健大高崎×桐光学園【春季関東大会】
5/21 春季関東大会2回戦
健大高崎×桐光学園 @栃木県総合運動公園野球場
試合経過
この日に開幕した春季関東大会の、栃木県総合運動公園野球場での開幕戦は、群馬大会準優勝の健大高崎と強豪ひしめく神奈川を制した桐光学園の対決。健大高崎は芹沢、桐光学園は針谷と両エースが先発のマウンドに上がった。
桐光学園の針谷は初回からストレートは144㌔をマークし、120㌔前半のスライダーをはじめとして、カーブ・フォークといった変化球も駆使して健大高崎打線を打ち取っていき、1巡目はパーフェクト投球を披露。さすがは横山や桐蔭学園から完投勝利をあげて、神奈川を制した右腕という投球であった。

桐光学園のエース針谷
このまま針谷のペースとなるかと思ったが、健大高崎は4回に先頭の増渕がショートエラーでチーム初出塁。バッターは2番半田という場面なので、堅実に送るかと、機動力を使うかと思いきや初球をヒッティングすると打球は1・2塁間を抜けて、1・3塁とチャンスを拡大。3番の主将佐々木がセンターに犠牲フライを放ち、健大高崎が先制点をあげる。
健大高崎の5回表の攻撃は6番の森山から。180㎝100㎏という体格を誇るルーキーは、群馬大会決勝で公式戦デビューを果たしており、この関東大会では背番号3を背負い、6番ファーストでスタメン出場。1打席目は強烈な打球を放つもサードゴロに立終えれていたが、2打席目は140㌔のストレートを捉えると打球はレフトスタンドへ飛び込む、公式戦初アーチとなり、健大高崎が2点目をあげる。

公式戦初アーチを放った1年生の森山
健大高崎の先発の芹沢は、期待されながらも昨年は肘の骨折で離脱しており、この春から背番号1を背負う投手。タメを長く作ってから、腕の反動を使って投げ込むサイドスロー右腕のストレートはMax135㌔をマークし、これにスライダーをはじめとして、2シームなどの変化球も使っていた。芹沢はランナーは出しながらも、桐光学園打線にあと1本を許さずに快投を続けていた。

快投をみせる健大高崎の先発芹沢
桐光学園の反撃は5回裏、1年生ながら桐光学園のショートストップを任されている9番中村が、ライト線へ2ベースを放ち出塁。すると1番の篁も、右中間へのタイムリー2ベースで続いて、初得点をあげる。ただなおも1死2塁というチャンスであったが、後続は芹沢に抑えられてしまい同点とはならず、前半戦は2-1と健大高崎がリードして終える。

タイムリーを放つ篁
次にゲームが動いたのは7回表、健大高崎は狩野と芹沢のヒットで2死ながら1・2塁のチャンスを作る。ただ続く1番増渕に対して、針谷はストレート2球で追い込むも、3球目が痛恨の死球となってしまい満塁。2番半田は初球を捉えて三遊間を破るタイムリーを放つと、3番佐々木はレフトオーバーの走者一掃のタイムリー2ベースを放ち、この回一挙4点を追加する。

走者一掃のタイムリー2ベースを放った佐々木
6・7回と桐光学園の攻撃を3人ずつで抑えていた芹沢であったが、8回には1死2・3塁のピンチを招くも、ここも4番今井をサードゴロに打ち取るなどして凌ぐと、最終回も桐光学園の代打攻勢に対して無得点で凌いで、見事に1失点完投勝利。健大高崎が6-1で桐光学園を破った。

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
桐光学園の中心は何といってもエース針谷であり、結果的に針谷が6失点してしまったことが痛かった。7回には2死1・2塁という場面で、1番増渕を2球で追い込みながら、3球目に死球を与えてしまったのが非常に痛く、ここで流れを悪くすると直後に連続タイムリーを浴びてしまい4失点。この死球さえなければ、トータルで2失点で済んでいた可能性も高く、本当に痛い1球となってしまった。このあたりで、神奈川大会では序盤に背番号1もつけた中平への継投も考えられたが、最後まで針谷が投げ切り完投したあたりは、野呂監督の針谷に対する期待の大きさの表れであろう。

6失点を喫しながらも完投した針谷
そんな針谷を攻略した健大高崎打線はさすがであった。この試合では盗塁は1個であったように、健大高崎の象徴であった「機動破壊」の面影はなく、シンプルに打力のある打線だ。コーチの変更もあったもののの、1年生ながらスタメンに起用された森山が象徴するように、近年の健大高崎は中学時代に名を馳せた選手が次々に入学してきており、地力のある選手が多いのも特徴だ。今年のチームも打線に力がある一方、秋の関東大会では明秀日立に11失点して敗れたように投手力が課題であった。ただ秋には離脱していた芹沢がこの試合では1失点完投と、投手陣にも厚みが増してきており、夏に向けて戦力は整ったといえる。

1年生ながらその打力でスタメンに名を連ねた森山
Pickup Player
半田真太郎 健大高崎2年 サード
~針谷攻略の第一人者~
桐光学園の針谷にとって、この試合で1番嫌な選手であったのは健大高崎の2番打者の半田であったと思う。
半田はジャイアンツJrの出身で、横浜緑ボーイズを経て、健大高崎に入学。1年秋(昨年)の関東大会から9番セカンドとしてスタメンに名を連ね2試合に出場している。2年春の群馬大会でもスタメンに名前は見られなかったが、背番号14でベンチ入りした関東大会の初戦では2番サードとしてスタメン出場を果たした。
まず迎えた第1打席では、ストレートで押す針谷に対して、追い込まれてから4球連続でストレートをカットする。カットといっても何とかファールにしましたでなく、主にライト線にそれなりにいい当たりでのファールを打つ。最後は左中間への大飛球を放つも、これはセンター矢竹の好捕に遭いセンターフライに倒れるが、打席の内容としてはいいものであった。実際に針谷は試合後に「「自信持って投げたボールもファウルで粘られ、ちょっと違うなと感じました」というコメントを残したが、これは半田のことと捉えてもいいだろう。
無死1塁で迎えた第2打席は、2番打者なのでバント、あるいはランナーが1番の増渕なので盗塁も考えられるという、まさに機動力の使いどころであったが、半田は初球からヒッティングに行くと、打球は1・2塁間を抜けて、1・3塁と最高の形でチャンスを拡大。続く佐々木の犠牲フライで先制するのだが、先制点においては1番価値のある1打であった。先頭打者で迎えた第3打席でも四球を選んで出塁。そして2死満塁で迎えた第4打席では、またもや初球を捉えて三遊間を抜けるタイムリーヒット。
結果的に3打数2安打1打点という活躍であったが、数字以上に価値のある打撃が多く、また針谷攻略における起点となっていた。ランナーのいない場面では粘って、四球を選ぶこともでき、1塁にランナーがいればチャンスを拡大し、チャンスの場面ではタイムリーとその場面に合わせた打撃が光った。169㎝63㎏とどちらかというと小柄なタイプの選手であるが、足を大きく上げたフォームで、第1打席では大飛球を放ったように力もないというわけではない。上記の起用さに加えて、2番打者として本当に嫌な選手であった。
ただ健大高崎は選手層が厚く、レギュラー争いも激しい。実際に半田も、県大会では4番サードを打っていた佐藤が関東大会ではベンチ外になったことで、この試合ではサードとして出場していたという面もある。この試合で大きなアピールになったことは確かだが、レギュラーに定着するにはさらなるアピールも必要であろう。

2番打者として針谷攻略に大きく貢献した半田
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健大高崎×桐光学園 @栃木県総合運動公園野球場
試合経過
この日に開幕した春季関東大会の、栃木県総合運動公園野球場での開幕戦は、群馬大会準優勝の健大高崎と強豪ひしめく神奈川を制した桐光学園の対決。健大高崎は芹沢、桐光学園は針谷と両エースが先発のマウンドに上がった。
桐光学園の針谷は初回からストレートは144㌔をマークし、120㌔前半のスライダーをはじめとして、カーブ・フォークといった変化球も駆使して健大高崎打線を打ち取っていき、1巡目はパーフェクト投球を披露。さすがは横山や桐蔭学園から完投勝利をあげて、神奈川を制した右腕という投球であった。

桐光学園のエース針谷
このまま針谷のペースとなるかと思ったが、健大高崎は4回に先頭の増渕がショートエラーでチーム初出塁。バッターは2番半田という場面なので、堅実に送るかと、機動力を使うかと思いきや初球をヒッティングすると打球は1・2塁間を抜けて、1・3塁とチャンスを拡大。3番の主将佐々木がセンターに犠牲フライを放ち、健大高崎が先制点をあげる。
健大高崎の5回表の攻撃は6番の森山から。180㎝100㎏という体格を誇るルーキーは、群馬大会決勝で公式戦デビューを果たしており、この関東大会では背番号3を背負い、6番ファーストでスタメン出場。1打席目は強烈な打球を放つもサードゴロに立終えれていたが、2打席目は140㌔のストレートを捉えると打球はレフトスタンドへ飛び込む、公式戦初アーチとなり、健大高崎が2点目をあげる。

公式戦初アーチを放った1年生の森山
健大高崎の先発の芹沢は、期待されながらも昨年は肘の骨折で離脱しており、この春から背番号1を背負う投手。タメを長く作ってから、腕の反動を使って投げ込むサイドスロー右腕のストレートはMax135㌔をマークし、これにスライダーをはじめとして、2シームなどの変化球も使っていた。芹沢はランナーは出しながらも、桐光学園打線にあと1本を許さずに快投を続けていた。

快投をみせる健大高崎の先発芹沢
桐光学園の反撃は5回裏、1年生ながら桐光学園のショートストップを任されている9番中村が、ライト線へ2ベースを放ち出塁。すると1番の篁も、右中間へのタイムリー2ベースで続いて、初得点をあげる。ただなおも1死2塁というチャンスであったが、後続は芹沢に抑えられてしまい同点とはならず、前半戦は2-1と健大高崎がリードして終える。

タイムリーを放つ篁
次にゲームが動いたのは7回表、健大高崎は狩野と芹沢のヒットで2死ながら1・2塁のチャンスを作る。ただ続く1番増渕に対して、針谷はストレート2球で追い込むも、3球目が痛恨の死球となってしまい満塁。2番半田は初球を捉えて三遊間を破るタイムリーを放つと、3番佐々木はレフトオーバーの走者一掃のタイムリー2ベースを放ち、この回一挙4点を追加する。

走者一掃のタイムリー2ベースを放った佐々木
6・7回と桐光学園の攻撃を3人ずつで抑えていた芹沢であったが、8回には1死2・3塁のピンチを招くも、ここも4番今井をサードゴロに打ち取るなどして凌ぐと、最終回も桐光学園の代打攻勢に対して無得点で凌いで、見事に1失点完投勝利。健大高崎が6-1で桐光学園を破った。

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
桐光学園の中心は何といってもエース針谷であり、結果的に針谷が6失点してしまったことが痛かった。7回には2死1・2塁という場面で、1番増渕を2球で追い込みながら、3球目に死球を与えてしまったのが非常に痛く、ここで流れを悪くすると直後に連続タイムリーを浴びてしまい4失点。この死球さえなければ、トータルで2失点で済んでいた可能性も高く、本当に痛い1球となってしまった。このあたりで、神奈川大会では序盤に背番号1もつけた中平への継投も考えられたが、最後まで針谷が投げ切り完投したあたりは、野呂監督の針谷に対する期待の大きさの表れであろう。

6失点を喫しながらも完投した針谷
そんな針谷を攻略した健大高崎打線はさすがであった。この試合では盗塁は1個であったように、健大高崎の象徴であった「機動破壊」の面影はなく、シンプルに打力のある打線だ。コーチの変更もあったもののの、1年生ながらスタメンに起用された森山が象徴するように、近年の健大高崎は中学時代に名を馳せた選手が次々に入学してきており、地力のある選手が多いのも特徴だ。今年のチームも打線に力がある一方、秋の関東大会では明秀日立に11失点して敗れたように投手力が課題であった。ただ秋には離脱していた芹沢がこの試合では1失点完投と、投手陣にも厚みが増してきており、夏に向けて戦力は整ったといえる。

1年生ながらその打力でスタメンに名を連ねた森山
Pickup Player
半田真太郎 健大高崎2年 サード
~針谷攻略の第一人者~
桐光学園の針谷にとって、この試合で1番嫌な選手であったのは健大高崎の2番打者の半田であったと思う。
半田はジャイアンツJrの出身で、横浜緑ボーイズを経て、健大高崎に入学。1年秋(昨年)の関東大会から9番セカンドとしてスタメンに名を連ね2試合に出場している。2年春の群馬大会でもスタメンに名前は見られなかったが、背番号14でベンチ入りした関東大会の初戦では2番サードとしてスタメン出場を果たした。
まず迎えた第1打席では、ストレートで押す針谷に対して、追い込まれてから4球連続でストレートをカットする。カットといっても何とかファールにしましたでなく、主にライト線にそれなりにいい当たりでのファールを打つ。最後は左中間への大飛球を放つも、これはセンター矢竹の好捕に遭いセンターフライに倒れるが、打席の内容としてはいいものであった。実際に針谷は試合後に「「自信持って投げたボールもファウルで粘られ、ちょっと違うなと感じました」というコメントを残したが、これは半田のことと捉えてもいいだろう。
無死1塁で迎えた第2打席は、2番打者なのでバント、あるいはランナーが1番の増渕なので盗塁も考えられるという、まさに機動力の使いどころであったが、半田は初球からヒッティングに行くと、打球は1・2塁間を抜けて、1・3塁と最高の形でチャンスを拡大。続く佐々木の犠牲フライで先制するのだが、先制点においては1番価値のある1打であった。先頭打者で迎えた第3打席でも四球を選んで出塁。そして2死満塁で迎えた第4打席では、またもや初球を捉えて三遊間を抜けるタイムリーヒット。
結果的に3打数2安打1打点という活躍であったが、数字以上に価値のある打撃が多く、また針谷攻略における起点となっていた。ランナーのいない場面では粘って、四球を選ぶこともでき、1塁にランナーがいればチャンスを拡大し、チャンスの場面ではタイムリーとその場面に合わせた打撃が光った。169㎝63㎏とどちらかというと小柄なタイプの選手であるが、足を大きく上げたフォームで、第1打席では大飛球を放ったように力もないというわけではない。上記の起用さに加えて、2番打者として本当に嫌な選手であった。
ただ健大高崎は選手層が厚く、レギュラー争いも激しい。実際に半田も、県大会では4番サードを打っていた佐藤が関東大会ではベンチ外になったことで、この試合ではサードとして出場していたという面もある。この試合で大きなアピールになったことは確かだが、レギュラーに定着するにはさらなるアピールも必要であろう。

2番打者として針谷攻略に大きく貢献した半田
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