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慶応×桐光学園 【全国高校野球選手権神奈川大会】 ~慶応が3度追いつく接戦も最後は桐光学園が逆転でベスト4進出~

7/25 全国高校野球選手権神奈川大会準々決勝
慶応×桐光学園 @横浜スタジアム


試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20170725慶応×桐光学園


桐光学園は1回裏に2番渡部からの3連打で満塁のチャンスを作ると、5番桂川のタイムリーに中継のミスも絡んで2点を先制。さらに小林一のタイムリー、逢坂のショートゴロ、渡邊宏のタイムリーなど打者一巡の猛攻で、慶応先発の生井をKOし、いきなり5点を先制する。リードを許した慶応だが、直後の2回表に正木のソロと寺山のタイムリーで2点を返すと、3回には桐光学園のエラーで、1点、4回には寺山のレフトフェンス直撃の2点タイムリーで早くも4回に同点に追いつく。

桐光学園は4回裏に4番小林将のタイムリー2ベースで勝ち越すも、5回表に慶応がスクイズの投球がワンバンしてキャッチャーがはじく間にランナーが生還し同点。5回裏に桐光学園は1死2・3塁から冨田のショートゴロの間に勝ち越すも、7回表に慶応は正木・綿引の連打から満塁のチャンスを作ると寺山が押し出しの四球を選んで三度同点とする。

これまで同点にしても逆転まではいかなかった慶応であるが、8回表に矢澤がサード強襲ヒットで出塁すると、4番正木がセンターフェンス直撃のタイムリー3ベースを放ちついに逆転に成功する。しかし桐光学園はその裏の先頭打者として代打にエース棒田を送ると、棒田のセンター前→斎藤のライト前→渡部のバントを森田が1塁へ暴投で満塁のチャンスを作ると、3番山田が右中間に走者一掃のタイムリー3ベースを放ち逆転。さらに桂川の犠飛で3点差とする。

その裏に代打で出場した棒田がマウンドに上がる。慶応は2死ランナーなしから代打長谷川が3ベースを放ち、その後2四死球でホームランが出れば逆転という満塁のチャンスを作るも、最後は下山がファーストゴロに倒れてゲームセット。桐光学園が勝利し、ベスト4進出を決めた。

20170725桐光学園 桂川
先制のタイムリーを放つ桂川

20170725慶応 寺山
4打点の活躍をみせた寺山

20170725桐光学園 山田
8回裏に逆転打となるタイムリー2ベースを放つ山田



Topic
◆高校通算50号で実力は見せつけたスラッガー
慶応の4番は注目の右のスラッガー正木。この日はいきなり5点を先制されて迎えた第1打席で右中間スタンドへの高校通算50号となるソロホームラン。第2打席ではタイムリーエラーにつながる打球を放つと、第3・第4打席でも単打を放ちチャンスを作った。そして同点で迎えた8回の第5打席ではあわや2発目というセンターフェンス直撃のタイムリー3ベース。この一打でこの試合初めて慶応にリードをもたらせた。試合は敗れてしまったものの5打数4安打1ホーマーという活躍でこの実力は十分に発揮した。

これだけの活躍をすると当然プロのスカウトも目を光らせるところであるが、慶応高ということで試合後に正木は進学(=慶応大)を表明。先輩の柳町に続いて、1年目から神宮で活躍する力をもってる打者であるので、来年は神宮でホームランを打つ姿に期待したい。

20170725慶応 正木
2回表に高校通算50号を放つ正木


◆3年連続で期待の3年生が…
慶応のエースは、2年春から背番号1を背負い、咋秋は神奈川Vの最大の立役者となった森田である。しかし桐光学園というこの大一番の先発は森田でなく、背番号10の2年生左腕の生井であった。その生井が1回で早々にKOされてしまうと、森田は3番手として4回から登板。ただピッチングにどこか勢いがなく、浮いた球も目立ち5イニングを投げて9安打6失点という内容。本来のピッチングができていないのは明らかであった。

ここのところ慶応には嫌なジンクスがある。咋夏は当時2年生の森田が背番号1を背負ってエースとして活躍したが、本来エースとして期待されていのは3年生の木澤。木澤はその1年前の2年夏にはエース格として活躍した投手であり、そのときの3年生の津留崎もまた1年時から登板を重ねてエースとして期待されていた投手であった。つまりここのところ3年連続で、前の年に2年生エースとして活躍した投手が、最後の夏は思うように力を発揮できずに、1個下の2年生がエース格として投げている状態なのだ。

来年はこの日先発した生井がエースとして期待される。このよくないジンクスを解消して、是非とも3年生エースとして今日の先輩たちのリベンジを果たしてほしいものだ。

20170725慶応 森田
最後の夏に力を発揮するこのできなかった森田


◆1年生に託した準々決勝
桐光学園もまたこの大一番に先発投手として背番号10をつけた1年生の谷村を送り込んだ。谷村は独特のスリークウォーターから追いついたピッチングで1回を3者凡退という最高のスタートを切るが、2回以降に徐々に捕まり失点を重ねる。正直1年生ということですぐに代えるのかと思いきや。野呂監督は4回途中まで谷村を引っ張り、結果として5点あったリードを失ってしまった。

そしてそこで谷村に代わって登板したのは背番号1をつけたエース棒田ではなく、同じく1年生の左腕冨田であった。冨田は先発の松井裕樹を彷彿とさせるフォームからキレのいいスライダーを投げ込んでいたが、やはり慶応相手となると抑えるのは簡単でなく、5回・7回とそれぞれ得点を奪われ追いつかれると、8回には慶応に勝ち越しを許してしまう。この間に代打を含めて冨田を代えるタイミングはいくらでもあったが野呂監督は冨田を続投させた。

秋は投手不足に悩み、春は棒田がエースとして安定したピッチングを見せる一方、谷村・冨田といった超がつくほど有望な1年生が入学してきた桐光学園の投手陣。どうやら野呂監督はこの夏は「1年生ピッチャーに託す」という方針のようだ。結局1年生2人は苦しい投球となってしまったが、それでも打力で何とか準々決勝を突破した桐光学園。今後も登板があるだろう2人には是非ともこの経験を生かして頑張ってほしい。

20170725桐光学園 冨田
4回途中から8回まで力投を見せた冨田


Pickup Player
棒田雄大 桐光学園 ピッチャー
~まさかの形で登場し勝利に貢献した背番号1~
8回裏の大逆転で試合を決めた桐光学園。その大逆転のきっかけとなったのは意外な形で出場した背番号1の棒田であった。

世田谷西シニアから桐光学園へ入学した棒田は、1年秋からサードのレギュラーを争っていた選手である。しかし中川が抜けて投手不足なった2年秋からは投手も兼任するようになり、2年秋は背番号5ながらも、先発投手がすぐに崩れて序盤のうちから棒田がサードからマウンドに向かうという姿が目立った。春季大会は背番号1が空番という状態で迎えたが、春にさらに進化して得意のカットボールなどを武器にリリーフで安定したピッチングを見せていた棒田が大会途中から背番号1を背負い、エースとなっていた。

この夏も背番号1を背負う棒田は先発にリリーフにフル稼働。この試合も先発が棒田でないことはある程度予想はできたが、いざとなればすぐに棒田が出てくるような展開を予想していた。しかし上記の通り野呂監督は谷村・冨田の両1年生を引っ張り、結果として逆転されて8回裏の攻撃を迎えた。

この重要な8回裏の攻撃で、野呂監督は棒田を先頭打者として(つまりは代打として)送り込んだ。その棒田はもともとはサードであった打棒を生かして、2球目を見事にセンター前にはじき返すヒット。桐光学園はこのヒットを皮切りに満塁のチャンスを作り山田の逆転打につなげた。そういう意味で先頭の棒田のヒットは非常に価値のあるものであった。

代打で出場した棒田は、冨田への代打だったこともあり、そのまま9回表のマウンドへ。簡単に2死をとるも、そこから代打長谷川に3ベースを浴びると、さらに連続四死球でホームランが出れば逆転というピンチで慶応のクリーンアップを迎えてしまった。それでも最後は何とか下山を打ち取り逃げ切りに成功したのはさすが背番号1だという一方、持ち前のコントロールがいいとは言えず。そのピッチング内容は背番号1らしいものではなかった。

代打という意外な形で登場し、勝利に大きく貢献した背番号1(棒田)であるが、打撃は見事であった一方、本職のピッチングはやや不安な内容であった。

20170725桐光学園 棒田
9回を何とか無失点で凌いだエース棒田


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