大阪桐蔭センバツ連覇の要因は~
センバツは大阪桐蔭が智弁和歌山を5-2で破って、連覇を達成した。
昨年のセンバツ優勝メンバーが多く残り、投打ともに圧倒的な実力を誇り、もともと優勝候補筆頭であった大阪桐蔭。その前評判に違わない見事な戦いぶりであった。大阪桐蔭おめでとうございます。
全員が打率3割以上の強力打線
2回戦の伊万里戦では4回に先発全員安打を達成するなど20安打14得点、準々決勝の花巻東戦では17安打19得点と打線が2回も大爆発した打線はピッチャーを除くスタメン全員が打率3割を超えていていた。もちろん得点の中心は中川・藤原・根尾のクリーンアップであったが、そこでも気が抜けないというのは相手投手にとっても非常に疲れるものであっただろう。ホームランが山田の1本のみであったというのは多少気がかりであったが…。
スタメンの打率
1番 宮崎 .304
2番 青地 .381
3番 中川 .409
4番 藤原 .364
5番 根尾 .500
6番 山田 .368
7番 石川 .353
8番 小泉 .333

打ってもチームトップの打率.500をマークした根尾
大成功だった4番藤原
センバツ開幕前に1番の不安であったのが藤原の膝痛である。オープン戦では代打やDHでの出場も多く、昨夏に2年生ながらU18日本代表でも1番を務めた核弾頭抜きでセンバツを戦わなければいけない可能性もあった。しかし藤原は初戦になんと4番打者としてスタメンに名を連ねると、準決勝の三重戦では延長12回2死1塁からサヨナラ打を放つなど、根尾に次ぐ2位(全選手でも)の7打点をマークした。藤原が本来打っていた1番には2番であった宮崎が回り、その2番には下位から青地が昇格した。その青地が準決勝までは打率6割超えの活躍で自慢のクリーンパックの前で、見事なチャンスメークの働きをみせた。結果的に藤原4番という打順は見事にはまったと言える。

万全ではないものの4番としての役割を果たした藤原
最終的にはエース根尾
大阪桐蔭といえば柿木・横川・根尾という3本柱であった。しかし横川は伊万里戦と花巻東戦にリリーフで登板するも内容がイマイチであり、スピードも最速の144㌔には遠く重要な一戦では先発を任せられる状態になかった。エース柿木も伊万里戦と花巻東戦は見事なピッチングをみせたが、この2試合はともに相手とのレベル差があり、また序盤から大量リードという投げやすい状態であったが、三重戦では序盤に2点を先制されてしまい4回降板。明秀日立の強力打線を1失点完投した根尾は、三重戦でも8回無失点リリーフをみせた根尾の方がピッチング内容としては上であった。柿木もそこまで悪いというわけではなかったが、決勝でも根尾が連投で登板すると創成館・東海大相模と好投手を擁する2チームからも二桁得点の超強力智弁和歌山打線を2点(しかも自責点は0)に抑えた。このセンバツでのエースはまさしく根尾であり、2年連続で優勝の瞬間をマウントで迎えるという快挙を成し遂げた。

計15回2失点であるが決勝で投げられなかったことは柿木にとっては悔しいであろう
優勝の最大の要因は攻撃でなくディフェンス
やはり大阪桐蔭というと強打のイメージが強いが、今大会の優勝の最大の要因はそのディフェンスだろう。「打線は水物」という言葉が象徴するように、それまで打ちに打ちまくっていた打線も準決勝では12回にやっと3点目を奪うという状態であり、大阪桐蔭が勝ち続けられたのは全ての試合で2点以下しか取られていないというそのディフェンスにある。
投手陣は上述した通りに根尾を中心に、柿木も他のチームであればエースとしては十分すぎる内容。これに加えて、準決勝まではエラー1個のみという鉄壁の守備も大きかった。守備力に関しても大阪桐蔭の個々の能力は全国No1と言えるレベルであり、それを象徴するのが根尾登板時の陣形だ。普通のチームであれば根尾により空いたショートには控えから守備力に秀でた選手が入るところであるが、サードの中川がショート、ファーストの石川がサードというように、それぞれの個人が複数ポジションを遜色なくこなせるプロ野球選手のような状態。実際に今日の決勝でもショート中川はセンターに抜けたと思われた当たりを見事にキャッチするファインプレー。外野もシートノックで歓声が上がるほどの強肩揃いで、柿木・根尾もピッチャー守備もかなりレベルが高い。根尾は本職のショートでもまだ粗さはあるものの、送球のスピードはこんな高校生いるのかというレベルでショートからの送球で歓声が上がっていた。

本職はサードながらショートとしても見事な守備をみせた中川
夏に向けて~
これで夏には、藤浪(阪神)の世代以来の連覇が期待される。とはいえ、こんな独走状態を智弁和歌山をはじめとした他のチームも放っておくはずがなく、大阪桐蔭の包囲網はますます厳しくなることだろう。また100回大会で大阪は北大阪と南大阪に分かれるものの、大阪桐蔭は履正社と同じ北大阪。昨年はセンバツの決勝を戦ったこの最大のライバルを倒さなければ、そもそも甲子園にすら来ることができないのだ。それも踏まえて西谷監督はもうすぐに始まる春の大会では激しいレギュラー争いを仕掛けることだろう。夏はどんなメンバーになるのか?そんなことを考えながら大阪桐蔭の連覇を目指す夏に向けての戦いを楽しみたいと思う。
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昨年のセンバツ優勝メンバーが多く残り、投打ともに圧倒的な実力を誇り、もともと優勝候補筆頭であった大阪桐蔭。その前評判に違わない見事な戦いぶりであった。大阪桐蔭おめでとうございます。
全員が打率3割以上の強力打線
2回戦の伊万里戦では4回に先発全員安打を達成するなど20安打14得点、準々決勝の花巻東戦では17安打19得点と打線が2回も大爆発した打線はピッチャーを除くスタメン全員が打率3割を超えていていた。もちろん得点の中心は中川・藤原・根尾のクリーンアップであったが、そこでも気が抜けないというのは相手投手にとっても非常に疲れるものであっただろう。ホームランが山田の1本のみであったというのは多少気がかりであったが…。
スタメンの打率
1番 宮崎 .304
2番 青地 .381
3番 中川 .409
4番 藤原 .364
5番 根尾 .500
6番 山田 .368
7番 石川 .353
8番 小泉 .333

打ってもチームトップの打率.500をマークした根尾
大成功だった4番藤原
センバツ開幕前に1番の不安であったのが藤原の膝痛である。オープン戦では代打やDHでの出場も多く、昨夏に2年生ながらU18日本代表でも1番を務めた核弾頭抜きでセンバツを戦わなければいけない可能性もあった。しかし藤原は初戦になんと4番打者としてスタメンに名を連ねると、準決勝の三重戦では延長12回2死1塁からサヨナラ打を放つなど、根尾に次ぐ2位(全選手でも)の7打点をマークした。藤原が本来打っていた1番には2番であった宮崎が回り、その2番には下位から青地が昇格した。その青地が準決勝までは打率6割超えの活躍で自慢のクリーンパックの前で、見事なチャンスメークの働きをみせた。結果的に藤原4番という打順は見事にはまったと言える。

万全ではないものの4番としての役割を果たした藤原
最終的にはエース根尾
大阪桐蔭といえば柿木・横川・根尾という3本柱であった。しかし横川は伊万里戦と花巻東戦にリリーフで登板するも内容がイマイチであり、スピードも最速の144㌔には遠く重要な一戦では先発を任せられる状態になかった。エース柿木も伊万里戦と花巻東戦は見事なピッチングをみせたが、この2試合はともに相手とのレベル差があり、また序盤から大量リードという投げやすい状態であったが、三重戦では序盤に2点を先制されてしまい4回降板。明秀日立の強力打線を1失点完投した根尾は、三重戦でも8回無失点リリーフをみせた根尾の方がピッチング内容としては上であった。柿木もそこまで悪いというわけではなかったが、決勝でも根尾が連投で登板すると創成館・東海大相模と好投手を擁する2チームからも二桁得点の超強力智弁和歌山打線を2点(しかも自責点は0)に抑えた。このセンバツでのエースはまさしく根尾であり、2年連続で優勝の瞬間をマウントで迎えるという快挙を成し遂げた。

計15回2失点であるが決勝で投げられなかったことは柿木にとっては悔しいであろう
優勝の最大の要因は攻撃でなくディフェンス
やはり大阪桐蔭というと強打のイメージが強いが、今大会の優勝の最大の要因はそのディフェンスだろう。「打線は水物」という言葉が象徴するように、それまで打ちに打ちまくっていた打線も準決勝では12回にやっと3点目を奪うという状態であり、大阪桐蔭が勝ち続けられたのは全ての試合で2点以下しか取られていないというそのディフェンスにある。
投手陣は上述した通りに根尾を中心に、柿木も他のチームであればエースとしては十分すぎる内容。これに加えて、準決勝まではエラー1個のみという鉄壁の守備も大きかった。守備力に関しても大阪桐蔭の個々の能力は全国No1と言えるレベルであり、それを象徴するのが根尾登板時の陣形だ。普通のチームであれば根尾により空いたショートには控えから守備力に秀でた選手が入るところであるが、サードの中川がショート、ファーストの石川がサードというように、それぞれの個人が複数ポジションを遜色なくこなせるプロ野球選手のような状態。実際に今日の決勝でもショート中川はセンターに抜けたと思われた当たりを見事にキャッチするファインプレー。外野もシートノックで歓声が上がるほどの強肩揃いで、柿木・根尾もピッチャー守備もかなりレベルが高い。根尾は本職のショートでもまだ粗さはあるものの、送球のスピードはこんな高校生いるのかというレベルでショートからの送球で歓声が上がっていた。

本職はサードながらショートとしても見事な守備をみせた中川
夏に向けて~
これで夏には、藤浪(阪神)の世代以来の連覇が期待される。とはいえ、こんな独走状態を智弁和歌山をはじめとした他のチームも放っておくはずがなく、大阪桐蔭の包囲網はますます厳しくなることだろう。また100回大会で大阪は北大阪と南大阪に分かれるものの、大阪桐蔭は履正社と同じ北大阪。昨年はセンバツの決勝を戦ったこの最大のライバルを倒さなければ、そもそも甲子園にすら来ることができないのだ。それも踏まえて西谷監督はもうすぐに始まる春の大会では激しいレギュラー争いを仕掛けることだろう。夏はどんなメンバーになるのか?そんなことを考えながら大阪桐蔭の連覇を目指す夏に向けての戦いを楽しみたいと思う。
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