国学院久我山✕花巻東【明治神宮大会】
11/20 明治神宮大会1回戦
国学院久我山✕花巻東
試合経過
明治神宮大会の開幕戦は、東京大会を制した国学院久我山と、東北大会を制した花巻東の対戦となった。
花巻東の注目といえば、何といってもこの試合前ですでに高校通算47発を誇る1年生スラッガーの佐々木麟太郎(花巻東の佐々木監督の長男)。そんな佐々木の第1打席では1回裏2死ランナー無しという場面であったが、2球目のアウトコースよりのストレートを引っ張ると打球は右中間スタンドに飛び込む先制のソロホームラン。注目のスラッガーが全国の舞台初スイングでその力を見せつけ、花巻東が1点を先制する。

2回に同点ホームランを放った下川邊
国学院久我山は2回表、1死から5番下川邉がインローのボールをうまく払うように打つと、打球はレフトポール際に飛び込むホームランとなって同点。さらに3回表には、1番齊藤がヒットで出塁すると、死球で2死1・2塁となってから4番成田が三遊間を破るタイムリーヒットを放ち、国学院久我山が2-1と逆転に成功する。

勝ち越しタイムリーを放った国学院久我山の4番成田
花巻東は直後の3回裏、先頭の9番熊谷がレフト前にうまく運んで出塁すると、国学院久我山のエラーとバントで1死2・3塁というチャンスで佐々木を迎える。国学院久我山バッテリーは佐々木に徹底して低めを攻めるも、佐々木はこれもうまく捉え右中間へのライナーを放つも、国学院久我山のセンターが右中間の深くを守る佐々木シフトが功を奏してセンターライナー。それでもこれが犠牲フライとなって、花巻東が同点に追いつく。

花巻東は9番熊谷のヒットを皮切りに同点に追いついた
国学院久我山は5回表、1番齊藤が三遊間を破るヒットで出塁して、2番木津が送ってチャンスメイク。ここで3番上田のショートゴロは、ショートからの送球がショーバンになって、ファースト佐々木がこれを捕れずに1・3塁。4番成田が三振で2死となるも、5番下川邊のショートゴロは、アウトかと思きや、今度はファースト佐々木がベースを踏み外してしまいセーフとなり、国学院久我山が3-2と勝ち越しに成功する。
5回までに3点を失った花巻東のエース萬谷であったが、やや後ろに捻ってタメをつくるフォームの左腕で、ストレートは120㌔後半であったものの、ボールを低めに集めるなどコントロールがよく非常した投球。変化球もスライダー・カーブ・チェンジアップと巧みに操り、6回以降は国学院久我山を打たせて取り、スコアボードに0を重ねていった。

6回以降は安定した投球をみせた花巻東のエース萬谷
すると花巻東打線は7回裏、1死から9番熊谷が1塁線を破る3ベースヒットで出塁。これで前の回からリリーフしていた国学院久我山の2番手松本慎はペースを乱したのか、1番宮澤・2番渡辺に連続四球を与えてしまい、満塁と最悪な形で3番佐々木を迎える。松本慎は佐々木を打ち取ったものの、崩されて打ち取れても、それを外野フライにしてしまうのが佐々木で、センターへの犠牲フライで花巻東が同点。さらに4番田代のピッチャー強襲ヒットの間に、宮澤が2塁から生還して逆転すると、5番小澤・6番千葉にも連続タイムリーが飛び出し、花巻東が6-3とリードを広げる。

勝ち越しタイムリーを放った花巻東の4番田代
リードをもらった萬谷は最後まで安定した投球を続けて、国学院久我山打線に反撃を許さずに3失点完投。花巻東が国学院久我山を6-3で破り、初戦突破を果たした。

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
国学院久我山は正直エースと言える投手がおらず、全国の舞台で戦うには投手力に不安があったが、蓋を開けてみれば東京大会の背番号19→今大会では背番号1に昇格した左腕の渡邊が5回まで2失点の好投。ストレートは130㌔ちょっとでオーソドックスな左腕であるが、この日はコントロールもよく、与えた四死球は5回までは1個のみであった。ところが6回にはいきなり先頭から連続四球を与えて降板。リリーフした同じく左腕の松本慎は無死1・2塁というピンチは防いだものの、続く7回には1死3塁からこちらも連続四球を与えて3番佐々木という最悪な場面を作ってしまい、逆転に繋がってしまった。国学院久我山としては投手陣の投球自体には収穫はあったものの、ここぞという場面での連続四球が痛く響いてしまった。

5回2失点の好投を見せた国学院久我山の先発渡邊
花巻東もエース萬谷も同じタイプの左腕で、さらに言ってしまえば萬谷の方がスピードでいえば遅い。ただここは夏の岩手大会決勝で先発もするなど経験豊富な左腕であり、乱れることなく9回を投げ切っており、国学院久我山との差であったといる。ともに東京大会、東北大会では強打を武器に勝ち上がってきた両チームであるが、打線の力もさることながら、ここ1番での投手の経験の差が、勝敗を分けた試合となった。
Pickup Player
佐々木麟太郎 花巻東1年 ファースト
~怪物スラッガーが見事な全国デビュー~
初回に先制弾を放ち、その後は犠牲フライ2個で計3打点と佐々木麟太郎が見事な全国デビューを飾った。
佐々木は大谷翔平のお父さんである大谷徹氏が監督を務める金ヶ崎シニアから、今年の春に父である佐々木洋監督が率いる花巻東の野球部に入学。1年春から、菊池・大谷らも1年生のときに背負った花巻東の出世番号である17を背負い、2番ファーストとして出場すると、その体重110㎏を越える体格からのパワフルなスイングで3打席連続ホームランを放つ圧巻のデビューを飾る。3番打者として迎えた1年夏は、準々決勝の一関学院戦での1発など2本塁打をマークするも、決勝では盛岡大付の前にノーヒットに抑えられ甲子園出場はならず。ただ1年秋は同様に3番打者として、チームを東北大会優勝に導き、この神宮大会出場を決めていた。
この試合でも3番ファーストでスタメン出場した佐々木は、1回裏の第1打席で2球目のややアウトコースよりのストレートを引っ張ると、打球は右中間スタンドに飛び込む高校通算48号のホームラン。多くの高校野球ファンが注目する中、初の全国の舞台での、初スイングで結果を出すのはさすがであった。1死2・3塁という場面で迎えた第2打席では、歩かせてもいい場面であったので国学院久我山バッテリーは徹底してボール球ギリギリの低めを攻めるも、この低めもうまく捉えて右中間へのライナーを放つ。ところが国学院久我山は、佐々木に対して、まるでメジャーの左の強打者のようなシフトを敷いており、右中間後方に守っていたセンターがこのライナーをキャッチし、結果は犠牲フライ止まりとなる。
ここまで前評判通りの活躍をみせると、第3打席にはストレートの四球で歩かされてしまうのも納得。ただ7回の第4打席では1死満塁という場面で回ってきたため、国学院久我山としても勝負を避けられなくなってしまった。この打席では国学院久我山の
2番手松本慎がうまく佐々木を崩して打ち取るも、それでもショートフライかと思われた佐々木の打球は伸びてレフトフライとなり、またもや同点に追いつく犠牲フライとなった。結局この試合の佐々木は、1打数1安打1ホーマー3打点と、相手に警戒される中でもしっかりと結果を残し、全国の高校野球ファンにその実力が評判通りであることを知らしめた。
ファーストを守る守備では5回に2個ほどマズいプレーがあり、勝ち越し点を献上してしまった。そのハンドリングなどを見ている限り、ファーストを守る分には守備が下手というわけではなさそうだが、大会前に疲労骨折があったことなども影響しているのだろう。現状はファーストだが、将来的にはプロを見据えたら、サードなども守りたいところだ。ただファーストしか守れなくても、ドラフト候補としては十分におつりがくるほどの打力だ。バリーボンズを参考にしているというフォームは、まさにそっくりで、その通りの力強さに加えて、柔らかさもあり、タイプ的には清宮を彷彿とさせる。実績としてはこれで高校通算48発であるが、高校通算最多本塁打の記録をもっている清宮でも、1年秋の段階では20本そこそこであり、ケガさえなければ、記録更新は間違いないペースであり、再来年のドラフト1位は固いだろう。

先制ホームランに犠牲フライ2本で3打点の活躍をみせた佐々木
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国学院久我山✕花巻東
試合経過
明治神宮大会の開幕戦は、東京大会を制した国学院久我山と、東北大会を制した花巻東の対戦となった。
花巻東の注目といえば、何といってもこの試合前ですでに高校通算47発を誇る1年生スラッガーの佐々木麟太郎(花巻東の佐々木監督の長男)。そんな佐々木の第1打席では1回裏2死ランナー無しという場面であったが、2球目のアウトコースよりのストレートを引っ張ると打球は右中間スタンドに飛び込む先制のソロホームラン。注目のスラッガーが全国の舞台初スイングでその力を見せつけ、花巻東が1点を先制する。

2回に同点ホームランを放った下川邊
国学院久我山は2回表、1死から5番下川邉がインローのボールをうまく払うように打つと、打球はレフトポール際に飛び込むホームランとなって同点。さらに3回表には、1番齊藤がヒットで出塁すると、死球で2死1・2塁となってから4番成田が三遊間を破るタイムリーヒットを放ち、国学院久我山が2-1と逆転に成功する。

勝ち越しタイムリーを放った国学院久我山の4番成田
花巻東は直後の3回裏、先頭の9番熊谷がレフト前にうまく運んで出塁すると、国学院久我山のエラーとバントで1死2・3塁というチャンスで佐々木を迎える。国学院久我山バッテリーは佐々木に徹底して低めを攻めるも、佐々木はこれもうまく捉え右中間へのライナーを放つも、国学院久我山のセンターが右中間の深くを守る佐々木シフトが功を奏してセンターライナー。それでもこれが犠牲フライとなって、花巻東が同点に追いつく。

花巻東は9番熊谷のヒットを皮切りに同点に追いついた
国学院久我山は5回表、1番齊藤が三遊間を破るヒットで出塁して、2番木津が送ってチャンスメイク。ここで3番上田のショートゴロは、ショートからの送球がショーバンになって、ファースト佐々木がこれを捕れずに1・3塁。4番成田が三振で2死となるも、5番下川邊のショートゴロは、アウトかと思きや、今度はファースト佐々木がベースを踏み外してしまいセーフとなり、国学院久我山が3-2と勝ち越しに成功する。
5回までに3点を失った花巻東のエース萬谷であったが、やや後ろに捻ってタメをつくるフォームの左腕で、ストレートは120㌔後半であったものの、ボールを低めに集めるなどコントロールがよく非常した投球。変化球もスライダー・カーブ・チェンジアップと巧みに操り、6回以降は国学院久我山を打たせて取り、スコアボードに0を重ねていった。

6回以降は安定した投球をみせた花巻東のエース萬谷
すると花巻東打線は7回裏、1死から9番熊谷が1塁線を破る3ベースヒットで出塁。これで前の回からリリーフしていた国学院久我山の2番手松本慎はペースを乱したのか、1番宮澤・2番渡辺に連続四球を与えてしまい、満塁と最悪な形で3番佐々木を迎える。松本慎は佐々木を打ち取ったものの、崩されて打ち取れても、それを外野フライにしてしまうのが佐々木で、センターへの犠牲フライで花巻東が同点。さらに4番田代のピッチャー強襲ヒットの間に、宮澤が2塁から生還して逆転すると、5番小澤・6番千葉にも連続タイムリーが飛び出し、花巻東が6-3とリードを広げる。

勝ち越しタイムリーを放った花巻東の4番田代
リードをもらった萬谷は最後まで安定した投球を続けて、国学院久我山打線に反撃を許さずに3失点完投。花巻東が国学院久我山を6-3で破り、初戦突破を果たした。

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
国学院久我山は正直エースと言える投手がおらず、全国の舞台で戦うには投手力に不安があったが、蓋を開けてみれば東京大会の背番号19→今大会では背番号1に昇格した左腕の渡邊が5回まで2失点の好投。ストレートは130㌔ちょっとでオーソドックスな左腕であるが、この日はコントロールもよく、与えた四死球は5回までは1個のみであった。ところが6回にはいきなり先頭から連続四球を与えて降板。リリーフした同じく左腕の松本慎は無死1・2塁というピンチは防いだものの、続く7回には1死3塁からこちらも連続四球を与えて3番佐々木という最悪な場面を作ってしまい、逆転に繋がってしまった。国学院久我山としては投手陣の投球自体には収穫はあったものの、ここぞという場面での連続四球が痛く響いてしまった。

5回2失点の好投を見せた国学院久我山の先発渡邊
花巻東もエース萬谷も同じタイプの左腕で、さらに言ってしまえば萬谷の方がスピードでいえば遅い。ただここは夏の岩手大会決勝で先発もするなど経験豊富な左腕であり、乱れることなく9回を投げ切っており、国学院久我山との差であったといる。ともに東京大会、東北大会では強打を武器に勝ち上がってきた両チームであるが、打線の力もさることながら、ここ1番での投手の経験の差が、勝敗を分けた試合となった。
Pickup Player
佐々木麟太郎 花巻東1年 ファースト
~怪物スラッガーが見事な全国デビュー~
初回に先制弾を放ち、その後は犠牲フライ2個で計3打点と佐々木麟太郎が見事な全国デビューを飾った。
佐々木は大谷翔平のお父さんである大谷徹氏が監督を務める金ヶ崎シニアから、今年の春に父である佐々木洋監督が率いる花巻東の野球部に入学。1年春から、菊池・大谷らも1年生のときに背負った花巻東の出世番号である17を背負い、2番ファーストとして出場すると、その体重110㎏を越える体格からのパワフルなスイングで3打席連続ホームランを放つ圧巻のデビューを飾る。3番打者として迎えた1年夏は、準々決勝の一関学院戦での1発など2本塁打をマークするも、決勝では盛岡大付の前にノーヒットに抑えられ甲子園出場はならず。ただ1年秋は同様に3番打者として、チームを東北大会優勝に導き、この神宮大会出場を決めていた。
この試合でも3番ファーストでスタメン出場した佐々木は、1回裏の第1打席で2球目のややアウトコースよりのストレートを引っ張ると、打球は右中間スタンドに飛び込む高校通算48号のホームラン。多くの高校野球ファンが注目する中、初の全国の舞台での、初スイングで結果を出すのはさすがであった。1死2・3塁という場面で迎えた第2打席では、歩かせてもいい場面であったので国学院久我山バッテリーは徹底してボール球ギリギリの低めを攻めるも、この低めもうまく捉えて右中間へのライナーを放つ。ところが国学院久我山は、佐々木に対して、まるでメジャーの左の強打者のようなシフトを敷いており、右中間後方に守っていたセンターがこのライナーをキャッチし、結果は犠牲フライ止まりとなる。
ここまで前評判通りの活躍をみせると、第3打席にはストレートの四球で歩かされてしまうのも納得。ただ7回の第4打席では1死満塁という場面で回ってきたため、国学院久我山としても勝負を避けられなくなってしまった。この打席では国学院久我山の
2番手松本慎がうまく佐々木を崩して打ち取るも、それでもショートフライかと思われた佐々木の打球は伸びてレフトフライとなり、またもや同点に追いつく犠牲フライとなった。結局この試合の佐々木は、1打数1安打1ホーマー3打点と、相手に警戒される中でもしっかりと結果を残し、全国の高校野球ファンにその実力が評判通りであることを知らしめた。
ファーストを守る守備では5回に2個ほどマズいプレーがあり、勝ち越し点を献上してしまった。そのハンドリングなどを見ている限り、ファーストを守る分には守備が下手というわけではなさそうだが、大会前に疲労骨折があったことなども影響しているのだろう。現状はファーストだが、将来的にはプロを見据えたら、サードなども守りたいところだ。ただファーストしか守れなくても、ドラフト候補としては十分におつりがくるほどの打力だ。バリーボンズを参考にしているというフォームは、まさにそっくりで、その通りの力強さに加えて、柔らかさもあり、タイプ的には清宮を彷彿とさせる。実績としてはこれで高校通算48発であるが、高校通算最多本塁打の記録をもっている清宮でも、1年秋の段階では20本そこそこであり、ケガさえなければ、記録更新は間違いないペースであり、再来年のドラフト1位は固いだろう。

先制ホームランに犠牲フライ2本で3打点の活躍をみせた佐々木
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