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霞ヶ浦×常総学院【秋季茨城大会シード決定トーナメント】

9/10 秋季茨城大大会シード決定トーナメント1回戦
霞ヶ浦×常総学院 @TOKIWAスタジアム龍ヶ崎

試合経過

秋季茨城大会は2次予選と同時に、1次予選を勝ち抜いたチームにより、シード決定戦が行われている。茨城の中でも強豪が集う南地区は、藤代・土浦日大・常総学院・霞ヶ浦と、茨城大会の4強の顔ぶれと言われても遜色ない4チームによるシード決定戦となっている。そしてそのシード決定戦の初戦で、霞ヶ浦×常総学院という茨城のゴールデンカードが実現。本大会を見据えて…ということなく、霞ヶ浦は市村、常総学院は小林と両エースが先発のマウンドに上がった。

常総学院のエース小林は、MAX149㌔を誇り、来年のドラフト候補としても期待される右腕。夏まではリリーフでの登板が多かったが、新チームではエースとして先発すべく、ややシフトチェンジしているように見えた。フォームは右腕が体に隠れるようで、打者からは見づらくなってとおり、本気というよりはやや脱力した感じで投げているにも関わらずスピードがある。

そんな小林に対して、霞ヶ浦は初回に立ち上がり制球を乱したところで2四球を選び、チャンスを作ると、注目の4番羽成の打球は外のストレートをうまく弾き返し、左中間深くへの打球となった。誰もが霞ヶ浦の先制と思ったものの、常総学院のセンター池田が超スーパーファインプレーといえるダイビングキャッチを見せて小林を助ける。

小林は2回以降は制球は安定したものの、やはりスピードだけでは抑えられないのが霞ヶ浦打線。3回表には羽成と雨貝の連打に、死球で満塁のチャンスを作ると、8番鹿又が三遊間を破るヒットを放ち2者が生還し、先制点をあげる。
20230910霞ヶ浦 鹿又
先制タイムリーを放った鹿又

2回までは霞ヶ浦の186㎝左腕の市村の前にヒットが出ていなかった常総学院だが、3回裏には先頭の池田がセーフティバンドを決めて口火を切ると、齋藤のヒットと四球で無死満塁のチャンス。2番西谷のセカンドゴロ併殺崩れの間に初得点をあげると、3番近藤の犠飛で同点。さらに3塁へタッチアップしたランナーを刺そうとした霞ヶ浦の送球が逸れる間に、もう1点を追加して、3ー2と逆転に成功する。

霞ヶ浦は直後の4回表、四條・大石の連打で1・3塁のチャンスを作る。4番羽成の強烈な三遊間の打球をショート若林がダイビングキャッチして6-4でセカンドアウト。ただこの間に四條がホームインして、3ー3の同点に追いついた。

試合は5回以降は両チーム投手陣の好投が光る展開となる。常総学院は4回まで毎回ピンチを招いた小林が5・6回は3人ずつで抑えて流れに乗るかと思われたが、7回の先頭打者に不用意に四球を出してしまったところで交代。ただここで代わった左サイドスローの平が、雲井をサードゴロ併殺に仕留めるなどして、打者5人で2イニング無失点の好投。9回は基本はサイドスローだが、腕の位置を変えながら投げる右腕の大木が登板して1イニングを無失点に抑えた。
2023090常総学院 平
好リリーフをみせた常総学院の2番手平

対する霞ヶ浦も市村が、5〜7回は持ち味の緩急をつけた投球で、ピンチもなく無失点。8回からは市村の代打で出場した乾がそのまま登板。190㎝の大型右腕は、後輩の市村に負けじと2イニングを無失点に抑え、試合は3ー3のまま延長戦タイブレークに突入する。
20230910霞ヶ浦 市村
7回3失点(自責点)の好投をみせた霞ヶ浦のエース市村

10回表に常総学院は4番手として144㌔右腕の大川が登板。4番羽成からの攻撃となった霞ヶ浦は、羽成がセンター前ヒットを放ち無死満塁とする。しかし5番雨貝の打球は、ファースト武田が好捕すると3-2-3のホームゲッツー。この試合はセンター前ヒット1本に終わったプロ注目の主砲が守備で魅せた。続く雲井は際どいところを攻められて四球で再び満塁となるも、7番羽賀に対して大川は得意の鋭く曲がるスライダーで3球三振。元常総学院のエース大川慈英を兄にもつ右腕が、タイブレークを無失点で凌いだ。
2023090常総学院 大川
タイブレークを無失点でしのいだ大川

これで流れに乗った常総学院はその裏、1番丸山が堅実に送って2・3塁とすると、途中出場の2番杉山の打球は前進守備のセカンドとライトの間にポトリと落ちるサヨナラタイムリーヒット。常総学院がタイブレークの末、新世代で最初の茨城ゴールデンカードを制した。
2023090常総学院 杉山
サヨナラ打を放った杉山


20230910霞ヶ浦×常総学院
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


この秋からの新世代では、エース小林・4番武田と投打の軸に来年のドラフト候補を抱えている常総学院は戦力的に頭1つ抜けていると予想されていた。ただこの試合の小林は序盤からピンチの連続で苦しい投球。持ち前のストレートはいいものがあったが、変化球はカットボールのようなスライダーは良かったものの、他のボールはまだ完成度が高くないようで、緩急をつけられずに、結果的に霞ヶ浦打線はストレートに合わせるのが楽になってしまったように見えた。7回の降板後には、横浜などでリリーフとして活躍した島田監督から檄が飛ぶシーンもあった。フォームや力の入れ具合などこれまでのリリーフから、先発にシフトした投球も見せたが、先発としてはやはり変化球の向上が必要だろう。背番号10をつける大川も、ストレートにスライダーに素晴らしいボールを持っており、常総学院のエースとして遜色ない投手だけに、小林にはエースの座を死守すべく本大会までにどう仕上げてくるか注目だ。
2023090常総学院 小林
常総学院の新エース小林

常総学院とは対照的に、投打の柱である木村が抜けるなど、前チームならの経験者が少なかった霞ヶ浦。しかしこの試合では、新たな投打の柱がその片鱗を見せた。まず背番号1を背負った186㎝の1年生左腕の市村は、角度のあるボールに、緩急をうまく使って常総打線を翻弄。3回の3失点も守備のミスが絡んでおり、7回まで投げて自責点0は立派なもの。これでボールにスピードがついて来れば、再来年のドラフト候補となるだろう。4番に座った羽成は、4打数2安打1打点の活躍で、アウトになった2打席も、いずれも常総学院の超がつくほどのファインプーに阻まれた打球だった。打撃内容でいえば、常総投手陣から4安打といっても過言でない内容で、霞ヶ浦打線の中心として本大会での打撃にも期待したい。
20230910霞ヶ浦 羽成
全打席でヒット性の当たりを放った霞ヶ浦の主軸羽成


Pickup Player
池田翔吾 常総学院2年 センター
復活したセンターが大ファインプレーでチームを救う
常総学院のセンター池田は初回の守備で大ファインプレー、打っても3安打の活躍で勝利に貢献した。

俊足が武器の外野手の池田は、1年秋にセンターのレギュラーとして出場。しかしその後はケガなのか事情は分からないが、2年春夏とベンチメンバーにその名はなかった。最高学年となったこの2年秋は再びセンターのレギュラーを獲得。島田監督は前チームで夏にセンターのレギュラーとなっていた近藤をレフトにして、センターに池田を入れているのでその守備力の高さがうかがえる。

この試合では8番センターでスタメンに名を連ねた池田がいきなりその守備力を見せつける。1回表1死1・2塁で霞ヶ浦の4番羽成の放った打球は左中間への大飛球となり、これは長打かと思ったが、センター池田が斜め後ろに走りながら、これをダイビングキャッチ。真横や前ならともかく、やや後ろに走りながらのダイビングキャッチなので本当に難しいプレーであった。抜けていれば間違いなく初回に2点を失っていたところであり、試合の流れを決める意味でも本当に大きなプレーであった。

池田は打つ方でも、チームが2回までノーヒットに抑えられ、3回の先頭打者として迎えた第1打席では右方向へのプッシュ気味のセーフティバントを決めて出塁し、チームの初得点となるホームを踏んだ。第2打席では高めのボールをしっかりと叩いて、三遊間を破るヒットを放ち、第4打席でもピッチャーの足元を抜くセンター前ヒット。4打数3安打の猛打賞という活躍をみせた。

守備と走塁はもう十分なレベルにあるだけに、現在は下位打線を打っている打撃の向上が鍵となる。スピードを生かすにはやはり1番or2番を務めたいところで、そのためにもこの試合のような打撃を継続したい。いわゆる「いぶし銀」と言われるタイプの選手であるが、チームにとっては欠かせない外野の柱である。

2023090常総学院 池田2
2023090常総学院 池田


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