番打者を三振に仕留めると、2塁へ素早い送球をみせて盗塁を試みた寺山を刺して三振ゲッツーを完成。今日の試合で吉田瑞の前に、昌平が盗塁を試みたのはこれが最後であった。また先発のサウスポー宮城、右のサイド気味の金田、またサウスポーの芳野、最後は右腕の吉田とタイプの異なる4投手を見事にリードしてみせた。継投のタイミングもどこまで吉田瑞が絡んでいるのかは分からないが、エース宮城を3回までで交代させるなど、先手先手の継投で昌平打線に的を絞らせなかった。

打っては4番らしい打撃に、好リードに加えて信頼も厚い捕手。まさに浦和学院の扇の要であり、浦和学院が甲子園でもどれだけ勝ち進めるかはまさに吉田瑞にかかっているところも大きい。

20210728浦和学院 吉田瑞1

20210728浦和学院 吉田瑞2

打っては3打点、捕手としても4投手を支えて浦和学院を優勝に導いた吉田瑞


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浦和学院×春日部共栄【選手権埼玉大会】

7/25 選手権埼玉大会準決勝
浦和学院×春日部共栄 @県営大宮球場

試合経過

埼玉大会準決勝の第1試合は、浦和学院×春日部共栄という順当に勝ち上がった強豪どうしの対決となった。

春日部共栄は1回裏、先頭の増田がレフト前ヒットで出塁すると、2番長谷川が送ってチャンスを広げ、4番石﨑は三遊間を破るタイムリーヒットを放ち先制する。春日部共栄打線は2回にも島崎が2ベースを放ち、3回にも山口叶・石﨑の連打でチャンスを作るなど、浦和学院の先発のエース宮城を攻め立てる。宮城は何とか2回・3回は無失点で凌いだものの、森監督は宮城を3回で早くも諦め、4回からはショートを守っていた金田をマウンドに送るという決断を下す。
20210725春日部共栄 石﨑
先制タイムリーを放った春日部共栄の4番石﨑

春日部共栄のエース高橋は、ストレートは130㌔ちょっとながらも、スライダー・カーブ・チェンジアップといった変化球を駆使した投球が持ち味の左腕。この変化球がボールになりすぎず、バットが出てしまういい高さに決まっており、2回まで浦和学院の攻撃を6人で片づけ。3・4回もピンチを招くも要所を締め、序盤は春日部共栄ペースで試合が進む。
20210725春日部共栄 高橋
春日部共栄の先発のエース高橋

無得点に抑えられていた浦和学院だが5回表、マウンドは降りたもののセンターに回っていた宮城が、この試合2本目となるヒットで出塁すると、9番が八谷送って、1死2塁で上位打線に回す。1番吉田匠はセンターフライに倒れるものの、2番金田はセカンドの横をセンターに抜けるヒットを放ち、宮城が生還して浦和学院が1-1の同点に追いついて、試合は前半戦を終える。
20210725浦和学院 宮城
打撃では3安打を放ち攻撃の起点となった浦和学院の宮城

浦和学院は7回表、この回先頭の宮城が3安打目となるヒットで出塁すると、5回と同じように八谷がバントをすると、この打球がキャッチャー石﨑の手につかずオールセーフ。1番吉田匠が送って1死2・3塁となったところで、金田が前進守備を破るセンター前タイムリーを放つという、5回と同じような得点パターンで2点を勝ち越す。さらに4番吉田瑞のレフト線への2ベースと四球で満塁とすると、6番高松がセンター前にタイムリーを放ち2点を追加して、スコアを5-1とする。
20210725浦和学院 高松
追加点となる2点タイムリーを放った浦和学院の高松

浦和学院は9回表にも、4番吉田が2打席連続となるレフト線への2ベースを放ち出塁。5番藤井のセンター後方への大飛球であたったが、これを春日部共栄のセンター川合がフェンス際でスライディングキャッチ。捕ったことが非常に確認しづらい打球であったが、吉田は一気に3塁を回りホームイン。春日部共栄のタッチアップをちゃんとしていなかったのでは?というアピールも届かずにホームインが認められ、浦和学院が6-1とリードを広げる。

4回から浦和学院のマウンドに上がった金田は、ゆったりとしたサイド気味のフォームから、内外にコントロールよくボールを投げこみ、春日部共栄打線を寄せ付けない投球をみせる。気づけば9回までで春日部共栄打線が金田から放ったヒットは内野安打1本のみと完全に抑えられてしまい、浦和学院が6-1で勝利して決勝進出を決めた


20210725浦和学院×春日部共栄
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

春日部共栄は準々決勝まででチームとしてはノーエラーであり、ショート増田を中心によく守備が鍛えられていた。春季大会では守備が崩壊して花咲徳栄に1-12でコールド負けしているだけに、そこから見事に鍛えてきたといえる。この試合でも9回にセンター川合が、後方のフライをフェンス際でスライディングキャッチするなど守備力の高さは見受けられた。ただその一方で6回にはファースト吉村が今大会初となるエラーを記録していまうと、7回には送りバントを処理した際にキャッチー石﨑の手にボールがつかずにオールセーフとしてしまい、この回4失点に繋がってしまった。エース高橋は丁寧な投球で完投しただけに、守備がも少しカバーすることができれば、浦和学院に対して勝機があったことだろう。
20210725春日部共栄 増田
春日部共栄の守備の要のショート増田

今年の浦和学院投手陣の事情はやや特殊で、リリーフでマウンドに上がる主な投手が、スタメンで野手として出場している二刀流であることだ。浦和学院ほどの選手層があれば、リリーフは背番号10や11をつけた投手専任の選手がベンチから出てくるのが常であるが、現在のチームではショートの金田やセカンドの吉田匠がリリーフの筆頭となる。本来ではエース宮城との2枚看板として期待されている146㌔右腕の三奈木(ライトの兼任)もいるが、事情は詳しく知らないが今大会は野手に専念のようである。そんな投手事情なので継投が難しいところだが、この試合では3回で早くもエース宮城を諦めて、4回から金田を登板させたことがチームにとっては勝利への大きなターニングポイントとなっており、ここはさすが森士監督という起用であった。
20210725浦和学院 三奈木
146㌔右腕として期待されるも今大会は野手に専念しそうな浦和学院の三奈木


Pickup Player
金田優太 浦和学院2年 投手兼ショート
~好リリーフに同点打・決勝打の大活躍~
ショートとしてスタメン出場し、4回からマウンドに上がり、打っては同点打に決勝打と、この試合の浦和学院はまさに金田様様であった。

中学時代にはBFA U-15アジア選手権日本代表でも投手兼内野手として活躍していた金田は、浦和学院に進学すると、2年春には主に9番ファーストとして活躍し、打率.364の活躍で埼玉大会優勝、関東大会4強入りに貢献。この2年夏は背番号は3のままであるが、主にショートを守り、初戦の聖望学園戦ではリリーフとしてマウンドに上がっている。

この試合でも2番ショートとしてスタメン出場した金田であったが、先発の宮城が初回に失点し、以降もピンチを招く投球をみせると、4回裏からはマウンドに上がった。金田はゆったりとしたサイド気味のフォームが特徴の投手で、そこから繰り出すストレートはコントロール抜群であり、球速差の大きいカーブとのコンビネーションを武器とする投手だ。3回まで5安打と元気であった春日部共栄打線はこの金田の投球術の前にテンポよく打ち取られてしまい、ヒットすら出ない状況であった。

打者として非常に器用な打席を見せる選手であり、1・2打席目は内野ゴロに打ち取られていたが、2死3塁で迎えた第3打席では高橋の変化球にうまく合わせると打球はセカンドの横を抜ける同点のタイムリーヒットとなった。さらに7回表の1死2・3塁という場面で迎えた第4打席では同じようにセカンドの横を破る2点タイムリーを放ち、この一打で浦和学院は3-1と逆転に成功した。

投球面では7回裏の先頭打者に初ヒットとなる内野安打を許すものの、後続は打ち取り無失点。8回の1死1塁という場面ではこの試合2安打の春日部共栄の4番石﨑を迎えたものの、左打者の石﨑のインコース、本当に体のすれすれにストレートを投げこんで三振に打ち取った場面は痺れるものがった。結局このまま最後まで投げ切り、投手としては6回1安打無失点、打っても同点タイムリーに決勝タイムリーという5打数2安打3打点の活躍であった。

投手兼ショートということですでに浦和学院の中心選手となりつつある金田。見た目はまだ細身な選手であるが、走攻守さらには投においてセンスがあって器用であり、まだ2年生ということを踏まえれば、今後パワーがついてくれば非常に楽しみな選手である。

20210725浦和学院 金田2

20210725浦和学院 金田1

投げてはリリーフで6回無失点、打っては同点打と決勝打のタイムリー2本の活躍をみせた浦和学院の金田



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盛岡大付×花巻東【選手権岩手大会】

7/24 選手権岩手大会決勝
盛岡大付×花巻東 @岩手県営野球場

試合経過

甲子園出場をかけた夏の岩手大会決勝は、前評判通りに盛岡大付と花巻東という岩手2強の戦いとなった。

花巻東の先発は背番号11の2年生左腕の萬谷。ストレートは120㌔中盤だが、スライダー・カーブ…スクリュー(?)といった変化球を駆使した投球が持ち味の投手である。初回は松本・大貫と打ち取って2死となるものの、3番金子はインローのカーブをうまく捉えると打球はレフトスタンドに飛び込んだ。金子の5試合連続弾で先制した盛岡大付は、さらに4番小針が四球で出塁すると、5番南が右中間へ2ベースを放ち、初回2点をあげる。
20210724盛岡大付 金子
5試合連発となる先制ホームランを放った盛岡大付の金子

2回表にも盛岡大付は、先頭の佐々木がセカンド強襲ヒットで出塁すると、8番の渡邊が送って1死2塁。さらに佐々木が3盗を狙うと、タイミングはアウトであったが、サード菱川のグラブからボールがこぼれセーフ。1番に座る高校通算60発越えの強打者松本が、センター前にタイムリーを放ちリードを3点に広げる。
20210724盛岡大付 松本
タイムリーを放った盛岡大付の1番松本

花巻東の反撃は2回裏、1死から5番田代の放った対空時間の長い打球はそのままライトスタンドに飛び込むソロホームラン。3回表からはエース菱川がマウンドに上がり、Max143㌔のストレートと鋭いスライダーを武器に盛岡大付打線を抑えていき、花巻東に流れを呼び込む。
20210724花巻東 菱川
3回からマウンドに上がった花巻東のエース菱川

花巻東は4回裏、2番の中村晃を彷彿とさせる打法の宮澤が左中間への2ベースを放つと、菱川が四球を選んで1死1・3塁のチャンスを作る。ここで5番田代は二遊間を破るタイムリーを放つと、6番平井もライトオーバーのタイムリー2ベースで続いて、花巻東が3ー3の同点に追いつく。なおも1死2・3類と逆転のチャンスであったが、7番黒澤のショートライナーでランナーが戻れずに併殺となり同点止まり。試合は3ー3で前半戦を終える。
20210724花巻東 平井
同点タイムリーを放つ花巻東の平井

盛岡大付は6回表に、先頭の新井がレフトオーバーの2ベースを放つと、続く佐々木がレフト前にタイムリーを放ち勝ち越し。ただ花巻東も6回裏に菱川・平井のヒットと四球で満塁とすると、8番菊池開の犠牲フライで、4ー4の同点に追いつく。

盛岡大付は8回表、疲れの見え始めた菱川から、南・新井・佐々木が3連打を放ち無死満塁のチャンスを作る。8番渡邊もしぶとく1・2塁間を破ると、この打球をライト黒澤が後逸してしまい、走者一掃して盛岡大付が3点を勝ち越し。さらに松本がタイムリーを放つなどして菱川をマウンドから下ろすと、代わった平井から金子が犠牲フライを放つ。この回に打者一巡の猛攻をみせた盛岡大付がスコアを9ー4とする。

自らのタイムリーで勢い付いた渡邊、また5点もリードを奪われて焦ったのか、4回以降は毎回ランナーを2人以上出してチャンスを作っていた花巻東打線が、その後は渡邊に見事に打ち取られてしまい、8・9回はランナーを1人出したのみで沈黙。渡邊は146球で9回を4失点で投げきり、9ー4で勝利した盛岡大付が甲子園出場を決めた
20210724盛岡大付 優勝
優勝を決めたマウンド付近に集まる盛岡大付ナイン


20210725盛岡大付×花巻東
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


盛岡大付の持ち味である強力打線が光った試合であった。打線を牽引するのは、高校通算60発を越える1番松本と、高校通算55発の3番金子の2人。松本は1発こそはなかったものの、センター・ライトとヒットを放ち、さらに松本対策で右二よった花巻東守備陣を嘲笑うかのように、うまく当てただけで三塁線を破る2ベースを2ベースを放つなど3安打の活躍。金子は初回に萬谷のカーブを捉えると、5試合連続となるホームランを放ち、初回から亜線を勢いづけた。4番の主将小針はこの試合では4四死球であったが、唯一のアウトとなったのは7回の特大のセンターフライ。7回はややホームから見れば逆風であったが、3番金子・4番小針はともにセンターバックスクリーンまであとわずかという大飛球を放っており、打球の方向か風向きがちょっとずれれば共に入っていたという打球であった。他にも6番新井・7番佐々木がともに猛打賞をマークするなど、どこからでも点の取れる打線であり、甲子園でもこの持ち前の強打を発揮して欲しいところだ。
20210724盛岡大付 小針
強打の盛岡大付打線の4番を務める主将の小針

花巻東で注目であったのは、怪物1年生と称される佐々木。花巻東の佐々木監督の息子でもある左のスラッガーは、1年生ながら体重117㎏という立派な体格を誇り、春季大会では3打席連続弾を放つなど入学早々にレギュラーを獲得し、この夏の岩手大会では、菊池・大谷らも1年生で背負った、花巻東伝統の17番をつけてファーストのレギュラーとして出場しており、準決勝の水沢工戦では高校通算22号となるホームランを放つなど活躍をみせてた。そんなスラッガーに対して盛岡大付は、セカンドがかなり後ろに守るシフトを引いて、渡邊は外角の変化球を中心に投げこむという対策をとった。これが功を奏したのか、佐々木は第4打席までで1四球ノーヒット。9回2死から迎えた第5打席でもセカンドゴロを打ってしまい、巨漢で1塁へヘッドスライディングを試みるも最後のバッターとなってしまい、その後はしばらく起き上がれくなっていた。1年夏から甲子園とは行かなかったが、今回のくやしさをバネに清宮をも越える高校生スラッガーとして成長して欲しい。
20210724花巻東 佐々木
この試合では1本が遠かった花巻東のスーパー1年生の佐々木

そんな佐々木以外にも花巻東は下級生の存在が際立った。中村晃を彷彿させる打法で2安打を放ったショート宮澤、ホームランとタイムリーを放ったキャッチャー田代、1年生ながらセカンドのレギュラーとしてフル出場を果たした熊谷とセンターライン、打線の軸は新チームになっても残る。ベンチ入りのうち19人が3年生であり、この試合に出場したのも全て3年生、さらにはこの後甲子園があるので新チームの始動が送れるライバル盛岡大付と比較すると、経験値は大きい。あとは先発した萬谷、1年生ながらベンチ入りを果たした佐藤らを中心に投手陣が整備できれば、秋の岩手大会をかなり有利に進められることだろう。


Pickup Player
渡邊翔真 盛岡大付3年 投手
~投げては完投、打っては決勝打~
盛岡大付のエース渡邊は146球の熱投で完投勝利をあげ、バッティングでも決勝打を放ち、チームを甲子園出場に導いた。

中学時代には武蔵狭山ボーイズでショート兼投手として、現在のチームメイトである新井らとともにボーイズ選手権大会優勝、ジャイアンツカップ8強の成績を残し、ボーイズ関東選抜にも選出された。盛岡大付で1年秋からセンターのレギュラーを掴み、2年夏の独自大会では準決勝の花巻東戦で2ランホームランを放つなどして準Vに貢献。2年秋には背番号6を付け、セカンド・ショートを守りながらマウンドに上がるというマルチな活躍。そして投手が課題であったチーム事情もあり、3年夏は背番号1をつけてエースとして大会に臨んでいた。

投手としての渡邊は、特出したボールがあるというタイプではないものの、非常に安定した投球が光り、準々決勝では盛岡中央から4失点完投勝利、準決勝では昨夏に決勝で敗れた一関学院相手に6回2失点の好投をみせコールド勝ちでリベンジを果たし、この決勝戦でも当然のように先発のマウンドに上がった。

この試合での渡邊のストレートはMax134㌔であり、変化球はスライダーを中心に、カーブ・チェンジアップを投げており、投手としては非常にオーソドックスな選手であるが、大崩れすることもなく、淡々と投げてるタイプである。序盤3回までは田代のホームラン1本に抑えるものの、2巡目を迎えた4回以降は花巻東打線にやや捕まりはじめ、4~7回は毎回ピンチを背負い、計3失点を喫してしまっていた。

バッティングでは投手ということも考慮され、打順は8番であり、バントなどのサインも多く、3打席目まではノーヒットで目立った活躍はできなかった。しかし同点で迎えた8回表、無死満塁というチャンスで打席に立つと、菱川のストレートをしぶとく1・2塁間に持っていく勝ち越しのタイムリー。さらにこの打球をライトが後逸したことで、3人のランナー全員が還り、みずからも3塁まで到達して、松本のタイムリーでホームを踏んだ。さらに最終打席でもセンター前ヒットを放ち、4打数2安打1打点という成績であった。自ら勝ち越しのタイムリーを放ち、勢いに乗ったか投球面でも8回・9回は花巻東打線をヒット1本のみに抑える投球。結局最後まで146球、1人で投げ切って4失点完投勝利。三振は2個のみであり、凄みのある投球でなかったものの、終始安定した投球であった。

盛岡大付ほどの打線があれば、渡邊のように完封とうよりは、ある程度失点をしてもきっちりと安定して投げれるような投手の存在は大きい。ただ内外野もマルチにこなし、走攻守においてもレベルの高く、将来的には野手として活躍する選手かとも思う。ただその前に甲子園ではエースとして、盛岡大付を牽引する姿に期待したい。

20210724盛岡大付 渡邊

20210724盛岡大付 渡邊
完投勝利に決勝打を放つ活躍をみせた盛岡大付のエース渡邊



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専大松戸✕東海大市原望洋【選手権千葉大会】

7/17 選手権千葉大会5回戦
専大松戸✕東海大市原望洋 @ZOZOマリンスタジアム

試合経過

ZOZOマリンスタジアムを舞台に行われた千葉大会5回戦の専大松戸✕東海大市原望洋の試合。勝った場合には翌日に準々決勝が控えるこの試合ですが、互いに大一番と踏んだのか、専大松戸は深沢、東海大市原望洋は木村と両エースがマウンドに上がった。

チームNo1打者との呼び声が高い片桐を1番に起用している望洋打線は、初回にその片桐が2球目のスライダーをレフト線に運んで出塁すると、相原が送って、徳蔵がライト前ヒット、4番日高は死球を受けて1死満塁というチャンスを作る。専大松戸の絶対的エース深沢の立ち上がりを攻めることに成功した望洋であったが、深沢はここで目を覚ましたか、5番西田をサードゴロ、6番梅木は全てストレートで3球三振に仕留めて、初回のピンチを脱する。
20210717東海大市原望洋 片倉
東海大市原望洋の強打の1番打者片倉

すると専大松戸は直後の2回表、1死から6番山口が右中間に2ベースを放ってチャンスメイク。2死2塁となって迎えた8番加藤は、2球で追い込まれるものの、3球目をしぶとくライト前に運ぶタイムリー。女房役がエース深沢に貴重な先制点をプレゼントする形となる。
20210717専大松戸 加藤
先制タイムリーを放った専大松戸の加藤

追いつきたい望洋は3回裏、片桐が出塁して、徳蔵がヒットで繋ぐという初回と同じパターンでチャンスを作るものの、2年生の4番日高はサードゴロ併殺に打ち取られてしまう。すると4回以降は完全に深沢の投球にはまってしまい、3イニング連続でノーヒットと攻略の糸口を見いだせない。

ただ望洋のエース木村も3回以降は素晴らしい投球をみせる。ストレートはMax139㌔をマークして、120㌔台後半のカットボールをうまく使って投球を組立てており、専大松戸打線は8回まで1回も先頭打者が出塁することができずに、追加点が奪えない。試合は専大松戸が1-0とリードしたまま、終盤へ突入することとなる。
20210717東海大市原望洋 木村
追加点を許さない東海大市原望洋のエース木村

望洋は7回裏、この回先頭の沖倉が四球で出塁すると盗塁を決めて、さらに7番望月の内野安打で無死1・2塁と同点、さらには逆転に向けて絶好のチャンスを作る。ただ8番木村がバント失敗すると、9番齊藤もインフィールドフライとランナーを進められず、期待の1番片桐も最後は深沢の143㌔のストレートの前にバットが空を切ってしまう。

ただそれでも諦めない望洋は9回裏、先頭の5番西田がレフト線に2ベースを放つと、沖倉が送って1死3塁と三度同点のチャンスを作る。ただ7番主将望月の打球は、前進守備のセカンド正面の打球となって2アウト。相川監督は2死3塁という場面でも、8番のエース木村に代打を送らずに全てを託したものの、木村もセカンドゴロに打ち取られてしまいゲームセット。専大松戸がハイレベルな投手戦を1-0で制して、準々決勝進出を決めた。
20210717専大松戸 深沢1
完封勝利をあげた専大松戸のエース深沢


20210717専大松戸✕東海大市原望洋
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


過去には、望洋に島(元ロッテ)・金久保(ヤクルト)がいたときには、丸茂が島から逆転サヨナラホームランを放ったり、金久保が延長戦で決勝ホームランを放ったりと専大松戸とは大激戦を繰り広げてきていたカードであったが、ここ数年は東海大市原望洋は元気はなく、この試合も専大松戸が有利という見方が大きかった。ただ試合は始まってみれば望洋のエース木村の好投もあり、試合は緊迫した投手戦となった。結局木村は、春の関東大会を制した専大松戸相手に9回6安打1失点という素晴らしい投球。ただ専大松戸の深沢は9回5安打無失点とそれを上回る投球をみせ、まさに深沢様様で専大松戸が勝利した。

1得点に抑えられてしまった専大松戸であるが、打線のキーマンはやはり1年春からレギュラーを務め、プロからも注目される強打者の吉岡だ。この夏は春に続いて2番を務めており、以前よりも重心を低くしたフォームが印象的であった。この試合ではいわゆる快音という当たりこそ見られなかったものの、2打席目にはライト前にうまく落とすと、スピードを緩めずに一気に2塁を陥れた。第4打席ではセカンド内野安打で出塁して、盗塁を決めるなど、この試合では足で魅せてチームのチャンスメイクに貢献していた。まずますの活躍であったが、準々決勝以降は持ち前の長打で打線を引っ張る姿に期待したいところだ。
20210717専大松戸 吉岡
専大松戸の打線の軸となる2番吉岡


Pickup Player
深沢鳳介 専大松戸3年 投手
~最後は足を攣ってもエースが魂の完封勝利~
1-0で勝利した専大松戸は、完封勝利をあげたエースの深沢様様であった。

サイドスローの深沢は、専大松戸では1年秋よりベンチ入りを果たし、2年夏の千葉独自大会でも、石井とともに下級生で2人のみのベンチ入りを果たし準優勝に貢献。2年秋からはエースとなると、関東大会では鹿島学園、鎌倉学園から2試合連続で完封勝利をあげてチームを関東4強に導いた。3年春のセンバツでは、中京大中京相手に好投をみせるも、ランニング2ランホームランを浴びて、完投するものの畔柳との投手戦に0-2で破れた。3年春の関東大会では、2番手以降の投手を育てるチームの方針もあって、登板機会は少なかったものの、駿台甲府からは完封勝利をあげるなどして優勝に貢献した。

この夏もエースとして臨み、2回戦の西武台千葉戦、4回戦の千葉経大付戦ではともに5回無失点の好投を見せており、準決勝まででは最大の山となるだろう、この東海大市原望洋戦でも先発のマウンドに上がった。初回にはいきなり満塁のピンチを背負うも、これでエンジンがかかったか、5番西田をサードゴロに仕留めると、続く6番梅木にはストレート3球連続で、最後はサイドスロー独特の高めの球を振らせて三振。初回のピンチを凌ぐと、そこから深沢の本来のピッチングを披露。サイドスローからのストレートはMax144㌔をマークし、これがコーナーに吸い込まれるように決まっていく。スライダーは110㌔台後半のもの、100㌔台のものの2種類があるようで、途中から右バッターが9人並んだ望洋打線から見れば、手元で逃げていくような球であったことだろう。3回と7回にはチャンスを作ったものの、それ以外は望洋打線を淡々と打ち取っていった。最終回にも1死3塁のピンチを招いたものの、そこから2人をセカンドゴロに仕留めてゲームセット。炎天下での投球で途中足を攣っていたらしく、最後の打者の打ち取った後は、その場で動けなくなったものの、エースらしく最後まで投げ抜き、122球5安打9奪三振で完封勝利をあげた。

ストレートも140㌔オーバーが基本となり、その投球の安定感からいっても、現世代で高校No1サイドスローといっても過言でない深沢。まずは春には初戦敗退となってしまった甲子園のマウンドに再び立つことが先決であろうが、個人的にはその後のU18日本代表に呼びたい選手である。専大松戸からは一昨年にサイドスローの横山がロッテに入っているが、間違いなく現状では深沢の方が上であり、プロ志望届を提出すれば、高卒プロ入りも十分にあり得る投手だろう。
20210717専大松戸 深沢2
足を攣りながらも完封勝利をあげた専大松戸のエース深沢


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慶應義塾×桐蔭学園【選手権神奈川大会】

7/12 選手権神奈川大会1回戦
慶應義塾×桐蔭学園 @サーティーフォー保土ヶ谷スタジアム

試合経過

夏の神奈川大会でノーシード校となってしまった高校の中で、注目は慶應義塾と桐蔭学園であり、この2チームがどこに入るかというのは、注目の的であった。しかしなんとこの2校は隣のくじを引いてしまい、なんと1回戦から慶應義塾×桐蔭学園という強豪同士の対決が実現してしまった。

まずマウンドにあがったのは桐蔭学園の2年生エースの山口凱。バランスのとれたフォームから繰り出すストレートには力があり、コントロールもよく、この試合で与えた四球は1個のみ。打者の手元で鋭く曲がるスライダーとのコンビネーションが光る投球で、4回までは打たれたヒットは慶應のリードオフマンの真田の2本のみで無失点に抑える。
20210712桐蔭学園 山口凱
桐蔭学園の2年生エースの山口凱

慶應の先発の背番号10の左腕荒井も、Max145㌔との評判通りストレートには力があり、フォームも決して開くことのない、いいサウスポーといった感じであった。変化球はスライダーとカーブを操っており、2回には満塁のピンチを凌ぐなどして4回まで無失点。両チームの先発投手の好投で4回まで0-0のまま進んだ。
20210712慶應義塾 荒井
慶應義塾の先発のマウンドに上がった左腕の荒井

試合が動いたのは5回、慶應は先頭の7番小堀がライトオーバーの2ベースで出塁。続く8番金岡の送りバントはやや強かったことが幸いして、投手の横を抜けていき、サード相澤が慌ててバックアップしてファーストに送球するも、これをベースカバーに入ったセカンド木本はキャッチできず、ボールが1塁ファールグランドを転々とする間に、小堀が一気に生還して慶應が1点を先制する。
20210712慶應義塾 小堀
慶應義塾の先制点の起点となる2ベースとはなった小堀

しかし桐蔭学園はその裏、先頭の山口凱が自らのバットでライト前ヒットを放つと、続く1番慶野はファーストの前にセーフティバントを決めて、2番田中が今度はきっちりと送って1死2・3塁のチャンスを作り、桐蔭学園の木本・松下というプロ注目の二遊間で構成される3・4番を迎える。荒井は木本には四球を与えてしまい満塁となったものの、4番松下は浅いライトフライでランナー帰れず。これで波に乗ったか荒井は5番相澤に対しても、スライダー2球で簡単に追い込んだものの、相澤は3球目のストレートを捉えると、打球はレフトフェンス直撃の2点タイムリー2ベースとなり、桐蔭学園が逆転。慶應はエース前田をマウンドに送り、追加点は許さなかったものの試合は桐蔭学園が2-1とリードして前半戦を終える。
20210712桐蔭学園 相澤
逆転タイムリー2ベースを放つ桐蔭学園の相澤

ただ慶應は7回表、この回先頭の7番二宮の放ったレフトポール際への大飛球は、桐蔭学園の抗議もあったものの、ホームランと判定されて同点。さらに前田がヒットで続くと。8番金谷のバントはまたもや桐蔭守備陣のエラーを誘い、さらに荒井が送って1死2.3塁のチャンスを作る。1番真田は2球目のストレートを叩くと、真田のこの試合3本目のヒットとなる打球はセンターの頭上を越える2点タイムリー2ベースとなり、慶應が4-2と逆転し、桐蔭学園のエース山口をマウンドから降ろすこととなる。
20210712慶應義塾 二宮
同点ホームランを放った慶應義塾の二宮

さらに慶應は8回表、先頭の今泉が死球で出塁すると、坪田が送って、二宮のセンター前ヒットで1死1・3塁のチャンスを作る。7番前田の打球は、全身守備のセカンドの後方に上がり、これをショート松下が広い守備範囲でカバーしスライディングキャッチを試みたものの、ボールはグラブからこぼれ落ち、今泉が生還して慶應がリードを5-2と広げる。

ただし桐蔭学園は8回裏、先頭の進藤がライト前ヒットで出塁すると、7番小林も初球を捉えると打球は右中間を抜けるタイムリー2ベース。2死2塁となってから迎えた1番慶野のセンター前への打球に対して、慶應のセンター横地はスライディングキャッチを試みるも、ボールを弾いてしまい小林が生還して桐蔭学園が4-5と1点差に迫る。続く2番田中もライト前ヒットを放ち、慶野は同点のホームを狙ったものの、ライト真田がこれを刺して、桐蔭学園に同点を許さなかった。

9回裏、慶應は荒井が再びマウンドに上がる。ただ勢いのある桐蔭学園は、先頭の3番木本が右中間に3ベースを放ち、さらに迎えるは4番松下という同点の絶好のチャンスを迎える。松下はフルカウントからライトに強烈な打球を放つも、これはライト正面のライナーとなり、3塁ランナー動けず。それでもこの試合当たっている5番相澤を迎えると、相澤の打球は3塁線へ…この打球をサード今泉がほぼ3塁ベースの真上で好捕。木本は慌てて3塁へ戻るも、ほぼ自分に向かってくる打球なので、反射的に避けてしまうところもあり反応がやや遅れて、この3塁ベース上でタッチアウト。2死1塁と一気にチャンスが後退した桐蔭学園は、最後は代打の木原がセンターフライに倒れてゲームセット。1回戦としてはもったいない強豪対決は、慶應義塾が5-4で勝利して、2回戦へコマを進めることとなった。


20210712慶應義塾×桐蔭学園
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


この試合の慶應義塾はスタメンで背番号とポジションが一致するのがサード今泉、センター横地の2人のみであった。ショートには1年生の八木を起用し、もともとショートだった二宮はライト→ファーストと守り、キャチャーも2年生捕手の吉開(背番号2)でなく、背番号3の坪田(もともとは捕手であった)を起用するなど、守備の要となる部分にも、直前で手を入れたようだ。さらにリードオフマンとして起用した真田は背番号17であるが、名簿には名前が載っておらず、直前での登録変更でベンチ入りを果たした選手だった。ただ結果的には二宮は同点ホームランを放ち、真田は打っては決勝タイムリーを含む3安打、守ってはライトから同点を阻止する好返球という大活躍。夏本番直前どのポジション変更は、この試合では吉と出たといえるだろう。
20210712慶應義塾 真田
決勝打を含む3安打の活躍をみせた慶應義塾の真田

桐蔭学園はやはりプロ注目の二遊間である木本・松下がエンジンがかかるのが遅かったか…。この試合では3番木本、4番松下という布陣で臨んだが、8回まではともにノーヒット。最終回には木本が右中間に3ベースを放ち、続く松下の打球も素晴らしかったが正面のライトライナーになってしまうなど、ツキにも見放されてしまい、結局この2人の打撃が直接桐蔭学園の得点に絡むことはなかったのは、桐蔭学園としては大きな誤算であっただろう。これで中学時代には裾野シニアで日本一になったメンバー4人(木本・松下・勝間田・山口)を擁した桐蔭学園の世代が、まさかの初戦敗退となってしまった。
20210712桐蔭学園 木本
最終回には3ベースを放った桐蔭学園の木本

ただエース山口はまだ2年生。敗け投手となってしまったものの、守備に足を引っ張られたところもあり、投球内容には光るものがあり、来年には神奈川を代表する投手として君臨することだろう。またともにタイムリーを含む2安打を放った相澤・小林も2年生である。初戦敗退となってしまった分、秋季大会への新チームの立ち上がりは早くなることも踏まえれば、桐蔭学園の新チームは非常に楽しみである。


Pickup Player
前田晃宏 慶應義塾3年 投手
~負傷したままのエースが流れを呼び込む投球~
5回から慶應義塾は、2番手としてエース前田が登板したことで、この試合の流れは変わった。

広島カープで活躍した前田智徳の次男ということでも注目されている前田晃宏は、小学生時代にはカープジュニア、中学時代にはNOMOジャパンも経験し、高校では慶應義塾に進学。1年秋には背番号10をつけベンチ入りをはたし、桐光学園戦では先発のマウンドに上がっている。2年秋からはエースとなるものの、先発した桐蔭学園では4回途中で降板してチームは敗退。最後の夏に懸けたいところであったが、大会直前に右膝を負傷し、この試合もテーピングをまいたまま臨んでいたそうだ。

そんな万全の状態ではなかったために、先発は左のエースの荒井に譲る形となったが、5回に荒井が逆転を許した直後に、森林監督は前田をマウンドに送った。いきなり2死2・3塁というピンチで最初のバッターの進藤は歩かせてしまったものの、続く小林からは得意のスライダーで三振を奪ってガッツポーズを見せた。前田はストレートはおそらく140㌔には満たないであろうが、このようにスライダーやチェンジアップといった変化球を武器とした投手である。6・7回は桐蔭打線から4個もの三振を奪い無失点に抑えた。

打席に立つと本来はバッティングを武器としている選手には見えなかったが、そこは前田智徳の息子ということだろうか…7回には二宮のホームラン直後にレフト前ヒットを放って逆転のホームを踏み、8回にもタイムリーを放つ活躍をみせた。その裏の投球では8回には2点を返され、最終回のマウンドは荒井がレフトから戻る形となったものの、投げては3回1/3で2失点、打っては2打数2安打という活躍。前田の登場で流れが一気に慶應義塾に傾いたこともあり、投打で重要な活躍をみせた。

まだ本来の姿には遠いだろうが、今年の慶應義塾はまさに総力戦であり、勝ち抜くためには前田の活躍も必須であろう。そしてその先に目を向けると、投手育成に定評のある慶応大に進学するとなることになるだろう。もともと投球術や変化球には定評があるだけに、スピードがさらについてくれば、タイプ的には現在の慶応大のエースの森田のような投手となれることだろう。

20210712慶應義塾 前田
途中からマウンドにあがり投打で慶應義塾の流れを手繰り寄せたエース前田


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木曽青峰✕松商学園【選手権長野大会】

7/10 選手権長野大会3回戦
木曽青峰✕松商学園 @松本市民球場

試合経過

木曽青峰のエース奈良は、スライダーやフォーク(?)といった変化球も交えて丁寧な投球を展開。特に左バッターが上位に4人並ぶ松商打線に対して、アウトコースの際どいところにボールがコントロールできており、1・2回はランナーを出しながらも松商の攻撃を無得点に抑える。
20210710木曽青峰 奈良
丁寧な投球が光った木曽青峰の先発奈良

ただ3回裏、そのコントロールにやや狂いが生じたのか、吉水・間中と2個の四球を与えてします。さらに松商は、木曽青峰の1年生捕手の野中にを、機動力で攻め立て、吉水と間中がそれぞれ盗塁を決めて2・3塁とする。3番織茂の打球は、ファーストのすぐ横であったが、球足の早い打球にファーストが対応出来ずに、そのままライトに抜けていき2点タイムリーとなった。松商は4回裏にも瀧川がヒットからチャンスを作ると、吉水にタイムリーが飛び出し3点目をあげる。

5回裏には先頭の間中がセカンドエラーで出塁すると、織茂のヒットで1・3塁としてから、4番齋藤がライト線に2点タイムリー2ベース。さらに5番野田も二遊間を破るタイムリーを放ち、この回3点目。6回にも同じく間中が四球で出塁すると、織茂・齋藤の連打で1点を追加して、7ー0とする。
20210710松商学園 齋藤
2点タイムリー2ベースを放った松商学園の4番齊藤

松商の先発は、背番号10の2年生左腕栗原。栗原のストレートはMax140㌔ほどは出ていたらしいが、それ以上にノビのある球であった。変化球はスライダー・チェンジアップなどを投げていたが、6回までで奪った三振10個は(自分の集計によれば)何と全てストレートによるもの。打たれたヒットも2本のみの、6回無失点という投球で、来年にはドラフト候補と呼べる投手であると感じた。
20210710松商学園 栗原
6回10奪三振無失点の好投を見せた松商学園の栗原

松商学園は7回表には背番号18の今井がマウンドに上がる。秋までは4番も打つなど外野手として活躍していたが、強肩を買われて投手に挑戦。その後はケガもあり、今大会では背番号18となってしまったが、Max145㌔を誇る右腕として注目されている。今井は先頭打者にセンター前に弾き返されると、さらに四球とヒットでいきなり無死満塁のピンチを背負ってしまうも、ここから本領を発揮して連続三振を奪い2アウト。最後の打者もライトフライに打ち取り、7回7点差となったためにゲームセット。松商学園が7-0(7回コールド)で木曽青峰から勝利をおさめた。
20210710松商学園 今井
無死満塁のピンチを招くも最終回を無失点に抑えた松商学園の今井


20210710木曽青峰✕松商学園
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

春の長野大会を制した松商学園が順調に3回戦を突破した。まだ大会の序盤ということもあってか、春季大会では打率6割を超えた忠地、1年夏からショートのレギュラーを務める熊谷の2人はケガの影響もあってか、この試合では出場はなかった。にも拘わらず、クリーンアップを務めた織茂・齋藤・野田の3人はともに猛打賞の活躍で打線を牽引した。ここに忠地・熊谷が加わることができれば、さらに強力な打線となって楽しみである。投手陣も事実上のエース格である栗原はさすがの投球をみせ、今井もまだまだであるがストレートは143㌔をマークしていたらしく、復活に向けてまずまずの投球であった。背番号1の渡邉と栗原の2人で先発をして、後ろに速球派の今井が控えるという布陣が完成すれば、こちらも心強い。現段階でも長野の本命といえるが、投打において完全体になれば、甲子園がさらに近づくことだろう。



Pickup Player
織茂秀喜 松商学園3年 外野手
~4打数4安打の活躍で打線を牽引~
松商学園の3番織茂は、もうバットが止まらないという状態で、先制タイムリーを含む4安打の活躍で打線を牽引した。

織茂は2年秋には2番センターとして活躍していが、フォームが固まり打力が増すと。3年春から3番打者を務めており、北信越大会でも関根学園戦・敦賀気比戦でそれぞれタイムリーを放つ活躍をみせていた。この夏は背番号9をつけている織茂であるが、3安打の活躍をみせた初戦の伊那北戦に続いて、この試合では3番センターとしてスタメン出場を果たしている。

第1打席では奈良のスライダーにうまく合わせて、三遊間を破るヒット。チーム無得点の中、1死2・3塁第2打席ではストレートを強打すると打球はほぼファースト横のゴロであったが、スピードの速い打球をファーストが捕ることができずに2者が生還する先制の2点タイムリーとなった。第3打席でも強烈な打球で1・2塁間を抜いてチャンスを広げると、第4打席では初球をレフト前に持ってった。

結局この試合の織茂は4打数4安打という活躍であったが、際立ったのはうまさと強さを兼ね備えている打撃だ。レフトに放ったヒット2本は逆らわずに技術で持っていったヒットであり、ライト方向に放ったヒット2本はいずれも強打しており、打球速度の速さも際立っていた。センターの守備では、守備位置取りがよくいったと思った打球を正面で捕球することもあり、中学時代は上田南シニアで投手を務めていたこともあり、肩もよさそうな選手で、今後の活躍が楽しみである。

20210710松商学園 織茂
打撃好調で先制タイムリーを含む4打数4安打の活躍をみせた松商学園の織茂



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夏の甲子園代表校予想(まとめ)

自分が見た地区だけはちゃんと予想書きましたが、それ以外の地区も含めて、代表校の予想です。
せっかくなのでホームラン、報知高校野球の予想とも合わせて出してみました。

2021夏の甲子園出場校予想

さぁ今年はいくつ当たるでしょうか?


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夏の甲子園代表予想【近畿編】

夏の甲子園の代表校予想を始めていきたいと思います。
まず4回目は【近畿編】です。

【滋賀】近江
秋準Vの近江は、146㌔右腕の2年エース山田がコントロールもよく、全体的に投手層も厚い。攻撃面でも主砲の新野に加えて、山田も打力があり、春は3回戦敗けでノーシードであるが滋賀の雄として本命に推したい。秋春ともに近畿大会に出場した滋賀学園は、146㌔右腕のエース阿字がチームの中心。近年急成長を遂げており、春は滋賀を制した綾羽も、エース矢野を中心に投手は充実しており、打線も強力で初の甲子園が見える位置にいる。もともとは捕手でこの春から投手をつとめる北村の活躍で、春準Vの立命館守山も力をつけてきており、楽しみだ。


【京都】京都国際
春のセンバツに出場し、その後の京都大会も制した京都国際が1歩リードしているといえる。左腕の森下、右腕の平野というともに2年生の2枚看板は大舞台を経験して、さらに力をつけてきており、リードする捕手の中川は攻守においてプロ注目の捕手だ。秋季大会を制した龍谷大平安はショートを守る主将の吉田が攻守の中心。あとは投手陣の仕上がり次第であるが、すでに144㌔をマークしている1年生の岩井には注目していきたい。秋準V、春4強の乙訓も146㌔右腕のエース北見に加えて、左腕の石田も台頭してきて投手陣は充実している。他には春準Vの東山も投手陣が揃っており、京都翔英のエース池島も注目である。
20210529京都国際 森下
京都国際の左のエース森下


【奈良】智弁学園
例年通り、ともにセンバツにも出場した智弁学園と天理の2強の争いとなりそうだ。センバツ8強の智弁学園は、西村・小畠のダブルエース、ともにプロ注目の右のスラッガー山下、左のスラッガー前川と1年時からレギュラーに名を連ねる逸材の揃った世代が最終学年を迎えている。センバツ4強の天理は、193㎝から148㌔のストレートを誇るエース達に、強打の4番瀨と投打の軸が揃っている。ただセンバツ準決勝で登板を回避した達が夏も背番号11をつけるなどまだ完全復活とはいえず、他の投手で智弁学園に対抗するのは簡単でない。というところで、優勝予想は智弁学園としたい。
20210323智弁学園 前川
智弁学園の左のスラッガー前川


【和歌山】智弁和歌山
智弁和歌山打線VS小園の戦いとなるだろう。智弁和歌山はエースに147㌔右腕の中西を擁し、1年夏から4番を打つ徳丸を中心に、走攻守にハイレベルな3番宮坂など持ち前の強力打線も健在だ。市和歌山は高校球界No1との呼び声高いエース小園に、中学時代からバッテリーを組むこちらもドラフト候補の大型捕手の松川のバッテリーが中心だ。秋は市和歌山が智弁和歌山に3連勝したが、春は智弁和歌山がリベンジに成功。近年の高校野球ではデータ分析なども進む強力な投手であっても同じ相手を抑え続けるのは難しく、夏は総合力に勝る智弁和歌山がまた小園を攻略するのではないかと予想する。
20210529智弁和歌山 徳丸
1年夏から智弁和歌山の4番を務めている徳丸


【大坂】大阪桐蔭
センバツでは投手陣が崩壊して初戦敗退となってしまったが、その後は春の近畿大会を制するなど本領を発揮しつつある大阪桐蔭。春に背番号1を背負った竹中は安定感のある投球が持ち味で、松浦・関戸のプロ注目の2枚看板がいなくても何とかなりそうなほどの強力布陣。打線もプロ注目のセンター池田に加えて、春は186㎝のスラッガー花田が4番に座るなど、逸材が揃っている。対抗馬はもちろん夏の甲子園連覇(?)を狙う履正社となるが、秋は3位決定戦で近畿大会出場を逃し、春は4回戦で興国に敗れるなど元気はない。ただエース左腕渡辺、主砲の松林ら大阪桐蔭相手に番狂わせを起こす選手は十分にそろっている。
20210529大阪桐蔭 花田
春から大阪桐蔭の4番に座る花田


【兵庫】神戸国際大付
センバツに出場した神戸国際大付は、肘痛の影響で2試合とも早々に降板したエース阪上の状態が気になる。ただ北海戦では好リリーフをみせた186㎝の2年生左腕楠本など他の投手陣も充実しており、本命といえるであろう。報徳学園は秋春と結果こそ出ていないものの、プロ注目の143㌔左腕の久野を擁し、打線も下井田・南條らが牽引しており、実力が高い。春は明石商や東播磨といった甲子園出場チームをコールドで撃破した神戸弘陵は、146㌔右腕のエース時沢がおり、前評判の高いチームだ。春季大会を制した神港学園のエース三木は投げては146㌔、打っては高校通算30発越えの注目の選手だ。
20210319神戸国際大付 阪上
復活が期待される神戸国際大付のエース阪上


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夏の甲子園出場校を予想【東海編】

夏の甲子園の代表校予想を始めていきたいと思います。
3回目は【東海編】です。

【静岡】掛川西
春の東海大会を制した掛川西は、左腕の沢山が計28回無失点、144㌔右腕であり打っても主軸の榊原の2枚看板を擁しており投手力は静岡随一。秋春と静岡大会を連覇した藤枝明誠は、エース左腕の小林を筆頭に非常に安定した戦いぶりが目立つ。秋春ともに上位進出は果たせていないものの、静岡は実力者が揃っており、エースの高須は192㎝から145㌔のストレートを投げ込むプロ注目の右腕である。この3強の戦いとなるが、藤枝明誠✕静岡が準決勝で当たり、掛川西は反対の山ということで投手力が
1番充実している点も含めて掛川西を優勝と予想したい。他には昨年のセンバツ出場を決めていた加藤学園は、植田・佐野・雨宮と攻撃陣に有力選手が残っており、投手力がUPすれば優勝争いに食い込んでくるだろう。


【愛知】愛工大名電
今年も私学4強がそれぞれ強力投手陣を擁しハイレベルな戦いが予想される。春の愛知大会を制した愛工大名電は1年春からエースを務める左腕田村に加えて、野嵜・寺嶋と140㌔後半をマークする2人の右腕もおり、打線にも宮崎・田村・利光らパワーのある選手が揃っている。享栄も152㌔右腕の肥田を筆頭に、竹山・菊田と140㌔後半をマークする右腕トリオがおり、春は東海大会準Vを達成している。センバツ4強の中京大中京は、エース畔柳の復調次第。東邦はエースの143㌔左腕の知崎に、内野手も兼ねる2年生の三浦がおり、鈴木・上田・金森ら攻撃陣も強力だ。正直この4チームならどこが優勝してもおかしくなく、またどこが優勝しても甲子園で十分に戦えるチームだが、あえていうなら愛工大名電が投打に安定していて優勝に近いかと思われる。
20200919愛工大名電 田村
愛工大名電のエース左腕の田村


【岐阜】県岐阜商
鍛治舎監督が就任してから選手も集まり復活してきた県岐阜商は、エース左腕の野崎、140㌔後半をマークする松野を中心に投手陣が豊富であり、打線もプロ注目の4番捕手高木を中心にハイレベルであり、岐阜の大本命といえる。秋春ともに東海大会に出場した岐阜第一は、こちらもプロ注目の二刀流の阪口がチームを牽引している。春は投打においてやや物足りなさを感じたが、大谷を彷彿とさせる選手であり、本領を発揮すればチームを一気に甲子園に導く可能性もある。中京は1年夏の甲子園で主軸として活躍した小田がエースとしても安定した投球をみせており、優勝候補にあげたかったが、まさかの初戦敗退となってしまった。
20210323県岐阜商 高木
県岐阜商のプロ注目の捕手高木



【三重】三重
今年の三重は非常に混戦であるが、秋の王者の三重は、春は初戦敗退だったものの、エース堀田と、走攻守揃ったプロ注目のショート品川を欠いていたこともあり、本来の実力が発揮できれば本命となり得る。三重を春に破った津商業は、1年秋から活躍するエース出口の投球の完成度が高い。春準Vの津田学園は、145㌔右腕のエース窪田に注目。他にも第1シードの海星や、秋準V・春4強の成績を残した松阪商らにも十分にチャンスはある。


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夏の甲子園代表予想【関東編】

夏の甲子園の代表校予想を始めていきたいと思います。
2回目は【関東編】です。

【茨城】常総学院
秋春と茨城を制して、センバツにも出場した常総学院が1つ抜けている。横浜などで活躍した島田監督のもと、春のエースである147㌔右腕の大川と、秋のエースであり145㌔右腕の秋本という本格派右腕の2枚看板が最大の魅力。4番捕手主将の田辺、ショートの三輪とセンターラインの2人も超高校級である。対抗馬となるのは春に常総学院と大接戦を演じた明秀日立で、プロ注目の143㌔左腕の飯田に、金沢監督お得意の強力打線が持ち味だ。そこに続くのはハイレベルな野手が揃う土浦日大、150㌔右腕の樫村のいる水城、1年夏に甲子園を経験した飯塚・宮崎が率いる霞ヶ浦がそこに続くだろう。


【栃木】作新学院
正直今年の栃木は、実力の突出したチームはない。作新学院はエース左腕井上に、林・佐藤といった右腕と投手陣が揃い、田代・相羽の1・2番を、大房・小口らパワーのある中軸が返す。佐野日大も春は強力打線が5試合全てで2桁安打を放ち、優勝を果たしている。ただ春はエース早乙女が離脱しており、夏に復帰できるかが鍵となる。他にも秋の王者の国学院栃木、強肩強打の捕手福田が率いる文星芸大付、143㌔右腕の中沢ら投手陣の揃う白鴎大足利などにも十分にチャンスはある。あえて言うのであれば、9連覇中と夏にめっぽう強く、また組み合わせ的にも上記のチームの中で1チームだけ逆の山にいる作新学院が有利なのではないかと思う。
20210505作新学院 井上
作新学院のエース左腕の井上


【群馬】健大高崎
春には健大高崎・前橋育英・桐生第一の3強がベスト8にも残らないという波乱の起きた群馬であるが、地力でいえばやはり秋の関東大会を制した健大高崎に分がある。赤坂コーチの就任により強打を発揮しつつある打線は、高校通算50発を越える小澤を中心に、森川・櫻井・堀江らどこからでも1発が出る。夏には健大高崎に対して相性のいい前橋育英は、前チームからエース左腕菊池に加え、高校通算20発を誇る皆川も145㌔をマークするまでに成長している。春の群馬を制した関東学園付も、篠原・石原と140㌔を越えるダブルエースがおり、桐生第一も下級生が台頭してきており侮れない。
20191120健大高崎 小澤
健大高崎打線の中でもトップの高校通算50発を越える小澤


【埼玉】花咲徳栄
秋はともに関東大会出場を逃したものの、夏は結局は花咲徳栄と浦和学院の2強の争いになりそうだ。花咲徳栄は、プロ注目のショート浜岡を中心に、1発のある9番秋山などどこからでも点の取れる強力打線が魅力で、投手陣も松田・堀越・高安・金子と枚数が揃っている。浦和学院は2年生エースの左腕宮城が完成度が高く、二刀流の146㌔右腕三奈木、野手陣も捕手の吉田瑞とショートの吉田匠の吉田コンビを中心にレベルが高い。夏の大会では最近はずっと花咲徳栄が勝っていること、また選手層の厚さなどトータルで見れば花咲徳栄が上かと思われる。また秋季大会を制し、春も浦和学院にタイブレークまでもつれ込む接戦を演じるなど、近年急成長を遂げている昌平も、プロ注目の吉野を中心に打線が強力であり、2強撃破の可能性を秘めている。
20210504花咲徳栄 浜岡
プロ注目の花咲徳栄のショート浜岡


【千葉】専大松戸
センバツに出場し、春は関東大会を制した専大松戸が戦いぶりでは安定していて本命といえる。エースのサイド右腕深沢は球速が143㌔までにあがり、春は144㌔右腕の岡本も台頭、打線は強打者の吉岡に注目だ。秋の王者木更津総合は、エースの本格派右腕島田が復調し、打線では1年時からスタメンの山中・秋元ら好打者が揃う。春を制した千葉学芸は、高校通算70発を越えるスラッガー有薗を擁し、エース左腕の北田を中心に守備が強化できれば初の甲子園も見えてくる。中央学院もエースの150㌔右腕細谷に、142㌔右腕の飯尾と投手陣が強力で、上位を倒す力は十分にある。

【東東京】関東一
関東一と二松学舎大付の一騎打ちになると思われる。関東一はエース市川の投球の完成度が高く、春に鈴木ら台頭して、関東大会準Vを成し遂げられたのは大きい。打線もミート力が抜群の初谷、春は4番に座った主将の楠原、市川も打率高く、持ち前の機動力も健在だ。二松学舎大付はエース左腕の秋山が、大江2世と言われるにふさわしく、力強い速球でチームを支えてきた。ただ秋山を支える投手に不安を抱えており、夏となるとそこが弱点となる可能性もあり、選手層の厚い関東一に分がある思う。この他にも帝京は秋春と早期に敗退したもののエース植草を中心に力のある選手が揃い、日大豊山もタイプの異なる投手がおり上位進出が期待される。
20210621関東一 市川
完成度の高い投球が光る関東一のエース市川


【西東京】東海大菅生
秋の東京を制し、センバツ8強の東海大菅生が大本命となる。春はエース左腕の本田が投げられなかったものの、185㎝の2年生右腕の鈴木泰ら投手陣で4強入りを果たし、投手陣に厚みが増した。野球脳の高い福原、勝負強い小池、アベレージの高い小山ら2年生の野手陣も注目だ。秋と春ともに準Vであった日大三は、宇山・岡村の左腕2枚看板に、守備力も高いチームであり、夏までにどこまで打線が仕上がってくるかが打倒菅生の鍵となる。その他清宮率いる早稲田実業は有力な1年生も加入して注目であるし、八王子のMax149㌔の191㎝左腕羽田は本来の力を発揮すれば、打てるチームはそうそうないことだろう。
20191114東海大菅生 福原
東海大菅生の扇の要の2年生福原


【神奈川】東海大相模
毎年激戦区と言われる神奈川であるが、今年はやはりセンバツ王者の東海大相模が抜けている。センバツ無失点だったエース石田を春季大会ではほとんど起用しないなど、投手陣は層が厚くなった。センバツでは急性胃腸炎で離脱した主将大塚も復帰して、高校生No1と言われるショート守備をみせ、核弾頭の門馬、4番柴田ら力強い打者もいる。門馬監督が最後の夏ということもあって気合は十分であろう。そんな相模を倒せるとしたら、やはり横浜であろう。安達・立花・宮田らを中心に相変わらずのタレント揃いであり、エースの148㌔左腕の金井は復調が鍵となる。春準Vの桐光学園も146㌔右腕のエース中嶋を中心に選手が揃い、準決勝で対戦予定の横浜✕東海大相模とは、逆の山に入れたことは心強い。
20191021東海大相模 大塚
夏こそは自らの手で優勝旗を掴みたい東海大相模の主将大塚


【山梨】東海大甲府
秋は関東大会で東海大相模を撃破、センバツでも1点差の好ゲームを演じるなど実力のある東海大甲府が地力に勝る。エース左腕若山はコントロール・テンポともによく、打線はリードオフマンの猪ノ口、主軸の木下・久井、好守も光るショート中澤とタレントが揃う。日本航空はエースの188㎝左腕のヴァルデナ、主軸のエドポロに注目で、春は関東大会で東海大相模を破っている。他には春の王者駿台甲府や、下級生に好選手の揃う山梨学院にも十分に甲子園の可能性がある。
20210320東海大甲府 若山
東海大甲府のエース左腕の若山



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