高校日本代表×大学日本代表候補【U18日本代表壮行試合】
8/28 U18日本代表壮行試合
高校日本代表×大学日本代表 @東京ドーム
試合経過
今年も国際大会に臨むU18日本代表(=高校日本代表)が、大学日本代表と対戦する壮行試合が開催。会場は初めて東京ドームで行われた。
先攻の高校日本代表は、先頭の寺地がいきなり、大学代表先発の下村の151㌔のストレートをレフト前に弾き返し、2番橋本が送ってチャンスメイク。しかし変化球も使い出してギアをあげた下村は、3番丸田を3球三振に仕留めると、4番森田からもカットボールで三振を奪い先制を許さない。大学日本代表は1イニングごとに投手が代わり、普段先発をしているエース級投手が、1イニングを全力で放るので、3回まで下村→草加→武内と東都の3投手が全員150オーバーをマークし、初回以外は高校日本代表にチャンスを与えない。

プレイボール初球をヒットにした寺地
大学代表は、高校代表の先発前田に2回無失点に抑えられたものの、毎回ランナーは出していた。すると4回には2番手の森に対して、5番上田希が1・2塁間を破るヒットを放ち盗塁を決めると、進藤もセンター前で続いて1・3塁として、7番渡部の犠牲フライで先制。さらに左が続くと言うことで、馬淵監督はサプライズで招集した左のサイドスロー矢野をマウンドに送る。ただ矢野は勢いを止めることができず、大学代表は8番の主将中島がレフト線へタイムリー3ベース、9番熊田もセンター前にタイムリーを放ち、この回一挙3点を先制する。

先制タイムリーを放った主将の中島
勢いが出てきた大学代表は5回裏、3番宗山が4番手安田の得意のチェンジアップをセンター前に弾き返し出塁すると、5番上田希が初球の高めのストレートをライトスタンドに放り込む2ランホームラン。明治大コンビの活躍で、大学代表が5ー0とリードを広げた。

2ランホームランを放った上田希
大学代表投手陣は5回には細野が衝撃の158㌔をマークし、6・7回は岩井→木村→古謝が2/3イニングずつパーフェクトリレー。8回は蒔田が抑え、5回以降高校代表をノーヒットに抑えた。
高校代表は8回裏には、おそらく馬淵監督が1番頼りになる投手として、最後までとっておいた高橋をマウンドに送るも、ここでも大学代表がその力を見せつける。先頭の中島が四球で出塁して、初球にすかさず盗塁を決め、宮下がレフトオーバーのタイムリー2ベース。さらに佐々木・宗山・西川の3連打で2点を追加して、8ー0とリードを広げる。

満を持して登板した高橋だったが大学生に力の差を見せつけられ3失点
大学代表の9回のマウンドには、春の全日本大学野球選手権優勝投手である常廣が上がり、こちらも自己最速を更新する155㌔をマークして3者凡退。大学代表は10人の投手が登板したが、無四球10奪三振での完封リレー。大学代表が先輩の力を見せつけ、8ー0で完勝した。

自己最速をマークし最終回を3人で締めた常廣

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
大学代表投手陣の球の速さが際立った試合であった。普段は先発を務める各校のエースが1イニングのみの登板とあって、出力はアップし、登板した10投手中7投手が150㌔オーバー。武内が153㌔、細野が158㌔、常廣が155㌔とドラフト1位候補の3人が自己最速を更新した。特に圧巻であったのが、細野で左腕としては日本人2位タイとなる158㌔をマークし、これには観衆も大きくどよめいた。

自己最速となる158㌔をマークした細野
これらのボールは高校生からしてみれば、ほぼ見たことのないレベルのボールであり、それをなれない木製バットでとらえるのは至難の業であり、実際にすべて単打の3安打で完封負け。投手陣も大学打線を抑えていたといえるのは、エースとして期待され、この試合でも先発を任され2回無失点に抑えた前田くらいであり、他の投手は失点がなくても、何とか抑えたという印象であった。力の差は歴然であったが、それは単なる年代の差だけではなく、選考方法にも問題があるように思えた。

前田は2回無失点で高校投手陣の中で唯一大学生に通用していた
野球界では今年WBCで侍ジャパンのトップチームが、速球派の投手中心の布陣で見事に優勝。大学代表もこれに倣ってか、選考合宿ではスピードに加えて回転数まで計測し、それらのデータを元に、速球派の投手陣を揃えた。それが功を奏したか、敵地(アメリカ)で行われた日米大学野球選手権では2007年以来となる優勝を果たした。
対する高校代表は、最速は高橋の149㌔で、その次は森の146㌔で、150㌔オーバーは0とスピードではやや物足りなかった。ただそもそも湯田・日當・坂井といった本格派のスピード自慢は選ばれていない。投手に限らず、野手においてもバントができる選手を選んだということで、佐々木・真鍋・佐倉・明瀬といったスラッガーは選外。日本の野球が力で世界を制する時代が来たと言うのに、何とも残念なことである。とはいえ高校代表として選ばれた選手は、今年の高校野球界で素晴らしい成績を収めた逸材ばかり。9/1から始まるU18W杯で、上の世代に続いての、世界一の称号獲得に期待したい。
Pickup Player
上田希由翔 明治大4年
~大学最高峰の打者が見せつけた2ランを含む3安打~
大学代表の投手陣の力が目立った試合ではあったが、打者では5番DHで出場した上田希が2ランホームランを含む3安打とその力を見せつけた。
上田は愛産大三河で高校通算46ホーマーと注目を集めたスラッガー。1年秋から4番を務めると、2年夏の東愛知大会では打率.565をマークし、チームを22年ぶりに甲子園に導いた。甲子園では初戦で横浜と対戦し、板川(日本通運)・及川(阪神)の2人の左腕から2安打を放つも、チームとしては完封負け。2年秋からはエース主将も務め、3年春にはU18日本代表の1次候補メンバーにも選出され、合宿にも参加。3年夏は当時2年生の中京大中京の高橋(中日)の前に完封負けとなってしまった。
明治大に進むと、」1年秋のリーグ戦から4番ファーストとして出場し、リーグ5位となる打率.344の活躍。以降4年春まで明治大の4番を務め、3年春から4年春までは3季連続でベストナインを受賞、この間リーグ戦3連覇も達成。4年(今年の)春も、打率.372・3本塁打・打点15という素晴らしい成績を収め、全日本大学野球選手権でも準優勝。大学日本代表には3年生の時から選ばれており、今年も2年連続で日本代表のユニフォームに袖を通し、途中牽制球が直撃して負傷するというアクシデントもあったものの、5番打者として日米大学野球選手権優勝を果たした。
この壮行試合でも同様に5番ファーストとして出場した。まず第1打席では前田の142㌔のストレートをうまくレフト前に運ぶヒット。第2打席では森の143㌔のストレートを捉えて1・2塁間を破るヒットを放つと盗塁を決めてチャンスを広げ、中島のタイムリーで先制のホームを踏んだ。そして第3打席では初球の高めのストレートを捉えると、打球はライトスタンドへと飛び込む2ランホームランとなった。その後の2打席は凡退に倒れたものの、5打数3安打2打点2得点という活躍で、大学日本代表打線を牽引した。
1年秋から明治大の4番を打つ上田も、いよいよ大学最後のシーズンを迎える。チームとしては2年連続での神宮大会制覇が目標だろうが、個人としてはドラフト会議を控える。上田の特徴は6シーズンにわたって4番を務めるも、大崩れしない安定した打力に加えて、この試合で盗塁を決めたようにスラッガーとしては上々の走力、さらにファースト・セカンド・サード・外野と守備もマルチにこなせるのでプロでも使い勝手はいい。立派なドラフト1位候補であり、ドラフト会議ではどの球団から名前が呼ばれるのか楽しみである。

ランキングに参加しています。
よろしければクリックをお願いします↓

にほんブログ村
高校日本代表×大学日本代表 @東京ドーム
試合経過
今年も国際大会に臨むU18日本代表(=高校日本代表)が、大学日本代表と対戦する壮行試合が開催。会場は初めて東京ドームで行われた。
先攻の高校日本代表は、先頭の寺地がいきなり、大学代表先発の下村の151㌔のストレートをレフト前に弾き返し、2番橋本が送ってチャンスメイク。しかし変化球も使い出してギアをあげた下村は、3番丸田を3球三振に仕留めると、4番森田からもカットボールで三振を奪い先制を許さない。大学日本代表は1イニングごとに投手が代わり、普段先発をしているエース級投手が、1イニングを全力で放るので、3回まで下村→草加→武内と東都の3投手が全員150オーバーをマークし、初回以外は高校日本代表にチャンスを与えない。

プレイボール初球をヒットにした寺地
大学代表は、高校代表の先発前田に2回無失点に抑えられたものの、毎回ランナーは出していた。すると4回には2番手の森に対して、5番上田希が1・2塁間を破るヒットを放ち盗塁を決めると、進藤もセンター前で続いて1・3塁として、7番渡部の犠牲フライで先制。さらに左が続くと言うことで、馬淵監督はサプライズで招集した左のサイドスロー矢野をマウンドに送る。ただ矢野は勢いを止めることができず、大学代表は8番の主将中島がレフト線へタイムリー3ベース、9番熊田もセンター前にタイムリーを放ち、この回一挙3点を先制する。

先制タイムリーを放った主将の中島
勢いが出てきた大学代表は5回裏、3番宗山が4番手安田の得意のチェンジアップをセンター前に弾き返し出塁すると、5番上田希が初球の高めのストレートをライトスタンドに放り込む2ランホームラン。明治大コンビの活躍で、大学代表が5ー0とリードを広げた。

2ランホームランを放った上田希
大学代表投手陣は5回には細野が衝撃の158㌔をマークし、6・7回は岩井→木村→古謝が2/3イニングずつパーフェクトリレー。8回は蒔田が抑え、5回以降高校代表をノーヒットに抑えた。
高校代表は8回裏には、おそらく馬淵監督が1番頼りになる投手として、最後までとっておいた高橋をマウンドに送るも、ここでも大学代表がその力を見せつける。先頭の中島が四球で出塁して、初球にすかさず盗塁を決め、宮下がレフトオーバーのタイムリー2ベース。さらに佐々木・宗山・西川の3連打で2点を追加して、8ー0とリードを広げる。

満を持して登板した高橋だったが大学生に力の差を見せつけられ3失点
大学代表の9回のマウンドには、春の全日本大学野球選手権優勝投手である常廣が上がり、こちらも自己最速を更新する155㌔をマークして3者凡退。大学代表は10人の投手が登板したが、無四球10奪三振での完封リレー。大学代表が先輩の力を見せつけ、8ー0で完勝した。

自己最速をマークし最終回を3人で締めた常廣

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
大学代表投手陣の球の速さが際立った試合であった。普段は先発を務める各校のエースが1イニングのみの登板とあって、出力はアップし、登板した10投手中7投手が150㌔オーバー。武内が153㌔、細野が158㌔、常廣が155㌔とドラフト1位候補の3人が自己最速を更新した。特に圧巻であったのが、細野で左腕としては日本人2位タイとなる158㌔をマークし、これには観衆も大きくどよめいた。

自己最速となる158㌔をマークした細野
これらのボールは高校生からしてみれば、ほぼ見たことのないレベルのボールであり、それをなれない木製バットでとらえるのは至難の業であり、実際にすべて単打の3安打で完封負け。投手陣も大学打線を抑えていたといえるのは、エースとして期待され、この試合でも先発を任され2回無失点に抑えた前田くらいであり、他の投手は失点がなくても、何とか抑えたという印象であった。力の差は歴然であったが、それは単なる年代の差だけではなく、選考方法にも問題があるように思えた。

前田は2回無失点で高校投手陣の中で唯一大学生に通用していた
野球界では今年WBCで侍ジャパンのトップチームが、速球派の投手中心の布陣で見事に優勝。大学代表もこれに倣ってか、選考合宿ではスピードに加えて回転数まで計測し、それらのデータを元に、速球派の投手陣を揃えた。それが功を奏したか、敵地(アメリカ)で行われた日米大学野球選手権では2007年以来となる優勝を果たした。
対する高校代表は、最速は高橋の149㌔で、その次は森の146㌔で、150㌔オーバーは0とスピードではやや物足りなかった。ただそもそも湯田・日當・坂井といった本格派のスピード自慢は選ばれていない。投手に限らず、野手においてもバントができる選手を選んだということで、佐々木・真鍋・佐倉・明瀬といったスラッガーは選外。日本の野球が力で世界を制する時代が来たと言うのに、何とも残念なことである。とはいえ高校代表として選ばれた選手は、今年の高校野球界で素晴らしい成績を収めた逸材ばかり。9/1から始まるU18W杯で、上の世代に続いての、世界一の称号獲得に期待したい。
Pickup Player
上田希由翔 明治大4年
~大学最高峰の打者が見せつけた2ランを含む3安打~
大学代表の投手陣の力が目立った試合ではあったが、打者では5番DHで出場した上田希が2ランホームランを含む3安打とその力を見せつけた。
上田は愛産大三河で高校通算46ホーマーと注目を集めたスラッガー。1年秋から4番を務めると、2年夏の東愛知大会では打率.565をマークし、チームを22年ぶりに甲子園に導いた。甲子園では初戦で横浜と対戦し、板川(日本通運)・及川(阪神)の2人の左腕から2安打を放つも、チームとしては完封負け。2年秋からはエース主将も務め、3年春にはU18日本代表の1次候補メンバーにも選出され、合宿にも参加。3年夏は当時2年生の中京大中京の高橋(中日)の前に完封負けとなってしまった。
明治大に進むと、」1年秋のリーグ戦から4番ファーストとして出場し、リーグ5位となる打率.344の活躍。以降4年春まで明治大の4番を務め、3年春から4年春までは3季連続でベストナインを受賞、この間リーグ戦3連覇も達成。4年(今年の)春も、打率.372・3本塁打・打点15という素晴らしい成績を収め、全日本大学野球選手権でも準優勝。大学日本代表には3年生の時から選ばれており、今年も2年連続で日本代表のユニフォームに袖を通し、途中牽制球が直撃して負傷するというアクシデントもあったものの、5番打者として日米大学野球選手権優勝を果たした。
この壮行試合でも同様に5番ファーストとして出場した。まず第1打席では前田の142㌔のストレートをうまくレフト前に運ぶヒット。第2打席では森の143㌔のストレートを捉えて1・2塁間を破るヒットを放つと盗塁を決めてチャンスを広げ、中島のタイムリーで先制のホームを踏んだ。そして第3打席では初球の高めのストレートを捉えると、打球はライトスタンドへと飛び込む2ランホームランとなった。その後の2打席は凡退に倒れたものの、5打数3安打2打点2得点という活躍で、大学日本代表打線を牽引した。
1年秋から明治大の4番を打つ上田も、いよいよ大学最後のシーズンを迎える。チームとしては2年連続での神宮大会制覇が目標だろうが、個人としてはドラフト会議を控える。上田の特徴は6シーズンにわたって4番を務めるも、大崩れしない安定した打力に加えて、この試合で盗塁を決めたようにスラッガーとしては上々の走力、さらにファースト・セカンド・サード・外野と守備もマルチにこなせるのでプロでも使い勝手はいい。立派なドラフト1位候補であり、ドラフト会議ではどの球団から名前が呼ばれるのか楽しみである。

ランキングに参加しています。
よろしければクリックをお願いします↓



にほんブログ村
スポンサーサイト