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浦和学院×埼玉栄【春季埼玉大会】

4/28 春季埼玉大会3回戦
浦和学院×埼玉栄 @県営大宮球場

試合経過

春季埼玉大会は3回戦で、浦和学院と埼玉栄という強豪どうしが激突。浦和学院はこの春からエースナンバーを背負う渡邉、埼玉栄は背番号18の2年生左腕水野の先発で試合は始まった。

1回表、水野は最初制球が定まらずに1・2番に連続四球を与えてしまうと、浦和学院は3番濱野が送って、4番喜屋武はシフトを引かれて狭くなった1・2塁間を破る2点タイムリーを放ち先制。さらに三井がファースト強襲ヒットで1死1・3塁とチャンスを広げる。続く6番篠崎の当たりも二遊間を抜けようとしたところを、ショート楯が好捕して2塁へトス、これをセカンド井上が素手で捕ってそのまま1塁へ送球というメジャーリーガーのようなプレーで併殺を完成させて、浦和学院の追加点を阻んだ。

これで勢いに乗った埼玉栄は平日ながらもブラバン・チアリーダー勢揃いの本格的応援を受けて1回裏、1番中村がヒットで出塁すると、2番井上はバスターで空いた三遊間を破る。バント失敗を挟んで、4番新川のヒットで満塁とすると、5番倉田が押し出しの四球を選び初得点。さらに6番越前谷の1・2塁間を破るタイムリーで逆転すると、7番酒井のセカンドゴロの間にも得点して、初回で埼玉栄4ー2とリードを奪う。
20230428埼玉栄 越前谷
初回に逆転の2点タイムリーを放った越前谷

浦和学院は2回表、渡邉のサード強襲のヒットから、まだ制球の定まらない水野が2個の四球で満塁のピンチを招くと、ワイルドピッチで渡邉が生還。ここで投手が花塚に代わるも、さらにワイルドピッチで同点とすると、4番喜屋武の打球は風の影響もあり、深く守っていた外野の前にポトリと落ちる2ベースとなり、浦和学院が6ー4と再逆転に成功する。

浦和学院の勢いは止まらず、3回には西田和の2ベースから小林のタイムリー。埼玉栄は4回からエース山下を投入するも、月山が四球から盗塁でチャンスメイクして濱野のタイムリー、5回には先発の渡邉が自らのバットでレフトスタンドにソロホームラン、6回には篠塚のレフト線へのタイムリー2ベース、7回には喜屋武のこの試合3本目のタイムリーが飛び出し、なんと3回〜7回まで5イニング連続で1得点ずつをあげる。
20230428浦和学院 渡邉2
自らのバットでホームランも放った渡邉

この春から浦和学院のエースナンバーを背負う先発の渡邉は、MAX145㌔と言われているストレートにはスピードがあり、スライダーにSFF(2シーム?)といった変化球を繰り出し、2回以降は素晴らしい投球を展開。5回には埼玉栄の4番新川にタイムリーを浴びたものの、2回〜7回は埼玉栄打線を3安打無四球に抑えた。ただこの日は気温も高く、7回には足を攣ってしまったようで、この回で降板となる。
20230428浦和学院 渡邉
初回以外は背番号1に恥じない見事な投球をみせた渡邉

浦和学院は8回から田中が登板するも、埼玉栄は四球と4番新川のこの試合3安打目となる2ベースで無死2・3塁のチャンスを作ると内野ゴロの間、さらには越前谷のタイムリーで2点をあげて、4点差に迫る。
20230428埼玉栄 新川
浦和学院相手に3安打と気を吐いた4番新川

最終回も代打渡邉が粘って四球を選び、好守を連発した井上もヒットで繋いで、スタンドは盛り上がりを見せるも、最後は3番楯・4番新川の中軸が、田中の力のあるストレートの前に連続サードフライに倒れてしまいゲームセット。浦和学院が打撃戦を11ー7で制して、8強入りを決めた。


20230428浦和学院×埼玉栄
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


浦和学院の攻撃力の高さが際立った試合であった。浦和学院はこれまで左腕に弱いということもあり、埼玉栄は水野を先発に立てたのだろうが、初回に左打者の喜屋武と三井が、強烈な打球でのヒットを放ち、力強さ強さを見せつけた。以降も投手が変わっても、7回まで毎回得点。野球においては、1イニングに多くの点が入るなど流れから大量得点となるケースが多いが、このように毎回得点できるのは、本物の実力であるといえる。上述の喜屋武・三井の左打者に加えて、この春から3番を務めて3安打を放った濱野、昨秋は5番レフトで出場しており、この試合でもホームランを放つなど打力のあるエース渡邉ら右打者も結果を出した。秋は横浜の杉山に抑えられてセンバツ出場を逃してしまったが、一冬越えて、打線全体の破壊力は、ここ近年の浦和学院の中でもトップクラスまでに成長したといえる。
20230428浦和学院 濱野
3番に起用され3安打と結果を残した濱野

逆に埼玉栄としては投手力に課題の残る試合となってしまった。登板した水野・花塚・山下の投手はともに、スピードというよりはキレやコントロールで勝負するタイプに見えた。ある程度打たれることはしょうがないにせよ、強打の浦学打線に慎重になり過ぎてしまったのか、計12四死球は多すぎる。それでも4回から登板したエース山下は、得点は許したものの、4イニング連続で最少失点で切り抜けたのは評価できる。また守備もよく、特にセカンドの井上は4回には二遊間抜けようという強烈な当たりを横っ飛びでキャッチし、続く打者の難しいバウンドのあたりも捕ってホームでアウトにするなど好守が目立った。登板した3投手、キャッチャー倉田、セカンド井上、サード長岡(1年)と下級生の多いチームでもあるので、この浦和学院との試合は良い経験として欲しいものだ。
20230428埼玉栄 山下
得点は許したものの大崩れしなかった埼玉栄のエース山下


Pickup Player
喜屋武夢咲 浦和学院3年 外野手
~強烈な打球の新4番が4安打5打点の活躍~
この試合で浦和学院の4番に座った喜屋武が、4安打5打点の大活躍をみせた。

喜屋武は沖縄から浦和学院に入学すると、その打力を武器に1年秋からライトのレギュラーを獲得し、2年春のセンバツにも出場。2年秋には埼玉大会で1番打者を務め、武蔵越生戦では2ホーマーを放ち、そこから聖望学園戦・山村学園戦と3試合連続でマルチ安打をマーク。2年秋の関東大会では3番を務め、この3年春の埼玉大会では4番を務めている。

この試合の第1打席は1回表1死2・3塁という場面で、埼玉栄は前進守備はせずに、逆に喜屋武の引っ張りを警戒して、守備陣を右より配置するシフトをとった。しかし喜屋武はカウント2B2Sからのストレートを打つと、スピードのある打球は狭くしていた1・2塁間を抜けていき、先制の2点タイムリーとなった。2死1・3塁という場面で回ってた第2打席では打球を打ち上げてしまうも、喜屋武の長打を警戒していた外野は後ろにおり、なおかつ風の影響もあって、センターの左のポトリと落ちる打球となり、これが2点タイムリー2ベースとなった。第3打席はセカンドゴロも、これは二遊間抜けようという当たりを、埼玉栄のセカンド井上がダイビングキャッツで抑えたという超ファインプレーであった。第4打席でも1・2塁間よりの打球を井上に好捕されるも、ファーストが飛び出しており、ベースカバーの投手との競走に勝って内野安打。第5打席でも変化球をうまくショートの頭上に持っていき、センターへのタイムリーヒット。結局この試合の喜屋武は、6打数4安打5打点という大活躍であった。

身長は175㎝と大きい部類ではないが、スイングスピードがあり、強烈な打球を放つ左の強打者。ちょうど今年西武にドラフト1位で入団した、浦和学院の先輩の蛭間も身長は176㎝で同じタイプである。まだトータルで見ると確実性や、打撃以外の部分でも及ばないところもあるが、この試合のような打撃を続けていけば「蛭間2世」と呼ばれる日も近いと思う。
20230428浦和学院 喜屋武



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桐光学園×横浜【春季神奈川大会】

4/18 春季神奈川大会3回戦
桐光学園×横浜 @サーティーフォー保土ヶ谷スタジアム

試合経過

春季神奈川大会では3回戦にして、早くも桐光学園と横浜が対決。本来ならば夏に向けて手の内を隠すところだが、まだ3回戦ということもあり、負ければ夏はノーシードからのスタート。そういう状況もあって、桐光学園は中平、横浜は杉山と両エースが先発のマウンドに上がるガチンコ勝負となった。

1・2回と静かな立ち上がりを迎えたものの、横浜は3回裏に9番荻原がライトスタンドにソロホームランを放ち先制。ただ桐光学園は直後の3回表、エラーで出塁した中村がバッテリーミスで2塁へ進んでチャンスとすると、6番綾部がライト前にタイムリーを放ち1ー1の同点に追いつく。
20230418桐光学園 綾部
同点タイムリーを放った綾部

横浜4回裏、スタメン復帰した5番山崎がヒットで出塁すると、7番椎木の高く上がった打球はそのままセンターのフェンスを越える2ランホームラン。さらに8番杉山もフルカウントからインコースのボールをうまく腕を畳んで捉えると、打球はライトスタンドに飛び込むホームランとなる。横浜がバッテリーを組む2人の連続ホームランで、4ー1と勝ち越しに成功する。
20230418横浜 椎木1
勝ち越し2ランを放った椎木

桐光学園のエース中平は、スリークウォーターから140㌔を超えるストレートを投げ込み、コントロールも良い投手である。ただ下位打線にホームランを浴びたことでやや慎重になってしまったのか、5回裏にはエラーに加えて、中軸に2個の四球を与えてしまい(これがこの試合初四球)満塁のピンチを背負うと、横浜は6番上田がライトスタンドへ満塁ホームラン。さらに7番椎木は直後の初球を捉えると、レフトスタンドへ2打席連続となるホームランを放ち、横浜が9ー1とリードを広げ、中平をKOする。
20230418横浜 上田
満塁ホームランを放つ上田

グランド整備明けの6回表、桐光学園はこの回先頭の3番森の打球はライトポール際への大飛球。場外に消えようかという打球の判定はフェアでホームラン。打った森はチームを鼓舞するようにダイヤモンドを全力で回ると、そこから中村・野村が連打を放つも、横浜のエース杉山がそこから踏ん張り、反撃は1点止まり。
20230418桐光学園 森
ライトポール際に特大のホームランを放った森

桐光学園の2番手の法橋は186㎝の長身2年生右腕で、非常に期待のかかる投手である。ただエース中平から5ホーマーの横浜打線ということで警戒しすぎたのか、ストライクが入らずに、6回裏には3四球で満塁としてしまうと、最後は5番山崎に押し出し四球を与えてしまい、横浜が10点目をあげる。

横浜のエース杉山は、1年夏からエースナンバーを背負っているだけあり、スライダー・チェンジアップといった変化球も冴えており、落ち着いた投球を展開。そしてこの春はストレートの力強さが増しており、スカウトの評価も大きく上がっていることだろう。この日はホーム→センター方向に風が吹き、同じく神奈川屈指の好投手である中平は5本塁打を浴びるなど、投手に不利な状況であったが、それでも桐光学園相手に7回まで2失点(自責点1)で投げきった。横浜が10ー2(7回コールド)で勝利した。
20230418横浜 杉山
7回2失点(自責点1)で完投した杉山


20230418桐光学園×横浜
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


上述のように、この日はホーム→センター方向へ風が吹いており、打者には有利な天候ではあった。それでも桐光学園の好投手の中平から、7イニングで5ホーマーを放った横浜打線は凄いの一言。さらにそれを放ったのが全て、6〜9番打者と下位打線であったのは驚きだ。椎木・杉山あたりは本来は中軸を担う力もありながら、バッテリーということもあって下位打線にいることもあるが、それでも桐光バッテリーとしてはこうも下位打線に打たれてしまうと、上位打線も含めて全てを警戒しなければいけないので、気を抜く暇もなく本当にしんどかったことだろう。今年は攻撃力が二松学舎大付より下(と個人的に思わないが、高野連の見解)と言われ、センバツ出場を逃した横浜であるが、もともと個人の能力は高く、それがやっと開花しつつあるようだ。

桐光学園はここのところ公式戦では横浜に3連勝中であったが、この試合ではまさかのコールド敗けで、夏はノーシードスタートとなった。ただこの試合ではスタメンのうち6人が2年生と非常に若いチームであり、その中でも特に注目なのが3番森、4番中村の2人だ。まず中村は1年春からショートのレギュラーであったが、この春はキャッチャーへコンバート。肩力に加えて、ショート仕込みか取ってからのスピードも速くスローイングはよく、あとは5本塁打を浴びてしまった教訓を生かしてリード面を向上させたいところ。中村に代わってショートに入ったのは、186㎝の大型内野手の森。身長が高いせいで、やや細身に見えるが、フルスイングのできる打者で、この試合ではライトポール際に特大のホームランを放った。桐光学園はこの2人を中心に、個人的には夏に向けてまだまだ成長が見込めるチームであり、ノーシードというのは逆に他の強豪校からみても非常に嫌な状況であろう。
20230418桐光学園 中村
ショートからコンバートされてこの春から正捕手を務める中村


Pickup Player
椎木卿五 横浜2年 捕手
~貴重な2発を放った大型捕手~
5ホーマーが飛び出した横浜打線の中でも、決勝2ランを含む2打席連発を放った椎木の打撃は群を抜いていた。

椎木は中日・ロッテ・西武などで捕手として活躍した椎木匠を父に持ち、京葉ボーイズでは父と同じ捕手として全国4強にも輝いた。横浜に入学すると、1年夏から背番号12でベンチ入りを果たし、甲子園も経験(出場機会はなし)。同期には栗山、先発にも橋本や小泉といった好捕手がいる中で、1年秋には正捕手の座を獲得すると、神奈川大会の金沢戦で3ランホームランを放ち、続く武相戦では4番を務めて4打点の活躍。チームを神奈川大会優勝に導くと、関東大会でも2試合とも4番に座り、浦和学院戦ではタイムリーもはなった。

この春も正捕手を務めているが、打順はキャッチャーという負担も考慮されてか下位打線を務めており、この試合でも7番打者として出場した。第1打席では桐光学園のエース中平の前に3球三振と完全に抑え込まれてしまったが、2死1塁で迎えた第2打席では初球のストレートから打ちにいくと、高く上がった打球はそのままバックスクリーンに飛び込む勝ち越しの2ランホームラン。上田の万るホームランの余韻が冷めないまま迎えた第3打席でも初球のストレートを打つと、打球は今度はレフトのフェンスを越える2打席連続でのホームラン。この試合で打っては3打数2安打(2ホーマー)3打点という活躍であった。守備でも夜遅くまで研究したという桐光打線相手に、エース杉山を巧みにリードして、7回まで2得点に抑えた。」

178㎝80㎏という体格で、2年生ながら非常に落ち着きのあるプレーが見られる大型捕手。スローイングに関しては上体が高く、もっと体重を乗せて投げれば…という改善の余地はあるものの、すでに攻守でレベルの高いプレーを見せており、来年のドラフト候補となれる選手であり、今後の活躍にも大いに期待したい。

20230418横浜 椎木2

20230418横浜 椎木3



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国学院大×日本大【東都大学野球連盟】

4/6 東都大学野球連盟 第1週3試合目
国学院大×日本大 @神宮球場


試合経過

ナゴヤ球場で開幕した東都1部だが、3試合とも1勝1敗となり、勝ち点の行方は神宮に戻ってから行われた第3戦に託されることとなった。その第1試合の。国学院大×日本大の試合は、前の試合から中3日空いていることもあり、武内(国学院大)と山内翔(日本大)の両エース左腕の先発で始まった。

1・2回と共にランナー3人を出すも得点できなかった国学院大であるが、3回表にも先頭の3番柳館がヒットで出塁すると、4番冨田のレフト線に上がった打球はレフト林が飛び込むも僅かに届かず、タイムリー2ベースなり、国学院が先制。さらに伊東が送って1死3塁とすると、6番土山の犠牲フライで2点目。さらに4回表にも、先頭の中西がヒットで出塁すると、吉川が送って、1番神山福のタイムリーで、3ー0とリードを広げた。
20230406国学院大 冨田
先制のタイムリーを放った国学院大の新4番冨田

国学院大のエース武内は、MAX147㌔のストレートに、130㌔後半の2シーム、スライダー・カーブ・チェンジアップはどれもレベルの高いボールであり、無四球とコントロールも良く、落ち着いた投球が光った。やや奪三振が少ないのは気になったが、開幕戦での完封の続きと言わんばかりに、5回まで日大打線を2安打無失点に抑えた。
20230406国学院大 武内
国学院大のエース武内は5回まで完璧な投球をみせた

ただ日大は6回裏に、先頭の9番角田勇が初球を叩くと左中間への2ベースとなり、続く1年生の1番菊地弘は送らずに強硬策に出ると、それに見事に応える右中間へのタイムリー3ベースを放つ。菊地弘は、3番林のセカンドゴロの間に生還して、日大が2ー3と1点差に迫る。
20230406日本大 菊地
タイムリー3ベースを放った日大の1年生リードオフマン菊地

日大は4回のピンチから2番手として市川が登板。前の試合から中3日なので、2戦目の先発を務めた市川を、こう惜しげもなくリリーフ投入できるなど、総力戦でいけるのはこの日の試合の醍醐味だ。市川は4回のピンチを見事無失点で凌ぐと、その後もMAX145㌔のストレートとフォークを中心とした投球で、国学院大打線に得点を許さない。ただ日大打線も、7・8回は武内の前にノーヒットに抑えられてしまい、試合は3-2と国学院大が1点リードしたまま最終回を迎える。
20230406日本大 市川
好リリーフをみせた市川

9回表、国学院大は1番からの好打順であり、1番神山福がヒットを放ち、2番西川が送るという国学院久我山コンビでチャンスを作るも、3番柳館・4番冨田は市川の前に抑えられてしまい無得点。対する日大も先頭の林が内野安打で出塁すると、4番高垣が送って、5番友田は死球で1死1・2塁とすると、6番今井もライト前ヒットで続いて満塁のチャンスを作る。ここで7番の山口雄はカウント2B2Sから1球ファールで粘った後のストレートを弾き返すと、打球はレフトの頭上を越える逆転サヨナラタイムリー。初スタメンの1年生の1打で日大が4-3で勝利し、最初のカードで勝ち点を手に入れた。
20230406日本大 山口雄1
サヨナラ打を放った山口雄


20230406国学院大×日本大
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


総力戦となるだろうこの試合であったが、両チームの監督ともに最後は選手を交代せずに託したが、それが明暗を分ける結果となった。

まず国学院大であるが、この試合は前の試合から中3日ということもあり、投手陣はフル動員が可能であるが、鳥山監督は最後までエース武内を投げさせた。国学院大は武内と並びエースとして期待される坂口を第1戦では抑えで起用しており、この試合も武内→坂口という継投が予想された。ただ武内は6回には失点を喫したものの、7・8回は日大打線を抑えており、球数も8回まで111球とそれほど多くはなかったので、9回のマウンドも武内に託したが、結果的に逆転を許すこととなってしまった。昨秋の優勝から武内をはじめとして多くの主力が残り、またここ近年で戦国東都の中でも安定した戦いぶりをしている国学院大は個人的には、優勝の最有力候補かと思っていたが、初カードで勝ち点を落とすという厳しいスタートになってしまった。

日大は最終回1点ビハインドの1死満塁のチャンスで、打席が回ってきたのは、この試合が初スタメンの1年生の山口雄。ただここまでは内野ゴロ3個とノーヒットで、再び内野ゴロ打ってしまうと、併殺でゲームセットというプレッシャーのかかる場面。いきなり1年生には重い場面であることに加え、左対左(それは分かっていてスタメン起用したのだろうが)ということもあり、正直ここは代打かと思った。ただ片岡監督は、山口雄に直接指示を与えて、そのまま打席に向かわせると、山口雄はその起用に応える最高の結果を残してみせた。開幕カードで勝ち点をあげられたことに加え、この勝ち方、さらには1年生の活躍ということで、片岡監督の英断によりチームが勢いづくことは間違いなしだろう。
20230406日本大 山口雄3
山口雄に指示を送る片岡監督


Pickup Player
山口雄大 西日本短大付1年 ファースト
~起用に応えた1年生が劇的サヨナラ打~
この試合が初スタメンとなる日大の1年生山口雄が、逆転サヨナラタイムリーと最高の結果を残した。

山口雄は西日本短大付では2年夏の甲子園に5番ファーストとして出場しており、3年春の九州大会では準決勝の小林西戦で3ランホームランを放つなどして準優勝に貢献。ただ2年連続での甲子園出場を狙った3年夏は、福岡大会準々決勝で飯塚の白濱(ロッテ)の前にノーヒットに抑えられてしまい、チームも敗れた。今年日大に入学すると、いきなり開幕カードからベンチ入りを果たし、第1戦・第2戦ではともに代打での出場のみであったが、第2戦では記録はエラーだが強烈な打球を放っており、この試合ではスタメンで起用された。

173㎝86㎏という体格でスイングスピードが速いが、ボールに当てるのがうまい選手らしい。スイングの軌道は体に近く、一見パワーヒッターに見えてミート力もあるところや、身長的にも吉田正尚を彷彿とさせるような選手だ。ただこの試合では当てるのがうまいのが逆に災いしてか、最初の3打席ではうまく手首を返して当てるだけのような打撃となってしまい、二ゴロ→二ゴロ→一ゴロと武内の前に3タコに終わっていた。それゆえに上述の通り、1点ビハインドの1死満塁という場面では代打が送られるかと思ったが、片岡監督は打席に迎う山口雄に直接指示を出し、そのまま打席に向かわせた。するとカウント2B2Sから1球ファールで粘った後の、外角のストレートを、今度は手首を返しすぎることなく、そのままうまくレフトに運ぶと、打球はレフトの頭上を越えて逆転サヨナラタイムリーヒットとなった。

このような打撃ができると、1年生ながらスタメンや代打での起用はさらに増えそうだ。ただそこは選手層の厚さでいえば、全国でもトップクラスの日大だけあり、内野には本来はレギュラー格である4年生の花崎や太田、同級生には村上(ヤクルト村上の弟)もおり、レギュラー確定は容易ではない。それでも吉田正尚のような打撃は非常に魅力的であり、この日大での4年間で熾烈な競争にもまれながら、その打撃技術をさらに磨いてほしいと思う。
20230406日本大 山口雄2


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八戸学院光星×花巻東【招待試合】

4/2 きたぎんボールパークオープン記念試合
八戸学院光星×花巻東 @きたぎんボールパーク

試合経過

盛岡に新たな球場として、「きたぎんボールパーク」がオープンし、そのオープン記念として、八戸学院光星を招待し、地元の盛岡大付との試合が行われた。

八戸学院光星の先発は、1年生ながら昨夏の甲子園では先発も務めた左腕の洗平。ただ立ち上がりは制球が不安定で、先頭の諏訪に四球を与えてしまうと、盛岡大付はランナーを2塁に進めてから、3番小林のタイムリーで先制。そこから中田のヒットと四球で満塁とすると、6番粕谷は押し出しの四球を選び2点目をあげる。
20230402盛岡大付 小林
先制タイムリーを放った小林

ただ八戸学院光星は2回表に、2死から四球でランナーを出すと、7番藤原がレフトスタンドに同点2ラン。これで強力打線に勢いがつくと、3回には洗平の2ベースを皮切りに満塁のチャンスを作ると、3番中澤恒が押し出し四球を選び逆転。さらに盛岡大付のエラーや、5番川島の2点タイムリーもあって、一挙5得点で7ー2とリードを奪う。
20230402八戸学院光星 藤原
同点2ランを放った藤原

八戸学院光星は4回表にも、新城のヒットとバントフィルダースチョイスからチャンスを作ると、2番青木・3番中澤恒・4番長谷と3者連続タイムリーヒット。さらに5番川島の打球をセカンドがホームへ送球も間に合わず(記録はフィルダースチョイス)、さらに送球が暴投になる間に2人目のランナーもホームインして、この回も5得点。

八戸学院光星は4回まで12得点を奪って、盛岡大付の先発の竹ケ原をKO。さらに5回から盛岡大付のマウンドに上がった石井に対しても、新城と代打中澤惇の連打からチャンスを作ると、併殺崩れの間、さらには3番中澤恒のタイムリーで2得点。ただ併殺崩れといっても、タイミング的には併殺完成のところで送球ミスをしたものであり、事実上はエラー。八戸学院光星の打線もさることながら、盛岡大付の守備陣のミスも多く、14ー2と大差がついてしまった。
20230402盛岡大付 竹ヶ原
盛岡大付の先発の竹ヶ原

八戸学院光星の洗平は初回こそ不安定だったものの、2回からは4者連続三振を奪うなど、本来の投球をみせて、4回3失点で降板。5回からは洗平と同じ2年生左腕で、この試合では背番号1をつけた岡本が登板。岡本は洗平ほどのスケールはないものの、テンポよくまとまった投球で、盛岡大付打線を4回無失点に抑え、この試合の内容でいえばエース争いをややリードといえるものだった。
20230402八戸学院光星 岡本
4回無失点の好投をみせた岡本

八戸学院光星は6回に川島が四球で出塁して盗塁を決めると、6番池田がタイムリー。9回には新城・代打増田の連打から、青木の犠飛と中澤恒のこの試合3本目のタイムリーで追加点。盛岡大付も最終回に、八戸学院光星の3番手田部井から、諏訪の2ベースを起点に小林・伊藤がタイムリーで2点を返すもゲームセット。八戸学院光星が17ー5と大勝した。


20230402八戸学院光星×花巻東
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


盛岡大付は17失点と、ディフェンス面に大きな課題を残した。まず投手陣であるが、竹ケ原・石井・橋本と3投手ともに、八戸学院光星打線に捉えられてしまっていた。夏に向けては投手陣の奮起が必要となるが、中でも期待したいのは3番手で登板した橋本。中学時代には、オセアン横浜ヤングのエースとして、緒形(横浜)らともにヤングリーグ優勝を果たした右腕は、秋は背番号1を背負いMAX144㌔をマーク。ただこの試合では背番号10で、最終回に登板するも、ストレートは130㌔前半に止まってしまい、夏には復調してエースナンバーを背負うことを期待したい。投手陣だけでなく、盛岡大付は守備のミスも多く、これが大量失点に繋がっていた。記録上のエラー6個だけに限らず、併殺コースの打球を2者連続でスローミスで併殺崩れとしたり、フィルダースチョイスもあった。新球場で慣れない人工芝の影響もあったかもしれないが、それはノーエラーであった八戸学院光星も同じ話。プラスに考えるなら、今後岩手大会の準決勝や決勝などが行われる球場での課題が早いうちに見つかったことは良かったのだろう。
20230402盛岡大付 橋本
盛岡大付のエースとして期待したい橋本

秋は青森大会で弘前東に敗れ、まさかの東北大会出場すら叶わなかった八戸学院光星。その時から大幅にポジションとメンバーをチェンジしたようで、弘前東戦のスタメンとポジションが同じであったのは、キャッチャー藤原とショート中澤恒というチームの中核のみ。センターの鈴木崇がサードに、サードの池田がセカンドに、ファーストの長谷がライトに入り、新城・青木・川島と秋は背番号2桁の控えであった選手たちもスタメンに名を連ねた。その結果、盛岡大付とは対照的に守備はノーエラーであり、打撃陣も青木は2打点、川島は3打点、新城は猛打賞と起用に応える形となった。こちらは(この試合を見る限りでは)秋の敗戦から、コンバート・新戦力の台頭がうまくいっているようで、春季大会に期待が持てる試合であった。
20230402八戸学院光星 新城
起用に応えて3安打を放った新城


Pickup Player
中澤恒貴 八戸学院光星3年 ショート
~坂本の再来と思われる3安打4打点の活躍~
八戸学院光星の3番ショートの中澤が、タイムリー3本を含む4打点の活躍でチームの大勝に貢献した。

中澤は江戸川北シニア時代から30本以上のホームランを放つなど、走攻守揃いパンチ力もある内野手として期待されており、八戸学院光星では1年秋からショートのレギュラーを獲得。3番ショートとして迎えた2年夏の青森大会では、3回戦の弘前東戦で決勝ホームランを放ち、決勝の八戸工大一戦でも3安打2打点の活躍でチームを甲子園に導いた。甲子園では創志学園戦、愛工大名電戦でともにマルチヒットをマーク。2年秋からも引き続き3番ショートとチームの中軸を務めており、この試合の前日にはU18日本代表候補合宿のメンバーにも選ばれていた。

そんな中澤はこの試合でも3番ショートとして出場。中澤の打撃フォームは大きく足をあげるものの、バランスがとれていて、しっかりとボールにアジャストすることがでているのが特徴。2打席目には勝ち越し点となる押し出しの四球を選ぶと、3打席目には初球のストレートをうまく逆方向のライト前にはじき返すタイムリー。続く第4打席では今度は変化球を右中間に運ぶタイムリー3ベースを放ち、右方向への打撃の巧さが光っていたが、第5打席では今度はストレートをしっかりと引っ張ってレフト前にタイムリーを放つなど左右の打ち分けも見事であった。結果的にこの試合では4打数3安打4打点という、さすがはU18代表候補という活躍をみせた。

守備も安定しており、飛んできた打球は無難にさばいていた。決して派手さはないものの、飛んできた打球に対して余裕を感じさせるほどの落ち着きで処理をしており、足を長く上げる打撃フォーム、うまく打ち分ける打撃技術、3番ショートと先輩の坂本(巨人)を彷彿とさせる要素がいくつもある選手だ。北條(阪神)がいたので、坂本2世と言っていいのかは分からないが、中澤は柔らかさがあり、北條よりも坂本に似ている選手といえる。今でも十分ドラフト候補には入ってくるだろうが、今後夏の大会やU18代表などの場面で実績を積むことができれば、貴重な右の走攻守揃った大型内野手として上位候補にまで上り詰めるかもしれない。

20230402八戸学院光星 中澤恒1

20230402八戸学院光星 中澤恒2


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東邦×報徳学園【選抜高校野球大会】

3/28 選抜高校野球大会3回戦
東邦×報徳学園 @阪神甲子園球場

試合経過

勝てばベスト8のセンバツ3回戦では、東邦と報徳学園という、共に優勝経験のある強豪同士の対戦となった。東邦は2回戦では登板のなかったエース宮國が、報徳学園は甲子園初登板となる2年生右腕の今朝丸が先発のマウンドに上がった。

報徳学園は2回裏、西村・竹内の連打で1死1・2塁のチャンスを作ると、8番林のレフト前ヒットで西村がホームを狙うもタッチアウト。それでも9番今朝丸のヒットで満塁とすると、1番岩本が1・2塁間を破るタイムリーも、2塁からホームを狙った林はホームタッチアウトでチェンジ。報徳学園が先制も、5連打で1得点のみという、歯切れの悪い攻撃となった。

報徳学園は3回裏にも、山増がヒット→盗塁、4番石野のヒットで1・3塁とすると、辻田が犠牲フライ。4回裏には8番林のソロホームラン、さらに2死から岩本のセーフティバントを皮切りに、山増が連打で繋いで、堀のタイムリーヒット。MAX149㌔という本来のスピードが戻らずに、130㌔前半のストレートが多い宮國に対して、報徳学園打線は4回までに11安打を放ち、4得点をあげる。
20230328報徳学園 林
ホームランを放った林

報徳学園の先発の今朝丸は、再現性のある綺麗なフォームで、そこから繰り出すストレートはMAX138㌔をマーク。100㌔前後のカーブで緩急をつけ、スライダー、しっかりと落ちるチェンジアップなど変化球も良かったが、1番の魅力はコントロールの良さで、この試合与えた四死球は0。4回には東邦の大島・石川・岡本と3本のヒットを浴びて1点を失うも、6回まで4安打1失点と山田監督の起用に応える素晴らしい投球をみせる。
20230328報徳学園 今朝丸
先発に抜擢され好投をみせた今朝丸

しかし終盤になると疲れも出てきたのか、東邦は7回表の先頭の岡本が右中間へ2ベースを放つと、続く上田のバントを今朝丸がファンブルしてしまいオールセーフ。すると7番南出のタイムリーと、代打伊藤のセカンドゴロの間の得点で1点差に迫り、そして1番中村のサード内野安打で東邦は一気に同点に追いつき、今朝丸をマウンドから降ろすことに成功する。

ただ報徳学園はリリーフした間木、さらには9回にはエース盛田を投入して、東邦に逆転は許さない。一方の東邦は6回からライトを守っていた岡本が3試合連続のリリーフのマウンドに上がると、MAX140㌔のストレートにスライダー・チェンジアップを武器に東邦打線を無得点に抑えていった。
20230328報徳学園 岡本
好リリーフをみせた岡本

9回裏、1番からの好打者の報徳学園は岩本が四球で出塁すると、山増が送ってチャンスメイク。ここでチームNo 1のアベレージを誇り、この試合でも2安打を放っている堀に打席が回ると、堀は見事にセンター前に弾き返す。サヨナラかと思ったが、東邦のセンター上田が見事なダイレクト送球でホームタッチアウト。強肩の外野手としてプロで活躍した上田佳範(現中日コーチ)を父に持つだけあって、本当に素晴らしい送球でピンチを防ぎ、試合は4ー4のまま延長戦に突入する。
20230328報徳学園 上田
素晴らしい送球でサヨナラのピンチを救った上田

今年から甲子園でも10回からタイブレーク(無死1・2塁で継続打順スタート)となっている。先攻の東邦は1番中村が見事にバントを決めて、2・3塁とするも、ここは報徳学園のエース盛田が大島をセカンドフライ、眞邊ならインローのストレートで見逃し三振を奪う素晴らしい投球をみせて無失点で切り抜ける。

報徳学園はその裏、4番のスラッガー石野からの攻撃であったが、その石野が見事に送りバントを決めて、こちらも2・3塁。1点もやれない東邦ベンチは5番辻田を申告敬遠して満塁とするも、6番西村が2球目のストレートをライト前に弾き返して勝負あり。報徳学園がタイブレークに及ぶ激戦をサヨナラ勝ちで制して、ベスト8進出を決めた。
20230328報徳学園 西村2
サヨナラを決めた西村


20230328東邦×報徳学園
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


タイブレークの末に何とか勝利した報徳学園であるが、タイブレークにしてしまった感はある。まず序盤4回までに11安打、特に2回から3回にかけては6者連続を含む7安打を放つも、ホームでの走塁死2つで2得点のみというのは勿体無かった。このような攻撃だったので、報徳学園としてはどこか流れを掴むことができずに、点差も大きくつけられなかったことが終盤に追いつかれる要因になったと思う。それでもチームが最後に勝利できたのは、9回から登板した盛田の投球で、タイブレークを0点に抑えたのは大きかった。悪い流れを断ち切るという意味でも、まさにエースの投球であったといえる。
20230328報徳学園 盛田
見事タイブレークを無失点で切り抜けた盛田

対する東邦は、逆にエース宮國の出来が悪く、これは夏まで何とかしたいところ。MAX149㌔のストレートを誇る宮國だが、昨秋もスピードは出なかったものの、それでも変化球多めの投球で、チームを東海王者に導いた。スピードが戻れば、鬼に金棒と思い楽しみにしていたが、この試合でもストレートはMAX138㌔止まりで、ほとんどが130㌔前後とスピードは秋より出ておらず、報徳学園の打球は次々とヒットとなっていった。リリーフした岡本は素晴らしい投球をみせ、2回戦で先発した長身右腕の山北も控えているものの、夏に東邦が激戦の愛知を勝ち抜き、さらに甲子園優勝を狙うためには宮國の復調が必須であろう。
20230328東邦 宮國
東邦はエース宮國のスピード回復が待たれる


Pickup Player
西村大和 報徳学園2年 サード
~ケガを乗り越え放ったサヨナラ打~
タイブレークに突入した試合を決めたのは、背番号12ながらサードでスタメン出場していた西村であった。

西村は阪神タイガースJr、BFA U-12アジア選手権日本代表、枚方ボーイズ、鶴岡一人記念大会関西選抜という素晴らしい経歴を持ち、打撃と守備力を買われて報徳学園でも1年夏から背番号6を背負った。ただ兵庫大会では2試合で先発出場を果たしたものの、敗れた明石商戦では出番なしとレギュラーといえる立場ではなかった。1年秋の新チームでは本格的にショートのレギュラーとして期待されたが、左膝の靭帯を痛めて離脱。近畿大会では背番号13でベンチ入りし、履正社戦では代打、準決勝の智弁和歌山戦ではサードとして出場した。

この2年春のセンバツでもショート復帰は叶わず、背番号は12であるが、初戦の健大高崎戦に続いて、この東邦戦でも6番サードとしてスタメンに名を連ねた。2回裏の第1打席では鮮やかに三遊間を抜くチーム初ヒットを放ち、報徳学園はこの西村のヒットを皮切りに6連打を放った。その後もショートゴロ、ライトフライ×2と凡退も、内容自体は悪くないという打撃が続いていた。ただ守備では7回2死3塁の場面で三遊間のゴロをはじいてしまい(記録はヒットになったが)、チームは同点に追いつかれてしまっていた。

そのままタイブレークに突入すると、1点入ればサヨナラという1死2・3塁で東邦は5番辻田を敬遠して、1死満塁として西村勝負を選択した。西村は初球の変化球を見送った後の2球目、インコース低めのストレートをうまく捉えると打球はライトの前に弾んでサヨナラタイムリーとなった。

入学当初から期待されるも、ケガでレギュラー獲得のチャンスを逸してしまった西村であったが、センバツではサードのレギュラーとして見事に復活。ショートの竹内が素晴らしい守備をみせているので、ショート復帰は容易ではないものの、この試合のような活躍を続ければサードのレギュラーとしては安泰だろう。打撃技術の高さは目をひくものがあり、守備もいいので、このままいけば来年は報徳学園の中心選手となることだろう(勝手に3番ショートと予想)。
20230328報徳学園 西村


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センバツでドラフト戦線はこう変わった(2023)

センバツ高校野球大会はやはり注目度が高いだけあって、そこでの活躍はドラフト候補にとっては重要です。大会で活躍して評価をあげた選手もいれば、逆に下げた選手もいる。今回は注目されていたドラフト候補(投手)たちの評価がどうなったかを書いていきたいと思います。
※あくまで個人的見解です


評価UP

今大会でNo.1右腕の評価が、東海大菅生の190㎝105㌔の大型右腕の日當。城東戦ではリリーフ登板すると、ストレート全開投球で今大会最速の148㌔(ソフトバンクのガンでは150㌔)をマーク。沖縄尚学戦では得意のフォークも駆使して完封勝利。連戦となったことで大阪桐蔭戦では先発を回避してリリーフに回って6回2失点も敗退。大阪桐蔭相手に、是非とも先発するところが見たかった。ドラフトとしてのネックは、東海大菅生が基本進学傾向にあり、近年では高卒でプロ入りした選手がいないところくらいであろう、というほどスカウトからの評価も高まったと思う。
20230328東海大菅生 日當


光のエース升田のストレートは、スピード以上にノビがあり、初戦では彦根総合を3安打11奪三振で完封。山梨学院にはやぶれたものの、この試合でもほぼストレートで王者に挑み、効率よい攻撃で失点を重ねたものの、そこまで捉えられているというわけではなかった。能代松陽の森岡は、初戦で石橋を2安打12奪三振で完封。続く大阪桐蔭戦では、ストレートのスピードこそ130㌔前半であったが(本来のMAXは144㌔)、そのボールをコーナーにコントロールよく投げ込み、またカットボールやスライダーといった変化球も使って、なんと5回までノーヒットピッチング。最終的にはスリーバントスクイズで1点を失い破れたが、大阪桐蔭相手に2安打1失点完投は見事すぎた。2人とも地方大会ではチームをセンバツに導く素晴らしい投球を見せていたが、全国レベルではまだ知名度は低く、それがこのセンバツでの好投で一気に全国レベルの投手として評価が高まり、U18日本代表候補にも選ばれた。
20230328能代松陽 森岡


龍谷大平安では1年夏から140㌔を超えるボールを投げていた岩井が復帰。1年夏以降はベンチにも入っておらず、ドラフト戦線からは完全に脱落していたが、センバツでは大会直前のメンバー変更でベンチ入りを果たすと、長崎日大戦では8回から登板して、2回ノーヒットピッチングでチームを勝利に導き、ストレートは今大会2位となる147㌔をマークした。岩井に関しては評価UPといっても、圏外から圏内に何とか戻ってきたという感じではあるが、夏に向けて非常に期待したい選手であることは間違いない。
20230328龍谷大平安 岩井



評価キープ

今大会の最大の目玉である大阪桐蔭の前田については、ハードルが上がりすぎていることもあり、準決勝敗退というチームの結果、本人の投球ともに物足りなさを感じる。またストレートのスピードも出ていなかったので評価は下がったとの声もあるが、勝負どころではMAX147㌔をマークしていたので、出ないというよりは、計算して抑えて投げていたと思われる。敦賀気比と東海大菅生という強豪からはきっちりと1失点完投勝利と結果は残しているので、確かに評価に上積みはなかったものの、決して下がるというような内容ではないと思う。
20230328大阪桐蔭 前田


仙台育英の高橋も、前田と同じく優勝を果たした昨夏から、投げているボール自体には大きな成長は感じられなかった。それでも今大会では、2試合に登板して、10回2/3で1失点。仙台育英は多くの投手の継投するチームであるため、エースである高橋もイニングが限られてしまったが、夏と違ってエースという立場の中で、1番難しい場面で投げていたのは評価できる。ただやはり評価上昇となるには、もっと圧倒的なボールを投げるor圧倒的な結果を残す必要があっただろう。



残念ながら評価ダウン

Max151㌔を誇り、今大会スピードではNo1と期待されていた専大松戸の平野は、ストレートはMax146㌔止まりで、ほとんどが130㌔台のボールであった。ストレートより変化球を多く使った投球を披露し、これはこれで引き出しが多いという意味でも評価できるところはあり、実際常葉大菊川は完封した。ただ準々決勝では広陵の前に2回KOとなってしまい、現在の投球ではレベルの高い打線には通用しないことが見えてしまった。平野は昨秋からもケガを繰り返しており、なかなかベストな状態を見ることができずに、ここもまたマイナスとなる要素であろう。
20230327専大松戸 平野


準優勝した報徳学園のエース盛田は、2回戦・3回戦こそ好投をみせたものの、準々決勝以降は明らかにフォームが崩れていて制球が定まらず、決勝では登板がなかった。187㎝の本格派右腕はまだ伸びしろ十分で、秋からの上積みが期待されたが、それを見えることができなかった。仙台育英の仁田も、Max148㌔の力強いボールを投げる左腕として期待されており、慶応義塾戦・仙台育英戦とともに大一番に先発するも、コントロールが悪く2試合とも2回持たずに降板となった。東邦のエース宮國は、昨夏にはMax149㌔をマークした右腕であるが、秋はスピードがでずに、それでも変化球を駆使した投球でチームを東海大会Vに導いた。スピードが戻れば、鬼に金棒だと期待していたが、ストレートは130㌔前後と、昨秋よりさらにスピードダウンしており、現状はドラフト戦線から離脱したといえる内容であった。



期待の来年のドラフト候補

ケガから復帰して、2年生ながら広陵のエースナンバーを背負った高尾は、Max146㌔をマークしたストレート・コントロール・変化球と全てにおいて申し分ない。二松学舎大付戦では8回無失点、海星戦では2失点(自責点0)で完投、優勝した山梨学院相手にも8回まで1失点(9回に勝ち越しを許す)の投球をみせるなど、大きなインパクトを与えた。、投球の完成度では2年生の中でも群を抜いており、来年の高校生ドラフト候補投手の筆頭といえるだろう。
20230327広陵 高尾


大会終盤にエース盛田が不調の中、報徳学園投手陣を支えた今朝丸にも期待だ。186㎝右腕はストレートこそまだMax140㌔前後であるが、腕の振りもしなやかで、フォームは奇麗で安定しているので、このままいけば伸びると思われる。コントロール・変化球もよいので、順調にいけば本格派右腕としてドラフト候補になるころだろう。



野手に関しても書こうかと思ったのですが、そもそも候補が少なかったので…
簡単に書くと堀は評価UP、真鍋は評価Downといった感じでしょうか?



センバツで変わった評価ですが、夏の活躍次第では良くも悪くも一変すると思うので、今後もドラフト候補たちの活躍に注目です。



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センバツのベストナインを勝手に選んでみる(2023)

山梨学院の優勝でセンバツが幕を閉じましたので、今回も個人的にセンバツのベストナインを選んでみます。
なお選考基準は大会での活躍のみであり、プロ注だからとか、楽しみな選手だからとかは一切関係ありません。

ピッチャー
林謙吾 山梨学院3年

全6試合に先発して、全ての試合で3失点以下と、間隔が詰まった終盤でも疲れを見せることなく、抜群の安定感の投球を披露し、51回2/3で失点10。特に開幕ゲームで東北からの1失点完投勝利、準決勝での広陵からの1失点完投勝利は素晴らしく、今大会のMVPといえる選手。
20230327山梨学院 林

キャッチャー
佐仲大輝 山梨学院3年

エース林をうまくリードしてチームを優勝に導いた扇の要は、5番打者としても6試合中5試合とコンスタントに打点をマークして、今大会の打点王(7打点)に輝いた。特に決勝戦での、試合を決定づけたといえる2ランは素晴らしいバッティングであった。
20230327山梨学院 佐仲

ファースト
高橋海翔 山梨学院3年

1年夏から山梨学院の4番を務めるスラッガーは今大会では1発こそなかったものの、作新学院戦と広陵戦で猛打賞をマークして打率.375の活躍で打線を牽引。特に準決勝の広陵戦で、9回に高尾のボールに食らいついて放った決勝タイムリーは値千金であった。
20230327山梨学院 高橋

セカンド
林純司 報徳学園3年

東邦戦ではホームランを含む3安打を放つと、そこから仙台育英戦・大阪桐蔭戦と3試合連続で猛打賞と勢いにのり、打率は今大会2位の.500をマーク。大阪桐蔭戦では中学時代にバッテリーを組んでいた前田からのヒットも放った。
20230328報徳学園 林

サード
西村大和 報徳学園2年

東邦戦ではタイブレークでサヨナラ打を放ち、続く仙台育英戦では初回に先制の2点タイムリー、大阪桐蔭戦でも逆転直後にリードを広げるタイムリーを放つなど、ここ一番というところでのタイムリーヒットを放つ勝負強さでチームの準優勝に大きく貢献した。
20230328報徳学園 西村

ショート
進藤天 山梨学院3年

フットワークがよく安定した守備が持ち味で、山梨学院の守備の要、主将としてチームを優勝に導いた。今大会では打撃も好調で氷見戦・作新学院戦・広陵戦と3試合で猛打賞をマークし、大会首位打者となる打率.524、大会2位の打点7の活躍であった。
20230327山梨学院 進藤

外野
石野蓮授 報徳学園3年
報徳学園打線の4番打者として、初戦の健大高崎戦では2ランホームランを含む3安打3打点、一転して東邦戦では無死1・2塁で始まるタイブレークで送りバントでサヨナラにつなげると、大阪桐蔭戦では前田から決勝打となるレフトフェンス直撃のタイムリー2ベースを放った。
20230328報徳学園 石野

山増達也 報徳学園3年
俊足巧打の報徳学園の2番打者は、.東邦戦以降毎試合ヒットを放ち打率.333をマークしたが、四球を5個選んで出塁するなど、その数字以上にチームに貢献。そして準々決勝の仙台育英戦のタイブレークで放ったサヨナラ安打は値千金の一打であった。
20230328報徳学園 山増

田上夏衣 広陵3年
バットコントロールの良い広陵のリードオフマンは、4試合全てでヒットを放ち打率.400、しかも俊足を生かしてヒットのうち半分を長打にして、大会トップタイの6得点をマーク。守備でも山梨学院ではセンターからの見事なバックホームで勝ち越しを阻止した。
20230327広陵 田上



投手:高尾(広陵)、前田(大阪桐蔭)、日當(東海大菅生)、森岡(能代松陽)
捕手:堀(報徳学園)、南川(大阪桐蔭)
一塁:真鍋(報徳学園)、広川(専大松戸)
二塁:村本(大阪桐蔭)
三塁:武藤(作新学院)
遊撃:竹内(報徳学園)、小林(広陵)
外野:星野(山梨学院)、山田(大阪桐蔭)、齋藤陽(仙台育英)、岡本(東邦)



以上です。異論は認めます。


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