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SUBARU×NTT東日本【オープン戦】

2/22 オープン戦
SUBARU×NTT東日本 @NTT東日本船橋グランド

試合経過

SUBARUとNTT東日本のそれぞれ両チームにとって、今年初となるオープン戦になります。

SUBARUは3回表に、この回先頭の8番龍がチーム初安打となるセンター前ヒットを放ち出塁すると、9番君島は1塁側に完璧に送りバントを決めてチャンス拡大。1打席目にはNTT東日本の先発の稲毛田に対して粘った末に四球を選んだ1番古川は、今度は初球を打つと左中間へのライナー性の打球となり、レフト火ノ浦のグラブに収まったように見えたボールはそこからこぼれてしまい、タイムリー2ベースでSUBARUが先制する。
20220222SUBARU 古川
先制タイムリーを放った古川

SUBARUは4回表にも、この回からマウンドに上がった飯嶋から、先頭の3番三浦が四球を選ぶと、4番鎌仲の打球はセカンドベースよりのショートゴロという完全に併殺コースの打球であったが、NTT東日本の新ショート中村はこれを弾いてしまい無死1・2塁。5番川口が送った後に、6番森下のセカンドゴロの間に三浦が生還して2点目をあげる。

SUBARUの先発の2年目の左腕八野田は、ストレートにはスピードはないものの、左腕らしくナチュラルにシュートするボールが特徴で、このボールが左バッターにはバックドア、右バッタにはフロントドアとして決まっていた。変化球もスライダー・カーブ・チェンジアップを駆使してコントロールもよく、3回までNTT東日本打線を1安打無失点に抑える好投をみせた。
20220222SUBARU 八田野
3回無失点の好投をみせたSUBARUの先発八野田

4回からは2番手として登板したのは、同じく2年目のサイドスロー右腕の倉田。倉田は4回・5回ともにピンチを招くものの。5回2死3塁という場面では、常総学院時代の同級生である3番中村を詰まらせてセカンドフライに打ちとり2回無失点。SUBARUがペースを握って、2-0とリードして前半戦を終える。

ただNTT東日本は6回裏、この回からマウンドに上がったSUBARUの3番手成田に対し、1死から火ノ浦・伊東と連続四死球でチャンスを作る。ここで成田は意表をついて2塁でなく、1塁へ牽制をするものの、これが暴投となり1死2・3塁。ここで7番の主将保坂がセンターへきっちりと犠牲フライを放ち初得点をあげる。

さらに7回裏には、1死から1番内山が四球で出塁すると、2番桝澤がレフトスタンドに逆転2ランホームラン。桝澤はどららかというとつなぎ役というタイプでないものの、強打の2番として起用されたようだが、その起用に見事に応える一振りで試合をひっくり返した。
2022022NTT東日本 桝澤
逆転2ランを放った桝澤

NTT東日本は7回から4番手として堀が登板し、いつもよりはストレート多めに、スライダー・フォークなども含めて安定した投球を披露。堀に対して7・8回と先頭打者を出しながらも無得点であったSUBARUは、9回表にも先頭の森下がヒットで出塁。8番龍も四球を選んで長打が出れば逆転というチャンスを作るが、9番の途中出場のルーキー馬場に対しては、日本航空の先輩である堀が三振を奪う。それでも2死1・2塁でこの試合でSUBARU打線で1番当たっている古川というチャンスだったものの、古川のセンター後方への打球は、向山が背走してキャッチしてゲームセット。NTT東日本が3-2で勝利し、平野監督の初陣を白星で飾った。
20220222NTT東日本 堀
3回無失点で試合を締めた堀


20220222SUBARU×NTT東日本
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


NTT東日本で1つ注目であったのは、上川畑が日本ハムに入団してたことにより空いたショートのポジションだ。失礼な話だが、上川畑が指名されることを予想していなかったのか、今年のルーキーでショートを守れる選手は0で、NTT西日本から伊東が移籍(NTT間の移籍って珍しいですよね)あたりも緊急補強といった意味合いもあるかもしれない。既存戦力でもセカンドの丸山はショートも守れるが、やはりザ・ショートという選手はいない。そんな空いてしまったショートのポジションにこの試合で着いたのは2年目の中村であった。法政大・1年目の昨年はサードが主戦場となっており、ショートには常総学院以来の復帰となる。4回には絶好の併殺という打球を弾いてしまい失点に繋がる痛いエラーは記録してしまったものの、まだ始まったばかりであり、打撃は1年目からレギュラーを掴んだ実力があるだけに、うまくはまれば大型ショートとして今年のドラフトでの指名もある選手であろう。
20220222NTT東日本 中村
NTT東日本の新ショート中村

またNTT東日本ではルーキー井上が8番ライトでスタメン出場。日大三ではU18日本代表にも選ばれ、青山学院大でも下級生の頃から主軸を務めた即戦力ルーキーは、この試合では4打席全てがチャンスの場面で回ってくるという、持っている男であったが、結果は4打数ノーヒットで見逃し三振が3個と、社会人野球の洗礼を受ける形となってしまった。
2022022NTT東m日本 井上
8番ライトでスタメン出場したNTT東日本のルーキー井上

SUBARUもスタメンは、これが公式戦といわれても不思議でないく来に経験者が名を連ねていた。ただ試合が終盤になると、期待のルーキーが続々と代打で登場した。中里(獨協大)は打っては投手ゴロ併殺でも、そのままショートに入り、小玉(東海大)は見事にセンター前ヒットを放ち、そのままサードの守備に就いた。吉安(大阪経済大)はその豪快なスイングで関東のファンを沸かせ、後藤(法政大)も最後はサードフライに倒れたものの7球もファールを打つ粘りをみせた。馬場(中京学院大)は途中からマスクを被るも、最終回のチャンスで回ってきた打席では日本航空の先輩の堀の前に三振を喫してしまった。昨年は二大大会の出場を逃しているSUBARUにあって、フレッシュな力の台頭には是非とも期待したいところだろう。
20220222SUBARU  小玉
センター前ヒットを放つSUBARUのルーキー小玉


Pickup Player
稲毛田渉 NTT東日本 投手
~2022年のNTT東日本の開幕投手~
2022年のNTT東日本の対外試合の開幕投手を務めたのは、3年目の右腕稲毛田であった。

帝京では1年夏からベンチ入りを果たした本格右腕は、清水(ヤクルト)の後を受けて、2年秋からエースとなり、3年夏の東東京大会ではリリーフエースとして活躍するも、準決勝でオコエ(楽天)らを擁する関東一に敗れ、甲子園出場はならなかった。仙台大に進学すると、1年秋に4勝をあげて優秀新人賞に輝き、その後は不調も経験するも、4年秋には4回をあげてベストナインを獲得するなど、仙台六大学野球リーグで通算16勝4敗という成績を収めた。同期で3本柱の小林(七十七銀行)や大関(ソフトバンク)とともにプロ志望届を提出するも、指名はなくNTT東日本に入社した。

NTT東日本では1年目の都市対抗では、登板は準々決勝でのリリーフで1/3イニングのみであったが、東京ドームで149㌔をマーク。JABA大会などでは先発も務めたものの、投手層の厚いNTT東日本においては主戦級となるのは容易ではなく、日本選手権・都市対抗の二大大会ではともにリリーフで1試合のみの登板であった。

この試合では先発のマウンドに上がった稲毛田は、左手を高く掲げて角度をつけたフォームから力のあるストレートを投げ込んでいった。ただボールとしてはカットボールや2シームなどの打者の手前で少し曲がるボールも多く、他にもフォークや、さらには鋭く曲がるパワーカーブなど変化球は多彩であった。初回には先頭打者に粘られて四球を与えるも後続を打ち取ると、2回には3人ともセカンドゴロに打ち取るなど、上記のカットボールや2シームも駆使した投球が光った。3回には古川にタイムリーを浴びたものの、3回1失点とまとめてマウンドを降りた。

オープン戦の初戦というのは、チームの中でも特に期待されている投手を起用する傾向がある。NTT東日本は投手陣、特に右腕は経験者が多く層が厚いものの、稲毛田のように150㌔を投げれる投手は少ない。そういう意味では稲毛田に対する期待も大きく、今年は是非とも2大大会での先発登板が見たいところ。そしてまだ大卒3年目なので、活躍次第では十分にドラフト会議での指名もあり得る投手だ。

20220222NTT東日本 稲毛田
オープン戦初戦の先発を任され3回1失点の好投をみせた稲毛田



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テーマ : 社会人野球
ジャンル : スポーツ

今年のドラフトは大阪桐蔭神宮大会世代に注目

昨年の明治神宮大会(高校の部)は、大阪桐蔭が制した。甲子園では春に3度、夏に5度優勝を果たしている大阪桐蔭であるが、意外なことにこの秋の日本一に輝くのは初めてのことであった。そもそも大阪桐蔭がこの神宮大会に出場するのも、まだ3回目であったのが、今年のドラフトはこの大阪桐蔭で神宮大会に出場した世代の選手が主役となりそうだ。

まず昨年神宮大会を制した、新高校3年生世代では、前チームからの唯一のレギュラーであるキャッチャーの松尾に注目だ。全国レベルの捕手が集まってくる大阪桐蔭において、1年秋にショート→捕手に転向したという異色の捕手であるが、2年秋には正捕手として甲子園に出場。強肩に加えて、もとはショートだっただけあり動きが非常に機敏な選手であり、打っても3番打者として
神宮大会決勝では2ホーマーを放つなど活躍し、捕手転向から1年足らずだが、高校生捕手ではNo1との呼び声が高くドラフト上位候補となる。他にも海老根はU15日本代表時代から定評のある強打に加えて、俊足・強肩で身体能力が高く、センター守備も一級品でドラフト候補となる。投手陣も秋は新2年生左腕の前田が実質上のエースであったが、183㎝でMax147㌔を誇る別所、188㎝でMax146㌔を誇る川原、186㎝左腕の川井と新3年生の3本柱もポテンシャルは十分で、今後の活躍次第では十分にドラフト候補となりえる。
20210926大阪桐蔭 松尾2
高校生捕手でNo1との呼び声高い松尾

前回神宮大会に出場したのは、2018年に春夏甲子園を連覇し、根尾・藤原らを擁して最強と言われた世代である。高卒で根尾(中日)・藤原(ロッテ)・横川(巨人)・柿木(日本ハム)と4人もプロ入りしたものの、残りの選手たちは今年で大学4年生を迎える。そんな中でも最注目なのは、大阪桐蔭では6番セカンドであった立教大の山田。1発もあることながら、安打数は東京六大学の現役トップで、1年春からの通算打率も3割越えで、パワーとアベレージを兼ね備える右打ちの大型セカンドとして、大学生の野手の中ではトップクラスの評価を得ている。この世代の主将で3番サードを務めていた中川も早稲田大では1年春からレギュラーを掴み、3年秋にはベストナインを獲得して、今年は主将を務める。ポジションもサード→セカンドに転向して、山田とのベストナイン争いも注目で、こちらもドラフト候補である。さらに1番打者を務めていた宮崎(立教大)は立教大の俊足強打のリードオフマン、2番を務めていた青地(同志社大)は昨秋に首位打者を獲得しており、こちらは即プロというタイプではないかもしれないが、実績十分でドラフト候補に入ってくる。さらに大阪桐蔭時代は内野の控えであったが、天理大では体重を10㎏アップさせて、昨秋は4割越えの打率をマークした俵藤にも注目だ。
20210516立教大 山田
東京六大学で現役No1の安打数を誇る大型内野手の山田

そして最初に大阪桐蔭で神宮大会に出場したのは、その2年前に当たる2016年世代。日本ハム入りしたエース高山を擁する世代は、神宮大会では初戦で早川(楽天)を擁する木更津総合に勝利するも、センバツでは早川にリベンジを喫して、夏も大阪大会で敗れるなど大阪桐蔭としては不遇の年となってしまった。そんな世代の選手たちは、今年社会人野球でいえば大卒2年目となり、まさにドラフト解禁を迎える。昨年の日本選手権決勝で対戦した三菱重工East3番中山は先輩の浅村を彷彿とさせる強打の右打ちのセカンドであり、大阪ガスの5番三井は186cm96kgからフルスイングが魅力の左のスラッガーであり、この2人は今年の社会人野手でもトップ2といえる存在だ。他にも都市対抗ではHonda熊本の4番としてサヨナラ弾を含む2ホーマーをマークして若獅子賞を獲得した古寺、日本新薬で1年目からレギュラーを獲得した大石もドラフト候補といえる存在。また吉澤(大阪ガス)や永廣(明治安田生命)も今年の活躍次第では可能性はある。
20210630三菱重工East 中山
昨年はルーキーながら三菱重工Eastの3番を務めた中山

大阪桐蔭で神宮大会に出場した3世代が、今年はちょうどドラフトイヤーを迎えることとなり、それぞれドラフト候補が目白押しな状態。今年のドラフト会議では大阪桐蔭戦士から何人が指名を受けるのか楽しみである。

まとめ
【大阪桐蔭選手の今年のドラフト候補】
◆新高校3年生世代
別所孝亮 投手
川原嗣貴 投手
河合泰志 投手
松尾汐恩 捕手
海老根優大 外野手

◆大卒世代
中川卓也(早稲田大) 内野手
山田健太(立教大) 内野手
俵藤夏冴(天理大) 内野手
宮崎仁斗(立教大) 外野手
青地斗舞(同志社大) 外野手
※同期は藤原(ロッテ)、根尾(中日)、柿木(日本ハム)、横川(巨人)

◆社会人解禁世代
吉澤一翔(大阪ガス) 内野手
中山遥斗(三菱重工East) 内野手
永廣知紀(明治安田生命) 外野氏
三井健右(大阪ガス) 外野手
大石航輝(日本新薬) 外野手
※同期は高山(日本ハム)


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テーマ : プロ野球
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ちょっとだけ東海の選考を擁護してみる

センバツ出場校が発表されてから、巷では東海大会で準優勝の聖隷クリストファーが落選し、ベスト4の大垣日大が選ばれたことが話題となっていて、批判も殺到している。個人的な感想を言えば、この結果に驚きはしたものの、無しではない、少なくとも猛烈に批判するような選考結果でないと思っている。

そもそもセンバツの選考基準は以下のようになっている。
(1) 大会開催年度高校野球大会参加者資格規定に適合したもの。
(2) 日本学生野球憲章の精神に違反しないもの。
(3) 校風、品位、技能とも高校野球にふさわしいもので、各都道府県高校野球連盟から推薦された候補校の中から地域的な面も加味して選出する。
(4) 技能についてはその年度の新チーム結成後よりアウトオブシーズンに入るまでの試合成績ならびに実力などを勘案するが、勝敗のみにこだわらずその試合内容などを参考とする。
(5) 本大会はあくまで予選をもたないことを特色とする。従って秋の地区大会は一つの参考資料であって本大会の予選ではない
引用:日本高校野球連盟HP

上記に当てはめると、地区大会の結果はあくまで参考資料であって、勝敗のみにこだわらず試合内容も参考にして技能を評価するようなので、今回の大垣日大の選考は何の問題もない。ただ上記はいかにも曖昧な選考基準であり、結局のところは、センバツ選考なんてものは、選考員の裁量で決められるものなのだ。例えるなら、会社の採用選考と同じようなものであり、それに関して外野が文句を言ってもしょうがないと思う。

それでも今回批判が殺到しているのは、上記の選考基準とは別にある通例に反しているからだと思う。

後者について説明をすると、今回のように東海大会で準優勝校が選出されなかったのは、実に44年ぶりらしい。他の地区をみても、秋の地区大会の成績の上位者が落選する逆転選考が起きる場合は、その上位者が準決勝or決勝で大敗している場合のみである。つまり決勝でよっぽどの大差がつかない限りは、準優勝がそのまま選出されるのが通例となっており、だから今回は聖隷クリストファーもセンバツ当確と思っていたのである。これはちょうどオリンピックのジャンプ混合団体の失格の話に似ており、失格にしたことはルール上は問題ないけど、いつもとやり方が違うじゃない?という話なのだ。

これとは別に、鬼嶋一司・選考委員長は「(大垣日大の方が)個々の能力が高い」「甲子園で勝つ可能性がある」という内容を批判している(=聖隷クリストファーの方が強いと言っている)人もいるが、これはお門違いかと思うし、これを言っているのは高校野球素人のみだ。そもそもこの両チームは直接対戦しているわけでもないので、客観的にどちらかということは言い切れない。実際に東海大会の試合を全て見た人(=選考員)が主観で選考しているものを、主観で批判しても埒が明かないだろう。

例えば、「大垣日大の方が投手力に勝る」といった話に対して、「聖隷クリストファーはエースの弓達と正捕手の河合がケガで不在だった」という人もいるが、ではその2人はセンバツまでにケガを治して万全の状態で出場できるのかという話になる。さらに大垣日大も、2年夏にはエースナンバーを背負っていた三松がケガで登板は東海大会の1イニングのみであったという事実もある。これに関して、これ以上議論をしてもどうしようもないだろう。

ただ客観的に見ても、大垣日大は昨秋の戦績だけ見ても、本当に強かった。岐阜大会では本命とされていた県岐阜商を準決勝で8-2で破り、東海大会でも初戦で好投手吉田を攻略して静岡に7-2で快勝、準々決勝では東海大会の本命とされていた愛知1位の享栄を破っている。対する聖隷クリストファーが、静岡大会・東海大会を通していわゆる超強豪というチームと対戦しない、恵まれたくじ運で勝ち上がってきたことを考慮すると、大垣日大の方が強そうと思うのは自然なことだ。

ただ残念ながら、現状この選考に関する批判は止むことがない。昨今の現象として、賛成派と反対派がいても、SNSなどに書くのは否定派ばかりなので、あたかも否定派が多いように感じられる。今回もそんな状況もあり、批判の声が多いので、記者さんたちも高野連の選考を批判する記事しかかかない(肯定してしまうと炎上するので)。なのでリスクのない素人が、こうやって多少は高野連の選考を肯定するようなことを書いてみた次第である。

聖隷クリストファーのOB会は、33校目での出場を嘆願するために署名活動を始めたらしいが、そんなことは実現するわけがない(こんなことを認めたら他地区の落選校に説明がつかずに、もっと炎上することとなる)。どうやっても選考が、覆ることはないだろう。今後の選考のやり方を検討しようという話をするのはいいと思うが、出場枠が限られているセンバツにおいては、透明性100%
の選考を行うのは難しいだろう。

センバツ開幕まで1ヶ月ほどとなったので、このような騒ぎは終わりにして、そろそろ気持ちよくセンバツを迎える準備をして欲しいものです。


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今年のドラフトの目玉は本物の二刀流矢澤

大谷翔平の活躍により、野球界では「二刀流」という言葉がよく使われるようになった。投打での活躍が注目されるような選手がいれば、すぐに二刀流という言葉で形容されるようになった。ただ高校野球界などにおいては、このような活躍をする選手はおり、分業化が進んで数こそ減ったものの、強豪校でも4番ピッチャーという選手はまだまだ多い。

ただこれが高校野球から次のステージに進むとどうだろうか?プロ野球では、上原(日本ハム)や桑原(ソフトバンク)など二刀流挑戦の選手は出てきたものの、本当に投打で1軍で同時に活躍をみせた選手は大谷しかない。社会人野球でもいわゆる都市対抗に出場するようなチームでは同時にこなす選手は皆無である。

大学野球にはおいては、トップレベルでも二刀流というケースは少しはある。特にDHのない東京六大学野球などでは、もともと投手が打席に立つ機会が多いことから、打力のある投手が多く、高梨(早大→ENEOS→楽天→巨人)・山崎(明大→オリックス)がファースト、大石(早大→西武)がショートと打力のある投手が、先発登板しない試合で野手として出場したようなケースがあるが、野手としてもプロで注目されるようなレベルではなかった。逆に現在は野手となっている岡大海(明大→日本ハム→ロッテ)も、150㌔右腕として19試合に登板しているが、4年時には野手に専念して登板は1試合のみであった。
20210928ロッテ 岡
明治大時代は二刀流として活躍していた岡

DHのあるリーグでいえば二刀流というのはさらに希少で、近年でいえば岸(明徳義塾→拓殖大→徳島インディコソックス→西武)が、DHでスタメン出場して、途中からDHを解除してマウンドに上がり、二刀流として周囲を驚かせてみせた。ただ岸はその後、肩のケガで離脱し、首脳陣との確執もあって、拓殖大を退学してしまった。1度は野球から離れたものの、徳島インディコソックスに野手として加入して活躍し、ドラフト会議で西武から指名されたのは周知の通りである。
20211007西武 岸
拓殖大ではDH解除で登板もしていた岸

そもそもプロ野球で二刀流というのは投打の両方で、ずば抜けた能力をもっていなければいけない。大谷のように投手でもドラフト1位、野手でもドラフト1位という存在でなければ、どちらかに専念させられてしまうのだ。そうなると少なくとも近年の大学野球においては、そのような選手はおらず、結局は大谷のような二刀流は誕生しないわけである。

ところがそんな中で本物の二刀流のドラフト候補といえるのが、日体大の矢澤宏太だ。

矢澤は藤嶺藤沢時代から二刀流として注目されており、投げては148㌔左腕、打っては高校通算20発越え、俊足も武器という逸材で、高校のときにもプロ志望度を提出するも、ドラフト会議では指名漏れし、日体大に進学した。日体大では1年春からまず外野のレギュラーを掴み、2年秋には打率.368の活躍をみせてベストナインを受賞した。投手もこなしていたものの、日体大は吉田(ヤクルト)、森(中日)といった先輩がいたこともあり、登板は機械は最初の2年で3試合しかなかった。

ところが上記の2人が抜けた昨年、古城監督は矢澤をエースの座を託した。土日で試合の行われる首都大学東京連盟において、土曜日は矢澤が先発して、わざわざDHを解除して打席にも立つ。日曜日には4番DHとしてスタメン出場をするという、まさに本家大谷と同じような二刀流起用が始まった。その起用に応えた矢澤は投げては、防御率0.90という活躍を見せるものの、打率は.182と落ち込んで自援護できなかったこともあり、勝ち星は3に留まった。3年秋は防御率は2.00と春よりは悪くなったものの十分な数値をマークしてベストナイン(投手)を受賞し、打率は.300と本来の打撃も取り戻した。

上記の成績でも十分に凄いが、矢澤は身体能力が非常に高く、成績以上に期待の持てるプレイヤーである。まず投手としてはストレートは150㌔を越え、変化球は2種類のスライダーのみであるが、打者の手元で鋭く曲がって、三振の取れる投手である。打撃面では173㎝とどちらかというと小柄な部類の選手であるが、鋭いスイングでスタンドに放り込むことができる。また走っても昨年の大学日本代表候補合宿では、全体トップの50㍍5.8秒という記録をマークしている。まさに上述した、投手・野手それぞれ単体でもドラフト1位候補となれる選手である。

今年のドラフト会議では、矢澤がドラフト1位指名され、来年のキャンプでは投手と野手の両方をこなすという、まさに大谷の再来というべき形になることは、かなり現実味を帯びていると思う。大谷のように先発して、それ以外の試合ではDHとして主軸を務めるという形でもいいが、矢澤に関しては1番センターでスタメン出場して、左腕という特徴もいかしてセンターからリリーフのマウンドに上がるという形も合っていると思う。

いずれにせよ大谷以来の二刀流の逸材であることは確かで、最終学年を迎える今年のリーグ戦でどのような活躍をし、それに対してプロがどのような評価をするのかは楽しみである。

20210515日体大 矢澤3

20210515日体大 矢澤2
投打それぞれでもドラフト1位候補となりえる矢澤



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テーマ : 大学野球
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花巻東×広陵【明治神宮大会(高校の部)】

11/23 明治神宮大会(高校の部)準決勝
花巻東×広陵 @神宮球場

試合経過

神宮大会(高校の部)の準決勝第1試合は、東北地区代表の花巻東と中国地区代表の広陵の対戦。今大会3試合目となる花巻東は初登板となる背番号17の1年生右腕北條が、2回戦スタートの広陵はエース森山が2試合連続で先発のマウンドに上がった。

花巻東が2回に田代のヒットからワイルドピッチで1点を先制して迎えた2回裏、広陵は1死から大山がヒットで出塁すると、北條はバントの構えをしている森山に死球を与えてしまう。初回も満塁のピンチを招くも何とか凌いだ北條であったが、続く1番中川にも2球連続でボールとなったところで、佐々木監督は2番手として背番号10の左腕菊池興を送る。ただこの菊池興も制球が安定せずに、中川に四球を与えて満塁としてしまうと、2番松下には押し出しの四球を与えて同点。さらに3番内海の初球もボールとなったところで、花巻東は早くもエース萬谷をマウンドに上げることとなってしまう。萬谷に対して広陵打線は、3番内海が犠牲フライを放ち勝ち越すと、4番真鍋は甘く入ったスライダーを捉えてライトポール際に弾丸ライナーで飛び込む3ランホームランを放ち、広陵がこの回5-1と逆転に成功する。
20211123広陵 真鍋
3ランホームランを放った広陵の4番真鍋

花巻東は3回表に熊谷・渡辺と2本の2ベースで1点を返すも、広陵は3回裏に背戸川内の2ベースからサードのエラーで追加点。さらに4回裏にも3番内海がレフト線への2ベースで出塁すると、5番田上は右中間にタイムリー2ベース。さらに田上が3盗を決めると、この時の3塁への送球が逸れて一気にホームイン。5回裏にも中川・松下と1・2番の連打から。3番内海のライト線へのタイムリー2ベースで追加点を奪い、広陵が9-2と大きくリードして前半戦を終える。

前日からの連投となるエース萬谷を投入しても、広陵打線の勢いを止めることのできない花巻東としては、こうなったら打撃戦に持ち込むしかない。6回表には3番佐々木のこの試合初ヒットからチャンスを作ると、5番小澤がライト線へタイムリー2ベースを放ち反撃開始。7回表には代打廣内のヒットと四球でチャンスを作って、広陵のエース森山を降板に追い込むと、代わった岡山から3番佐々木がレフトオーバーの2点タイムリー2ベースを放ち、5-9と徐々に点差を詰め始める。
20211123花巻東 小澤
6回に花巻東の反撃の狼煙となるタイムリーを放つ小澤

花巻東はさらに8回表には、四球と熊谷・宮澤の連打で満塁のチャンスを作ると、2番渡辺の犠牲フライでまず1点。なおも1死1・2塁のチャンスで3番佐々木を迎えると、佐々木はカウント2B1Sから甘く入ったストレートを捉え、ライトフェンスをギリギリ越える高校通算49号となる3ランホームランを放ち、花巻東が何と最大7点あったビハインドを追いつき、試合のスコアは9-9となる。
20211123花巻東 佐々木
同点3ランを放つ佐々木

追いつかれてしまった広陵だが8回裏、花巻東の4番手のサイド右腕工藤に対して、1死から小林がレフト前ヒットで出塁。ランナー入れ替わって2死1塁となってしまうも、7番川瀬が右中間にタイムリー3ベース。途中出場の小林・川瀬の2人の活躍で勝ち越しに成功する。
20211123広陵 川瀬
勝ち越しのタイムリー3ベースを放った川瀬

9回表、広陵は3番手としてライトを守っていた内海がマウンドに上がるも、花巻東は1死から6番千葉がヒットで出塁すると、続く7番菊地敏の打球をサードがエラーしてしまい、1・2塁のチャンスを作る。2死となってから迎えるは熊谷は9番ながらこの試合3安打と当たっており、2球目の変化球をうまく三遊間に弾き返す。花巻東の3塁コーチャーは腕を目一杯回すも、あらかじめ前に守っていたレフト小林がホームで刺してゲームセット。大打撃戦となった試合は、広陵が10-9で勝利し、決勝進出を決めた。
20211123広陵 広陵
好返球の小林を出迎える広陵ナイン


20211123花巻東×広陵
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


敗れた花巻東であるが、最大7点差を追いついた終盤の猛攻は見事であった。そしてその中心にいたのは、やはり1年生ながらこの試合で早くも高校通算49号をマークしたスラッガーの佐々木であろう。1打席目では森山のカーブの前に意表を突かれて三振に倒れたものの、6回には反撃の口火をきるヒット、7回にはレフトオーバーの2点タイムリー2ベース。8回には同点3ランを放ち、結果的に3安打5打点という見事な活躍。また佐々木がいることで、花巻東打線自体も佐々木に回せばという思いで繋がりが出ているように感じられ、その個人の結果以上に打線に貢献しているといえる。あとはセンバツに向けてエース萬谷以外の投手でも、試合が作れるように投手陣を整備していくことが課題となるだろう。

5回の時点では7点のリードを奪っていた広陵。ショートには川瀬を、レフトには小林と共に守備に定評がある選手を投入したものの、まさかの8回には同点に追いつかれてしまう。そうなると、この交代は完全に裏面に出たように見えたが、8回裏には小林のヒットから、川瀬がタイムリー3ベース。背番号6をつけながた控えに回っていた主将の一打が決勝点となった。真鍋・松下・田上・谷本と有望な1年生が活躍をみせて、レギュラー争いが激化し、控えにも実力者が揃う厚い選手層が際立った試合であった。


Pickup Player
内海優太 広陵2年 ライト兼投手
~強烈な打球の2本の2ベース~
広陵の3番内海は、2本の2ベースを放ち、最終回はマウンドにも上がるなど、打って投げて走っての活躍でチームに勝利をもたらした。

内海は広陵では1年秋からベンチ入りを果たすと、2年春の広島大会では4番ファーストを務めた。2年夏は背番号9をつけ、持ち前の強打で引き続き4番を務め、さらに投手としても広島工業戦で1失点完投勝利をあげるなど活躍した。2年秋の広島大会では背番号1を背負うも、森山の台頭などもあり、おもに3番ライトとして活躍。中国大会決勝ではホームランを含む3安打の活躍をみせるなどして、優勝に貢献した。神宮大会の初戦となった2回戦の明秀日立戦でも、2ランホームランを放ち、相手エースに「どこに投げても当てられる感覚があった。オーラがあった」と言われたほどの強打者は、この試合でも引き続き3番ライトでスタメン出場した。

第1打席はストレートの四球で、満塁のチャンスで迎えた第2打席では初球を投げたところで投手が交代。エース萬谷が登板するも、スライダーをきっちりをセンターに弾き返して勝ち越しの犠牲フライを放った。第3打席では初球を叩くと強烈な打球はサードのわずか横(三遊間)を抜けるヒット。通常ではシングルヒットという打球であったが、球足の速い打球をレフトが捕ったのはややレフト線よりであり、これを見ると一気に2塁を陥れる好走塁で2ベースとしてみせた。2死1・2塁で迎えた第4打席では、スライダーを捉えると、これもまた強烈な打球がファーストの頭上を越えて、ライト線へのタイムリー2ベース。最終打席こそ力んでピッチャーゴロホームゲッツーになってしまったが、結局3打数2安打2打点3出塁という活躍であった。

そして9回裏には、ライトからマウンドにも上がった。185㎝という長身で、左腕にしては珍しく、縦に角度のある球の投手で、130㌔ちょっとのストレートとスライダー・カーブ・チェンジアップといった一通りの変化球を投げていた。味方のエラーもあってピンチを招くも、最後はレフト小林がホームでランナーを刺して、何とか無失点で切り抜け、試合を締めた。投手としてはこの秋は登板機会が少なかったこともあり、まだ本来の実力が出せていないように見えたが、右腕3人(森山・岡山・松林)という投手陣においては、左腕としても貴重な存在である。

ただ将来的なところを考えると、現状は野手としての評価が高かそうだ。この試合の2本の2ベースはともに、強烈な打球であり、選手層の厚い広陵打線においても、3番内海・4番真鍋は抜けている存在であり、スカウトからの評価も上がったことであろう。来年のセンバツでも活躍ができれば、一気に上位候補にもなりうる存在だと感じた。

20211123広陵 内海

20211123広陵 内海2
打っては2ベース2本、最終回のマウンドにも上がった内海


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