日本新薬×東芝【JABA東京スポニチ大会】
3/13 JABA東京スポニチ大会
日本新薬×東芝 @神宮球場
JABA東京スポニチ大会の予選リーグ3日目。勝つかあるいはタイブレークに持ち込んだ時点で決勝トーナメント進出が決める東芝に、この試合の前に東京ガスが新日鐵住金東海REXを5-2で破ったために失点数の関係で決勝トーナメント進出の可能性がなくなった日本新薬が挑みます。
試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

日本新薬は2回表1死から井澤がヒットで出塁すると、続く正木の打球は1・2塁間へ。これを東芝セカンドの松本がナイスキャッチも1塁への送球が暴投となりランナー2・3塁。鎌田のファーストゴロの間に3塁ランナーが生還して日本新薬が先制する。対すると東芝は4回裏、先頭の吉田がライトフェンス直撃の2ベースで出塁すると、続く服部のバントをピッチャーが3塁へ悪送球し同点。しかし続く1死満塁のチャンスでは、日本新薬二遊間の好プレーで併殺に打ち取り、試合は1-1の同点のまま後半戦へ突入する。
試合が動いたのは7回表、日本新薬が2死2塁というチャンスを作ったところで、東芝は好投をみせていた2番手福本→佐藤翔にスイッチ。しかしこの佐藤翔が板倉・大崎・久保田と3連打を浴びて2点を勝ち越されると、4番手宮川も吉野にタイムリー2ベースを浴びるなど1死も取れずに降板。東芝はこれ以上失点を重ねると失点数で東京ガスを上回ってしまい予選突破が危うくなるので、ここで5番手にエース岡野を投入。岡野が満塁のピンチで井澤を三振に仕留め、打者一巡の猛攻となった日本新薬の7回表の攻撃が終わる。
その後も岡野が日本新薬を無得点に抑えるも、日本新薬も先発の齋藤が8回途中まで1失点と好投し、8回途中からは岩本がリリーフしてそのまま5-1で逃げ切った。ただし東芝は失点数で東京ガスを下回ったので、決勝リーグ進出は決めた。

3安打と東芝打線で1人気をはいた福山

7回表の2点タイムリー2ベースに守備でも見事なプレーを見せた吉野
(終始亜細亜大出身と大学を間違えられていたけど←正しくは東亜大)

8回途中からマウンドに上がって見事抑えの役割を果たした日本新薬の岩本
TOPIC
◆日本新薬先発の斎藤が見事なピッチング
この試合日本新薬の先発マウンドに上がったのは3年目の左腕齋藤。齋藤は169㎝と小柄ながら全身を大きく使ったスリークウォーターから繰り出すストレートはMax140㌔ながらキレがあり、また内外にうまく投げ分けることができていた。そして1番の武器となっていたのはスライダーで打者の手元でキレよく曲がっていて、他にはカーブ・チェンジアップなどでタイミングをはずすことができていた。
初回を3者連続三振という最高のスタートを切った齋藤は、4回に自らのバント処理暴投で1点を失うが、続く満塁のピンチで船木を併殺に仕留めるなど最少失点で切り抜けると、5回~7回は3人ずつで抑える安定したピッチング。最後は疲れも見えてきたか岩本にリリーフを仰いだが、7回2/3で6安打7奪三振1失点という見事なピッチングであり、昨年のスポニチ大会でのJR東日本完封同様に、この春先の大会で大きなインパクトを残した。今年はこの活躍を続けて、榎田にそろそろ引導を渡すべく頑張って欲しい。

8回途中まで1失点の好投をみせた日本新薬の先発齋藤
◆4点ビハインドでエース投入
ここまでの2試合はいずれも無失点と鉄壁を誇っていた東芝投手陣が7回に突如乱れた。2死2塁というピンチで佐藤翔をマウンドに送ったのだが3連打を浴びて1死もとれずに降板。ここで初日に150㌔連発で衝撃のデビューを果たした新人宮川を送るも、宮川もこの勢いにのまれ、149㌔をマークするも1個もアウトをとれない。この時点で4点のビハインドでなおも満塁というピンチであったが、ここで平馬監督がマウンドに送ったのはエース岡野であった。
というのもこの試合に東芝が敗れるとDブロックは東芝・東京ガス・日本新薬が2勝1敗で並ぶ。その場合に優先されるポイント(コールド負けやタイブレークでの勝利があると少し減る)は同じなので、次は総失点の少ないチームが1位となる。東京ガスは総失点6ですでにリーグを終えていたので(日本新薬はすでに失点が6以上)、東芝としてはこの試合で失点が6未満(前の2試合はともに完封勝ちなので)なら1位通過が確定するのだ。
という4点ビハインドなのに、これ以上失点できないという場面でマウンドに上がった岡野は井澤を見逃しの三振に斬ってとりこのピンチを凌ぐと、続く8回・9回も無失点で抑え、(試合には敗れはしたものの)何とかチームを決勝トーナメントに導いたのであった。

4点ビハインドで登場も追加点を許さずにチームを決勝トーナメントに導いた東芝エースの岡野
◆大きかった東芝のダメージ
何とか決勝トーナメントに進出した東芝であったが、翌日の準決勝ではHonda相手に1-11とまさかのコールド負け。予選リーグでは東京ガス戦、新日鐵住金東海REX戦で完封劇を演じたものの、この日本新薬戦で崩壊した投手陣が崩壊を通り越して決壊してしまった形だ。決勝トーナメントに進んだ顔ぶれを見ると、Honda(狭山)が1番の実力者であり、準決勝が山場であることは明らか。しかしその試合の先発がエース岡野でなく加嶋であり、結局岡野の登板がなく敗れ去ってしまったのは、この日本新薬戦の終盤に岡野を投入せざるを得なかったことが影響しているのだろう。
日本新薬にしてみれば、東芝は昨年の都市対抗の初戦で敗れた相手。勝っても決勝トーナメントにはいけない状況ではあったものの、新戦力も使いながら見事にリベンジを果たし、因縁の相手に単なる1敗という以上に大きなダメージを与えていたようだ。
Pickup Player
板倉健人 日本新薬 ショート
要所で聞いていたショート守備
7回の打線爆発で勝利した日本新薬であるが、そこまで1-1で凌いだところに、ショート板倉の守備での貢献度は高かった。
静岡高では1年夏からセカンドのレギュラーを獲得してランニング満塁ホームランを放つなど活躍した板倉は、その後キャッチャーを経て、2年春にはショートの定位置を獲得。2年秋からは主将も務め、3番ショートとして活躍し、3年春は静岡V。3年夏も1番ショートとして打率.556の活躍を見せるも常葉橘に敗れてしまい、結果として甲子園に出場することはできなかった。
立正大では1年春よりベンチ入りを果たし、2年春にサードのレギュラーを獲得。2年秋からは本職のショートのレギュラーとなると、4年時は主将も務めるなど活躍した。卓越した守備力を誇る一方、打撃は通算打率.214と力不足感が否めなかった。
日本新薬ではちょうど倉本がプロ入りしたこともあり、1年目からショートのレギュラーに定着。打力もついてきて、打順も6番などを務めるようになった。4年目を迎える今年も、守備範囲が広く、ガッツあふれる守備でショートのレギュラーを確固たるものとしていて、この日の試合前シートノックでは新人の大崎をサードに追いやって、ショートは板倉のみという状態であった。
そんないわゆる守備の選手である板倉の最大の見せ場は4回裏、同点にされてなおも1死満塁というピンチで、打球は投手の足元を抜けセンターに抜けようというところであったが、これを2塁ベース後方で板倉がギリギリでナイスキャッチ。さらに体がそのまま1塁方向へ流れて難しいところであるが、そんなものを感じさせないように完璧なトスを2塁ベースに向かって上げて、結果的にこれがゲッツーとなった。抜けていれば逆転→さらに続く大ピンチというところであったのでこの併殺は非常に大きかった。また7回裏には1死1塁からのハーフライナーをあえてショートバウンドでとって併殺を完成させるという芸当も成し遂げた。両方ともセカンド吉野との息もまさにピッタリというプレーでもあった。
打撃面ではまだまだというところもあるが、7回2死2塁という場面では普通のショートゴロでチェンジと思いきや俊足を飛ばした結果がこれがセーフ。これには東芝側も落胆も大きかったことであろう。そしてこれが7回の4点に繋がっていたので、この内野安打は非常に価値のあるものであった。
167㎝と小柄なショートでまさにいぶし銀というような存在である板倉であるが、この試合はまさにそれに相応しい活躍で、目立たずともこの試合のヒーローともいえる存在であった。

この試合守備で魅せた日本新薬のショート板倉
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日本新薬×東芝 @神宮球場
JABA東京スポニチ大会の予選リーグ3日目。勝つかあるいはタイブレークに持ち込んだ時点で決勝トーナメント進出が決める東芝に、この試合の前に東京ガスが新日鐵住金東海REXを5-2で破ったために失点数の関係で決勝トーナメント進出の可能性がなくなった日本新薬が挑みます。
試合スコア
※お手数ですが、もしスコアが見づらい場合には画面を拡大してみてください

日本新薬は2回表1死から井澤がヒットで出塁すると、続く正木の打球は1・2塁間へ。これを東芝セカンドの松本がナイスキャッチも1塁への送球が暴投となりランナー2・3塁。鎌田のファーストゴロの間に3塁ランナーが生還して日本新薬が先制する。対すると東芝は4回裏、先頭の吉田がライトフェンス直撃の2ベースで出塁すると、続く服部のバントをピッチャーが3塁へ悪送球し同点。しかし続く1死満塁のチャンスでは、日本新薬二遊間の好プレーで併殺に打ち取り、試合は1-1の同点のまま後半戦へ突入する。
試合が動いたのは7回表、日本新薬が2死2塁というチャンスを作ったところで、東芝は好投をみせていた2番手福本→佐藤翔にスイッチ。しかしこの佐藤翔が板倉・大崎・久保田と3連打を浴びて2点を勝ち越されると、4番手宮川も吉野にタイムリー2ベースを浴びるなど1死も取れずに降板。東芝はこれ以上失点を重ねると失点数で東京ガスを上回ってしまい予選突破が危うくなるので、ここで5番手にエース岡野を投入。岡野が満塁のピンチで井澤を三振に仕留め、打者一巡の猛攻となった日本新薬の7回表の攻撃が終わる。
その後も岡野が日本新薬を無得点に抑えるも、日本新薬も先発の齋藤が8回途中まで1失点と好投し、8回途中からは岩本がリリーフしてそのまま5-1で逃げ切った。ただし東芝は失点数で東京ガスを下回ったので、決勝リーグ進出は決めた。

3安打と東芝打線で1人気をはいた福山

7回表の2点タイムリー2ベースに守備でも見事なプレーを見せた吉野
(終始亜細亜大出身と大学を間違えられていたけど←正しくは東亜大)

8回途中からマウンドに上がって見事抑えの役割を果たした日本新薬の岩本
TOPIC
◆日本新薬先発の斎藤が見事なピッチング
この試合日本新薬の先発マウンドに上がったのは3年目の左腕齋藤。齋藤は169㎝と小柄ながら全身を大きく使ったスリークウォーターから繰り出すストレートはMax140㌔ながらキレがあり、また内外にうまく投げ分けることができていた。そして1番の武器となっていたのはスライダーで打者の手元でキレよく曲がっていて、他にはカーブ・チェンジアップなどでタイミングをはずすことができていた。
初回を3者連続三振という最高のスタートを切った齋藤は、4回に自らのバント処理暴投で1点を失うが、続く満塁のピンチで船木を併殺に仕留めるなど最少失点で切り抜けると、5回~7回は3人ずつで抑える安定したピッチング。最後は疲れも見えてきたか岩本にリリーフを仰いだが、7回2/3で6安打7奪三振1失点という見事なピッチングであり、昨年のスポニチ大会でのJR東日本完封同様に、この春先の大会で大きなインパクトを残した。今年はこの活躍を続けて、榎田にそろそろ引導を渡すべく頑張って欲しい。

8回途中まで1失点の好投をみせた日本新薬の先発齋藤
◆4点ビハインドでエース投入
ここまでの2試合はいずれも無失点と鉄壁を誇っていた東芝投手陣が7回に突如乱れた。2死2塁というピンチで佐藤翔をマウンドに送ったのだが3連打を浴びて1死もとれずに降板。ここで初日に150㌔連発で衝撃のデビューを果たした新人宮川を送るも、宮川もこの勢いにのまれ、149㌔をマークするも1個もアウトをとれない。この時点で4点のビハインドでなおも満塁というピンチであったが、ここで平馬監督がマウンドに送ったのはエース岡野であった。
というのもこの試合に東芝が敗れるとDブロックは東芝・東京ガス・日本新薬が2勝1敗で並ぶ。その場合に優先されるポイント(コールド負けやタイブレークでの勝利があると少し減る)は同じなので、次は総失点の少ないチームが1位となる。東京ガスは総失点6ですでにリーグを終えていたので(日本新薬はすでに失点が6以上)、東芝としてはこの試合で失点が6未満(前の2試合はともに完封勝ちなので)なら1位通過が確定するのだ。
という4点ビハインドなのに、これ以上失点できないという場面でマウンドに上がった岡野は井澤を見逃しの三振に斬ってとりこのピンチを凌ぐと、続く8回・9回も無失点で抑え、(試合には敗れはしたものの)何とかチームを決勝トーナメントに導いたのであった。

4点ビハインドで登場も追加点を許さずにチームを決勝トーナメントに導いた東芝エースの岡野
◆大きかった東芝のダメージ
何とか決勝トーナメントに進出した東芝であったが、翌日の準決勝ではHonda相手に1-11とまさかのコールド負け。予選リーグでは東京ガス戦、新日鐵住金東海REX戦で完封劇を演じたものの、この日本新薬戦で崩壊した投手陣が崩壊を通り越して決壊してしまった形だ。決勝トーナメントに進んだ顔ぶれを見ると、Honda(狭山)が1番の実力者であり、準決勝が山場であることは明らか。しかしその試合の先発がエース岡野でなく加嶋であり、結局岡野の登板がなく敗れ去ってしまったのは、この日本新薬戦の終盤に岡野を投入せざるを得なかったことが影響しているのだろう。
日本新薬にしてみれば、東芝は昨年の都市対抗の初戦で敗れた相手。勝っても決勝トーナメントにはいけない状況ではあったものの、新戦力も使いながら見事にリベンジを果たし、因縁の相手に単なる1敗という以上に大きなダメージを与えていたようだ。
Pickup Player
板倉健人 日本新薬 ショート
要所で聞いていたショート守備
7回の打線爆発で勝利した日本新薬であるが、そこまで1-1で凌いだところに、ショート板倉の守備での貢献度は高かった。
静岡高では1年夏からセカンドのレギュラーを獲得してランニング満塁ホームランを放つなど活躍した板倉は、その後キャッチャーを経て、2年春にはショートの定位置を獲得。2年秋からは主将も務め、3番ショートとして活躍し、3年春は静岡V。3年夏も1番ショートとして打率.556の活躍を見せるも常葉橘に敗れてしまい、結果として甲子園に出場することはできなかった。
立正大では1年春よりベンチ入りを果たし、2年春にサードのレギュラーを獲得。2年秋からは本職のショートのレギュラーとなると、4年時は主将も務めるなど活躍した。卓越した守備力を誇る一方、打撃は通算打率.214と力不足感が否めなかった。
日本新薬ではちょうど倉本がプロ入りしたこともあり、1年目からショートのレギュラーに定着。打力もついてきて、打順も6番などを務めるようになった。4年目を迎える今年も、守備範囲が広く、ガッツあふれる守備でショートのレギュラーを確固たるものとしていて、この日の試合前シートノックでは新人の大崎をサードに追いやって、ショートは板倉のみという状態であった。
そんないわゆる守備の選手である板倉の最大の見せ場は4回裏、同点にされてなおも1死満塁というピンチで、打球は投手の足元を抜けセンターに抜けようというところであったが、これを2塁ベース後方で板倉がギリギリでナイスキャッチ。さらに体がそのまま1塁方向へ流れて難しいところであるが、そんなものを感じさせないように完璧なトスを2塁ベースに向かって上げて、結果的にこれがゲッツーとなった。抜けていれば逆転→さらに続く大ピンチというところであったのでこの併殺は非常に大きかった。また7回裏には1死1塁からのハーフライナーをあえてショートバウンドでとって併殺を完成させるという芸当も成し遂げた。両方ともセカンド吉野との息もまさにピッタリというプレーでもあった。
打撃面ではまだまだというところもあるが、7回2死2塁という場面では普通のショートゴロでチェンジと思いきや俊足を飛ばした結果がこれがセーフ。これには東芝側も落胆も大きかったことであろう。そしてこれが7回の4点に繋がっていたので、この内野安打は非常に価値のあるものであった。
167㎝と小柄なショートでまさにいぶし銀というような存在である板倉であるが、この試合はまさにそれに相応しい活躍で、目立たずともこの試合のヒーローともいえる存在であった。

この試合守備で魅せた日本新薬のショート板倉
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