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横浜✕横浜隼人【選手権神奈川大会】

7/20 選手権神奈川大会5回戦
横浜✕横浜隼人 @横浜スタジアム

試合経過

神奈川大会は5回戦で横浜?横浜隼人という強豪同士の対決が実現。横浜はエース左腕の杉山が、多彩な投手陣でやりくりしている横浜隼人は初戦でも先発のマウンドに上がっている2年生左腕の石橋が先発のマウンドに上がった。

両チームともに無得点で迎えた3回裏、横浜隼人は1死から9番横川がヒットで出塁し、2番菊地もヒットで繋いで、2死1・3塁という場面でプロ注目の捕手である3番前嶋を迎える。前嶋は2球目の外のストレートをうまく拾ってレフト前にもっていくタイムリーを放ち横浜隼人が先制する。
20220720横浜隼人 前嶋
先制タイムリーを放ったプロ注目の強打の捕手前嶋

横浜隼人の水谷監督の石橋先発起用が的中することとなる。石橋はスピードはそこまであるわけではないが、出どころの見づらいフォームからスライダーやカーブも含めてボールをコントロール良く投げ込んでいき、四球を出さないなど非常に安定したピッチングを展開。横浜打線はヒットは出るものの、3回表にはホームを狙った緒方がタッチアウト、4回には3連打で満塁のチャンスを作るも、あと1本が出ないなど、6回まで石橋に無得点に抑えられてしまう。
20220720横浜隼人 石橋
横浜打線を6回まで無失点に抑えた石橋

ただ横浜隼人打線も1点は奪ったものの、その後は杉山の前に沈黙。4回にはヒットを2本放ちランナーを出すも、いずれも杉山の1塁牽制で刺されてしまう。また杉山のボールの中では特にチェンジアップがこの試合では効いており、隼人打線から多くの空振りを奪っていた。杉山はまだ2年生とは思えない落ち着いた投球で、6回まで1失点6安打7奪三振という投球をみせる。
20220720横浜 杉山
落ち着いた投球が光った横浜のエース杉山

なんとしても杉山を援護したい横浜打線は7回表、この回先頭の7番山崎が初球を振り抜くと打球は右中間スタンドに飛び込む同点ホームラン。ここまでチャンスを作りながらも得点をあげることのできなかった横浜だが、期待の193㎝スラッガーの一振りで試合を振り出しに戻した。試合は1-1のまま最終回に突入する。
20220720横浜 山崎
同点弾を放った山崎

9回表、この試合3打数3安打と当たっている5番岸本から始まる横浜の攻撃。すると岸本は初球を振り抜くと打球はライトスタンドに飛ぶこむ値千金のホームランとなり勝ち越し。なおも山崎・杉山の連打でチャンスを作るも、横浜隼人はこのピンチで登板した背番号1の鈴木海が追加点を許さずに、横浜2-1とリードして9回裏を迎える。

4回以降は杉山から得点を奪えておらず万事休すかと思われた横浜隼人であったが、先頭の池田が四球で出塁すると、当然送るだろうと思われた場面で南は強硬策でライト前ヒット、代打の小林が送って1死2・3塁と同点はおろかサヨナラのチャンスを作る。さらに9番横川もセンターに弾き返して同点。横浜はなおも1死1・3塁というピンチで1番上本を敬遠して満塁としたところで、杉山→鈴木に投手を交代する。この場面での登板は重すぎるかと思ったが、鈴木は2番菊池を浅いセンターフライに打ち取ると、続く3番の強打者前嶋もライトフライに打ち取り、絶体絶命のピンチを凌ぎ、試合は延長戦に突入する。

10回表、横浜隼人は5番手として西川がマウンドにあがり、横浜は1死から好リリーフの鈴木が内野安打で出塁すると、続く4安打の岸本は四球で1・2塁のチャンス。ここで6番大坂はカウント2B0Sから甘く入ったストレートを捉えると、打球は見事に左中間を破る2点タイムリー3ベース。その裏は鈴木が無失点で抑え、横浜が大激戦を4-2で制して準々決勝進出を決めた。
20220720横浜 大坂
勝ち越しの2点タイムリー3ベースを放った大坂


20220720横浜✕横浜隼人
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


個々の能力では上回る横浜に対して、横浜隼人はある意味、番狂わせを起こす上でセオリー通りの展開に持ち込むことができた。先制点をあげて、その後は何とかピンチを凌ぎ、ロースコアの展開で終盤に突入。石橋の先発起用といい、水谷監督はまさにしてやったりという展開であっただろう。終盤に逆転を許すも、最終回には同点に追いつき、あと1歩でサヨナラという場面を作るなど、試合巧者ぶりはうかがえた。作戦がうまくいっただけに、最後の最後で宿敵横浜に屈してしまったことは非常に悔しかっただろうが、見事な戦いぶりであった。

この夏の神奈川大会では優勝の最有力候補とみられてた横浜にとっては、まさに冷や冷やな試合であったに違いない。それでも最後に勝ちを掴み取れたのは選手層の厚さといったところであろうか。7回の山崎の1発は非常に価値のあるものであったし、7番バッターが一振りで、それまでの攻撃のモヤモアを打ち消せるのは横浜の強みだ。また9回にも絶体絶命のピンチで、いきなり杉山からバトンを受けて、チームを救った鈴木もさすがであった。杉山という絶対的なエースがいる中で、しっかりと準備をして、ここ1番で力を発揮できる選手がいるのは非常に心強い。

Pickup Player
鈴木颯汰 横浜2年 投手
~絶体絶命のチームを救ったスーパーリリーフ~
誰もがサヨナラ敗けを覚悟した9回裏のピンチでマウンドに上がり、チームを救ったのが鈴木であった。

鈴木颯汰は、鈴木昭汰(ロッテ)の弟しても知られるが、150㌔を出す左腕の兄とは対照的に、キレで勝負するタイプ右腕である。中学時代から筑波ボーイズで名を轟かせて、東日本報知オールスター茨城県選抜にも選出。高校は地元の常総学院に進んだ兄とは対照的に、地元を離れて横浜を選択。鈴木昭汰は2年秋に、当時藤平(楽天)・石川(DeNA)・公家(大阪ガス)・増田(ソフトバンク)らを擁して最強世代と言われていた横浜から1失点完投勝利をあげ(これで横浜はセンバツ絶望)ており、まさに兄を仇とするチームに進んだこととなる。

鈴木は1年春からベンチ入りを果たすと、2年春から登板機会を増やし、背番号10としてベンチ入りしたこの夏は、平塚江南戦で先発して6回無失点に抑えるなど2試合に登板している。ただ同期には1年夏からエースを務める絶対的エース杉山がおり、エースへの道は険しいという状況だ。この横浜隼人との大一番でも杉山が先発して、鈴木はベンチ待機となった。

杉山は3回には1点を失うも、その後は尻上がりに調子をあげていき、横浜隼人打線を無失点に抑えており、これまでの村田監督の起用から見ても完投するものと思われた。しかしそんな杉山が1点を勝ち越して迎えた9回裏の先頭打者に四球を与えるなど突如乱れあっとういう間に同点に追いつかれてしまう。なおも1死満塁というサヨナラのピンチで、村田監督は鈴木をマウンドに送った。犠牲フライでもサヨナラ敗けという場面である。

鈴木は身長は兄と同じ176㎝はあるものの、体重は60㎏台とまだ細身であるが、全身を使ったフォームからしなやかに腕を振り、ストレートはMax140㌔をマークする。この日は140㌔までは出ていなかったものの、スピード以上にノビを感じるボールであり、まず2番菊地を力のないセンターフライに打ち取る。2死満塁となって迎えるのはプロ注目の強打者前嶋であったが、前嶋に対しても変化球から入るも2球目を詰まらせてライトフライに打ち取り、チームの絶体絶命のピンチを救った。

10回表に回ってきた打席では自らヒットを放ち、ホームに生還して勝ち越すと、そのまま10回裏のマウンドへ。まるで糸をひくようにコースに決まるストレートと、スライダー・カーブのコンビネーションで、ラインーは1人出したものの、横浜隼人の攻撃を無失点に抑えて、チームに勝利をもたらせた。

同学年の杉山がフューチャーされるチームであるが、鈴木もなかなか完成度の高い投球を見せる投手である。村田監督があのピンチでマウンドに送ったのも、鈴木に対する信頼があるからであろう。まだ来年も含めて、このような投手が控えているとなると、横浜としては心強い限りである。
20220720横浜 鈴木
チームの絶体絶命のピンチを救うスーパーリリーフをみせた鈴木


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夏の甲子園代表校予想(2022)

今年も夏の甲子園の代表校の予想です。
自分の予想を書くだけではもとないので、ホームラン、報知高校野球の予想とも合わせて出してみました。

2022夏の甲子園出場校


さぁ今年はいくつ当たるでしょうか?


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東洋大×中央大【東都大学野球連盟】

6/22 東都大学野球連盟 1部2部入替戦 第3戦
東洋大×中央大 @神宮球場

試合経過

東都2部を制した東洋大と、三つ巴のプレーオフの末に1部最下位となった中央大による入替戦。1勝1敗のタイで迎えた第3戦は、勝った方が秋は1部、敗けた方が秋は2部というまさに運命の1戦。中央大は西舘、東洋大は細野とともに第1戦に先発した投手が、中1日で再び先発のマウンドに上がった。

東洋大は1回表、1番松本渉がいきなり左中間に3ベースを放ってチャンスを作ると、初戦では満塁弾を放つなど好調な3番石上泰が前進守備の1・2塁間を破り、東洋大が幸先よく先制点をあげる。
20220622東洋大 石上泰
先制タイムリーを放った石上泰

東洋大の先発の細野は、大胆なフォームから繰り出すストレートはMax154㌔をマークし、130㌔前後で大きく曲がるスライダーをはじめとして、フォークやカーブといった変化球も冴えわたり、初回には得意の1塁牽制でもランナーを刺すなど中央大打線を圧倒。大学日本代表合宿を辞退して、この入替戦に臨んでいるが、この試合の投球を見ても、参加していたら日本代表でも主力となるだろう投手だけに、非常にもったいないと感じた。
20220622東洋大 細野
中央大打線を圧倒した東洋大のエース細野

一方の中央大の先発の西舘もストレートはMax153㌔をマークし、Max140㌔をマークしたSFFに加えて、120㌔前半のスライダーや、タイミングを外すカーブなども交えて、奪三振率も高く、2回以降は素晴らしい投球を展開。初戦では5回途中KOであったが、この試合では打って変わって東洋大戦を圧倒。この両投手の素晴らしいピッチングで、4~6回は両チームともにパーフェクトに抑えられるなど、試合は東洋大が1-0とリードしたまま終盤を迎える。
20220622中央大 西舘
細野に負けじと好投をみせた中央大の先発西舘

東洋大の細野は7回裏にも、森下・北村と中央大の最も警戒すべき3・4番コンビを打ち取り2死とするものの、そこから5番石井には四球。明らかにストレートが上に外れることも多くなり、続く高橋にはストレートの四球を与えてしまい、2死1・2塁のピンチを迎える。このピンチは7番皆川をファーストゴロに打ち取り脱したものの、明らかに疲れが見えてきており、細野は7回2安打無失点という素晴らしい投球ながら、この回でマウンドを降りることとなる。

東洋大は2番手として、河北がマウンドにあがる。河北はストレートはMax148㌔をマークし、130㌔台のスライダー(カットボール?)とのコンビネーションで、櫻井・代打の佐藤といきなり2者連続三振というスタートを切り、8回裏の中央大の攻撃を3人で抑える。一方の西舘は9回表のピンチも凌いで、4安打11奪三振1失点という内容で9回を投げ切り、味方の最後の攻撃に望みを託すこととなった。

9回裏は河北VS中前という、共に一緒にプレーもした浦和学院の先輩後輩対決から始まったが、コントロールが自慢の河北にしては珍しくストレートの四球。さらに続く森下に対しても四球を与えてしまい、9回に入ってから投じた9球のうちストライクは1球のみというまさかの乱調。東洋大の杉本監督はたまらず、河北→島田に投手を交代する。無死1・2塁ということで中央大は4番北村であってもバントの構えで、北村は3塁側にきっちりとバントを決めると、これを処理した島田の1塁への送球がショーバンとなり、ファースト小口が弾く間に、中前の代走の川波がホームインして同点となる。

なおも無死1・3塁とサヨナラのチャンスで中央大は5番石井を迎える。石井は追い込まれてから、島田の148㌔のストレートをカットすると、最後は低めの変化球に食らいつき、打球は前進守備のセカンドの横をセンターに抜けていき、サヨナラタイムリーヒット。目前で1部昇格を逃した東洋大ナインだけでなく、打って石井や主将の北村といった中央大ナインも涙を流しすなど、入替戦は壮絶な結末を迎えて、中央大が2-1で勝利し、1部残留を決めた。
20220622中央大 サヨナラ
サヨナラ勝ちで1部残留を決めた中央大ナイン


20220622東洋大×中央大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


正直東洋大有利と思われていた入替戦だが、初戦に敗れた中央大が崖っぷちから見事に逆転で1部残留を決めた。その原動力となったのは、リーグ戦から大幅にテコ入れをしたバッテリーであろう。リーグ戦ではリリーフエースとして活躍していた西舘を先発で起用し、1戦目ではKOされたものの、この3戦目にも再び先発を託すと、9回4安打11奪三振1失点完投と見事な投球をみせて、この試合の原動力となった。キャッチャーもリーグ戦では山田、プレーオフでは村高を起用していたが、入替戦では1年生の綱川を抜擢し、この試合でも好リードに加えて、細野から2ベースを放つ活躍をみせた。打線は森下・北村を中心にいいだけに、西舘というエースが確立して守備面が安定してくれば、秋は上位進出が見えてくるだろう。
20220622中央大 綱川
この入替戦では1年生ながら全試合でスタメンマスクを被った綱川

東洋大は自慢の投手陣が、前日に崩壊したのがきつかった。細野の後は本来であれば、Max151㌔の189㎝右腕一條、ドラフト候補の156㌔右腕の羽田野を起用したいところであったが、2人ともこの入替戦では不安定な投球を見せてた。そこで安定感のある河北に託したものの、河北が9回にまるで魔物にでも取りつかれたかのように連続四球で降板。この場面をリーグ戦では登板のない1年生の島田に託すというのは酷であった。この投手陣の負の連鎖が、目前で1部昇格を逃した要因となってしまったが、1部にいてもトップクラスといえるほど投手陣は実力者揃い。いきなり登板した島田もストレートは148㌔をマークして、大きく曲がる得意のパワーカーブでも空振りを取るなど球自体は素晴らしいものがあった。東洋大が秋も入替戦に出場してくる可能性はかなり高いであろう。
20220622東洋大 島田
最終回のピンチでマウンドに上がった東洋大の1年生島田


Pickup Player
石井巧 中央大3年 ショート
~執念で放ったサヨナラタイムリー~
中央大が、石井のサヨナラタイムリーで1部残留を決めた。

守備力と打撃に秀でた内野手である石井匠は、兄の石井一成(日本ハム)と同じく作新学院に進学すると、2年春よりショートのレギュラーを獲得し、2年夏の甲子園には6番ショートとして出場。2年秋からはチームの主将も務め、3年夏の甲子園には4番ショートとして出場し、中京戦では3ランホームランを放つなど3試合で打率.455打点6という活躍をみせる。

中央大に進学すると、1年秋からリーグ戦に出場し、2年春はセカンドのレギュラーに定着。今年からは3年生ながらチームの副主将も務め、ポジションも本職のショートとして活躍し、リーグ戦では打率.286打点7という成績を残した。ただチームはプレーオフの末に最下位となり、この入替戦では1・2戦目と7番を打っていたものの、前日の3安打4打点という活躍からこの試合では5番に昇格した。

ただこの試合の石井は、細野の前にいきなり2打席連続三振。持ち前の守備でも打球は飛んでこず、中盤までは存在感は発揮できずにいた。ただ7回の第3打席では2死から四球を選んで出塁すると、結果的にこれが細野が7回で降板するきっかけとなった。そして9回裏は同点に追いついた後の無死1・3塁という場面で石井に第4打席が回ってきた。この打席での石井は、島田の大きく曲がるカーブに空振りして追い込まれるも、続く148㌔(島田のMax)をカットすると、最後は低めのカーブに食らいつくと、打球は前進守備のセカンドの横をセンターに抜けていき、サヨナラのタイムリーヒットとなった。

打った石井は1塁を回ったところで、その場で泣き崩れるように屈んで、そこにナインが集まっていった。3年生ながら副主将も務めると石井は、主将の北村らとともに前日から頭を丸めて試合に臨んでおり、この試合にも懸ける思いはあったことだろう。サヨナラ打もそれほどいい打球というわけではなかったが、ボールに食らいついて、石井の執念でヒットにしたというような当たりであった。

これで秋も1部で戦うこととなった石井。プロも注目している選手であり、スローイングなどの守備の安定感は抜群で、全体的にそつなくこなすことのできる選手である。中央大で5番を打っているように打撃も悪くはないが、もう一皮むけてインパクトを残せるようになると、来年のドラフト会議で名前を呼ばれる選手になれることだろう。
20220622中央大 石井
サヨナラタイムリーを放った石井


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