日大鶴ケ丘×日大三【選手権西東京大会】
7/29 選手権西東京大会決勝
日大鶴ケ丘×日大三 @神宮球場
試合経過
夏の甲子園出場をかけた西東京大会決勝は、昨年に続いての甲子園出場を目指す日大三と、ノーシードで西東京大会の開幕ゲームから勝ち上がった日大鶴ヶ丘の、日大ダービー。共に一昨日の準決勝で完投した、安田(日大三)と比江島(日大鶴ヶ丘)がこの決勝でも先発のマウンドに上がった。
初回は両エースが盤石の立ち上がりをみせ迎えた2回、日大三は2死ランナー無しから6番の192㎝スラッガー針金が、カウント2B0Sから甘く入ったストレートを捉えると、高く上がった打球はそのままライトスタンドに吸い込まれるホームランとなり日大三が先制する。

先制ホームランを放った針金
ただ日大鶴ヶ丘も4回表、1死から4番後藤はフルカウントからのやや浮いたストレートを捉えると、レフトスタンドへ飛び込むホームラン。ここのところ当たりが止まっていた4番が本領を発揮し、日大鶴ヶ丘が同点に追いつく。

同点弾を放った4番の後藤
両エース共に1発は浴びたものの、それ以外は素晴らしい投球を展開。日大三の安田はMAX142㌔のストレートに、110㌔台で大きく曲がるカーブ、さらに同じく110㌔台のチェンジアップはストレートとは30㌔近い球速差があるものの、しっかりと腕が振れており、日大鶴ヶ丘打線は非常に手を焼いていた。安田は5回まで日大鶴ヶ丘打線を4奪三振3安打1失点に抑える。
対する日大鶴ヶ丘の比江島は、重心を低くした独特なフォームのサイドスローで、MAX136㌔のストレートに、右打者の手元で逃げるように曲がるスイラダー、さらには逆方向に曲がるシンカーと、横の動きで日大三打線に揺さぶりをかける投球。さらに超高速テンポも特徴で、相手打線を次々に打ち取っていき、5回5安打3奪三振1失点に抑える。

日大鶴ケ丘の先発のサイドスロー比江島
10分間のクーリングタイムを挟んだ6回、日大鶴ヶ丘は先頭の主将高見澤が際どいボールを見極めて四球で出塁すると、続く木嶋も四球を選んで無死1・2塁。ここで4番後藤はバントは決まらなかったものの、ヒッティングに切り替えるとライト前に運んで無死満塁とチャンスを広げる。このピンチで真価を発揮したのが安田で、5番小針を外のストレートで見逃しの三振に仕留めと、続く杉浦も低めのチェンジアップで三振。最後は伊藤をセカンドゴロに仕留め、絶体絶命のピンチを無失点で切り抜ける。
すると日大三は7回、やや疲れの見え始めてきた比江島に対して、先頭の森山が死球で出塁すると、安田が送って1死2塁。ここで1番古賀がストレートを叩き、打球は二遊間を抜けるタイムリーとなり、日大三が2ー1と勝ち越しに成功。日大三は8回裏にも、先頭の二宮のヒット→4番岡村が送って、針金の申告敬遠の直後の初球を7番大賀叩いて三遊間を破り、追加点をあげる。

勝ち越しのタイムリーを放った古賀
安田はこの試合最速となる142㌔を7回にマークするなど、終盤になってもその投球は衰えることなく、5安打6奪三振で1失点完投勝利。日大三が安定した戦いぶりで3ー1と勝利し、西東京代表として甲子園出場を決めた。

西東京大会を制した日大三ナイン

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
優勝した日大三の最大の立役者はやはりエース安田だろう。この春に小倉監督からバントを引き継いだ三木監督は、インタビューで「安田で打たれたらしょうがない」と語ったように、エースは準々決勝のタイブレークに及ぶ激闘から3試合連続完投勝利。多投手がさらに目立ち、エースを起用せずに負けていくチームも多い中、大会終盤は神宮球場が東東京大会との共用になるために、試合間隔がやや空くという特性も生かして、三木監督は安田と心中を決めたらようだ。安田は日大三のエースとしては、体も大きくなく、スピードもあるタイプではないが、総合力が高く安定感抜群の投球で、三木監督の起用に応えてみせた。

三木新監督からの信頼も厚い日大三のエース安田
敗れた日大鶴ヶ丘は、もちろん強豪校であるが、今大会はノーシードでのスタートとなるなど、決して前評判の高いチームではなかったが、7試合に勝利して、この決勝の舞台に辿り着いた。その立役者となったのが比江島で準々決勝までの6試合には全てリリーフとして登板し、特に準々決勝の早稲田実業戦では3点ビハインドの3回から登板して、5回無失点でチームの逆転勝利を呼び込む好投をみせると、準決勝・決勝はともに先発のマウンドにあがり完投した。この炎天下の中、計8試合に登板した背番号3のサイドスロー右腕は、この夏の西東京大会に敢闘賞というものがあれば間違いなく選ばれていたことだろう。

日大鶴ケ丘を決勝まで導いた最大の立役者比江島
Pickup Player
針金侑良 日大三3年 外野手
~期待の大型スラッガーは先制弾に2敬遠~
この試合日大三打線で1番当たっていたのは、192㎝の期待のスラッガー針金で、先制のホームランを放つと、終盤には2打席連続で申告敬遠されてしまった。
針金は東練馬シニアでは190㎝左腕として活躍しており、「ジャンクSPORTS」で野球の天才キッズとして出演するなど注目されていた。日大三に進学すると1年秋から背番号11でベンチ入りし、外野でもノックを受けておりこの時は二刀流だったものと思われる。その後は野手に専念し、2年秋は背番号3をつけ、6番レフトとして出場。ただスイングスピードがあり、パンチ力は申し分ないものの、確実性に課題があり、2年秋・3年春ともに結果を残せず、大会終盤からはスタメンを外れることもあった。ただ3年夏は国士舘戦で3安打5打点、続く立川戦でも3安打2打点の活躍をみせると、準決勝の明大中野八王子戦ではホームランを放つなど結果を残し、この決勝戦でも6番レフトとしてスタメン出場を果たした。
2回裏2死ランナー無しという場面での第1打席ではカウント2B0Sからのストレートを捉えると、高く上がった打球はそのままライトスタンドに飛び込み、準決勝に続く2試合連発の先制ホームランとなった。第2打席では同じくカウント2B0Sから、今度はスライダーを捉えると、スピードのある打球はシフトでかなり狭くなっていた1・2塁を破りライト前ヒットとなって出塁した。間違いなくこの試合の日大三打線で1番当たっている打者であり、6回裏2死2塁で迎えた第3打席では申告敬遠。さらに8回裏2死3塁で迎えた第4打席でも申告敬遠されてしまい、この試合は2打数2安打1打点という活躍であった。
春までは長打力は申し分ないものの、確実性に課題があったものの、この西東京大会では打率.500という活躍。ホームランも2本放ち、スラッガーとしての能力の高さも見せつけた。決勝での2打席連続申告敬遠はまさに強打者の証であり、全国の好投手が揃う甲子園でどのような活躍をみせるのが楽しみであり、その結果次第では一躍ドラフト候補に浮上する可能性もある。

※写真は準々決勝の試合のものです
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日大鶴ケ丘×日大三 @神宮球場
試合経過
夏の甲子園出場をかけた西東京大会決勝は、昨年に続いての甲子園出場を目指す日大三と、ノーシードで西東京大会の開幕ゲームから勝ち上がった日大鶴ヶ丘の、日大ダービー。共に一昨日の準決勝で完投した、安田(日大三)と比江島(日大鶴ヶ丘)がこの決勝でも先発のマウンドに上がった。
初回は両エースが盤石の立ち上がりをみせ迎えた2回、日大三は2死ランナー無しから6番の192㎝スラッガー針金が、カウント2B0Sから甘く入ったストレートを捉えると、高く上がった打球はそのままライトスタンドに吸い込まれるホームランとなり日大三が先制する。

先制ホームランを放った針金
ただ日大鶴ヶ丘も4回表、1死から4番後藤はフルカウントからのやや浮いたストレートを捉えると、レフトスタンドへ飛び込むホームラン。ここのところ当たりが止まっていた4番が本領を発揮し、日大鶴ヶ丘が同点に追いつく。

同点弾を放った4番の後藤
両エース共に1発は浴びたものの、それ以外は素晴らしい投球を展開。日大三の安田はMAX142㌔のストレートに、110㌔台で大きく曲がるカーブ、さらに同じく110㌔台のチェンジアップはストレートとは30㌔近い球速差があるものの、しっかりと腕が振れており、日大鶴ヶ丘打線は非常に手を焼いていた。安田は5回まで日大鶴ヶ丘打線を4奪三振3安打1失点に抑える。
対する日大鶴ヶ丘の比江島は、重心を低くした独特なフォームのサイドスローで、MAX136㌔のストレートに、右打者の手元で逃げるように曲がるスイラダー、さらには逆方向に曲がるシンカーと、横の動きで日大三打線に揺さぶりをかける投球。さらに超高速テンポも特徴で、相手打線を次々に打ち取っていき、5回5安打3奪三振1失点に抑える。

日大鶴ケ丘の先発のサイドスロー比江島
10分間のクーリングタイムを挟んだ6回、日大鶴ヶ丘は先頭の主将高見澤が際どいボールを見極めて四球で出塁すると、続く木嶋も四球を選んで無死1・2塁。ここで4番後藤はバントは決まらなかったものの、ヒッティングに切り替えるとライト前に運んで無死満塁とチャンスを広げる。このピンチで真価を発揮したのが安田で、5番小針を外のストレートで見逃しの三振に仕留めと、続く杉浦も低めのチェンジアップで三振。最後は伊藤をセカンドゴロに仕留め、絶体絶命のピンチを無失点で切り抜ける。
すると日大三は7回、やや疲れの見え始めてきた比江島に対して、先頭の森山が死球で出塁すると、安田が送って1死2塁。ここで1番古賀がストレートを叩き、打球は二遊間を抜けるタイムリーとなり、日大三が2ー1と勝ち越しに成功。日大三は8回裏にも、先頭の二宮のヒット→4番岡村が送って、針金の申告敬遠の直後の初球を7番大賀叩いて三遊間を破り、追加点をあげる。

勝ち越しのタイムリーを放った古賀
安田はこの試合最速となる142㌔を7回にマークするなど、終盤になってもその投球は衰えることなく、5安打6奪三振で1失点完投勝利。日大三が安定した戦いぶりで3ー1と勝利し、西東京代表として甲子園出場を決めた。

西東京大会を制した日大三ナイン

※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
優勝した日大三の最大の立役者はやはりエース安田だろう。この春に小倉監督からバントを引き継いだ三木監督は、インタビューで「安田で打たれたらしょうがない」と語ったように、エースは準々決勝のタイブレークに及ぶ激闘から3試合連続完投勝利。多投手がさらに目立ち、エースを起用せずに負けていくチームも多い中、大会終盤は神宮球場が東東京大会との共用になるために、試合間隔がやや空くという特性も生かして、三木監督は安田と心中を決めたらようだ。安田は日大三のエースとしては、体も大きくなく、スピードもあるタイプではないが、総合力が高く安定感抜群の投球で、三木監督の起用に応えてみせた。

三木新監督からの信頼も厚い日大三のエース安田
敗れた日大鶴ヶ丘は、もちろん強豪校であるが、今大会はノーシードでのスタートとなるなど、決して前評判の高いチームではなかったが、7試合に勝利して、この決勝の舞台に辿り着いた。その立役者となったのが比江島で準々決勝までの6試合には全てリリーフとして登板し、特に準々決勝の早稲田実業戦では3点ビハインドの3回から登板して、5回無失点でチームの逆転勝利を呼び込む好投をみせると、準決勝・決勝はともに先発のマウンドにあがり完投した。この炎天下の中、計8試合に登板した背番号3のサイドスロー右腕は、この夏の西東京大会に敢闘賞というものがあれば間違いなく選ばれていたことだろう。

日大鶴ケ丘を決勝まで導いた最大の立役者比江島
Pickup Player
針金侑良 日大三3年 外野手
~期待の大型スラッガーは先制弾に2敬遠~
この試合日大三打線で1番当たっていたのは、192㎝の期待のスラッガー針金で、先制のホームランを放つと、終盤には2打席連続で申告敬遠されてしまった。
針金は東練馬シニアでは190㎝左腕として活躍しており、「ジャンクSPORTS」で野球の天才キッズとして出演するなど注目されていた。日大三に進学すると1年秋から背番号11でベンチ入りし、外野でもノックを受けておりこの時は二刀流だったものと思われる。その後は野手に専念し、2年秋は背番号3をつけ、6番レフトとして出場。ただスイングスピードがあり、パンチ力は申し分ないものの、確実性に課題があり、2年秋・3年春ともに結果を残せず、大会終盤からはスタメンを外れることもあった。ただ3年夏は国士舘戦で3安打5打点、続く立川戦でも3安打2打点の活躍をみせると、準決勝の明大中野八王子戦ではホームランを放つなど結果を残し、この決勝戦でも6番レフトとしてスタメン出場を果たした。
2回裏2死ランナー無しという場面での第1打席ではカウント2B0Sからのストレートを捉えると、高く上がった打球はそのままライトスタンドに飛び込み、準決勝に続く2試合連発の先制ホームランとなった。第2打席では同じくカウント2B0Sから、今度はスライダーを捉えると、スピードのある打球はシフトでかなり狭くなっていた1・2塁を破りライト前ヒットとなって出塁した。間違いなくこの試合の日大三打線で1番当たっている打者であり、6回裏2死2塁で迎えた第3打席では申告敬遠。さらに8回裏2死3塁で迎えた第4打席でも申告敬遠されてしまい、この試合は2打数2安打1打点という活躍であった。
春までは長打力は申し分ないものの、確実性に課題があったものの、この西東京大会では打率.500という活躍。ホームランも2本放ち、スラッガーとしての能力の高さも見せつけた。決勝での2打席連続申告敬遠はまさに強打者の証であり、全国の好投手が揃う甲子園でどのような活躍をみせるのが楽しみであり、その結果次第では一躍ドラフト候補に浮上する可能性もある。

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