花咲徳栄×樟南【選手権大会】
甲子園遠征も今日で3日目の最終日。この日は勘違いもあって試合開始の3時間前から並んだおかげできっちりと内野席をゲット(それでもバックネット裏に並んでいたらチケット買えるか危なかったです)。
その中で第2試合の花咲徳栄×樟南をレポートします。
スタメン
花咲徳栄
樟南
試合経過
Big3にいつの間にか仲間入りしていた高橋昂擁する花咲徳栄が有利かと予想されていた試合ですが、序盤は予想外に樟南ペース。花咲徳栄が5回まで1安打に抑えられるのに対し、樟南は毎回のようにチャンスを作り高橋昂を攻め立てます。
4回裏、樟南は2死ランナー無しから、7番折尾がファールで粘って9球目を詰まりながらもレフト前にもっていき出塁。続くピッチャーの浜屋がカウント2B2Sからのストレートを左中間に運んで先制します。(花0-1樟)
しかしグランド整備が明けた6回表に一気に展開が変わります。花咲徳栄は先頭の野本の死球から2死3塁のチャンスを作ります。ここで3番岡崎は敬遠気味に歩かされますが、4番西川の打球はピッチャー浜屋のグラブをはじく強襲ヒットとなり、同点に追いつきます。さらに5番楠本の1塁線を破るタイムリー2ベースで逆転に成功すると、7番西銘にもタイムリーが飛び出し、一挙4得点で試合をひっくり返します。(花4-1樟)
流れに乗った花咲徳栄は続く7回表にも、野本が四球で出塁して、6回同様に千丸がきっちり送ってチャンスメイク。樟南はここで浜屋→畠中(3年)にスイッチするも、高橋哉がレフト線へタイムリー2ベース。さらに西川にもタイムリーが飛び出し、花咲徳栄がこの回2点を追加します。(花6-1樟)
9回裏、もう後がない樟南ですが、アルプスの声援が大きくなるにつれ、球場も樟南を後押しするような雰囲気になります(といって東邦のときに比べれば大したことはないが…)。すると先頭の代打:宝満がセカンド内野安打で出塁。続く今田がこの日4本目のヒットとなる左中間へのタイムリー3ベースを放ちます。今田は続く大澤のショートゴロの間にホームインしますが、これでランナーがいなくなってしまい反撃もここまで…。花咲徳栄が6-3で樟南を下して、ベスト16進出です。

同点タイムリーを放つ西川

勝ち越しのタイムリーを放つ楠本

高橋昂から4安打をはなった今田
スコア
花咲徳栄

樟南

Topic
5回までは独壇場の浜屋
樟南のエース浜屋の前半は素晴らしいの一言であった。投げては5回までランナーを2人しか出さない完璧なピッチング。武器であるスライダーが低めに決まり、三振を除くアウト12個のうち、9個が内野ゴロと持ち味を発揮していた。打っても4回に高橋昂のストレートを捉え、左中間へのタイムリー2ベース。これで樟南が1-0でリードしていたのだから、まさに浜屋の試合であった。
しかし本人「力みが出た」という6回以降は、四死球でランナーを出して、中軸に連打を浴びるという悪循環。7回途中KOとなってしまった。
とはいえ、鹿児島大会の決勝で15回を投げ抜き、初戦でも強打の京都翔英打線を抑え込んだこの夏の活躍は見事であった。上記のスライダーとともいに、角度のあるストレートを左打者のアウトコースに投げれることは大きな武器であり、本人志望の社会人野球でも活躍が大いに期待される。

5回までは被安打1無失点という見事なピッチングの浜屋
固定メンバーの強み
この試合、見事に逆転勝利を納めた花咲徳栄。序盤は楠本や岡崎の送球が逸れるなど守備も含めてバタバタ感があったが、中盤以降落ち着いた見事な試合運びで、リードを許していても、打てなくても淡々と自分たちの野球をやっているように見えた。
その源は新チーム結成以来、ほぼ固定されたメンツである。ピッチャーと4番レフト以外は基本的に不動。隈本(3年)と西川が4番レフトの座を争っているが、外れたほうは4番はおそかベンチというのも、ほかの部分をいじりたくなという指揮官の気持ちの表れであろう。
まぁそんな固定メンバーで戦ってきた経験が生きた、見事な試合運びでした。
不安が残る高橋昂
花咲徳栄打線は見事だった一方、投手陣には不安を残しました。エースの高橋昂は3失点完投勝利をあげたものの、被安打11と前の大曲工戦の被安打10に続いて多くのヒットを打たれました。3者凡退のイニングが1つもなかったというのも、完璧に抑えられていないことを物語っています。球速はMax146㌔で、コントロールも甘いものが多く見られたので状態としてはMax152㌔で37イニング無失点の埼玉大会から見るとまだまだのようです。ただそれでもランナーを得点圏においた場面では被安打0と粘りのピッチングでチームを勝利に導いたというのは評価できることですね。
とはいえ、ここまで2戦は大曲工・樟南とそこまで打力のあるチームではないところとの対戦。次の作新学院はこのままでは一筋縄ではいかないかもしれません。春日部共栄・聖望学園を連続完封するなど無失点で切り抜けた埼玉大会の高橋昂の復活に期待です。

3失点完投勝利をあげたものの内容には不安の残る高橋昂
Pickup Player
野本真康 花咲徳栄3年 キャッチャー
~見事序盤のチャンスの芽を摘んだ牽制球ー~
高橋昂は1回・2回とそれぞれ先頭打者の出塁を許した。しかしその2人のランナーともにリードが大きいと見るや、鋭い1塁牽制で刺して、序盤の樟南のチャンスの芽を摘んだのがキャッチャーの野本であった。このランナーを刺していなkれば、樟南の序盤の得点は増え、また試合展開も変わっていたことであろう。
野本はもともと肩のいい選手だが、この夏にきて送球への動作が非常にスムーズになり、送球までのスピードも早くなっているように見えた。途中盗塁を試みた走者が送球を見て、慌てて戻るシーンを見られた。
打撃面でも6・7回はともに先頭打者として四死球で出塁し、それぞれ大量得点のきっかけを作る活躍。打順は9番ながら、昨秋は早川(木更津総合)からホームランを放つなど打力もある。
あとはまだ上がってこない高橋昂をどうリードするorどう本調子にもっていくといった面でキャッチャーとしての真価が試される。これができれば、野本が甲子園優勝捕手となれることも十分にあり得るだろう。

2回も牽制でランナーを刺した野本
その中で第2試合の花咲徳栄×樟南をレポートします。
スタメン
花咲徳栄
2B | 千丸 | ② | 4 |
RF | 高橋哉 | ③ | 9 |
SS | 岡崎 | ③ | 6 |
LF | 西川 | ② | 15 |
3B | 楠本 | ③ | 5 |
CF | 山本 | ③ | 8 |
1B | 西銘 | ③ | 3 |
P | 高橋昂 | ③ | 1 |
C | 野本 | ③ | 2 |
樟南
CF | 今田 | ③ | 8 |
SS | 大澤 | ③ | 6 |
1B | 上栗 | ③ | 3 |
LF | 吉内 | ③ | 7 |
RF | 積山 | ③ | 9 |
3B | 河野 | ③ | 5 |
2B | 折尾 | ② | 4 |
P | 浜屋 | ③ | 1 |
C | 前川 | ③ | 2 |
試合経過
Big3にいつの間にか仲間入りしていた高橋昂擁する花咲徳栄が有利かと予想されていた試合ですが、序盤は予想外に樟南ペース。花咲徳栄が5回まで1安打に抑えられるのに対し、樟南は毎回のようにチャンスを作り高橋昂を攻め立てます。
4回裏、樟南は2死ランナー無しから、7番折尾がファールで粘って9球目を詰まりながらもレフト前にもっていき出塁。続くピッチャーの浜屋がカウント2B2Sからのストレートを左中間に運んで先制します。(花0-1樟)
しかしグランド整備が明けた6回表に一気に展開が変わります。花咲徳栄は先頭の野本の死球から2死3塁のチャンスを作ります。ここで3番岡崎は敬遠気味に歩かされますが、4番西川の打球はピッチャー浜屋のグラブをはじく強襲ヒットとなり、同点に追いつきます。さらに5番楠本の1塁線を破るタイムリー2ベースで逆転に成功すると、7番西銘にもタイムリーが飛び出し、一挙4得点で試合をひっくり返します。(花4-1樟)
流れに乗った花咲徳栄は続く7回表にも、野本が四球で出塁して、6回同様に千丸がきっちり送ってチャンスメイク。樟南はここで浜屋→畠中(3年)にスイッチするも、高橋哉がレフト線へタイムリー2ベース。さらに西川にもタイムリーが飛び出し、花咲徳栄がこの回2点を追加します。(花6-1樟)
9回裏、もう後がない樟南ですが、アルプスの声援が大きくなるにつれ、球場も樟南を後押しするような雰囲気になります(といって東邦のときに比べれば大したことはないが…)。すると先頭の代打:宝満がセカンド内野安打で出塁。続く今田がこの日4本目のヒットとなる左中間へのタイムリー3ベースを放ちます。今田は続く大澤のショートゴロの間にホームインしますが、これでランナーがいなくなってしまい反撃もここまで…。花咲徳栄が6-3で樟南を下して、ベスト16進出です。

同点タイムリーを放つ西川

勝ち越しのタイムリーを放つ楠本

高橋昂から4安打をはなった今田
スコア
花咲徳栄

樟南

Topic
5回までは独壇場の浜屋
樟南のエース浜屋の前半は素晴らしいの一言であった。投げては5回までランナーを2人しか出さない完璧なピッチング。武器であるスライダーが低めに決まり、三振を除くアウト12個のうち、9個が内野ゴロと持ち味を発揮していた。打っても4回に高橋昂のストレートを捉え、左中間へのタイムリー2ベース。これで樟南が1-0でリードしていたのだから、まさに浜屋の試合であった。
しかし本人「力みが出た」という6回以降は、四死球でランナーを出して、中軸に連打を浴びるという悪循環。7回途中KOとなってしまった。
とはいえ、鹿児島大会の決勝で15回を投げ抜き、初戦でも強打の京都翔英打線を抑え込んだこの夏の活躍は見事であった。上記のスライダーとともいに、角度のあるストレートを左打者のアウトコースに投げれることは大きな武器であり、本人志望の社会人野球でも活躍が大いに期待される。

5回までは被安打1無失点という見事なピッチングの浜屋
固定メンバーの強み
この試合、見事に逆転勝利を納めた花咲徳栄。序盤は楠本や岡崎の送球が逸れるなど守備も含めてバタバタ感があったが、中盤以降落ち着いた見事な試合運びで、リードを許していても、打てなくても淡々と自分たちの野球をやっているように見えた。
その源は新チーム結成以来、ほぼ固定されたメンツである。ピッチャーと4番レフト以外は基本的に不動。隈本(3年)と西川が4番レフトの座を争っているが、外れたほうは4番はおそかベンチというのも、ほかの部分をいじりたくなという指揮官の気持ちの表れであろう。
まぁそんな固定メンバーで戦ってきた経験が生きた、見事な試合運びでした。
不安が残る高橋昂
花咲徳栄打線は見事だった一方、投手陣には不安を残しました。エースの高橋昂は3失点完投勝利をあげたものの、被安打11と前の大曲工戦の被安打10に続いて多くのヒットを打たれました。3者凡退のイニングが1つもなかったというのも、完璧に抑えられていないことを物語っています。球速はMax146㌔で、コントロールも甘いものが多く見られたので状態としてはMax152㌔で37イニング無失点の埼玉大会から見るとまだまだのようです。ただそれでもランナーを得点圏においた場面では被安打0と粘りのピッチングでチームを勝利に導いたというのは評価できることですね。
とはいえ、ここまで2戦は大曲工・樟南とそこまで打力のあるチームではないところとの対戦。次の作新学院はこのままでは一筋縄ではいかないかもしれません。春日部共栄・聖望学園を連続完封するなど無失点で切り抜けた埼玉大会の高橋昂の復活に期待です。

3失点完投勝利をあげたものの内容には不安の残る高橋昂
Pickup Player
野本真康 花咲徳栄3年 キャッチャー
~見事序盤のチャンスの芽を摘んだ牽制球ー~
高橋昂は1回・2回とそれぞれ先頭打者の出塁を許した。しかしその2人のランナーともにリードが大きいと見るや、鋭い1塁牽制で刺して、序盤の樟南のチャンスの芽を摘んだのがキャッチャーの野本であった。このランナーを刺していなkれば、樟南の序盤の得点は増え、また試合展開も変わっていたことであろう。
野本はもともと肩のいい選手だが、この夏にきて送球への動作が非常にスムーズになり、送球までのスピードも早くなっているように見えた。途中盗塁を試みた走者が送球を見て、慌てて戻るシーンを見られた。
打撃面でも6・7回はともに先頭打者として四死球で出塁し、それぞれ大量得点のきっかけを作る活躍。打順は9番ながら、昨秋は早川(木更津総合)からホームランを放つなど打力もある。
あとはまだ上がってこない高橋昂をどうリードするorどう本調子にもっていくといった面でキャッチャーとしての真価が試される。これができれば、野本が甲子園優勝捕手となれることも十分にあり得るだろう。

2回も牽制でランナーを刺した野本
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