神戸国際大付×明石商【秋季兵庫大会】
9/25 秋季兵庫大会準々決勝
神戸国際大付×明石商 @明石トーカロ球場
試合経過
秋季兵庫大会は準々決勝で、春夏甲子園に出場のメンバーが多く残り今大会の大本命とされている神戸国際大付と、明石商という強豪対決。翌日に準決勝を控える日程であるが、神戸国際大付は楠本、明石商は常深と両エース左腕が先発マウンドに上がった。
神戸国際大付は3回表、1番柴田が三遊間を破るヒットを放つと、ワイルドピッチと内野ゴロの間に進塁し、2死3塁のチャンスを作る。ここで好打者の3番山里は敬遠気味に歩かされた後、4番松尾はやや引っ掛気味のバッティングになったものの、うまくレフト線に運ぶタイムリー2ベースで神戸国際大付が先制。なおも2死2・3塁のチャンスであったが、明石商はここで2塁牽制で松尾を刺す好プレーをみせて、この回を最少失点で切り抜ける。

先制タイムリーを放った神戸国際大付の松尾
明石商は4回裏、先頭の4番野口が死球で出塁すると、5番神野が送り、6番稲岡もセンター前ヒットで続いて1死1・3塁のチャンスを作る。すると7番中島は、明石商お得意のスクイズを見事に決めて、明石商が1-1の同点に追いつき、試合は1-1で前半戦を終了する。

同点スクイズを決めた明石商の中島
6回裏、明石商は4番野口が3打席連続となる死球で出塁すると、4回と同じように5番神野が送ってチャンスを広げる。2死となってから7番中島はセーフティバントを試みるも、これはピッチャー楠本の守備範囲でアウトと思いきや、楠本がファーストに暴投してしまい、野口が生還して勝ち越し。さらに2死2塁から8番上田(じょうだ)は前進守備のレフトの頭上を超えるタイムリー3ベースを放ち、ここで楠本をKOする。

レフトオーバーのタイムリー3ベースを放った明石商の上田
反撃したい神戸国際大付打線だが、中盤以降は明石商のエース常深の投球にうまくかわされてしまい無得点。一方の明石商打線は7回・8回も神戸国際大付の2番手高松からチャンスを作るものの、8回にはピンチの場面でセンターからリリーフした中辻が1番島田を三振に仕留めるなどして追加点を許さず、試合は3ー1と明石商がリードしたまま最終回に突入する。

神戸国際大付の3番手として登板し8回のピンチを防いだ中辻
ただ9回表に神戸国際大付が底力を見せつける。1死から6番中辻がレフト前に弾き返すと、7番田村は初球を打って1•2塁間を破り、8番太田も追い込まれながらもセンター前に運び、3下位打線の3連打で満塁のチャンスを作る。そしてここで代打に日置を送るものの、日置はセカンドゴロ。これを明石商のセカンド稲岡が、目の前の1塁走者にタッチしてからファーストへ送球し、ゲッツーでゲームセット。エース常深の1失点完投で、明石商が神戸国際大付を下して、4強入りを果たした。

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
明石商のお得意のバント攻撃が光った試合であった。近年の明石商は、水上(楽天)・来田(オリックス)・福本(今年のドラフト候補)といいた強打者が目立っていたが、公立校であるゆえに私立のようにスラッガータイプの選手ばかりを集めることも難しく、本来はバント攻撃を十八番とした堅実なチームである。この試合でも、神戸国際大付のエース楠本から大量得点は見込めないと踏んだのか、無死1塁or1死1塁という場面が5度ほどあったが、その全てでバントを決めており、3番金岡や4番野口といった中軸で1死1塁という場面でも例外なく送りバントのサインが出た。そして奪った得点も1点目はスクイズであり、2点目もセーフティバントがエラーを誘ったものであり、このバント攻撃で見事に強敵神戸国際大付を攻略したといえる。

3番打者でも1死1塁からバントを決める明石商の金岡
来年のドラフト候補とも評されるのが、186㎝の大型左腕である神戸国際大付のエース左腕楠本。春夏の甲子園でも好投をみせた楠本は、新チームでは本格的にエースとなり、この試合でも先発のマウンドに上がった。力を抜いたフォームから威力のあるストレートと、スライダーのコンビネーションを武器としており、さらには右バッターのインコースを積極的に攻めるなど、投球術にも磨きがかかっていた。ただこの右バッターのインコース攻めが死球に繋がってしまい、明石商の4番野口に対しては3打席連続死球。野口はこれで2度もホームに生還しているので、この死球は結果として痛かったし、決勝点の場面は2死2塁からのセーフティバントと意表を突かれたものの、普通に処理すればアウトのバントであったが、これを1塁へ暴投してしまった。6回途中まで打たれたヒットは4本のみであったが、死球と自らの暴投とまさに自滅による失点で6回途中降板。そのままチームが逆転することはなく、楠本の3季連続での甲子園出場は絶望的となってしまった。

投球内容は悪くなかったものの自滅が失点に繋がってしまった神戸国際大付のエース楠本
Pickup Player
常深颯太 明石商2年 投手
~強打の神戸国際大付打線から1失点完投勝利~
明石商のエース左腕の常深が、強打の神戸国際大付打線から1失点完投勝利をあげた。
常深は2年春に左足を骨折したこともあり、これまでベンチ入りもなかったが、この2年秋には明石商のエースナンバーを背負うと、西宮東戦では公式戦初完封を飾り、3回戦の西脇工戦でも1年生横山の後を受け継いで無失点リリーフをみせると、この準々決勝、最大の山場となる神戸国際大付戦でも先発のマウンドに上がった。
常深はそれほどスピードあるというタイプではないが、右手のグラブを閉じながらうまく壁を作り、打者から見ると出どころの見えないフォームから、コントロールよく丁寧にボールを投げこむ左腕である。変化球はスライダーとチェンジアップを投じており、うまく緩急をつけることもできていた。強打の神戸国際大付打線に対して、初回は3者凡退というスタートを切ったものの、2回以降はランナーを背負うことになったものの、失点は3回の松尾のタイムリーのみで粘り強く投げ抜いていった。最終回には1死満塁と最大のピンチを背負うものの、最後は代打日置をセカンドゴロ併殺に打ち取ってゲームセット。9回を投げて被安打9奪三振5という内容で1失点完投勝利をあげた。
攻撃に関してもそうだが、今年の明石商にはいわゆる中森や来田のようなスターと呼べる選手はいない。エース常深にしても、速い球があるわけではないが、持ち味の丁寧な投球が光り、今大会兵庫No1と評される打線を見事1失点完投と、まさに今年の明石商を象徴するような活躍ぶりであった。

見事1失点完投勝利をあげた明石商のエース左腕常深
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神戸国際大付×明石商 @明石トーカロ球場
試合経過
秋季兵庫大会は準々決勝で、春夏甲子園に出場のメンバーが多く残り今大会の大本命とされている神戸国際大付と、明石商という強豪対決。翌日に準決勝を控える日程であるが、神戸国際大付は楠本、明石商は常深と両エース左腕が先発マウンドに上がった。
神戸国際大付は3回表、1番柴田が三遊間を破るヒットを放つと、ワイルドピッチと内野ゴロの間に進塁し、2死3塁のチャンスを作る。ここで好打者の3番山里は敬遠気味に歩かされた後、4番松尾はやや引っ掛気味のバッティングになったものの、うまくレフト線に運ぶタイムリー2ベースで神戸国際大付が先制。なおも2死2・3塁のチャンスであったが、明石商はここで2塁牽制で松尾を刺す好プレーをみせて、この回を最少失点で切り抜ける。

先制タイムリーを放った神戸国際大付の松尾
明石商は4回裏、先頭の4番野口が死球で出塁すると、5番神野が送り、6番稲岡もセンター前ヒットで続いて1死1・3塁のチャンスを作る。すると7番中島は、明石商お得意のスクイズを見事に決めて、明石商が1-1の同点に追いつき、試合は1-1で前半戦を終了する。

同点スクイズを決めた明石商の中島
6回裏、明石商は4番野口が3打席連続となる死球で出塁すると、4回と同じように5番神野が送ってチャンスを広げる。2死となってから7番中島はセーフティバントを試みるも、これはピッチャー楠本の守備範囲でアウトと思いきや、楠本がファーストに暴投してしまい、野口が生還して勝ち越し。さらに2死2塁から8番上田(じょうだ)は前進守備のレフトの頭上を超えるタイムリー3ベースを放ち、ここで楠本をKOする。

レフトオーバーのタイムリー3ベースを放った明石商の上田
反撃したい神戸国際大付打線だが、中盤以降は明石商のエース常深の投球にうまくかわされてしまい無得点。一方の明石商打線は7回・8回も神戸国際大付の2番手高松からチャンスを作るものの、8回にはピンチの場面でセンターからリリーフした中辻が1番島田を三振に仕留めるなどして追加点を許さず、試合は3ー1と明石商がリードしたまま最終回に突入する。

神戸国際大付の3番手として登板し8回のピンチを防いだ中辻
ただ9回表に神戸国際大付が底力を見せつける。1死から6番中辻がレフト前に弾き返すと、7番田村は初球を打って1•2塁間を破り、8番太田も追い込まれながらもセンター前に運び、3下位打線の3連打で満塁のチャンスを作る。そしてここで代打に日置を送るものの、日置はセカンドゴロ。これを明石商のセカンド稲岡が、目の前の1塁走者にタッチしてからファーストへ送球し、ゲッツーでゲームセット。エース常深の1失点完投で、明石商が神戸国際大付を下して、4強入りを果たした。

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
明石商のお得意のバント攻撃が光った試合であった。近年の明石商は、水上(楽天)・来田(オリックス)・福本(今年のドラフト候補)といいた強打者が目立っていたが、公立校であるゆえに私立のようにスラッガータイプの選手ばかりを集めることも難しく、本来はバント攻撃を十八番とした堅実なチームである。この試合でも、神戸国際大付のエース楠本から大量得点は見込めないと踏んだのか、無死1塁or1死1塁という場面が5度ほどあったが、その全てでバントを決めており、3番金岡や4番野口といった中軸で1死1塁という場面でも例外なく送りバントのサインが出た。そして奪った得点も1点目はスクイズであり、2点目もセーフティバントがエラーを誘ったものであり、このバント攻撃で見事に強敵神戸国際大付を攻略したといえる。

3番打者でも1死1塁からバントを決める明石商の金岡
来年のドラフト候補とも評されるのが、186㎝の大型左腕である神戸国際大付のエース左腕楠本。春夏の甲子園でも好投をみせた楠本は、新チームでは本格的にエースとなり、この試合でも先発のマウンドに上がった。力を抜いたフォームから威力のあるストレートと、スライダーのコンビネーションを武器としており、さらには右バッターのインコースを積極的に攻めるなど、投球術にも磨きがかかっていた。ただこの右バッターのインコース攻めが死球に繋がってしまい、明石商の4番野口に対しては3打席連続死球。野口はこれで2度もホームに生還しているので、この死球は結果として痛かったし、決勝点の場面は2死2塁からのセーフティバントと意表を突かれたものの、普通に処理すればアウトのバントであったが、これを1塁へ暴投してしまった。6回途中まで打たれたヒットは4本のみであったが、死球と自らの暴投とまさに自滅による失点で6回途中降板。そのままチームが逆転することはなく、楠本の3季連続での甲子園出場は絶望的となってしまった。

投球内容は悪くなかったものの自滅が失点に繋がってしまった神戸国際大付のエース楠本
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常深颯太 明石商2年 投手
~強打の神戸国際大付打線から1失点完投勝利~
明石商のエース左腕の常深が、強打の神戸国際大付打線から1失点完投勝利をあげた。
常深は2年春に左足を骨折したこともあり、これまでベンチ入りもなかったが、この2年秋には明石商のエースナンバーを背負うと、西宮東戦では公式戦初完封を飾り、3回戦の西脇工戦でも1年生横山の後を受け継いで無失点リリーフをみせると、この準々決勝、最大の山場となる神戸国際大付戦でも先発のマウンドに上がった。
常深はそれほどスピードあるというタイプではないが、右手のグラブを閉じながらうまく壁を作り、打者から見ると出どころの見えないフォームから、コントロールよく丁寧にボールを投げこむ左腕である。変化球はスライダーとチェンジアップを投じており、うまく緩急をつけることもできていた。強打の神戸国際大付打線に対して、初回は3者凡退というスタートを切ったものの、2回以降はランナーを背負うことになったものの、失点は3回の松尾のタイムリーのみで粘り強く投げ抜いていった。最終回には1死満塁と最大のピンチを背負うものの、最後は代打日置をセカンドゴロ併殺に打ち取ってゲームセット。9回を投げて被安打9奪三振5という内容で1失点完投勝利をあげた。
攻撃に関してもそうだが、今年の明石商にはいわゆる中森や来田のようなスターと呼べる選手はいない。エース常深にしても、速い球があるわけではないが、持ち味の丁寧な投球が光り、今大会兵庫No1と評される打線を見事1失点完投と、まさに今年の明石商を象徴するような活躍ぶりであった。

見事1失点完投勝利をあげた明石商のエース左腕常深
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