健大高崎×桐光学園 【秋季関東大会1回戦】
10/24 秋季関東大会1回戦
健大高崎×桐光学園@サーティフォー保土ヶ谷球場
試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

健大高崎は2回表、1死から享保がライト前ヒットで出塁し、送って2死2塁とすると、8番主将の大柿が1・2塁間を破るヒットを放ち、享保が俊足を飛ばしてホームイン。続く3回表には先頭の今井がセーフティを決めて、バント、牽制悪送球で3塁まで進むと、4番高山のファーストゴロ併殺崩れの間に2点目をあげる。
桐光打線は毎回のようにチャンスを作るも健大高崎の先発吉田の前にあと1本を出すことがでずにいたが、ようやく5回表に田村のタイムリーが出て1点を返す。なおも2死満塁と一気に逆転のチャンスも作るも、健大高崎2番手藤原の前に9番谷村が三振に倒れる。
健大高崎は直後の6回表に、先頭の3番山下が左中間に2ベースを放ち、バントで送って3塁とすると、5番大越がセンター前にタイムリーを放ちリードを2点に広げる。守っては藤原が、5回まで10安打を放っていた桐光打線を6回以降は無安打に抑える好投。健大高崎が2点のリードを守り切り、3-1で勝利してベスト8進出です。

スタメン抜擢に応える3安打を放った桐光学園の鈴木

5回途中から最後まで桐光打線を無安打に抑えた健大高崎2番手の藤原

3点目のタイムリーを放った健大高崎の大越
Topic
◆2枚看板→エースは谷村へ
桐光学園といえば谷村・冨田という左右の1年生2枚看板である。1年夏から谷村が先発、冨田がリリーフというパターンであり、神奈川大会の準決勝までは全てこのリレーであり、まさにダブルエースという体制であった。しかし神奈川大会の準決勝で、早めに継投して冨田が東海大相模打線に捕まってコールド負けを喫すると、関東大会出場をかけた3位決定戦では谷村が完投するなど、この継投パターンに変化が見られてきた。
神奈川大会では冨田が背番号1であったが、この神奈川大会では谷村が背番号1をつけ先発のマウンドに上がった。谷村は健大高崎打線のそつのない攻撃で序盤に2点を失ってしまうが、持ち前の落ち着いたピッチングで、ゆったりとしてスリークウォーターから威力のあるストレートをテンポよくコーナーに決めていき、4回・5回は健大高崎打線を3人ずつで抑える好投を見せていた。
5回裏に2死満塁と一気に逆転のチャンスを迎えても谷村に代打が出ることはなく(まぁ谷村は打力もあるということもあり…)、6回にもう1点を失っても、この段階ではまだ冨田はベンチにいて継投の気配はなかった。結局谷村は8回裏に代打を送られて降板。8回3失点であったが、その結果以上に内容はよいものであった。この関東大会では野呂監督は投手陣は基本谷村でいくという方針であったようで、桐光学園のエースは谷村であったといえる。
ただ冨田も9回表に登板すると、得意のスライダーを惜しげもなく投げ込み1回を見事に3人で片づけるピッチング。やや谷村に先行されてしまった形であるが、春にはエースの座を奪うべく頑張って欲しい。

8回3失点の好投をみせた桐光学園エースの谷村
◆その差は得点効率
この試合の勝敗を分けたのは、得点効率のよさであった。健大高崎は5回までに4安打ながらも2得点、一方の桐光学園は5回までに10安打を放つも1得点であり、結果的に後半藤原に抑え込まれてしまった桐光学園にとっては序盤に1得点しかあげられないことが大きかった。
ではこの差は具体的にどこから来たのだろうか?
健大高崎はまず回の先頭打者、あるいは1死のうちにランナーを出すことができていた。アウトカウントが浅いためにこのランナーをバントで送ることができ、また自慢の機動力を使って盗塁や相手のミスでの進塁もできていた。また2回の先制点の場面ではあたりが強かったので2塁からランナーが還れるかなというタイミングであったが、ランナーの享保は迷わず3塁を回ってホームを陥れた。
対する桐光学園は1回の2死から3連打で満塁というように、5回までで13人のランナーを出したのに、そのうち無死でのランナーは1人のみ。となるとバントなども使用しづらく、盗塁も0個なのでなかなかランナーを進ませることができなかった。またランナー2塁から単打、ランナー1塁から長打という場面が4回もあったが、いずれもランナーが3塁で止まっていた。
上記の要因でいえば多少は運やめぐり合わせという要素もあるが、やはり健大高崎が自慢の機動力でチャンスを作り出す、あるいは少ないチャンスを得点に結びつけるということができたのに対し、桐光学園はそういうことができなかった結果であろう。なんだかんだいって「機動破壊の健大高崎」は今年も健在のようである。

俊足を飛ばして一気に2塁から生還する健大高崎の享保
◆楽しみな1年生投手たち
野手には今井・山下・高山・大柿と春にセンバツベスト8を経験したメンバーが残る一方、投手は4人とも3年生であり、新チームでは青柳監督も「投手が課題台頭」と言っていた。
そんな健大高崎の先発は背番号11をつけた1年生右腕の吉田。吉田は細身ながら、腕の振りには天性ともいうべきものがあり、腕を柔らかくムチのように振り抜いて回転のいいストレートを投げ込み、縦のスライダーとのコンビネーションでまさに正統派ともいうべき右腕であった。まだ投球リズムが単調なところなどもあり、桐光打線にヒット10本を浴びてしまったが、それでも要所はしっかりと締めて5回途中まで1失点と試合を作った。
5回のピンチから登板したのは同じく1年生の背番号14の左腕藤原であった。藤原は168㎝60㎏とまだまだ小柄であるが、体全体を使ったフォームから繰り出すストレートは勢いとキレがあり、またスライダーも打者の手元で曲がっていて、見分けが容易でなさそうな代物であった。吉田相手には思うようにバットを振り抜いていた桐光打線であるが、この藤原の前には大沈黙となってしまい、結局藤原は5回途中から最後まで5奪三振無安打という素晴らしいピッチングを見せた。
まだまだ経験が少なく安泰とはいえない健大高崎投手陣であるが、楽しみな1年生が出てきて、非常に未来は明るいといえる。

5回途中まで1失点と何とか試合をまとめた健大高崎の先発吉田
Pickup Player
大柿廉太郎
~夏の悔しさをバネに攻守でチームを牽引する主将~
健大高崎ではリード力と強肩で1年夏から正捕手を務め、前チームでも9番キャッチャーとしてセンバツベスト8を経験した。しかし2年夏は安藤に正捕手の座を奪われてしまい、チームは3季連続で群馬大会決勝で前橋育英に敗れてしまった。新チームでは主将に就任し、この日は8番キャッチャーとしてスタメン出場を果たした。
まず打撃では2回表2死2塁で回ってきた第1打席で鋭い打球で1・2塁間を破るタイムリーを放ちチームに貴重な先制点をもたらせた。第2打席でも強烈なレフトライナーを放ち、第3打席でもショートの頭を越えるレフト前ヒットを放った。最終打席はセンターフライに倒れるも、4打席中3打席で強烈な打球を放ち、4打数2安打1打点の活躍をみせた。180㎝77㎏という体格は身長・体重ともに健大高崎のベンチ入りメンバーではトップであり、キャッチャーだから下位というのもあるかもしれないが、この日のバッティングを見ていると是非とも中軸にというバッターであった。
守備面でも持ち前のリードで2人の1年生投手をうまくリードして9回1失点。特に藤原はこの日よかったというストレートを生かしたリードで、藤原自身もよかったが、桐光打線を無安打に封じたのはこの大柿のリードの賜物でもあると思う。2投手ともにボールが続いた場合などはすかさずマウンドに駆け寄って、先輩・主将らしく肩をポンとたたいて励ますといった場面も多くみられ、見事にキャッチャーとしてチームを牽引していると感じた。
1年時から順調な歩みを見せも、2年夏に挫折を味わった大柿がそれも糧にして、新主将として見事にチームを牽引していると感じた試合であった。

先制タイムリーに好リードの活躍をみせた健大高崎の新主将大柿
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試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

健大高崎は2回表、1死から享保がライト前ヒットで出塁し、送って2死2塁とすると、8番主将の大柿が1・2塁間を破るヒットを放ち、享保が俊足を飛ばしてホームイン。続く3回表には先頭の今井がセーフティを決めて、バント、牽制悪送球で3塁まで進むと、4番高山のファーストゴロ併殺崩れの間に2点目をあげる。
桐光打線は毎回のようにチャンスを作るも健大高崎の先発吉田の前にあと1本を出すことがでずにいたが、ようやく5回表に田村のタイムリーが出て1点を返す。なおも2死満塁と一気に逆転のチャンスも作るも、健大高崎2番手藤原の前に9番谷村が三振に倒れる。
健大高崎は直後の6回表に、先頭の3番山下が左中間に2ベースを放ち、バントで送って3塁とすると、5番大越がセンター前にタイムリーを放ちリードを2点に広げる。守っては藤原が、5回まで10安打を放っていた桐光打線を6回以降は無安打に抑える好投。健大高崎が2点のリードを守り切り、3-1で勝利してベスト8進出です。

スタメン抜擢に応える3安打を放った桐光学園の鈴木

5回途中から最後まで桐光打線を無安打に抑えた健大高崎2番手の藤原

3点目のタイムリーを放った健大高崎の大越
Topic
◆2枚看板→エースは谷村へ
桐光学園といえば谷村・冨田という左右の1年生2枚看板である。1年夏から谷村が先発、冨田がリリーフというパターンであり、神奈川大会の準決勝までは全てこのリレーであり、まさにダブルエースという体制であった。しかし神奈川大会の準決勝で、早めに継投して冨田が東海大相模打線に捕まってコールド負けを喫すると、関東大会出場をかけた3位決定戦では谷村が完投するなど、この継投パターンに変化が見られてきた。
神奈川大会では冨田が背番号1であったが、この神奈川大会では谷村が背番号1をつけ先発のマウンドに上がった。谷村は健大高崎打線のそつのない攻撃で序盤に2点を失ってしまうが、持ち前の落ち着いたピッチングで、ゆったりとしてスリークウォーターから威力のあるストレートをテンポよくコーナーに決めていき、4回・5回は健大高崎打線を3人ずつで抑える好投を見せていた。
5回裏に2死満塁と一気に逆転のチャンスを迎えても谷村に代打が出ることはなく(まぁ谷村は打力もあるということもあり…)、6回にもう1点を失っても、この段階ではまだ冨田はベンチにいて継投の気配はなかった。結局谷村は8回裏に代打を送られて降板。8回3失点であったが、その結果以上に内容はよいものであった。この関東大会では野呂監督は投手陣は基本谷村でいくという方針であったようで、桐光学園のエースは谷村であったといえる。
ただ冨田も9回表に登板すると、得意のスライダーを惜しげもなく投げ込み1回を見事に3人で片づけるピッチング。やや谷村に先行されてしまった形であるが、春にはエースの座を奪うべく頑張って欲しい。

8回3失点の好投をみせた桐光学園エースの谷村
◆その差は得点効率
この試合の勝敗を分けたのは、得点効率のよさであった。健大高崎は5回までに4安打ながらも2得点、一方の桐光学園は5回までに10安打を放つも1得点であり、結果的に後半藤原に抑え込まれてしまった桐光学園にとっては序盤に1得点しかあげられないことが大きかった。
ではこの差は具体的にどこから来たのだろうか?
健大高崎はまず回の先頭打者、あるいは1死のうちにランナーを出すことができていた。アウトカウントが浅いためにこのランナーをバントで送ることができ、また自慢の機動力を使って盗塁や相手のミスでの進塁もできていた。また2回の先制点の場面ではあたりが強かったので2塁からランナーが還れるかなというタイミングであったが、ランナーの享保は迷わず3塁を回ってホームを陥れた。
対する桐光学園は1回の2死から3連打で満塁というように、5回までで13人のランナーを出したのに、そのうち無死でのランナーは1人のみ。となるとバントなども使用しづらく、盗塁も0個なのでなかなかランナーを進ませることができなかった。またランナー2塁から単打、ランナー1塁から長打という場面が4回もあったが、いずれもランナーが3塁で止まっていた。
上記の要因でいえば多少は運やめぐり合わせという要素もあるが、やはり健大高崎が自慢の機動力でチャンスを作り出す、あるいは少ないチャンスを得点に結びつけるということができたのに対し、桐光学園はそういうことができなかった結果であろう。なんだかんだいって「機動破壊の健大高崎」は今年も健在のようである。

俊足を飛ばして一気に2塁から生還する健大高崎の享保
◆楽しみな1年生投手たち
野手には今井・山下・高山・大柿と春にセンバツベスト8を経験したメンバーが残る一方、投手は4人とも3年生であり、新チームでは青柳監督も「投手が課題台頭」と言っていた。
そんな健大高崎の先発は背番号11をつけた1年生右腕の吉田。吉田は細身ながら、腕の振りには天性ともいうべきものがあり、腕を柔らかくムチのように振り抜いて回転のいいストレートを投げ込み、縦のスライダーとのコンビネーションでまさに正統派ともいうべき右腕であった。まだ投球リズムが単調なところなどもあり、桐光打線にヒット10本を浴びてしまったが、それでも要所はしっかりと締めて5回途中まで1失点と試合を作った。
5回のピンチから登板したのは同じく1年生の背番号14の左腕藤原であった。藤原は168㎝60㎏とまだまだ小柄であるが、体全体を使ったフォームから繰り出すストレートは勢いとキレがあり、またスライダーも打者の手元で曲がっていて、見分けが容易でなさそうな代物であった。吉田相手には思うようにバットを振り抜いていた桐光打線であるが、この藤原の前には大沈黙となってしまい、結局藤原は5回途中から最後まで5奪三振無安打という素晴らしいピッチングを見せた。
まだまだ経験が少なく安泰とはいえない健大高崎投手陣であるが、楽しみな1年生が出てきて、非常に未来は明るいといえる。

5回途中まで1失点と何とか試合をまとめた健大高崎の先発吉田
Pickup Player
大柿廉太郎
~夏の悔しさをバネに攻守でチームを牽引する主将~
健大高崎ではリード力と強肩で1年夏から正捕手を務め、前チームでも9番キャッチャーとしてセンバツベスト8を経験した。しかし2年夏は安藤に正捕手の座を奪われてしまい、チームは3季連続で群馬大会決勝で前橋育英に敗れてしまった。新チームでは主将に就任し、この日は8番キャッチャーとしてスタメン出場を果たした。
まず打撃では2回表2死2塁で回ってきた第1打席で鋭い打球で1・2塁間を破るタイムリーを放ちチームに貴重な先制点をもたらせた。第2打席でも強烈なレフトライナーを放ち、第3打席でもショートの頭を越えるレフト前ヒットを放った。最終打席はセンターフライに倒れるも、4打席中3打席で強烈な打球を放ち、4打数2安打1打点の活躍をみせた。180㎝77㎏という体格は身長・体重ともに健大高崎のベンチ入りメンバーではトップであり、キャッチャーだから下位というのもあるかもしれないが、この日のバッティングを見ていると是非とも中軸にというバッターであった。
守備面でも持ち前のリードで2人の1年生投手をうまくリードして9回1失点。特に藤原はこの日よかったというストレートを生かしたリードで、藤原自身もよかったが、桐光打線を無安打に封じたのはこの大柿のリードの賜物でもあると思う。2投手ともにボールが続いた場合などはすかさずマウンドに駆け寄って、先輩・主将らしく肩をポンとたたいて励ますといった場面も多くみられ、見事にキャッチャーとしてチームを牽引していると感じた。
1年時から順調な歩みを見せも、2年夏に挫折を味わった大柿がそれも糧にして、新主将として見事にチームを牽引していると感じた試合であった。


先制タイムリーに好リードの活躍をみせた健大高崎の新主将大柿
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