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明秀日立×山梨学院 【秋季関東大会1回戦】

10/24 秋季関東大会1回戦
明秀日立×山梨学院 @サーティーフォー保土ヶ谷球場

土日が雨で月曜から始まった関東大会も2日目…明秀日立(茨城1位)と山梨学院(山梨2位)がセンバツをかけて初戦を戦います。


試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください
20171024明秀日立×山梨学院


山梨学院は1回裏に清水雄のヒット、ショートエラーで1・2塁のチャンスを作ると、4番相澤の打席の初球でダブルスチールを決めて2・3塁、さらにカウント3B1Sからスクイズを決行。これがファーストへの送球間に2塁ランナーまでもが生還する2ランスクイズとなり2点を先制する。明秀日立は2回表に9番高田のタイムリーで1点を返すも、3回裏に山梨学院は連続四球で1・2塁から4番相澤がセンター前ヒット、ランナーは3塁ストップもセンターからホームへの送球をキャッチャーが逸らす間にランナーがホームインし、再び2点差とする。

明秀日立の強力打線が目覚めたのは5回表。先頭の北野がセーフティを試みると、これがサードの悪送球を誘い無死2塁。3番池田がライト線に2ベースを放ち1点差とすると、芳賀・細川の連打で同点。さらに7番鈴木翔がライトフェンス直撃の2点タイムリー2ベースを放ち、明秀日立が逆転に成功する。これで完全に流れをモノにした明秀日立は7回に代打佐伯の、8回には細川の犠牲フライで追加点。投げては細川がランナーは出すものの、4回以降は山梨学院を無得点に抑えて完投勝利。明秀日立が初戦を突破してセンバツ出場に王手をかけた。

20171024山梨学院 相澤
山梨学院の3得点全てに絡む活躍をみせた4番相澤

20171024明秀日立 池田
タイムリー2ベースを含む3安打を放った明秀日立の3番池田

20171024明秀日立 細川2
同点タイムリーを含む2打点とバットでも活躍をみせた明秀日立のエース細川


Topic
◆今年はスモールベースボールな山梨学院
前チームでは秋・春・夏と山梨大会において負けなしの完全制覇、夏の甲子園にも出場した山梨学院。五十嵐・栗尾ら強力打線に、吉松・宮内・石井ら豊富な投手陣と圧倒的な戦力を誇っていた。しかしそのメンバーで残っているのは、甲子園では3番レフトを務めた中尾のみで、その中尾はこの試合はベンチスタートという状況。戦力的には小粒になった感がある新チームは、その分機動力を使ったスモールベースボールを展開した。

そんなチームは序盤、ヒットで出塁した2番清水雄が2盗、エラーで1・2塁とした後には2人のランナーが細川のモーションを完全に盗んでダブルスチールを決めて2・3塁。ここで迎えるバッターは4番相澤であったが、スクイズを決行するとこれが2ランスクイズとなり、ヒット1本で2点を先制してみせた。2回にも四球と相手の守備の乱れに乗じてこちらもヒット1本で1点を追加した。

しかしその後投手陣が捕まり点差をつけられてしまうと、機動力も発揮しづらい展開で強硬策に出るも7回~9回は毎回併殺となってしまった。機動力という新たな武器を手に入れた山梨学院。だがやはりこれだけでは全国で勝ち進むのは厳しく、冬場に力をつけてパワーと機動力を兼ねそろえたチームとしたいところだ。

20171024山梨学院 清水雄
3盗塁を決めるなど機動面でチームを牽引した山梨学院の主将清水雄


◆どこからでも打てる強力打線
明秀日立といえば、光星学院で強打のチームを作り上げた金沢監督が就任し、DeNAの細川やJR東日本の糸野に象徴されるような強打が売りのチームである。今年のチームも強打の1番増田に、池田・芳賀・細川のクリーンアップと前チームからのレギュラーで構成する上位打線は強力そのもの。しかしこの試合では下位打線の活躍も目立った。

その象徴であったのが7番サードの鈴木翔。鈴木は170㎝と小柄で、どちらかと言えば守備が武器の選手であると思っていた。だが5回表に同点とした後のチャンスで迎えた第3打席、垣越のストレートを振り抜くと、打球は逆方向であるライトフェンス直撃の2点タイムリー2ベースとなり、これがこの試合の決勝打となった。鈴木翔の他にも、1点目のタイムリーを放った9番高田、代打で登場して犠牲フライを放った佐伯も打点をあげ、この試合では7得点のうち4点が7番以降の打点であった。高田は170㎝、佐伯も172㎝と3人とも小柄であるが、しっかりとバットを振り切って打点をあげることができていたのは明秀日立の指導の賜物であると思う。上位だけでなく、下位からも点が取れる強力打線は他のチームにとっても脅威であることだろう。

20171024明秀日立 鈴木翔


◆守備は不安な明秀日立
打棒は目立った一方、明秀日立は守備には不安を残した。この日の3失点は全てエラー絡みであり、エース細川の自責点は0。ショートで主将と守備の要である増田の2個のエラーも痛かったが、記録には残らない3回裏のミスは非常に問題であった。

3回裏の1・2塁の場面でセンター前ヒットを打たれたものな、2塁ランナーは3塁ストップ。にも関わらずセンターからのバックホーム送球をキャッチャーが逸らし、その間に止まっていたはずのランナーが生還してしまった。
この場面だと
①そもそもセンターがバックホームする必要はなかった
②投げるにしてもカットできる高さであればいいし、また内野もカットで止めようとしなかった
③横に逸れた送球でもないのに、バウンドが悪くてキャッチャーは逸らしてしまった
④ピッチャー細川はホームのカバーにちゃんと入っていなかった
と細かいものではるが、守備の4個のミスが重なっていて、このうちのどれか1個でもできていれば防げた得点であった。

この回はこれ以外にも明らかにタイミングアウトの盗塁をセーフにする、挟殺をミスしてセーフにする(記録は野選)というプレーもあり、逆にいえばよく1点で済んだという守りであり、この回終了時には金沢監督から檄も飛んでいた。

今日の試合は打力で盛り返して勝つことができたが、このような守備は致命傷になりかねない。今日の経験と金沢監督の檄も糧に、明日以降は安定した守備を目指して頑張ってほしい。


Pickup Player
細川拓哉 明秀日立2年 ピッチャー
調子が悪くても、守備が悪くても、抑えるエース
自身の調子が悪くても、守備に足を引っ張られても、チームを勝利に導いたという意味では、この日の細川のピッチングはまさにエースというべきものであった。

細川のストレートはこの日も威力抜群で、山梨学院打線は振り遅れの傾向にあった。そして最大の武器である130㌔前後のスライダーも健在であった。しかしこの日の細川はボールがバラついていて調子がいいとは言えない状態で、与えた四死球は8個。上述のように守備の乱れもあり、序盤はなかなか波に乗れずに3点を失い山梨学院にリードをゆるしてしまう。

4回以降も8回までは毎回得点圏にランナーを背負うが、粘りのピッチングで勝負ところでは三振・併殺といった理想の形でアウトをとるこができていて、山梨学院に得点を許さない。結局9回3失点(自責点0)、打たれたヒットは5本で、7個の三振を奪うというピッチングで見事完投勝利をあげた。

ただ四球の多さなどが災いしてか、この日の細川は172球を投じてしまった。終盤でも特に球威が落ちているという様子はなく、細川はスタミナのある投手だと思うが、この力投型のフォームで172球というのはダメージが少なくないだろう。明日にはセンバツ出場をかけた健大高崎戦が待ち構えている。健大高崎は昨秋の関東大会で明秀日立がコールド負けした相手であり、このときも細川は2番手で登板するも、健大高崎打線を止めることはできなかった。

茨城大会でも主だった試合はほぼ細川のみで勝ち抜いてきた明秀日立。初戦突破に大きな代償を払ってしまい、万全の状態とはいいがたい細川であるが、健大高崎へのリベンジ、そして初の甲子園を果たすためには連投は必須であろう。


20171024明秀日立 細川
自責点0の完投勝利を収めた明秀日立のエース細川


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