6/5 全日本大学野球選手権1回戦
中部学院大×日本文理大 @東京ドーム
試合経過この日に始まった全日本大学野球選手権、東京ドームの第2試合は、3日間に及ぶ(最短1日で決まるもの)東海3連盟の激戦を勝ち抜いて代表権を手にした中部学院大と、もはや常連でマシンガン継投でお馴染みの日本文理大の試合となった。
日本文理大は1回裏に東門の先頭打者ホームランで先制するも、中部学院大は2回表に大江と北野と2本の内野安打で1・3塁のチャンスを作ると、8番の竹中が右中間にタイムリー3ベースを放ち逆転に成功。
逆転のタイムリーで2ベースを放つ竹中日本文理大は3回裏、連続四球で無死1・2塁のチャンスを作るも、そこからバントで送れずに三振、レフトフライトランナーを動かせずに2死になる嫌な展開。しかし4番で主将の飯塚は、この嫌な流れを一振りで一掃。中部学院大の先発小川のストレートを左中間スタンドに運ぶ3ランで、日本文理大が再逆転。小川は3回までに6奪三振を奪い、打たれたヒットも2本のみであったが、この2本が東門と飯塚のホームランと手痛く、この回でKOとなってしまった。
一振りで試合の流れを変える逆転3ランを放った飯塚中部学院大は4回表から2番手として、左腕の木村が登板するも、いきなり2四球でピンチを招いてしまうと、日本文理大9番島袋がレフト線へ2点タイムリー2ベース。日本文理大は4回までに3安打で6打点と効率のよい攻撃。投げては4回からリリーフした左腕の新垣が、4~6回を無失点に抑える好投をみせ、日本文理大が完全に試合の主導権を握った。
4~6回は中部学院大を無失点に抑えた新垣中部学院大は6回裏から、3番手としてリーグ戦では3勝をあげている、大型右腕の北田を投入。高校時代には正智深谷を強豪ひしめく埼玉で、夏の独自大会準Vに導いた右腕は、スリークウォーターから繰り出すストレートは角度があり、Max149㌔をマーク。ランナーは許すものの、ピンチの場面では得意のカットボールを多投して乗り切り、以降日本文理大打線に追加点を与えない好投をみせる。
Max149㌔をマークした大型スリークウォーター右腕北田中部学院大の反撃は7回、1死から北野がヒットで出塁すると、日本文理大は好投していた新垣→新里に投手交代。しかし新里が竹中のヒットと四球で満塁とピンチを広げると、4番手として小倉を投入。小倉に対して中部学院大打線は佐藤のセカンドゴロの間に1点をあげると、さらに森が2点タイムリーヒットを放ち、5ー6と1点差に迫る。
中部学院大は9回表には1死から桂が四球で出塁すると、相手エラーでチャンスを広げるも、2番田中の捉えた打球はショートライナーとなり2死。日本文理大はあと1人で勝利という場面までこぎつけたが、中部学院大は3番森がライト前にタイムリーを放ち、土壇場で同点。9回裏は北田が2四死球でピンチを背負うものの、最後は山崎から三振を奪う、試合は6-6のまま延長戦へ突入する。
10回からは無死1・2塁スタートのタイブレークとなり、先行の中部学院大は代打の江川が左中間にタイムリー2ベースを放ち2得点、後攻の日本文理大は、8番粟國がバントは決められなかったものの、追い込まれてからしぶとく1・2塁間を破ると、島袋の犠飛と東門のタイムリーで同点。ただなおも1・2塁とサヨナラのチャンスでは、北田が踏ん張り、タイブレークは2イニング目に突入する。
11回表の中部学院大は、9番桂がこの試合3個目となる四球を選んで満塁とすると、佐藤の犠飛と田中のタイムリーで2得点。そしてとどめは3番森の3打席連続タイムリーとなる、ライトフェンス直撃の2点タイムリー3ベースが飛び出して4得点をあげる。その裏に日本文理大は飯塚のタイムリーで1点を返すものの、北田が6イニング連続となるピンチを最後は遠矢・山崎から連続三振を奪って締めてゲームセット。中部学院大が大逆転勝利で、全日本大学野球選手権の初戦を制した。
2点タイムリー3ベースを放ちガッツポーズの森
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
日本文理大といえば、先発投手でもすぐに交代し(以前初球を先頭打者に打たれて1球で交代した投手もいました)、投手を小刻みに繋ぐマシンガン継投で有名。しかしこの試合では先発の永谷は2失点した後も続投し3回まで投げ、2番手の新垣が7回途中までと、2人の投手で終盤まできた(個人的にこれは異例)。ただ3番手以降の後続投手はパッとせず、次々に投手を交代させていくも、4点のリードを守れずに追いつかれてしまい、気づけば延長11回にはベンチ入り最後の投手である城戸が投げていた。日本文理大のマシンガン継投は以前は、いい投手を後に残しつつの継投であった。ただこの日の日本文理大はいい投手から使っていったことにあり、以前の攻めの継投とは異なり、ひょっとしたら代えざるを得ないという状況に陥った可能性もある。頼りになる北田を残しておいた中部学院大とは対照的で、これが終盤中部学院大優位となった要因といえる。
日本文理大ベンチ入り最後の投手としてマウンドに上がった城戸にしても9回2死から追いつくなど、中部学院大の粘りは素晴らしいものがあった。静岡・岐阜・三重の3つの大学野球の優勝チームによる、全日本大学野球選手権出場の座をかけて争う東海地区大学野球春季選手権大会を経て今大会に出場した中部学院大。1日で3チーム総当たりを行い2勝したチームが出場という大会では、初日・2日目共に1試合目で敗れて、後がないという状況から2試合目に勝利して、翌日の再度決定戦に持ち込むという脅威の粘りをみせて、3日目(ここからはトーナメント)で2連勝して今大会の出場権を得た。予選からの勢いを継続している中部学院大が、今大会の台風の目となるかもしれない。
Pickup Player森翔太郎 中部学院大3年 サード~試合終盤に貴重すぎる3打席連続タイムリー~中部学院大は3番森が、7回以降3本のタイムリーを放ち5打点をマークする活躍でチームを勝利に導いた。
森は熊本工では2年夏の甲子園に5番サードとして出場し、山梨学院戦ではタイムリー2ベース、関東一戦では2安打を放つ活躍。3年夏は4番を打ち、左の強打者としてプロからも注目されていた。中部学院大に進むと、1年春よりファーストのレギュラーを掴み、1年秋には6番サードとして神宮大会に出場。ファースト・サードのほ他にショート・DHなど様々なポジションで出場し、この全日本大学野球選手権の初戦には3番サードとして出場した。
この試合での森は序盤は、ファーストフライ→セカンドフライ→三振と日本文理大投手陣に対して全くあっていなかった。ただ2死満塁のチャンスで迎えた7回表の第4打席では小倉の141㌔のストレートをライト前にはじき返す2点タイムリー。9回2死2塁とアウトになれば試合終了という場面で迎えた第5打席では同じく小倉のストレートをライト前にはじき返す貴重な同点タイムリーを放った。タイブレーク延長11回の1死1・2塁の場面では、桝屋の高めのストレートを捉え、打球はもう少しでホームランというライトフェンス直撃のタイムリー3ベースヒット。追い上げ、同点打、試合を決定づける一打と試合終盤のチャンスをことごとくモノにするタイムリーを放ち、3安打5打点の活躍でチームの勝利に貢献した。
森はスイングが鋭く、ホームランをたくさん打つような打者ではないものの、速い打球でヒットを量産できる選手である。それに加えて、この試合ではことごとくチャンスをものにした勝負強さも魅力で、高校時代からプロも注目しており、この試合の活躍でスカウトも来年のドラフト候補として再認識ことだろう。

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テーマ : 大学野球
ジャンル : スポーツ