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作新学院×相洋【春季関東大会】

5/20 春季関東大会2回戦
作新学院×相洋 @サーティーフォー保土ヶ谷球場

試合経過

神奈川大会では、横浜と東海大相模の神奈川2強を破るというミラクルで関東大会にコマを進めた相洋。対するはセンバツ8強で、春季栃木大会も制した、関東大会常連の作新学院です。

作新学院は初回、先頭の高森が死球で出塁すると、バントしない作新学院らしく2番東海林はライト前ヒットを放ち1・3塁。四球などで1死満塁となってから、5番廣田の打球をショートが後逸してしまい、作新学院が2点を先制する。作新学院は3回表にも2死から廣田が四球で出塁すると、6番齋藤のライト線の大飛球は、1度はライトのグラブに収まるも落球し(記録は2ベース)、廣田がホームイン。5回表には東海林のヒットからチャンスを作ると、4番磯がライトオーバーのタイムリー2ベースを放ち追加点をあげる。
20230520作新学院 磯
タイムリー2ベースを放った作新学院の4番磯

一方の相洋は、4回に5番小西が初回のエラーの汚名返上とばかりにレフトスタンドにソロホームランを放つも、得点はこの1点のみ。試合は作新学院が完全にペースを握り、4ー1とリードして前半戦を終える。
20230520相洋 小西
追撃の1発を放った小西

この流れを変えたのが、6回から相洋の2番手としてマウンドに上がった左腕の中島であった。中島はストレートはMAX131㌔だが、フォームに躍動感があり、キレのあるスライダーとのコンビネーションで作新打線を次々と打ち取っていき、なんと6〜9回までパーフェクトピッチングをみせる。
20230520相洋 中島
4回パーフェクトピッチングをみせた中島

ただ相洋打線は相変わらず、作新学院のエース市川の前に沈黙。この春から作新学院の背番号1を背負う市川は、ストレートは120㌔台ながら、スライダーも含めてコントロールが非常によく、安定したピッチングを披露。相洋打線を8回まで散発の7安打1失点に抑え、完投勝利をかけて最終回のマウンドにも上がった。
20230520作新学院 市川
この春から作新学院のエースナンバーを背負う市川

しかし相洋は9回裏、これまでの沈黙が嘘のように高麗→土屋→中島と7番から下位打線の3連打で得点(8回までは1度も連打がなかった)。作新学院はここで市川→センバツまで背番号1を背負っていた左腕の川又、キャッチャーも主将の草野とバッテリーをスイッチ。しかし川又はバントを挟んで、連続四死球を与えてしまい、1点差でなおも満塁。ここで迎えた相洋の4番川島はサードゴロで、作新は5→4→3と併殺でゲームセットを狙ったものの、1塁はセーフで同点。相洋はなおもサヨナラのチャンスであったが、ここは作新学院3番手のサイドハンド石毛が凌いで、試合は延長戦へ突入する。

10回からは無死1・2塁スタートのタイブレーク。相洋は中島に代走を出してしまった関係から、マウンドには3番手として大場が上がる。大場に対してバントをしない作新学院打線は強硬策で臨むも、サードゴロ→三振→サードゴロで無得点。その裏の相洋は、代打鳴海を出してバントで送るも、続く高麗の打球はサード武藤の好守に阻まれ、ホームタッチアウト。石毛が土屋をピッチャーゴロに打ち取り、両チーム無得点で試合は11回に突入する。

11回表の作新学院は4番磯からであったが、大場のチェンジアップの前に各打者のバットが見事に空を切っていき、なんと3者三振で無得点。裏の相洋はピッチングで勢いに乗った大場からの攻撃で、バントをせずに打たせたものの、結果は最悪のピッチャーゴロ併殺。ただ2死3塁で続く1番永野は、初球を叩くと打球は三遊間へ…ショート磯が好捕も1塁はセーフで、これがサヨナラタイムリー内野安打となり相洋が5ー4で勝利した。
20230520相洋 永野
サヨナラヒットを放った永野


20230520作新学院×相洋
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください


神奈川大会でも横浜・東海大相模を破るというミラクルを見せた相洋が、関東大会の舞台でも9回に3点差を追いつき、延長戦でサヨナラ勝ちを納収めた。8回まで沈黙していた打線が、いきなり9回に打ち出したのは本当にミラクルに近い一方、投手陣に関しては実力で、強力の作新打線を抑えており、ミラクルではない。相洋の投手陣は、大谷・中島・大場という2年生の3本柱。先発の大場は140㌔に迫るストレートで、5回までに4失点はしたものの、うち3点は守備のミスによるものであった。そして左腕の中島は4回パーフェクト、大場もタイブレークで2回無失点4奪三振と、作新打線を完璧に抑えてみせた。この3人が来年も残ることを考えると、来年は横浜や東海大相模を破ってもミラクルと言われないチームになるかもしれない。
20230520相洋 大谷
先発した相洋のエースナンバーを背負う大谷

作新学院は試合の後半は流れを完全に相洋に奪われ、いいところなく敗れてしまった。この試合では打線も6回以降ノーヒットと結果を残せなかったが、やはり不安なのは投手陣だ。この春からエースナンバーを背負った市川は、8回までは1失点と好投を見せたものの、9回には捕まってしまった。課題である投手陣において、新戦力の発掘がテーマであったこの春の作新学院。エースとして栃木大会を制した市川や、この試合で好リリーフをみせた石毛らの活躍は好材料ではあった。ただこの試合で登板した3投手はいずれもストレートが130㌔に満たず、もちろんスピードが全てではないが、全国レベルで戦う投手陣のレベルにはまだ達してないと思う。夏に向けては、やはりセンバツでもコンディション不良からかこの春もベンチ外となっている147㌔右腕の小川の復調、磯や高森といった野手陣の登板も含めて考える必要がありそうだ。
20230520作新学院 石毛
タイブレーク含め好投を見せた石毛


Pickup Player
大場智仁 相洋2年 投手
~必殺チェンジアップでタイブレークを2回連続無失点~
相洋は10回のタイブレークから登板した大場が、2イニング連続で無失点に抑え、チームを勝利に導いた。

大場は相洋では1年秋より、大谷・中島とともに3本柱として活躍。桐蔭学園戦ではリリーフで3回無失点、日大藤沢戦では先発で6回無失点と好投をみせている。3年春は横浜戦で先発して3回無失点の好投、東海大相模戦では9回途中からリリーフして試合を締めるなど2強撃破にも貢献。決勝の慶応義塾戦では先発して打ち込まれてしまったものの、この関東大会出場には大きく貢献した。

この試合はエースナンバーを背負う大谷が先発で、その後を受け継いだ左腕の中島が4回パーフェクトで繋ぎ、あとがない9回裏に中島に代走を出した関係もあり、大場が10回、いきなり無死1・2塁でスタートするタイブレークという場面でマウンドに上がった。大場はストレートはこの試合Max134㌔をマークしたが、なんといっても魅力はスライダー・カーブ・チェンジアップといった変化球。1番高森は全球変化球でサードゴロに打ち取ると、続く東海林はチェンジアップで空振り三振、3番武藤もスライダーでサードゴロに打ち取りタイブレークを無失点で切り抜けた。

しかしその裏の味方の攻撃も0点でタイブレーク2イニング目に突入すると、4番磯をストレート→チェンジアップで追い込むと、最後は高めの釣り球で3球三振。続く落合も変化球で追い込むと最後はストレートで見逃し三振。最後は代打猪瀬を低めのチェンジアップで空振り三振と、3者三振という圧巻の投球をみせた。ここで光ったのはチェンジアップであり、ストレートと腕の振りが同じなのか、作新学院打線はとにかくタイミングがあっておらず、またボールの落差も大きいので、このチェンジアップにことごとくバットが空を切った。このチェンジアップを意識ているので、ストレートは130㌔前後ながらも、こちらにも対応できないという、完全に大場の術中にはまっていた。結局無死1・2塁スタートのタイブレークを、打者6人パーフェクト4奪三振という圧巻の投球で2イニング連続無失点でしのぎ、その裏のチームのサヨナラ勝ちを呼び込んだ。

チェンジアップに関しては、高校球界でもトップクラスのボールかもしれない。まだ2年生なので、あとはストレートの球威が増してくれば、神奈川を代表する投手となることだろう。
20230520相洋 大場


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